JPH06310020A - 熱電子放出材料成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱電子放出材料成形体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06310020A
JPH06310020A JP9434893A JP9434893A JPH06310020A JP H06310020 A JPH06310020 A JP H06310020A JP 9434893 A JP9434893 A JP 9434893A JP 9434893 A JP9434893 A JP 9434893A JP H06310020 A JPH06310020 A JP H06310020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emission material
powder
thermoelectron
electron
mixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9434893A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Fujita
洋司 藤田
Atsushi Arakane
淳 荒金
Masayasu Koitabashi
正康 小板橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP9434893A priority Critical patent/JPH06310020A/ja
Publication of JPH06310020A publication Critical patent/JPH06310020A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた熱電子放出特性を長期にわたり安定し
て得られ、かつ簡便に少ないエネルギーで製造できる、
主に電子管に用いられる熱電子放出材料成形体を提供す
る。 【構成】 耐熱性金属と 少なくともアルカリ金属及び
アルカリ土類金属のいずれか一種以上の元素を含む電子
放出物質とを出発原料とし、不活性ガス雰囲気中でメカ
ニカルアロイングと呼ばれる強制粉体混合法により粉砕
・混合して熱電子放出材料粉体を形成し、これを圧
形して熱電子放出材料成形体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に電子管に用いられる
カソードの熱電子放出材料成形体とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば雑誌(応用物理 第56巻
第11号(1987)1423〜1432頁)に記載の
従来の含浸法による電子放出材料成形体の製造工程の一
例を示す工程図である。タングステン粉末を圧粉成形し
た後、2000℃近辺の温度で水素中で焼成しタングス
テンの多孔体を得る。さらに銅を溶融含浸させ強度をも
たせ陰極基体として所定の形状に機械加工する。成形
後、真空中でこの基体を加熱し、含浸させた銅を蒸発さ
せ除去する。一方、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウ
ム、炭酸バリウムを出発原料とし空気中において100
0℃付近で保持し複合酸化物を作成する。ついで複合酸
化物をタングステン多孔体上にのせ真空中で1500℃
近辺で溶解含浸処理を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱電子放出多孔
材料の製造方法は以上のように構成されているので、プ
レス作業を一度、及び1000℃以上の高温の処理を4
度行わなければならず、歩留りが低く、かつ製造が煩雑
で省エネルギー化が困難であるという問題があった。
【0004】また単なる粉体の混合では、例えばバリウ
ムの蒸発が速く、寿命が短く、また熱電子放出多孔体か
らの電子放出が不均一であり従来の含浸処理による熱電
子放出多孔材料に比べ熱電子の飽和電流密度が低くなる
という欠点があった。
【0005】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、1000℃以上の熱処理を省略、
簡便に少ないエネルギーで製造できるとともに、従来の
含浸法による熱電子放出材料成形体と同等以上の熱電子
放出特性を長期にわたり安定して得られる高性能な熱電
子放出材料成形体を提供することを目的とする。
【0006】そこで、本発明者らは、上述のような課題
を解決し、従来よりも一層、簡便に少ないエネルギーで
熱電子放出材料成形体を得るべく鋭意研究を行った。そ
の結果、従来は高温で強度の大きい材料の開発、アモル
ファス層の創出に使用されているメカニカルアロイング
あるいはメカニカルグラインディングと呼ばれる強制粉
体混合法により熱電子放出材料粉体を製造し、この粉体
を用い、例えば圧粉成形または必要に応じて金属カップ
に直接成形または耐熱金属に塗布して熱電子放出材料成
形体を製造することにより、従来に比べ簡便に、省エネ
ルギーで製造が可能であり、しかも従来の含浸法に匹敵
する初期飽和電流密度と安定性を示すという知見を得、
本発明を成し得た。なお、メカニカルアロイング法をバ
リウム、カルシウム、アルミニウム及びタングステンを
含むような粉体製造、あるいは電子放出多孔体製造に適
用した例はなかった。(メカニカルアロイングについて
は雑誌:日本金属学会会報第27巻第10号(1988)
799〜815頁参照)
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電子放出材料
