JPH11311498A - 熱交換器用伝熱管 - Google Patents
熱交換器用伝熱管Info
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- JPH11311498A JPH11311498A JP10119760A JP11976098A JPH11311498A JP H11311498 A JPH11311498 A JP H11311498A JP 10119760 A JP10119760 A JP 10119760A JP 11976098 A JP11976098 A JP 11976098A JP H11311498 A JPH11311498 A JP H11311498A
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- Japan
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- heat
- temperature
- heat transfer
- heat exchanger
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- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】耐熱性・耐食性・伝熱性に優れる熱交換器用伝
熱管を得る。 【解決手段】軟化温度1450℃以上、1200℃での
熱伝導率7.0W/m・K以上のセラミックスで熱交換
器用伝熱管を形成する。することができる。また、伝熱
管表面に、Al2O3、SiC、Si3N4、AlNの
一種以上からなる被覆層を形成し、耐熱・耐食性が得ら
れる様にしてもよい。
熱管を得る。 【解決手段】軟化温度1450℃以上、1200℃での
熱伝導率7.0W/m・K以上のセラミックスで熱交換
器用伝熱管を形成する。することができる。また、伝熱
管表面に、Al2O3、SiC、Si3N4、AlNの
一種以上からなる被覆層を形成し、耐熱・耐食性が得ら
れる様にしてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉或いは熱分
解炉からの高温廃ガスからの熱を回収するのに適した熱
交換器用伝熱管に関する。
解炉からの高温廃ガスからの熱を回収するのに適した熱
交換器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭、会社から捨てられたゴミは地方自
治体の焼却炉で燃やされ、その未燃分の焼却灰及び排煙
に含まれる飛灰(含有元素;Si、Al、Fe、Ca、
Mg、K、Mn、Cl、Na、S)には、重金属成分や
ダイオキシン、フラン等の有毒汚染物質が含まれてい
る。
治体の焼却炉で燃やされ、その未燃分の焼却灰及び排煙
に含まれる飛灰(含有元素;Si、Al、Fe、Ca、
Mg、K、Mn、Cl、Na、S)には、重金属成分や
ダイオキシン、フラン等の有毒汚染物質が含まれてい
る。
【0003】これまでは、地方自治体の焼却炉で燃やさ
れた後の未燃分の焼却灰は、最終処分場にそのまま埋め
られていたが、立地条件も厳しくなり、場所の確保が難
しくなっており、加えて、ダイオキシンやフラン等の有
害汚染物質の無害化は法律や条例でかなり厳しく規制さ
れつつあるため、焼却灰、飛灰を回収しこれを再溶融す
ることにより有害汚染物質を無害化する溶融炉の必要性
は年々高まっている。
れた後の未燃分の焼却灰は、最終処分場にそのまま埋め
られていたが、立地条件も厳しくなり、場所の確保が難
しくなっており、加えて、ダイオキシンやフラン等の有
害汚染物質の無害化は法律や条例でかなり厳しく規制さ
れつつあるため、焼却灰、飛灰を回収しこれを再溶融す
ることにより有害汚染物質を無害化する溶融炉の必要性
は年々高まっている。
【0004】焼却炉で燃やされた後の未燃分の焼却灰
は、高温加熱処理でスラグ化すれば、焼却灰の1/2
〜1/4程度にその体積を小さくすることができる。
ダイオキシン等の有害汚染物質を高熱により分解し無害
化できる。等の理由により、この溶融炉での高温加熱処
理法が有望視されているのである。
は、高温加熱処理でスラグ化すれば、焼却灰の1/2
〜1/4程度にその体積を小さくすることができる。
