JP2001053134A - 静電吸着ステージ及び基板処理装置 - Google Patents

静電吸着ステージ及び基板処理装置

Info

Publication number
JP2001053134A
JP2001053134A JP11226948A JP22694899A JP2001053134A JP 2001053134 A JP2001053134 A JP 2001053134A JP 11226948 A JP11226948 A JP 11226948A JP 22694899 A JP22694899 A JP 22694899A JP 2001053134 A JP2001053134 A JP 2001053134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrostatic attraction
substrate
electrostatic
preload
electric field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11226948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4490524B2 (ja
Inventor
Hiroshi Tanaka
洋 田中
Kiyoshi Nashimoto
清 梨本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP22694899A priority Critical patent/JP4490524B2/ja
Publication of JP2001053134A publication Critical patent/JP2001053134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4490524B2 publication Critical patent/JP4490524B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物を静電吸着ステージから脱離させる際
に対象物の跳びはね、破損、剥離帯電、位置ずれ等の問
題を発生させないようにする。 【解決手段】 誘電体ブロック12内の一対の吸着電極
131,132に吸着電源141,142によって互い
に極性の異なる直流電圧を印加して静電吸着面10に静
電気を誘起して板状の対象物9を静電吸着する。対象物
9を脱離機構15で静電吸着面10から脱離させる際に
は、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力であって残留
吸着力より小さい予圧を対象物9に与え、吸着電源14
1,142をオフにした後、静電吸着の際とは逆極性の
電圧を一対の吸着電極131,132に印加して誘電体
ブロック12に逆電界を設定する。逆電界設定によって
誘電体ブロック2内の残留電荷が急速に緩和され、残留
電荷がゼロになる直前で予圧によって対象物9は静電吸
着面10から離間し、対象物9に作用する残留吸着力は
ゼロになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、板状の対象物
を静電吸着する静電吸着ステージに関するものであり、
また、このような静電吸着ステージによって対象物とし
ての基板を保持して基板の表面に所定の処理を施す基板
処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】対象物を静電気により吸着する静電吸着
の技術は、半導体ウェーハや液晶基板等の基板(製品の
基になる板状物の総称)を処理する装置において多用さ
れている。例えば、基板の表面に所定の薄膜を作成する
スパッタリング装置やプラズマ化学蒸着(CVD)装
置、プラズマの作用を利用して基板の表面を所定のパタ
ーンでエッチングするプラズマエッチング装置等の基板
処理装置では、基板を静電吸着ステージに静電吸着して
処理を行っている。
【0003】静電吸着ステージは、表面が対象物を静電
吸着する面になっている誘電体ブロックと、誘電体ブロ
ック内に埋設された吸着電極と、吸着電極に静電吸着用
の電圧を印加する吸着電源とから主に構成されている。
通常、一対又は複数対の吸着電極が設けられており、吸
着電源は、対を成す吸着電極に対して直流電圧を与え
る。この結果、誘電体ブロックの表面に静電気が誘起さ
れ、対象物が静電吸着される。
【0004】上述したような基板処理装置は、真空中で
又は所定の雰囲気中で基板を処理するため、多くの場
合、気密な処理容器内に上記静電吸着ステージを備えて
いる。そして、搬送ロボットによって処理容器内に基板
を搬送し、静電吸着ステージに載置して静電吸着してい
る。そして、処理終了後は、基板を静電吸着ステージか
ら受け取って処理容器から搬出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の静電吸着ス
テージにおいて、対象物を静電吸着ステージから取り去
る際には、吸着電源の動作を停止させ、吸着電極への電
圧印加を解消した状態とする。しかしながら、電圧印加
解消後も誘電体ブロックの電荷はすぐには解消せず、静
電吸着面には多くの電荷が残留している。このため、対
象物を静電吸着面から脱離させようとしても、残留電荷
による静電吸着力(以下、残留吸着力)のために対象物
が脱離しないことがある。また、無理矢理対象物を脱離
させようとすると、対象物が跳びはねたり、最悪の場合
には対象物が破損してしまうことがある。
【0006】また、静電吸着面に残留電荷がある状態で
対象物を脱離させると、剥離帯電と同じメカニズムで対
象物の裏面が帯電してしまう問題がある。対象物が製品
の基になる基板である場合、裏面が帯電すると、そこに
多くの塵埃が吸い寄せられ、吸い寄せられた塵埃が基板
の表面側に周り込む結果、基板の表面を汚損する恐れが
ある。このような基板の汚損は、製品不良の原因となる
場合がある。
【0007】さらに、対象物としての基板を搬送ロボッ
トで自動搬送する基板処理装置等において、残留吸着力
より静電吸着されている基板を無理矢理脱離させようと
すると、反動で基板の位置ずれが生じる。この結果、搬
送ロボットに基板を受け渡すことができなくなる事故が
発生する恐れもある。
【0008】このような問題を避ける方法として、吸着
電極への電圧印加解消後、残留電荷が自然消滅する時間
をおいてから対象物を脱離させる方法が考えられる。し
かしながら、自然消滅するまでには30秒〜60秒程度
の時間を要し、脱離終了までに長時間を要する欠点があ
る。特に、静電吸着ステージが基板処理装置のような生
産設備に使用される場合、スループットの悪化等の生産
性低下の原因になる。
【0009】また、別の方法として、一対の吸着電極に
対して静電吸着の際とは互いに逆極性の電圧を印加して
残留電荷を早急に解消させる方法も考えられる。即ち、
一対の吸着電極のうち、静電吸着の際には、一方の吸着
電極に正電圧を、他方の吸着電極には負電圧を印加す
る。そして、脱離の際には、一方の吸着電極に負電圧
を、他方の吸着電極には正電圧を印加する。誘電ブロッ
クには逆電界が設定されるため、残留電荷が短時間に解
消するメリットがある。
【0010】しかしながら、上記方法も、次のような欠
点がある。まず、脱離の際に逆電界を設定した場合、逆
電界設定によって残留電荷は減少し、あるタイミングで
ゼロになるものの、それ以上に逆電界設定を続けると、
今度は逆方向に誘電体ブロックが充電されてしまい、静
電吸着面には逆極性の電荷が発生してしまう。従って、
この方法を実現するには、残留電荷が丁度ゼロになるタ
イミングで逆電界設定を停止させる必要がある。しかし
ながら、この残留電荷がゼロになっている時間の幅は非
常に短く、このタイミングで精度良く逆電界設定を停止
させるのは困難である。
【0011】また、上記方法を実現するには、残留電荷
がゼロになるまでの時間を予め実験的に求めておき、そ
のタイミングで逆電界設定を停止させるシーケンスを採
用することになる。しかしながら、残留電荷がゼロにな
るまでの時間は色々な要因によって変化するため、残留
電荷ゼロの状態で逆電界設定を停止させるのは実際には
難しい。例えば、残留電荷がゼロになるまでの時間は、
誘電体ブロックの体積抵抗に大きく影響されるが、この
体積抵抗は温度により変化する。基板処理装置における
静電吸着ステージは、処理中に基板が所定の温度になる
ように加熱又は冷却されて温度制御されていることが多
く、その温度は処理の種類によって異なる。従って、残
留電荷がゼロになるまでの時間も処理の種類によって異
なることになる。残留電荷がゼロになるまでの時間を、
