JPH11190593A - 高温炉用炉材 - Google Patents

高温炉用炉材

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JPH11190593A
JPH11190593A JP36009397A JP36009397A JPH11190593A JP H11190593 A JPH11190593 A JP H11190593A JP 36009397 A JP36009397 A JP 36009397A JP 36009397 A JP36009397 A JP 36009397A JP H11190593 A JPH11190593 A JP H11190593A
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JP
Japan
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furnace
ceramic body
porosity
slag
resistance
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JP36009397A
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English (en)
Inventor
Shinichi Yamaguchi
新一 山口
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】金属やスラグの溶融炉等の高温炉における炉壁
等を構成する炉材1であって、耐熱性、耐食性、耐熱衝
撃性のいずれも満足できる炉材1を得る。 【解決手段】溶融金属や溶融スラグとの接触部を成す緻
密質セラミックス体2と、非接触部を成す多孔質セラミ
ック体3を一体的に形成して高温炉用炉材1を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰溶融炉や金
属溶融炉等の炉壁や天井を形成するための高温炉用炉材
に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭、会社から捨てられたゴミは地方自
治体の焼却炉で燃やされ、その未燃分の焼却灰及び排煙
に含まれる飛灰(含有元素;Si、Al、Fe、Ca、
Mg、K、Cl、Na、S)には、重金属成分やダイオ
キシン、フラン等の有毒汚染物質が含まれている。
【0003】これまでは、地方自治体の焼却炉で燃やさ
れた後の未燃分の焼却灰は、最終処分場にそのまま埋め
られていたが、立地条件も厳しくなり、場所の確保が難
しくなっており、加えて、ダイオキシンやフラン等の有
害汚染物質の無害化は法律や条例でかなり厳しく規制さ
れつつあるため、焼却灰、飛灰を回収しこれを再溶融す
ることにより有害汚染物質を無害化する溶融炉の必要性
は年々高まっている。
【0004】焼却炉で燃やされた後の未燃分の焼却灰
は、高温加熱処理でスラグ化すれば、 焼却灰の1/2〜1/4程度にその体積を小さくする
ことができる。ダイオキシン等の有害汚染物質を高熱
により分解し無害化できる。等の理由により、この溶融
炉での高温加熱処理法が有望視されているのである。
【0005】溶融炉での加熱処理の代表例を図1に示
す。まず、溶融炉12内に焼却灰11を入れ、加熱源で
ある電極13でアークを発生させると、焼却灰11はプ
ラズマ輻射熱とジュール熱とで1400〜1600℃と
なり溶融スラグとなる。一方ダイオキシンやフランなど
の有毒汚染物質は熱破壊され、無害化されたガス17は
バグフィルタやセラミックスフィルターを経て大気中に
放出される。また、溶融炉12内の残存物はスラグとメ
タルに分離するが、スラグ18は水砕化装置または空冷
装置を通ってガラス状顆粒として取り出され、有効利用
または最終処分されるようになっている。
【0006】この溶融炉12を構成する炉壁はスラグ1
8に接触するため、特にスラグ面やスラグ出口付近(出
湯口)は炉材の損傷が激しい。現在、この炉材として
は、気孔率10〜20%程度のアルミナ系、マグネシア
系、スピネル系、クロミア系、炭化珪素系、カーボン系