ダイオキシン等の有害汚染物質を高熱により分解し無害
化できる。等の理由により、この溶融炉での高温加熱処
理法が有望視されているのである。
【0005】一方都市ゴミの焼却炉は、都市ゴミを焼却
して廃棄物の減容化をはかることを目的として設置され
てきたが、エネルギーの有効利用の観点から、焼却廃ガ
スのもつ熱エネルギーを最大限に回収するためには、熱
交換器により、高温廃ガスからその廃熱を回収利用する
事が重要である。
して廃棄物の減容化をはかることを目的として設置され
てきたが、エネルギーの有効利用の観点から、焼却廃ガ
スのもつ熱エネルギーを最大限に回収するためには、熱
交換器により、高温廃ガスからその廃熱を回収利用する
事が重要である。
【0006】これまでの熱交換器は、温度500〜60
0℃で使用されていたが、例えば、近年商用化が進めら
れつつある熱分解ガス化溶融炉では、1200〜130
0℃の温度で運転され、廃ガス温度が高い領域でその熱
エネルギーを回収利用するため、当温度域で熱交換を行
いつつある。
0℃で使用されていたが、例えば、近年商用化が進めら
れつつある熱分解ガス化溶融炉では、1200〜130
0℃の温度で運転され、廃ガス温度が高い領域でその熱
エネルギーを回収利用するため、当温度域で熱交換を行
いつつある。
【0007】熱分解ガス化溶融炉は、ガス化炉と溶融炉
とが一体化されており、まずガス化炉で500〜600
℃の低温で熱処理し可燃性のガスを発生させ溶融炉へ送
る。溶融炉では、可燃性ガスと一緒に送られてきた飛
灰、チャー、タールと一緒に1300℃程度の高温燃焼
を行い、飛灰のスラグ化を行うと同時に、ダイオキシン
等を完全分解するというものである。この後、高温燃焼
後の廃ガスは廃熱ボイラへと導かれるが、熱交換器は、
溶融炉出口から廃熱ボイラにいたるまでの間に設置され
る場合が多く、回収した熱は、空気予熱や発電用の蒸気
発生器等に有効利用される。この廃ガス中には、多量の
ダストと塩化水素(HCl)ガス等が含まれており、塩
化水素濃度は1500〜2000ppmにも至る場合が
ある。また、ダスト中に多く含まれているCa成分や、
ガス中のHCl成分は腐食性が高いため、優れた耐食性
が要求される。
とが一体化されており、まずガス化炉で500〜600
℃の低温で熱処理し可燃性のガスを発生させ溶融炉へ送
る。溶融炉では、可燃性ガスと一緒に送られてきた飛
灰、チャー、タールと一緒に1300℃程度の高温燃焼
を行い、飛灰のスラグ化を行うと同時に、ダイオキシン
等を完全分解するというものである。この後、高温燃焼
後の廃ガスは廃熱ボイラへと導かれるが、熱交換器は、
溶融炉出口から廃熱ボイラにいたるまでの間に設置され
る場合が多く、回収した熱は、空気予熱や発電用の蒸気
発生器等に有効利用される。この廃ガス中には、多量の
ダストと塩化水素(HCl)ガス等が含まれており、塩
化水素濃度は1500〜2000ppmにも至る場合が
ある。また、ダスト中に多く含まれているCa成分や、
ガス中のHCl成分は腐食性が高いため、優れた耐食性
が要求される。
【0008】特公昭60−216192号公報では、ス
テンレス鋼又はCr−Ni合金鋼管体の外面もしくは内
面に普通鋼製の被覆層を形成して、上記熱交換器用の伝
熱管として使用している。
テンレス鋼又はCr−Ni合金鋼管体の外面もしくは内
面に普通鋼製の被覆層を形成して、上記熱交換器用の伝
熱管として使用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱分解ガス
化溶融炉では、ゴミ焼却により発生した灰を加熱処理す
る際、灰に含まれるCd、Pd、Zn等の金属元素類や
ダイオキシン、フラン等の有害汚染物質を分解するた
め、1200℃で加熱溶融処理を行い無害化するが、こ
の溶融炉で使用する伝熱管は、焼却灰が溶けてできる溶
融塩、溶融スラグの蒸気、さらにHClガス等にさらさ
れることになる。そのためこれら成分中のSi、Al、
Fe、Ca、Na、Clは伝熱管を成す材料中に徐々に
侵入・浸食し、次第に伝熱管をなす材料が変質して強度
劣化を起こすことから、クラックを生じたり、破損が生
じたり、あるいは所要の熱交換が行われなくなって、長
期にわたり使用できるものではなかった。
化溶融炉では、ゴミ焼却により発生した灰を加熱処理す
る際、灰に含まれるCd、Pd、Zn等の金属元素類や