処理の種類に応じた静電吸着ステージの各温度に従って
予め求めておくことは困難かつ面倒である。
【0012】また、誘電体ブロックの体積抵抗は、その
製造上の理由からばらつくことが避けられない。従っ
て、残留電荷がゼロになるまでの時間は、使用する静電
吸着ステージにより少しずつ変化してしまう。また、基
板処理装置では、残留電荷がゼロになるまでの時間は、
基板の表面状態によっても変わってしまう。例えば、基
板が単なるシリコンウェーハ(ベアシリコン)の場合
と、シリコンウェーハの表面に酸化シリコン等の絶縁膜
が形成されている場合とでは、残留電荷がゼロになるま
での時間は微妙に変わってしまう。
【0013】さらに、対象物としての基板を搬送ロボッ
トにより自動搬送する基板処理装置等では、静電吸着ス
テージと搬送ロボットとの間の基板の受け渡しは、静電
吸着ステージに設けた複数の昇降ピンにより行われるこ
とが多い。この場合、異板への昇降ピンの当接箇所は複
数になるが、上記方法において残留電荷が消滅するタイ
ミングはそれら複数の当接箇所において同時になること
は殆どない。従って、ある箇所で残留電荷がゼロになっ
たタイミングを捉えて基板を脱離させても、他の箇所で
はまだ残留電荷があり、その箇所では昇降ピンが無理矢
理基板を脱離させることになる。この結果、基板の跳び
はね、破損、剥離帯電、位置ずれ等が生ずる恐れがあ
る。
【0014】本願の発明は、このような課題を解決する
ためになされたものであり、対象物を静電吸着ステージ
から脱離させる際に対象物の跳びはね、破損、剥離帯
電、位置ずれ等の問題を発生させないという技術的意義
を有する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、表面が静電吸着面で
ある誘電体ブロックと、誘電体ブロック内に設けられた
吸着電極とから成り、吸着電極に所定の電圧を印加して
誘電体ブロックに静電吸着用の電界を設定することで静
電吸着面に静電気を誘起して板状の対象物を静電吸着す
る吸着電源と、対象物を静電吸着面から脱離させる脱離
機構とを備えた静電吸着ステージであって、前記脱離機
構による対象物の脱離のために前記静電吸着用の電界を
解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の
電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機構と、静
電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物の脱離の前
に予め対象物に与える予圧機構とが設けられており、予
圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与えられる
際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいという構成
を有する。また、上記課題を解決するため、請求項2記
載の発明は、上記請求項1の構成において、前記静電吸
着面が水平な面であってその上に前記対象物が静電吸着
されるようになっており、前記予圧の大きさは、前記対
象物の自重による圧力より大きいという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明
は、上記請求項1又は2の構成において、前記逆向きの
電界により残留電荷が減少して静電吸着力が前記予圧よ
りも小さくなることで前記対象物が前記静電吸着面から
離間した際の前記静電吸着面と前記対象物との距離は、
0.1mm〜1.0mmであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、
基板の表面に所定の処理を施す基板処理装置であって、
内部でその所定の処理が行われる処理容器と、処理容器
内の所定の位置に基板を静電吸着して保持する静電吸着
ステージとを備えており、静電吸着ステージは、表面が
静電吸着面である誘電体ブロックと、誘電体ブロック内
に設けられた吸着電極とから成るとともに、吸着電極に
所定の電圧を印加して誘電体ブロックに静電吸着用の電
界を設定することで静電吸着面に静電気を誘起して基板
を静電吸着する吸着電源と、基板を静電吸着面から脱離
させる脱離機構とを備えており、前記脱離機構による基
板の脱離のために前記静電吸着用の電界を解消させた後
に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の電界とは逆向
きの電界を設定する逆電界設定機構と、静電吸着力とは
逆向きの機械的な圧力を基板の脱離の前に予め対象物に
与える予圧機構とが設けられており、予圧機構が与える
予圧の大きさは、その予圧が与えられる際の残留電荷に
よる静電吸着力よりも小さいという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、
上記請求項4の構成において、前記静電吸着面が水平な
面であってその上に前記基板が静電吸着されるようにな
っており、前記予圧の大きさは、前記基板の自重による
圧力より大きいという構成を有する。また、上記課題を
解決するため、請求項6記載の発明は、上記請求項4又
は5の構成において、前記逆向きの電界により残留電荷
が減少して静電吸着力が前記予圧よりも小さくなること
で前記基板が前記静電吸着面から離間した際の前記静電
吸着面と前記基板との距離は、0.1mm〜1.0mm
であるという構成を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、静電吸着ステージの発明の実施形
態について説明する。図1及び図2は静電吸着ステージ
の発明の実施形態の概略を示す図であり、図1は正面断
面図、図2は平面図である。図1及び図2に示す静電吸
着ステージは、金属製のステージ本体11と、表面が静
電吸着面10である誘電体ブロック12と、誘電体ブロ
ック12内に設けられた吸着電極131,132とから
主に構成されている。
【0017】誘電体ブロック12は、アルミナ等の誘電
体製である。本実施形態では、二極方式の構成が採用さ
れており、従って吸着電極131,132は一対のもの
である。一対の吸着電極131,132は図2に示すよ
うに半円板状であり、静電吸着面10と平行な面に沿っ
て設けられている。
【0018】また、静電吸着ステージは、吸着電極13
1,132に所定の電圧を印加して誘電体ブロック12
に静電吸着用の電界を設定する吸着電源141,142
を備えている。吸着電源141,142は二つ設けられ
ており、一対の吸着電極131,132に極性が互いに
異なり大きさが同じである直流電圧を印加するようにな
っている。尚、ステージ本体11はアースされている。
二つの吸着電源141,142が動作すると、一対の吸
着電極131,132の間には静電吸着用の電界として
直流電界が設定され、この電界によって静電吸着面10
に静電気が誘起されて対象物9が静電吸着されるように
なっている。
【0019】静電吸着のメカニズムとしては、二つのも
のが知られている。一つは、クーロン力によるものであ
り、もう一つはジョンソンラーベク力によるものであ
る。ジョンソンラーベク力は、微小な領域に電流が集中
することにより生ずる吸着力である。即ち、静電吸着面
10や対象物9の裏面は、微視的には小さな凹凸があ
り、対象物9が静電吸着面10に載置された際には、こ
れらの凹凸が接触している。吸着電源141,142が
動作して静電吸着面10に静電気が誘起されると、これ
らの微小な凹凸の接触箇所に電流が集中して流れ、この
結果、ジョンソンラーベク力による吸着力が生ずる。本
実施形態のような静電吸着ステージは、クーロン力より
もジョンソンラーベク力の方が支配的であり、主にジョ
ンソンラーベク力により静電吸着が成される。
【0020】また、静電吸着ステージは、対象物9を静
電吸着面10から脱離させる脱離機構15を備えてい
る。脱離機構15は、主に静電吸着ステージ内で昇降す
る複数の昇降ピン151と、複数の昇降ピン151を一
体に保持したピン保持板152と、ピン保持板152を
駆動して複数の昇降ピン151を一体に昇降させるピン
駆動部153等から構成されている。図1及び図2に示
すように、静電吸着ステージには、上下方向に長いピン
用通路16が形成されている。昇降ピン151はこのピ
ン用通路16内に位置して昇降するようになっている。
尚、図2に示すように、ピン用通路16は三つ設けられ
ており、それらの位置は静電吸着ステージの中心と同心
である正三角形の頂点の位置となっている。そして、そ
れらピン用通路16の各々に昇降ピン151が設けられ
ており、従って三つの昇降ピン151が設けられてい
る。
【0021】ピン保持板152は、水平な姿勢で設けら