あるいはこれら複合系の耐火物材料等が使用されてい
る。複合系耐火材としては、例えば特開平4−1390
75公報に示されている通り、アルミナとクロミア質の
耐火物が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴミ焼却に
より発生する灰を加熱処理する際、灰に含まれるCd、
Pd、Zn等の金属元素類やダイオキシン、フラン等の
有害汚染物質を分解するため、1400〜1600℃で
加熱溶融処理を行い無害化するが、溶融炉12に使用さ
れる炉材は、稼働中常時スラグ18と接触し、スラグ1
8中のSi、Al、Ca元素から浸食を受け、特にスラ
グラインとスラグ出口(出湯口)付近の損傷が激しく、
長期にわたり使用できるものではなかった。
【0008】例えば、これまでの気孔率10〜20%程
度を有する、アルミナ系、マグネシア系、スピネル系、
クロミア系、炭化珪素系、カーボン系またはその複合系
耐火材を炉材として用いたものでは、耐熱性、耐熱衝撃
性には問題ないものの、基本的には多孔体であるため、
スラグ中の浸食元素のSi、Al、Caの炉材中への侵
入が容易で、使用開始後間もなく炉材が変質、劣化をき
たし大きな損傷をうけるという問題がある。
【0009】特にSiCやクロミアを含む耐火材を、電
気ヒータ加熱式溶融炉やプラズマ溶融炉、アーク炉の炉
材として使用する場合は、耐火材の固有抵抗値が低く、
導電性を有するため、電極13からリーク電流が発生し
漏電事故発生の危険性があり、また、電気的影響により
局部的腐食を起こす電食など別の問題もあった。
【0010】一方、特開昭59−213677号公報に
示されているように、アルミナ、マグネシア、スピネル
系の緻密質耐火材を炉材に適用した例もあるが、これら
の耐火材を用いた場合、耐熱性には問題はなく耐食性も
格段に向上するものの、緻密質であるため耐熱衝撃性が
低く、クラック発生により瞬時に耐火材が損傷を受ける
という問題があり、溶融炉に要求される耐熱性、耐食
性、耐熱衝撃性の3つの要件を満足できるものではなか
った。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
金属やスラグの溶融炉における炉壁等の高温炉を構成す
る炉材であって、溶融金属や溶融スラグとの接触部を成
す緻密質セラミックス体と、非接触部を成す多孔質セラ
ミック体を一体的に形成して高温炉用炉材を構成したこ
とを特徴とする。
【0012】また、本発明は、上記緻密質セラミックス
体が気孔率3%以下であり、多孔質セラミックス体が気
孔率10〜20%であることを特徴とする。
【0013】即ち、本発明は、溶融スラグや溶融金属と
の接触部を緻密質セラミックス体で形成して耐食性をも
たせるとともに、非接触部は多孔質セラミックス体で形
成して耐熱性、耐熱衝撃性をもたせることによって、耐
熱性、耐食性、耐熱衝撃性のいずれも満足できるように
したものである。
【0014】なお、本発明における高温用炉材とは、上
述した溶融炉のように1000℃以上の高温となる炉に
おいて、炉壁等を構成する炉材のことである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を溶融炉用
の炉材を例にとって図によって説明する。
【0016】図2に示すように、本発明の炉材1は、緻
密質セラミックス体2の凸部2aを多孔質セラミックス
体3の凹部3aに挿入し、両者の間に耐熱性の無機接合
材4を介在させて固定したものである。また、この炉材
1は、底面が台形状の角柱状体であり、狭い方の側面に
上記緻密質セラミックス体2が配置されている。
【0017】また、緻密質セラミックス体2は気孔率3
%以下、多孔質セラミックス体3は気孔率10〜20%
の材料より形成されている。さらに、緻密質セラミック
ス体2はAl2 3 、MgOスピネル、SiC、を主成
分とし、多孔質セラミックス体3はAl2 3 、Cr2
3 、SiC、カーボン主成分とする材料より構成され
ている。図3にこの炉材1を配置した溶融炉12を示す
ように、各炉材1を緻密質セラミックス体2が内側とな
るように環状に並べ、外側を外壁6で固定してある。な
お、この溶融炉12では、スラグ18の上面の近傍のみ
を本発明の炉材1で構成し、炉底7や他の部分の内壁は
従来の炉材8を配置してある。
【0018】このように、本発明の炉材1は、スラグ1
8または溶融金属に接触する面に緻密質セラミックス体
2を配置して耐食性をもたせるとともに、この緻密質セ
ラミックス体2は耐熱衝撃性を悪化させない範囲の板厚
として、多孔質セラミックス体3に組み合わせることに
よって、耐熱性、耐熱衝撃性をも満足できるようにした
ものである。
【0019】なお、上記溶融炉12において、腐食が最
も激しいのは、図3に示すスラグ13の上面であること
から、この上面が変動する範囲に本発明の炉材1を配置
することが好ましい。もちろん、溶融炉12におけるス
ラグ18と接触する全面に本発明の炉材1を配置しても
良い。
【0020】この様に、溶融炉12に本発明の炉材1を
適用すれば、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れている
ので、長期に渡り使用することができる。
【0021】また、本発明の他の実施形態を図4に示す
ように、炉材1における緻密質セラミックス体2と多孔
質セラミックス体3の接合構造や全体形状はさまざまな
ものとすることができる。即ち、図4(a)〜(c)に
示すように、底面の形状を長方形としたり、図4(c)
(f)に示すように、緻密質セラミックス体2に形成し
た凹部2bに、多孔質セラミックス体3の凸部3bを挿
入した構造とすることもできる。
【0022】さらに、緻密質セラミックス体2と多孔質
セラミックス体3の間には、前述したような耐熱性の無
機接合材4を介在させたり、あるいは単に機械的に噛み
合わせることもできる。なお、無機接合材4としては、
アルミナ系無機接着剤等を用いることができ、これらを
介在させることによって、熱衝撃に対する応力緩衝層と
することができる。即ち、緻密質セラミックス体2の耐
熱衝撃性の許容値を超える熱衝撃が加わったた場合は、
緻密質セラミックス体2にクラックが発生することがあ
るが、無機接合材4が応力の緩衝層として働くため、多
孔質セラミックス体3まで損傷を受けることなく、溶融
スラグ等が炉外に漏洩することを未然に防ぐことができ
る。
【0023】さらに、他の実施形態として、図5に示す
ように、緻密質セラミックス体2と多孔質セラミックス
体3の間に両者の中間の気孔率を持った中間層5を介在
させて、傾斜的に気孔率を変化させることもできる。
【0024】この炉材1は、予め作成した多孔質セラミ
ックス体3の側面にセラミックスラリーを塗布して含浸
させ、焼成することによって、緻密質セラミックス体2
及び中間層5に相当する部分を形成することができる。
または、別体で作成した緻密質セラミックス体2と多孔
質セラミックス体3の間を、両者の中間の気孔率をなる
ように調整した無機接着材で接合し、これを中間層5と
することもできる。
【0025】以上の実施形態において、緻密質セラミッ
クス体2の気孔率は3%以下とすることが好ましい。こ
れは、気孔率が3%を超えるセラミックス材では、気孔
中に腐食元素が浸食しやすくなり、十分な耐食性を確保
できなくなるためである。
【0026】また、多孔質セラミックス体3の気孔率は
10〜20%とすることが好ましい。これは、気孔率1
0%未満では耐熱衝撃性が低下し、一方気孔率が20%
を超えると強度が低くなり、耐食性が著しく悪化するた
めである。また、多孔質セラミックス体3の気孔率を1
0%〜20%とすれば、耐火材重量を軽くすることもで
きる。
【0027】さらに、本発明の緻密質セラミックス体2
および多孔質セラミックス体3として用いる材料として
は、軟化点1700℃以上、耐熱衝撃性150℃以上の
特性を有するものを用いることが望ましい。
【0028】このような材料としては、炉内雰囲気によ
り、O2 濃度10%以下の還元性雰囲気中では、非酸化
物系のSiC、Si3 4 系の材料を、O2 濃度10%
を越える酸化性雰囲気中では、酸化物系のAl2 3
MgO、MgOスピネル、SiO2 、ジルコン系材料を
と言う具合に雰囲気により使い分けることが望ましい。
これは、高温の還元性雰囲気中に酸化物系材料を曝す
と、材料が還元され変質する可能性があり、逆に高温の
酸化性雰囲気中に非酸化物系材料を曝すと、焼結助剤成
分がガラス化して分解を始め、変質劣化する。また、S
i成分がO2 と反応する酸化反応のため、材料表面にガ
ラスが生成し、生成した低融点ガラスとスラグが反応す
るため、耐食性を著しく悪化させるためである。
【0029】また、緻密質セラミックス体2と多孔質セ
ラミックス体3の材質は、同種のものでも異種のもので
も組合せ可能であるが、上記緻密質セラミックス体2と
してはAl2 3 、MgOスピネル、SiC等を主成分
とする材料を用い、多孔質セラミックス体3としてはA
2 3 、Cr2 3 、SiC、Cを主成分とする材料
を用いることが好ましい。
【0030】なお、緻密質セラミックス体2は、形状が
大きくなると耐熱衝撃性が低くなるため、幅40〜60
mm程度×高さ100〜200mm程度×厚さ40mm
以下の寸法とすることが好ましい。特に、緻密質セラミ
ックス体2の厚みについては、厚いと耐食性は良いが耐
熱衝撃性が弱くなり、一方薄いと耐熱衝撃性は向上する
が浸食による寿命が短くなり、また、厚みが40mmを
超えると焼成が困難となって均一な焼結体が得られにく
くなる。これらの点から、緻密質セラミックス体2の厚
みは、40mm以下とするのが良く、さらには10〜3
0mmの範囲とすることが好適である。
【0031】また、既存の溶融炉用の炉材の形態として
は、高さ100〜200mm×長さ200〜300mm
×厚さ50〜100mm程度で、矩形型のものや、扇型
のもの、またキャスタブルのように不定形のもの等様々
あるが、これらの既存の炉材を多孔質セラミックスで形
成し、そのスラグ又は溶融金属と接する側に緻密質セラ
ミックス材を固定して配置すれば、本発明の炉材とする
ことができる。
【0032】この場合、緻密質セラミックス体2の接合
方法は、前述したさまざまな方法を用いることができ
る。また、キャスタブルのような不定形のものに接合す
る場合は、スラグまたは溶融金属と接する側に耐熱性無
機接着材で緻密質セラミックス体2を貼り付ければよ
い。また、築炉時にキャスタブル中に緻密質セラミック
ス体2を埋め込み、接液側に緻密質セラミックス体2が
露出するように設置しても良い。
【0033】なお、本発明の炉材は、上記溶融炉に限ら
ず、高温となるような各種炉に用いることができる。
【0034】
【実施例】実施例1 以下本発明の実施例を説明する。
【0035】ゴミ焼却灰溶融炉内環境を想定し、Al2
3 、MgAl2 4 (MgOスピネル)、MgO、Z
rO2 、SiC、Si3 4 の各種セラミックス材料と
ゴミ焼却灰との反応試験を行った。
【0036】まず焼却灰として、成分がAl、Ca、M
g、Na、K、Si、Fe、Cl等からなる焼却灰を焼
却炉より回収し、乾式加圧成形機により直径12mm×
1mm厚で重さ0.3gのタブレットを作製した。
【0037】次に、表1に示す各種セラミックスで直径
50mm×40mm厚のタブレット試験片を作製した。
各試験片には焼却灰タブレットを入れるための座繰り穴
(直径13mm×深さ1mm)を形成した。
【0038】反応試験は、それぞれのセラミックス試験
片の座繰り穴に焼却灰タブレットを置き、還元雰囲気中
1600℃で50時間の熱処理を加えた。
【0039】その後、各試験片について外観を目視で観
察し、溶融あるいはクラックの有無を調べた。また、各
試験片を切断し研磨した断面について、SEM(50倍
〜200倍程度)でクラックの有無を調べ、波長分散型
EPMA分析装置で、加速電圧15kV、プローブ電流
2.0×10-7Aで、Si、Fe、Ca、Na、Kの各
元素の検出を行いマッピング形式で出力した後、これら
元素の拡散深さ(腐食層)を調べた。
【0040】これらの結果は、表2に示す通りである。
なお表中において、クラック・溶融、腐食層があるもの
は×、無いものは○で示した。
【0041】これらの結果から、No.1、2、3、
6、7、8、9に示すセラミックスでは、溶融・クラッ
クの発生は無く、焼却灰成分との腐食層も認められない
ことから、炉材として問題なく使用できることがわかっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】実施例2 次に、実施例1で問題のなかったセラミックスやその他
の材質について、高さ114mm、長さ230mm、ス
ラグ接触側面幅45mm、スラグ非接触面側幅65mm
の炉材を製作し、耐熱衝撃性と耐食性を評価した。
【0045】評価の方法としては、プラズマ方式の小型
溶融炉を用い、焼却炉より回収したAl、Ca、Mg、
Na、K、Si、Fe、Cl等からなる焼却灰を還元性
雰囲気中(O2 濃度3%以下)で1600〜1700℃
に加熱し、溶融スラグとしたものに各炉材のスラグ接触
面側を100時間程度接触させて試験を行った。
【0046】なお、炉材の材質として、実施例1で問題
なかった表1中No.1、3、7、9の緻密質セラミッ
クスのみからなるものを用いた結果は表3に示す通りで
ある。
【0047】また、炉材の材質として、従来から用いら
れている多孔質セラミックスのみからなるものを用いた
結果は表4に示す通りである。なお、表4中、SiCレ
ンガとは、SiC87%、SiO2 9%、Al2 3
%、他3%、気孔率14%、嵩比重2.65、圧縮強さ
1200kgf/cm2 のものである。また、アルミナ
クロムレンガとは、Cr2 3 50%、Al2 3 47
%、ZrO2 2%、他1%、気孔率20%、嵩比重3.
50、圧縮強さ900kgf/cm2 のものである。さ
らに、カーボンレンガとは、C80%、Al2 3 10
%、SiC5%、他5%、気孔率18%、圧縮強さ50
0kgf/cm2 のものである。
【0048】これらに対し、本発明実施例として、緻密
質セラミックス体2として表1中No.1、3、7、9
の緻密質セラミックスを用い、多孔質セラミックス体3
として上記SiCレンガおよびカーボンレンガを用い
て、炉材1を構成した。緻密質セラミックス体2の厚さ
は40mmとしてスラグ接触面側に配置し、全体が、高
さ114mm、長さ230mm、スラグ接触側面幅45
mm、スラグ非接触面側幅65mmとなるように製作し
た。これらの評価結果は、表5に示す通りである。
【0049】なお、表3〜表5において、耐食性項目中
の数値は、Ca元素の表面からの腐食深さを示してい
る。
【0050】
【表3】
【0051】まず、表3に示すように、緻密質セラミッ
クスのみで炉材を構成した場合、Al2 3 、MgAl
2 4 の様に水中投下による耐熱衝撃性が200℃以下
のものではクラックが発生したため、さらに小型化ある
いは薄肉化する必要がある。また耐食性は、Si3 4
で溶損の痕跡が確認された以外は問題なかった。総合的
には、SiCが最も良好であったが、全ての点で満足で
きる材料はなかった。
【0052】
【表4】
【0053】次に、表4に示すように、多孔質セラミッ
クスのみからなる炉材の場合、耐熱衝撃性は良好である
が、炉材中へのスラグ浸透性が高いため、耐食性の点で
問題があった。
【0054】
【表5】
【0055】最後に、表5に示すように、Al2 3
MgAl2 4 、SiCなどの緻密質セラミックス体2
をスラグ接触側面に配置して、従来から使われているS
iCレンガ、カーボンレンガ等の多孔質セラミックス体
3と組み合わせて、二重構造とした本発明の炉材1は、
従来の多孔質セラミックスで不足していた耐食性と、緻
密質セラミックスの耐熱衝撃性の弱さを上手くカバーし
合い、従来材では達成できなかった優れた耐食性と耐熱
衝撃性を兼ね備え、優れた炉材として使用できる。
【0056】また、表5において、 比腐食量=炉材の腐食量(mm)/多孔質セラミックス単身
での腐食量(mm) で定義される比腐食量が0.5以下であり、多孔質セラ
ミックスのみで使用する場合に比べて、格段に耐食性に
優れることがわかる。
【0057】なお、O2 濃度が約10%以上存在する様
な高温の酸化性雰囲気の場合、SiC、カーボン等の非
酸化物系の材料は、酸化の問題により使えないため、そ
のような場合は、Al2 3 、MgAl2 4 などの酸
化物系の緻密質セラミックス体2に、アルミナ・クロム
レンガなどの酸化物系レンガからなる多孔質セラミック
ス3を組み合わせて使用すれば良い。但し、以上の様に
緻密質セラミックスと多孔質セラミックスとを組み合わ
せる場合、緻密質セラミックスの厚みを大きく取りすぎ
