JPH11330217A - 静電チャックプレート表面からの基板離脱方法 - Google Patents

静電チャックプレート表面からの基板離脱方法

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JPH11330217A
JPH11330217A JP12799898A JP12799898A JPH11330217A JP H11330217 A JPH11330217 A JP H11330217A JP 12799898 A JP12799898 A JP 12799898A JP 12799898 A JP12799898 A JP 12799898A JP H11330217 A JPH11330217 A JP H11330217A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板を静電チャックプレート上からスムーズに
離脱させることができる技術を提供する。 【解決手段】静電チャックプレート2内の正負の電極8
1、82に静電吸着時とは逆極性の電圧を印加した後、リ
フトアップ時に各電極81、82に流れる電流から、各電
極81、82に残留する電荷量を個別に測定し、残留電荷
量が等しくなる逆電圧の印加量を求め、基板3に印加す
る。静電吸着力の片寄りがなくなるので、基板3の振動
や脱落が無くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板を静電チャッ
クプレート上に固定する(チャック)する技術にかかり、
特に静電吸着解除後、静電チャックプレート表面から基
板を離脱させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、薄膜形成やプラズマエッチン
グ等を行う真空処理装置では、その真空槽内に静電チャ
ックプレートを配置し、静電チャックプレート表面に基
板を静電吸着し、静電チャックプレート内のヒータや冷
却装置で基板の温度制御を行いながら真空雰囲気内で処
理している。
【0003】図4(a)の符号102は模式的に示した静
電チャックプレートであり、その表面には、ガラス基板
や半導体ウェハ等から成る基板103が配置されてい
る。
【0004】静電チャックプレート102内にはリフト
ピン104が挿通されており、基板103を真空雰囲気
に置き、静電チャックプレート2内の電極に電圧を印加
し、静電吸着力によって静電チャックプレート102表
面に基板を密着させながらプロセス処理を行い、次い
で、静電吸着を解除した後、リフトピン104を上方に
移動させ、基板103を静電チャックプレート102上
から離脱させるようになっている。
【0005】図4(b)の符号113は、リフトピン10
4上に正常に乗せられた基板を示しており、その状態
で、リフトピン104間に基板搬送ロボットのアームを
挿入し、リフトピン104を降下させると、基板113
をアーム上に移し替えることができる。このような静電
チャックプレート102を用いれば、真空雰囲気内で基
板を静電吸着できるので、複雑な基板保持機構や密着機
構が不要となっている。
【0006】しかしながら、電極への電圧印加を停止
し、静電吸着を解除しても、静電チャックプレート10
2と基板103の間に蓄積された電荷は完全には消滅せ
ず、電荷が残留してしまう。その残留電荷により、基板
103と静電チャックプレート102間に静電吸着力が
残留し、基板103を静電チャックプレート102上か
ら離脱させる際に、基板が振動したり、基板が位置ずれ
を起こす等の問題がある。
【0007】図4(c)の符号123は、リフトピン10
4で静電チャックプレート102上から持ち上げられる
際に、残留吸着力の影響で跳ね上がり、リフトピン10
4上から脱落してしまった基板を示している。また、図
4(d)の符号133は、残留吸着力によってリフトピン
104上で振動し、位置ずれを起こした基板を示してい
る。
【0008】上記のような脱落や位置ずれを防止するた
めに、静電吸着を解除した後、静電チャックプレート1
02内の電極に、静電吸着時とは逆極性の電圧を印加
し、残留電荷を低減させる方法が考えられる。
【0009】本発明の発明者等は、静電チャックプレー
