JPH11302522A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物

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JPH11302522A
JPH11302522A JP11476598A JP11476598A JPH11302522A JP H11302522 A JPH11302522 A JP H11302522A JP 11476598 A JP11476598 A JP 11476598A JP 11476598 A JP11476598 A JP 11476598A JP H11302522 A JPH11302522 A JP H11302522A
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unsaturated polyester
mol
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polyester resin
unsaturated
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JP11476598A
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English (en)
Inventor
Kaoru Suzuki
薫 鈴木
Shigeyuki Yasui
繁行 安井
Hidefumi Suzuki
英文 鈴木
Yoichi Hara
洋一 原
Junzo Kobori
順三 小堀
Takashi Iiyama
高志 飯山
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐クラック性、耐熱水性、及び耐食性に優れ
た繊維強化プラスチックや人造大理石成形物を得ること
ができる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びそれを用
いた成形物を提供する。 【解決手段】 ジプロピレングリコール及び/又はトリ
プロピレングリコール(a):50〜80モル%とプロ
ピレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4であるビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物(b):2
0〜50モル%からなる多価アルコールと、不飽和二塩
基酸(c):80〜100モル%と飽和二塩基酸(d)
0〜20モル%からなる多塩基酸を反応して得られる不
飽和ポリエステル(A):40〜70重量%と、重合性
単量体(B):30〜60重量%を混合してなる不飽和
ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化プラスチッ
ク(以下FRPと略する)や人造大理石を代表例とする
成形物の材料として好適な不飽和ポリエステル樹脂組成
物及びそれを用いた成形物に関し、詳しくは、耐熱水
性、耐食性、耐クラック性に優れた成形物の材料として
好適な不飽和ポリエステル樹脂組成物、それを用いたF
RP成形物、及び人造大理石成形物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、特に耐熱水性あるいは耐食性が要
求されるFRP製浴槽、耐食タンク、パイプ等には、ビ
ニルエステル樹脂又はビスフェノールAアルキレンオキ
サイド誘導体を多価アルコール成分として用いた不飽和
ポリエステル樹脂(以下ビス系不飽和ポリエステル樹
脂)等が用いられてきた。これらの樹脂のうち、ビス系
不飽和ポリエステル樹脂は耐クラック性に劣る為、人造
大理石成形物の成形の際にクラックが発生する等の問題
があり、その材料として用いることが困難であった。ま
た、レジントランスファー成形(RTM)やフィラメン
トワインディング成形(FW)等の機械成形によりFR
P成形物を製造する際にも成形クラックが発生するとい
う問題があった。さらに、成形物の靱性あるいは伸び率
が低いため、高強度が必要なパイプ等のFRP製品にも
適用することが困難であった。一方、ビニルエステル樹
脂は、硬化物の伸び率、靱性、耐クラック性が高く、こ
れらの分野にも用いられているが、コストが高いこと
や、低温時の硬化性が劣る等の問題があった。
【0003】このような問題点を解決するため、耐熱水
性と耐クラック性に優れた不飽和ポリエステル樹脂が研
究されている。例えば特開昭63−273660号公報
にはビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(付
加モル数は平均2.2〜3.5)と不飽和二塩基酸とを
反応させて得られる不飽和ポリエステル樹脂でゲルコー
ト層を形成してなる強化プラスチック浴槽が開示されて
いる。しかしながら、上述の人造大理石成形物、機械成
形によるFRP成形物、あるいは高強度が必要なFRP
成形物等の分野に用いる場合、単に付加モル数が平均3
のビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と不飽
和二塩基酸とを反応させた不飽和ポリエステル樹脂では
耐熱水性及び耐クラック性が共に劣り、ビスフェノール
Aプロピレンオキサイド付加物と併用してネオペンチル
グリコールを多価アルコール成分として35モル%程度
使用した不飽和ポリエステル樹脂では耐クラック性に劣
るという問題がある。また、このネオペンチルグリコー
ルに換えてジプロピレングリコールを35モル%程度使
用した不飽和ポリエステル樹脂では、耐クラック性及び
耐熱水性が共に劣るという問題があり、耐熱水性と耐ク