成形体は、耐熱性金属と 少なくともアルカリ金属及び
アルカリ土類金属のいずれか一種以上の元素を含む電子
放出物質とを出発原料とし、不活性ガス雰囲気中でメカ
ニカルアロイングあるいはメカニカルグラインディング
と呼ばれる強制粉体混合法(MAと略記する)により粉
砕・混合して形成した熱電子放出材料粉体を用いて成形
したものである。
【0008】また、平均粒径が50μm以下の熱電子放
出材料粉体を用い、成形後のポロシティが30%以下の
ものである。
【0009】また、耐熱性金属としてタングステン、電
子放出物質としてバリウム原子:45〜90%、カルシ
ウム原子:10〜55%、アルミニウム原子:残部とな
るように、かつ酸化物となった際の熱電子放出成形体に
占める体積の割合が4%以上かつ50%以下となるよう
に調製された金属、酸化物、及び炭酸塩のいずれかから
なる混合粉末を用いる。
【0010】また、電子放出物質がバリウム原子の数に
対して2〜15原子%のスカンジウム原子を含んでい
る。
【0011】さらに、電子放出物質中に含まれる酸素原
子の総数が酸素原子以外の原子に対して10%未満とす
る。
【0012】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、{強制混合の時間(hrs)×攪拌機中での
ボールの最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単位)×ボ
ール重量(g)÷粉体重量(g)}なる式で計算された値
(強制混合パラメータと略記する)が150以上に相当
する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合し
て形成するようにした。
【0013】また、熱電子放出材料粉体を 強制粉体混
合法により、強制混合パラメータが250以上4000
以下に相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて形
成するようにした。
【0014】さらにまた、熱電子放出材料粉体を金属カ
ップ内に直接圧粉しカップ付き熱電子放出材料成形体を
形成するようにした。
【0015】熱電子放出材料粉体を金属上に塗布し熱電
子放出材料成形体を形成するようにした。
【0016】
【作用】本発明の熱電子放出材料成形体においては、M
Aと呼ばれる手法により強制混合することにより、耐熱
性金属に電子放出物質、例えばタングステンにバリウム
が入り込んだような疑似合金の状態、あるいはナノメー
タレベル(原子レベル)の微細な混合状態が得られ、こ
れを成形することにより、単なる粉体の混合体とは異な
り、均一に熱電子を放出する熱電子放出材料成形体が簡
便に少ないエネルギーで得られる。また、電子放出物質
が耐熱性金属粒子内に保持されるため、長期にわたり安
定した特性が得られる。従来の含浸法よりエミッタ物質
を沢山含ませることができる。
【0017】また、平均粒径が50μm以下のものを用
いることにより、電子放出面における放出密度のむらが
少なく、即ち電子放出成形体からの電子放出密度が均一
になり、安定した電子ビームが得られる。成形が容易に
なる。また、成形後のポロシティが30%以下とするこ
とにより、十分な機械的強度が得られ、電子銃への組立
工程での不良発生率を低減できる。
【0018】また、耐熱性金属としてタングステン、電
子放出物質としてバリウム原子:45〜90%、カルシ
ウム原子:10〜55%、アルミニウム原子:残部とな
るように、かつ酸化物となった際の熱電子放出成形体に
占める体積の割合が4%以上かつ50%以下となるよう
に調製された金属、酸化物、及び炭酸塩のいずれかから
なる混合粉末を用いることにより、実用上十分大きな初
期飽和電流密度が得られ、飽和電流密度の劣化率を小さ
くできる。
【0019】また、電子放出物質にバリウム原子の数に
対して2〜15原子%のスカンジウム原子を添加するこ
とにより、最大飽和電流密度を増大できる。
【0020】さらに、電子放出物質中に含まれる酸素原
子の総数が酸素原子以外の原子に対して10%未満とす
ることにより、従来例よりも活性化に要する時間が短縮
できる。
【0021】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、強制混合パラメータが150以上に相当
する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合し
て形成することにより、実用上十分な初期飽和電流密度
が得られ、活性化処理が早くできる。
【0022】また、強制混合パラメータが250以上に
相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて形成する
ことにより、より十分な初期飽和電流密度が得られる。
4000以上では製造に要する時間が長くなり、活性化
処理に長時間を要するようになる。
【0023】さらにまた、熱電子放出材料粉体を金属カ
ップ内に直接圧粉しカップ付き熱電子放出材料成形体を
形成する、あるいは熱電子放出材料粉体を金属上に塗布
し熱電子放出材料成形体を形成するようにしたようにし
たので、従来必要であった金属カップへの挿入、固定の
工程が不要となり、簡便に製造できる。
【0024】
【実施例】本発明の熱電子放出材料成形体は、耐熱性金
属と 少なくともアルカリ金属及びアルカリ土類金属の
いずれか一種以上の元素を含む電子放出物質とを原料と
して組み合わせて、不活性ガス雰囲気中でメカニカルア
ロイングあるいはメカニカルグラインディングと呼ばれ
る強制粉体混合法を用いて製造された熱電子放出材料粉
体を用いて製造するものである。
【0025】MA法によると、原料粉末を粉砕容器内に
いれ、不活性ガス雰囲気にした後、数時間から数十時間