ダイオキシン、フラン等の有害汚染物質を分解するた
め、1200℃で加熱溶融処理を行い無害化するが、こ
の溶融炉で使用する伝熱管は、焼却灰が溶けてできる溶
融塩、溶融スラグの蒸気、さらにHClガス等にさらさ
れることになる。そのためこれら成分中のSi、Al、
Fe、Ca、Na、Clは伝熱管を成す材料中に徐々に
侵入・浸食し、次第に伝熱管をなす材料が変質して強度
劣化を起こすことから、クラックを生じたり、破損が生
じたり、あるいは所要の熱交換が行われなくなって、長
期にわたり使用できるものではなかった。
【0010】一般的に熱交換器の伝熱管は、低温用とし
て高熱伝導性を有する銅、銅合金等が、また使用温度が
1000℃以下の領域ではハステロイ、インコネル等の
金属材料が、それぞれ使用されているが、1200℃を
越え、しかも耐食性が必要となる塩化水素濃度が高い部
分には適した材料がない。
て高熱伝導性を有する銅、銅合金等が、また使用温度が
1000℃以下の領域ではハステロイ、インコネル等の
金属材料が、それぞれ使用されているが、1200℃を
越え、しかも耐食性が必要となる塩化水素濃度が高い部
分には適した材料がない。
【0011】特公昭60−216192号公報では、ス
テンレス鋼又はCr−Ni合金鋼管体の外面もしくは内
面に普通鋼製の被覆層を形成し高温腐食を改善したが、
1200℃の温度領域では使用できるものではなかっ
た。
テンレス鋼又はCr−Ni合金鋼管体の外面もしくは内
面に普通鋼製の被覆層を形成し高温腐食を改善したが、
1200℃の温度領域では使用できるものではなかっ
た。
【0012】以上に鑑み本発明は、1200℃程度の温
度環境で、しかも腐食性の高いダストやHClガスが1
500〜2000ppm程度存在する使用環境中で、耐
食性・耐熱性に優れ、長寿命の熱交換器用伝熱管を提供
することを目的とする。
度環境で、しかも腐食性の高いダストやHClガスが1
500〜2000ppm程度存在する使用環境中で、耐
食性・耐熱性に優れ、長寿命の熱交換器用伝熱管を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
軟化温度1450℃以上、温度1200℃での熱伝導率
6.0W/m・K以上、気孔率3%以下のセラミックス
材料で形成したことを特徴とする。
軟化温度1450℃以上、温度1200℃での熱伝導率
6.0W/m・K以上、気孔率3%以下のセラミックス
材料で形成したことを特徴とする。
【0014】即ち、1200〜1300℃の温度中で使
用する場合、クリープや温度分布による変形が問題とな
るため、高温強度や熱安定性が重要である。そのために
はまず高い融点を持ち合わせていることが重要で、少な
くとも1450℃以上、好ましく1500℃以上の軟化
点を有している必要がある。
用する場合、クリープや温度分布による変形が問題とな
るため、高温強度や熱安定性が重要である。そのために
はまず高い融点を持ち合わせていることが重要で、少な
くとも1450℃以上、好ましく1500℃以上の軟化
点を有している必要がある。
【0015】また、熱交換器用伝熱管として使用される
ためには、高い熱伝導性を有する必要があるが、特に高
温での高い熱伝導性が求められ、温度1200℃での熱
伝導率6.0W/m・K以上であれば、充分に使用する
ことができる。なお、このような高温領域では、常温で
の熱伝導性とは挙動が異なり、一般にセラミックスでは
温度上昇とともに熱伝導性は低くなるものが多いが、1
200℃での熱伝導率6.0W/m・K以上であるよう
なセラミックスを用いれば良い。
ためには、高い熱伝導性を有する必要があるが、特に高
温での高い熱伝導性が求められ、温度1200℃での熱
伝導率6.0W/m・K以上であれば、充分に使用する
ことができる。なお、このような高温領域では、常温で
の熱伝導性とは挙動が異なり、一般にセラミックスでは
温度上昇とともに熱伝導性は低くなるものが多いが、1
200℃での熱伝導率6.0W/m・K以上であるよう
なセラミックスを用いれば良い。
【0016】具体的には、1200℃での熱伝導率7W
/m・K以上を有しているAl2 O3 、Si3 N4 、S
iC、AlNでは十分な熱交換が行えるが、3〜4W/
m・KのZrO2 では十分な熱交換が行えない。
/m・K以上を有しているAl2 O3 、Si3 N4 、S
