JPH1131451A - 含浸型陰極とその製造方法 - Google Patents

含浸型陰極とその製造方法

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JPH1131451A
JPH1131451A JP18402397A JP18402397A JPH1131451A JP H1131451 A JPH1131451 A JP H1131451A JP 18402397 A JP18402397 A JP 18402397A JP 18402397 A JP18402397 A JP 18402397A JP H1131451 A JPH1131451 A JP H1131451A
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pellet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質金属焼結体の空孔率を、電子放出面か
ら深さ方向に進むにつれて連続的に増大させることによ
り、初期電子放射性能、寿命性能、および電子銃の絶縁
性能に優れ、量産に適した含浸型陰極及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 金属原材料粉末1の圧縮焼結体のペレッ
トは、内部に空孔を持ち、その空孔は電子放射物質2で
満たされ、空孔率は電子放出面3から反対側(矢印5方
向)へ進むにつれて連続的に高くなっている。このこと
により、ペレット内部での空孔率の不連続面が形成され
ないので、自由Baを生み出す化学反応がペレット全体
で連続的かつ滑らかに進むことになる。また、複数種の
粒度分布の原材料粉末を使用する必要がないので、製造
工程を簡素化できる。さらに、空孔率及び空孔率分布を
一定の範囲内とすることにより、寿命特性等の諸性能を
良好にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子管に用いる含
浸型陰極とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】含浸型陰極は、多孔質金属焼結体(ペレ
ット)の空孔中に電子放射物質を含浸させた基本構造を
持つ。含浸型陰極を製造するには、まずタングステン等
の高融点金属粉末をプレス成型し、その後焼結すること
により適度な空孔を有した還元性を持つ基体を形成す
る。次に、BaO、CaOおよびAl2 3 を主材とす
る電子放射物質を、基体の空孔に溶融含浸すれば、陰極
ペレットとして完成する。この陰極ペレットには、焼結
体の体積と空孔率すなわち空孔体積に応じた電子放射物
質量が含浸されている。
【0003】以下、陰極ペレットの動作原理について説
明する。陰極ペレットは、高温活性化により、BaOが
ペレットに還元されて自由Baが形成される。この自由
Baは空孔中を熱拡散し、表面に到達する。その後、ペ
レット表面を熱拡散することにより、ペレット表面にB
a単原子層を形成する。このとき、ペレットの温度に依
存した、単原子層からのBa蒸発量とペレット内部から
のBa供給量との差し引きに応じた面積に単原子層が広
がる。このBa単原子層は、電子放出に関わる実効仕事
関数をペレット形成金属自身の4〜5eVから約2eV
にまで低減し、良好な熱電子エミッションを提供する。
【0004】動作時にペレット内部からのBa供給が少
いと、必要充分な面積のBa単原子層が形成できずにエ
ミッションが不足する。また、活性化に時間がかかる等
の弊害が生ずる。
【0005】逆に、Ba供給が不必要に多いと表面から
の蒸発が増して、ペレット内部の含浸BaOを短時間で
消費し、寿命が短くなる。さらに、蒸発Baが対向電極
に付着し、不要電子放射の原因となる等の弊害が生ず
る。
【0006】含浸型陰極の動作の最大のポイントは必要
充分なBa単原子層を早く形成し、かつ長時間保たせる
ということにある。Ba単原子層形成の要因は含浸Ba
O量、含浸BaOのペレットによる還元の速度、空孔中
の自由Baの熱拡散速度、及び電子放射表面でのBaの
表面熱拡散速度である。
【0007】そして、これらの動作を制御する設計パラ
メターは、電子放射物質含浸量、ペレットの空孔率とそ
の空間分布、および電子放射面の清浄さすなわち余剰電
子放射物質が付着していないことである。これらのパラ
メターを精密に、かつばらつきを少なく制御することが
量産上最も重要な課題となる。
【0008】前記のような原理的背景に基づき、特公昭
44−10810号公報には、余分な電子放射物質の蒸
発を抑制し、電子銃の絶縁部分の電流リークを少なく
し、かつ良好なBa単原子層を長時間維持してその寿命
を延ばし得る含浸型陰極が提案されている。
【0009】これは、ペレットの電子放出面側を低空孔
率の第1層として蒸発を抑制し、その下に高空孔率の第
2層を配置した2層構造とすることにより、第1層のB
a供給能力が尽きた以降(寿命終了後以降)においても
第2層から第1層へBa供給を行うことができ、本来の
第一層が持つ寿命よりもさらに寿命を延ばしたものであ
る。
【0010】さらに、特開平6−103885号公報に
は、含浸後に付着した余剰電子放射物質の除去を行い易
くするために、基体の表面粗さを5μm以下好ましくは
完全平面とするものが提案されている。
【0011】また、特開昭58−87735号公報に
は、電子放射物質含浸量の確保のため、圧縮電子放射物
質を個々のペレットの上表面に載せて溶融含浸を行う製
造方法が提案されている。
【0012】また、特開平6−103885号公報に
は、電子放射物質含浸量の安定量産化を、ペレット金属
原材料粉末を分級してペレットの空孔率を制御すること
により行うものが提案されている。
【0013】また、含浸後に付着した余剰電子放射物質
を除去するための、はけ、金属張針等を用いる機械的な
方法、切削等による研磨、水中での超音波洗浄等が従来
より提案されている。
【0014】さらに、特開昭50−103967号公報
には、ペレットを一つずつ特殊な治具に設置し、清浄な
水中で超音波洗浄を行う方法が提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の含浸型陰極には、以下のような問題があっ
た。 (1)ペレットを2層構造としたものは、これを製造す
るためには粒度分布の異なる2種の原材料粉末を使用し
たり、2度のプレス成型を行う必要があり、生産工程が
複雑であった。 (2)ペレットを一つずつ処理したり、原材料粉末を分
級したりする方法では、生産性が低く、量産が困難であ
った。 (3)はけ、金属針等で機械的に余剰電子放射物質を除
去する方法は、実施が困難であり、かつペレットごとの
処理が必要になるので量産が困難であった。 (4)特殊な治具に焼結後のペレットを一つずつ設置す
