JP3144972B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JP3144972B2 JP31655893A JP31655893A JP3144972B2 JP 3144972 B2 JP3144972 B2 JP 3144972B2 JP 31655893 A JP31655893 A JP 31655893A JP 31655893 A JP31655893 A JP 31655893A JP 3144972 B2 JP3144972 B2 JP 3144972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的性質、成形加工性
に優れたポリエステル樹脂組成物に関するものであり、
更に詳しくは、成形時の結晶化速度が改善され、よりハ
イサイクルの成形が可能で、しかも剛性及び靱性に優れ
たポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
ブチレンテレフタレート(以下PBTと略称する)は自
動車部品、電気機器部品、機械部品などの工業用プラス
チック分野でその優れた機械的性質、成形加工性のため
広く使用されている。PBTはそれ自身で射出成形に十
分可能な結晶化速度を有しているが、更にハイサイクル
化が望まれることがある。ハイサイクル成形のため比較
的低温の金型で成形を行った場合には、結晶化速度が不
十分なためにPBT本来の剛性が得られないという問題
がある。この問題の従来の解決方法としては、無機フィ
ラーを添加することにより、結晶化速度と共に剛性を上
げるという手法が採られているが、反面著しい靱性の低
下を生じる。又、結晶核剤の添加は靱性の低下の問題と
共にコスト高になるという問題を持つ。斯かる問題の解
決の為、本発明者等は検討を進めた結果、先に特願平5
−204014号として、結晶化速度が改善されたポリ
エステルの製造方法を提案した。該方法によれば結晶化
速度が改善されたポリエステルが得られるが、更に検討
を進めたところ用途によっては結晶化速度が未だ不十分
な場合があり、又、物性のばらつきが大きくなることが
あることが判明した。一方、成形をハイサイクル化した
場合、離型不良の問題を生じる場合が多く、結晶化速度
に有利に働き、且つ優れた離型性能を示す離型剤の添加
が必要となる。離型剤としてはパラフィンワックス、脂
肪酸アミドなどが知られているが、かかる離型剤等が配
合されたポリエステル樹脂は、離型性能は改善されるも
のの、成形前の予備乾燥時の離型剤の浸み出しに起因す
ると思われる成形時のペレットの喰込み不良或いはスク
リュー上でのすべり等が発生し、長時間にわたり安定し
た成形が行えないという問題を有するため、ハイサイク
ル成形には使用できない。又、近年、成形品の製造コス
ト低減のため、成形クズをリサイクル使用する機会が増
加しており、その際の喰込み不良は更に悪化し、その解
決が望まれている、一部問題点に関しては、金属セッケ
ン類のペレット表面への添加等により若干の改善が認め
られるが未だ不十分であり、又、添加作業の煩雑さ、成
形工場内での環境問題、或いは金属板等の腐食等の問題
がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み、低温の金型にてハイサイクル成形した時で
も、結晶化速度が速く剛性、靱性に優れ、且つ離型性、
計量安定性に優れたハイサイクル成形可能なポリエステ
ル樹脂を得るべく鋭意検討を重ねた結果、特定の液相重
縮合ポリエステルを特定条件で固相重合することにより
結晶化速度を速めたポリエステル樹脂に特定のエステル
化合物を添加し、又、必要に応じ更に微量の結晶化核剤
を添加することが有効であることを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明はテレフタル酸またはそ
の低級アルコールエステルを主体とする酸成分と1,4 −
ブタンジオールを主体とするジオール成分とからなり、
固有粘度0.70以下の液相重縮合ポリエステルを一旦固化
した後、不活性気流下または減圧下で固相重合し、製造
チップの結晶融解エンタルピーの増加分を10 J/g以上と
し、製造チップの固有粘度を0.70以上1.05以下としたポ
リエステル樹脂(a) 100 重量部に、炭素数12以上の脂肪
酸を構成成分とする脂肪酸エステル化合物の1種又は2
種以上(b) を0.01〜5重量部、更に必要に応じ結晶化核
剤(c) を0.01〜1.0重量部添加してなるポリエステル樹
脂組成物である。
【0004】以下、本発明の樹脂組成物を詳細に説明す
る。本発明に用いるポリエステルは、主構成酸成分とし
てテレフタル酸またはそのジメチルエステル等の低級ア
ルコールエステルを、また主構成アルコール成分として
1,4 −ブタンジオールを用いて得られるPBTおよびそ
の共重合体である。共重合PBTを調製する場合には、
酸構成成分コモノマーとして、前記主要構成酸成分以外
の酸成分である4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,6 −
ナフタレンジカルボン酸、2,7 −ナフタレンジカルボン
酸、ジフェン酸、アジピン酸、セバシン酸,1,4 −シク
ロヘキサンジカルボン酸およびこれらのジメチルエステ
ル等の従来公知の二官能性カルボン酸またはその低級ア
