JP3288222B2 - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂の
製造方法に関するものであり、詳しくはカルボン酸末端
を著しく低減した耐湿熱性に優れたポリエステル樹脂の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリブ
チレンテレフタレート(以下、PBTと略す)、ポリブ
チレンナフタレート(以下、PBNと略す)に代表され
る、芳香族ジカルボン酸と1,4 −ブタンジオールより構
成されるポリエステル樹脂は機械的性質、物理的・化学
的特性に優れ、かつ射出成形、押出成形等の加工特性が
良好であるがゆえに、エンジニアリングプラスチックと
して自動車、電気・電子部品、その他精密機械、建材、
雑貨等に広く用いられている。しかしながら、用途の拡
大、多様化に伴い高温・高湿度下での長期的な使用に対
する物性の安定性(耐湿熱性)が要求される場合が増加
しつつある。例えば自動車部品については、安全上の必
要性から、高温・高湿条件でも加水分解・熱分解による
分子量低下による機械物性の低下の改善が強く要望され
ている。一般にポリエステル樹脂の湿熱による劣化はポ
リエステル鎖の加水分解に起因する部分が大きく、この
加水分解反応はポリエステル自身のカルボキシル末端に
触媒されることが知られている。PBT、PBN等のポ
リエステル樹脂についても耐湿熱性の改善にはカルボキ
シル末端の低減が有効であることが知られており、耐湿
熱性改善のためカルボキシル末端を低減したPBT、P
BN等の芳香族ジカルボン酸と1,4 −ブタンジオールを
主体とするポリエステル樹脂の製造法が種々提案されて
いる。例えばエポキシ化合物等カルボキシル末端との反
応性を有する化合物を重縮合工程で添加してカルボキシ
ル末端を封止する方法があるが、重縮合工程等の高温溶
融状態では重縮合反応と共に、カルボキシル末端を生成
する分解反応も同時におこっているため、カルボキシル
末端の低減水準には限界があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エステル化又はエ
ステル交換反応、さらに重縮合工程を経て得られたポリ
エステルを1,4 −ブタンジオール中で加熱処理し、さら
に固相重合することでカルボキシル末端濃度を著しく低
減できることを見出し、本発明を完成するに至ったもの
である。即ち本発明は、テレフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸またはその低級アルコールエステルを主体とす
る酸成分と、1,4 −ブタンジオールを主体とするジオー
ル成分からポリエステル樹脂を製造するに際し、エステ
ル化又はエステル交換反応を経て溶融重縮合して得られ
た重合反応物を、1,4 −ブタンジオール中で熱処理した
後、さらに固相重合することにより、得られる重合体の
固有粘度が0.6 dl/g 以上、且つ溶融重縮合で得られた
重合反応物の固有粘度の0.8 倍以上であり、カルボン酸
末端を著しく低減させたことを特徴とするポリエステル
樹脂の製造法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン
酸を主たる酸成分とし、1,4 −ブタンジオールを主たる
グリコール成分とするポリエステル樹脂であるが、主骨
格を形成する原料モノマーとしては、かかるジカルボン
酸及び1,4 −ブタンジオールの他に、それらのエステル
形成性誘導体を用いることも可能である。ここで芳香族
ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニ
ルジカルボン酸、スチルベンジカルボン酸、2,2 −(ビ
スカルボキシフェニル)プロパン、等が挙げられる。ま
た、これらのエステル形成性誘導体としてはこれらの低
級アルコールエステルが挙げられる。さらに、本発明に
おいては本来の特性を損なわない範囲で他のジカルボン
酸及び/又はグリコール、オキシカルボン酸を共重合成
分として用いることができる。他のジカルボン酸として
は、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸の如き公知のジカルボン酸等である。また、これら
のジカルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、