ラック性の両立は困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、耐熱水性、耐食性、及び、耐クラック
性に優れた成形物に好適な不飽和ポリエステル樹脂を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するために鋭意研究してきた結果、特定の、且
つ、特定量の多価アルコール及び多塩基酸を原料とした
不飽和ポリエステル樹脂組成物が、耐熱水性、耐食性、
及び耐クラック性をともに満足することを見いだし、本
発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、ジプロピレングリコー
ル及び/又はトリプロピレングリコール(a):50〜
80モル%とプロピレンオキサイドの平均付加モル数が
2〜4であるビスフェノールAのプロピレンオキサイド
付加物(b):20〜50モル%からなる多価アルコー
ルと、不飽和二塩基酸(c):80〜100モル%と飽
和二塩基酸(d)0〜20モル%からなる多塩基酸を反
応して得られる不飽和ポリエステル(A):40〜70
重量%と、重合性単量体(B):30〜60重量%を混
合してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び、この
不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化物とガラス繊維と
を含有することを特徴とするFRP成形物、この不飽和
ポリエステル樹脂組成物の硬化物と無機充填材とを含有
することを特徴とする人造大理石成形物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における不飽和ポリエステ
ルは、不飽和二塩基酸に必要に応じて飽和二塩基酸を加
えた多塩基酸成分と、多価アルコール成分とを常法によ
り縮合反応させて得られる。多価アルコール成分は、ジ
プロピレングリコール及び/又はトリプロピレングリコ
ール(a)50〜80モル%、好ましくは55〜80モ
ル%、さらに好ましくは55〜75モル%、及び、プロ
ピレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4であるビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物(b)20
〜50モル%、好ましくは20〜45モル%、さらに好
ましくは25〜45モル%を含む。ジプロピレングリコ
ール及び/又はトリプロピレングリコール(a)が50
モル%未満の場合、あるいは80モル%を超える場合、
得られる樹脂を用いた硬化物の耐熱水性及び耐クラック
性がともに劣るようになる。また、プロピレンオキサイ
ドの平均付加モル数が2〜4であるビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物(b)が20モル%未満の
場合、あるいは50モル%を超える場合も、得られる樹
脂を用いた硬化物の耐熱水性と耐クラック性がともに劣
るようになる。ジプロピレングリコール及び/又はトリ
プロピレングリコール(a)としては、ジプロピレング
リコールのみ、トリプロピレングリコールのみ、あるい
はこれらを混合して用いても良いが、ジプロピレングリ
コールとトリプロピレングリコールのモル比が10:0
〜4:6の範囲が好ましい。更に高分子量のポリプロピ
レングリコールを用いた場合、得られる樹脂の硬化性及
びこれを用いた硬化物の耐熱水性が劣るようになる。
【0008】ビスフェノールAのプロピレンオキサイド
付加物(b)のプロピレンオキサイドの平均付加モル数
は2〜4、好ましくは2〜3.5である。この平均付加
モル数が2未満の場合、ビスフェノールAのフェノール
性ヒドロキシル基が残存する為、得られる樹脂の硬化性
が劣り、これが4を超える場合、得られる樹脂の硬化性
及びこれを用いた硬化物の耐熱水性が劣るようになる。
少量、好ましくは20モル%以下の量であれば、必要に
応じて他の多価アルコール成分、例えば、ジエチレング
リコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等を
用いても良い。
【0009】多塩基酸成分は、不飽和二塩基酸(c)8
0〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、及
び飽和二塩基酸(d)0〜20モル%、好ましくは0〜
10モル%を含む。不飽和二塩基酸が80モル%未満で
あれば、得られる樹脂組成物を用いた硬化物の耐熱水性
が劣るようになる。また、不飽和二塩基酸の使用量は、
上記の範囲の中でも、耐熱水性及び耐クラック性を考慮
して、不飽和ポリエステル1kg当たり2.5〜3.5
モルとなる量が特に好ましい。不飽和二塩基酸として
は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が用いら
れる。飽和二塩基酸は、例えば、フタル酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、耐熱水性、耐食性の
良好なものとして、イソフタル酸又はテレフタル酸が好
ましい。
【0010】この不飽和ポリエステルと、分子中に不飽
和基を有する重合性単量体とを混合、溶解して硬化性液
状不飽和ポリエステル樹脂組成物が得られる。重合性単
量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジ
ビニルベンゼン等の他、メタクリル酸メチル、エチレン
グリコールジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル等が挙げられ、好ましくはスチレンであるが、こ
れらを混合して使用してもよい。重合性単量体の使用量