れており、各昇降ピン151の下端を固定して保持して
いる。ピン駆動部153には、サーボモータとボールね
じを組み合わせた機構が採用されている。サーボモータ
を動作させると、ピン保持板152は不図示の回転規制
部によって回転しないようになっているので、ボールね
じによって回転運動が上下運動に変換されてピン保持板
152が上下に移動する。この結果、各昇降ピン151
が同時に昇降するようになっている。サーボモータとし
ては位置制御用の高精度のものが好適であり、昇降ピン
151を上下方向の任意の位置で停止させられるように
することが好ましい。
【0022】上述した構成の静電吸着ステージに対象物
9を静電吸着させる場合、ピン駆動部153によって各
昇降ピン151を所定の上限位置に位置させる。この上
限位置では、各昇降ピン151は静電吸着面10から突
出している。この状態で、各昇降ピン151の上に対象
物9を載せ、ピン駆動部153を動作させて各昇降ピン
151を下限位置まで下降させる。下限位置では、各昇
降ピン151の先端は静電吸着面10よりも下方に位置
する状態となる。従って、各昇降ピン151が上限位置
から下降位置まで下降する際、対象物9は静電吸着面1
0の上に載る。この状態で、上述したように一対の吸着
電源141,142を動作させると、対象物9は静電吸
着面10に静電吸着される。
【0023】対象物9を静電吸着面10から脱離させる
際には、上記とは逆の動作になる。即ち、ピン駆動部1
53を動作させて各昇降ピン151を下限位置から上限
位置まで上昇させる。この上昇の際、各昇降ピン151
は対象物9を静電吸着面10から持ち上げるよう動作す
る。そして、各昇降ピン151が上限位置に達すると、
対象物9も上限位置に位置することになる。これによ
り、対象物9の脱離動作が終了する。
【0024】また、本実施形態の静電吸着ステージは、
上記対象物9の脱離の際に残留電荷を少なくするため、
逆電界設定機構17を備えている。逆電界設定機構17
は、誘電体ブロック12に静電吸着用の電界とは逆向き
の電界を設定するものである。本実施形態では、静電吸
着用の電界を設定する一対の吸着電源141,142を
逆電界設定機構17に兼用している。即ち、逆電界設定
機構17は、一対の吸着電源141,142の吸着電極
131,132に対する接続を逆にするスイッチ回路1
71と、スイッチ回路171を駆動するスイッチ駆動部
172とから主に構成されている。
【0025】スイッチ回路171は、OPアンプIC等
の半導体素子を利用した回路又はリレー等が使用され
る。スイッチ駆動部172は、対象物9の静電吸着の際
には、例えば、正電圧印加の吸着電源(以下、正電源)
141を一方の吸着電極131に接続し、負電圧印加の
吸着電源(以下、負電源)142を他方の吸着電極13
2に接続するようスイッチ回路171を駆動する。そし
て、対象物9の脱離の際には、正電源141を他方の吸
着電極132に接続し、負電源142を一方の吸着電極
131に接続するようスイッチ回路171を駆動する。
これにより、誘電体ブロック12には静電吸着時とは逆
向きの電界が設定されるようになっている。
【0026】本実施形態の静電吸着ステージの大きな特
徴点は、対象物9の脱離の際、所定の機械的な圧力を対
象物9に与える予圧機構が設けられている点である。以
下、この点を詳説する。予圧機構は、対象物9を静電吸
着ステージから脱離させる際、静電吸着面10の残留電
荷による残留吸着力よりも大きさが小さくて静電吸着力
とは逆向きの機械的な圧力を脱離の前に予め対象物9に
与えるものである。本実施形態では、構造を簡略化する
ため、脱離機構15を兼用して予圧機構としている。
【0027】図3は、図1の静電吸着ステージに設けら
れた予圧機構について説明する図であり、図1に示す昇
降ピン151の断面構造を示す概略図である。図3に示
すように、昇降ピン151は上端側が中空状である。そ
して、この中空の部分には、コイルスプリング181
と、コイルスプリング181の上端に固定された可動ヘ
ッド182とが設けられている。コイルスプリング18
1の下端は、昇降ピン151の非中空部分に固定されて
いる。図2に示すように本実施形態では三つの昇降ピン
151が設けられているが、それぞれ同じ構成のコイル
スプリング181及び可動ヘッド182が設けられてい
る。
【0028】コイルスプリング181が自由長の状態に
あるとき、可動ヘッド182は昇降ピン151の上端開
口から少し突出した状態になる。前述したように脱離機
構15が動作して昇降ピン151が上昇すると、可動ヘ
ッド182が対象物9の裏面に当接する。そしてさらに
昇降ピン151が上昇すると、対象物9は残留吸着力に
よって静電吸着面10に吸着されているために可動ヘッ
ド182がコイルスプリング181をその弾性に逆らっ
て縮めるよう作用する。昇降ピン151が適当な上昇位
置で停止すると、残留吸着力よりも大きさが小さくて残
留吸着力とは逆向きの圧力がコイルスプリング181の
弾性によって対象物9に与えられることになる。以下、
この上昇位置を本実施形態の説明において「予圧位置」
と呼ぶ。
【0029】次に、上記構成に係る本実施形態の静電吸
着ステージの動作について、図4を使用してさらに詳し
く説明する。図4は、図1から図3に示す実施形態の静
電吸着ステージの動作について説明するタイミングチャ
ートである。図4中、(1)は吸着電極131への印加
電圧を、(2)は吸着電極132への印加電圧を、
(3)は可動ヘッド182の位置を、(4)は予圧の印
加状況を、(5)は誘電体ブロック12の残留電荷を、
(6)は対象物9に作用する静電吸着力についてそれぞ
れ時系列的に示している。
【0030】まず、対象物9を静電吸着する場合には、
前述した通り対象物9を静電吸着ステージの静電吸着面
10の上に載せ、一対の吸着電源141,142を動作
させる。これによって対象物9が静電吸着面10に静電
吸着される。対象物9を静電吸着面10から脱離させる
動作は、以下の手順で行う。まず、時刻t0 にて、一対
の吸着電源141,142の動作を停止させる。この結
果、一対の吸着電極131,132への印加電圧は0V
ということになる。この際、一対の吸着電極131,1
32は接地電位ではあるものの、誘電体ブロック12に
はまだ残留電荷が多く存在しており、対象物9は残留吸
着力によって静電吸着面10に吸着されている。
【0031】そして、時刻t1 において脱離機構15の
ピン駆動部153を動作させ、昇降ピン151が下限位
置から予圧位置に位置するよう昇降ピン151を上昇さ
せる。この結果、前述したように、対象物9が残留吸着
力によって吸着されつつもそれとは逆向きの機械的な圧
力が対象物9に与えられた状態となる。その後、スイッ
チ駆動部172がスイッチ回路171を駆動させ、一対
の吸着電極131,132に対する一対の吸着電源14
1,142の接続状態を互いに逆にする。そして、時刻
2 において一対の吸着電源141,142に動作を再
開させる。この結果、一対の吸着電極131,132を
介して誘電体ブロック12に静電吸着用の電界とは逆向
きの電界が設定される。この逆向きの電界によって、誘
電体ブロック12の残留電荷は、図4(5)に示すよう
に急速に緩和されて減少する。
【0032】逆電界の印加が続くと、時刻t4 において
残留電荷がやがてゼロになる。この時刻t4 を過ぎる
と、誘電体ブロック12が逆極性に充電されて図4
(5)に示すように逆極性の電荷が生ずるようになる。
しかしながら、本実施形態の静電吸着ステージにおいて
重要な点は、対象物9に残留吸着力とは逆向きの予圧が
与えられているので、残留電荷がゼロになった時点では
予圧によって対象物9が静電吸着面10から離間し、逆
極性の電荷によっては静電吸着されない点である。この
点について、図4に加え図5を使用して説明する。図5
は、対象物9の脱離の際の予圧機構の動作について説明
する図である。
【0033】図5(1)に示すように、対象物9に予圧
が印加されている状態では、予圧機構のコイルスプリン
グ181はその弾性に逆らって圧縮されている状態であ
る。上述したように、誘電体ブロック12の残留電荷の
減少に伴い、対象物9に作用する残留吸着力も急速に減
少する。そして、時刻t4 の前のt3 においては、残留
吸着力と予圧とが等しくなる。この時刻t3 又はこの時
刻t3 を過ぎたとたんに、図5(2)に示すように、昇
降ピン151内のコイルスプリング181の弾性により
対象物9が少し持ち上がって静電吸着面10から離間す
る。
【0034】対象物9が静電吸着面10から離間する
と、誘電体ブロック12と対象物9との間に電流は流れ
なくなるので、ジョンソンラーベク力による静電吸着力
はゼロになる。前述したように本実施形態のような静電