ルコールエステルの一種または二種以上を用いることが
可能である。また、ジオール構成成分コモノマーとして
は前記主要構成ジオール成分以外のジオール成分である
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,3 −プロパンジオール、1,5 −ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサ
ンジオール、1,10−デカンジオール、1,4 −シクロヘキ
サンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、p
−キシリデングリコール、ハイドロキノンのアルキレン
オキシド付加体、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのアルキレンオキシド付加体、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホンのアルキレンオキシド付
加体、2,6 −ジヒドロキシナフタレンのアルキレンオキ
シド付加体等の従来公知の二官能性ジオールの一種また
は二種以上を用いることが可能である。またコモノマー
として難燃性を付与するために上記物質のハロゲン置換
体等を用いても良い。これらの共重合成分の導入量は、
好ましくは全構成繰り返しエステル単位に対し20モル%
以下であり、特に好ましくは15モル%以下である。共重
合成分の導入量が全構成繰り返しエステル単位に対し20
モル%を越えた場合には結晶化速度や機械的強度が著し
く低下し好ましくない。また、トリメシン酸トリメチ
ル、トリメリット酸トリメチル、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールの如き三官能以上の多官能化
合物、ステアリルアルコール、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、モノエポキシ化合物の如き単官能化合物、p−
ヒドロキシエトキシベンゼンカルボン酸エステルの如き
ヒドロキシカルボン酸誘導体、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラヒドロフランの如きポリアルキレングリ
コール等を少量使用或いは、上記共重合成分と併用する
ことも可能である。
【0005】テレフタル酸と1,4 −ブタンジオールを主
たる原料とするエステル化反応はテレフタル酸1モルに
対して、1,4 −ブタンジオール1〜5モルの割合で常圧
下叉は加圧下190 〜250 ℃の温度で、連続的に生成する
水を除去しながら行なう。
【0006】実用的な反応速度を得るための触媒として
はチタン化合物、スズ化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、
マンガン化合物などが例示され、その中でも有機チタネ
ート化合物、四塩化チタン化合物及びこれらの加水分解
物或いは加アルコール分解物、酸化スズ化合物、酢酸ス
ズ化合物、有機スズ化合物等が好適である。さらに具体
的には、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネート、テトラエチルチタネート、テトラメチルチタネ
ート及びそれらの加水分解物、四塩化チタン及び硫酸チ
タン等の加水分解物、チタンフッ化カリ、チタンフッ化
亜鉛、チタンフッ化コバルトなどの無機チタン化合物、
シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリ等のポリエステル
製造触媒として従来公知のチタン化合物、及び/又は、
ジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセテート、ジオ
クチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウリルメ
リカプチド、ポリジブチルスズセバケート、ジブチルス
ズエチレングリコレート、ジオクチルスズチオサリチレ
ート、ジフェニルスズベンゼンスルホネート、ジメチル
スズ−p−トルエンスルホネート等のポリエステル製造
触媒として従来公知のスズ化合物が挙げられる。特に好
ましいものとしては、テトラブチルチタネート、テトラ
プロピルチタネート、四塩化チタンの加水分解物、ジブ
チルスズオキシド、ジブチルスズアセテート、ジオクチ
ルスズジアセテート等が挙げられる。これらの触媒の添
加は必要に応じて反応中数回に分けることも可能であ
る。テレフタル酸と1,4 −ブタンジオールを主たる原料
とするエステル化反応はテレフタル酸1モルに対して、
1,4 −ブタンジオール1〜5モルの割合で常圧下叉は加
圧下190 〜250 ℃の温度で、連続的に生成する水を除去
しながら行なわれる。このとき上記のチタン化合物ある
いはスズ化合物等の存在下で行なうと好都合なことが多
い。
【0007】液相重縮合反応は上記エステル交換反応或
いはエステル化反応によって得られる生成物を180 〜26
0 ℃で反応系を減圧にし、過剰の1,4 −ブタンジオール
及び副生物を連続的に除去しながら特定の重合度(固有
粘度)が得られるまで溶融重合を行なう。かかる溶融重
縮合反応で実用的な反応速度を得るための触媒として
は、前記エステル交換反応或いはエステル化反応に使用
される如き化合物がそのまま使用可能であり、また縮合
