JPH11297803A - 静電吸着装置および被吸着物離脱方法 - Google Patents

静電吸着装置および被吸着物離脱方法

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JPH11297803A
JPH11297803A JP10095581A JP9558198A JPH11297803A JP H11297803 A JPH11297803 A JP H11297803A JP 10095581 A JP10095581 A JP 10095581A JP 9558198 A JP9558198 A JP 9558198A JP H11297803 A JPH11297803 A JP H11297803A
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和典 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料を静電力により吸着した後、その静電吸着
電圧印加の停止後に生じる残留吸着の問題に対し、試料
の離脱を容易に行える静電吸着装置と、その離脱方法を
提供する。 【解決手段】試料1を誘電体2の上に吸着し、所望のプ
ロセスを終了した後は、スイッチ4を(イ)の位置に切
り替え、静電吸着用直流電圧5の供給を止める。導電性
ピン10を開放し、エアシリンダ14を作動させて、ば
ね13の弾性力により押し上げピン12が試料1を離脱
させる。離脱不可の場合、位置センサ16によりこれを
判別し、スイッチ4を(ハ)の位置に切り替えて、逆電
圧を印加する。この逆電圧の大きさは時間に伴って0に
近づくようにコントローラ7によって制御される。ある
電圧において、試料1の裏面に蓄積された静電力が相殺
され、試料1の離脱が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は試料の静電吸着装置
(静電チャックとも称せられる)および静電吸着した試
料を静電吸着解除後にスムーズに離脱させる被吸着物離
脱方法に係り、例えば、電子線描画、エッチング、成膜
など半導体製造プロセスの試料保持用の静電吸着装置に
適している。
【0002】
【従来の技術】電子線を利用した装置、例えば電子線描
画装置では、試料(半導体ウエハ)の描画時において加
減速を伴う試料の移動が行われている。このため、試料
が所定の位置からずれないよう、試料保持を行う機能が
必要となる。また、成膜等のプロセスを経た試料は、数
十μmもの凸形もしくは凹形に沿った形状になってい
る。したがって、描画精度の面からこの反りを平坦面に
矯正する必要がある。
【0003】また、エッチングやスパッタリング成膜の
工程では、試料全面にわたって均質なプロセスを行うた
め、試料の温度管理が重要になっている。このため、温
度を制御した試料ホルダに試料を密着させる必要があ
る。
【0004】これらのプロセスは全て真空中で行われる
ため、静電力を利用した静電吸着装置を用いて、試料を
吸着保持している。この静電吸着装置は、試料受け面を
有する誘電体と、前記誘電体に載る試料に対しこの誘電
体を介在させて対向するよう誘電体側に設けた電極とを
備え、この誘電体側に設けた電極と前記試料とを対の電
極として、この対の電極間に静電吸着用の直流電圧を印
加して、誘電体に誘電分極による電荷を発生させること
により静電吸着力を確保している。
【0005】図5にこの種静電吸着装置の従来例を示
す。図5において、1は試料たるシリコンウエハ、2は
誘電体で構成された試料ホルダ、3は誘電体2に埋設し
た電極であり、誘電体2を介在させた状態でシリコンウ
エハ1に対向するよう配置される。
【0006】電極3は静電吸着を行う前には、切替スイ
ッチ4を介して接地されており、静電吸着を行う必要が
あるときに直流電源5の(+)側と接続される。電源5
の(−)側は接地されている。
【0007】シリコンウエハ1は該ウエハ1に接する導
電性ピン10及びベースパレット8(基盤)を介して接
地されることで接地電位に保たれており、接地電極とし
ての機能も有している。ウエハ1表面には、酸化膜(絶
縁物)が形成されているので、上記の導電性ピン10の
接触部位では、該導電性ピン10との電気的導通を図る
ためにこの酸化膜が予め部分的に除去されている。
【0008】28は、静電吸着電圧の印加を停止した後
に誘電体に残留する電荷を強制的に除去する電圧回路
で、上記の静電吸着用電源5とは逆極性の電圧源もしく
は減衰交番電圧発生回路により構成されている。このよ
うな逆極性電源は、例えば、特開昭62−255039
号公報に開示され、減衰交番電圧発生回路は、例えば、
特開昭62−44332号公報,実開昭63−1152
23号公報に開示されている。
【0009】上記構成において、スイッチ4により電極
3を静電吸着用の直流電源5に接続すると、電極3とウ
エハ1との間に直流電圧が印加され、誘電体2に誘電分
極による電荷が発生し、ウエハ1・誘電体2間に静電力
を発生し、この静電力によりウエハ1が誘電体2上に吸
着される。
【0010】所定のプロセス完了後に、上記の静電吸着
用電源5と電極3との間をスイッチ開放してウエハ離脱
を行うが、誘電体2や、ウエハ1の裏面に絶縁膜が形成
されている場合にはこの絶縁膜にも電荷が残留し、この