ると、耐熱衝撃性が悪化し、クラックの心配があるた
め、厚さ40mm以下とすることが望ましい。
【0058】また、本実施例では、予め成形、焼成、加
工した緻密質セラミックスと多孔質セラミックスとを組
み合わせて構成したが、図5に示すように多孔質セラミ
ックス体3のスラグ接触側面にセラミックススラリーを
含浸後、再度焼成して製作したものでも、同様に良好な
結果を得ることができた。但し、この場合、スラグ接触
側面を構成する緻密質セラミックス体2の気孔率が3%
を超えると、スラグ浸透性が大きくなり、耐食性を悪化
させるため、これ以下になるように調整しなければなら
ない。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属やス
ラグの溶融炉等の高温炉における炉壁等を構成する炉材
であって、溶融金属や溶融スラグとの接触部を成す緻密
質セラミックス体と、非接触部を成す多孔質セラミック
体を一体的に形成して高温炉用炉材を構成したことによ
って、溶融スラグや溶融金属との接触部を緻密質セラミ
ックス体で形成して耐食性をもたせるとともに、非接触
部は多孔質セラミックス体で形成して耐熱性、耐熱衝撃
性をもたせることによって、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃
性のいずれも満足できる炉材を得ることができ、この炉
材を用いれば、溶融炉等を長期間にわたって良好に使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な溶融炉の概略構造図である。
【図2】本発明の炉材を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明の炉材を用いた溶融炉を示す縦
断面図、(b)は(a)中のX−X線部分断面図であ
る。
【図4】(a)〜(f)は本発明の炉材のさまざまな実
施形態を示す平面図である。
【図5】本発明の炉材の他の実施形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:炉材 2:緻密質セラミックス体 3:多孔質セラミックス体 4:無機接合材 5:中間層 11:焼却灰 12:溶融炉

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属やスラグの溶融炉等の高温炉における
    炉壁等を構成する炉材であって、溶融金属や溶融スラグ
    等との接触部を成す緻密質セラミックス体と、非接触部
    を成す多孔質セラミック体を一体的に形成してなる高温
    炉用炉材。
  2. 【請求項2】上記緻密質セラミックス体が気孔率3%以
    下であり、多孔質セラミックス体が気孔率10〜20%
    であることを特徴とする請求項1記載の高温炉用炉材。
  3. 【請求項3】上記緻密質セラミックス体がAl2 3
    MgOスピネル、SiCの一種以上を主成分とする材料
    より成り、多孔質セラミックス体がAl2 3 、Cr2
    3 、SiC、Cの一種以上を主成分とする材料より成
    ることを特徴とする請求項1記載の高温炉用炉材。
  4. 【請求項4】上記緻密質セラミックス体と多孔質セラミ
    ックス体の間に接合材による応力緩衝層を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の高温炉用炉材。
  5. 【請求項5】上記緻密質セラミックス体から多孔質セラ
    ミックス体へ、傾斜的に気孔率を変化させたことを特徴
    とする請求項1記載の高温炉用炉材。
JP36009397A 1997-12-26 1997-12-26 高温炉用炉材 Pending JPH11190593A (ja)

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JP36009397A JPH11190593A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 高温炉用炉材

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