反応の速度を向上するために縮合反応開始以前に更にこ
れらの一種叉は二種以上を追加することも可能である。
また、モノマー調合段階又は溶融重縮合段階でりん系化
合物及び/又はアルカリ性化合物等を加えることも可能
であり、特に、適量のりん系化合物を用いた場合、本発
明において結晶化速度、機械的強度を効率良く高めるこ
とができる。ここで代表的なりん系化合物としてはトリ
フェニルフォスファイト、トリドデシルフォスファイ
ト、トリデシルフォスファイト、トリオクチルフォスフ
ァイト、トリプロピルフォスファイト、トリエチルフォ
スファイト、ジフェニルデシルフォスファイト、トリス
(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ト
リス(4−オクチルフェニル)フォスファイト、トリス
(4−(1−フェニルエチルフェニル))フォスファイ
ト、テトラキス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4'−ビスフェニレンフォスフォナイト、3,5 −ジブチル
−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネートジエチルエ
ステル、トリフェニルフォスフィン、トリドデシルフォ
スフィン、トリデシルフォスフィン、トリオクチルフォ
スフィン、トリプロピルフォスフィン、テトラアルキル
ホスホニウムのハロゲン化物、テトラアルキルホスホニ
ウムのスルホン酸塩化合物等が挙げられる。
【0008】上記の条件で液相重縮合されたPBTプレ
ポリマーはオルソクロロフェノール中25℃での固有粘度
が0.70以下の値のものである。特に本発明の効果を上げ
るためには固有粘度が0.50以下の値のものが好ましく、
プレポリマーの固有粘度が0.70を越えた場合、結晶化速
度や機械的強度の改善効果が少なくなり好ましくない。
また、プレポリマーの固有粘度の下限値は特に限定する
必要はないが、液相反応器から効率良くプレポリマーを
ストランド状またはシート状として排出しこれを固化す
るために、固有粘度0.30以上のものが好ましい。
【0009】このプレポリマーは次いで冷却固化し、粉
砕または粒状化した後、固相重合に移行する。冷却固化
は通常の方法で行なわれる。例えば、溶融重縮合反応器
からストランド状またはシート状に排出したプレポリマ
ーを気流下または水中へ導いて冷却固化し、粉砕または
切断する。この際、分子量の増加が固相重合中均一に行
なわれる様に出来る限り均一な大きさのチップとするの
が有利である。次いで、固化、細解したポリマーチップ
は、その融点から5〜60℃低い温度にて保持され適当な
ガス導入口、排気口、真空連結器等を有した反応器に移
し、不活性気流下または真空中にて加熱処理し固相重合
を行う。この反応器はバッチ式、連続式いずれでもよ
い。尚、固相重合中にポリマーチップが相互に融着する
のを防止するため、その予備処理として固相重合に先だ
ちチップの乾燥処理を行っても良い。
【0010】本発明においては、上記固相重合された製
造チップはオルソクロロフェノール中25℃の固有粘度を
0.70以上1.05以下とすることが必要である。所望の重合
度(固有粘度)は滞留時間、処理温度等により適宜調節
することができる。固有粘度が1.05を越えた場合は、結
晶化速度や機械的強度が低下し、改善効果が少なくな
り、又、0.70未満の場合には伸度や靭性等の低下がみら
れるため、いずれの場合も好ましくない。一般に、かか
る固有粘度値は溶融重縮合のみでも可能であり、また一
般に固相重合によりポリエステルの固有粘度を向上させ
ることは周知であるが、本発明の効果を充分発揮するた
めには、単に固有粘度が前記範囲のものであればよいと
いうものではなく、また単に固相重合を行えばよいもの
でもなく、更にそのチップの固相重合の間における結晶
融解エンタルピーの増加分が10 J/g以上となる様に処理
することが必須であり重要な要件である。特に13 J/g以
上とすることが好ましい。結晶融解エンタルピーの増加
分は固相重合後の製造チップの結晶融解エンタルピーと
プレポリマーチップの結晶融解エンタルピーとの差によ
り求められる。固相重合時の結晶融解エンタルピーの増
加分が10 J/g以下の場合には、溶融成形における結晶化
速度や機械的強度の改善効果が少なくなり好ましくな
く、また該条件は前述の固有粘度の条件を併せて満足す
ることが必要である。本発明では、上記ポリエステルを
成分(a) として使用するが、好ましくはポリアルキレン
テレフタレート、更に好ましくはポリブチレンテレフタ
レートを主体とする樹脂である。
【0011】次に、本発明の樹脂組成物に用いられる離
型剤としての脂肪酸エステル化合物(b) は、炭素数12以
上の脂肪酸を構成成分とするエステル化合物である。脂
肪酸エステルを構成する炭素数12以上の脂肪酸として
は、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等が挙げられ、好ましく
は炭素数16〜32のもの、特に好ましくは炭素数18〜22の
ものが使用される。炭素数12未満のものでは離型性の改
良効果が少なく、又、炭素数が32を越えるものは耐熱性
が低下することがあり好ましくない。又、エステルを構
成するアルコール成分としては、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、脂肪族アル
