JPH11297448A - コネクタ一体型ケースの成形方法及びこの成形方法に用いられる型構造 - Google Patents

コネクタ一体型ケースの成形方法及びこの成形方法に用いられる型構造

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JPH11297448A
JPH11297448A JP10096272A JP9627298A JPH11297448A JP H11297448 A JPH11297448 A JP H11297448A JP 10096272 A JP10096272 A JP 10096272A JP 9627298 A JP9627298 A JP 9627298A JP H11297448 A JPH11297448 A JP H11297448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブスバーの端子部と基板のパターンとをワイ
ヤボンディングによって接続する場合の信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】 基板が取り付けられる取付部が設けられ
た本体と、本体の内部回路を形成すると共に取付部に端
子部が露出されて基板とワイヤボンディングにより接続
されるブスバー45とを金型50によって一体成形す
る。ブスバー45の端子部31に密着して端子部31へ
の樹脂の回り込みを防止する金型52に窪み状の逃げ部
57を設けることにより、金型との接触によって傷付い
たり、油が付着したり、ゴミが付着することのない接続
部分31aを形成し、接続部分31aを基板のパターン
とワイヤボンディングして接続の信頼性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コネクタ部が一体
的に設けられた構造からなるコネクタ一体型ケースの成
形方法及びこの成形方法に用いられる型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】コネクタ一体型ケースは相手コネクタと
接続されるコネクタ部(図示省略)と、回路基板、電子
機器、ブスバー等の電気接続品が取り付けられる本体と
が一体となった構造となっている。図5は従来のコネク
タ一体型ケースにおける本体1の上部々分であるフード
部2を示す。このフード部2の下部には、図示を省略し
た筒部が一体的に連設されており、これらによって形成
される本体の内部には、内部回路となるブスバー(図示
省略)が配置されている。図示を省略したコネクタ部は
この本体1に一体的に形成されるものである。
【0003】フード部2の内部はプリント配線基板など
の基板(電気接続品)3が上方から落とし込まれること
によって、基板3を取り付ける取付部4となっている。
この取付部4には、ブスバーの一部である複数個の端子
部5が列状に並べられて露出しており、それぞれの端子
部5が基板3に形成されているパターン(図示省略)と
ワイヤボンディングにより接続される。なお、このワイ
ヤボンディングを行うため、端子部5の上面には、金メ
ッキが予め被覆されている。
【0004】このようなコネクタ一体型ケースの成形
は、ブスバーを金型(図示省略)にインサートした後、
金型内に樹脂を射出する一体成形により行われる。ま
た、この成形にあっては、ブスバーの端子部5上面に樹
脂が付着しないようにする必要がある。このため、端子
部5の上面と金型とを密着させて成形している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ワイヤボン
ディングによる接続においては、端子部5のメッキ厚が
一定であること及び洗浄度の高いメッキ表面であること
が高い接合信頼性を確保する上で必要となっている。し
かしながら、上述した従来の成形では、ブスバーの端子
部5を金型と密着させて行うため、端子部5と金型とが
接触する。そして、この接触によって図6に示すよう
に、端子部5の金メッキが剥がれたり、金メッキに傷6
が付いたり、或いは金型の油7が付着したりゴミが付着
する。これにより従来では、高い接合信頼性のあるワイ
ヤボンディングができないという問題を有している。
【0006】そこで、本発明はワイヤボンディングの高
い接合信頼性を確保することができるコネクタ一体型ケ
ースの成形方法及びこの方法に用いることができる型構
造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の成形方法は、電気接続品が取り付
けられる取付部が設けられた本体と、この本体内に一体
成形されて内部回路を形成すると共に前記取付部に端子
部が露出されて前記基板とワイヤボンディングにより接
続されるブスバーとを備えたコネクタ一体型ケースを成
形する方法であって、前記ブスバーの端子部における前
記ワイヤボンディングとの接続部分から、コネクタ一体
型ケースを成形する金型側を離間させることにより接続
部分から避けて前記一体成形を行うことを特徴とする。
【0008】この発明では、基板とワイヤボンディング
されるブスバーの端子部の接続部分から、金型側を離間
させて接続部分を避けて一体成形を行うため、端子部の
接続部分と金型とが接触することがない。このため、接
続部分が傷付いたり、接続部分に金型の油が付着した
り、ゴミが付着することがなくなり、接合信頼性の高い
ワイヤボンディングを行うことができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記端子部の接続部分に導電性金属のメッキを
施したことを特徴とする。
【0010】この発明では、接続部分に導電性金属のメ
ッキを施してあり、メッキを介して接続部分とボンディ
ングワイヤとがワイヤボンディングされる。この場合に
も、接続部分のメッキが金型と接触しないため、メッキ
が剥がれたり、傷付くことがないと共に、金型からの油
が付着したり、ゴミが付着することがない。従って、メ
ッキ厚を一定とすることができると共に、高い洗浄度の
表面を維持することができ、メッキを介して接合信頼性
の高いワイヤボンディングを行うことができる。
【0011】請求項3の発明の型構造は、電気接続品が
取り付けられる取付部が設けられた本体と、この本体の
内部回路を形成すると共に前記取付部に端子部が露出さ
れて前記電気接続品とワイヤボンディングにより接続さ
れるブスバーとを一体成形してコネクタ一体型ケースを
成形する金型の型構造であって、この金型に、前記ブス
バーの端子部におけるワイヤボンディングとの接続部分
と非接触となる逃げ部を設けたことを特徴とする。
【0012】この発明では、ブスバーと一体成形する金
型に、ブスバーの端子部の接続部分に対する逃げ部を設
けているため、金型が接続部分と接触することがなくな
る。これにより、接続部分が剥がれたり、傷付いたり、
接続部分に油が付着したり、ゴミが付着することがな
く、接合信頼性の高いワイヤボンディングを行うことが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に
よって成形されるコネクタ一体型ケース20の斜視図で
ある。このコネクタ一体型ケース20は、取付部21と
コネクタ部22とを有した本体23と、本体23の取付
部21に被せられる蓋体(図示省略)とを備えている。
【0014】取付部21は蓋体が被せられると共に、電
線接続品としてのプリント配線基板などの基板40が落
とし込みによって取り付けられるフード部24と、フー
ド部24の下部に一体的に連設した筒部25とを備えて
いる。フード部24の底面には、複数の窪み部26が形
成されていると共に、それぞれの窪み部26には、筒部
25の下端開放部分から挿入された接続基板(図示省
略)のパターンと接続される突起状端子27が配置され
ている。
【0015】コネクタ部22は取付部21の後側の側面
から後方に延びるように取付部21と一体的に形成され
ている。このコネクタ部22と取付部21との連結はこ
れらの間に設けられて橋渡しを行う連結部28によって
行われる。コネクタ部22は相手コネクタ(図示省略)
が嵌合することにより、相手コネクタとの電気的な接続
を行うものであり、この接続を行うため、コネクタ部2
2には相手コネクタが嵌合する筒状のコネクタ挿入口2
9が取付部21側に向かって設けられている。
【0016】本体23内には、複数のブスバー45(図
4参照)がインサート成形されている。これらのブスバ
ーは取付部21からコネクタ部22に渡って配索される
ことにより、本体23の内部回路を構成し、これにより
取付部21とコネクタ部22とを電気的に接続してい
る。コネクタ部22のコネクタ挿入口29内に設けられ
ている複数の接触端子30はこのブスバー45の一端側
の端部であり、この接触端子30には相手コネクタの端
子が接触することによって相手コネクタとの電気的な接
続が行われる。
【0017】取付部21には複数の端子部31が列状に
露出している。端子部31はそれぞれのブスバー45の
一部であり、取付部21に取り付けられる基板40のパ
ターン(図示省略)とワイヤボンディングによって接続
される。この接続の信頼性を向上させるため、それぞれ
の端子部31の表面には、金メッキなどの導電性金属の
メッキ35(図3参照)が施されている。また、後述す
るように端子部31には、ボンディングワイヤ(図示省
略)を介して基板40のパターンと接続される接続部分
31aが設けられている(図3参照)。
【0018】取付部21に取り付けられる基板40は、
セラミックによって成形されており、その上面にはブス
バー45の端子部31の接続部分31aとワイヤボンデ
ィングされるパターン(図示省略)が形成されている。
この基板40は取付部21のフード部24内の4隅部分
で柱状に突出している押え凸部32に嵌合することによ
り取付部21に固定される。なお、セラミックからなる
基板40の熱膨張及び熱収縮によるクラック発生や割れ
を防止するため、基板40はアルミニウムなどからなる
支持基板(図示省略)に載置されて取付部21に取り付
けられるものである。
【0019】このようなコネクタ一体型ケース20は図
示を省略した機器等の壁面に固定されるものであり、こ
の固定を行うため、取付部21及びコネクタ部22には
パネルにビス止めされる固定部33が一体的に形成され
ている。
【0020】以上のコネクタ一体型ケース20の成形
は、ブスバー45を金型内にインサートしてセットし、
このブスバー45のセット状態で金型に溶融樹脂を射出
することにより行われる。
【0021】図4はこの金型におけるブスバー45周囲
の成形部分を示す。金型50は第1〜第4の金型51,
52,53,54からなり、第1の金型51にはブスバ
ー45の上部に樹脂成形部55を成形するためのキャビ
ティ51aが形成されている。また、第4の金型54は
ブスバー45を支持する金型であり、符号56はブスバ
ー45の下部に形成される樹脂成形部である。第3の金
型53はブスバー45の先端部分に当接して樹脂の射出
圧によるブスバー45の移動を防止する。
【0022】この第3の金型53及び第1の金型51の
間には、第2の金型52が挿入されている。第2の金型
52はブスバー45における端子部31の表面に密着し
て端子部31側に樹脂が入り込まないように阻止するも
のである。このため、第2の金型52には端子部31に
密着する平面状の密着部58が形成されている。さら
に、この第2の金型52には、端子部31に接続部分3
1aを形成するため、接続部分31aに対応して窪んだ
逃げ部57が形成されている。
【0023】図2は金型における逃げ部57形成部分を
拡大して示すもので、第2の金型52にはブスバー45
が区画して挿入される凸部59が形成されている。逃げ
部57は凸部59の間に設けられており、この逃げ部5
7が凸部59の間に挿入されたそれぞれのブスバー45
の端子部31に臨むことにより、各端子部31に逃げ部
57が形成される。
【0024】このように金型に第2の金型52を設けた
状態で金型内に樹脂を射出すると、第2の金型52の密
着部58がブスバー45の端子部31に密着しているた
め、密着部58によって樹脂が堰き止められて端子部3
1の接続部分31aの表面上に達することがない。この
とき、第2の金型52の逃げ部57は図4に示すよう
に、端子部31の接続部分31aと非接触状態となって
いる。
【0025】従って、図3に示すように第2の金型52
の密着部58が密着した端子部31の密着部58には、
金型52との接触によって導電性メッキ35が剥がれた
り、導電性メッキ36に傷6が付いたり、さらには金型
52からの油7が付着したり、ゴミが付着するが、端子
部31と非接触となっている逃げ部57と対応した接続
部分31aには、これらが発生することがなく、一定の
メッキ厚を維持し、且つ、洗浄度の高い表面状態の接続
部分31aとなっている。このため、端子部31と基板
40のパターンとをワイヤボンディングして接続する際
に、この接続部分31aにボンディングワイヤをボンデ
ィングすることにより、高い接合信頼性を確保すること
ができる。
【0026】また、金型52の逃げ部57の端子31に
付いた跡(図3において斜線部分を囲む線)により、ボ
ンディング位置の確認が可能となる。
【0027】なお、上記実施形態では、電気接続品とし
て基板40を取付部21に取り付けるコネクタ一体型ケ
ース20の例を示したが、電子機器やブスバー等の他の
電気接続品を取付部21に取り付けるコネクタ一体型ケ
ースにも本発明を適用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、電気接続品とワイヤボンディングされるブスバ
ーの端子部の接続部分から、金型を離間させることによ
り接続部分を避けて一体成形を行うため、接続部分が傷
付いたり、接続部分に金型の油が付着したり、ゴミが付
着することがなくなり、接合信頼性の高いワイヤボンデ
ィングを行うことができる。
【0029】請求項2の発明によれば、端子部の接続部
分に設けた導電性金属のメッキを介してボンディングワ
イヤがワイヤボンディングするため、接合信頼性の高い
ワイヤボンディングを行うことができる。
【0030】請求項3の発明によれば、ブスバーの端子
部の接続部分に対する逃げ部を設けるため、金型が接続
部分と接触することがなくなり、接続部分が剥がれた
り、傷付いたり、接続部分に油が付着したり、ゴミが付
着することがなく、接合信頼性の高いワイヤボンディン
グを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によって成形されるコネク
タ一体型ケースの斜視図である。
【図2】金型の逃げ部を示す斜視図である。
【図3】金型の逃げ部によって端子部に形成された接続
部分の斜視図である。
【図4】端子部に接続部分を形成するための金型の部分
断面図である。
【図5】従来の方法によって成形されたコネクタ一体型
ケースの斜視図である。
【図6】従来の方法による問題点を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 コネクタ一体型ケース 21 取付部 23 本体 31 端子部 31a 接続部分 35 導電性のメッキ 40 基板 45 ブスバー 57 逃げ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気接続品が取り付けられる取付部が設
    けられた本体と、この本体内に一体成形されて内部回路
    を形成すると共に前記取付部に端子部が露出されて前記
    電気接続品とワイヤボンディングにより接続されるブス
    バーとを備えたコネクタ一体型ケースを成形する方法で
    あって、 前記ブスバーの端子部における前記ワイヤボンディング
    との接続部分から、コネクタ一体型ケースを成形する金
    型側を離間させることにより前記接続部分を避けて一体
    成形を行うことを特徴とするコネクタ一体型ケースの成
    形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形方法であって、前記
    端子部の接続部分に導電性金属のメッキを施したことを
    特徴とするコネクタ一体型ケースの成形方法。
  3. 【請求項3】 電気接続品が取り付けられる取付部が設
    けられた本体と、この本体の内部回路を形成すると共に
    前記取付部に端子部が露出されて前記電気接続品とワイ
    ヤボンディングにより接続されるブスバーとを一体成形
    してコネクタ一体型ケースを成形する金型の型構造であ
    って、 前記金型に、前記ブスバーの端子部におけるワイヤボン
    ディングとの接続部分と非接触となる逃げ部を設けたこ
    とを特徴とするコネクタ一体型ケースの成形方法に用い
    られる型構造。
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