粉砕するのみであるが、高融点の耐熱性金属、例えばタ
ングステンに電子放出物質、例えばバリウム、カルシウ
ム、アルミニウムの単体、酸化物、炭酸塩が均一に分散
し、ナノメータレベル(原子レベル)の微細な混合状
態、あるいはタングステンにバリウム(電子放出物質)
が入り込んだような疑似合金の状態の熱電子放出材料粉
体が得られる。而して、この粉体を圧粉成形、あるいは
必要に応じて金属カップ内に直接圧粉成形、あるいは金
属上に塗布して熱電子放出材料成形体を製造することに
より、単なる粉体の混合体とは異なり、均一に熱電子を
放出する熱電子放出材料成形体が簡便に少ないエネルギ
ーで得られる。また、電子放出物質が耐熱性金属粒子内
に保持されるため、長期にわたり安定した特性が得られ
る。従来の含浸法よりエミッタ物質を沢山含ませること
ができる。
【0026】図1(a)(b)の説明図に従来の一般的な混
合とMA法における混合状態と得られる粉を対比して模
式的に示す。従来の一般的な粉体の混合粉砕(図1
(a))には粒子が凝着しないように表面活性剤や反応性
のある溶剤を加える。その結果、粉体の再固着が妨げら
れ粉体を粉砕することができる。一方、MA(図1
(b))では再結着を促すために非反応性の溶媒やアルゴ
ンなどの不活性雰囲気で攪拌が行われる。その結果、粉
末が決着分解を繰り返し、単なる粒子同士の混合と異な
り、原子オーダーに各成分が分散される。原子レベルの
均一微細な混合状態、あるいは疑似合金の状態の粉体が
得られる。
【0027】例えば、実質上タングステンからなる耐熱
性金属の材料と、バリウム原子:45〜90%、カルシ
ウム原子:10〜55%、アルミニウム原子:残部とな
る、図2の状態図に示す斜線領域に含まれる金属単体、
酸化物、及び炭酸塩のいずれかの混合物からなり、かつ
これらの電子放出物質が酸化物となった際の熱電子放出
成形体に占める体積の割合が4%以上かつ50%以下で
あり、さらに必要に応じて上記電子放出物質にバリウム
原子の数に対して2〜15原子%のスカンジウム原子を
含む電子放出物質を原料に用い、強制混合パラメータが
150以上に相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加
えてMA法により熱電子放出材料粉体を製造し、これを
用いて熱電子放出材料成形体を製造するようにしたもの
である。製造コストが小さいにもかかわらず、従来法に
匹敵する大きな初期飽和電流密度と優れた長期安定性を
示す。
【0028】以下に、本発明に係わる熱電子放出材料粉
体及び成形体の製造に使用した成分組成、MA条件、成
形体の製造方法等について説明する。
【0029】1.耐熱性金属組成 耐熱性金属としては、タングステン、タングステンレニ
ウム、タングステンルテニウム、モリブデン、モリブデ
ンレニウム、モリブデンルテニウム等が用いられる。ま
たMA前の原料は単体であってもよい。タングステンを
用いた場合には従来のタングステン多孔体に熱電子放出
物質を含浸した場合と同様な初期飽和電流密度を得るこ
とができた。
【0030】2.電子放出物質組成 電子放出物質としては少なくともアルカリ金属及びアル
カリ土類金属のいずれか一種以上の元素が用いられる。
例えばバリウム、カルシウム、アルミニウムの単体、酸
化物、炭酸塩が用いられ、バリウム原子、カルシウム原
子、アルミニウム原子の組成比は上記範囲(図2に示す
領域)外においては初期飽和電流密度が実用上不十分で
あったり、飽和電流密度の劣化率が大きくなるため、上
記範囲の組成比に調製して用いるのがよい。
【0031】電子放出物質として金属単体、酸化物、炭
酸塩のいずれかよりなる混合物を使用した場合、これら
の電子放出物質が酸化物となった際の熱電子放出成形体
に占める体積の割合は、4%以下では飽和電流密度の劣
化率が大きく、50%以上では初期の飽和電流密度が十
分とれなかったため、4%以上かつ50%以下が望まし
い。
【0032】また、電子放出物質中にスカンジウム原子
を添加すると最大飽和電流密度を増大できる。なお、バ
リウム原子の数に対して2%以下では添加した効果がみ
られず、15原子%以上では初期の飽和電流密度が従来
例よりも小さくなることが見いだされたため、2〜15
原子%添加するのが望ましい。
【0033】また、電子放出物質中に含まれる酸素原子
の総数が酸素原子以外の原子に対して10%未満である
と従来例よりも活性化に要する時間が短縮されるので、
10%未満とするのが望ましい。
【0034】さらに、平均粒径が50μm以上の熱電子
放出材料粉体を用いると、電子放出面における放出密度
のむらが大きくなり、成形が困難になるので、平均粒径
が50μm以下のものを用いるのが望ましい。また、熱
電子放出材料成形体のポロシティが30%以上になる
と、その機械的強度が十分でなく電子銃への組立工程で
の不良発生率が大きくなるので、成形後のポロシティが
30%以下になるようにするのが望ましい。
【0035】3.強制混合(メカニカルアロイング)条
件 強制混合条件としては、{強制混合の時間(hrs) ×攪拌
機中でのボールの最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単
位)×ボール重量(g)÷粉体重量(g)} なる式で計算さ
れた値(強制混合パラメータ)が150以上に相当する
時間当たりの粉砕エネルギーを加えれば、実用上十分な
初期飽和電流密度を得ることができるので、150以上
に相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて行うの
が望ましい。また、250以上に相当する時間当たりの
粉砕エネルギーを加えることにより十二分に強制混合が
行え、十分な初期飽和電流密度が得られるので、250