るという工程は繁雑であり、かつ超音波洗浄だけでは余
剰電子放射物質を完全に取り除くためには1時間以上の
洗浄時間が必要であり、量産化が困難であった。
【0016】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、多孔質金属焼結体の空孔率を電子放出
面から深さ方向に進むにつれて連続的に増大させること
により、初期電子放射性能、寿命性能、及び電子銃の絶
縁性能が優れ、かつ量産に適した含浸型陰極及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1番目の含浸型陰極は、多孔質金属焼結
体の空孔部に電子放射物質を含浸させた陰極ペレットを
備えた含浸型陰極であって、前記多孔質金属焼結体の空
孔率は電子放出面から深さ方向に進むにつれて連続的に
増大していることを特徴とする。
【0018】前記のような含浸型陰極によれば、ペレッ
ト内部での空孔率の不連続面が形成されないので、自由
Baを生み出す化学反応がペレット全体で連続的かつ滑
らかに進むことになる。さらに、複数種の粒度分布の原
材料粉末を使用する必要がないので、製造工程を簡素化
できる。
【0019】前記第1番目の含浸型陰極においては、前
記多孔質金属焼結体の電子放出面の空孔率が12.5〜
25体積%で、前記電子放出面近傍の空孔率とその反対
側面近傍の空孔率との差が5〜25体積%の範囲内で、
かつ前記電子放出面の反対側面の空孔率が40体積%未
満であることが好ましい。前記のような含浸型陰極によ
れば、良好な寿命特性を得ることができる。
【0020】次に、本発明の第2番目の含浸型陰極は、
多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を含浸させた
陰極ペレットを備えた含浸型陰極であって、前記陰極ペ
レットの電子放出面の表面粗さは、最大高さが5〜20
μmの範囲内であることを特徴とする。前記のような含
浸型陰極によれば、エミッション性能を高めることがで
きる。
【0021】次に、本発明の第1番目の含浸型陰極の製
造方法は、多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を
含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造方法
であって、金属原料粉末をプレス成型して多孔質基体を
形成するプレス成型工程を含み、前記金属原料粉末をす
りきり用カートリッジに充填した後、すりきり秤量によ
りダイに充填し、ポンチによるプレス成型をし、前記カ
ートリッジの前記ダイ表面への接触面が円環形状で、か
つ前記カートリッジの外側側面は先端部が前記ダイ表面
と接する傾斜面を含むことを特徴とする。
【0022】前記のような含浸型陰極の製造方法によれ
ば、すりきり秤量を正確に行うことができ、カートリッ
ジ内の原材料粉末の粒度分布をプレスダイ内部に充填さ
れる原材料粉末の粒度分布に正確に反映することができ
るので、ペレットの空孔率や電子放射物質の含浸量の製
造ばらつきを低減させることができる。
【0023】前記第1番目の含浸型陰極の製造方法にお
いては、前記円環形状の内周の直径がペレット直径の1
0〜20倍の範囲内で、前記円環形状の外周の直径が前
記内周の直径の1.05〜1.3倍の範囲内で、前記傾
斜面と前記ダイ表面とのなす角が40〜80°の範囲内
であることが好ましい。
【0024】また、前記カートリッジに充填する金属原
料粉末の量を陰極ペレットの200〜800個分に相当
する量とすることが好ましい。また、すりきり秤量時及
びプレス時の前記金属原材料粉末を50〜100℃の範
囲内の温度に加熱することが好ましい。
【0025】また、ポンチと金属原料粉末とが接する面
を陰極ペレットの電子放出面とし、ポンチと金属原料粉
末とが接しているときの、ポンチのダイに対する相対速
度を0.5〜5cm/sの範囲内とし、かつ加圧時間を
1〜7秒の範囲内とすることが好ましい。
【0026】次に、本発明の第2番目の含浸型陰極の製
造方法は、多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を
含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造方法
であって、金属原料粉末をプレス成型して多孔質基体を
形成するプレス成型工程と、前記多孔質基体を焼結して
多孔質金属焼結体を形成する焼結工程とを含み、プレス
成型後の前記多孔質基体の平均空孔率(D体積%)と焼
結後の前記多孔質金属焼結体の平均空孔率(d体積%)
との間に以下の関係があることを特徴とする。
【0027】d+10 ≦ D ≦ d+20 前記のような含浸型陰極の製造方法によれば、機械的強
度を保ちながら閉鎖空孔の発生を抑えて一定の含浸量を
確保したペレットを製造することができる。
【0028】次に、本発明の第3番目の含浸型陰極の製
造方法は、多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を
含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造方法
であって、前記電子放射物質の溶融時に前記多孔質金属
焼結体の全表面に前記電子放射物質が接触するように、
前記多孔質金属焼結体と前記電子放射物質とを含浸容器
に配置して、前記電子放射物質を前記多孔質金属焼結体
の空孔部に含浸させることを特徴とする。
【0029】前記のような含浸型陰極の製造方法によれ
ば、含浸量不足の発生を防止することができ、安定した
含浸を行うことができる。前記第3番目の含浸型陰極の
製造方法においては、含浸容器に深さを均一にして電子
放射物質を充填し、前記電子放射物質の深さ方向のほぼ
中央部または前記電子放射物質の最上面の上に前記多孔
質金属焼結体を配置することが好ましい。
【0030】次に、本発明の第3番目の含浸型陰極の製
造方法は、多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を
含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造方法
であって、含浸容器に充填する前記電子放射物質の重量
が含浸容器内に配置された多孔質金属焼結体に含浸され
得る重量の10〜100倍の範囲内であることを特徴と
する。前記のような含浸型陰極の製造方法によれば、含
浸量のばらつきを低減させることができる。
【0031】次に、本発明の第4番目の含浸型陰極の製
造方法は、多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物質を