例えばジメチルエステルの如き低級アルコールエステル
の形で共重合に使用することも可能である。また、これ
らは二種以上が使用されることもある。他のグリコール
成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾル
シン、ジヒドロキシフェニルエーテル、ナフタレンジオ
ール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAの如きジ
ヒドロキシ化合物及びこれらの置換体等であり、一種又
は二種以上を使用することができる。また、オキシカル
ボン酸の成分を示せばオキシ安息香酸、オキシナフトエ
酸、ジフェニレンオキシカルボン酸及びこれらの置換体
が挙げられ、これらは一種又は二種以上が使用されるこ
ともある。また、これらの他に、本来の特性を損なわな
い範囲で三官能性モノマー、即ちトリメリット酸、トリ
メシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン等を少量共重合した分岐又は架橋
構造を有するポリエステル樹脂であってもよい。これら
共重合成分の導入量は、好ましくは全構成繰り返しエス
テル単位に対し30モル%以下であり、特に好ましくは20
モル%以下である。本発明において、上記の如きポリエ
ステル樹脂の中でも、特にテレフタル酸と1,4 −ブタン
ジオールとを主な構成要素とするPBT系樹脂及びナフ
タレンジカルボン酸(特に 2,6−体)と1,4 −ブタンジ
オールとを主な構成要素とするPBN系樹脂においてカ
ルボキシル末端の低減による耐湿熱性の改善が顕著であ
る。
【0005】本発明の方法において、酸成分としてテレ
フタル酸或はナフタレンジカルボン酸の低級アルコール
エステルを用いる場合のエステル交換反応は、テレフタ
ル酸或はナフタレンジカルボン酸の低級アルコールエス
テルと1,4 −ブタンジオールをモル比1:1〜1:2と
して常圧下において行う。実用的な反応速度を得るため
の触媒としてはチタン化合物、スズ化合物、酸化鉛、酢
酸鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、酢酸マンガンなどが例示さ
れ、その中でも有機チタネート化合物、四塩化チタン化
合物及びこれらの加水分解物或は加アルコール分解物、
酸化スズ、酢酸スズ、有機スズ化合物等が好適である。
具体的には、テトラブチルチタネート、テトラプロピル
チタネート、テトラエチルチタネート、テトラメチルチ
タネート及びそれらの加水分解物、四塩化チタン及び硫
酸チタン等の加水分解物、チタンフッ化カリ、チタンフ
ッ化亜鉛、チタンフッ化コバルトなどの無機チタン化合
物、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリ等のポリエス
テル製造触媒として従来公知のチタン化合物及び/又は
ジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセテート、ジフ
ェニルスズラウリルメルカプチド、ジブチルスズセバケ
ート、ジブチルスズエチレングリコレート、ジオクチル
スズチサリチレート、ジフェニルスズベンゼンスルホネ
ート、ジメチルスズ−p−トルエンスルホネート等のポ
リエステル製造触媒として従来公知のスズ化合物が挙げ
られる。特に好ましいものとしては、テトラブチルチタ
ネート、テトラプロピルチタネート、四塩化チタンの加
水分解物、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセテ
ート、ジオクチルスズアセテート等が挙げられる。これ
らの触媒の使用量はチタン化合物系、スズ化合物系およ
びこれらの混合系を例にした場合、チタン及びスズ(混
合物系の場合はその合計)として好ましくは10〜1200pp
m (対ポリマー)、特に好ましくは30〜1000ppm(対ポリ
マー)とするのがよく、必要に応じて反応中数回に分け
て加えることも可能である。この後、反応温度は、連続
的に生成するメタノール等の低級アルコールを除去しな
がら、 230℃以下まで上げることが可能である。
【0006】また、酸成分としてテレフタル酸或はナフ
タレンジカルボン酸を主たる原料とするエステル化反応
はテレフタル酸或はナフタレンジカルボン酸1モルに対
して、1,4 −ブタンジオール1〜5モルの割合で常圧下
又は加圧下で行い、上記のチタン化合物あるいはスズ化