コール類、セチルアルコール、オレイルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリオキシ
エチレンアルコール等が挙げられるが、好ましくはソル
ビタン、ペンタエリスリトール、脂肪族アルコール、グ
リセリンが使用される。好ましい脂肪酸エステル化合物
を例示すると、ソルビタンポリパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソル
ビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、
ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリベヘネート、
ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリス
リトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリス
テアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート
等が挙げられる。(a) 成分100 重量部に対する(b) 成分
の添加量は0.01〜5重量部、好ましくは0.1 〜2重量部
である。(b) 成分が少なすぎると離型性改良効果が少な
くハイサイクル形成時に離型不良を生じ、また、多すぎ
ると機械的物性の低下を起こし、計量性が不安定になり
好ましくない。
【0012】本発明のポリエスエテル組成物には、必要
に応じて結晶化速度を安定して得るために既知の結晶化
核剤(c) を加えてもよい。結晶化核剤としてはタルク、
クレー、カオリン、雲母、アスベスト、珪酸塩、シリ
カ、窒化ホウ素、窒化珪素、金属酸化物及び有機核剤等
が挙げられる。通常のPBT組成物において、これら核
剤にて所望の結晶化速度を得るためには添加量を多く必
要とするため、靱性を低下させたりコスト高となるが、
本発明の組成物では靱性を低下させない少量の添加でも
十分速い結晶化速度が得られる。即ち、本発明において
は結晶化核剤(c)の添加量はポリエステル樹脂(a) 100
重量部に対し0.01〜1.0 重量部で良い。
【0013】又、本発明の組成物には、その目的を阻害
しない範囲で他の熱可塑性樹脂を添加してもよい。熱可
塑性樹脂としては、例えばポリアミド、ABS、AA
S、AES、AS、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
ルキルアクリレート、ポリアセタール、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルケトン、フッ素樹脂等を挙げることができる。ま
た、これらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用する
こともできる。本発明の組成物には、更にその目的に応
じ所望の特性を付与するため、一般に熱可塑性樹脂に添
加される公知の物質、即ち酸化防止剤や耐熱安定剤、紫
外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、及び無機
充填剤等を配合することもできる。
【0014】本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成
物調製法として一般に用いられている公知の設備と方法
により容易に調製される。例えば、i)各成分を混合した
後、押出機により練込押出してペレットを調製し、しか
る後成形する方法、ii) 一旦組成の異なるペレットを調
製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し成形後
に目的組成の成形品を得る方法、iii)成形機に各成分の
1または2以上を直接仕込む方法等、何れも使用でき
る。また、樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以外
の成分と混合し添加することは、これらの成分の均一配
合を行う上で好ましい方法である。
【0015】
【発明の効果】以上の如く、本発明により得られるポリ
エステル樹脂組成物は、結晶化速度が改善され、ハイサ
イクルを必要とする射出成形において成形加工性、成形
品の機械的強度、靱性に優れ、ハイサイクル成形材料と
して非常に有用である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜3 テレフタル酸ジメチル194 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル126 重量部、及びチタニウムテトラブトキシド1.21重
量部を、撹拌機及び留出塔を備え、十分に窒素置換した
反応器に仕込み、反応器内の温度を140 ℃とし、更に、
徐々に温度を上昇させ副生するメタノールを留去し、エ
ステル交換反応を行った。留出メタノールが理論量の85
重量%の時点で反応物質の温度は185 ℃に上昇し、次い
でこれを温度210 ℃の別の反応器に移し、1時間で1.0t
orr まで減圧し、同時に反応温度を250 ℃まで上昇さ
せ、1.0torr の圧力で2.0 時間撹拌を続けて溶融重縮合
を行った後、溶融物を噴出口からストランドとして押し