含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造方法
であって、含浸処理後の陰極ペレットをアルミナボール
とともに容器に入れ、シェーキングした後、水中で超音
波洗浄を行うことにより、余剰電子放射物質を除去する
ことを特徴とする。前記のような含浸型陰極の製造方法
によれば、破損率を抑えながら、余剰電子放射物質を除
去することができ、含浸量のばらつきも低減させること
ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施形態1に係る含
浸型陰極ペレットの断面の概念図を示している。本実施
形態のペレットは、金属原材料粉末1の圧縮焼結体であ
り、内部に空孔を持ち、その空孔は電子放射物質2で満
たされている。矢印4は、電子放出方向である。空孔率
は、電子放出面3からその反対側(矢印5方向)へ進む
につれて連続的に高くなっている。また、電子放出面3
の表面粗さA(最大高さ)は、5〜20μmの範囲内に
保たれている。
【0033】図2は、実施形態1に係る含浸型陰極の製
造方法の製造工程のフローチャートを示している。金属
原材料粉末をすりきり秤量した後、プレス成型を行な
う。その成型体を水素または真空中で、1500〜22
00℃の範囲内の温度で焼結する。その焼結体を、15
00〜1800℃範囲内の温度で電子放射物質とともに
熱すると電子放射物質が溶融し、ペレット内部の空孔に
含浸される。その後、ペレットに付着した余剰電子放射
物質を除去し、表面コート工程を経て完成ペレットとな
る。
【0034】以下、実施形態1に係る含浸型陰極の製造
方法の一例について、さらに具体的に説明する。まず、
原材料粉末のすりきり秤量を行った。図3は、本実施形
態に係る含浸型陰極の製造方法に用いるすりきり用カー
トリッジ(以下「カートリッジ」)及びプレスダイの断
面図を示している。多孔質基体の原材料として、粒径が
1〜10μmの範囲内のタングステン粉末を用いた。原
材料粉末7をプレスダイの表面部9a上のカートリッジ
6に3.5g充填した。この量はペレット約500個分
に相当する。
【0035】カートリッジ6のすりきり面10は内径2
0mm、外径22mmの円環形状とし、外側側面11と
プレスダイ表面9aとの接触角Bは60°とした。ヒー
タにより原材料粉末7を約80℃に暖めながら、2〜6
回のすりきり秤量を行い、プレスダイの貫通孔部9に7
mgの原材料粉末7を充填した。次に、通常のポンチ8
によるプレス成型を行った。ポンチ8の降下速度は1c
m/sに制御し、加圧時間は4秒間とした。
【0036】1850〜2000℃の範囲内の温度での
焼結後のペレットの平均空孔率を20%とするために、
プレス成型後の平均空孔率が約35%となるようにプレ
ス荷重を制御した。
【0037】次の焼結工程では、焼結を還元性雰囲気中
で約2時間行った。以上のような工程を経て製造された
ペレットの空孔率は、ポンチの接する電子放出面では1
7体積%、その反対側面は23体積%、これらを平均し
た平均空孔率は20体積%であった。また、電子放出面
3の表面粗さは最大高さが5〜10μmの範囲内であっ
た。
【0038】なお、平均空孔率は、プレス荷重と焼結温
度を調節することにより制御できる。空孔率の空間分布
は、ポンチの降下速度と加圧時間とを調節することによ
り制御できる。
【0039】ここで、空孔率とその評価方法について説
明する。空孔率は、ペレットの体積V(cm3)と重量
W(g)を測定し、原材料金属のバルク密度ρ(g/c
3)を用いれば、以下の計算式により求めることがで
きる。
【0040】ペレット空孔率(体積%)=[(V−W/
ρ)/V]×100 また、空孔率分布は、例えばペレットを電子放出面に平
行な切り口で、電子放出面に垂直方向に三分割し、それ
ぞれの輪切り部分の平均空孔率(d1,d2,d3)を
前式から求めることにより、空孔率のペレット内分布を
評価することができる。
【0041】 電子放出面空孔率=d1−(d2−d1)/2 反対側面空孔率 =d3+(d3−d2)/2 ここで、d1:3分割した電子放出面側の輪切り部分の
平均空孔率 d2:3分割した中央部分の輪切り部分の平均空孔率 d3:3分割した電子放出面の反対側の輪切り部分の平
均空孔率 なお、分割数は3に限らず、2でも4以上でもかまわな
い。前記のように計算することにより数学的に空孔率分
布を評価することができる。
【0042】次に、電子放射物質の含浸を行った。電子
放射物質としてモル比4:1:1のBaCO3 、CaC
3 、Al2 3 混合物を使用した。直径約1.5c
m、深さ約1cmの円筒形含浸容器に電子放射物質を多
孔質基体に含浸される重量の約30倍の重量だけ充填
し、その上に焼結済み多孔質基体を100個設置した。
【0043】その含浸容器を還元性雰囲気中で1500
℃〜1800℃の範囲内の温度の炉中に通して溶融含浸
した。なお、BaCO3 、CaCO3 は、溶融含浸に先
立って炉内の高温雰囲気中で、それぞれBaO、CaO
の酸化物に分解されているので、ペレット中にはこれら
酸化物が含浸されていることになる。
【0044】次に、多孔質基体表面に付着した余剰電子
放射物質を除去を行った。この除去は、φ5mmのアル
ミナボール6個とともに含浸済ペレットを小型容器に混
合し、約5分間のシェーキングにより行った。その後、
水中で約5分間超音波洗浄し、最後に乾燥してペレット
を完成した。
【0045】さらに、製作された多孔質基体の電子放出
面すなわちプレスポンチの接触面にOs薄膜をスパッタ
リングにより形成した。以上のような工程を経て、陰極
として完成させた。この陰極は、例えば17”ブラウン
管電子銃に組み込まれ、1000℃の通常動作温度のと
き連続電子放射能力として2〜4A/cm2の電流密度
を可能とし、かつ数万時間のエミッション寿命を持つ。
【0046】以上のような本発明に係るペレットであれ
ば、ペレット内部での空孔率の不連続面が形成されない
ので、自由Baを生み出す化学反応がペレット全体で連
続的かつ滑らかに進むことになる。さらに、複数種の粒
度分布の原材料粉末を使用する必要がないので、製造工
程を簡素化でき、量産に適した製造工程とすることがで
きる。 (実施の形態2)実施形態2は、実施形態1で説明した
製造工程により製造したペレットの空孔率、及び空孔率
分布を一定の範囲内としたものである。実施形態1で説
明した製造工程により、電子放出面空孔率及び電子放出
面とその反対側面との空孔率差(以下「空孔率差」)を
変化させた各種のペレットを製造した。これらペレット
をカソードとして完成し、市販17”モニタ用ブラウン
管に組み込み、1カソード当たり400μAの直流電流
をエミッションとして取り出しながら、1250℃のカ
ソード動作温度で強制加速寿命試験を行った。
