JP2015151510A - 共重合ポリエステル樹脂及びその中空容器 - Google Patents

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【課題】 透明性の良好な、かつ、色調に優れた押出ブロー成形品を成形性よく製造することが可能なポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルを提供する。【解決手段】 テレフタル酸又はそのエステル誘導体を主たるジカルボン酸とし、エチレングリコールを主たるジオール成分とする共重合ポリエステルであって、(1)ジカルボン酸成分として、イソフタル酸又はそのエステル誘導体2〜16モル%と、(2)3価酸成分として、トリメリット酸を0.001〜2モル%とを含み、(3)極限粘度が0.8〜1.5dl/g、(4)280℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分での溶融張力が、5〜50mNの範囲内であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。【選択図】 なし

Description

本発明は、押出ブロー成形性に優れ、特にダイレクトブロー成形時の溶融樹脂の溶融張力が高く、かつドローダウンが少なく、外観上の透明性、色調が良好な共重合ポリエステル樹脂に関し、さらに、その樹脂を用いて成形された中空容器に関するものである。
現在、ブロー成形によって透明性の良いプラスチック容器を成形するための材料として、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等が一般的に使われている。ポリ塩化ビニルはポリエチレン等と同じように容易にブロー成形を行い容器を得ることができる。一方、ポリエチレンテレフタレートもその樹脂特性としての機械的強度、化学的安定性、安全性から使用が増加しており、各種のシート、容器として幅広く包装材料に用いられ、特に、炭酸飲料、果汁飲料、酒、ワイン用の容器としての伸びが著しい。ポリエチレンテレフタレートの場合は一旦射出成形でパリソンを成形し、その後パリソンをガラス転移点以上の温度に加熱し延伸ブロー成形するという成形方法を採用するのが一般的であるが、ダイレクトブロー成形により直接ボトル化されて使用される用途も増えてきている。ダイレクトブロー法とは、押出成形機または射出成形機で成形されたパリソン(またはプリフォーム)が、まだ軟らかく可塑性を失わないうちにブロー成形を完了させてしまうものである。
ポリ塩化ビニルは、焼却時に有毒ガスを発生することもあって、使用が減少している。ポリエチレンテレフタレートは、力学特性、ガスバリア性、安全性、衛生性等の点において透明中空容器用の素材として極めて適しているが、一般に溶融粘度があまり高くないためにポリエチレンテレフタレートをダイレクトブロー成形しようとすると、押出中のパリソンがドローダウンし、中空容器に成形すること自体が難しく、延伸ブロー時に結晶化が起こり易いために、透明性が損なわれてしまうという不具合が生じ、均一な透明容器を得ることが困難であった。
これらの問題を解決するために、ポリエチレンテレフタレートに他のモノマー成分を共重合した樹脂の使用が提案されており、その例として1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエチレンテレフタレートがある。しかし、これらのコモノマーの導入によって結晶化の抑制は可能であるが、それだけでは溶融粘度を上昇させることはできない。そのために、高分子量にまで重合度を上げて溶融粘度を上げる必要がある。固相重合を施すことにより重合度を上げることは可能であるが、重合速度が低いため高い溶融粘度の樹脂を効率よく製造することができず、工業的に生産し得る樹脂から押出ブロー成形できるのは小形の中空容器に限られている。
従って本発明の目的は、このような従来のポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフタレート系共重合体が有する欠点を克服し、透明性の良好な、かつ色調に優れた押出ブロー成形品を成形性よく製造することが可能なポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル樹脂を提供することにあり、また、その共重合ポリエステル樹脂からなる中空容器を提供することにある。