iC、AlNでは十分な熱交換が行えるが、3〜4W/
m・KのZrO2 では十分な熱交換が行えない。
【0017】さらに、腐食成分が多く含まれる廃ガスに
曝されるためには、十分な耐食性を備えている必要があ
るが、種々検討の結果、伝熱管に使用するセラミックス
の気孔率が4%以上では、Cl、Ca、Al成分の拡散
が急速に進行するため、気孔率は3%以下に抑えて、C
l、Ca、Al成分の拡散の進行を極力くい止めなけれ
ばならない。Cl、Ca、Al成分の拡散が進行する
と、セラミックスの変質を招き、強度劣化を生じる。
曝されるためには、十分な耐食性を備えている必要があ
るが、種々検討の結果、伝熱管に使用するセラミックス
の気孔率が4%以上では、Cl、Ca、Al成分の拡散
が急速に進行するため、気孔率は3%以下に抑えて、C
l、Ca、Al成分の拡散の進行を極力くい止めなけれ
ばならない。Cl、Ca、Al成分の拡散が進行する
と、セラミックスの変質を招き、強度劣化を生じる。
【0018】本発明の伝熱管の実施形態としては、片面
封じとしたもの、両端開放としたもの何れでも良く、場
合によっては伝熱管表面に、Al2 O3 、SiC、Si
3 N4 、AlNの一種以上からなる被覆層を形成し、効
果的な耐熱・耐食性が得られる様に使用用途に応じて製
作すればよい。
封じとしたもの、両端開放としたもの何れでも良く、場
合によっては伝熱管表面に、Al2 O3 、SiC、Si
3 N4 、AlNの一種以上からなる被覆層を形成し、効
果的な耐熱・耐食性が得られる様に使用用途に応じて製
作すればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。
る。
【0020】図1に示す熱交換器は、円筒体の片面を封
止した伝熱管1を、溶融炉の炉壁2から内部に向かって
突出するように配置し、この伝熱管1の内側にパイプ3
を配置したものである。そして、上記溶融炉の稼働時
に、伝熱管1の外部は1200℃程度の燃焼ガスに曝さ
れ、この状態でパイプ3より250℃程度の空気を送れ
ば、上記伝熱管1の内部で550℃程度に加熱されて排
出され、熱交換器として作用することができる。
止した伝熱管1を、溶融炉の炉壁2から内部に向かって
突出するように配置し、この伝熱管1の内側にパイプ3
を配置したものである。そして、上記溶融炉の稼働時
に、伝熱管1の外部は1200℃程度の燃焼ガスに曝さ
れ、この状態でパイプ3より250℃程度の空気を送れ
ば、上記伝熱管1の内部で550℃程度に加熱されて排
出され、熱交換器として作用することができる。
【0021】そして、上記伝熱管1を、上述したよう
な、軟化温度1450℃以上、温度1200℃での熱伝
導率6.0W/m・K以上、気孔率3%以下のセラミッ
クス材料で形成してある。そのため、高温の溶融炉で使
用しても、伝熱管1が大きく変形することなく、また良
好に熱交換を行うことができる。
な、軟化温度1450℃以上、温度1200℃での熱伝
導率6.0W/m・K以上、気孔率3%以下のセラミッ
クス材料で形成してある。そのため、高温の溶融炉で使
用しても、伝熱管1が大きく変形することなく、また良
好に熱交換を行うことができる。
【0022】なお、図1では、片面を封止した伝熱管1
を示したが、両端を開放した筒状の伝熱管を用いること
もできる。
を示したが、両端を開放した筒状の伝熱管を用いること
もできる。
【0023】また、上記特性を満たすセラミックスとし
ては、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム等を主成分とするセラミックスを用いる。
ては、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム等を主成分とするセラミックスを用いる。
【0024】アルミナを主成分とするセラミックスとし
ては、99.9重量%以上のAl2O3 を主成分とし、
残部がSiO2 、MgO等からなる高純度アルミナセラ
ミックスを用いる。炭化珪素を主成分とするセラミック
スとしては、90重量%以上のSiCを主成分とし、焼
結助剤としてB,C,Al2 O3 等を含有するものを用
いる。窒化珪素を主成分とするセラミックスとしては、
90重量%以上のSi3 N4 を主成分とし、焼結助剤と
してY2 O3 、Al2 O3 等を含有するものを用いる。
窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスとして
は、90重量%以上のAlNを主成分とし、焼結助剤と
してY2 O3 等を含有するものを用いる。
ては、99.9重量%以上のAl2O3 を主成分とし、
残部がSiO2 、MgO等からなる高純度アルミナセラ
ミックスを用いる。炭化珪素を主成分とするセラミック
スとしては、90重量%以上のSiCを主成分とし、焼
結助剤としてB,C,Al2 O3 等を含有するものを用
いる。窒化珪素を主成分とするセラミックスとしては、
90重量%以上のSi3 N4 を主成分とし、焼結助剤と
してY2 O3 、Al2 O3 等を含有するものを用いる。
窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスとして
は、90重量%以上のAlNを主成分とし、焼結助剤と
してY2 O3 等を含有するものを用いる。
【0025】また、伝熱管1を製造する場合は、上記の
組成範囲となるセラミックス原料を用いて、押出成形な
どの公知の方法にて所定形状に成形し、それぞれ所定の
条件で焼成することによって得ることができる。
組成範囲となるセラミックス原料を用いて、押出成形な
どの公知の方法にて所定形状に成形し、それぞれ所定の
条件で焼成することによって得ることができる。
【0026】いずれの場合も、組成や焼成条件を調整す
ることによって、1200℃における熱伝導率が6.0
W/m・K以上となり、気孔率3%以下となるように製
造したものを用いる。
ることによって、1200℃における熱伝導率が6.0
W/m・K以上となり、気孔率3%以下となるように製
造したものを用いる。
【0027】また、熱交換の効率を上げるため、伝熱管
1の肉厚は極力薄い方が好ましいが、あまり薄いと製造
上難易度が大きくなるため、3〜5mm程度の肉厚が最
適である。
1の肉厚は極力薄い方が好ましいが、あまり薄いと製造
上難易度が大きくなるため、3〜5mm程度の肉厚が最
適である。
【0028】なお、以上の様に、軟化温度1450℃以
上、1200℃での熱伝導率6.0W/m・K以上、気
孔率3%以下のセラミックス材料を複数組み合わせ使用
することも可能である。
上、1200℃での熱伝導率6.0W/m・K以上、気
孔率3%以下のセラミックス材料を複数組み合わせ使用
することも可能である。
【0029】即ち、伝熱管1の表面に、Al2 O3 、S
iC、Si3 N4 、AlNの一種以上からなる被覆層
を、10〜1000μmの厚みで形成するなどの方法
で、多重構造の伝熱管1を形成し、効果的な耐熱性・耐
食性が得られる様にすることもできる。例えば、耐熱衝
撃性良好なSi3 N4 で形成した伝熱管1の表面に耐食
性良好なSiCをコーティングまたは溶射するなどし
て、多重構造の伝熱管1を形成することも勿論可能であ
る。
iC、Si3 N4 、AlNの一種以上からなる被覆層
を、10〜1000μmの厚みで形成するなどの方法
で、多重構造の伝熱管1を形成し、効果的な耐熱性・耐
食性が得られる様にすることもできる。例えば、耐熱衝
撃性良好なSi3 N4 で形成した伝熱管1の表面に耐食
性良好なSiCをコーティングまたは溶射するなどし
て、多重構造の伝熱管1を形成することも勿論可能であ
る。
【0030】また、上記被覆層を形成する場合、伝熱管
1の表面を比較的粗い面としておけば、アンカー効果で
被覆層の接合強度を高くすることもできる。
1の表面を比較的粗い面としておけば、アンカー効果で
被覆層の接合強度を高くすることもできる。
【0031】
【実施例】実施例1 図1に示す伝熱管1を、Al2 O3 、コージエライト、
ムライト、ZrO2 、Si3 N4 、AlNの各成分を主
成分とするセラミックスで形成した。なお、寸法は、外
径80mm、内径72mm、全長1200mmとし、廃
ガス処理装置の熱回収部模擬装置にて耐熱試験を実施し
た。
ムライト、ZrO2 、Si3 N4 、AlNの各成分を主
成分とするセラミックスで形成した。なお、寸法は、外
径80mm、内径72mm、全長1200mmとし、廃
ガス処理装置の熱回収部模擬装置にて耐熱試験を実施し
た。
【0032】耐熱試験では、図1に示すように炉壁2よ
り伝熱管1を水平にして取り付け、実際環境を模擬し
て、温度1200℃、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度9
5%の雰囲気ガス中に50時間曝露して試験後取り出
し、伝熱管1の反り量が200mmを超えたものを不良
(NG)とした。
り伝熱管1を水平にして取り付け、実際環境を模擬し
て、温度1200℃、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度9
5%の雰囲気ガス中に50時間曝露して試験後取り出
し、伝熱管1の反り量が200mmを超えたものを不良
(NG)とした。
【0033】またこれと同時に、各伝熱管1と同材質の
3×3×10mmのテストピースを作製し、軟化点測定
装置(TMA)で軟化点の測定を行った。測定時雰囲気
は実環境と同等で酸素濃度5%、残部は二酸化炭素とし
た。また、測定の都合上、測定範囲は1400℃以上1
500℃未満とした。
3×3×10mmのテストピースを作製し、軟化点測定
装置(TMA)で軟化点の測定を行った。測定時雰囲気
は実環境と同等で酸素濃度5%、残部は二酸化炭素とし
た。また、測定の都合上、測定範囲は1400℃以上1
500℃未満とした。
【0034】この結果を表1に示すように、軟化点14
50℃以上の材質を用いれば、耐熱性が良好であること
が分かった。
50℃以上の材質を用いれば、耐熱性が良好であること
が分かった。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 次に、実施例1の実験装置で、伝熱管1の内部に直径4
0mm、長さ1200mmのステンレス製のパイプ3を
伝熱管1の中心軸と同軸上にセットし、300℃のエア
ーをパイプ3より噴出し、伝熱管1内面に沿って流れる
と同時に、エアーを加熱し熱交換が行えるような構成に
した。伝熱管1の材質については、上記実施例1で耐熱
性に問題の無かった材料の中から5種を選び、熱交換試
験を行った。
0mm、長さ1200mmのステンレス製のパイプ3を
伝熱管1の中心軸と同軸上にセットし、300℃のエア
ーをパイプ3より噴出し、伝熱管1内面に沿って流れる
と同時に、エアーを加熱し熱交換が行えるような構成に
した。伝熱管1の材質については、上記実施例1で耐熱
性に問題の無かった材料の中から5種を選び、熱交換試
験を行った。
【0037】試験では、雰囲気温度1200℃、酸素濃
度5%として実施し、伝熱管1の出口で500℃以上の
エアー温度が得られた場合を良好と判断した。また、こ
れと同時に、同じ材質で直径10mm、厚さ2mmのテ
ストピースを作製し、レーザーフラッシュ法により温度
1200℃での各材質の熱伝導率を測定した。
度5%として実施し、伝熱管1の出口で500℃以上の
エアー温度が得られた場合を良好と判断した。また、こ
れと同時に、同じ材質で直径10mm、厚さ2mmのテ
ストピースを作製し、レーザーフラッシュ法により温度
1200℃での各材質の熱伝導率を測定した。
【0038】この結果を用2に示すように、1200℃
での熱伝導率が6W/m・K以上、好ましくは7W/m
・K以上であれば、必要な熱交換を行うことができた。
具体的には、Al2 O3 、SiC、Si3 N4 、AlN
を主成分とするセラミックスのうち、熱伝導率が6W/
m・K以上、好ましくは7W/m・K以上のものを用い
れば良い。
での熱伝導率が6W/m・K以上、好ましくは7W/m
・K以上であれば、必要な熱交換を行うことができた。
具体的には、Al2 O3 、SiC、Si3 N4 、AlN
を主成分とするセラミックスのうち、熱伝導率が6W/
m・K以上、好ましくは7W/m・K以上のものを用い
れば良い。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 本発明の実施例として、表2中のAl2 O3 、SiC、
Si3 N4 、AlNのセラミックスについて、セラミッ
クスの気孔率を種々変化させた時の焼却灰に対する耐食
性を調べるため、それぞれの試験片を以下の様な方法で
熱処理して、クラック、溶融、Ca元素の拡散深さ(反
応層)を調べた。
Si3 N4 、AlNのセラミックスについて、セラミッ
クスの気孔率を種々変化させた時の焼却灰に対する耐食
性を調べるため、それぞれの試験片を以下の様な方法で