以上に相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加えるの
がより望ましい。また強制混合パラメータ4000以上
では得られた粉末の特性に変化はないが、製造に要する
時間が長くなったり、雰囲気に含まれるアルゴンなどの
ガスを粉末が含んでしまうため活性化処理時にそのガス
が放出され排気が必要となり事実上活性化処理に長時間
を要するため、4000以下が望ましい。
【0036】4.圧粉成形及び金属カップの使用 従来、熱陰極を製造するには金属製のカップに熱電子放
出材料成形体を挿入し、機械的な“かしめ”、スポット
溶接、レーザー溶接などの手法で固定する工程を経る必
要があった。本発明における熱電子放出材料粉体を圧粉
した成形体は従来の含浸型の熱電子放出材料成形体に比
して1000℃以上の高温の熱処理工程が省かれる等、
簡便で省エネルギーであるためコスト面で優れている
が、強制粉体混合法を用いて製造される粉体を金属カッ
プ内に直接圧粉しカップ付き成形体を成形することによ
り、従来の金属カップへの挿入、固定の工程が不用とな
り、より簡便に製造でき、コストがより低くなるという
効果を生じた。
【0037】5.粉体の塗布法の利用 また、従来のタングステンを用いた熱陰極材料は熱電子
放出物質を分散させるために、予め焼結の済んだ多孔体
に熱電子放出物質を含浸するという工程を必要とした。
しかし、本発明に係わる熱電子放出材料粉体はすでに耐
熱性金属(タングステン)と電子放出物質が微細に混合
した状態であるため、陰極の動作温度で安定な金属材料
上にスプレー法等により塗布するという簡単な操作で、
熱電子放出を起こさせることが可能となった。従って、
この手法によれば従来必要であった金属カップへの挿
入、固定の工程が不用となりコストがより低くなるとい
う効果が生じた。
【0038】以下、本発明の一実施例を具体的に説明す
る。 実施例1.本発明の熱電子放出材料成形体について、そ
の電子放出物質組成、電子放出物質中の酸素量、電子放
出物質量の影響、スカンジウム添加の影響、強制混合
(メカニカルアロイング)の条件等を種々検討した。そ
の試験結果を後記の表1〜表6に示す。また、従来例と
して含浸型の熱電子放出材料成形体の組成、製造条件を
しめす。各表内の試験番号の前に*がついた条件は本発
明の範囲外の比較例である。
【0039】まず、これらの実施例及び比較例における
製造方法及び特性測定について具体的に述べる。図3は
本発明における熱電子放出材料成形体の製造方法の一実
施例を示す工程図である。耐熱性金属のタングステン、
及び電子放出物質のバリウム、アルミニウム、カルシウ
ム、スカンジウムの単体、あるいは酸化物を、表1〜表
4に示される組成となり全体で33gとなるようにアル
ゴン雰囲気中で秤量し、直径15mmのタングステンカー
バイド製のボール7個(重量133g)とともに容量が
45ccであるタングステンカーバイド製ボールミル容器
にアルゴンとともに封入した。なお、表5及び表6にお
いて組成が示されていない試験番号におけるタングステ
ンと電子放出物質の組成は表1における試験番号1のも
のと同じである。
【0040】表1〜表4における例においては、遊星形
ボールミルの回転数をボールミルのうける最大加速度が
20Gとなるように調整した後、20時間粉砕を行なっ
た。また、表5内に示される試験番号のものについては
強制混合(メカニカルアロイング)条件は表内のものに
従っている。
【0041】ボールミル容器より熱電子放出材料粉体を
とりだし、直径 1.4mmのプレス型に8〜10mgの上記粉
体を秤量後注入し、6t/cm2の圧力にて圧粉成形を行
い、円盤状の熱電子放出材料成形体を得た。得られた成
形体を二極管特性測定装置に組み込み熱電子放出特性を
測定した。活性化処理、熱電子測定条件は次のようなも
のである。
【0042】・活性化処理条件 1.サンプルがない場合の最高到達真空度:10-11tor
r 2.排気速度:500l/s 3.真空チャンバー体積:30l 4.温度:1050℃
【0043】・飽和電流密度測定条件 1.アノードとカソード間の距離:1mm 2.パルス幅:10μs 3.パルスデューティー:0.1% 4.温度:950℃br
【0044】このような条件下で活性化処理の進行に伴
う飽和電流密度の変化と、最大飽和電流密度が4A/cm2
以上あった成形体については1000時間までの飽和電
流密度の劣化を測定した。なお、活性化時間は最長で7
2時間とした。そのため特性がゆっくりと上昇するもの
については最大飽和電流密度は活性化処理72時間後の
値を示す。活性化処理30分後の飽和電流密度、最大飽
和電流密度、及び飽和電流密度が最大値に対して10%
低下するまでの時間を表1〜表4に示す。表中10%劣
化時間の項に○がついているものは1000時間たって
も特性が10%以下しか低下していないことを示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に電子放出物質組成の影響を示す。表
1に示されるように、バリウムとアルミニウムとカルシ
ウムの電子放出物質中のモル比が図2に示される範囲で
あるならば最大飽和電流密度も従来例に遜色なく100
0時間後の飽和電流密度の低下も小さいことがわかる。
一方、表1中の比較例では最大飽和電流密度が十分とれ
なかったり、特性の劣化が大きいという問題点がある。
本実施例では金属と酸化物の検討結果を示したが、炭酸
塩を電子放出物質に用いても酸化物を用いた場合と同様
な熱電子放出特性を得ることができた。また真空排気
中、1000℃程度の加熱処理によって、酸化バリウ
ム、酸化アルミニウム、酸化カルシウムと気体分子とに
分解し、固体物質として酸化物が残留する化合物(硝酸
塩、水酸化物等)をもちいても酸化物及び単体を用いた
場合と同様な効果を奏することは明かである。
【0047】
【表2】
【0048】また表2に酸素量の影響を示す。電子放出
物質に含まれる酸素量が大きくなると、活性化処理30
分後の飽和電流密度が小さくなり、電子放出物質に含ま
れる酸素量を10%未満にすると活性化がはやまり、い
っそう熱電子放出材料として好ましい材料となることが
明かとなった。
【0049】
【表3】
【0050】また、表3に電子放出物質の体積比の影響
を示す。電子放出物質の酸化物に換算した体積の割合が
4%以下、または50%以上では十分な飽和電流密度が
得られないことがわかった。
【0051】
【表4】
【0052】また、表4にはスカンジウムの影響を調べ
た結果を示す。スカンジウムのバリウムに対する原子%
が2%以上15%以下でスカンジウム添加による最大飽
和電流密度を増大させる効果があるという知見を得た。
【0053】
【表5】
【0054】表5においてボールミルによる強制混合
(メカニカルアロイング)条件の影響を示す。ボールが
受ける最大加速度、ボールの重量とサンプル粉末重量を
パラメータとして強制混合(メカニカルアロイング)の
効果が{強制混合の時間(hrs)×攪拌機中でのボールの
最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単位) ×ボール重量
(g)÷粉体重量(g)}なる式で計算された値(強制混合
パラメータ)で整理することができ、メカニカルアロイ
ングの処理が不十分であると最大飽和電流密度が小さ
く、逆に過大であると活性化処理に時間がかかることが
明かとなった。表5をもとに強制混合の効果を示す強制
混合パラメータと最大飽和電流密度の関係を図4の特性
図に示す。縦軸が最大飽和電流密度(A/cm2) 、横軸が強
制混合パラメータを示す。強制混合パラメータが150
以上では最大飽和電流密度の値は従来例の80%以上確
保されるため、後に示すように製造時のコストが1/5
に低減されることから発明の効果があると考えられる。
また強制混合パラメータが250以上になると従来例と
同等以上の優れた最大飽和電流密度を得ることができ
た。図5の特性図には強制混合パラメータと、(活性化
処理30分後の飽和電流密度を最大飽和電流密度で割っ
た比を%で示した値)の関係を示す。縦軸が最大値に対
する30分後飽和電流(%)、横軸が強制混合パラメータ
を示す。強制混合パラメータが150以上5000以下
の範囲では従来例以上に早く活性化処理が進行すること
がわかる。特に250から4000の範囲では活性化が
すばやく終了することがわかった。
【0055】
【表6】
【0056】表6には熱電子放出材料粉体の平均粒径及
び成形体のポロシティの影響に付いて示す。粉体の平均
粒径が50μm以上になると、電子放出密度が不均一に
なり、安定した電子ビームが得られない。また、成形後
のポロシティが30%以上のものは成形が困難である。
【0057】実施例2.上記試験番号1において得られ
た熱電子放出材料粉体を内径1.4mm、外径1.44mm、高さ
0.3mmのモリブデン製のカップに直接圧入することによ
って、すでにキャップが装着された熱電子放出材料成形
体を得た。この成形体を用いて活性化処理を行い、飽和
電流密度、1000時間にわたる寿命試験を行った。上
記試験番号1の場合と同様な結果を得ることができた。
【0058】実施例3.上記試験番号1において得られ
た熱電子放出材料粉体にバインダーとしてニトロセルロ
ース、溶媒に酢酸ブチルを加えて作成した懸濁液を、モ
リブデン製のキャップにスプレーし、このキャップに対
し熱電子放出材料成形体と同様な活性化処理を行い、飽
和電流密度、1000時間にわたる寿命試験を行った。
上記試験番号1の場合と同様な結果を得ることができ
た。
【0059】以上、上記実施例の熱電子放出材料成形体
は、従来例に比して活性化速度、最大飽和電流密度、寿
命のいずれにおいても遜色のないものであった。
【0060】なお、上記実施例においてはMAにボール
ミルを用いた場合について説明したが、スタンプミル、
クラッシャーミル等を用いても良く、同様の効果を奏す
る。耐熱性金属、電子放出物質についても上記実施例に
限定されるものではなく、他のものを用いても良く、同
様の効果を奏する。
【0061】
【表7】
【0062】また、表7に従来の含浸形熱電子放出材料
成形体と、本発明のMAによる熱電子放出材料粉体を用
いた熱電子放出材料成形体の製造コストの概算比較を示
す。粉体の圧粉に要する費用を1とした。本発明によれ
ば、従来の含浸法において必要であった5回の熱処理と
電子放出材料の合成を1回のMA処理によって置き換え
ることができ、熱電子放出特性の優れた熱電子放出材料
成形体の製造コストを従来に比べ1/5以下とすること
が可能となる。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】耐熱性金属と 少なくともアルカリ金属及
びアルカリ土類金属のいずれか一種以上の元素を含む電
子放出物質とを出発原料とし、不活性ガス雰囲気中でメ
カニカルアロイングあるいはメカニカルグラインディン
グと呼ばれる強制粉体混合法により粉砕・混合して形成
した熱電子放出材料粉体を用いて製造するようにしたの
で、長期にわたり安定した特性が得られる高性能な熱電
子放出材料成形体が簡便に少ないエネルギーで得られる
効果がある。
【0065】また、熱電子放出材料粉体の平均粒径が5
0μm以下のものを用い、成形後のポロシティが30%
以下なるようにしたので、熱電子放出材料成形体からの
電子放出密度が均一になり、安定した電子ビームが得ら
れる。また、成形が容易になる。
【0066】また、耐熱性金属としてタングステン、電
子放出物質としてバリウム原子:45〜90%、カルシ
ウム原子:10〜55%、アルミニウム原子:残部とな
るように、かつ酸化物となった際の熱電子放出成形体に
占める体積の割合が4%以上かつ50%以下となるよう
に調製された金属、酸化物、及び炭酸塩のいずれかから
なる混合粉末を用いることにより、実用上十分大きな初
期飽和電流密度が得られ、飽和電流密度の劣化率を小さ
くできる。
【0067】また、電子放出物質にバリウム原子の数に
対して2〜15原子%のスカンジウム原子を添加するこ
とにより、最大飽和電流密度を増大できる。
【0068】さらに、電子放出物質中に含まれる酸素原
子の総数が酸素原子以外の原子に対して10%未満とす
ることにより、活性化に要する時間が短縮できる。
【0069】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、強制混合パラメータが150以上に相当
する時間当たりの粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合し
て形成することにより、実用上十分な初期飽和電流密度
が得られ、活性化処理が早くできる。
【0070】また、強制混合パラメータが250以上4
000以下に相当する時間当たりの粉砕エネルギーを加
えて形成することにより、より十分な初期飽和電流密度
が得られ、活性化処理が素早く行える。
【0071】さらにまた、熱電子放出材料粉体を金属カ
ップ内に直接圧粉しカップ付き熱電子放出材料成形体を
形成する、あるいは熱電子放出材料粉体を金属上に塗布
し熱電子放出材料成形体を形成するようにしたようにし
たので、従来必要であった金属カップへの挿入、固定の
工程が不要となり、より簡便に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる強制粉体混合(メカニカルアロ
イング)法の説明図である。
【図2】本発明に係わる電子放出物質中のバリウム、カ
ルシウム、アルミニウムの元素組成を示す状態図であ
る。
【図3】本発明の熱電子放出材料成形体の製造方法の一
実施例を示す工程図である。
【図4】強制混合(メカニカルアロイング)条件と最大
飽和電流密度の関係を示す特性図である。
【図5】強制混合(メカニカルアロイング)条件と活性
化処理30分後の飽和電流密度の最大飽和電流密度に対す
る割合の関係を示す特性図である。
【図6】従来例における熱電子放出材料成形体の製造方
法を示す工程図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そこで、本発明者らは、上述のような課題
を解決し、従来よりも一層、簡便に少ないエネルギーで
熱電子放出材料成形体を得るべく鋭意研究を行った。そ
の結果、従来は高温で強度の大きい材料の開発、アモル
ファスの創出に使用されているメカニカルアロイング
あるいはメカニカルグラインディングと呼ばれる強制粉
体混合法により熱電子放出材料粉体を製造し、この粉体
を用い、例えば圧粉成形または必要に応じて金属カップ
に直接成形または耐熱金属に塗布して熱電子放出材料成
形体を製造することにより、従来に比べ簡便に、省エネ
ルギーで製造が可能であり、しかも従来の含浸法に匹敵
する初期飽和電流密度と安定性を示すという知見を得、
本発明を成し得た。なお、メカニカルアロイング法をバ
リウム、カルシウム、アルミニウム及びタングステンを
含むような粉体製造、あるいは電子放出多孔体製造に適
用した例はなかった。(メカニカルアロイングについて
は雑誌:日本金属学会会報第27巻第10号(1988)
799〜815頁参照)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、{強制混合の時間(hrs)×攪拌機中での
ボールの最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単位)×ボ
ール重量(g)÷粉体重量(g)}なる式で計算された値
(強制混合パラメータと略記する)が150以上に相当
る粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合して形成するよ
うにした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、熱電子放出材料粉体を 強制粉体混
合法により、強制混合パラメータが250以上4000
以下に相当する粉砕エネルギーを加えて形成するように
した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、強制混合パラメータが150以上に相当
る粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合して形成するこ
とにより、実用上十分な初期飽和電流密度が得られ、活
性化処理が早くできる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、強制混合パラメータが250以上に
相当する粉砕エネルギーを加えて形成することにより、
より十分な初期飽和電流密度が得られる。4000以上
では製造に要する時間が長くなり、活性化処理に長時間
を要するようになる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】例えば、実質上タングステンからなる耐熱
性金属の材料と、バリウム原子:45〜90%、カルシ
ウム原子:10〜55%、アルミニウム原子:残部とな
る、図2の状態図に示す斜線領域に含まれる金属単体、
酸化物、及び炭酸塩のいずれかの混合物からなり、かつ
これらの電子放出物質が酸化物となった際の熱電子放出
成形体に占める体積の割合が4%以上かつ50%以下で