吸着ステージではジョンソンラーベク力による静電吸着
力が支配的であるから、対象物9が静電吸着面10から
離間することにより、対象物9に作用する静電吸着力は
激減する。このため、対象物9に作用する力は殆どコイ
ルスプリング181の弾性のみになる。コイルスプリン
グ181はその自由状態に近い長さになるまでに伸張
し、対象物9はその分だけ上昇する。そして、対象物9
の自重とコイルスプリング181の弾性と釣り合いが取
れた位置(以下、離間位置)で対象物9の上昇が停止す
る。
【0035】尚、対象物9が静電吸着面10から離間し
てもクーロン力による静電吸着力は対象物9に作用して
いる。しかしながら、周知のようにクーロン力は距離の
二乗に反比例して小さくなる。本実施形態においては、
上記離間位置の静電吸着面10からの距離(図5中dで
示す)が充分長くなるようコイルスプリング181の弾
性力が設定されており、離間位置において対象物9に作
用するクーロン力は無視できる程度に小さい。
【0036】また、対象物9が静電吸着面10から離間
するタイミングは、各昇降ピン151において同じにな
るとは限らない。これは、静電吸着面10の残留吸着力
は完全に均一な度合いで減少するとは限らないからであ
る。即ち、三つの昇降ピン151において、まず一つの
昇降ピン151が当接している箇所で最初に離間が生
じ、次に、別の一つの昇降ピン151が当接している箇
所で離間が生じ、最後に、残りの一つの昇降ピン151
が当接している箇所で離間が生ずる場合もある。いずれ
にしても、充分な時間の経過後には、三つの昇降ピン1
51の当接箇所すべてで離間が生じ、対象物9は静電吸
着面10から完全に離間する。
【0037】このようにして、対象物9が静電吸着面1
0から離間して離間位置まで上昇し、対象物9に作用す
る残留吸着力が解消されると、離脱機構が最終的な離脱
動作を行う。即ち、ピン駆動部153が動作して、各昇
降ピン151を所定の上限位置まで上昇させる。この結
果、対象物9も上限位置まで上昇する。この位置で、人
の手によって又はロボット等の自動的な機構によって対
象物9は静電吸着ステージから取り去られる。
【0038】上記動作の説明から解るように、本実施形
態の静電吸着ステージによれば、静電吸着面10に残留
吸着力が無いか又はあっても影響を受けない状態で対象
物9が静電吸着面10から脱離するので、対象物9の跳
びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題が生じな
い。また、対象物9に機械的な予圧をかけた状態で逆電
界を設定して残留電荷を緩和するので、残留電荷がゼロ
になる直前に予圧によって対象物9が静電吸着面10か
ら自動的に離間する。従って、誘電体ブロック12が逆
極性に誘電分極され始めても、対象物9にはこの逆極性
の誘電分極による残留吸着力は作用しない。このため、
残留電荷が丁度ゼロになるタイミングで逆電界設定を停
止させる必要はなく、本実施形態の構成の実用性は極め
て高い。即ち、誘電体ブロック12の体積抵抗等の静電
的な条件に応じて逆電界の印加時間を調節する必要はな
い。図4に示すように、時刻t4 経過後に、任意の時刻
5 に一対の吸着電源141,142の動作を停止させ
ればよい。時刻t4 は、誘電体ブロック12の体積抵抗
等の条件により異なるから、予想される(t4 −t0
の時間のうち最も長い時間に対して充分長くなるように
時刻t5 を設定すればよい。
【0039】上述した本実施形態の構成において、予圧
機構が与える予圧の大きさは重要なパラメータである。
予圧を印加する際、その印加の瞬間における残留吸着力
よりも大きな予圧を印加してしまうと、予圧の印加と同
時に対象物9が残留吸着力に逆らって静電吸着面10か
ら離間する結果となる。これでは、対象物9を無理矢理
脱離させているのと同じになり、前述したように対象物
9の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題を生
ずる恐れがある。
【0040】また、対象物9の自重がコイルスプリング
181を圧縮する圧力よりも予圧が小さくなってしまう
と、残留吸着力がゼロになった時点で対象物9が静電吸
着面10から離間しない事態となってしまう。これで
は、逆極性の誘電分極による静電吸着力が引き続き作用
する結果となり、残留吸着力の無い状態で対象物9を脱
離させることが不可能になってしまう。従って、本実施
形態の構成では、予圧は対象物9の自重による圧力より
大きくすることが好ましい。
【0041】本実施形態では、静電吸着面10が水平に
沿った面であり、その上に対象物9が静電吸着された
が、静電吸着面10が垂直な面であり、対象物9が垂直
に立った状態で静電吸着される場合もある。また、水平
な静電吸着面10が静電吸着ステージの下面に相当して
おり、下側で対象物9を静電吸着する場合もある。この
ように静電吸着面10が側面や下面に設定されている場
合、対象物9の自重の影響は無いので、対象物9の自重
よりも小さな予圧でも構わない場合がある。尚、このよ
うに静電吸着面10が側面や下面に設定されている場
合、静電吸着面10から離間した対象物9が落下しない
よう保持する保持具を別途設けることが好ましい。
【0042】尚、予圧によって対象物9が静電吸着面1
0から離間した際の静電吸着面10と対象物9との距離
(以下、離間距離)は、前述したように、クーロン力が
実質的に無視できる程度とされる。この距離は、0.1
mm程度以上である。離間距離を長くすることはクーロ
ン力の影響を小さくすることから好ましいが、あまり長
くすると、コイルスプリング181の弾性を強くするこ
とになり、離間の際に対象物9が大きく飛び跳ねてしま
う問題が生ずる。このため、離間距離は1.0mm程度
以下にすることが好ましい。
【0043】次に、基板処理装置の発明の実施形態につ
いて説明する。基板処理装置の実施形態は、上述した実
施形態とほぼ同じ構成の静電吸着ステージを備え、対象
物としての基板を静電吸着ステージに静電吸着して保持
しながら基板の表面に所定の処理を施す装置である。こ
のような基板処理装置としては各種のものがあるが、以
下の説明では、一例としてスパッタリング装置を採り上
げる。図6は、基板処理装置の発明の実施形態であるス
パッタリング装置を示した正面断面概略図である。図6
に示す装置は、内部で基板90に対してスパッタリング
処理が行われる処理容器2と、処理容器2内の所定位置
に基板90を静電吸着して保持する静電吸着ステージ1
とを備えている。
【0044】処理容器2は、排気系21を備えた気密な
真空容器である。排気系21は、処理容器2内を10-9
Torr程度の到達圧力まで排気できるよう構成され
る。処理容器2は、不図示のゲートバルブを介して不図
示の予備真空容器に気密に接続されている。
【0045】静電吸着ステージ1は、図1〜図3に示す
実施形態と同様に、ステージ本体11と誘電体ブロック
12とから成る。そして、誘電体ブロック12内に一対
の吸着電極131,132が埋設されており、この一対
の吸着電極131,132に極性が互いに異なる直流電
圧を印加する一対の吸着電源141,142が設けられ
ている。本実施形態においても、静電吸着ステージ1
は、逆電界設定機構17を備えている。逆電界設定機構
17は、図1〜図3に示す実施形態と同様に、スイッチ
回路171と、スイッチ回路171を駆動するスイッチ
駆動部172とから成る構成である。
【0046】また、静電吸着ステージ1は、同様に脱離
機構15及び予圧機構を備えている。これらの構成は、
図1〜図3に示すものとは多少異なる。脱離機構15
は、静電吸着ステージ1内に設けられた複数の支持ピン
154と、静電吸着ステージ1全体を上下に駆動して昇
降させるステージ駆動部3とから主に構成されている。
本実施形態における支持ピン154では、図1から図3
に示す実施形態における昇降ピン151と同様に、正三
角形の頂点の位置に三つ設けられている。そして、図1
から図3に示す実施形態における昇降ピン151と同様
に、コイルスプリングと可動ヘッド(ともに図6中不図
示)が設けられている。
【0047】また、図6に示すように、静電吸着ステー
ジ1の下面中央にはステージ支柱31の上端が固定され
ている。ステージ支柱31の下端は、水平なベース板3
2に固定されている。処理容器2の底板部には、静電吸
着ステージ1の断面よりも少し小さい開口が設けられて
いる。ステージ支柱31はこの開口に層通されている。
そして、ベース板32は処理容器2の下方に位置し、ベ
ース板32の周縁と処理容器2の開口の縁と気密につな
ぐようにしてベローズ33が設けられている。ステージ
駆動部3は、サーボモータ34と、サーボモータ34に
接続されたボールねじ35と、ベース板32に固定され