本発明者らは前記のような欠点を解消すべく鋭意検討の結果、特定の組成の共重合ポリエステル樹脂が上記課題を達成し得ることを見い出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、テレフタル酸又はそのエステル誘導体を主たるジカルボン酸とし、エチレングリコールを主たるジオール成分とする共重合ポリエステルであって、(1)ジカルボン酸成分として、イソフタル酸又はそのエステル誘導体2〜16モル%と、(2)3価酸成分として、トリメリット酸を0.001〜2モル%とを含み、(3)極限粘度が0.8〜1.5dl/g、(4)280℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分での溶融張力が、5〜50mNの範囲内であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂に関するものである。
また、本発明は、テレフタル酸又はそのエステル誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主たる成分とするジオール成分と、(1)ジカルボン酸として、イソフタル酸又はそのエステル誘導体を2〜16モル%と、(2)3価酸成分として、トリメリット酸を0.001〜2モル%とを同時に反応装置に投入し、エステル化反応またはエステル交換反応し、さらに溶融重合反応し、しかる後固相重合反応することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法に関するものである。
また、本発明は、前記共重合ポリエステル樹脂からなる中空容器に関するものである。
本発明の共重合ポリエステル樹脂によれば、透明性の良好な、かつ色調に優れた押出ブロー成形品(中空容器)を成形性よく製造することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステル樹脂において、主成分のテレフタル酸、エチレングリコールについては、公知のPET樹脂において用いられる原料を用いればよい。共重合に使用する(1)イソフタル酸又はそのエステル誘導体の割合は、ジカルボン酸成分として2〜16モル%、好ましくは、3〜10モル%の範囲である。(1)イソフタル酸の割合が、前記範囲未満の場合、押出ブロー成形時に球晶の生成により、ボトルに白化が生じ、また賦型不良が発生し易くなる。一方、前記範囲を越える場合は、容器等の成形品にした場合に十分な機械的強度が得られなくなる。また、溶融重合により得られるプレポリマーの融点が低下するため、それに続く予備結晶化および固相重合の際にプレポリマーのチップ等の間に膠着が生じ易くなる上、固相重合温度を低くしなくてはならないため、重合速度が著しく低下し、生産性が悪くなったり、非晶化するため固相重合が不可能となるなどの問題が生じる。ボトルの白化、賦型不良を防ぎ、十分な機械的強度が得られ、予備結晶化および固相重合の際にプレポリマーのチップ等の間に膠着なく、かつ生産性が良好である点から、(1)イソフタル酸の割合は、ジカルボン酸成分として2〜16モル%、好ましくは、3〜10モル%の範囲となる。
また、本発明の共重合ポリエステル樹脂は、さらに(2)3価酸成分として、トリメリット酸を酸成分全量に対して0.001〜2モル%を含むものである。(2)トリメリット酸の含有量が、酸成分全量に対して0.001モル%未満の場合、押出ブロー成形時にパリソンのドローダウンが激しく成形不良となる。一方、酸成分全量に対して2モル%よりも多くなると、重合中に架橋反応が進行し、ゲル化物を生成するため、ボトルを成形したときに未溶解物が生じ、ボトル外観を著しく損なう。また、固相重合速度が速くなるため、重合度の調節が困難になる。
本発明の共重合ポリエステルにおいて、(3)フェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量比)混合溶媒中での20℃における極限粘度は、0.8dl/g〜1.5dl/gの範囲内である。極限粘度が0.8dl/gより小さいと押出ブロー成形時にパリソンのドローダウンが激しく成形不良となる上、耐衝撃性等の機械的性能が不十分となる。極限粘度が1.5dl/gより大きいと、固相重合に掛かる時間が長くなり、色調が悪化するほか、未融解物なども発生し、成形品の外観を損なう。また、樹脂を溶融押出する時にスクリュートルクが高くなるため成形に問題が生じたり、生産性が低下したりするので好ましくない。
また、本発明の共重合ポリエステルにおいて、(4)280℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分での溶融張力が、5〜50mNの範囲内である。溶融張力が5mN未満であると、押出ブロー成形時に溶融したパリソンのドローダウンが激しくなり好ましくない。一方、50mNを越えると、溶融したパリソンの弾性が高くなりすぎてブローが十分に出来なくなるため好ましくない。