あり、さらに必要に応じて上記電子放出物質にバリウム
原子の数に対して2〜15原子%のスカンジウム原子を
含む電子放出物質を原料に用い、強制混合パラメータが
150以上に相当する粉砕エネルギーを加えてMA法に
より熱電子放出材料粉体を製造し、これを用いて熱電子
放出材料成形体を製造するようにしたものである。製造
コストが小さいにもかかわらず、従来法に匹敵する大き
な初期飽和電流密度と優れた長期安定性を示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】3.強制混合(メカニカルアロイング)条
件 強制混合条件としては、{強制混合の時間(hrs) ×攪拌
機中でのボールの最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単
位)×ボール重量(g)÷粉体重量(g)} なる式で計算さ
れた値(強制混合パラメータ)が150以上に相当す
砕エネルギーを加えれば、実用上十分な初期飽和電流
密度を得ることができるので、150以上に相当する粉
砕エネルギーを加えて行うのが望ましい。また、250
以上に相当する粉砕エネルギーを加えることにより十二
分に強制混合が行え、十分な初期飽和電流密度が得られ
るので、250以上に相当する粉砕エネルギーを加える
のがより望ましい。また強制混合パラメータ4000以
上では得られた粉末の特性に変化はないが、製造に要す
る時間が長くなったり、雰囲気に含まれるアルゴンなど
のガスを粉末が含んでしまうため活性化処理時にそのガ
スが放出され排気が必要となり事実上活性化処理に長時
間を要するため、4000以下が望ましい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】・活性化処理条件 1.サンプルがない場合の最高到達真空度:10-11tor
r 2.排気速度:500l/s 3.真空チャンバー体積:30l 4.温度:1050℃br
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例2.上記試験番号1において得られ
た熱電子放出材料粉体を内径1.4mm、外径1.44mm、
高さ0.3mmのモリブデン製のカップに直接圧入すること
によって、すでにカップが装着された熱電子放出材料成
形体を得た。この成形体を用いて活性化処理を行い、飽
和電流密度、1000時間にわたる寿命試験を行った。
上記試験番号1の場合と同様な結果を得ることができ
た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】そして、熱電子放出材料粉体を 強制粉体
混合法により、強制混合パラメータが150以上に相当
る粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合して形成するこ
とにより、実用上十分な初期飽和電流密度が得られ、活
性化処理が早くできる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】また、強制混合パラメータが250以上4
000以下に相当する粉砕エネルギーを加えて形成する
ことにより、より十分な初期飽和電流密度が得られ、活
性化処理が素早く行える。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性金属と 少なくともアルカリ金属
    及びアルカリ土類金属のいずれか一種以上の元素を含む
    電子放出物質とを出発原料とし、不活性ガス雰囲気中で
    メカニカルアロイングあるいはメカニカルグラインディ
    ングと呼ばれる強制粉体混合法により粉砕・混合して形
    成した熱電子放出材料粉体を用い成形してなる熱電子放
    出材料成形体。
  2. 【請求項2】 平均粒径が50μm以下の熱電子放出材
    料粉体を用い、成形後のポロシティが30%以下である
    請求項第1項記載の熱電子放出材料成形体。
  3. 【請求項3】 耐熱性金属がタングステンで、電子放出
    物質がバリウム原子:45〜90%、カルシウム原子:
    10〜55%、アルミニウム原子:残部となるように、
    かつ酸化物となった際の熱電子放出成形体に占める体積
    の割合が4%以上かつ50%以下となるように調製され
    た金属、酸化物、及び炭酸塩のいずれかからなる混合粉
    末を出発原料とする請求項第1項または第2項記載の熱
    電子放出材料成形体。
  4. 【請求項4】 電子放出物質がバリウム原子の数に対し
    て2〜15原子%のスカンジウム原子を含む請求項第1
    項ないし第3項のいずれかに記載の熱電子放出材料成形
    体。
  5. 【請求項5】 電子放出物質中に含まれる酸素原子の総
    数が酸素原子以外の原子に対して10%未満である請求
    項第1項ないし第4項のいずれかに記載の熱電子放出材
    料成形体。
  6. 【請求項6】 耐熱性金属と 少なくともアルカリ金属
    及びアルカリ土類金属のいずれか一種以上の元素を含む
    電子放出物質とを出発原料とし、不活性ガス雰囲気中で
    メカニカルアロイングあるいはメカニカルグラインディ
    ングと呼ばれる強制粉体混合法により、{強制混合の時
    間(hrs) ×攪拌機中でのボールの最大加速度(G:9.8m/
    s2を1とする単位) ×ボール重量(g)÷粉体重量(g)}
    なる式で計算された値が150以上に相当する時間当た
    りの粉砕エネルギーを加えて粉砕・混合して熱電子放出
    材料粉体を形成するようにした熱電子放出材料成形体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 {強制混合の時間(hrs) ×攪拌機中での