【0047】前記各種ペレットの初期の飽和エミッショ
ン電流(以下「飽和電流」)、初期の単位時間当たり電
子放射物質蒸発量(以下「蒸発量」)及びエミッション
寿命(以下「寿命」)の測定結果を以下の表1に示す。
表1において飽和電流、蒸発量及び寿命の値は、電子放
出面空孔率が20体積%で空孔率差が0のときの測定値
をそれぞれ1としたときの相対値を示している。
【0048】また、図4は表1の測定結果を用いて、電
子放出面空孔率と飽和電流及び蒸発量との関係をグラフ
に表したものである。同様に、図5は空孔率差と寿命と
の関係を表している。
【0049】
【表1】
【0050】表1、図4及び図5によれば、以下のこと
が分かる。 (イ)電子放出面空孔率が一定であれば、飽和電流と蒸
発量は、平均空孔率に関係なく一定である。 (ロ)また、電子放射面空孔率を変化させたときは、図
4に示すように飽和電流は電子放出面空孔率が増加する
につれて緩やかに増加し、電子放出面空孔率が30体積
%程度のところで飽和する。 (ハ)一方、図4、表1より蒸発量は、電子放出面空孔
率にほぼ比例して増加するので、電子放出面空孔率を一
定値以上に高めると電子銃電極での不要電子放射が増大
する可能性がある。このため、実用的には飽和電流と蒸
発量とのコンプロマイズが必要になる。具体的には電子
放出面空孔率は、12.5〜25体積%の範囲内が好ま
しい。 (ニ)図5、表1より、5〜25体積%の範囲内の空孔
率差を形成すると、空孔率差の無いものと比べ、寿命が
約10〜40%の範囲内で延長する。
【0051】なお、表1には示していないが、電子放出
面の反対側面の空孔率が40体積%以上となると、ペレ
ットの機械的強度が弱くなるので、実用的には電子放出
面の反対側面の空孔率は40体積%未満とすることが好
ましい。
【0052】以上の結果をまとめると、空孔率および空
孔率分布の有効な選択範囲は、電子放出面の空孔率が1
2.5〜25体積%の範囲内で、空孔率差が5〜25体
積%の範囲内で、かつ前記電子放出面の反対側面の空孔
率が40体積%未満を満足する範囲である。
【0053】平均空孔率をρ体積%、空孔率差をΔρ体
積%として、前記有効範囲を数式で表現すると、以下の
ようになる。 (式1) 15≦ρ≦30 (式2) 5≦Δρ ≦25 (式3) Δρ < 2×(40−ρ) (式4) Δρ ≦ 2×(ρ−12.5) 式1の下限値15体積%は、電子放出面空孔率の好まし
い範囲内の下限値が12.5体積%であることと、空孔
率差の好ましい範囲内の下限値が5体積%であることよ
り求めた。式1の上限値30体積%は、電子放出面空孔
率の好ましい範囲内の上限値が25体積%であること
と、電子放出面の反対側面の空孔率が40体積%未満で
あることの両方の条件を満足する最大の値を表1より求
めた。
【0054】式3は、電子放出面の反対側面の空孔率を
40体積%未満とする条件より求めた。式4は、電子放
出面空孔率を12.5体積%以上とする条件より求め
た。図6は、式1〜4の関係を図示したものであり、斜
線部が、式1〜4を満足する範囲内である。すなわち、
ペレットの平均空孔率ρ及び空孔率差Δρを、図6の斜
線部の範囲内で選択すれば、良好な寿命特性を得ること
ができる。さらにこの範囲内において、必要なエミッシ
ョンと蒸発量を選択することにより、最良のペレット設
計が可能となる。
【0055】(実施の形態3)実施形態3は、ペレット
の電子放出面に一定範囲内の表面粗さを形成することに
より、エミッシション性能を高めたものである。図7
は、電子放出面の表面粗さと飽和電流の相対値との関係
を示している。飽和電流は、試作したペレットを通常の
陰極に組立てて測定した。図7の縦軸の相対値は、電子
放出面の表面粗さが0μmのペレットにおける測定値を
1としたものである。
【0056】図7の横軸は、ペレットの電子放出面の表
面粗さを示し、表面粗さの範囲によって種類を分けた4
種類のペレットについて、測定を行った。具体的には、
a〜d点における表面粗さの範囲は、a点では0〜5μ
m、b点では5〜10μm、c点では10〜20μm、
d点では20〜30μmとした。表面粗さは、最大高さ
を示している。
【0057】図7より、表面粗さが大きいほど飽和電流
の相対値が大きくなって良好であることがわかる。b、
c、d点ではいずれの測定値も飽和電流の相対値は1以
上である。ただし、d点では対抗アノード電極との間で
スパークの発生するもの(図中のe)があった。従っ
て、スパークを抑え、かつエミッションを最大にするた
めには、図7のb、c、d点すなわち表面粗さが5〜2
0μmの範囲内が好ましい。
【0058】なお、前記の測定には、電子放出面の空孔
率は17体積%で、空孔率差は6体積%のものを用いた
が、他の数値のものを用いても前記の表面粗さと飽和電
流との関係は同様であり、表面粗さは5〜20μmの範
囲内が好ましい。
【0059】また、実施形態1で説明した基本工程によ
り形成されるペレットは、表面粗さは5〜10μmの範
囲内であるので、これら表面を機械的に研磨することに
より、0〜5μmの範囲内の表面粗さを持つペレットを
製作した。また、表面粗さが10〜30μmの範囲内の
ものについてはプレス成型後の基体の表面に約10〜2
0μmのタングステン粉末を付着させて焼結することに
より製作した。
【0060】(実施の形態4)陰極ペレットの量産にお
いて最も重要なことは、ペレット毎の空孔率のばらつき
を低減し、かつ電子放射物質の含浸量を安定させること
である。実施形態1で説明した基本工程において、製造
ばらつきを低減させるための実施形態を以下実施形態4
〜11として説明する。
【0061】実施形態4は、プレス成型工程で用いるカ
ートリッジ形状に関するものである。図3を用いて、実
施形態4に係るカートリッジの最適形状について説明す
る。カートリッジ6は、すりきり秤量の正確さに加え、
カートリッジ6内の原材料粉末7の粒度分布をプレスダ
イ内部に充填される原材料粉末の粒度分布に正確に反映
することが重要である。
【0062】このためには、カートリッジ6とプレスダ
イの表面9aとの接触面10の形状と大きさが重要にな
る。具体的には、接触面10の形状は円環形状が好まし
い。円環形状であれば、すりきりの往復運動においてカ
ートリッジ6内での原材料粉末の攪拌を行うことができ
る。
【0063】四角形等の接触面では、往復運動を行って
もプレスダイ平面方向の2次元的粉末攪拌が期待できな
い。ただし、四角形等の対角線がプレスダイの貫通孔9
を通過するようにカートリッジ6を設定すれば2次元的
攪拌は期待できるが、この場合はカートリッジ6の角部
がプレスダイの貫通孔9の端部に接触するので、カート
リッジ6及びプレスダイを損傷してしまう。
【0064】接触面10を円環形状とした場合は、円環
の内径はプレスダイの貫通孔9の内径(ペレット直径)
の10〜20倍の範囲内が好ましい。10倍未満の内径
であれば粉末の攪拌効果が弱まり、この結果プレスを行
うにつれて、粒度分布の粗いペレットが製造されてしま
う。また、20倍より大きい内径であれば攪拌効果はさ
らに高まるが、すりきり往復運動のストロークが長くな
るので、逆に量産性は低下してしまう。
【0065】円環の外径は、内径の1.05〜1.3倍
の範囲内が好ましい。1.05倍未満の外径であれば、
プレスダイとの接触による片べりが激しく長時間の使用
に耐えられない。また、1.3倍より大きい外径であれ
ば、円環部とプレスダイの表面9aとの密着性が悪くな
り、すりきり秤量が不正確となったり、接触面10のす
きまに微小粉末が入り込み、すりきりができなくなる。
【0066】円環形状の外径と接するカートリッジの外
側側面11は傾斜面が好ましく、接触面とのなす角度B
は40〜80°の範囲内が好ましい。40°未満である
と、すりきり動作時に原材料粉末を巻き込んで秤量が不
正確になることがある。また、80°より大きいとプレ
スダイの貫通孔9の端部とカートリッジ6の接触時に原
材料粉末がはさみこまれ、スムースなすりきり動作がで
きなくなる。 (実施の形態5)実施形態5は、カートリッジへの金属
原料粉末充填量を一定範囲量とした製造方法である。図
8に、金属原料粉末充填量とペレット重量ばらつきとの
関係を示している。図8の測定結果を得るために、タン
グステン粉末の充填量をペレット重量の100個分(約
0.7g)から2000個分(約14g)まで変化させ
て、ペレットを製造した。100個製造する毎に減少分
の粉末を補い、一水準で各10000個のペレットを製
造した。
【0067】図8の横軸の金属原料粉末充填重量は、カ
ートリッジへの金属原料粉末充填量が、ペレット重量の
何個分であるかを示している。製造したペレットについ
ては、プレス成型後の重量のばらつきを測定した。
【0068】図8より、充填重量が200個分から80
0個分までのときは、ペレット重量は安定しているが、
この範囲を越えると次第にばらつきが大きくなることが
わかる。これは充填重量が適量であれば、すりきり動作
によりカートリッジ内部の粉末が適度に攪拌され、粉末
本体の粒度分布を保ったままプレスダイの貫通孔に充填
されるからである。 (実施の形態6)実施形態6は、プレス成型時の原材料
粉末の加熱温度を一定範囲温度とした製造方法である。
カートリッジ内の原材料粉末の攪拌効果を高め、ペレッ
ト空孔率および重量のばらつきを低減するためには良好
な粒子流れ性を確保する必要がある。微粉末は大気中の
湿気を吸着し、粒子流れが悪くなるので、プレスダイへ
充填する前に50〜100℃の範囲内の温度で加熱して
おくことが好ましい。
【0069】加熱温度が100℃を超えるとタングステ
ン等の白金族/貴金属では大気による酸化の影響を受け
るようになるのでペレット製造においては好ましくな
い。また、加熱温度が50℃未満であると加熱による除
湿効果が低い。
【0070】図9に、原材料粉末の加熱温度とペレット
重量ばらつきとの関係を示している。すりきりカートリ
ッジへの原材料粉末の充填量はペレット500個分と
し、ランプにより加熱した。図9より、加熱温度が50
〜100℃の範囲内のときは、ペレット重量は安定して
いることがわかる。 (実施の形態7)実施形態7は、プレス成型におけるポ
ンチの降下速度と加圧時間とを一定範囲内とした製造方
法である。プレス成型においては、ポンチの降下速度と
加圧時間とが空孔率分布の制御には重要な要素である。
【0071】プレス成型時のプレスダイ内部の原材料粉
末の動きを見ると、ポンチに接触する部分の粉末の動き
が最も多く、その反対側面の粉末はほとんど動かない。
この結果、ポンチとの接触面に近いほうの部分の粉末に
ついては、その部分の粉末とプレスダイ内側面の摩擦、
または粉末同志の摩擦により、ポンチに加えられた圧力
が消費され、接触面の反対側面近傍まで圧力が伝わりに
くくなる。このため、ポンチと粉末との接触面近傍の空
孔率は低くなり、その反対側面の空孔率は高くなる。
【0072】以上のことから、ポンチの降下速度が速く
なるほど、プレス圧力の印加方向にペレット内部の空孔
率分布の傾斜ができる。すなわち、電子放出面とその反
対側面との空孔率差が大きくなる。逆に、ポンチの降下
速度を低くすると、プレスダイの中で原材料粉末の摩擦
を抑えながら滑らかにプレスができるので、より均一な
空孔率分布となる。
【0073】また、加圧時間を長くするほど、圧力が原
材料粉末全体に均等に加わる傾向があり、逆に短時間で
プレス成型を行うと不均一に圧力が加わり、電子放出面
とその反対側面との空孔率差が大きくなる。
【0074】ポンチの降下速度と加圧時間とをそれぞれ
変化させた組合せにおける空孔率差(体積%)の測定結
果を以下の表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2より、降下速度を0.5〜5cm/s
の範囲内で、加圧時間を1〜7秒間の範囲内で選択すれ
ば空孔率分布を自在に制御できることがわかる。加圧時
間は7秒間を越えても良好であるが量産には適していな
い。
【0077】以上のように、ペレット全体の平均空孔率
はプレス圧力を調整することにより、独立に制御可能で
ある。このため、粒度分布の異なる原材料粉末を用いる
ことなく、かつ多層に成型する必要もなく、通常の工程
で容易に本発明のペレットを製造することができる。 (実施の形態8)実施形態8は、プレス成型後の多孔質
基体の平均空孔率と焼結後のペレットの平均空孔率とを
一定の関係とする製造方法である。
【0078】ペレット内部への電子放射物質の含浸を安
定させるためには、ペレットの空孔率以外に、空孔の連
続性が重要な要素となる。すなわち、ペレット表面の開
口部に繋がらない空孔であって、ペレット外部から電子
放射物質が含浸されない閉鎖された空孔を少なくするこ
とが重要である。
【0079】さらに、ペレットの量産取り扱い性を確保
するためには、十分な機械的強度が必要である。図10
に、プレス成型後の多孔質基体の平均空孔率と、電子放
射物質の含浸量及びペレット破損率との関係を示してい
る。線12〜14は、焼結後のペレットの平均空孔率d
(体積%)を10〜30体積%に変化させた場合の、プ
レス成型後の多孔質基体の平均空孔率D(体積%)と電
子放射物質の含浸量との関係を示している。縦軸(左
側)に、ペレット毎の含浸量の相対値を示している。焼
結後の平均空孔率dが20体積%で、プレス成型後の平
均空孔率Dが30体積%における含浸量の値を1とし
た。
【0080】線12〜14に示した結果より、平均空孔
率Dが一定値を越えると含浸量は低下し始めることが分
かる。例えば焼結後のペレットの平均空孔率dが10体
積%である線10では、平均空孔率Dが30体積%まで