また、本発明共重合ポリエステル樹脂は、その製造時において、(2)トリメリット酸は、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応前に、反応装置内に投入されることが好ましい。反応前段階、すなわち、ジカルボン酸成分及びジオール成分と同時に仕込むことで、樹脂中に均一に分散した状態で反応を進めることが出来る。一方、エステル化反応またはエステル交換反応の途中段階での投入は、反応による水やアルコールが揮発している段階であるため好ましくない。また、エステル化またはエステル交換反応後、重合工程前での投入は、トリメリット酸の均一分散が不十分となりゲルが生成しやすく、成形した際に外観が不良となる場合があるので好ましくない。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法としては、公知のポリエステルの製造方法で、溶融重合と、それに続く固相重合を適用することができる。以下製造方法について詳細に述べる。
溶融重合は、ジカルボン酸とジオールとをエステル化し、その後溶融重縮合反応させる直接重合法、あるいはジカルボン酸のエステル誘導体化合物とジオールとをエステル交換反応させ、その後、溶融重縮合反応させるエステル交換法のいずれかによって行なう。固相重合では溶融重合で得られたポリマーを減圧下または不活性ガス流通下において融点または軟化点以下の温度に加熱し、目的とする重合度のポリエステルを得る。
溶融重合法として、テレフタル酸、エチレングリコール、イソフタル酸、及びトリメリット酸を原料モノマーとして用いて製造する方法の例について次に示す。テレフタル酸およびイソフタル酸からなるジカルボン酸と、エチレングリコール、トリメリット酸の混合物を、ジオール成分合計量が該ジカルボン酸の合計量に対し過剰モル量、例えば1.1〜1.5倍モルとなるような割合で、常圧下もしくは絶対圧で約3kg/cm以下の加圧下に約230〜280℃の温度で、生成する水を留出させながらエステル化させ、続いて必要に応じて重縮合触媒、着色防止剤などの添加物を添加したのち、5mmHg以下の減圧下に約200〜280℃で、生成ポリエステルが所望の極限粘度を有するに至るまで溶融重縮合させ、ポリマーを得る。
上記重縮合触媒としては公知の広範囲のものを用いうるが、代表例としては、酸化アンチモンなどのアンチモン化合物;酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのチタン化合物;ジn−ブチル錫ジラウレート、ジn−ブチル錫オキシド、ジブチル錫ジアセテートなどの錫化合物などが挙げられ、これらの触媒の併用も可能である。なお前記の重縮合触媒は、それぞれ生成する共重合ポリエステル樹脂に対して0.001〜0.8質量%の範囲内となるような量で用いることが好ましい。
また本発明では公知の安定剤を用いても良く、亜リン酸、リン酸、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン化合物が例示され、生成する共重合ポリエステルに対し、0.001〜0.5質量%の範囲内となるような量で用いるのが一般的である。
上記のようにして得られた共重合ポリエステルポリマーは、通常ストランド状に溶融押出し、任意の形状に固化、カットして粒状ペレットにする。次いでペレットは、ペレット同士が膠着しないように、予め固相重合を行なう温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行う。このような予備結晶化工程は、共重合ポリエステルチップを通常100〜180℃、好ましくは110〜160℃の温度に1分〜10時間加熱して行うこともでき、あるいは該チップを熱水または水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、90〜140℃の温度に1分間以上加熱して行うこともできる。結晶化されることで、ペレット同士の膠着は防ぐことができる。
上記のように予備結晶化されたペレットは、固相重合工程へ送られる。重合温度が190〜235℃、好ましくは195〜230℃であり、1kg/cmG〜0.01トールの任意の圧力において、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスの流通下、または流通なしの雰囲気下で実施される。重合時間は、温度が高いほど短時間で所望の物性に到達するが、通常1〜80時間、好ましくは5〜50時間である。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、前記のように、テレフタル酸またはそのジメチルエステル、ジエチルエステル等のエステル誘導体、(1)イソフタル酸またはそのエステル誘導体、エチレングリコール、および(2)トリメリット酸を出発原料として使用して製造することができるが、その他のモノマーを目的に応じて併用してもよい。