残留電荷が残留静電吸着力として作用するので、静電吸
着用の印加電圧を0Vにしただけでは吸着面からウエハ
1を容易に離脱することはできない(この詳細は、実施
の形態の説明で図3用いて後述してある)。この状態で
無理に引き剥がそうとすると、ウエハに過大な応力が働
き、素子破損につながる可能性がある。
【0011】そこで、ウエハ離脱の際にはこの残留電荷
を短時間に強制放電する必要がある。従来は、上記の電
圧回路28を用いて、ウエハを離脱させる場合には、ウ
エハ1・電極3間に静電吸着時とは逆極性の直流電圧を
微小時間印加して除電を行ったり、減衰交番電圧を印加
して除電を行って、上記問題に対処していた。
【0012】しかしながら、上記のような除電用の電圧
回路28は、逆極性電圧や減衰交番電圧の掛け方を実験
から一義的に求め、その後はこの逆極性電圧を固定して
或いは減衰交番電圧を1パターンの態様で使用するため
に、ウエハの種類によってウエハ裏面の絶縁膜の厚さや
静電吸着時間などが変わると残留電荷量も変化するとい
った事態に対処できず、残留電荷を充分に除電できない
ことがある。また、上記のような逆極性電圧を印加する
ことによって前記残留吸着力は一端小さくなるが、その
後も逆電圧を印加すると絶縁膜や誘電体には逆極性の電
荷が反って帯電するために静電吸着力が再び大きくなる
といった事態が生じる。
【0013】以上のような対処策としては、例えば、特
開平3−270841号公報に記載されるように、静電
チャックにおける吸着物を離脱させるために、静電チャ
ック表面の残留電荷により生じる電界を測定し、この測
定結果をもとに電圧制御器が最適な逆電圧(静電吸着に
用いる電圧と逆極性の電圧)の掛け方(電圧,波形,印
加時間)を調整して吸着物を剥離しようとする技術が提
案されている。この制御方法は、予め実験的に静電チャ
ックの残留電荷を種々想定して最適逆電圧パターンとい
ったものを求めておかなければならず、制御態様が複雑
になる傾向がある。
【0014】また、特開平5−74920号公報に記載
の静電吸着力除去方法及び装置には、静電吸着用の電圧
印加を停止した後、試料と絶縁膜(すなわち誘電体)を
有する静電吸着用電極とを、該電極の絶縁膜をバイパス
して電気的に接続することで、強制的に試料と前記静電
吸着用電極間の電位差(残留電圧)をなくし、このよう
にして、静電吸着用電極の絶縁膜に帯電した電荷を除去
し、さらに、その後、試料を押し上げ装置で上昇させて
離脱させる技術が開示されている。
【0015】この方法においても、試料(半導体ウエ
ハ)の裏面にも絶縁膜が形成されている試料を被吸着物
とした場合は、この試料裏面の絶縁膜には、静電吸着用
電圧印加時に時間の経過と共に空間電荷分極が生じるこ
とがあり(空間電荷分極の詳細は実施の形態の項で図3
を用いて説明する)、この空間電荷分極は消滅させるに
比較的時間がかかる。この空間電荷分極が試料受け側
(試料ホルダ側)の誘電体(上記例では静電吸着用電極
に形成した絶縁膜)に誘電分極を発生させ、静電吸着力
を維持させる原因となる。
【0016】そのほか、特開昭62−277234号公
報に記載の静電チャック装置では、被吸着物を離脱させ
るために被吸着物と吸着面間に加圧気体を噴出する技術
が開示され、また、静電吸着電圧と逆極性の電圧を印加
しながら、前記加圧気体を噴出させてもよい旨の記載が
ある。この場合の逆極性電圧を印加する場合において
も、前記した逆極性電圧の改善すべき点(逆極性電圧が
固定化されて種々のウエハにおける一律でない帯電態様
に対処しきれない点)はクリアされていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、静電
吸着装置から試料を離脱する場合に従来より指摘されて
いた逆極性電圧(ここで、逆極性電圧とは静電吸着に用
いる電圧と極性を反対にして、例えば試料と試料受け側
の誘電体に設けた電極との間、すなわち静電吸着装置の
電極間とに印加する電圧である)の特定の仕方の困難性
や逆極性電圧制御の複雑化を解消し、しかも、試料たる
半導体ウエハの裏面(静電吸着側)に絶縁膜を形成した
場合に生じる空間電荷分極(除電化に時間を有する性質
の空間電荷分極)にも対処して、試料の種類や吸着時間
が変化しても、容易且つスムーズの試料の離脱を可能に
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、基本的には、次のような被吸着物離脱方法及び静電
吸着装置を提案する。
【0019】一つは、静電吸着装置によって静電吸着
された試料を前記静電吸着装置から離脱させる被吸着物
離脱方法であって、静電吸着用の電圧印加を停止した後
に、前記試料に静電吸着面から離脱する方向へ押し上げ
力を加えながら、静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流
電圧を時間の経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化さ
せて前記静電吸着装置の電極に印加することを特徴とす
る。
【0020】本発明では、特に、ウエハ離脱の際は、前
述のように前記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電
圧を時間の経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させ