ているとともにボールねじ35に噛み合った状態で設け
られた接続ポート36とから主に構成されている。サー
ボモータ34が駆動されると、ボールねじ35の回転に
より接続ポート36を介してベース板32が昇降する。
この結果、静電吸着ステージ1もベース板32と一体に
昇降するようになっている。
【0048】脱離機構15の動作について、図7を使用
して説明する。図7は、図6に示す装置における静電吸
着ステージ1の脱離機構15の動作について説明する図
である。本実施形態の装置では、基板90は、不図示の
搬送ロボットにより処理容器2内に搬送され、処理終了
後には、不図示の搬送ロボットにより処理容器2から搬
出されるようになっている。上述した静電吸着ステージ
1の脱離機構15は、搬送ロボットから静電吸着ステー
ジ1への、また、静電吸着ステージ1から搬送ロボット
への基板90の受け渡しのための機構にも兼用されてい
る。
【0049】基板90が処理容器2内に搬入されていな
い状態では、ステージ駆動部3は、静電吸着ステージ1
を所定の下限位置に位置させている。この状態では、支
持ピン154の先端は静電吸着ステージ1の上面(静電
吸着面10)から突出している。この状態で、図7
(1)に示すように、搬送ロボットがアーム4によって
基板90を支持しながら不図示のゲートバルブを通って
処理容器2内に進入した後に下降し、基板90を支持ピ
ン154の上に載せる。搬送ロボットがアーム4を少し
下降させた後に後退させ、処理容器2内から退出させ
る。不図示のゲートバルブが閉じるとともに、ステージ
駆動部3が動作し、図7(2)に示すように、静電吸着
ステージ1を所定の上限位置まで上昇させる。この結
果、静電吸着ステージ1の静電吸着面10の上に基板9
0が載る。支持ピン154の先端は、基板90の裏面か
ら離れた状態となる。この状態で、吸着電源141,1
42が動作し、前述した実施形態の場合と同様に基板9
0が静電吸着される。
【0050】次に、処理終了後に基板90を処理容器2
から搬出する場合には、ステージ駆動部3は静電吸着ス
テージ1を上限位置から下限位置まで下降させる。この
結果、基板90が静電吸着ステージ1の静電吸着面10
から脱離し、図7(1)に示すのと同様に支持ピン15
4の上に基板90が載った状態となる。この状態でゲー
トバルブが開いて搬送ロボットのアーム4が処理容器2
内に進入して基板90の下方に位置する。そして、アー
ム4が所定距離上昇して基板90を受け取り、処理容器
2から退出する。
【0051】本実施形態における予圧機構は、上述した
各支持ピン154内のコイルスプリングと、ステージ駆
動部3のサーボモータ34を制御する制御部19等から
構成されている。制御部19は、上記基板90の脱離動
作の際、上限位置から下限位置に一気に下降させるので
はなく、各支持ピン154内のコイルスプリングにより
基板90に予圧が与えられる位置に静電吸着ステージ1
を一時的に停止させるようになっている。本実施形態の
説明では、この位置を「予圧位置」と呼ぶ。この予圧機
構の動作について、図8を使用して以下具体的に説明す
る。図8は、図6に示す基板処理装置の実施形態におけ
る予圧機構の動作について説明する図である。
【0052】前述した脱離動作の際、ステージ駆動部3
は、前述したように静電吸着ステージ1を上限位置から
下降させる。静電吸着ステージ1が下降すると、基板9
0の裏面と各支持ピン154の上端との距離が徐々に小
さくなり、やがて、各支持ピン154内のコイルスプリ
ング155の上端に設けられた可動ヘッド156に基板
90の裏面が接触する(図8(1))。
【0053】ステージ駆動部3は、静電吸着ステージ1
を図8(1)に示す状態からさらに短い所定の距離だけ
下降させる(図8(2))。この下降により、基板90
の裏面は可動ヘッド156を下方に押し下げるため、コ
イルスプリング155の弾性により基板90を上方に押
し上げる力が基板90に対して与えられる。この際に基
板90に与えられる力は、基板90に作用している残留
吸着力よりも大きさが小さく静電吸着力とは逆向きの力
であり、本実施形態における予圧である。予圧の大きさ
は、図8(1)の状態から図8(2)の状態にする際の
静電吸着ステージ1の下降距離D及びコイルスプリング
155のバネ定数によって決まるが、予圧が残留吸着力
より大きくならないよう、これらのパラメータが選定さ
れる。
【0054】本実施形態においても、上述した予圧の印
加により、誘電体ブロック12の体積抵抗等を考慮する
ことなく、残留電荷がほぼゼロになるタイミングで確実
に基板90の脱離を行うことができる。この点につい
て、図9を使用して説明する。図9は、図6から図8に
示す実施形態の装置における静電吸着ステージ1からの
基板90の脱離動作について説明するタイミングチャー
トである。図9中、(1)は吸着電極131への印加電
圧を、(2)は吸着電極132への印加電圧を、(3)
は静電吸着ステージ1の位置を、(4)は予圧の印加状
況を、(5)は誘電体ブロック12の残留電荷を、
(6)は基板90に作用する静電吸着力についてそれぞ
れ時系列的に示している。
【0055】処理終了後、基板90を静電吸着ステージ
1から脱離させるために、時刻t0において、一対の吸
着電源141,142の動作を停止させる。この結果、
一対の吸着電極131,132への印加電圧は0Vにな
るものの、誘電体ブロック12の残留電荷により基板9
0は静電吸着面10に吸着されている。そして、時刻t
1 においてステージ駆動部3が動作し、静電吸着ステー
ジ1を上限位置から予圧位置に下降させる。この結果、
前述した予圧が対象物9に与えられた状態となる。
【0056】その後、スイッチ駆動部172がスイッチ
回路171を駆動させ、一対の吸着電極131,132
に対する一対の吸着電源141,142の接続状態を互
いに逆にし、時刻t2 において一対の吸着電源141,
142が動作を再開する。この結果、一対の吸着電極1
31,132を介して誘電体ブロック12に逆電界が設
定される。これによって、誘電体ブロック12の残留電
荷は、図9(5)に示すように急速に緩和されて減少す
る。
【0057】そして、逆電界の印加が続き、時刻t4
おいて残留電荷がやがてゼロになり、時刻t4 を過ぎる
と、誘電体ブロック12が逆極性に充電されて図9
(5)に示すように逆極性の電荷が生ずるようになる。
この際、時刻t4 より僅かに前のt3 において、残留吸
着力と予圧とが等しくなり、この時刻t3 又はこの時刻
3 を過ぎたとたんに、支持ピン154内のコイルスプ
リング181の弾性により対象物9が少し持ち上がって
静電吸着面10から離間する。この結果、ジョンソンラ
ーベク力の解消により静電吸着力は激減する。そして、
基板90は、コイルスプリング155の弾性と基板90
の自重とが釣り合う高さまで持ち上がり、この状態では
残留電荷によるクーロン力は無視できるほど小さい。そ
の後、ステージ駆動部3が静電吸着ステージ1をさらに
下降させ、当初の下限位置に位置させる。これによっ
て、基板90の脱離動作が完了する。
【0058】上記説明から解るように、本実施形態にお
いても、静電吸着面10に残留吸着力が無いか又はあっ
ても影響を受けない状態で基板90が静電吸着面10か
ら脱離するので、基板90の跳びはね、破損、位置ず
れ、剥離帯電等の問題が生じない。また、予圧機構によ
って予圧が与えられているため、残留電荷がゼロになる
直前で基板90が静電吸着面10から自動的に離間して
静電吸着力が解消される。従って、誘電体ブロック12
の体積抵抗等の条件を考慮する必要はなく、極めて実用
性が高い。
【0059】次に、本実施形態の装置の他の構成につい
て説明する。本実施形態の装置は、上述した他、図6に
示すように、処理容器2内に所定のプロセスガスを導入
するガス導入系5と、処理容器2内に被スパッタ面が露
出するよう設けられたターゲット6と、ターゲット6に
所定の電圧を印加してスパッタ放電を生じさせるスパッ
タ電源7と、ターゲット6の背後に設けられた磁石機構
8とを備えている。
【0060】ターゲット6は、絶縁材61を介してスパ
ッタチャンバー1に気密に取り付けられている。ターゲ
ット6の材質は、基板90の表面に作成する薄膜の材質
により決まる。スパッタ電源7には、負の直流電源又は
高周波電源が使用される。高周波電源が使用される場
合、ターゲット6とスパッタ電源7との間に所定のキャ
パシタンスが設けられ、ターゲット6に自己バイアス電
圧を与えてターゲット6をスパッタする。
【0061】磁石機構8は、放電の効率のよいマグネト
ロンスパッタを行うために備えられている。具体的に
は、磁石機構8は、中心磁石81と、中心磁石81を周
状に取り囲む周辺磁石82と、中心磁石81及び周辺磁
石82を繋ぐ円盤状のヨーク83とから構成されてい
