JPH11309803A - 多層積層板とその製造方法および多層実装回路基板 - Google Patents

多層積層板とその製造方法および多層実装回路基板

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JPH11309803A
JPH11309803A JP10116987A JP11698798A JPH11309803A JP H11309803 A JPH11309803 A JP H11309803A JP 10116987 A JP10116987 A JP 10116987A JP 11698798 A JP11698798 A JP 11698798A JP H11309803 A JPH11309803 A JP H11309803A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強力と高弾性率を有し、また耐熱性、耐薬
品性に優れ、しかも加工工程や製品後の環境変化により
剥離したり、基板廃棄時の問題を招くことなく、長期的
に安定使用ができる多層積層板を提供する。 【解決手段】 液晶性ポリマーから作製されるフィルム
3と被着体4とからなる複数の積層体2を用い、これら
積層体2を熱圧着により接合し、接合された状態で隣接
する一方の積層体2の被着体4と、他方の積層体2の被
着体4とが相対向している場合には、両者の間に液晶性
ポリマーから作製されるフィルムからなる中間シート5
を介装する。そして、前記積層体2および中間シート5
は、同一化学組成とし、かつ、熱処理の有無または熱処
理条件の差によって互いに異なる耐熱性を付与した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性の溶
融相を形成し得るポリマー(以下、これを液晶性ポリマ
ーと略称する)からなるフィルムを用いた多層積層板と
その製造方法および多層実装回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気工業分野において機器
の小型化・軽量化の要求から、FPC(フレキシブルプ
リント配線板)の需要が増大しつつある。このFPCの
一般的な製法は、基材フィルムの少なくとも一方の面に
銅箔等の金属箔を積層した後、電気回路を形成する。基
材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム等が多用されている。しかし、これらフィルムは耐
熱性が低いので、FPCへの部品実装時に、該FPCを
ハンダ浴へ浸漬するような場合に不都合を招く。そこ
で、耐熱性に優れた液晶性ポリマーフィルムが基材フィ
ルムとして注目されている。
【0003】また、多層積層板は、化学組成および耐熱
性(融点)の異なる材料からなるシートを用い、各シー
トに配線パターンを形成したのち、これらを組み合わせ
熱圧着して作製する。このとき、多層積層板の各層の材
料が同一融点であれば、熱圧着時に両方の材料が溶けて
しまうので、その融点を他方側材料の融点よりも高くす
る必要がある(特開平8−97565号公報参照)。ま
た、融点の異なる材料は、化学組成が互いに異なってい
るのが通常である。したがって、融点の異なる材料を用
いると、多層積層板の加工工程や製品後の環境変化によ
り剥離したり、基板廃棄時の処理方法など様々な問題が
発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶性ポリマーからな
るフィルムやシート(以下、これらをフィルムと総称す
る場合がある)は、高強力と高弾性率を有し、また耐熱
性、耐薬品性等にも優れた性能を有している。しかし、
このようなフィルムを多層積層板に利用するにしても、
上記場合と同様の不都合が発生する。つまり、多層積層
板を製造するためには、熱圧着する上で種々の異なる融
点をもつ耐熱材料を用いる必要があるが、異種の材料の
組み合わせでは環境変化により剥離したりする。しか
も、屈曲性が乏しかったり、個々の材料に由来する寸法
安定性の違いから長期的な使用を想定した場合不安定な
点がある。
【0005】さらに、近年関心が増大している廃棄物処
理において、異種の材料を分別回収することが必要であ
るために廃棄コストの増大を招くことになる。一方、同
種の材料の組み合わせであれば、このような問題は発生
しないだけでなく、液晶性ポリマーの熱可塑性という性
質を利用して、安価な回収手段を使用して回収できるだ
けでなく、回収品の再使用も可能となる利点がある。
【0006】本発明者等は、以上のように優れた特長を
有する液晶性ポリマーからなるフィルムを多層積層板に
利用することについて研究を続けた結果、該フィルムに
特殊な熱処理を施せば、その融点(耐熱性)を任意に調
節できて、フィルム間の熱圧着による接着一体化を確実
に行えることを見出した。つまり、フィルムの熱処理中
における融解ピーク温度に対し、熱処理温度を融点より
低い温度に設定して、熱処理により増加したフィルムの