ト102表面から基板103を離脱させる際に、残留電
荷に起因する静電誘導電流パルス、及びその時間積分値
から、残留電荷量とその極性を知る方法を提案した(特
願平10−66132、66133)。
【0010】しかし、静電チャックプレートが双極方式
を採用している場合、その内部の2枚の電極間に正負の
電圧を印加して基板を静電吸着するため、プロセス処理
の終了後、静電吸着を解除すると、正電圧を印加してい
た電極上の静電チャックプレートと基板間の残留電荷量
と、負電圧を印加していた電極上の残留電荷量とが異な
ることを見出した。
【0011】例えば、プロセス処理がスパッタやエッチ
ング等であり、基板上にプラズマを生成して処理する場
合には、基板がマイナスに帯電するため、プロセス処理
中では正電圧を印加している電極上での静電吸着力が強
くなる。その結果、正負両電極の上での残留電荷量にも
差が生じてしまい、正負の電極に、同じ印加量の逆電圧
を印加しても、両電極上での残留電荷量の減少量にも差
が生じてしまうことがあった。
【0012】例えば逆バイアスの印加により、正電極上
の残留電荷量は消滅したが、負電極上には残留電荷があ
った場合、負電極上ではその残留電荷による静電吸着力
が生じており、そのため、基板を離脱させようとする
と、正電極上では抵抗なく基板が離脱するのに対し、負
電極上では残留電荷によりウエハーが吸着されており、
そのため、基板が引っかかったように傾いて上がる、い
わゆる片上がりの状態となってしまう。その結果、基板
がリフトピン上で振動してしまい、極端な場合にはリフ
トピンから脱落してしまうことになる。
【0013】さらに悪い場合としては、リフトピンある
いはロボットアームなどで、強い力を加えて基板を離脱
させようとしているため、基板が破損してしまうことが
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するために創作されたものであり、正電極の残留電
荷と負電極の残留電荷の間に差がある場合であっても、
基板を静電チャックプレートからスムーズに離脱させる
ことができる技術を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、静
電チャックプレートが正負一対の電極を有している場合
に、静電吸着時とは逆極性の電圧(逆電圧)を印加して
も、離脱させる際に基板が振動したり、静電チャックプ
レート上から飛び上がる原因は、正負電極間の残留電荷
量の片寄りにあると考え、その片寄りを小さくしたとこ
ろ、静電チャックプレート上から基板がスムーズに離脱
することを見出した。
【0016】本発明は、上記知見に基づいて創作された
ものであり、請求項1記載の発明は、誘電体内に一対の
電極が配置された双極型静電チャックプレート上に基板
を配置し、前記一対の電極に正負の電圧を印加して前記
基板を静電吸着した状態で前記基板を真空雰囲気中で処
理し、次いで、前記一対の電極に、前記静電吸着時とは
極性が逆の逆電圧を印加して残留電荷を減少させた後、
前記基板を前記双極型チャックプレート上から離脱させ
る基板離脱方法であって、前記基板の種類や前記処理の
内容に応じ、予め、前記逆電圧の印加量(印加電圧と印
加時間)と、印加後の残留電荷量の関係を前記電極毎に
個別に求めておき、前記関係から、前記各電極の残留電
荷量の絶対値が略等しくなる印加量を求め、その印加量
の逆電圧を前記基板に印加することを特徴とする。
【0017】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の基板離脱方法であって、前記各電極に対する逆電圧
の印加量を、絶対値が略等しい大きさにすることを特徴
とする。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の基
板離脱方法であって、前記各電極に対する前記逆電圧印
加量の絶対値と前記残留電荷量との関係をグラフにし、
その交点から前記印加量を求めることを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明は、誘電体内に電極が
配置された単極型静電チャックプレート上に基板を配置
し、前記電極に電圧を印加して前記基板を静電吸着した
状態で前記基板を真空雰囲気中で処理し、次いで、前記
電極に、前記静電吸着時とは極性が逆の逆電圧を印加し
て残留電荷を減少させた後、前記基板を前記単極型チャ
ックプレート上から離脱させる基板離脱方法であって、
前記基板の種類や前記処理の内容に応じ、予め、前記逆
電圧の印加量と、印加後の残留電荷量の関係を求めてお
き、前記関係から、前記逆電圧を印加した後の前記残留
電荷量が最小になる印加量を求め、前記基板に印加する
ことを特徴とする。
【0020】本発明は上記のように構成されており、双
極型、又は単極型の静電チャックプレートの誘電体内に
配置された電極に電圧を印加し、真空雰囲気内で基板を
静電吸着した状態で、スパッタリングやエッチング等の
処理を行うようになっている。
【0021】静電吸着プレートには、誘電体内に一対の
電極(正電極と負電極)が配置された双極型の静電チャッ
クプレートと、一枚の電極が配置された単極型の静電チ
ャックプレートがある。双極型の静電チャックプレート
の場合は、一方の電極に正電圧を印加し、他方の電極に
負電圧を印加して基板を静電吸着するが、静電吸着を解
除した後は、正電圧を印加した電極上では負電荷が残留
し、負電圧を印加した電極上には正電荷が残留してしま
う場合が多い。
【0022】このような残留電荷は、基板を静電吸着し
た後の基板の熱膨張により、エキソ電子が放出された
り、あるいは電圧印加に伴うウエハーと静電チャックプ
レート間の電子放出(電界放射)が原因で発生すると推定
されるが、その因果関係はここでは述べない。
【0023】いずれにしろ、静電吸着を解除した後、静
電チャックプレート表面から基板を離脱させる前に、電
極に、静電吸着時とは逆極性の電圧を印加すると、残留
電荷量が減少することが知られている。
【0024】しかしながら、一対の電極間の残留電荷量
(絶対値)は等しいとは限らず、そのため、各電極に同じ
量の逆電圧を印加すると、一方の電極の残留電荷は消滅
しても、他方の電極の残留電荷が残る場合がある。ま
た、逆電圧の印加量が大きすぎると、今度は逆に電荷を
注入してしまい、極性が逆の残留電荷が発生してしま
う。従って、基板に印加する逆電圧は適切な印加量に設
定する必要がある。
【0025】本発明の場合、逆電圧の印加量と、印加後
の残留電荷量との関係を、予め電極毎に求めておき、そ
の関係から、各電極の残留電荷量が略等しくなる逆電圧
の印加量を求め、真空処理を行った後、その印加量の逆
電圧を印加するようにする。
【0026】上記のようにすると、残留電荷量自体が小
さくなるばかりでなく、正負電極上での残留電荷による
吸着力が等しくなるので、離脱の際に基板が片寄って吸
着されず、スムーズな基板離脱を行うことができる。
【0027】各電極に印加する逆電圧の印加量の絶対値
を略等しくする場合、逆電圧の印加量の絶対値と、逆電
圧印加後の残留電荷量との関係を、各電極毎にグラフに
書き、2つのグラフの交点の印加量を読みとればよい。
逆電圧の印加量は電圧値と印加時間とにより決まるの
で、印加時間と電圧値のいずれか一方を固定すると、他
方の大きさを求めることが可能になる。
【0028】誘電体内に一枚の電極が配置される単極型
の静電チャックプレートの場合は、静電吸着は、その電
極と、真空槽等の接地電位に置かれた部材との間に電圧
が印加されることで行われると考えられる。接地電位に
置かれた部材は、常に残留電荷量がゼロであるから、誘
電体内の電極について、逆電圧の印加量と、印加後の残
留電荷量との関係をグラフに書き、そのグラフと、残留
電荷がゼロである直線との交点を求めればよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。図1の符号1は、
本発明を適用できる真空処理装置の一例であり、真空槽
10を有している。真空槽10の天井側にはスパッタリ
ングターゲット5が配置されており、底壁上には、載置
台11が配置されている。
【0030】載置台11上には、誘電体7を有し、該誘
電体7内に一対の電極81、82が配置された双極型の静
電チャックプレート2が固定されている。静電チャック
プレート2の下側には、リフトピン4が配置されてお
り、その上端部は、誘電体7に設けられた孔9内に挿通
されている。
【0031】真空槽10の外部には、直流電源21と、