る(するわち時間の経過に伴い0Vに近づくよう電圧の
制御を行う)点がポイントであり、それと前記ウエハ押
し上げの協働により、種々のウエハ態様によって一律で
ない静電吸着後の帯電(残留電荷による残留静電吸着
力)であっても、スムーズに被吸着物(試料)の離脱を
行い得る。
【0021】なお、本発明の作用の詳細は、発明の実施
の形態の項において図2,図3を参照して後述する。
【0022】また、静電吸着装置としては、次のような
構成のものを提案する。
【0023】一つは、図1の符号を引用すると、試料
受け面を有する誘電体2と、前記誘電体に載る試料1に
対しこの誘電体2を介在させて対向するよう誘電体2側
に設けた電極3とを備え、この誘電体2側に設けた電極
3と前記試料1との間に静電吸着用の直流電圧5を印加
して、前記試料1を前記誘電体2上に静電吸着させる静
電吸着装置において、前記静電吸着用の電圧5の印加を
停止した後に前記試料1を前記誘電体から離脱させる機
構として、前記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電
圧6を時間の経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化さ
せながら前記試料1と前記誘電体2側に設けた電極3と
の間に印加する逆極性電圧印加制御手段7と、少なくと
も前記逆極性電圧6の印加中に前記試料1を前記誘電体
の吸着面から離脱する方向へ押し上げる試料押し上げ手
段(図1で符号11〜15で示す要素)と、を備えて成
ることを特徴とする。
【0024】もう一つは、図4の符号を引用して説明
すると、試1料を静電吸着するための誘電体2に同心円
上の第1,第2の電極22a,22bが配置され、この
第1,第2の電極間に、切替スイッチ4を介して静電吸
着用の直流電圧5と、該静電吸着用の直流電圧と逆極性
の直流電圧6が切替可能に印加されるように設定してあ
り、且つ、前記静電吸着用の電圧印加を停止した後に前
記試料1を前記誘電体2から離脱させる機構として、前
記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧6を時間の
経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させながら前記
第1,第2の電極22a,22b間に印加する逆極性電
圧印加制御手段7と、少なくとも前記逆極性電圧6の印
加中に前記試料1を前記誘電体2の吸着面から離脱する
方向へ押し上げる試料押し上げ手段(25〜27)と、
を備えて成ることを特徴とする。
【0025】また、前記試料押し上げ手段(11〜1
5或いは25〜27)と前記逆極性電圧印加制御手段7
の動作シーケンスとして、前記静電吸着用の電圧5の印
加の停止後に、最初に前記試料押し上げ手段により前記
試料1を前記誘電体2の吸着面から離脱する方向へ押し
上げる動作を実行させ、この押し上げ動作で前記試料1
の離脱が行われない場合には、前記試料押し上げ手段に
よる前記試料の押し上げ動作を行わせながら、前記逆極
性電圧印加制御手段7による前記逆極性電圧6印加の電
圧制御を実行させる静電吸着装置を提案する。
【0026】これらの装置の発明の作用についても、以
下の実施の形態の項にて説明する。
【0027】
【発明の実施の形態】先ず、図1〜3により本発明の第
1実施例を説明する。
【0028】図1は本発明の第1実施例に係る静電吸着
装置の構成図であり、図1において、ウエハ(試料)1
を静電吸着保持するための誘電体2には、電極3が埋め
込まれている。誘電体2は円形のテーブル形状をなし、
その上面が試料受け面となる。誘電体2に設けた電極3
は、誘電体2に載る試料1に対し誘電体2を介在させて
対向するよう設けられており、切替スイッチ4の端子ロ
を介して、静電吸着用の直流電源5の(+)側と接続さ
れている。直流電源5の(−)側は接地されている。
【0029】スイッチ4は、端子イを介してアース線と
接続されるよう切替可能であり、また、端子ハを介して
逆電圧印加回路(逆極性電圧源)6と接続されるように
切替可能にしてある。
【0030】逆極性電圧印加制御手段となるコントロー
ラ7は、逆極性の直流電圧6を時間の経過に伴い絶対値
が小さくなるよう変化させながら試料1と誘電体2側に
設けた電極3との間に印加する機能を有する。
【0031】誘電体2は導電性のベースパレット8上に
取付られており、切替スイッチ4が端子イの状態にある
ときには、ベースパレット8は電位が0となるように接
地されている。
【0032】ベースパレット8の一部には、導電性ピン
10がばね9を介して取付けられ、誘電体2上に載るウ
エハ1の表面には、ばね9の弾性力を利用して、導電性
ピン10が押し付けられている。この導電性ピン10は
ベースパレット8とも導通があり、ウエハ1を接地電位
にする機能を有する。
【0033】12は誘電体2の裏(下方)の位置に設置
された押し上げピンで、押し上げピン12は、リニアガ
イド11に案内されて昇降動作が可能なように設定され
ている。押し上げピン12は上部が左右対称に複数分岐
されており、この分岐部がベースパレット8及び誘電体
2に設けた貫通孔を通して昇降する。この昇降動作は、
押しばね13、エアシリンダ14が駆動源となる。
【0034】押しばね13は、押し上げピン12を常
時,上昇方向に付勢しており、この付勢状態で、エアシ
リンダ14に設けたストッパ14Aと押し上げピン12
に設けたストッパ15とが係合することで、押し上げピ
ン12の上下方向の移動が規制されている。エアシリン
ダ14を上昇させると、押しばね13の弾性力により押
し上げピン12が追従して上昇し、ピン12が所定位置
まで上昇すると押しばね13の弾性力によりウエハ1を
押し上げるように設定してある。
【0035】エアシリンダ14が下降すると、押し上げ
ピン12も上記ストッパ14A,15の係合を介して押
し下げられる。エアシリンダ14もコントローラ7によ
り駆動制御される。押し上げピン12が上昇によりウエ
ハ押し上げ可能な規定の停止位置にくると、押し上げピ
ン12がその停止位置にあることを、位置センサ16に
よって検出するようにしてあり、位置センサ16はコン
トローラ7に接続されている。
【0036】本実施例の動作について説明する。
【0037】初期状態では、切替スイッチ4はコントロ
ーラ7の制御により端子イに接続され、接地状態(0電
位)にある。誘電体2の吸着面に置かれたウエハ1に
は、接地用の導電性ピン10が押し当てられる。ここ
で、スイッチ4を(イ)から(ロ)の端子位置に切り替
えると、スイッチ4及び導電性ピン10を介してウエハ
1・誘電体側電極3間に静電吸着用電源5の電圧が印加
される。この場合、ウエハ1は負の電極としての機能を
なし、電極3が正の電極となる。この電圧印加によっ
て、前記誘電体2とウエハ1間に静電力が生じてウエハ
1が誘電体2に静電吸着される。
【0038】この後、ウエハ1に対して所定のプロセス
(例えば、電子描画,エッチング,成膜等)が終了した
ら、コントローラ7はスイッチ4を(イ)の位置に戻
し、導電性ピン10を開放し、エアシリンダ14を駆動
させて、押し上げピン12を上昇させる。通常のウエハ
ならばこの動作により、誘電体2から離脱される。
【0039】しかし、ウエハ1の裏面にも絶縁膜を形成
している場合には、この絶縁膜には、消滅に時間を要す
る性質の空間電荷分極が帯電(残留)し、これが誘電体
2側にも双極子分極を生じさせて、この双極子分極と前
記空間電荷分極とで残留静電吸着力が生じ、上記の押し
ばね13の弾性力を押し上げピン12を介してウエハ1
に付与してもウエハ1が誘電体2の吸着面から離脱でき
ないことがある。
【0040】この場合は、エアシリンダ14の上昇時停
止位置が規定の位置までとどかず、位置センサ16が押
し上げピン12の位置を検出できないことになる。この
状態をコントローラ7が判別し、スイッチ4を(ハ)に
切り替えて、静電吸着と逆極性の電圧6(時間の経過と
ともに次第に0に近づくように変化する逆極性電圧)を
ウエハ1・電極3間に印加する。この場合、接地電位は
正の電位にある。この逆極性電圧の印加中には、ウエハ
1には、押し上げピン12を介して誘電体2の吸着面か
ら離脱する方向へ押し上げ力が作用するように設定して
ある。
【0041】図2は上記一連の動作を示すタイムチャー
トである。図2に示すように、ウエハ1の静電吸着を+
500Vの電圧印加で行った場合、ウエハ1の離脱に要する
逆電圧として始めに絶対値が等しい‐500Vを印加し、そ
の後、時間の経過と共に20〜50V/secの傾き(電圧減小
勾配)で0Vに近づける。と同時にウエハ1を、押し上げ
ピン12を介してウエハ裏面から100g程度の力で押し上
げておく。すると、−100〜0Vの近辺でウエハが誘電体
2から無理なく離脱する。
【0042】図3は上記図2のタイムチャートによる一
連の動作時における,ウエハ18(図1の符号1に相当
する),そのウエハ18の全周に形成した絶縁膜17,
誘電体2,電極3の帯電状態を示す模式図である。
【0043】図3の(a)は、図2に示す静電吸着時の
帯電状態で、直流電源5によって電極3とシリコンウエ
ハ18間に電場Eが形成されている。誘電体2と絶縁膜
17には双極子分極19が生じ、また時間の経過に伴い
絶縁膜17には空間電荷分極20が発生する。この状態
から静電吸着電圧をスイッチ開放により0Vにすると、
図3(b)に示すようにシリコンウエハ18・電極3間
の電場が消え、双極子分極19も瞬時に消滅する。しか
し空間電荷分極20は消滅するのに時間がかかるため、
この電荷が誘電体2に誘電分極21を発生させ、吸着力
が維持されることになる。ここで、図2のハ以降の状態
である図3(c)に示すように逆電圧を印加し、その絶
対値を徐々に0Vに近づけるように制御すると、ある電
圧において双極子分極19の吸着力と空間電荷分極20
の反発力が相殺し、わずかな力で離脱することが可能と
なる。この時点で押し上げピン12を介して押し上げ力
がウエハ18(ウエハ1)に働くので、スムーズにウエ
ハ1を誘電体2から離脱させることができる。
【0044】本実施例によれば、特に、ウエハの絶縁膜
17に消滅に時間を要する空間電荷分極20が生じて
も、また、その空間電荷分極20の発生量が、ウエハ裏
面に形成した絶縁膜17の種々の厚みや静電吸着時間の
異なりで様々であっても、上記のような逆極性電圧6を
0電位に近づくように勾配をつけて変化させることで、
常に双極子分極19の吸着力と空間電荷分極20の反発
力が相殺しあう点を容易に見出し、この時点でウエハに
対して押し上げ力を与えるので、複雑な電圧印加制御を
行うこと容易かつスムーズにウエハ離脱操作を実現させ
ることができる。
【0045】図4は本発明の他の実施例を示す静電吸着
装置の概略図である。
【0046】本例は、例えば半導体ウエハのエッチング
プロセスに必要なプラズマ処理機能付き静電吸着装置の
一例である。
【0047】図4において、ウエハ1を吸着保持する誘
電体2には、同心円上の二つの環帯状の電極22a、2
2bが埋め込みにより配置されている。この第1,第2
の電極22a,22b間には、切替スイッチ4及び端子
ロ,ハを介して静電吸着用の直流電源5と、該静電吸着
用の直流電源(直流電圧)と逆極性の直流電源(直流電
圧)6とが切替可能に印加されるように設定してある。
【0048】また、スイッチ4は端子イに切り替える
と、電極22a,22bが接地状態になる。
【0049】電極22a,22bのうち静電吸着用の直
流電圧5を印加する時に負極性となる側の電極22aに
は、開閉スイッチ23を介してプラズマ処理用の高周波
電源24が接続されている。高周波電源24が接続され
る側の電極22aと静電吸着用電圧5の負極側とが高イ
ンダクタンスコイル30を介して接続されることで、高
周波電源24の電極22aに対する電源供給(高周波電
圧印加)を保証し、また電極22a,22b間への上記
静電吸着用直流電圧5及び逆極性直流電圧6の印加を保
証している。
【0050】本例においても、コントローラ7は、図2
に示すようなシーケンス、すなわち電極22a,22b
への静電吸着直流電圧5の印加、静電吸着電圧の印加停
止後の押し上げピン(図4では押し上げ用の円板25a
を上端に備えたピン25により構成される)の駆動制
御、押し上げピン25によってウエハ1が離脱しない場
合に電極22a,22bに逆極性電圧6を0に近づくよ
う勾配制御しながら印加し且つ押し上げピン25の押し
上げ動作を併用する動作モードを実行する。
【0051】押し上げピン(プッシャ)25は、誘電体
2の中央に設けた貫通孔を通って昇降動作し、押し上げ
ピン25の下端はラック&ピニオン26を介してモータ
27に接続されており、押し上げピン25の上下動はモ
ータ27によって駆動される。モータ27にはトルクリ
ミッタが設けられており、モータ27の軸には所定以上
の力が発生しない構造になっている。
【0052】本実施例の動作について説明する。誘電体
2の吸着面にウエハ1を置き、スイッチ4を端子イから
ロの位置に切り替えて、電極22a,22bに静電吸着
用の直流電圧5を印加することにより、試料1・誘電体
2間に静電吸着力が生じ、ウエハ1が誘電体2に静電吸
着される。上記の静電吸着を維持した状態で、プロセス
ガスを導入し、このプロセスガス導入後、スイッチ23
を閉じて高周波電源を電極22a,22bに静電吸着用
電圧5と併せて印加し、プラズマを発生させ、これによ
り例えばプラズマエッチングに必要なプラズマイオンが
ウエハ1に投入される。この後、所定のプロセスが終了
したら、スイッチ4を端子イの位置に戻し、モータ27
を駆動させて、プッシャ25を上昇させる。ここでウエ
ハ1が離脱できない場合は、それをセンサ(図示省略)
で検知し前述したような図2のタイムチャートによる勾
配逆電圧の印加により、ウエハ1のスムーズな離脱が可
能となる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、静電吸
着装置から試料を離脱する場合に従来より指摘されてい
た逆極性電圧の設定の仕方の困難性や逆極性電圧制御の
複雑化を解消し、しかも、試料たる半導体ウエハの裏面
(静電吸着側)に絶縁膜を形成した場合に生じる空間電
荷分極(除電化に時間を有する性質の空間電荷分極)に
も対処して、試料の種類や吸着時間が変化しても、容易
且つスムーズの試料の離脱を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す静電吸着装置の構成
図。
【図2】上記実施例の動作を示すタイムチャート。
【図3】図2のタイムチャートによる一連の動作時にお
ける,ウエハ18,そのウエハ18の全周に形成した絶
縁膜17,誘電体2,電極3の帯電状態を示す模式図。
【図4】本発明の他の実施例を示す静電吸着装置の構成
図。
【図5】従来の静電吸着装置の概略図。
【符号の説明】
1…ウエハ(試料)、2…誘電体、3…電極、4…電源
切替スイッチ、5…静電吸着用直流電源(直流電圧)、
6…逆極性電源(除電用直流可変電源;直流電圧)、7
…コントローラ(逆極性電圧印加制御手段)、8…ベー
スパレット、9…押し付けばね、10…接地用導電性ピ
ン、11…リニアガイド、12…ウエハ押し上げピン、
13…押しばね、14…エアシリンダ、15…ストッ
パ、16…位置センサ、17…絶縁膜、18…シリコン
ウエハ、19…双極子分極、20…空間電荷分極、21
…誘電分極、22…同心円上電極、23…スイッチ、2
4…高周波電源、25…プッシャ(押し上げピン)、2
6…ラック&ピニオン、27…トルクリミッタ付きモー
タ、28…逆電圧もしくは減衰交番電圧発生回路。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】所定のプロセス完了後に、上記の静電吸着
用電源5と電極3との間をスイッチ開放してウエハ離脱
を行うが、誘電体2や、ウエハ1の裏面に絶縁膜が形成
されている場合にはこの絶縁膜にも電荷が残留し、この
残留電荷が残留静電吸着力として作用するので、静電吸
着用の印加電圧を0Vにしただけでは吸着面からウエハ
1を容易に離脱することはできない(この詳細は、実施
の形態の説明で図3用いて後述してある)。この状態
で無理に引き剥がそうとすると、ウエハに過大な応力が
働き、素子破損につながる可能性がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】しかしながら、上記のような除電用の電圧
回路28は、逆極性電圧や減衰交番電圧の掛け方を実験
から一義的に求め、その後はこの逆極性電圧を固定して
或いは減衰交番電圧を1パターンの態様で使用するため
に、ウエハの種類によってウエハ裏面の絶縁膜の厚さや
静電吸着時間などが変わると残留電荷量も変化するとい
った事態に対処できず、残留電荷を充分に除電できない
ことがある。また、上記のような逆極性電圧を印加する
ことによって前記残留吸着力は一端小さくなるが、その
後も逆極性電圧を印加すると絶縁膜や誘電体には逆極性
の電荷がかえって帯電するために静電吸着力が再び大き
くなるといった事態が生じる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】以上のようなことの対処策としては、例え
ば、特開平3−270841号公報に記載されるよう
に、静電チャックにおける吸着物を離脱させるために、
静電チャック表面の残留電荷により生じる電界を測定
し、この測定結果をもとに電圧制御器が最適な逆電圧
(静電吸着に用いる電圧と逆極性の電圧)の掛け方(電
圧,波形,印加時間)を調整して吸着物を剥離しようと
する技術が提案されている。この制御方法は、予め実験
的に静電チャックの残留電荷を種々想定して最適逆電圧
パターンといったものを求めておかなければならず、制
御態様が複雑になる傾向がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】この方法においても、試料(半導体ウエ
ハ)の裏面にも絶縁膜が形成されている試料を被吸着物
とした場合は、この試料裏面の絶縁膜には、静電吸着用
電圧印加時に時間の経過と共に空間電荷分極が生じるこ
とがあり(空間電荷分極の詳細は実施の形態の項で図3
を用いて説明する)、この空間電荷分極消滅させるに
比較的時間がかかる。この空間電荷分極が試料受け側
(試料ホルダ側)の誘電体(上記例では静電吸着用電極
に形成した絶縁膜)に誘電分極を発生させ、静電吸着力
を維持させる原因となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明では、特に、ウエハ離脱の際は、前
述のように前記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電
圧を時間の経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させ
ながら(すわち時間の経過に伴い0Vに近づくよう電
圧の制御を行いながら)静電チャックの電極(試料1・
電極3間、あるいは第1,第2の電極22a,22b
間)に印加し、その印加中にウエハ押し上げ力をかけて
おくことによって、種々のウエハ態様によって一律でな
い静電吸着後の帯電(残留電荷による残留静電吸着力)
であっても、スムーズに被吸着物(試料)の離脱を行い
得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】一つは、図1の符号を引用すると、試料
受け面を有する誘電体2と、前記誘電体に載る試料1に
対しこの誘電体2を介在させて対向するよう誘電体2側
に設けた電極3とを備え、この誘電体2側に設けた電極
3と前記試料1との間に静電吸着用の直流電圧5(直流
電圧の電源5と同じ符号を引用する)を印加して、前記
試料1を前記誘電体2上に静電吸着させる静電吸着装置
において、前記静電吸着用の電圧5の印加を停止した後
に前記試料1を前記誘電体から離脱させる機構として、
前記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧6(逆極
性の直流電圧の電源6と同じ符号を引用する)を時間の
経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させながら前記
試料1と前記誘電体2側に設けた電極3との間に印加す
る逆極性電圧印加制御手段7と、記逆極性電圧6の印
加中に前記試料1を前記誘電体の吸着面から離脱する方
向へ押し上げる試料押し上げ手段(図1で符号11〜1
5で示す要素)と、を備えて成ることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】もう一つは、図4の符号を引用して説明
すると、試料1を静電吸着するための誘電体2に同心円
上の第1,第2の電極22a,22bが配置され、この
第1,第2の電極間に、切替スイッチ4を介して静電吸
着用の直流電圧5と、該静電吸着用の直流電圧と逆極性
の直流電圧6が切替可能に印加されるように設定してあ
り、且つ、前記静電吸着用の電圧印加を停止した後に前
記試料1を前記誘電体2から離脱させる機構として、前
記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧6を時間の
経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させながら前記
第1,第2の電極22a,22b間に印加する逆極性電
圧印加制御手段7と、記逆極性電圧6の印加中に前記
試料1を前記誘電体2の吸着面から離脱する方向へ押し
上げる試料押し上げ手段(25〜27)と、を備えて成
ることを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】この場合は、エアシリンダ14の上昇時停
止位置が規定の位置までとどかず、位置センサ16が押
し上げピン12の位置を検出できないことになる。この
状態をコントローラ7が判別し、スイッチ4を(ハ)に
切り替えて、静電吸着と逆極性の逆極性電源6により、
時間の経過とともに次第に0に近づくように変化する逆
極性電圧をウエハ1・電極3間に印加する。この場合、
接地電位は正の電位にある。この逆極性電圧の印加中に
は、ウエハ1には、押し上げピン12を介して誘電体2
の吸着面から離脱する方向へ押し上げ力が作用するよう
に設定してある。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】図3の(a)は、図2に示す静電吸着時の
帯電状態で、直流電源5によって電極3とシリコンウエ
ハ18間に電場Eが形成されている。誘電体2と絶縁膜
17には双極子分極19が生じ、また時間の経過に伴い
絶縁膜17には空間電荷分極20が発生する。この状態
から静電吸着電圧をスイッチ開放により0Vにすると、
図3(b)に示すようにシリコンウエハ18・電極3間
の電場が消え、双極子分極19も瞬時に消滅する。しか
し空間電荷分極20は消滅するのに時間がかかるため、
この電荷が誘電体2に誘電分極21を発生させ、吸着力
が維持されることになる。ここで、図2のハ以降の状態
である図3(c)に示すように電極3に逆極性電源6に
より逆極性電圧を印加し、その絶対値を徐々に0Vに近
づけるように制御すると、ある電圧において双極子分極
19の吸着力と空間電荷分極20の反発力が相殺し、わ
ずかな力でウエハ18を離脱させることが可能となる。
この時点で押し上げピン12を介して押し上げ力がウエ
ハ18(ウエハ1)に働くようにしてあるので、スムー
ズにウエハ1を誘電体2から離脱させることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】本実施例によれば、特に、ウエハの絶縁膜
17に消滅に時間を要する空間電荷分極20が生じて
も、また、その空間電荷分極20の発生量が、ウエハ裏
面に形成した絶縁膜17の種々の厚みや静電吸着時間の
異なりで様々であっても、上記のような逆極性電圧6を
0電位に近づくように勾配をつけて変化させることで、
常に双極子分極19の吸着力と空間電荷分極20の反発
力が相殺しあう点を容易に見出し、この時点でウエハに
対して押し上げ力を与えるので、複雑な電圧印加制御を
行うことなく容易かつスムーズにウエハ離脱操作を実現
させることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】本例においても、コントローラ7は、図2
に示すようなシーケンス、すなわち電極22a,22b
への静電吸着直流電圧5の印加、静電吸着電圧の印加停
止後の押し上げピン(図4では押し上げ用の円板25a
を上端に備えたピン25により構成される)の駆動制
御、押し上げピン25によってウエハ1が離脱しない場
合に電極22a,22bに逆極性電源6により逆極性電
を0に近づくよう勾配制御しながら印加し且つ押し上
げピン25の押し上げ動作を併用する動作モードを実行
する。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】一つは、図1の符号を引用すると、試料
受け面を有する誘電体2と、前記誘電体に載る試料1に
対しこの誘電体2を介在させて対向するよう誘電体2側
に設けた電極3とを備え、この誘電体2側に設けた電極
3と前記試料1との間に静電吸着用の直流電圧5(直流
電圧の電源5と同じ符号を引用する)を印加して、前記
試料1を前記誘電体2上に静電吸着させる静電吸着装置
において、前記静電吸着用の電圧5の印加を停止した後
に前記試料1を前記誘電体から離脱させる機構として、
前記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧6(逆極
性の直流電圧の電源6と同じ符号を引用する)を時間の
経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させながら前記
試料1と前記誘電体2側に設けた電極3との間に印加す
る逆極性電圧印加制御手段7と、前記逆極性電圧6
している間は前記試料1前記誘電体の吸着面から離
脱する方向へ押し上げ力を加え続ける試料押し上げ手段
(図1で符号11〜15で示す要素)と、を備えて成る
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】もう一つは、図4の符号を引用して説明
すると、試料1を静電吸着するための誘電体2に同心円
上の第1,第2の電極22a,22bが配置され、この
第1,第2の電極間に、切替スイッチ4を介して静電吸
着用の直流電圧5と、該静電吸着用の直流電圧と逆極性
の直流電圧6が切替可能に印加されるように設定してあ
り、且つ、前記静電吸着用の電圧印加を停止した後に前
記試料1を前記誘電体2から離脱させる機構として、前
記静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧6を時間の
経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させながら前記
第1,第2の電極22a,22b間に印加する逆極性電
圧印加制御手段7と、前記逆極性電圧6印加している
間は前記試料1前記誘電体2の吸着面から離脱する方
向へ押し上げる力を加え続ける試料押し上げ手段(25
〜27)と、を備えて成ることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】図2は上記一連の動作を示すタイムチャー
トである。図2に示すように、ウエハ1の静電吸着を+
500Vの電圧印加で行った場合、ウエハ1の離脱に要する
極性電圧として始めに絶対値が等しい‐500Vを印加
し、その後、時間の経過と共に20〜50V/secの傾き(電
圧減小勾配)で0Vに近づける。この逆極性電圧を印加し
ている間は、ウエハ1、押し上げピン12を介してウ
エハ裏面から100g程度の押し上げ力を加え続けておく。
すると、−100〜0Vの近辺でウエハが誘電体2から無理
なく離脱する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福嶋 芳雅 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料受け面を有する誘電体と、前記誘電
    体に載る試料に対しこの誘電体を介在させて対向するよ
    う誘電体側に設けた電極とを備え、この誘電体側に設け
    た電極と前記試料との間に静電吸着用の直流電圧を印加
    して、前記試料を前記誘電体上に静電吸着させる静電吸
    着装置において、 前記静電吸着用の電圧印加を停止した後に前記試料を前
    記誘電体から離脱させる機構として、前記静電吸着用の
    直流電圧と逆極性の直流電圧を時間の経過に伴い絶対値
    が小さくなるよう変化させながら前記試料と前記誘電体
    側に設けた電極との間に印加する逆極性電圧印加制御手
    段と、少なくとも前記逆極性電圧の印加中に前記試料を
    前記誘電体の吸着面から離脱する方向へ押し上げる試料
    押し上げ手段と、を備えて成ることを特徴とする静電吸
    着装置。
  2. 【請求項2】 試料を静電吸着するための誘電体に同心
    円上の第1,第2の電極が配置され、この第1,第2の
    電極間に、切替スイッチを介して静電吸着用の直流電圧
    と、該静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧が切替
    可能に印加されるように設定してあり、 且つ、前記静電吸着用の電圧印加を停止した後に前記試
    料を前記誘電体から離脱させる機構として、前記静電吸
    着用の直流電圧と逆極性の直流電圧を時間の経過に伴い
    絶対値が小さくなるよう変化させながら前記第1,第2
    の電極間に印加する逆極性電圧印加制御手段と、少なく
    とも前記逆極性電圧の印加中に前記試料を前記誘電体の
    吸着面から離脱する方向へ押し上げる試料押し上げ手段
    と、を備えて成ることを特徴とする静電吸着装置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の電極のうち前記静電吸
    着用の直流電圧を印加する時に負極性となる側の電極に
    は、開閉スイッチを介してプラズマ処理用の高周波電源
    が接続され、且つこの高周波電源が接続される側の電極
    と前記静電吸着用の直流電圧の負極側とが高インダクタ
    ンスコイルを介して接続されている請求項2記載の静電
    吸着装置。
  4. 【請求項4】 前記試料押し上げ手段と前記逆極性電圧
    印加制御手段の動作シーケンスとして、前記静電吸着用
    の電圧印加の停止後に、最初に前記試料押し上げ手段に
    より前記試料を前記誘電体の吸着面から離脱する方向へ
    押し上げる動作を実行させ、この押し上げ動作で前記試
    料の離脱が行われない場合には、前記試料押し上げ手段
    による前記試料の押し上げ動作を行わせながら、前記逆
    極性電圧印加制御手段による前記逆極性電圧印加の電圧
    制御を実行させるように設定されている請求項1または
    請求項2または請求項3記載の静電吸着装置。
  5. 【請求項5】 静電吸着装置によって静電吸着された試
    料を前記静電吸着装置から離脱させる被吸着物離脱方法
    であって、静電吸着用の電圧印加を停止した後に、前記
    試料に静電吸着面から離脱する方向へ押し上げ力を加え
    ながら、静電吸着用の直流電圧と逆極性の直流電圧を時
    間の経過に伴い絶対値が小さくなるよう変化させて前記
    静電吸着装置の電極に印加することを特徴とする被吸着
    物離脱方法。
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