は含浸量は安定しているが、30体積%を越えると、含
浸量は低下し始める。
【0081】線15〜17は、焼結後のペレットの平均
空孔率dを10〜30体積%に変化させた場合の、プレ
ス成型後の多孔質基体の平均空孔率Dとペレット破損率
の相対値との関係を示している。縦軸(右側)に、ペレ
ット破損率を示している。
【0082】線15〜17に示した結果より、平均空孔
率Dが一定値を越えると、破損率は0になることが分か
る。例えば、焼結後の平均空孔率dが10体積%である
線15では、平均空孔率Dが20体積%で破損率は0に
なっている。
【0083】以上のような測定結果より、機械的強度を
保ちながら閉鎖空孔の発生を抑えて一定の含浸量を確保
したペレットを製造するためには、プレス成型後の平均
空孔率D(体積%)と焼結後の平均空孔率d(体積%)
との間に以下の関係が必要であるといえる。
【0084】d+10 ≦ D ≦ d+20 本関係式を図示したのが、図11である。線18はD=
d+10の関係を満足する線である。線19はD=d+
20の関係を満足する線である。したがって、斜線で示
した線18と線19との間の領域が前記関係式を満足す
る範囲である。線18より上側の領域では、機械的強度
が不足し、線19より下側の領域では、含浸量が過少で
ある。例えば、焼結後の平均空孔率dが20体積%のペ
レットを得ようとすれば、プレス成型後の平均空孔率D
は30〜40体積%の範囲内とすることが好ましい。
【0085】この場合、平均空孔率Dが30体積%より
小さいと、ほとんど焼結されていないことになるので、
機械的強度が非常に低くなり、取扱い時に破損する場合
がある。逆に、平均空孔率Dが40体積%より大きい
と、焼結が進みすぎているので閉鎖空孔が多数発生し、
適量の電子放射物質の含浸が行われないということにな
る。 (実施の形態9)実施形態9は、含浸容器への電子放射
物質充填量を一定範囲量とする製造方法である。本実施
形態では、含浸容器には上側が開口した例えばMo、W
製の耐熱金属容器を用い、寸法は縦1.5cm×横1.5
cm×深さ1cmとした。1ペレット当たりの最適含浸量の
200〜20000倍の範囲内で変化させた重量の電子
放射物質を含浸容器に充填し、その上に、平均空孔率が
20±1体積%、直径1.2mm、高さ0.42mm
で、かつ±5μgの精度で重量分級済のペレットを10
0個設置し含浸した。含浸後、余剰電子放射物質を除去
し、重量を測定することにより増加重量すなわち含浸量
を、ペレット1個毎に求めた。
【0086】図12に、含浸容器への電子放射物質充填
量とペレット含浸量のばらつきとの関係を示している。
横軸は、充填量のペレット1個当たりに必要な電子放射
物質の最適含浸量に対する倍数(以下、単に「充填量」
という)を示している。
【0087】図12より、充填量が1000倍未満とな
ると十分に含浸されないペレットが発生していることが
分かる。これは、電子放射物質が溶融したときに多孔質
基体表面の全面がぬれない基体があるからである。充填
量が1000倍から10000倍の間では、1ペレット
当たり含浸量はほぼ飽和し、最適含浸量を示す。
【0088】充填量が10000倍を超えると、平均含
浸量は減少した。これは電子放射物質の溶融時に多量の
ガスが発生し、電子放射物質が基体空孔内に浸透するこ
とを妨げているからである。また、含浸容器の底面積を
広くした場合には、その割合に比例してペレットを増加
させて設置するとほぼ同様の結果が得られる。以上のよ
うな結果より、充填量は1000〜10000倍の範囲
内が好ましい。 (実施の形態10)実施形態10は、含浸容器へのペレ
ット設置方法に係るものであり、ペレットの全表面が含
浸時に電子放射物質に接触するように配置する製造方法
である。本実施形態を導くために、以下のような実験を
行った。電子放射物質の充填量は前記実施形態9の好ま
しい範囲内である3000倍とし、以下のa〜dの4種
類のペレット配置で含浸を行った。図13(B)に、以
下の各配置a〜dにおける含浸容器20、ペレット21
及び電子放射物質22との位置関係を図示している。 (a)含浸容器底面にペレットを1段で平面状に100
個設置し、その上から電子放射物質を充填したもの。本
配置では、ペレットの円柱底面が含浸容器に接触してい
る。 (b)含浸容器底面にペレットを1段当たり50個とし
て2段重ねで設置し、その上から電子放射物質を充填し
たもの。本配置では、1段目のペレットの円柱上面と2
段目のペレットの円柱底面とが接触し、1段目のペレッ
トの円柱底面が容器に接触している。 (c)含浸容器に電子放射物質を深さを均一にして半分
量設置し、その上にペレットを1段で平面状に100個
設置し、その上に残りの電子放射物質を深さを均一にし
て設置したもの。本配置では、ペレットの全面が電子放
射物質に接触している。 (d)含浸容器に電子放射物質を深さを均一にして全量
設置し、その上にペレットを1段で平面状に100個設
置したもの。本配置では、ペレットの円柱上面が空間に
接触している。
【0089】図13(A)に、前記各配置とペレット含
浸量との関係を示している。横軸のa〜dは、前記各配
置a〜dに対応している。aとbとのペレット配置では
若干の含浸量不足が発生した。cとdとでは良好な含浸
量を示した。このことは、ペレットの全表面が電子放射
物質に覆われていないと含浸量が不足することを示して
いる。なお、dは図13(B)に図示した状態では、ペ
レットの全表面が電子放射物質に覆われていないが、電
子放射物質が溶融すると、ペレットは自重により沈み込
み、自然に全面が電子放射物質で覆われることになる。
すなわち、電子放射物質の溶融時にペレット全面が電子
放射物質で覆われることが安定した含浸を行うためには
重要な条件となる。 (実施の形態11)実施形態11は、含浸時にペレット
に付着した余剰電子放射物質の除去方法に係るものであ
り、含浸後のペレットに付着した余剰電子放射物質を、
粉砕用ボールにより物理的に除去するものである。
【0090】本実施形態では、前記実施形態10の方法
により、最適含浸条件で含浸させたペレットを用いた。
これらペレットを、例えば直径φ=5mmのアルミナボ
ール10個と共に内容積100cm3のガラス容器に入
れ、5分から1時間のシェーキングを行う。その後イオ
ン交換水中で5分間超音波洗浄を行い、真空乾燥させ
る。このときのシェーキング時間とペレットの破損率と
の関係を、以下の表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】表3より、60分以上のシェーキングを行
ったもの(比較例3、4)ではペレット破損率が急激に
大きくなっていることが分かる。また、図14に表3の
比較例1〜4、実施例1〜3おけるペレットの含浸量を