静電チャック電源22と、基板昇降機構17と、コンピ
ュータ23とが配置されており、リフトピン4の下端部
は、真空槽10外に気密に導出され、基板昇降機構17
に取り付けられている。基板昇降機構17内にはモータ
等が配置されており、真空槽10内の真空雰囲気を維持
したまま、リフトピン4を昇降させられるように構成さ
れている。
【0032】真空槽10底壁の外部位置には絶縁碍子1
1、122が気密に取り付けられており、静電チャック
電源22は、絶縁碍子121、122を介して各電極
1、82に接続されている。ここでは、静電チャック電
源22の正電圧側に一方の電極8 1が接続され、負電圧
側に他方の電極82が接続されているものとする。静電
チャック電源は22は、電圧印加終了時(チャックOF
F時)には、チャック電極を直ちに設置させるようにな
っている。また、直流電源21は、ターゲット5に接続
されており、真空槽10を接地電位に置いた状態で、タ
ーゲット5に負電圧を印加できるように構成されてい
る。
【0033】この真空処理装置1に対して本発明の基板
離脱方法を適用する場合には、予め、基板やプロセスの
種類に応じ、各電極81、82の残留電荷を個別に測定し
ておく。その測定方法を説明すると、真空槽10内を真
空排気した後、真空槽10内に基板を搬入し、静電チャ
ックプレート2上に載置する。図1の符号3はその状態
の基板を示している。
【0034】基板昇降機構17と、直流電源21と、静
電チャック電源22は、コンピュータ23に接続されて
おり、コンピュータ23の制御に従って動作するように
構成されており、基板3の載置後、コンピュータ23は
静電チャック電源22を起動し、一対の電極81、82
正負の電圧をそれぞれ印加し、静電吸着力を発生させ、
基板3を静電チャックプレート2の誘電体7表面に密着
させる。
【0035】その状態で真空槽10内にアルゴンガス等
のスパッタリングガスを導入し、直流電源21を起動し
てターゲット5に負電圧を印加すると、真空槽10内に
プラズマが生成し、ターゲット5のスパッタリングが行
われる。基板3表面に所定膜厚の薄膜が形成されたら、
直流電源21を停止させ、プラズマを消滅させる。
【0036】次いで、静電チャック電源22を停止さ
せ、一対の電極81、82への電圧印加を終了させる。こ
のとき、静電チャック電源22内で、各電極81、82
接地電位に接続し、基板3と各電極81、82間に蓄積さ
れた電荷を放出させる。
【0037】しかし、各電極81、82を接地電位に接続
しただけでは、静電吸着時の電荷は完全には消滅せず、
残留電荷が残ってしまう。しかも、基板3上でプラズマ
が生成されていたため、正負の電極81、82に蓄積され
た残留電荷は異なる大きさになっている。
【0038】その状態でリフトイン4を上方に移動させ
ると、各電極81、82と基板間に残留電荷が存在してい
る場合には、電極81、82とアース間に残留電荷量に比
例した静電誘導電流が流れる。電流計131、132でそ
れぞれ計測される電流値は、各電極81、82上の残留電
荷量に比例した電流が流れる。
【0039】静電チャック電源22と各電極81、82
間には、電流計131、132がそれぞれ挿入されてお
り、それら電流計131、132はコンピュータ23に接
続され、ており、各電流計131、132を流れる電流の
大きさは、コンピュータ23によって自動的に記録でき
るように構成されている。従って、基板3を離脱させる
際に各電極81、82を流れる電流は、電流計13 1、1
2によって測定され、その値はコンピュータ23内に
記録される。
【0040】ここではプロセス終了後、逆電圧を印加せ
ずに基板3を離脱させた場合の電流(放出された電荷量)
が測定されたものとすると、次に、他の基板3を真空槽
10内に搬入し、上記と同じ大きさの電圧を電極81
2に印加し、同様にスパッタリングを行い、基板3表
面に所定膜厚の薄膜を形成する。
【0041】静電吸着を解除した後、静電チャック電源
22によって、各電極81、82に静電吸着時とは逆極性
の電圧を所望の印加量で印加する(静電吸着時には、正
電圧を印加していた電極81には負電圧を、負電圧を印
加していた電極82には正電圧を印加する。)。
【0042】次いで、リフトピン4を上昇させ、基板3
を静電チャックプレート2表面から離脱させ、その際に
電流計131、132に流れる電流値を、逆電圧の印加量
と対応させてコンピュータ23内に記録する。
【0043】複数の基板に対し、印加量が異なる逆電圧
を印加し、基板を離脱させて電流値を測定し、逆電圧の
印加量と対応付けてコンピュータ23に記録する。逆電
圧の印加量は、逆電圧の大きさと印加時間によって決ま
るが、ここでは逆電圧の印加時間を一定値にし、逆電圧
の大きさを異ならせた。
【0044】図1は、印加した逆電圧値と電流計1
1、132によって測定した残留電荷量の関係を示すグ
ラフであり、静電吸着時に正電圧を印加した電極81
正電極、負電圧を印加した電極82を負電極として記載
してある。
【0045】この図1のグラフを求めたときの基板3
は、裏面に膜厚1μmのシリコン酸化膜が形成されたシ
リコンウエハーであり、スパッタリングは、静電チャッ
クプレート2内部のセラミックヒータに通電し、基板3
を300℃に昇温させた状態で行った。
【0046】また、静電吸着時には、電極81、82に+
100Vと−100Vの電圧を印加した。静電吸着時間
は60秒に設定した。また、静電吸着を解除した後の逆
電圧の印加時間は3秒間に固定し、逆電圧印加の終了
後、15秒経過したときに基板3を静電チャックプレー
ト2上から離脱させた。
【0047】図1のグラフ横軸は、印加した逆電圧の大
きさの絶対値を示しており(正電極に対しては印加した
負電圧の大きさ、負電極に対しては印加した正電圧の大
きさ)、縦軸は、印加後、基板3を離脱させる際に流れ
た電流値から求めた残留電荷量を示している。
【0048】このグラフでは、±130Vの電圧を印加
したときに、正電極81の残留電荷はゼロになるが、負
電極82には、1.5μCの残留電荷が残っている。従
って、±130Vの逆電圧を印加すると、基板3は1.
5μCの力で負電極82に吸着されていることになる。
【0049】他方、正負の各電極81、82のグラフは、
150Vのところで交差している。従って、正負の電極
1、82のそれぞれに、−150V、+150Vの逆電
圧を印加すれば、各電極81、82上の残留電荷量は等し
くなる(約0.8μクーロン)。
【0050】上記真空処理装置1を使用して、多数の基
板に連続して薄膜を形成する場合、予めコンピュータ2
3内に設定される逆電圧印加量を±150V×3秒間に
し、実際に薄膜を形成する基板に対し、上記と同じ条件
で静電吸着しながらターゲット5をスパッタリングし、
静電吸着の解除後、コンピュータ23内に設定された条
件で各電極81、82に逆電圧を印加すると、各電極
1、82の残留電荷量は等しくなる。従って、その状態
でリフトピン4を上昇させると、基板をスムーズに静電
チャックプレート2上から離脱させることが可能にな
る。
【0051】以上説明したように、本発明の基板離脱方
法によれば、正電極(電極81)の残留電荷量と負電極(電
極82)の残留電荷量とが等しくなり、残留電荷による静
電吸着力は基板に均等に加わるようになるので、振動
や、リフトピン4上からの脱落がなくなる。
【0052】また、上記のように、電極81、82に対
し、最適な印加量の逆電圧を印加すると、基板の離脱後
に静電チャックプレート2上に残る残留電荷量は極めて
小さくなる(0.1μC以下)。従って、本発明の基板離
脱方法により、多数の基板を連続して処理する場合に
は、静電チャックプレート2の除電処理が不要になる。
【0053】なお、上記図2のグラフでは、各電極
1、82の残留電荷はゼロにはならなかったが、プロセ
ス条件や基板の種類によっては図3に示すように、残留
電荷量がゼロのところがグラフの交点になる場合もあ
る。この図3のグラフでは、−200V、+200Vを
印加すると、電極81、82の残留電荷が消滅する。
【0054】以上は、印加時間を固定し、逆電圧の大き
さを変えてグラフを作成し、そのグラフの交点から最適
な逆電圧の印加量(電圧値×印加時間)を求めたが、その
逆、すなわち逆電圧の大きさを固定し、印加時間を変え
てグラフを作成した場合でも、逆電圧の印加量は同じ値
になる。
【0055】上記実施例は双極型の静電チャックプレー
ト2についての基板離脱方法を説明したが、静電チャッ
クプレートの種類によっては、1枚の電極で基板を静電
吸着する単極型の方式を採用するものがある。その単極