合物等のエステル化反応触媒を加えて、連続的に生成す
る水を除去しながら行われ、触媒は必要に応じて反応中
数回に分けることも可能である。この後、反応温度 250
℃以下まで上げることが可能である。
【0007】重縮合反応は上記エステル化反応によって
得られる生成物を 190〜270 ℃で反応系を減圧にし過剰
の1,4 −ブタンジオール及び反応副生物を連続的に除去
しながら所望の重合度が得られるまで溶融重合を行う。
重縮合反応で実用的な反応速度を得るための触媒として
は、前記エステル交換反応或はエステル化反応に使用さ
れる触媒がそのまま使用可能であり、また重縮合反応の
速度を向上するために重縮合反応開始以前に更にこれら
の一種又は二種以上を追加することも可能である。ま
た、モノマー調合段階又は重合段階に立体障害性フェノ
ール、リン系化合物等の従来公知の安定剤を加えること
も可能である。
【0008】上記溶融重合によって得られたポリエステ
ル樹脂は、オルトクロロフェノール中25℃の固有粘度が
0.7〜1.2 dl/g 程度のものであり、これは次いで冷却
固化し、粉砕またはペレット化される。このようにして
得られたポリエステル重合物は、1,4 −ブタンジオール
と直接接触させることにより処理される。この処理によ
りポリエステル中に含まれるカルボキシル末端は1,4 −
ブタンジオールの持つ水酸基と縮合を起こし、カルボキ
シル末端が低減されてブチルヒドロキシ末端に変化す
る。同時にポリエステル主鎖は1,4 −ブタンジオールに
よる加アルコール分解により分子量の低下が起る。この
接触処理の温度は好ましくは 120〜 200℃、特に好まし
くは 150〜180 ℃で行われる。処理温度が低すぎるとポ
リエステル重合体中に含有されるカルボキシル末端と1,
4 −ブタンジオールとの縮合反応の速度が極めて遅く、
カルボキシル末端の低減が効率的に行われない。また、
処理温度が高すぎるとポリエステル重合体の分解反応が
無視できない速度で起こり、分解によるカルボキシル末
端の生成により、重合体中のカルボキシル末端濃度は十
分に低減されない。
【0009】この1,4 −ブタンジオールとの接触処理時
間は、好ましくは10分〜10時間、特に好ましくは15分〜
3時間行われる。接触処理時間が短すぎるとカルボキシ
ル末端と1,4 −ブタンジオールの縮合が十分に進行せ
ず、ポリエステル樹脂中のカルボキシル末端濃度が十分
に低減されない。接触処理時間が長すぎると1,4 −ブタ
ンジオールによるポリエステル重合体の主鎖の加アルコ
ール分解の進行により該重合体の分子量が著しく低下し
てモノマーに近い状態に分解され、この後の固相重合操
作等の取り扱いに支障をきたす。
【0010】1,4 −ブタンジオールとの接触処理の方法
は特に限定されるものではないが、例えば還流カラムを
備えた加熱槽中にて、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気下でポリエステル重合体と1,4 −ブタンジオールと
を共存させて接触処理を行うことができる。このとき加
熱槽内を攪拌機により攪拌して行うとより効率的にカル
ボキシル末端と1,4 −ブタンジオールの縮合反応が起こ
り好ましい。
【0011】1,4 −ブタンジオールとの接触処理後、未
反応1,4 −ブタンジオールの除去操作が行われる。1,4
−ブタンジオールの除去方法としては特に限定されない
が、例えば上記1,4 −ブタンジオールとの接触処理を行
った後、処理槽を引き続いて加熱下に減圧して未反応1,
4 −ブタンジオールを留出させて取り除くことができ
る。また、この方法であると後述の別工程での固相重合
を経なくても、未反応ブタンジオール留出後も加熱、減
圧を継続することにより実質的に固相重合が行われ、工
程の簡略化ができる。
【0012】以上のように1,4 −ブタンジオールとの接
触処理、未反応1,4 −ブタンジオールの除去工程を経た
ポリエステル樹脂は、オルトクロロフェノール中25℃の
固有粘度が 0.1〜0.5 dl/g 程度のものであり、これは
さらに固相重合することによりさらなるカルボキシル末
端の低減、及びポリエステル樹脂の特性を十分に示す分
子量まで高分子量化が行われる。必要な分子量の観点か
らは、上記固有粘度で表わせば好ましくは 0.6dl/g以
上、更に好ましくは 0.7dl/g以上であり、所望の重合
度は固相重合の滞留時間、処理温度等により適宜調節す
ることができる。固相重合の温度は 160〜220 ℃が好ま
しく、 160℃未満であると固相重合速度が極めて遅く実
用的でなく、 220℃を越えると分解反応の速度が無視で
きなくなり、カルボキシル末端の増加が起こり好ましく
ない。固相重合は通常ポリエステルの固相重合で採用さ
れている方法に準じて行えばよく、バッチ式、連続式或
はその併用何れも可能である。又、固相重合雰囲気も特
に限定されるものではないが、減圧下又は窒素気流等の
不活性ガス存在下で行われるのが好ましい。減圧下で加
熱処理を行う場合、残存空気圧力が10Torr以下であるこ
とが好ましい。10Torr以上の残存空気の存在下で行うと
時としてポリエステル樹脂が酸化反応により分解し、分
子量の低下、カルボキシル末端の増加が起こる場合があ
るため、好ましくない。又、不活性ガス雰囲気下で処理
を行う場合、不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン等が挙げられる
が、好ましくはヘリウム、窒素、アルゴンが使用され
る。
【0013】尚、本発明により製造されたポリエステル
樹脂は、必要に応じ他の熱可塑性樹脂、添加剤、有機充
填材、無機充填材等の一種又は二種以上を重合中、又は
重合後に補助的に添加配合した組成物として使用するこ
ともできる。ここで熱可塑性樹脂としてはポリエステル
エラストマー及び本発明以外のポリエステル樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアリー
レンオキシド、ポリアリーレンサルファィド、フッ素樹
脂等が例示される。また、添加剤としては、従来公知の
紫外線吸収剤や抗酸化剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑
剤、滑剤、離型剤、結晶核剤等が例示される。また、充
填材としては、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、
ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ、アルミナ繊
維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、カーボン
繊維、カーボンブラック、黒鉛、珪酸カルシウム、珪酸
アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等の珪酸塩、
酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、アル
ミナ等の金属酸化物、カルシウム、マグネシウム、亜鉛
等の金属の炭酸塩や硫酸塩、さらには炭化珪素、窒化珪
素、窒化ホウ素等が例示され、有機充填材としては高融
点の芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリエステル繊
維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維、ポリイミ
ド繊維等が例示される。尚、電機、電子部品或は自動車
部品等に成形品として使用する場合はその使用環境によ
り難燃性を要求される場合が数多くあり、難燃剤、難燃
助剤の配合が必須となる場合が数多くあり、難燃剤、難
燃助剤の配合が必須となることが多い。難燃剤としては
臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ化合物、臭素
化ジフェニル、臭素化ジフェニルエーテル等の公知のハ
ロゲン含有化合物系難燃剤が使用でき、また、難燃助剤
としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ハロゲ
ン化アンチモン等のアンチモン化合物の他、亜鉛、ビス
マスを含む金属化合物、水酸化マグネシウム或はアスベ
ストの如き粘土質珪酸塩等が使用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明により製造されたポリエステル樹
脂は、カルボキシ末端が著しく低減されたことにより優
れた耐熱性、耐加水分解性を有し、特に自動車部品、電
機/電子部品等の工業用樹脂部品に好適に用いることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 攪拌機及び留出塔を備えた反応器を充分に窒素置換した