示している。図14より、実施例2(シェーキング時間
15分)においてペレットの含浸量のばらつきが最小で
あることがわかる。このばらつきは余剰電子放射物質の
付着程度が反映されるものであるから、ばらつきの小さ
いほど良好である。シェーキング時間を60分以上とし
たもの(比較例3、4)では、ばらつきは小さいが、前
記のように破損率が大きい。
【0093】図14の比較例1、2(シェーキング無
し)の結果より、超音波洗浄だけのときは洗浄時間を長
くしてもペレット毎のばらつきの減少は少ない。これは
余剰分以外の空孔中の有効な電子放射物質も時間ととも
に除去されていることを示している。また、絶対的に長
時間の処理が必要なことがわかり、量産には適していな
い。
【0094】なお、シェーキングまたはローリング等の
条件はボールの個数、サイズ、容器内容積、ペレット処
理量、時間、シェーキング振動数および振幅、ローリン
グ回転速度を選択することにより自在に変化させること
ができる。
【0095】以上、前記各実施形態においては、ペレッ
トの構成材料をタングステン(W)を一例として説明し
たが、これに限らずオスミウム(Os)、ルテニウム
(Ru)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、タ
ンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属、
これらを含む合金、またはこれらをベースとして少量の
添加剤を含んだものとしてもよい。
【0096】また、電子放射物質としては炭酸バリウム
(BaCO3 )、炭酸カルシウム(CaCO3 )、酸化
アルミニウム(Al23)のモル比を4:1:1として
混合したものを例として説明したが、これに限らずモル
比を変更したものでもよく、これらの混合物に少量の添
加材を分散したものを用いてもよい。また、炭酸バリウ
ムに代えて、酸化バリウム(BaO)、炭酸カルシウム
に代えて酸化カルシウム(CaO)を用いてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明の含浸型陰極によ
れば、基体の空孔率が連続的に増大しているので、ペレ
ット内の化学反応がペレット全体で連続的かつ滑らかに
進む。さらに、複数種の原材料粉末を使用する必要がな
いので、製造工程を簡素化できる。また、陰極ペレット
の電子放出面の表面粗さを5〜20μmの範囲内とする
ことにより、エミッション性能を高めることができる。
【0098】本発明の含浸型陰極の製造方法によれば、
カートリッジを一定形状とすることにより、空孔率や含
浸量の製造ばらつきを低減させることができる。また、
焼結前後の基体の平均空孔率を一定の関係とすることに
より、機械的強度を保ちながら一定の含浸量を確保した
ペレットを製造することができる。
【0099】また、含浸容器に充填する電子放射物質の
重量を一定範囲量とすることにより、含浸量不足を防止
することができ、安定した含浸を行うことができる。ま
た、含浸時にペレット全表面に電子放射物質が接触する
ように、ペレットを配置することにより、含浸量不足を
防止することができる。
【0100】また、含浸容器に充填する電子放射物質の
重量を一定範囲量とすることにより、含浸量のばらつき
を低減させることができる。。また、含浸処理後の陰極
ペレットをアルミナボールとともにシェーキングするこ
とにより、破損率を抑えながら、余剰電子放射物質を除
去することができ、含浸量のばらつきも低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の断面の概
念図
【図2】 本発明の含浸型陰極の製造工程の一実施形態
を示すフローチャート
【図3】 本発明の含浸型陰極の製造方法に用いるすり
きり用カートリッジ及びプレスダイの一実施形態を示す
断面図
【図4】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の電子放出
面空孔率と飽和電流及び蒸発量との関係を示す図
【図5】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の空孔率差
と寿命との関係を示す図
【図6】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の平均空孔
率と空孔率差との関係を示す図
【図7】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の電子放出
面の表面粗さと飽和電流の相対値との関係を示す図
【図8】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の金属原料
粉末充填量とペレット重量ばらつきとの関係を示す図
【図9】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の原材料粉
末の加熱温度とペレット重量ばらつきとの関係を示す図
【図10】 本発明の含浸型陰極の一実施形態のプレス
成型後の多孔質基体の平均空孔率と電子放射物質の含浸
量及びペレット破損率との関係を示す図
【図11】 本発明の含浸型陰極の一実施形態のプレス
成型後の平均空孔率と焼結後の平均空孔率との関係を示
す図
【図12】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の含浸容
器への電子放射物質充填量とペレット含浸量のばらつき
との関係を示す図
【図13】 本発明の含浸型陰極の一実施形態の含浸時
のペレット配置とペレット含浸量との関係を示す図
【図14】 本発明の含浸型陰極の一実施形態及び比較
例のシェーキング時間とペレット含浸量との関係を示す
【符号の説明】
1 金属原材料粉末 2,22 電子放射物質 3 電子放出面 4 電子放出方向 6 すりきり用カートリッジ 7 原材料粉末 8 ポンチ 9 プレスダイの貫通孔部 9a プレスダイ表面 10 接触面 11 外側側面 12 焼結後平均空孔率d=10体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と含浸量との関係を示す線 13 焼結後平均空孔率d=20体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と含浸量との関係を示す線 14 焼結後平均空孔率d=30体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と含浸量との関係を示す線 15 焼結後平均空孔率d=10体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と破損率との関係を示す線 16 焼結後平均空孔率d=20体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と破損率との関係を示す線 17 焼結後平均空孔率d=30体積%におけるプレス
成型後平均空孔率と破損率との関係を示す線 18 焼結後平均空孔率dとプレス成型後平均空孔率D
とがD=d+10の関係を満足する線 19 焼結後平均空孔率dとプレス成型後平均空孔率D
とがD=d+20の関係を満足する線 20 含浸容器 21 ペレット

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物
    質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極であっ
    て、前記多孔質金属焼結体の空孔率は電子放出面から深
    さ方向に進むにつれて連続的に増大していることを特徴
    とする含浸型陰極。
  2. 【請求項2】 前記多孔質金属焼結体の電子放出面の空
    孔率が12.5〜25体積%で、前記電子放出面近傍の
    空孔率とその反対側面近傍の空孔率との差が5〜25体
    積%の範囲内で、かつ前記電子放出面の反対側面の空孔
    率が40体積%未満である請求項1に記載の含浸型陰
    極。
  3. 【請求項3】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物
    質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極であっ
    て、前記陰極ペレットの電子放出面の表面粗さは、最大
    高さが5〜20μmの範囲内であることを特徴とする含
    浸型陰極。
  4. 【請求項4】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物
    質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造
    方法であって、金属原料粉末をプレス成型して多孔質基
    体を形成するプレス成型工程を含み、前記金属原料粉末
    をすりきり用カートリッジに充填した後、すりきり秤量
    によりダイに充填し、ポンチによるプレス成型をし、前
    記カートリッジの前記ダイ表面への接触面が円環形状
    で、かつ前記カートリッジの外側側面は先端部が前記ダ
    イ表面と接する傾斜面を含むことを特徴とする含浸型陰
    極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記円環形状の内周の直径がペレット直
    径の10〜20倍の範囲内で、前記円環形状の外周の直
    径が前記内周の直径の1.05〜1.3倍の範囲内で、
    前記傾斜面と前記ダイ表面とのなす角が40〜80°の
    範囲内である請求項4に記載の含浸型陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カートリッジに充填する金属原料粉
    末の量を陰極ペレットの200〜800個分に相当する
    量とする請求項4または5に記載の含浸型陰極の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 すりきり秤量時及びプレス時の前記金属
    原材料粉末を50〜100℃の範囲内の温度に加熱する
    請求項4から6のいずれかに記載の含浸型陰極の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 ポンチと金属原料粉末とが接する面を陰
    極ペレットの電子放出面とし、ポンチと金属原料粉末と
    が接しているときのポンチのダイに対する相対速度を
    0.5〜5cm/sの範囲内とし、かつ加圧時間を1〜
    7秒の範囲内とする請求項4から7のいずれかに記載の
    含浸型陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射物
    質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製造
    方法であって、金属原料粉末をプレス成型して多孔質基
    体を形成するプレス成型工程と、前記多孔質基体を焼結
    して多孔質金属焼結体を形成する焼結工程とを含み、プ
    レス成型後の前記多孔質基体の平均空孔率(D体積%)
    と焼結後の前記多孔質金属焼結体の平均空孔率(d体積
    %)との間に以下の関係があることを特徴とする含浸型
    陰極の製造方法。 d+10 ≦ D ≦ d+20
  10. 【請求項10】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射
    物質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製
    造方法であって、前記電子放射物質の溶融時に前記多孔
    質金属焼結体の全表面に前記電子放射物質が接触するよ
    うに、前記多孔質金属焼結体と前記電子放射物質とを含
    浸容器に配置して、前記電子放射物質を前記多孔質金属
    焼結体の空孔部に含浸させることを特徴とする含浸型陰
    極の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記含浸容器に深さを均一にして電子
    放射物質を充填し、前記電子放射物質の深さ方向のほぼ
    中央部、または前記電子放射物質の最上面の上に前記多
    孔質金属焼結体を配置する請求項10に記載の含浸型陰
    極の製造方法。
  12. 【請求項12】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射
    物質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製
    造方法であって、含浸容器に充填する前記電子放射物質
    の重量が含浸容器内に配置された多孔質金属焼結体に含
    浸され得る重量の10〜100倍の範囲内であることを
    特徴とする含浸型陰極の製造方法。
  13. 【請求項13】 多孔質金属焼結体の空孔部に電子放射
    物質を含浸させた陰極ペレットを備えた含浸型陰極の製
    造方法であって、含浸処理後の陰極ペレットをアルミナ
    ボールとともに容器に入れ、シェーキングした後、水中
    で超音波洗浄を行うことにより、余剰電子放射物質を除
    去することを特徴とする含浸型陰極の製造方法。
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