熱処理して、クラック、溶融、Ca元素の拡散深さ(反
応層)を調べた。
【0041】まず焼却灰として、成分がAl、Ca、M
g、Na、K、Zn、Pb、Si、Fe、Cl等からな
る焼却灰を焼却炉より回収し、乾式加圧成形機により直
径12mm、厚さ1mmで重さ0.3gのタブレットを
作製した。
g、Na、K、Zn、Pb、Si、Fe、Cl等からな
る焼却灰を焼却炉より回収し、乾式加圧成形機により直
径12mm、厚さ1mmで重さ0.3gのタブレットを
作製した。
【0042】次に、表3に示す各種セラミックスで直径
30mm、厚さ10mmのタブレット試験片を乾式加圧
成形の後、所定雰囲気中の所定温度で焼成して作製し、
各試験片には焼却灰タブレットを入れるための座繰り穴
(直径13mm、深さ1mm)を予め形成しておいた。
30mm、厚さ10mmのタブレット試験片を乾式加圧
成形の後、所定雰囲気中の所定温度で焼成して作製し、
各試験片には焼却灰タブレットを入れるための座繰り穴
(直径13mm、深さ1mm)を予め形成しておいた。
【0043】各セラミツクス試験片の気孔率をJIS法
に基づいて測定した後、反応試験を行った。
に基づいて測定した後、反応試験を行った。
【0044】反応試験は、それぞれのセラミックス試験
片の座繰り穴に焼却灰タブレットを置き、酸素濃度5
%、二酸化炭素度95%で合計100%とし、これら1
00%に対して3000ppm濃度のHClガスを加え
て混合したガス中で、温度1200℃×50時間の熱処
理を加えた。その後、各試験片について外観を目視で観
察し、溶融あるいはクラックの有無を調べた。また、各
試験片を切断し研磨した断面について、SEM(50倍
〜200倍程度)でクラックの有無を調べ、波長分散型
EPMA分析装置で、加速電圧15kV、プローブ電流
2.0×10-7Aで、Si、Fe、Ca、Na、Clの
各元素の検出を行いマッピング形式で出力した後、これ
ら元素の拡散深さ(反応層)を調べた。
片の座繰り穴に焼却灰タブレットを置き、酸素濃度5
%、二酸化炭素度95%で合計100%とし、これら1
00%に対して3000ppm濃度のHClガスを加え
て混合したガス中で、温度1200℃×50時間の熱処
理を加えた。その後、各試験片について外観を目視で観
察し、溶融あるいはクラックの有無を調べた。また、各
試験片を切断し研磨した断面について、SEM(50倍
〜200倍程度)でクラックの有無を調べ、波長分散型
EPMA分析装置で、加速電圧15kV、プローブ電流
2.0×10-7Aで、Si、Fe、Ca、Na、Clの
各元素の検出を行いマッピング形式で出力した後、これ
ら元素の拡散深さ(反応層)を調べた。
【0045】これらの結果は、表3に示す通りである。
なお表中において、クラック、溶融、反応層があるもの
は×、無いものは○で示した。
なお表中において、クラック、溶融、反応層があるもの
は×、無いものは○で示した。
【0046】反応層の判定方法としては、Si、Fe、
Ca、Na、Clの各元素の内、一種以上でもセラミッ
クス表面より0.3mm以上の拡散が認められたものは
×、全ての元素拡散が0.3mm以下の場合は○で表示
した。
Ca、Na、Clの各元素の内、一種以上でもセラミッ
クス表面より0.3mm以上の拡散が認められたものは
×、全ての元素拡散が0.3mm以下の場合は○で表示
した。
【0047】表3の結果より、気孔率が3%を超える
と、溶融・クラックや反応層が発生し、気孔率3%以下
のAl2 O3 、SiC、Si3 N4 、AlNセラミツク
ス材料は、耐食性が高いことが分かった。
と、溶融・クラックや反応層が発生し、気孔率3%以下
のAl2 O3 、SiC、Si3 N4 、AlNセラミツク
ス材料は、耐食性が高いことが分かった。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、軟化温度
1450℃以上、1200℃での熱伝導率7.0W/m
・K以上のセラミックスで熱交換器用伝熱管を形成した
ことによって、耐熱性・耐食性・伝熱性に優れることか
ら長期間良好に使用することができる。
1450℃以上、1200℃での熱伝導率7.0W/m
・K以上のセラミックスで熱交換器用伝熱管を形成した
ことによって、耐熱性・耐食性・伝熱性に優れることか
ら長期間良好に使用することができる。
【0050】特に、ゴミ焼却炉・溶融炉や熱分解ガス化
溶融炉の伝熱管として用いれば、焼却灰成分中の腐食元
素の浸食を防止し、強度劣化や特性変化が非常に少な
く、寿命を長くすることができる。
溶融炉の伝熱管として用いれば、焼却灰成分中の腐食元
素の浸食を防止し、強度劣化や特性変化が非常に少な
く、寿命を長くすることができる。
【図1】本発明の熱交換器用伝熱管を示す断面図であ
る。
る。
1:伝熱管 2:炉壁 3:パイプ
Claims (2)
- 【請求項1】軟化温度1450℃以上、1200℃での
熱伝導率7.0W/m・K以上のセラミックスで形成し
たことを特徴とする熱交換器用伝熱管。 - 【請求項2】上記セラミックスの表面に、Al2 O3 、
SiC、Si3 N4、AlNの一種以上からなる被覆層
を形成したことを特徴とする請求項1記載の熱交換器用
伝熱管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10119760A JPH11311498A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱交換器用伝熱管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10119760A JPH11311498A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱交換器用伝熱管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11311498A true JPH11311498A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14769503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10119760A Pending JPH11311498A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 熱交換器用伝熱管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11311498A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005016888A (ja) * | 2003-06-27 | 2005-01-20 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 空気加熱器 |
JP2008183765A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Meiki Co Ltd | ディスク基板の成形用金型、ディスク基板の成形方法、およびディスク基板 |
JP2009019786A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の排ガス処理装置および方法 |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP10119760A patent/JPH11311498A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005016888A (ja) * | 2003-06-27 | 2005-01-20 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 空気加熱器 |
JP2008183765A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Meiki Co Ltd | ディスク基板の成形用金型、ディスク基板の成形方法、およびディスク基板 |
JP2009019786A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の排ガス処理装置および方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040730 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050531 |