る。
【0062】ガス導入系5は、所定のプロセスガスを溜
めた不図示ボンベと処理容器2とをつなぐ配管に設けら
れたバルブ51や不図示の流量調整器とから主に構成さ
れている。プロセスガスとしては、アルゴンや窒素等の
ガスが使用される。
【0063】本実施形態の装置の全体の動作について、
以下に説明する。排気系21によって処理容器2が不図
示の予備真空容器と同程度の真空圧力まで排気されてい
る状態で、不図示のゲートバルブを通して基板90を不
図示の搬送ロボットにより不図示の予備真空容器から処
理容器2内に搬入し、静電吸着ステージ1に載置して静
電吸着させる。そして、ゲートバルブを閉じた後、ガス
導入系5によって所定のプロセスガスを所定の流量で処
理容器2内に導入し、この状態でスパッタ電源7を動作
させる。この結果、スパッタ放電が生じてプラズマPが
形成される。スパッタ放電によりターゲット6がスパッ
タされ、基板90の表面に所定の薄膜が作成される。
【0064】薄膜が所定の厚さに達するまでスパッタを
続けた後、スパッタ電源7及びガス導入系5の動作を止
める。その後、排気系21によって処理容器2内を再度
排気した後、前述したように基板90を静電吸着ステー
ジ1から脱離させ、不図示の搬送ロボットにより処理容
器2から不図示の予備真空容器に搬出する。これで一枚
の基板90に対する一連の処理が終了する。このような
動作を繰り返して、成膜処理を各基板90に対して行
う。
【0065】上述したように、本実施形態の装置は、図
1から図3に示す静電吸着ステージ1とは多少異なる構
成のものを使用したが、全く同じ構成の静電吸着ステー
ジ1を使用することも勿論可能である。また、本実施形
態では、基板処理装置の一例としてスパッタリング装置
を採り上げたが、CVD装置やエッチング装置等の他の
基板処理装置についても同様に実施できることはいうま
でもない。
【0066】尚、上述したような処理容器2内にプラズ
マを形成して処理する装置では、プラズマと高周波との
相互作用により生ずる自己バイアス電圧により静電吸着
を行う構成も採用し得る。この場合には、一対の吸着電
極131,132に同様に高周波電圧を印加するか、又
は、吸着電極131,132を一つにしてこれに高周波
電圧を印加するようにする。プラズマ中のイオン及び電
子は高周波によって周期的に静電吸着ステージ1に引き
つけられるが、イオンと電子の移動度の違いから電子が
多く引きつけられ、その違いを相殺するようにして静電
吸着ステージ1の表面は高周波電圧に負の直流分の電圧
を重畳したような電位変化となる。この負の直流分の電
圧が自己バイアス電圧である。この自己バイアス電圧の
みによっても基板90の静電吸着は可能であるが、さら
に吸着電極131,132に正の直流電圧を重畳させる
と、より強い誘電分極を生じるため静電吸着力が高くな
る。
【0067】また、本実施形態では、基板90としては
半導体ウェーハが想定されているが、液晶ディスプレイ
を製作する際の液晶基板やプリント回路を製作する際の
プリント基板等についても同様に実施できる。
【0068】
【実施例】次に、上記基板処理装置の実施形態の実施例
について説明する。基板90が直径200mm程度のシ
リコン半導体ウェーハの場合、静電吸着ステージ1への
静電吸着は、一対の吸着電源141,142によって一
対の吸着電極131,132に±300V程度の電圧を
印加することにより行える。
【0069】このように静電吸着した基板90を静電吸
着ステージ1から脱離させる場合、一対の吸着電源14
1,142の出力をゼロにした後、1〜3秒程度この状
態を保持する。そして、前述した予圧機構により10g
f/cm2 程度の予圧を基板90に印加する。そして、
スイッチ回路171を動作させて極性を切り替え、±5
00V程度の電圧を印加して誘電体ブロック12に逆電
界を設定する。この状態を5秒程度維持した後、脱離機
構15を最終的に動作させ、基板90を静電吸着ステー
ジ1から脱離する。この脱離動作までには、残留電荷が
ゼロになるタイミングで基板90は静電吸着面10から
自動的に離間しており、基板90の跳びはね、破損、位
置ずれ、剥離帯電等は生じない。
【0070】残留電荷がゼロになるタイミングは、前述
したように、基板90の種類や表面の構成、誘電体ブロ
ック12の体積抵抗のバラツキ等により変化するが、上
記条件による場合、予圧印加状態で逆電界を設定する時
間を5秒程度に設定すれば、殆どすべての場合において
自動的に基板90が静電吸着面10から離間する。尚、
与えるべき予圧の大きさは、前述した通り脱離の際の残
留吸着力によって変わる。そして、残留吸着力は基板9
0を静電吸着する際の電圧によって変わる。上述したよ
うな基板処理装置の場合、静電吸着用の電圧は500V
〜1000V程度である。この場合、予圧の大きさは1
0gf/cm2 〜30gf/cm2程度であることが好
ましい。10gf/cm2 より小さいと、基板90が静
電吸着面10からうまく離間しない恐れがある。また、
30gf/cm2 より大きいと、離間の際に基板90の
跳びはねが生ずる恐れがある。
【0071】上述した各実施形態及び実施例において、
吸着電極131,132は一対のものであったが、二
対、三対、又はそれ以上であってもよい。また、誘電体
ブロック12外の電極との間で電界を設定する構成であ
れば、吸着電極は一つであってもよい。脱離機構15の
構成としては、前述したような昇降ピン151又は支持
ピン154を使用するものの他、複数のフック状の部材
を対象物9の周縁部分に引っ掛けて対象物9を脱離させ
る構成でもよい。さらに、脱離機構15が予圧機構に兼
用されていない構成も考えられる。例えば、脱離機構1
5とは別に前述したような昇降ピンを設けて予圧機構と
してもよい。また、複数のフック状の部材を対象物9の
周縁部分に引っ掛けて対象物9を静電吸着面10から引
き離す力を予圧として与える構成でもよい。
【0072】本願の発明における予圧は、静電吸着力と
は逆向きの力であるが、完全に逆向きの力でなくともよ
い。静電吸着面から対象物9又は基板90を離間させる
方向の力であればよく、静電吸着面に対して斜めに作用
する力の場合もある。尚、本願における静電吸着ステー
ジの発明は、前述したような基板処理装置の他、基板の
表面を検査する装置等に使用することが可能である。
【0073】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の発明によれば、静電吸着面に残留吸着力が無いか又は
あっても影響を受けない状態で対象物が静電吸着面から
脱離するので、対象物の跳びはね、破損、位置ずれ、剥
離帯電等の問題が生じない。また、対象物に機械的な予
圧をかけた状態で逆電界を設定して残留電荷を緩和する
ので、残留電荷がゼロになる直前に予圧によって対象物
が静電吸着面から自動的に離間する。従って、誘電体ブ
ロックが逆極性に誘電分極され始めても、対象物にはこ
の逆極性の誘電分極による残留吸着力は作用しない。こ
のため、残留電荷が丁度ゼロになるタイミングで逆電界
設定を停止させる必要はなく、極めて実用性の高い静電
吸着ステージが提供される。また、請求項2記載の発明
によれば、上記請求項1の効果に加え、予圧が対象物の
自重による圧力より大きいので、残留電荷がゼロになっ
た場合でも対象物の自重により対象物が静電吸着面から
離間しないという問題は生じない。また、請求項3記載
の発明によれば、上記請求項1又は2の効果に加え、対
象物と静電吸着面との離間距離が0.1mm〜1.0m
mであるので、対象物がクーロン力等により静電吸着面
から離間しないという問題や、対象物が急激に離間して
跳びはねるといった問題は生じない。また、本願の請求
項4記載の発明によれば、基板処理装置において上記請
求項1の発明の効果と同様の効果を得ることができ、基
板の跳びはね、破損による歩留まりの低下、位置ずれに
よる基板搬送エラーの事故、剥離帯電による基板の汚損
等の問題が生じない実用的な装置が提供される。また、
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4の効果に加
え、基板処理装置において上記請求項2と同様の効果を
得ることができる。また、請求項6記載の発明によれ
ば、上記請求項4又は5の効果に加え、基板処理装置に
おいて上記請求項3と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電吸着ステージの発明の実施形態の概略を示
す正面断面図である。
【図2】静電吸着ステージの発明の実施形態の概略を示
す平面図である。
【図3】図1の静電吸着ステージに設けられた予圧機構
について説明する図であり、図1に示す昇降ピン151
の断面構造を示す概略図である。