融解ピーク温度を逐次追いかけながら増加させることに
より、同一化学組成で耐熱性の異なるフィルムが得られ
ることを見出した。
【0007】そこで、本発明の目的は、高強力と高弾性
率を有し、また耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも加工工
程や製品後の環境変化により剥離したり、基板廃棄時の
問題を招くことがなく、長期的に安定使用ができる多層
積層板とその製造方法および多層実装回路基板を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の多層積層板は、同一化学組成を有する液晶
性ポリマーから複数のフィルムを作製し、次いで該フィ
ルムと被着体との積層体を複数作製し、前記複数の積層
体を熱圧着によって接合するに際し、(1)接合された
状態で隣接する一方の積層体のフィルムと、他方の積層
体のフィルムとを相対向させる場合には、両者のフィル
ムが互いに異なる耐熱性を有する積層体を選択し、また
(2)接合された状態で隣接する一方の積層体の被着体
と、他方の積層体の被着体とを相対向させる場合には、
両者の間に、両者のフィルムと異なる耐熱性を有し、か
つ前記フィルムと同一化学組成を有する液晶性ポリマー
から作製されるフィルムからなる中間シートを介装し
て、熱圧着によって接合することにより容易に製造され
る。
【0009】このようにして製造される多層積層板は、
液晶性ポリマーから作製されるフィルムと被着体との積
層体が複数、熱圧着によって接合されており、接合され
た状態で隣接する一方の積層体の被着体と、他方の積層
体の被着体とが相対向している場合には、両者の間に液
晶性ポリマーから作製されるフィルムからなる中間シー
トが介装されており、前記積層体のフィルムおよび中間
シートは同一化学組成であり、かつ隣接するフィルムお
よび中間シートに、互いに異なる耐熱性が付与されてい
る。
【0010】本発明で用いるフィルム(およびシート)
の原料である液晶性ポリマーの具体例としては、以下に
例示する(1)から(4)に分類される化合物およびそ
の誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリ
エステルおよびサーモトロピック液晶ポリエステルアミ
ドを挙げることができる。ただし、高分子液晶を形成す
るためには、種々の原料化合物の組み合わせには適当な
範囲があることは言うまでもない。
【0011】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0012】
【表1】
【0013】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0014】
【表2】
【0015】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0016】
【表3】
【0017】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0018】
【表4】
【0019】(5)これらの原料化合物から得られる液
晶性ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0020】
【表5】
【0021】これらの液晶性ポリマーは、フィルムの耐
熱性、加工性の上から200〜400℃、特に250〜
350℃の範囲内に光学的異方性の溶融相への転移温度
を有するものが好ましい。また、フィルムとしての物性
を損なわない範囲内で、滑剤、酸化防止剤、充填材等を
配合してもよい。
【0022】上記液晶性ポリマーよりなるフィルムは、
Tダイ法、インフレーション法、これらの方法を組み合
わせた方法等の公知の製造方法によって成形される。特
にインフレーション法では、フィルムの機械軸方向(以
下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向
(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられて、MD
方向とTD方向との間における機械的性質および熱的性
質のバランスのとれたフィルムが得られる。
【0023】また、上記フィルムの厚みとしては、特に
制限されるものではないが、プリント配線板用途におい
ては、5mm以下が好ましく、0.1〜3mmがより好
ましい。FPC用途においては、500μm以下が好ま
しく、10〜250μmが一層好ましい。
【0024】上記フィルムに積層する被着体の材質とし
ては、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金
属、ガラスなどの無機物質などの液晶性ポリマーフィル
ムより高い融点を有するものが例示される。熱伝導率の
高い材質のものは、熱処理時に液晶性ポリマーフィルム
の温度を所望の温度まで速やかに上昇させるのに有効で
あり、ひいては熱処理操作の所要時間を短縮することが
可能となるので、好ましい。また、被着体の形状として