    ボールの最大加速度(G:9.8m/s2を1とする単位) ×ボ
    ール重量(g)÷粉体重量(g)}なる式で計算された値が
    250以上4000以下に相当する時間当たりの粉砕エ
    ネルギーを加えて粉砕・混合して熱電子放出材料粉体を
    形成するようにした請求項第6項記載の熱電子放出材料
    成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱電子放出材料粉体を金属カップ内に直
    接圧粉しカップ付き成形体を形成するようにした熱電子
    放出材料成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱電子放出材料粉体を金属上に塗布し成
    形体を形成するようにした熱電子放出材料成形体の製造
    方法。
JP9434893A 1993-04-21 1993-04-21 熱電子放出材料成形体及びその製造方法 Pending JPH06310020A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9434893A JPH06310020A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 熱電子放出材料成形体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9434893A JPH06310020A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 熱電子放出材料成形体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06310020A true JPH06310020A (ja) 1994-11-04

Family

ID=14107785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9434893A Pending JPH06310020A (ja) 1993-04-21 1993-04-21 熱電子放出材料成形体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06310020A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09500232A (ja) * 1994-03-15 1997-01-07 フィリップス エレクトロニクス ネムローゼ フェンノートシャップ ディスペンサ陰極およびディスペンサ陰極の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09500232A (ja) * 1994-03-15 1997-01-07 フィリップス エレクトロニクス ネムローゼ フェンノートシャップ ディスペンサ陰極およびディスペンサ陰極の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cronin Modern dispenser cathodes
JP2661992B2 (ja) スカンダート陰極および該陰極を設けた電子ビーム管
JPH054772B2 (ja)
US4350920A (en) Dispenser cathode
JPS6191821A (ja) スカンジウムディスペンサ陰極の製造方法
US20180158639A1 (en) Target for barium-scandate dispenser cathode
US2389060A (en) Refractory body of high electronic emission
US4675570A (en) Tungsten-iridium impregnated cathode
KR100411461B1 (ko) 함침형 음극
US4982133A (en) Dispenser cathode and manufacturing method therefor
US3148056A (en) Cathode
US2929133A (en) Dispenser cathode
JPH06310020A (ja) 熱電子放出材料成形体及びその製造方法
US5890941A (en) Method of manufacturing a dispenser cathode
KR100189035B1 (ko) 스캔데이트 음극
JP4648527B2 (ja) カソードの製造方法
US6348756B1 (en) Electric discharge tube or discharge lamp and scandate dispenser cathode
JP2584534B2 (ja) ディスペンサー陰極
JPS6224899B2 (ja)
Coppola et al. A new pressed dispenser cathode
US3688150A (en) Degassing arrangement for electron beam tube including an mk dispenser cathode
NL8700652A (nl) Dispenser-kathode en werkwijze voor het vervaardigen daarvan.
JP3034703B2 (ja) 放電灯用電極の製造方法
EP0157634B1 (en) Tungsten-iridium impregnated cathode
US3105290A (en) Cathode for electron discharge device