としては、不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量%
に対して、30〜60重量%である。これが30重量%
未満では粘度が高くなり、また、60重量%を超える量
では、硬化収縮が高くなり、成形物の耐熱性も劣る等の
問題が生じる。
【0011】本発明における不飽和ポリエステル樹脂組
成物には、必要に応じて、硬化促進剤や重合禁止剤、消
泡剤等を添加することもできる。硬化促進剤としては、
例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の
金属石鹸類、ジメチルアニリン等のアミン類、アセチル
アセトン、アセト酢酸エステル、アセトアセトアミド等
のβ−ジケトン、β−ケトエステル、β−ケトアミド類
等が挙げられる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン
類、ベンゾキノン類、カテコール類、フェノール類等が
挙げられる。消泡剤としては、シリコン系等の他、市販
の高分子系消泡剤その他添加剤が挙げられる。また、本
組成物には、必要に応じて炭酸カルシウム等の無機充填
材を配合することもできる。
【0012】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
おいては、これに硬化剤を添加した後、繊維強化材に含
浸し、硬化させ、FRP成形物を成形することが可能で
ある。硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエー
ト、t−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキ
サイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エ
チルエキサノエート等の有機過酸化物等の重合開始剤が
用いられる。硬化剤の使用量としては、樹脂組成物10
0重量部に対して0.5〜3重量部の量が好ましい。繊
維強化剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維等が挙げられ、コスト等、汎用性の面でガラス繊維が
好ましい。繊維強化剤の使用量としては、必要な物性や
成形方法によって異なるが、通常はFRP成形物中20
〜80重量%となる量である。成形方法としては、従来
公知のハンドレイアップ、スプレーアップ法、フィラメ
ントワインディング成形(FW)、レジントランスファ
ー成形(RTM)、引き抜き成形、真空成形等が用いら
れる。
【0013】さらに、本発明の不飽和ポリエステル樹脂
組成物においては、これに硬化剤を添加し、無機充填材
と混合し、硬化させることにより、人造大理石を製造す
ることができる。硬化剤としては上述の有機過酸化物等
が用いられる。無機充填材としては、ガラスパウダー、
アルミナ、水酸化アルミニウム等が用いられ、その使用
量としては、樹脂組成物100重量部に対して、通常5
0〜500重量部、100〜200重量部がより好まし
い。成形方法としては、注型法、プレス成形法がある
が、本発明ではこれらの混合物を型に注入し、硬化させ
る注型法であることが好ましい。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、以下において「%」及び「部」は全て重量基
準である。
【0015】実施例1 無水マレイン酸:1.0モル、ジプロピレングリコー
ル:0.572モル及び三井ポリオール(株)社製KB
−280(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加
物;付加モル数平均3):0.468モルを常法により
不活性ガス気流下150〜230℃の温度で縮合反応さ
せ、酸価16の不飽和ポリエステルを得た。0.95モ
ルの生成水があり、この不飽和ポリエステル1kgあた
りの不飽和二塩基酸のモル数は2.9である。この不飽
和ポリエステルに、ハイドロキノン及びスチレンを添加
し、ハイドロキノンを0.01%及びスチレンを40%
を含む不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽
和ポリエステル樹脂組成物:100部に、6%ナフテン
酸コバルト:0.5部及び日本油脂(株)社製パーメッ
クN(55%メチルエチルケトンパーオキサイド):
1.0部を添加し、260×260×3mmの型に注入
し、室温で3時間硬化させた後、さらに80℃の硬化炉
中で3時間後硬化させ、注型板を作成した。JISK7
113の方法により、この注型板の引張り試験を行っ
た。また、この注型板を98℃の熱水に浸漬し、200
時間毎に、膨れ、クラック等の異常の有無を目視観察す
る耐熱水性試験を行った。これらの結果を表1(表1)
に示す。また、上記とは別に、RTM成形用浴槽型にゲ
ルコートを塗布し、硬化させた後、プリフォームしたガ
ラス繊維を設置し、型締めした。その後、前記で得られ
た不飽和ポリエステル樹脂組成物100部に6%ナフテ
ン酸コバルト:0.5部及びパーメックN:1.0部を
添加し、注入し、室温にて硬化させた。この成形の結果
を表1(表1)に示す。
【0016】実施例2 無水マレイン酸:1.0モル、ジプロピレングリコー
ル:0.416モル、トリプロピレングリコール:0.
208モル及びKB−280:0.416モルを実施例
1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエステルを得
た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモル数は3.
0である。この不飽和ポリエステルに実施例1と同様に
ハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の引張り試