【図4】図1から図3に示す実施形態の静電吸着ステー
ジの動作について説明するタイミングチャートである。
【図5】対象物9の脱離の際の予圧機構の動作について
説明する図である。
【図6】基板処理装置の発明の実施形態であるスパッタ
リング装置を示した正面断面概略図である。
【図7】図7は、図6に示す装置における静電吸着ステ
ージ1の脱離機構15の動作について説明する図であ
る。
【図8】図6に示す基板処理装置の実施形態における予
圧機構の動作について説明する図である。
【図9】図6から図8に示す実施形態の装置における静
電吸着ステージ1からの基板90の脱離動作について説
明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 静電吸着ステージ 11 ステージ本体 12 誘電体ブロック 131 吸着電極 132 吸着電極 141 吸着電源 142 吸着電源 15 脱離機構 151 昇降ピン 152 ピン保持板 153 ピン駆動部 154 支持ピン 155 コイルスプリング 156 可動ヘッド 17 逆電界設定機構 171 スイッチ回路 172 スイッチ駆動部 181 コイルスプリング 182 可動ヘッド 2 処理容器 3 ステージ駆動部 4 アーム 5 ガス導入系 6 ターゲット 7 スパッタ電源 8 磁石機構 9 対象物 90 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 JA05 4K030 GA02 5F004 AA16 BA13 BB22 BC06 CA02 CA03 CA08 5F031 CA02 HA16 HA19 HA33 LA12 MA28 MA29 MA32 PA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が静電吸着面である誘電体ブロック
    と、誘電体ブロック内に設けられた吸着電極とから成
    り、吸着電極に所定の電圧を印加して誘電体ブロックに
    静電吸着用の電界を設定することで静電吸着面に静電気
    を誘起して板状の対象物を静電吸着する吸着電源と、対
    象物を静電吸着面から脱離させる脱離機構とを備えた静
    電吸着ステージであって、 前記脱離機構による対象物の脱離のために前記静電吸着
    用の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静
    電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定
    機構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物
    の脱離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられ
    ており、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が
    与えられる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さい
    ことを特徴とする静電吸着ステージ。
  2. 【請求項2】 前記静電吸着面が水平な面であってその
    上に前記対象物が静電吸着されるようになっており、前
    記予圧の大きさは、前記対象物の自重による圧力より大
    きいことを特徴とする請求項1記載の静電吸着ステー
    ジ。
  3. 【請求項3】 前記逆向きの電界により残留電荷が減少
    して静電吸着力が前記予圧よりも小さくなることで前記
    対象物が前記静電吸着面から離間した際の前記静電吸着
    面と前記対象物との距離は、0.1mm〜1.0mmで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の静電吸着ス
    テージ。
  4. 【請求項4】 基板の表面に所定の処理を施す基板処理
    装置であって、内部でその所定の処理が行われる処理容
    器と、処理容器内の所定の位置に基板を静電吸着して保
    持する静電吸着ステージとを備えており、 静電吸着ステージは、表面が静電吸着面である誘電体ブ
    ロックと、誘電体ブロック内に設けられた吸着電極とか
    ら成るとともに、吸着電極に所定の電圧を印加して誘電
    体ブロックに静電吸着用の電界を設定することで静電吸
    着面に静電気を誘起して基板を静電吸着する吸着電源
    と、基板を静電吸着面から脱離させる脱離機構とを備え
    ており、 前記脱離機構による基板の脱離のために前記静電吸着用
    の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電
    吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機
    構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を基板の脱
    離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられてお
    り、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与え
    られる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいこと
    を特徴とする基板処理装置。
  5. 【請求項5】 前記静電吸着面が水平な面であってその
    上に前記基板が静電吸着されるようになっており、前記
    予圧の大きさは、前記基板の自重による圧力より大きい
    ことを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
  6. 【請求項6】 前記逆向きの電界により残留電荷が減少
    して静電吸着力が前記予圧よりも小さくなることで前記
    基板が前記静電吸着面から離間した際の前記静電吸着面
    と前記基板との距離は、0.1mm〜1.0mmである
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の基板処理装置。
JP22694899A 1999-08-10 1999-08-10 静電吸着ステージ及び基板処理装置 Expired - Fee Related JP4490524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22694899A JP4490524B2 (ja) 1999-08-10 1999-08-10 静電吸着ステージ及び基板処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22694899A JP4490524B2 (ja) 1999-08-10 1999-08-10 静電吸着ステージ及び基板処理装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009030633A Division JP2009164620A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 スパッタリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001053134A true JP2001053134A (ja) 2001-02-23
JP4490524B2 JP4490524B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=16853134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22694899A Expired - Fee Related JP4490524B2 (ja) 1999-08-10 1999-08-10 静電吸着ステージ及び基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4490524B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077765A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Sharp Kabushiki Kaisha ステージ装置及びプラズマ処理装置
JP2007277702A (ja) * 2006-03-16 2007-10-25 Tokyo Electron Ltd 基板載置台および基板処理装置