出し、そのストランドを水で冷却し、熱風下を通して付
着水を除去し切断して直径2mm、長さ3mmの大きさの白
色、円筒状のプレポリマーチップとした。得られたプレ
ポリマーはオルソクロロフェノール中25℃での固有粘度
0.45を有していた。次に、このチップ状プレポリマーを
予備加熱器(滞留30分)を経て、ジャケット付き(210
℃熱媒通過)縦型円筒状の固相反応器の上部へ供給し、
器内に一定の滞留時間を保つ様一定の高さに堆積させ
て、下部より抜き取り、且つ下部より乾燥した210 ℃の
窒素を供給し上部より排出させて窒素気流下での連続固
相重合を行った。この反応系の内部温度は上部で205
℃、下部で208 ℃であり、滞留時間は10時間であった。
得られたポリマーはオルソクロロフェノール中25℃で固
有粘度0.95を有していた。また製造チップの固相重合時
の結晶融解エンタルピーの増加分は14.3 J/gであった。
得られたPBTチップ(a) に対し、脂肪酸エステル化合
物(b) としてソルビタントリベヘネート又はペンタエリ
スリトールテトラステアレート、場合により結晶化核剤
(c) としてタルクを表1に示す割合で添加した後、二軸
押出機により溶融混練しペレットを調製した。後記する
評価を行った。その結果を表1に示す。 比較例1〜2 実施例1と同じ方法で製造したPBTチップ(a) 単独
で、あるいは脂肪酸エステル化合物(b) を本願で規定す
る範囲外の量添加し、実施例1と同様にペレットを調製
して、評価した。その結果を表1に示す。 比較例3 固相重合前の固有粘度が0.68のプレポリマーから、固相
重合前により固有粘度0.95のPBTチップを製造した。
この時の結晶融解エンタルピーの増加分は7.1J/g であ
った。このPBTチップを用いた他は実施例1と同様に
してペレット化し評価を行った。 比較例4 実施例1と同じ方法で製造したPBTチップ(a) に脂肪
酸エステル化合物(b)の代わりに一般的な離型剤(エチ
レンビスステアリルアミド)を添加し、ペレットを調製
し評価を行った。
【0017】評価項目及び評価方法は以下の通りであ
る。 (1) 結晶化速度 DSC測定器により以下の条件にて結晶化速度と融点を
測定し、その温度差(ΔT)にて示した。ΔTが小さい
ほど結晶化速度が速い。 260 ℃(3分ホールド)→ −10℃/分→ 130 ℃(3分ホールド) → 10℃/分→ 260 ℃ (2) 引張強伸度 射出成形にてASTM1号ダンベル試験片を作成し、ASTM D
638に準拠して測定(測定数=5)した。尚、試験片の
成形は下記条件にて行った。 成形機 ;東芝IS30EPN シリンダー温度 ;250 ℃(ノズル)−240 ℃(第3ゾ
ーン)−230 ℃(第2ゾーン)−210 ℃(第1ゾーン) 金型温度 ;実測40℃ (3) ペレット喰込み性(計量時間のバラツキ)の評価 下記条件にて箱型成形品(D75mm ×W40mm ×H40mm × t
2mm)の成形を行い、計量時間(可塑化時間)を測定し
た。平均値が小さいほど、ペレット喰込み性が優れてい
ることを示す(結果は200 ショット成形時の平均値)。
箱型成形品の成形は下記条件にて行った。 成形機 ;東芝IS30EPN シリンダー温度 ;260 ℃(ノズル)−250 ℃(第3ゾ
ーン)−240 ℃(第2ゾーン)−240 ℃(第1ゾーン) 金型温度 ;60℃ スクリュー回転数;160rpm (4) 離型性 上記のペレット喰込み性の評価の場合と同一成形品を同
一条件にて成形した時の、突出しピンによる変形を以下
のランクに従って判定した。 ○ 無し △ 若干変形有り × 変形大
【0018】
【表1】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはその低級アルコール
    エステルを主体とする酸成分と1,4 −ブタンジオールを
    主体とするジオール成分とからなり、固有粘度0.70以下
    の液相重縮合ポリエステルを一旦固化した後、不活性気
    流下または減圧下で固相重合し、製造チップの結晶融解
    エンタルピーの増加分を10 J/g以上とし、製造チップの
    固有粘度を0.70以上1.05以下としたポリエステル樹脂
    (a) 100重量部に、炭素数12以上の脂肪酸を構成成分と
    する脂肪酸エステル化合物の1種又は2種以上(b) を0.
    01〜5重量部添加してなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪酸エステル化合物(b) が、炭素数12
    以上の脂肪酸と、ソルビタン、ペンタエリスリトール、
    脂肪族アルコール又はグリセリンとからなるものである
    請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に結晶化核剤(c) をポリエステル樹脂
    (a) 100 重量部に対し0.01〜1.0 重量部添加してなる請
    求項1又は2記載のポリエステル樹脂組成物。
JP31655893A 1993-12-16 1993-12-16 ポリエステル樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3144972B2 (ja)

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