験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行った。その結
果を表1(表1)に示す。
【0017】実施例3 無水マレイン酸:1.0モル、ジプロピレングリコー
ル:0.728モル、及びKB−280:0.312モ
ルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエ
ステルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモ
ル数は3.3である。この不飽和ポリエステルに実施例
1と同様にハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の
引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行っ
た。その結果を表1(表1)に示す。
【0018】実施例4 無水マレイン酸:0.9モル、テレフタル酸:0.1モ
ル、ジプロピレングリコール:0.78モル、及びKB
−280:0.26モルを実施例1と同様の条件にて反
応させ、不飽和ポリエステルを得た。この1kgあたり
の不飽和二塩基酸のモル数は3.1である。この不飽和
ポリエステルに実施例1と同様にハイドロキノン及びス
チレンを添加し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得
た。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様に、注型板の引張り試験、耐熱水性試験、及
び、浴槽の成形を行った。その結果を表1(表1)に示
す。
【0019】実施例5 実施例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
い、FW成形により内径50cmのパイプの成形を行っ
た。実施例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物
100部に対し、6%ナフテン酸コバルト:0.5部及
びパーメックN:1.0部を混合した後、これを含浸さ
せたガラス繊維を円筒状の型に巻き付け、常温で硬化さ
せた。成形上のクラック等の不具合はなかった。このパ
イプを60℃の飽和水酸化カルシウム水溶液に浸漬し、
耐アルカリ性試験をおこなった。その結果、1500時
間でクラック、膨れ、白化等の外観上の異常は全く見ら
れなかった。
【0020】実施例6 実施例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
い、注型法により人造大理石浴槽の成形を行った。実施
例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物:100
部に、硬化剤として日本油脂(株)社製パーロイルTC
P(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカボネート):0.5部及びパーキュアーHO(t−
ヘキシルパーオキシ−2−エチルエキサノエート):
1.0部を添加、混合し、さらに日本フェロー(株)社
製ガラスフィラー200部を添加、混合した。この混合
物をあらかじめゲルコートを塗布し、硬化させた注型用
浴槽型に注入し、その後、80℃で30分硬化させ、人
造大理石浴槽を成形した。クラック等の成形上の不具合
はなかった。この浴槽に、98℃の熱水を入れ、耐熱水
性試験を行った。その結果、800時間でクラック、膨
れ、白化等の外観上の異常は見られなかった。
【0021】比較例1 無水マレイン酸:1.0モル、ジプロピレングリコー
ル:0.364モル、及びKB−280:0.676モ
ルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエ
ステルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモ
ル数は2.6である。この不飽和ポリエステルに実施例
1と同様にハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の
引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行っ
た。その結果を表2(表2)に示す。
【0022】比較例2 無水マレイン酸:1.0モル、ネオペンチルグリコー
ル:0.364モル、及びKB−280:0.676モ
ルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエ
ステルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモ
ル数は2.6である。この不飽和ポリエステルに実施例
1と同様にハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の
引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行っ
た。その結果を表2(表2)に示す。
【0023】比較例3 無水マレイン酸:1.0モル、及び、KB−280:
1.04モルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不
飽和ポリエステルを得た。この1kgあたりの不飽和二
塩基酸のモル数は2.1である。この不飽和ポリエステ
ルに実施例1と同様にハイドロキノン及びスチレンを添
加し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽
和ポリエステル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様
に、注型板の引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の
成形を行った。その結果を表2(表2)に示す。
【0024】比較例4 無水マレイン酸:0.7モル、テレフタル酸:0.3モ
ル、ジプロピレングリコール:0.416モル、トリプ
ロピレングリコール:0.208モル及びKB−28
0:0.416モルを実施例1と同様の条件にて反応さ
せ、不飽和ポリエステルを得た。この1kgあたりの不
飽和二塩基酸のモル数は2.1である。この不飽和ポリ
エステルに実施例1と同様にハイドロキノン及びスチレ
ンを添加し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。こ
の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様に、注型板の引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴
槽の成形を行った。その結果を表2(表2)に示す。
【0025】比較例5 無水マレイン酸:1.0モル、ジプロピレングリコー
ル:0.884モル、及び、KB−280:0.156
モルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリ
エステルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸の
モル数は3.8である。この不飽和ポリエステルに実施
例1と同様にハイドロキノンとスチレンを添加し、不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の
引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行っ
た。その結果を表3(表3)に示す。
【0026】比較例6 無水マレイン酸:1.0モル、ネオペンチルグリコー
ル:0.572モル、及びKB−280:0.468モ
ルを実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエ
ステルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモ
ル数は3.1である。この不飽和ポリエステルに実施例
1と同様にハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の
引張り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行っ
た。その結果を表3(表3)に示す。
【0027】比較例7 無水マレイン酸:1.0モル、プロピレングリコール:
0.572モル、及びKB−280:0.468モルを
実施例1と同様の条件にて反応させ、不飽和ポリエステ
ルを得た。この1kgあたりの不飽和二塩基酸のモル数
は3.2である。この不飽和ポリエステルに実施例1と
同様にハイドロキノン及びスチレンを添加し、不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエステル
樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、注型板の引張
り試験、耐熱水性試験、及び、浴槽の成形を行った。そ
の結果を表3(表3)に示す。
【0028】比較例8 比較例2で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
いて実施例6と同条件で人造大理石浴槽を成形した。そ
の結果、コーナー部分にクラックが発生し、良好な成形
品が得られなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例の結果からも明
らかな通り、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は
FRP又は人造大理石成形物の用途等として好適なもの
であり、また、得られる成形物においては、クラック等
の不具合が無く容易に成形が可能であり、耐熱水性及び
耐食性のいずれにおいても優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 洋一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 小堀 順三 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 飯山 高志 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジプロピレングリコール及び/又はトリ
    プロピレングリコール(a):50〜80モル%とプロ
    ピレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4であるビス
    フェノールAのプロピレンオキサイド付加物(b):2
    0〜50モル%からなる多価アルコールと、不飽和二塩
    基酸(c):80〜100モル%と飽和二塩基酸(d)
    0〜20モル%からなる多塩基酸を反応して得られる不
    飽和ポリエステル(A):40〜70重量%と、重合性
    単量体(B):30〜60重量%を混合してなる不飽和
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物の硬化物と繊維強化材とを含有する繊維強化プラ
    スチック成形物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物の硬化物と無機充填材とを含有する人造大理石成
    形物。
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