併用可能な酸成分モノマーとしては、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウム−スルホイソフタル酸のごとき芳香族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸のごとき脂肪族ジカルボン酸;デカリジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のごとき脂環族ジカルボン酸;さらにはグリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、ヒドロキシプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ酸、ヒドロキシ安息香酸、マンデル酸、マトロラクチン酸のごときヒドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトンのごとき脂肪族ラクトン等から選ばれる1種以上が挙げられ、その使用量は全酸成分に対して5モル%以下が好ましい。また併用可能なアルコール成分モノマーとしては、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールのごとき脂肪族ジオール;ヒドロキノン、カテコール、ナフタレンジオール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物のごとき芳香族ジオール等から選ばれた1種類以上が挙げられ、その使用量は全アルコール成分に対して5モル%以下が好ましい。ピロメリット酸、トリカルバリル酸のごとき3価以上のカルボン酸を少量用いることもできる。
以上溶融重合、固相重合処理の条件を適当に選択することにより、本発明の共重合ポリエステルを得ることができる。ポリマー中に残存する環状オリゴマーやアセトアルデヒドなどの副生成物の量は、固相重合を行なうことで溶融重合品に比べかなり少ないものとなっている。このようにして得られた本発明の共重合ポリエステルは、ダイレクトブロー成形によってボトル(中空容器)を製造するにあたって、好ましく用いられる。成形温度をシリンダー各部やノズルの温度を通常250〜280℃の範囲で、一般ボトル用PETに比べ5〜20℃低く設定でき、熱劣化を低く抑えることが出来る。そのため、成形時に副生するオリゴマーやアセトアルデヒドの量も低く、抑えることが容易である。
本発明の中空容器は上記共重合ポリエステルからなる単層ボトルのみならず、ポリエチレンテレフタレートやEVOHなどのガスバリア樹脂と複合(ブレンドあるいは多層)であっても構わない。なお、上記共重合ポリエステルには、必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用したり、一般的に熱可塑性樹脂に添加される物質、すなわち、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止防止剤、難燃剤、難燃防止剤、染料、顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、無機充填剤などを配合することも可能である。
本発明の共重合ポリエステルを成形して得られる中空容器は、従来のポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフタレート系共重合体が有する欠点を克服した、成形性、透明性、に優れた形態良好な中空容器であり、各種容器として有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における特性値の測定条件は次の通りである。
〈固相重合後樹脂物性〉
(1)極限粘度;
各実施例及び比較例の共重合ポリエステル樹脂サンプル0.5gを精秤し、50mlのフェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定した。なお、測定は3回行い、その平均値より求めた。
(2)溶融粘度(溶融張力)
各実施例及び比較例の共重合ポリエステル樹脂について、東洋精機製キャピログラフ1Bを用いて、280℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分での溶融張力を測定した。
〈成形性,成形品特性〉
各実施例及び比較例の共重合ポリエステル樹脂を、押出ブロー成形装置(日本製鋼所製JEB3)に供給し、260℃の押出温度で環状オリフィスより押出して円筒形パリソンを形成し、円筒形パリソンが軟化状態のうちにブロー成形金型ではさむことにより、切断と底部形成を行いこれをブロー成形して、容量500ml、平均壁厚0.2mmのボトルを成形した。その際のパリソンのドローダウン性およびブロー成形後の透明性、外観ゲル状物有無、厚み斑を評価した。これらの評価結果は下記に示した評価基準により評価した。
(1)ドローダウン性;
○・・・押し出されたパリソンの形状が実質的に均等な径の円筒形