は、フィルム、シート、板などの少なくとも液晶性ポリ
マーフィルムと積層する面が概して平面状(微小な凹凸
を有してもよい)であるものが、熱処理時における液晶
性ポリマーフィルムの好ましからざる流動を防止できる
点から望ましい。被着体としては、銅箔等の金属箔、ガ
ラス板などが好適に用いられる。かかる被着体の厚み
は、用途により選択されるものであり、特に制限はな
い。例えば、プリント配線板であるFPC用途の場合、
10〜100μmであることが好ましい。またフィルム
の被着体層を半導体の動作時における損失電力によって
生ずる熱を効率よく放熱する放熱板の絶縁体として用い
る場合、放熱板の厚みは0.1〜5mm程度が好まし
い。
【0025】上記フィルムと被着体との接着は、例えば
熱プレス、熱ローラー等の熱圧着によって行うのが適当
である。圧着温度は、用いられる液晶性ポリマーフィル
ムの種類により異なるが、昇温条件下における液晶相へ
の転移温度より80℃低い温度から、該液晶相への転移
温度より20℃高い温度の範囲内であることが好まし
い。また、フィルムと被着体との接着には接着剤を利用
してもよい。さらに、被着体上に溶融した液晶性ポリマ
ーをフィルム状に押出して積層させてもよい。
【0026】以上のようにフィルムと被着体を接着して
なる積層体は、その複数枚を熱圧着により接合一体化し
て多層積層板とされる。このとき、接合一体化される各
積層体の被着体が互いに対向する場合、これら両者の間
には、各積層体のフィルムと同一材質(化学組成)の液
晶性ポリマーフィルムから作製され、かつ互いに異なる
耐熱性が付与された電気絶縁用の中間シートを介装させ
る。そして、かかる多層積層板には、例えば電子部品が
搭載されて多層実装回路基板とされる。
【0027】上記積層体と中間シートを確実に熱圧着し
て実用に耐え得る十分な強度とするためには、両者の液
晶性ポリマーフィルムの耐熱温度の差を少なくとも10
℃とすることが好ましい。2つの積層体の被着体同士が
互いに対向しない場合、中間シートは割愛できる。その
場合、接合される2つの積層体のフィルム同士の間で、
耐熱温度に10℃以上の差をもたせるのが好ましい。
【0028】また、上記液晶性ポリマーフィルムと被着
体との接着を熱圧着により行う場合には、熱圧着時に樹
脂流れをなくし、かつフィルムと被着体間の接着強度を
高めるためには、フィルムの流れを熱圧着前に対し10
%以下(好ましくは5%以下)とし、両者の接着強度を
0.5Kg/cm以上とすることが好ましい。つまり、
一般的にFPCやガラス強化樹脂積層板を製造する場
合、熱硬化性樹脂板や熱可塑性樹脂板と被着体を熱圧着
するときには、10〜20重量%の樹脂流れが発生する
ことがある。この流れ出した樹脂は製品を汚染するの
で、製品から汚れを除去するためには非常に多くの労力
を要し、各社個々の技術により努力しているのが現状で
ある。しかし、以上のようにすれば、熱圧着時に樹脂流
れがほとんど発生しないので、後処理が簡単となって良
好な製品が得られる。また、両者の接着強度を0.5K
g/cm以上とすることにより、フィルムと被着体間の
接着強度が実用に耐え得る十分な強度にまで高められ
る。
【0029】さらに、上記積層体や中間シートとなる液
晶性ポリマーフィルムは、その融点(耐熱性)を調節す
るために、次のような熱処理を行う。つまり、示差走査
熱量計により不活性雰囲気中5℃/分の昇温速度で測定
した時の熱処理中における液晶性ポリマーフィルムの融
解ピーク温度をTAとしたとき、フィルムの熱処理温度
をTA−20℃とし、該熱処理により増加したフィルム
のTAに応じて熱処理温度を増加させる。このようにす
れば、同一化学組成の液晶性ポリマーフィルムを用いる
にもかかわらず、積層体のフィルムと中間シートの耐熱
性を変えることができるので、これら両者の熱圧着によ
る接着一体化が確実に行える。この結果、積層体と中間
シートの液晶性ポリマーフィルムが本来具有する高強力
と高弾性率を有し、また耐熱性と耐薬品性に優れ、しか
も加工工程や製品後の環境変化により剥離したり、基板
廃棄時の問題を招くこともなく、長期的に安定使用が可
能な多層積層板が得られる。
【0030】上記不活性雰囲気とは、窒素、アルゴン等
の不活性ガス中あるいは減圧下を意味し、酸素等の活性
ガスが0.1体積%以下であることを言う。
【0031】上記融解ピーク温度TAは、示差走査熱量
計を用いてフィルムの熱挙動を観察して測定した。つま
り、フィルムを5℃/分の速度で昇温した時に現れる吸
熱ピークの位置をTAとした。
【0032】上記液晶性ポリマーフィルムの熱処理は、
目的により緊張下あるいは無緊張下で行なう。また、熱
処理は、ロール状(すきまを設けて触れあうことを阻止
する)、カセ状(ガス透過性の良好なスペーサーと共に
巻く)やトウ状(金網等に乗せる)で行ってもよいし、
あるいはローラーを用いて連続的に行ってもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図1は二層構造の多層積層板1
を示しており、該積層板1は2枚の積層体2,2から形
成される。この積層体2は、電気絶縁層である液晶性ポ
リマーフィルム3の少なくとも一方の面に、被着体であ
る銅箔4を熱プレスにより接着して形成される。上記各
積層体2には、その銅箔4をエッチング処理することに
より、導電パターン41やスルーホール42が形成され
ている。また、隣接する積層体2,2の間には、相対向
する導電パターン41,41同士が接触するのを阻止す
るために、液晶性ポリマーフィルムからなる中間シート
5を介装する。この状態で2つの積層体2,2の外面側
(図1の上下側)から熱圧着して3者2,5,2を接合
し、積層板1を作製する。そして、上記積層体2のフィ
ルム3に設けた配線導体43にICチップなどの電子部
品6を搭載して、多層実装回路基板7としている。ここ
で、中間シート5の耐熱性、つまり耐熱温度は、隣接す
る前記フィルム3とは異なっている。なお、隣接する積
層体2,2の導電パターン41,41同士が対向しない
場合は、中間シート5を設けなくてもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。 実施例1 (1) 先ず、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位2
7モル%、p−ヒドロキシ安息香酸単位73モル%から
なるサーモトロピック液晶性ポリエステルを単軸押出機
を用いて280〜300℃で加熱混練し、直径40m
m、スリット間隔0.6mmのインフレーションダイよ
り押出し、厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフ
ィルムの融点は280℃であった。 (2) 上記で得られたフィルムについて、熱処理によ
るTA の変化を調べるため、窒素雰囲気中、260℃で
熱処理し、1時間単位でDSC(示差走査熱量計)によ
るフィルム層のTAの測定を行った。その結果、未処理
では280℃、1時間では285℃、2時間では296
℃、4時間では306℃と上昇する。したがって、26
0℃で1時間の熱処理を行った後、熱処理温度265℃
で1時間、次いで275℃で2時間の熱処理を施してフ
ィルムを作製した。得られたフィルムのTAは315℃
であった。 (3) 上記(2)で得られたフィルムに、そのTAと
同じ温度で厚さ18μmの電解銅箔を真空熱プレス機に
より接着して積層体を作製した。次いで、2枚の積層体
の間に上記実施例1の(1)で得られたフィルムを中間
シートとして挟み、300℃で10分間、30Kg/c
2の圧力で真空プレス機を用い熱接着して多層積層板
を形成した。樹脂流れだし量は3%であった。得られた
多層積層板について、接着強度、200℃×30分加熱
後の外観、寸法安定性についての評価を行った結果は、
表6に示す通りである。
【0035】実施例2 (1) 上記実施例1の(1)で得られたフィルムを2
60℃で1時間の熱処理を行った後、熱処理温度265
℃で1時間、次いで275℃で6時間の熱処理を施して
フィルムを作製した。得られたフィルムのTAは330
℃であった。 (2) 上記(1)で得られたフィルムに、そのTAと
同じ温度で厚さ18μmの電解銅箔を真空熱プレス機に
より接着して積層体を作製した。次いで、2枚の積層体
の間に上記実施例1の(1)で得られたフィルムを中間
シートとして挟み、290℃で10分間、30Kg/c
2の圧力で真空プレス機を用い熱接着して多層積層板
を形成した。樹脂流れだし量は2%であった。得られた
多層積層板について、実施例1と同様の評価を行った結
果は、表6に示す通りである。
【0036】比較例1 (1)上記実施例1の(1)で得られたフィルムを26
0℃で1時間の熱処理を行ってフィルムを作製した。得
られたフィルムのTA は285℃であった。 (2)上記(1)で得られたフィルムに、そのTA と同
じ温度で厚さ18μmの電解銅箔を真空熱プレス機によ
り接着し、積層体を作製した。次いで、2枚の積層体の
間に上記実施例1の(1)で得られたフィルムを中間シ
ートとして挟み、290℃で10分間、30Kg/cm2
の圧力で真空プレス機を用い熱接着して多層積層板を形
成した。樹脂流れ出し量は15%と多かった。得られた
多層積層板の中央部分の良好と思われる場所について実
施例1と同様の評価を行った結果は、表6に示す通りで
ある。
【0037】比較例2 上記実施例1の(1)で得られたフィルムを、熱処理を
施すことなく、そのまま各実施例と同様な方法で、厚さ
18μmの電解銅箔に挟み、280℃で10分間、30
Kg/cm2の圧力で熱接着して積層体を得た。そし
て、この積層体に寸法安定性評価用の基準マークのみ残
し、それ以外の銅箔を除去した。次いで、2枚の積層体
の間に松下電工株式会社製の厚さ0.10mmのエポキ
シマルチ(FR−4)のプリプレグを入れ、製造元の積
層条件にて多層積層した。得られた多層積層板について
の評価は、表6に示す通りである。
【0038】多層積層板の最外層と隣接した層間の接着