後、テレフタル酸ジメチル 246重量部、1,4 −ブタンジ
オール 145重量部、及び触媒としてチタニウムテトラブ
トキシド0.16重量部を仕込み、エステル交換反応を行
い、徐々に温度を上昇させ副生するメタノールを留去し
た。留出メタノールが理論量の88重量%を越えた時点で
反応物質の温度を 200℃に上昇させ、次いでこれを別の
反応器に移し、1時間で 0.5Torrまで減圧し、同時に反
応温度を 250℃まで上昇させ、この状態で 1.5時間攪拌
を続けた後、溶融物を排出口からストランドとして押出
し、そのストランドを水で冷却し、熱風下を通して付着
水を除去しペレット状のPBT樹脂を得た。得られたP
BT樹脂の固有粘度をオルトクロロフェノール中25℃で
測定した。このPBT樹脂ペレット 100重量部を1,4 −
ブタンジオール 100重量部と共に還流カラムを備えた加
熱槽内で、窒素雰囲気下、 180℃で30分接触処理した。
さらに加熱槽を約10Torrに減圧して未反応1,4 −ブタン
ジオールを全て留去した後、加熱温度を 200℃に上げ、
減圧度を 0.5Torrまで上げて5時間、固相重合を行な
い、目的のPBT樹脂を得た。結果を表1に示す。 実施例2〜5 1,4 −ブタンジオールによる処理温度、時間を変えた外
は実施例1と同様の方法でPBT樹脂を製造した。結果
を表1に示す。 実施例6〜7 固相重合温度、時間を変えた以外は実施例1と同様の方
法でPBT樹脂を製造した。結果を表1に示す。 実施例8 モノマーとして、2,6 −ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ル 309重量部、1,4 −ブタンジオールを 145重量部用い
る他は実施例1と同様に溶融重合を行ってPBN樹脂を
得た。これをさらに実施例1と同様の方法で、1,4 −ブ
タンジオールとの接触処理、固相重合を行い、目的のP
BN樹脂を製造した。結果を表1に示す。
【0016】比較例1 実施例1と同様の方法で溶融重縮合段階まで行い、PB
T樹脂を製造した。結果を表2に示す。 比較例2〜3 比較例1で得たPBT樹脂を、実施例1又は実施例2と
同様にして1,4 −ブタンジオールと接触加熱処理した。
結果を表2に示す。 比較例4〜5 比較例1で得たPBT樹脂を、1,4 −ブタンジオールで
加熱処理することなく固相重合した。結果を表2に示
す。 比較例6〜8 実施例8と同様の方法で、溶融重縮合段階まで行うこと
により得たPBN樹脂(比較例6)、これを1,4 −ブタ
ンジオールと接触加熱処理したもの(比較例7)及び比
較例6のPBN樹脂を1,4 −ブタンジオールで加熱処理
することなく固相重合して得たPBN樹脂(比較例8)
について評価した。結果を表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
    またはその低級アルコールエステルを主体とする酸成分
    と、1,4 −ブタンジオールを主体とするジオール成分か
    らポリエステル樹脂を製造するに際し、エステル化又は
    エステル交換反応を経て溶融重縮合して得られた重合反
    応物を、1,4 −ブタンジオール中で熱処理した後、さら
    に固相重合することにより、得られる重合体の固有粘度
    を0.6dl/g 以上、且つ溶融重縮合で得られた重合反応
    物の固有粘度の0.8 倍以上にすることを特徴とするポリ
    エステル樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 1,4 −ブタンジオール中での熱処理を、
    処理温度 120〜200℃、処理時間10分〜10時間の条件で
    行う請求項1記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 1,4 −ブタンジオール中での熱処理を、
    処理温度 150〜180℃、処理時間15分〜3時間の条件で
    行う請求項1記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 固相重合温度が 160〜220 ℃である請求
    項1〜3の何れか1項記載のポリエステル樹脂の製造方
    法。
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