△・・・押出されたパリソンのドローダウンが激しくブロー金型の中への挿入不能、あるいはパリソンの中空部における閉塞がときどき発生
×・・・押出されたパリソンのドローダウンが激しくブロー金型の中への挿入不能、あるいはパリソンの中空部における閉塞が頻繁に発生
(2)成形品の透明性;
○・・・ブロー成形品の透明性が良好
△・・・ブロー成形後、部分的に薄い白濁部分がある
×・・・ブロー成形後、濃い白濁部分が認められる
(3)外観、ゲル状物有無
○・・・ブロー成形品外観の透明性良好
△・・・ブロー成形後、部分的にゲル状物有り
×・・・ブロー成形後、かなりゲル状物有り
(4)厚み斑
○・・・厚み斑のないボトルに成形
△・・・厚さ0.1mm以下の薄い部分が生じるか、破損部がときどき発生
×・・・厚さ0.1mm以下の薄い部分が生じるか、破損部が頻繁に発生
実施例1;テレフタル酸95モル%、イソフタル酸5モル%、トリメリット酸0.2%、及びエチレングリコール100モル%からなるスラリーを形成し、このスラリーを加圧下(絶対圧2.5kg/cm)、250℃の温度でエステル化率が95%になるまでエステル化反応をさせて低重合体を製造した。得られたポリマーに対して150ppmの二酸化ゲルマニウム、100ppmのリン酸化合物を加えて絶対圧1トールの減圧下、280℃の温度で重縮合し、極限粘度0.61dl/gの共重合ポリエステルのポリマーを得た。得られたプレポリマーをノズルからストランド状に押出して切断し、円柱状チップ(直径2.5mm、長さ3.5mm)を製造した。次いで得られたプレポリマーチップを予備結晶化後、150℃で5時間予備乾燥した後、0.1mmHgの減圧下、融点より約20℃低い温度(220℃)で固相重合して目的とするポリエステル樹脂を得た。このポリエステルの極限粘度は1.1dl/gであった。
実施例2〜7,比較例1〜9;テレフタル酸、エチレングリコール、イソフタル酸、トリメリット酸の使用量を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行ない、種々の組成比の共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた各ポリエステル樹脂について、特性評価を行なった。評価結果を表1に併せて示す。ただし、比較例4においては得られたポリエステル樹脂が非晶性のため固相重合を行うことができず、成形評価を行なうことが出来なかった。
Figure 2015151510
実施例1〜7は、いずれも良好な成形性と成形品外観を得ることができた。一方、比較例1,2のようにトリメリット酸を配合していない場合は、ドローダウンによる成形性不良、厚み斑が発生した。また、比較例3のようにイソフタル酸を配合していない場合は、成形品の透明性に劣っていた。比較例4のようにイソフタル酸が多い場合、結晶化が困難であるため、固相重合自体が出来なかった。比較例5では、トリメリット酸が多いため、ゲル化が酷く成形性、外観ともに不良であった。比較例6では、樹脂の粘度自体が低いため、ドローダウンによる成形性不良、厚み斑が発生した。比較例7では、樹脂の粘度が高く、溶融温度を上げなければ、成形困難であった。比較例8〜9ではトリメリット酸の配合をエステル化後に行なったが、成形品の外観が不良であった。

Claims (3)

  1. テレフタル酸又はそのエステル誘導体を主たるジカルボン酸とし、エチレングリコールを主たるジオール成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、
    (1)ジカルボン酸成分として、イソフタル酸又はそのエステル誘導体2〜16モル%と、
    (2)3価酸成分として、トリメリット酸を0.001〜2モル%と
    を含み、
    (3)極限粘度が0.8〜1.5dl/g、
    (4)280℃、押出速度15mm/分、引取速度15m/分での溶融張力が、5〜50mNの範囲内であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
  2. テレフタル酸又はそのエステル誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主たる成分とするジオール成分と、
    (1)ジカルボン酸として、イソフタル酸又はそのエステル誘導体を2〜16モル%と、
    (2)3価酸成分として、トリメリット酸を0.001〜2モル%と
    を同時に反応装置に投入して、エステル化反応またはエステル交換反応し、さらに溶融重合反応し、しかる後固相重合反応することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂からなる中空容器。
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