強度は、1.5cm幅に切り取ったサンプルを両面接着
テープで平板に固定し、JIS C 5016に準じ、
180°法によりサンプルから剥離した最外層を、50
mm/分の速度で引き剥がしたときの強度を測定した。
【0039】また、200℃×30分加熱後の外観は、
得られた多層積層板と積層板を200℃の熱風循環式乾
燥機中へ30分間静置し、取り出した後、剥離や反りな
どを観察した。
【0040】さらに、寸法安定性については、IPC−
TM−650 2.2.4に準じて測定した。多層積層
板の場合は、多層積層板の最外層になる積層体の寸法安
定性を評価した。
【0041】
【表6】
【0042】上記表6から明らかなように、比較例1,
2によれば、反りや樹脂流れ出しが発生して200℃×
30分加熱後の外観が悪く、寸法安定性も悪い。一方、
実施例1、2によれば、接着強度を大とし、200℃×
30分加熱後の外観および寸法安定性を良好にできる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高強力と高弾性率を有
し、また耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも加工工程や製
品後の環境変化により剥離したり、基板廃棄時の問題を
招くこともなく、長期的に安定使用ができる多層積層板
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層積層板を用いた多層実装回
路線板の断面図である。
【符号の説明】 2…積層体、3…液晶性ポリマーフィルム、4…被着
体、5…中間シート、7…多層実装回路基板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性の溶融相を形成し得るポリ
    マーから作製されるフィルムと被着体との積層体が複
    数、熱圧着によって接合されており、 接合された状態で隣接する一方の積層体の被着体と、他
    方の積層体の被着体とが相対向している場合には、両者
    の間に光学的異方性の溶融相を形成し得るポリマーから
    作製されるフィルムからなる中間シートが介装されてお
    り、 前記積層体のフィルムおよび中間シートは、同一化学組
    成であり、かつ隣接するフィルムおよび中間シートに、
    互いに異なる耐熱性が付与されていることを特徴とする
    多層積層板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記隣接するフィル
    ム同士またはフィルムと中間シートの耐熱温度の差が少
    なくとも10℃あることを特徴とする多層積層板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記フィル
    ムと被着体の熱圧着時のフィルムの流れが熱圧着前に対
    し10%以下であり、かつ両者の接着強度が0.5Kg
    /cm以上であることを特徴とする多層積層板。
  4. 【請求項4】 光学的異方性の溶融相を形成し得る、同
    一化学組成を有するポリマーから複数のフィルムを作製
    し、次いで該フィルムと被着体との積層体を複数作製
    し、 前記複数の積層体を熱圧着によって接合するに際し、
    (1)接合された状態で隣接する一方の積層体のフィル
    ムと、他方の積層体のフィルムとを相対向させる場合に
    は、両者のフィルムが互いに異なる耐熱性を有する積層
    体を選択し、また(2)接合された状態で隣接する一方
    の積層体の被着体と、他方の積層体の被着体とを相対向
    させる場合には、両者の間に、両者のフィルムと異なる
    耐熱性を有し、かつ光学的異方性の溶融相を形成し得
    る、前記フィルムと同一化学組成を有するポリマーから
    作製されるフィルムからなる中間シートを介装して、熱
    圧着によって接合することを特徴とする多層積層板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記フィルムを熱処
    理して作製するに際し、示差走査熱量計により不活性雰
    囲気中5℃/分の昇温速度で測定した時の熱処理中にお
    けるフィルムの融解ピーク温度TA に対し、熱処理温度
    をTA −20℃とし、該熱処理により増加したフィルム
    の融解ピーク温度TA に応じ、熱処理温度を増加させる
    ことを特徴とする多層積層板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載された多
    層積層板に電子部品を搭載してなる多層実装回路基板。
JP11698798A 1998-04-27 1998-04-27 多層積層板とその製造方法および多層実装回路基板 Expired - Lifetime JP4004139B2 (ja)

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