型の静電チャックプレートの場合に、逆電圧の大きさと
印加時間のいずれか一方を固定し、他方を変化させる
と、1つの曲線から成るグラフが得られる。
【0056】単極型の静電チャックプレートでは、静電
チャックプレート内の電極と、真空槽等のアース電位に
置かれた部材との間で一対の電極が形成されていると考
えることができるから、残留電荷がゼロの直線(図2、
3では横軸)を仮想的な電極の曲線と考え、その直線と
の交点の印加量を求めればよい。
【0057】なお、上記例ではグラフから交点を求めた
が、コンピュータ23により、スプライン法等の数値計
算で交点を求めてもよい。その場合、プロセスを開始す
る前に、コンピュータ23によって逆電圧の印加量と残
留電荷量の関係を求めておき、各基板に、正負電極の残
留電荷量が同じ大きさになる印加量の逆電圧を印加する
ようにしてもよい。
【0058】上記は、スパッタリング法によって薄膜を
形成する真空処理装置1について説明したが、本発明は
それに限定されるものではなく、CVD装置、エッチン
グ装置、蒸着装置、アニール装置等の静電チャックプレ
ートを用いる全ての装置で有効である。
【0059】上記例では、静電チャックプレートから基
板を離脱させる際にリフトピンを用いる方法を説明した
が、Z軸方向(上下方向)への移動機構を有する搬送ロボ
ットを用いて基板を離脱させる場合も本発明に含まれ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、残留電荷による不均一
な静電吸着がなくなるので、基板の跳ね上がりや脱落が
なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用できる真空処理装置の一例
【図2】逆電圧印加量と残留電荷量の関係を示すグラフ
の一例
【図3】逆電圧印加量と残留電荷量の関係を示すグラフ
の他の例
【図4】(a)〜(d):基板の離脱状態を説明するための
【符号の説明】
7……誘電体 81、82……電極 2……静電
チャックプレート 3……基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体内に一対の電極が配置された双極型
    静電チャックプレート上に基板を配置し、 前記一対の電極に正負の電圧を印加して前記基板を静電
    吸着した状態で前記基板を真空雰囲気中で処理し、 次いで、前記一対の電極に、前記静電吸着時とは極性が
    逆の逆電圧を印加して残留電荷を減少させた後、 前記基板を前記双極型チャックプレート上から離脱させ
    る基板離脱方法であって、 前記基板の種類や前記処理の内容に応じ、予め、前記逆
    電圧の印加量と、印加後の残留電荷量の関係を前記電極
    毎に個別に求めておき、 前記関係から、前記各電極の残留電荷量の絶対値が略等
    しくなる印加量を求め、その印加量の逆電圧を前記基板
    に印加することを特徴とする基板離脱方法。
  2. 【請求項2】前記各電極に対する逆電圧の印加量を、絶
    対値が略等しい大きさにすることを特徴とする請求項1
    記載の基板離脱方法。
  3. 【請求項3】前記各電極に対する前記逆電圧印加量の絶
    対値と前記残留電荷量の絶対値との関係をグラフにし、
    その交点から前記印加量を求めることを特徴とする請求
    項2記載の基板離脱方法。
  4. 【請求項4】誘電体内に電極が配置された単極型静電チ
    ャックプレート上に基板を配置し、 前記電極に電圧を印加して前記基板を静電吸着した状態
    で前記基板を真空雰囲気中で処理し、 次いで、前記電極に、前記静電吸着時とは極性が逆の逆
    電圧を印加して残留電荷を減少させた後、 前記基板を前記単極型チャックプレート上から離脱させ
    る基板離脱方法であって、 前記基板の種類や前記処理の内容に応じ、予め、前記逆
    電圧の印加量と、印加後の残留電荷量の関係を求めてお
    き、 前記関係から、前記逆電圧を印加した後の前記残留電荷
    量が最小になる印加量を求め、前記基板に印加すること
    を特徴とする基板離脱方法。
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