JP2008231558A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置
WO2013054776A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 株式会社アルバック 真空処理装置
JP2018181866A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 日本特殊陶業株式会社 保持装置の製造方法
CN111566797A (zh) * 2018-01-09 2020-08-21 瓦里安半导体设备公司 用于晶片处理的升降销系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01310553A (ja) * 1988-06-09 1989-12-14 Fuji Electric Co Ltd 半導体ウエハ処理装置
JPH06252253A (ja) * 1993-02-26 1994-09-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 静電チャック
JPH09148419A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Nec Corp 静電チャック
JPH1154604A (ja) * 1997-08-08 1999-02-26 Sony Corp ウエハステージからのウエハ脱着方法
JPH1169855A (ja) * 1997-08-20 1999-03-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 静電チャックにおける被吸着物の離脱方法及び静電チャック
JPH11297803A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Hitachi Ltd 静電吸着装置および被吸着物離脱方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01310553A (ja) * 1988-06-09 1989-12-14 Fuji Electric Co Ltd 半導体ウエハ処理装置
JPH06252253A (ja) * 1993-02-26 1994-09-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 静電チャック
JPH09148419A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Nec Corp 静電チャック
JPH1154604A (ja) * 1997-08-08 1999-02-26 Sony Corp ウエハステージからのウエハ脱着方法
JPH1169855A (ja) * 1997-08-20 1999-03-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 静電チャックにおける被吸着物の離脱方法及び静電チャック
JPH11297803A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Hitachi Ltd 静電吸着装置および被吸着物離脱方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077765A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Sharp Kabushiki Kaisha ステージ装置及びプラズマ処理装置
JP4919971B2 (ja) * 2005-12-28 2012-04-18 シャープ株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置を用いて製造された表示パネル用基板
JP2007277702A (ja) * 2006-03-16 2007-10-25 Tokyo Electron Ltd 基板載置台および基板処理装置
JP2008231558A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置
WO2013054776A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 株式会社アルバック 真空処理装置
JPWO2013054776A1 (ja) * 2011-10-13 2015-03-30 株式会社アルバック 真空処理装置
JP2018181866A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 日本特殊陶業株式会社 保持装置の製造方法
CN111566797A (zh) * 2018-01-09 2020-08-21 瓦里安半导体设备公司 用于晶片处理的升降销系统
JP2021510010A (ja) * 2018-01-09 2021-04-08 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド ウエハ操作のためのリフトピンシステム
CN111566797B (zh) * 2018-01-09 2023-11-21 瓦里安半导体设备公司 用于晶片处理的升降销系统及升降销总成

Also Published As

Publication number Publication date
JP4490524B2 (ja) 2010-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6305677B1 (en) Perimeter wafer lifting
US7375946B2 (en) Method and apparatus for dechucking a substrate
WO2010038487A1 (ja) ウェハ接合装置およびウェハ接合方法
US7782591B2 (en) Methods of and apparatus for reducing amounts of particles on a wafer during wafer de-chucking
JP2004014868A (ja) 静電チャック及び処理装置
US6238160B1 (en) Method for transporting and electrostatically chucking a semiconductor wafer or the like
JP2009054746A (ja) 静電チャック及び静電チャック方法
JPH09120988A (ja) プラズマ処理方法
JP2001053134A (ja) 静電吸着ステージ及び基板処理装置
JPH04253356A (ja) プッシャーピン付き静電チャック
JP2009164620A (ja) スパッタリング装置
JPH11297803A (ja) 静電吸着装置および被吸着物離脱方法
JPH11330217A (ja) 静電チャックプレート表面からの基板離脱方法
JP2002280438A (ja) 真空処理方法
JP4064557B2 (ja) 真空処理装置の基板取り外し制御方法
US8709218B2 (en) Vacuum processing apparatus, vacuum processing method, and electronic device manufacturing method
JP3976546B2 (ja) 薄膜形成装置
JP4416911B2 (ja) 真空処理方法
JP2004040046A (ja) 処理装置及び静電チャックの脱離方法
JP2001257252A (ja) 真空処理装置の基板取り外し制御方法及び真空処理装置
JPH11145266A (ja) 静電吸着装置および静電吸着方法、ならびにそれを用いた基板搬送装置および基板搬送方法
JP4746167B2 (ja) 基板搬出入方法
TWI706907B (zh) 搬送裝置
JP2550787B2 (ja) 半導体装置の製造装置
JP4073657B2 (ja) 処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100402

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4490524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140409

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees