JPH1129547A - 新規化合物及び界面活性剤 - Google Patents

新規化合物及び界面活性剤

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JPH1129547A
JPH1129547A JP18544097A JP18544097A JPH1129547A JP H1129547 A JPH1129547 A JP H1129547A JP 18544097 A JP18544097 A JP 18544097A JP 18544097 A JP18544097 A JP 18544097A JP H1129547 A JPH1129547 A JP H1129547A
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、親水基としてスルホン酸基
を有し、且つ、製造上炭素−炭素二重結合への付加反応
が起こるおそれが無い、反応性界面活性剤として有用な
新規化合物、該新規化合物よりなる界面活性剤並びに該
界面活性剤の具体的用途を提供することにある。 【解決手段】 本発明の新規化合物は、下記の一般式
(1) 【化1】 (式中、Xは重合可能な炭素−炭素二重結合を有する基
を表わし、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを
表わし、R1は炭化水素基を表わし、nは0又は1以上
の数を表わす。)で表わされることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規化合物に関す
る。又、本発明は新規な構造を有する界面活性剤に関す
る。又、本発明は該界面活性剤の具体的用途に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、重合性炭素−炭素二重結合、親水
基及び疎水基を有するいわゆる反応性界面活性剤は、界
面活性能を有しながら重合体と共に重合可能であるとい
う特有の性質が注目され、乳化重合用の乳化剤、懸濁重
合用の分散剤、樹脂の永久帯電防止剤等を中心に使用分
野、使用規模、使用範囲等が拡大している。反応性界面
活性剤には様々なタイプがあるが、親水基で分類する
と、硫酸エステル基(−OSO3M)(例えば、特公平
2−22693号、特公平2−23561号)、リン酸
エステル基(−PO32)(例えば特公平2−2269
4号、特公平2−23562号、特公平7−5646
号)、カルボキシル基(−COOM)(例えば特開平6
−248005号)等の種類がある。
【0003】ところで、乳化重合においては、乳化剤と
してアニオン界面活性剤単独、又はアニオン界面活性剤
に非イオン界面活性剤を併用し、単量体を乳化して重合
を行う。重合体は乳化分散した状態で得られ、これを塩
析・溶媒除去等を行って樹脂を得るのが一般的である。
ここで使用するアニオン界面活性剤の親水基としては上
記のような基が代表的であるが、カルボキシル基は親水
基としては極性が低く、特にカルシウムイオンやマグネ
シウムイオンの共存下、いわゆる硬水条件下、又は酸性
条件下では親水性が低下して乳化力が低下する。又、硫
酸エステル基やリン酸エステル基は条件によっては加水
分解を起こして極性がなくなってしまう場合がある。
又、これらの加水分解生成物である硫酸やリン酸は強力
な酸であるために更に加水分解を促進したり、樹脂の酸
化安定性や耐熱性に悪影響を及ぼす可能性がある。従っ
て、より過酷な条件下で使用される樹脂や、長期にわた
って使用される樹脂を乳化重合で製造する場合は加水分
解のおそれが無い親水基を有するアニオン性界面活性剤
を選択しなければならない。
【0004】加水分解のおそれが無い親水基にはスルホ
ン酸基がある。親水基としてスルホン酸基を有する反応
性界面活性剤は、例えば特表平3−503168号に提
案されている下記の化合物がある:
【化8】 (BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基の
略)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
化合物は乳化性が不安定であったり、乳化重合用乳化剤
として使用した場合に凝集物量が多く、エマルジョンの
機械的安定性に劣るという問題点があった。又、上記の
ような化合物を製造する場合、下記のような製造工程を
経て製造される:
【化9】
【0006】上記反応のうち、水酸基を塩素化する工程
で製造上有利とされている方法は、塩化チオニルやホス
ゲンを使用する方法である。しかし、これらの試薬は反
応性が高いので取り扱いが難しい上に、副反応として炭
素−炭素二重結合への塩素の付加が起こりやすく、得ら
れた化合物の重合性が低下してしまうという問題点があ
った。従って、本発明の目的は、親水基としてスルホン
酸基を有し、且つ、製造上炭素−炭素二重結合への付加
反応が起こるおそれが無い、反応性界面活性剤として有
用な新規化合物、該新規化合物よりなる界面活性剤並び
に該界面活性剤の具体的用途を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は下記の一
般式(1)
【化10】 (式中、Xは重合可能な炭素−炭素二重結合を有する基
を表わし、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを
表わし、R1は炭化水素基を表わし、Aは基
【化11】
【化12】 又は
【化13】 を表わし、nは0又は1以上の数を表わす。)で表わさ
れる新規化合物である。又、本発明は該新規化合物から
なる界面活性剤である。又、本発明は該界面活性剤の具
体的用途に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)で表される新規化
合物は、より具体的には下記の一般式(5)〜(7)で
表すことができる:
【化14】
【化15】
【化16】 (式中、X、M、R1及びnは上述と同意義をもつ)
【0009】本発明の新規化合物を表わす一般式(5)
〜(7)において、Xは重合可能な炭素―炭素二重結合
を有する基を表わす。重合可能な炭素−炭素二重結合と
して好ましい基は、一般式(2)で表わされる基であ
る。
【化17】
【0010】一般式(2)において、R及びR’は水素
原子又はメチル基を表わし、xは0又は1以上の数を表
わし、yは0又は1の数を表わす。従って、一般式
(2)で表わされる基としては例えば、アリル基(R=
R’=水素原子、x=1、y=0)、メタリル基(R=
水素原子、R’=メチル基、x=1、y=0)、アクリ
ロイル基(R=R’=水素原子、x=0、y=1)、メ
タクリロイル基(R=水素原子、R’=メチル基、x=
0、y=1)、プロペニル基(R=メチル基、R’=水
素原子、x=1、y=0)、ビニル基(R=R’=水素
原子、x=0、y=0)、クロトノイル基(R=メチル
基、R’=水素原子、x=0、y=1)、1−ウンデセ
ニル基(R=R’=水素原子、x=9、y=0)、1−
ウンデセノイル基(R=R’=水素原子、x=8、y=
1)、α―不飽和カルボン酸残基(R=水素原子、x=
0又は1以上の数、y=1)、α―不飽和アルケニル基
(R=水素原子、x=0又は1以上の数、y=0)、β
―不飽和カルボン酸残基(R=メチル基、x=0又は1
以上の数、y=1)、β―不飽和アルケニル基(R=メ
チル基、x=0又は1以上の数、y=0)等が挙げられ
る。
【0011】又、Mは水素原子、金属原子又はアンモニ
ウムを表わす。金属原子としては例えば、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アル
カリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が
挙げられ、アンモニウムとしては例えばアンモニア、メ
チルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチル
アミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピル
アミン、エタノールアミン、メチルエタノールアミン、
エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノール
アミン、トリプロパノールアミン等のアンモニウムが挙
げられる。
【0012】又、R1は、炭化水素基を表わし、炭素数
2〜4のアルキレン基であることが好ましく、エチレン
基であることがより好ましい。又、R1が2種以上の基
である場合は1種はエチレン基であることが好ましい。
更に、R1が2種以上の基である場合は全R1のうち、モ
ル数で1/3以上がエチレン基であることが好ましく、
1/2以上がエチレン基であることが一層好ましい。一
般式(5)〜(7)の(R1−O)n部は、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド等を付加
重合することにより得ることができる。又、アルキレン
オキサイド等を付加することによって(R1−O)n部を
形成する場合は、付加させるアルキレンオキサイド等に
よりR1が決定される。付加させるアルキレンオキサイ
ド等の重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレン
オキサイド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキ
サイド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダ
ム/ブロック共重合等であってよい。中でも、ブロック
共重合又はランダム/ブロック共重合が好ましく、スル
ホネート基側に結合する部分がエチレンオキサイドのブ
ロック重合部であることが更に好ましい。重合度nは0
又は1以上の数であり、好ましくは1〜1,000、よ
り好ましくは1〜500、更に好ましくは1〜100で
ある。
【0013】Xとして特に好ましい基は、一般式(3)
又は(4)で表わされる基である:
【化18】
【化19】
【0014】一般式(3)において、R2は炭化水素基
を表わす。炭化水素基としては例えば、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロア
ルケニル基等である。ここで、アルキル基としては例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソ
トリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イ
コシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2
−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−
テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステ
アリル等が挙げられる。
【0015】また、アルケニル基としては例えば、ビニ
ル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペ
ンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、
オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデ
セニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0016】更に、アリール基としては例えば、フェニ
ル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジ
ル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリ
ル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブ
チルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、
ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニ
ル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフ
ェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレ
ン化フェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β
−ナフチル基等が挙げられる。
【0017】また、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシ
クロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニ
ル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシク
ロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロ
ヘプテニル基等が挙げられる。
【0018】又、R2は−O−R3で表わされる基でもよ
い。R3は炭化水素基又はアシル基を表わす。炭化水素
基としては例えば上記R2と同様の基が挙げられる。ア
シル基としては、前述の炭化水素基の結合末端にカルボ
ニル基が結合した基が挙げられる。例えば、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イ
ソバレリル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイル、パ
ルミトイル、ステアロイル、アクリロイル、プロピオロ
イル、メタクロイル、クロトノイル、オレイロイル、ベ
ンゾイル、フタロイル、スクシニル等が挙げられる。
【0019】更に、R2は1以上の水素原子がフッ素原
子で置換された炭化水素基又は1以上の水素原子がフッ
素原子で置換されたアシル基でもよい。1以上の水素原
子がフッ素原子で置換された炭化水素基としては例え
ば、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フル
オロアリール基、フルオロシクロアルキル基、フルオロ
シクロアルケニル基等が挙げられる。
【0020】ここで、フルオロアルキル基としては例え
ば、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフ
ルオロプロピル、パーフルオロイソプロピル、パーフル
オロブチル、パーフルオロイソブチル、パーフルオロタ
ーシャリブチル、パーフルオロペンチル、パーフルオロ
イソペンチル、パーフルオロネオペンチル、パーフルオ
ロターシャリペンチル、パーフルオロヘキシル、パーフ
ルオロヘプチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロ
2−エチルヘキシル、パーフルオロノニル、パーフルオ
ロデシル、パーフルオロウンデシル、パーフルオロドデ
シル、パーフルオロトリデシル、パーフルオロイソトリ
デシル、パーフルオロテトラデシル、パーフルオロヘキ
サデシル、パーフルオロオクタデシル、パーフルオロイ
コシル、パーフルオロドコシル、パーフルオロテトラコ
シル、パーフルオロトリアコンチル、パーフルオロ2−
オクチルドデシル、パーフルオロ2−ドデシルヘキサデ
シル、パーフルオロ2−テトラデシルオクタデシル等の
n2n+1で表されるパーフルオロアルキル基の他、ト
リフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、ヘプタフ
ルオロブチル、ノナフルオロペンチル、ウンデカフルオ
ロヘキシル、トリデカフルオロヘプチル、ペンタデカフ
ルオロオクチル、ヘプタデカフルオロノニル、ノナデカ
フルオロデシル、ヘンイコサフルオロウンデシル、トリ
コサフルオロドデシル、ペンタコサフルオロトリデシ
ル、ヘプタコサフロオロテトラデシル、ノナコサフルオ
ロペンタデシル等のCn2n-12又はF(CF2n-1
2−で表わされるフルオロアルキル基、ジフルオロエ
チル、テトラフルオロプロピル、ヘキサフルオロブチ
ル、オクタフルオロペンチル、デカフルオロヘキシル、
ドデカフルオロヘプチル、テトラデカフルオロオクチ
ル、ヘキサデカフルオロノニル、オクタデカフルオロデ
シル、イコサフルオロウンデシル、ドコサフルオロドデ
シル、テトラコサフルオロトリデシル、ヘキサコサフル
オロテトラデシル、オクタコサフルオロペンタデシル、
トリアコンタフルオロヘキサデシル等のCn2n- 23
はH(CF2n-1CH2−で表わされるフルオロアルキ
ル基、モノフルオロエチル、トリフルオロプロピル、ペ
ンタフルオロブチル、ヘプタフルオロペンチル、ノナフ
ルオロヘキシル、ウンデカフルオロヘプチル、トリデカ
フルオロオクチル、ペンタデカフルオロノニル、ヘプタ
デカフルオロデシル、ノナデカフルオロウンデシル、ヘ
ンイコサフルオロドデシル、トリコサフルオロトリデシ
ル、ペンタコサフルオロテトラデシル、ヘプタコサフル
オロペンタデシル、ノナコサフルオロヘキサデシル等の
n2n-34又はF(CF2n-2CH2CH2−で表わさ
れるフルオロアルキル基、モノフルオロプロピル、トリ
フルオロブチル、ペンタフルオロペンチル、ヘプタフル
オロヘキシル、ノナフルオロヘプチル、ウンデカフルオ
ロオクチル、トリデカフルオロノニル、ペンタデカフル
オロデシル、ヘプタデカフルオロウンデシル、ノナデカ
フルオロドデシル、ヘンイコサフルオロトリデシル、ト
リコサフルオロテトラデシル、ペンタコサフルオロペン
タデシル、ヘプタコサフルオロヘキサデシル等のCn
2n-56又はF(CF2n-3CH2CH2CH2−で表わさ
れるフルオロアルキル基、モノフルオロヘキシル、トリ
フルオロヘプチル、ペンタフルオロオクチル、ヘプタフ
ルオロノニル、ノナフルオロデシル、ウンデカフルオロ
ウンデシル、トリデカフルオロドデシル、ペンタデカフ
ルオロトリデシル、ヘプタデカフルオロテトラデシル、
ノナデカフルオロペンタデシル、ヘンイコサフルオロヘ
キサデシル等のCn2n-1112又はF(CF2n-6(C
26−で表わされるフルオロアルキル基等が挙げられ
る。
【0021】また、フルオロアルケニル基としては例え
ば、パーフルオロプロペニル、パーフルオロイソプロペ
ニル、パーフルオロブテニル、パーフルオロイソブテニ
ル、パーフルオロペンテニル、パーフルオロイソペンテ
ニル、パーフルオロヘキセニル、パーフルオロヘプテニ
ル、パーフルオロオクテニル、パーフルオロノネニル、
パーフルオロデセニル、パーフルオロウンデセニル、パ
ーフルオロドデセニル、パーフルオロテトラデセニル、
パーフルオロオレイル等のパーフルオロアルケニル基の
他、トリフルオロブテニル、ペンタフルオロペンテニ
ル、ヘプタフルオロヘキセニル、ノナフルオロヘプテニ
ル、ウンデカフルオロオクテニル、トリデカフルオロノ
ネニル、ペンタデカフルオロデセニル、ヘプタデカフル
オロウンデセニル、ノナデカフルオロドデセニル、ヘン
イコサフルオロテトラデセニル、等のCn2n-54又は
F(CF2n-3−CH=CHCH2−で表わされるフル
オロアルケニル基等が挙げられる。
【0022】更に、フルオロアリール基としては例え
ば、パーフルオロフェニル、パーフルオロトルイル、パ
ーフルオロキシリル、パーフルオロクメニル、パーフル
オロメシチル、パーフルオロベンジル、パーフルオロフ
ェネチル、パーフルオロスチリル、パーフルオロシンナ
ミル、ベパーフルオロンズヒドリル、パーフルオロトリ
チル、パーフルオロエチルフェニル、パーフルオロプロ
ピルフェニル、パーフルオロブチルフェニル、パーフル
オロペンチルフェニル、パーフルオロヘキシルフェニ
ル、パーフルオロヘプチルフェニル、パーフルオロオク
チルフェニル、パーフルオロノニルフェニル、パーフル
オロデシルフェニル、パーフルオロウンデシルフェニ
ル、パーフルオロドデシルフェニル、パーフルオロスチ
レン化フェニル、パーフルオロp−クミルフェニル、パ
ーフルオロフェニルフェニル、パーフルオロベンジルフ
ェニル等のパーフルオロアリール基等の他、モノフルオ
ロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニ
ル、テトラフルオロフェニル、モノフルオロトルイル、
(パーフルオロメチル)フェニル、(トリフルオロメチ
ル)モノフルオロフェニル、(パーフルオロエチル)フ
ェニル、(パーフルオロプロピル)フェニル、(パーフ
ルオロブチル)フェニル、(パーフルオロペンチル)フ
ェニル、(パーフルオロヘキシル)フェニル、(パーフ
ルオロヘプチル)フェニル、(パーフルオロオクチル)
フェニル、(パーフルオロノニル)フェニル、(パーフ
ルオロデシル)フェニル、(パーフルオロウンデシル)
フェニル、(パーフルオロドデシル)フェニル等が挙げ
られる。
【0023】また、フルオロシクロアルキル基、フルオ
ロシクロアルケニル基としては例えば、パーフルオロシ
クロペンチル、パーフルオロシクロヘキシル、パーフル
オロシクロヘプチル、パーフルオロメチルシクロペンチ
ル、パーフルオロメチルシクロヘキシル、パーフルオロ
メチルシクロヘプチル、パーフルオロシクロペンテニ
ル、パーフルオロシクロヘキセニル、パーフルオロシク
ロヘプテニル、パーフルオロメチルシクロペンテニル、
パーフルオロメチルシクロヘキセニル、パーフルオロメ
チルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0024】更に、フルオロアシル基としては、前述の
フッ化炭化水素基の結合末端にカルボニル基が結合した
基が挙げられる。例えば、パーフルオロアセチル、パー
フルオロプロピオニル、パーフルオロブチリル、パーフ
ルオロイソブチリル、パーフルオロバレリル、パーフル
オロイソバレリル、パーフルオロピバリル、パーフルオ
ロドデカノイル、パーフルオロテトラデカノイル、パー
フルオロヘキサデカノイル、パーフルオロオクタデカノ
イル、パーフルオロアクリロイル、パーフルオロプロピ
オロイル、パーフルオロメタクロイル、パーフルオロク
ロトノイル、パーフルオロオレイロイル、パーフルオロ
ベンゾイル、パーフルオロフタロイル、パーフルオロス
クシニル等のパーフルオロアシル基の他、モノフルオロ
アセチル、ジフルオロアセチル、テトラフルオロプロピ
オニル、ヘキサフルオロブチリル、オクタフルオロバレ
リル、ドコサフルオロドデカノイル、オクタコサフルオ
ロテトラデカノイル、トリアコンタフルオロヘキサデカ
ノイル等が挙げられる。
【0025】一般式(4)において、R4は炭化水素基
を表わす。炭化水素基としては例えば上記R2と同様の
基が挙げられる。pはR4の置換数であり、0又は1〜
4の数を表わす。
【0026】本発明の新規化合物の製造方法は特に限定
されないが、代表的な製造方法としては、例えば、 X−O−(R1−O)n−Hで表わされる重合可能な
炭素−炭素二重結合を有する化合物にエピクロロヒドリ
ンを付加させてクロロヒドリン体とし、それと亜硫酸塩
を反応させてスルホン酸塩とする方法; 上記重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物
をグリシジルエーテル体としてから塩酸で開環させてク
ロロヒドリン体とし、それと亜硫酸塩を反応させてスル
ホン酸塩とする方法; 上記のグリシジルエーテル体に直接亜硫酸塩を反
応させる方法;等が挙げられる。
【0027】本発明の新規化合物を上記の方法で製造
した場合は、一般式(5)又は(6)の構造を有する化
合物が製造されるが、これはこれらに対応する下記
(5’)又は(6’)のクロロヒドリン体が生成するた
めである:
【化20】
【化21】
【0028】又、本発明の新規化合物を上記の方法で
製造した場合は、同様の理由から一般式(7)の構造を
有する化合物が製造され、上記の方法で製造した場合
は一般式(5)の構造の化合物が製造される。
【0029】本発明の一般式(5)〜(7)で表わされ
る化合物は新規化合物であり、界面活性能を有すること
から特に界面活性剤として好ましく使用することができ
る。従って、消泡剤、乳化剤、洗浄剤、分散剤、離型
剤、繊維処理剤、接着剤用添加剤、防曇剤、艶だし剤、
ウレタンフォーム等の整泡剤、塗料用添加剤、帯電防止
剤、滑剤、樹脂の内部潤滑剤、樹脂改質剤等として使用
することができ、特にビニル基等のラジカル重合基と反
応性を有する界面活性剤として乳化重合用乳化剤、懸濁
重合用分散剤、樹脂用改質(撥水性向上、親水性調節、
相溶性向上、帯電防止性向上、防曇性向上、耐水性向
上、接着性向上、染色性向上、造膜性向上、耐候性向
上、耐ブロッキング性向上等)剤等に使用することがで
きる。又、共重合体型界面活性剤(例えば特願平8―2
71026号等)の原料としても使用することができ
る。
【0030】本発明の界面活性剤を乳化重合用乳化剤と
して使用する場合は、従来公知の乳化重合用乳化剤の通
常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概
ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20重量
%、更に好ましくは0.2〜10重量%使用することが
できる。又、本発明の乳化重合用乳化剤と他の反応性又
は非反応性界面活性剤との併用も可能である。又、乳化
重合する単量体に特に制限はないが、好ましくはアクリ
レート系エマルジョン、スチレン系エマルジョン、酢酸
ビニル系エマルジョン、SBR(スチレン/ブタジエ
ン)エマルジョン、ABS(アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレン)エマルジョン、BR(ブタジエン)エ
マルジョン、IR(イソプレン)エマルジョン、NBR
(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルジョン等に好
適に使用できる。
【0031】ここで、アクリレート系エマルジョンとし
ては例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)同士、
(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)
アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸(エステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ル酸(エステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸
(エステル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸
(エステル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸(エス
テル)/アルキロールアミド、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)/N,N―ジメチルアミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルア
ミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0032】また、スチレン系エマルジョンとしては、
スチレン単独の他例えば、スチレン/アクリロニトリ
ル、スチレン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリ
ル、スチレン/マレインニトリル、スチレン/シアノア
クリル酸エステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、ス
チレン/クロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロス
チレン、スチレン/ビニルカルバゾール、スチレン/
N,N−ジフェニルアクリルアミド、スチレン/メチル
スチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、
スチレン/アクリロニトリル/メチルスチレン、スチレ
ン/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン
/マレイン酸等が挙げられる。
【0033】更に、酢酸ビニル系エマルジョンとして
は、酢酸ビニル単独の他例えば、酢酸ビニル/スチレ
ン、酢酸ビニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニ
トリル、酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニ
ル/フマル酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸
ビニル/プロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸
ビニル/塩化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジ
エン、酢酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレ
イン、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテル等が挙げら
れる。
【0034】本発明の界面活性剤を懸濁重合用分散剤と
して使用する場合は、従来公知の懸濁重合用分散剤の通
常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概
ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20重量
%、更に好ましくは0.2〜10重量%使用することが
できる。又、本発明の懸濁重合用分散剤と他の反応性又
は非反応性分散剤、例えばポリビニルアルコール等との
併用も可能である。又、懸濁重合する単量体に特に制限
はないが、好ましくはハロゲン化オレフィン系、酢酸ビ
ニル系等の重合に好適に使用できる。
【0035】ここで、ハロゲン化オレフィン系の重合と
しては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル/マ
レイン酸(エステル)、塩化ビニル/フマル酸(エステ
ル)、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニル/塩化ビニ
リデン、塩化ビニリデン/酢酸ビニル、塩化ビニリデン
/安息香酸ビニル等が挙げられる。酢酸ビニル系の重合
については上記と同様である。
【0036】本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用
分散剤により乳化重合又は懸濁重合を行う際には、一般
的に重合開始剤、重合促進剤、架橋剤、分子量調整剤、
連鎖移動剤等を使用する。使用できる重合開始剤として
は例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、ラウロイ
ルパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
又、亜硫酸塩とパーオキサイド化合物、過酸化水素とF
2+塩等のレドックス開始剤等も使用できる。又、重合
促進剤としては例えば、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第
一鉄アンモニウム等を使用することができる。又、架橋
剤として例えばジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどを使用することができる。
重合調節剤としては、例えばドデシルメルカプタン等を
加えることができる。又、他の添加剤、例えばハルス、
コロイダルシリカ、ハイブリッドシリカ等の存在下に重
合させてもよい。
【0037】又、重合の際に媒体を加えることができ
る。例えば、水、メタノール、2−プロパノール、n−
ブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、塩化亜鉛水溶
液、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸
エチル、ジオキサン等が挙げられる。
【0038】本発明の界面活性剤を乳化重合用乳化剤又
は懸濁重合用分散剤として使用する場合は重合可能な二
重結合基を有するため、従来、非反応型乳化剤を使用し
た場合に問題となっていたエマルション又はサスペンジ
ョンの泡立ち、エマルション又はサスペンジョンから得
られるポリマーの諸物性(耐水性・耐候性・接着性等)
の低下、製造工程において出てくる排水中に乳化剤を含
有するために起こる排水負荷、環境破壊等の種々の問題
点を解決出来る。又、析出操作時に出る排水に該乳化剤
又は該分散剤が含まれないため、排水負荷・環境破壊に
繋がらないという利点を有する。この点については特に
ABS樹脂の製造時に顕著である。
【0039】又、本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重
合用分散剤は、スルホン酸基を親水基として有している
ために加水分解によって親水基部分が分解することが無
い。従って、極性が低下することによって界面活性剤と
しての性能が低下することが無い。これは親水基として
特定のスルホン酸基を有する化合物を界面活性剤として
使用した本発明特有の効果である。
【0040】本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用
分散剤を使用した乳化重合又は懸濁重合により得られた
重合体エマルジョンは、塗料、接着剤、粘着剤、イン
ク、フィルム、コーティング剤、紙塗工剤、サイズ剤、
シーラー等に使用することができる。
【0041】本発明の界面活性剤を樹脂改質剤として使
用する場合、改質することができる樹脂の物性は例え
ば、親水性の調節、相溶性の向上、帯電防止性の向上、
防曇性の向上、耐水性の向上、接着性の向上、染色性の
向上、造膜性の向上、耐候性の向上、耐ブロッキング性
の向上等である。改質の対象となる樹脂は特に限定され
ず、前記単量体の重合によって製造されるあらゆる樹脂
に使用可能である。又、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等
にも使用することができる。なかでも塩化ビニル、塩化
ビニリデン等のポリハロゲン化オレフィン類、エチレ
ン、プロピレン等のポリα―オレフィン類等に使用する
ことが好ましい。
【0042】本発明の樹脂改質剤は、樹脂表面に塗工し
たり樹脂を加工する際に練りこむ等して添加することが
できる。又、樹脂製造時に単量体成分の一つとして他の
単量体と共重合させることにより樹脂の分子中に本発明
の樹脂改質剤が組み込まれ、永久帯電防止等の永久改質
効果を得ることができる。本発明の樹脂改質剤を樹脂単
量体と共重合させて使用する場合、共重合の方法は、塊
状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を採る
ことができるが、本発明の樹脂改質剤は乳化重合又は懸
濁重合の際には乳化剤又は分散剤としても機能しうるこ
とから、乳化重合又は懸濁重合により共重合させること
が好ましい。
【0043】本発明の樹脂改質剤は、構造中にエーテル
鎖を含有する化合物を用いることにより、単量体に対し
て優れた相溶性を示す。又、(R1−O)n基を有する場
合は、必要に応じて重合度n及びR1の種類を改質の目
的及び単量体との相溶性に応じて選択することにより親
水性を容易に調節することができる。このため本発明の
樹脂改質剤は単量体との相溶性と重合体の改質効果を同
時に向上させることができるものである。又、本発明の
樹脂改質剤を使用する事により、使用された樹脂に永久
帯電防止、防曇性等を付与する事が可能である。
【0044】本発明の樹脂改質剤の使用量は、単量体の
種類、改質の目的、要求される性能などにより、種々変
えることができるが、単量体に対して好ましくは0.1
〜80重量%使用する事ができ、特に親水性の不充分な
水溶性樹脂を親水性の高い重合体にしようとする場合等
では、単量体に対して1〜80重量%使用することがよ
り好ましい。その他の用途、例えば耐水性、接着性、帯
電防止性、防曇性、染色性、造膜性、耐候性、耐ブロッ
キング性等の向上のため、あるいはポリマ−アロイのた
めの重合体に相溶化性を付与しようとする場合等には単
量体に対して0.1〜60重量%使用することが好まし
い。
【0045】本発明の樹脂改質剤を使用する場合には樹
脂物性の改善のためにジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド
等の架橋性ジビニル化合物等を通常の使用量の範囲で任
意に使用することができる。更に、乳化重合用乳化剤、
懸濁重合用分散剤、樹脂改質剤として使用する場合は例
えば金属酸化剤の存在によって樹脂ポリマーを架橋させ
ることも可能である。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無
い限り重量基準である。 (製造例1) (1)攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた3,000
cm3加圧反応装置にノニルフェノール440g(2モ
ル)及び触媒として水酸化ナトリウム4.4gを仕込
み、100℃、10mmHg以下の減圧下で1時間脱水
した。その後、窒素を導入して常圧に戻し、90℃に冷
却してからアリルグリシジルエーテル228g(2モ
ル)をフィードした。フィード終了後、90℃で5時間
熟成した。この後、130℃でエチレンオキサイド88
0g(20モル)をフィードし、フィード終了後、2時
間熟成した。 (2)次いで、塩化第二スズ5gを仕込み80℃で溶解
させ、エピクロロヒドリン204g(2.2モル)を8
0℃でフィードし、フィード終了後、80℃で2時間熟
成した。これに48%水酸化ナトリウム192g(2.
3モル)を添加し80℃で2時間攪拌した。 (3)更に、亜硫酸水素ナトリウム300g(2.5モ
ル)及び水200gを入れ、120℃で5時間加熱攪拌
した。この後、100℃で脱水した後、塩化メチレンで
希釈し、ろ過、エバポレートして精製し、本発明の化合
物1を得た。尚、エプトン法により求めたアニオン界面
活性剤としての純度は96%であった。又、NMRの測
定によればアリル基は99%残存していた。
【0047】(製造例2)ノニルフェノールに代えて1
H,1H−ペンタデカフルオロ−1−オクタノールを、
アリルグリシジルエーテルに代えてメタリルグリシジル
エーテルを、亜硫酸水素ナトリウムに代えて亜硫酸水素
カリウムを使用した以外は製造例1と同様の反応を行
い、本発明の化合物2を得た。尚、アニオン界面活性剤
としての純度は96%であり、メタリル基は99%残存
していた。
【0048】(製造例3)ノニルフェノールに代えて1
0−ウンデセン−1−オールを、アリルグリシジルエー
テルに代えて1,2−ドデセンオキサイドを、エチレン
オキサイドに代えてブチレンオキサイドを使用した以外
は製造例1と同様の反応を行い、本発明の化合物3を得
た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は96%であ
り、アリル基は95%残存していた。
【0049】(製造例4) (1)攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1,000
cm3ガラス製フラスコにノニルフェノール440g
(2モル)、アリルクロライド168g(2.2モル)
及び触媒として炭酸カリウム10gを仕込み、50℃で
5時間攪拌した。220℃に昇温し、更に5時間攪拌し
た後、減圧して分留し、アリルノニルフェノール426
g(収率82%)を得た。 (2)次いで、得られたアリルノニルフェノール260
g(1モル)及び触媒として水酸化カリウム2gを仕込
み、130℃まで昇温してエチレンオキサイド440g
(20モル)をフィードし、フィード終了後、2時間熟
成した。 (3)以下、製造例1の(2)(3)と同様の反応を行
い、本発明の化合物4を得た。尚、アニオン界面活性剤
としての純度は93%であった。又、NMRよりアリル
基はプロペニル基に転位しており、重合性の二重結合と
しては98%残存していることがわかった。後の検討の
結果、アリル基からプロペニル基への転位はアルキレン
オキサイドの付加工程で起こっていることがわかった。
【0050】(製造例5) (1)ノニルフェノールに代えてオクチルフェノールを
使用した以外は製造例4(1)と同様の反応を行い、ア
リルオクチルフェノールを得た。 (2)攪拌機、温度計、窒素導入管、還流式分水器、滴
下ロートを備えた2,000cm3ガラス製フラスコに上
記反応で得られたオクチルフェノール246g及びエピ
クロロヒドリン720g(8モル)を入れ、エピクロロ
ヒドリン還流下に水を除去しながら48%水酸化ナトリ
ウム水溶液92g(1.1モル)を3時間かけて滴下し
た。滴下終了から5時間還流を続けた。この後、減圧し
て過剰なエピクロロヒドリンを除去し、トルエン300
gを入れ、水300gで3回水洗した。減圧して脱水、
ろ過してアリルオクチルフェニルグリシジルエーテルを
得た。 (3)製造例(1)と同様の反応を行い、本発明の化合
物5を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は9
6%であり、重合性の二重結合は98%残存していた。
【0051】(製造例6)ノニルフェノールに代えてp
−クミルフェノールを、アリルクロライドに代えてメタ
リルクロライドを、エチレンオキサイドに加えてプロピ
レンオキサイドを使用した以外は実施例4と同様の反応
を行い、本発明の化合物6を得た。尚、アニオン界面活
性剤としての純度は92%であり、メタリル基は他のア
ルケニル基に転位しておらず、98%残存していた。
【0052】(製造例7) (1)攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた3,000
cm3加圧反応装置にアリルアルコール58g及び触媒
として水酸化ナトリウムを5g仕込み、120℃に昇温
してブチレンオキサイド720g(10モル)をフィー
ドし、フィード終了後、120℃で5時間熟成した。こ
の後、120℃でエチレンオキサイド880g(20モ
ル)をフィードし、フィード終了後、2時間熟成した。 (2)この後、製造例1の(2)(3)と同様の反応を
行い、本発明の化合物7を得た。尚、アニオン界面活性
剤としての純度は92%であり、重合性の二重結合は9
8%残存していた。
【0053】(製造例8)アリルアルコールに代えて1
0−ウンデセン−1−オールを、エチレンオキサイドに
代えてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混
合物を使用した以外は製造例4と同様の反応を行い、本
発明の化合物7を得た。尚、アニオン界面活性剤として
の純度は92%であり、重合性の二重結合は98%残存
していた。
【0054】以上の製造例で得られた本発明の化合物の
構造は以下のとおり。 本発明の化合物1:
【化22】 又は
【化23】 本発明の化合物2:
【化24】 又は
【化25】 本発明の化合物3:
【化26】 又は
【化27】 本発明の化合物4:
【化28】 又は
【化29】 本発明の化合物5:
【化30】 又は
【化31】 本発明の化合物6:
【化32】 又は
【化33】 本発明の化合物7:
【化34】 又は
【化35】 本発明の化合物8:
【化36】 又は
【化37】
【0055】(比較製造例1)ホスゲン導入管、ドライ
アイス冷却凝縮器、攪拌機、温度計を備えた2,000
cm3ガラス製フラスコに、製造例1の(1)で得られ
た化合物774g(1モル)を入れ。15℃にてホスゲ
ン267g(2.7モル)を2時間かけて添加した。添
加終了後、20℃で20時間攪拌した後、減圧して過剰
のホスゲンを除去した。この後、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロライド2.5gを添加して130℃に昇
温し、5時間加熱した。この生成物はNMR及び塩素含
量の分析により製造例1の(1)で得られた化合物の水
酸基が塩素原子で置換された化合物であることが確認さ
れた。攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた3,00
0cm3加圧反応装置に上記クロライド400g(約0.
5モル)、無水亜硫酸ナトリウム101g(0.8モ
ル)、イオン交換水800g及び48%水酸化ナトリウ
ム水溶液10gを仕込み、155℃で12時間攪拌した
後、100℃に冷却し脱水、ろ過して比較の化合物1を
得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は78%で
あり、アリル基は65%残存していた。
【0056】(比較製造例2)製造例1の(1)で得ら
れた化合物に代えて製造例4の(1)で得られた化合物
を使用した以外は比較製造例1と同様の反応を行い、比
較の化合物2を得た。尚、アニオン界面活性剤としての
純度は72%であり、重合性二重結合は78%残存して
いた。
【0057】(比較製造例3)製造例1の(1)で得ら
れた化合物に代えて製造例6の(1)で得られた化合物
を使用した以外は比較製造例1と同様の反応を行い、比
較の化合物3を得た。尚、アニオン界面活性剤としての
純度は75%であり、重合性二重結合は58%残存して
いた。
【0058】比較製造例で得られた化合物及びその他の
比較の化合物は以下のとおり。 比較の化合物1:
【化38】 比較の化合物2:
【化39】 比較の化合物3:
【化40】 比較の化合物4:
【化41】 比較の化合物5:
【化42】 比較の化合物6:
【化43】
【0059】 比較の化合物7:オレイン酸カリウム 比較の化合物8:ポリビニルアルコール(分子量1,1
00) 比較の化合物9:ステアリン酸モノグリセライド
【0060】尚、上記の構造式中、EOはオキシエチレ
ン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレ
ン基の略である。
【0061】(実施例1:分散性試験)容器100ml
の共栓付メスシリンダ−に本発明の界面活性剤1〜8を
1g、カ−ボンブラックを10gを入れ、水にて溶解分
散させ100mlに調整した。次に、そのメスシリンダ
−を1分間に100回振とうした後、1時間25℃にて
静置した。その後、液上面から30cc抜き取りグラス
フィルタ−にて濾過した後、105℃にて、乾燥させ、
グラスフィルタ−上の残査の重量よりカーボンブラック
分散性を次式により測定した。 分散性能(%)=[グラスフィルタ−の残査重量(g)
/3]×100
【0062】
【表1】
【0063】(実施例2:加水分解安定性試験)本発明
の界面活性剤1〜8又は比較の界面活性剤1〜7の1%
水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液及び塩酸水溶液でp
H6.5〜7.5に調整し、そのうち200mlを30
0mlガラス製耐圧容器に入れ、油浴中、150℃で1
68時間加熱した。試験前後のアニオン界面活性剤含量
をエプトン法により求め、下記の式より加水分解率を算
出した。 加水分解率(%)=[(B−A)/A]×100 但し、A:試験前のアニオン界面活性剤含量 B:試験後のアニオン界面活性剤含量
【0064】
【表2】
【0065】(実施例3:乳化安定性試験)100ml
の共栓付きメスシリンダーに水49ml、本発明の乳化
重合用乳化剤1〜8又は比較品1〜7を1g入れ溶解さ
せた後、モノマー50mlを入れた。そのメスシリンダ
ーを1分間に100回振とうした後、24時間、25℃
に静置しエマルジョン層の量を測定した。尚、モノマー
はスチレン及びアクリル酸ブチルを用いた。
【0066】
【表3】
【0067】(実施例4:アクリル酸エチル乳化重合試
験)還流冷却器、攪拌機、滴下ロート及び温度計を備え
た反応容器に、水120gを仕込み、系内を窒素ガスで
置換した。別にアクリル酸エチルを80g及び本発明の
乳化重合用乳化剤1〜8又は比較品1〜6を4g混合
し、このうち8.4gと、過流酸カリウム0.08g、
亜硫酸ナトリウム0.04gを反応容器に加え、50℃
で重合を開始した。その後、残りのモノマー/乳化重合
用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続的
に滴下し、滴下終了後2時間熟成しエマルジョンを得
た。以上の方法で得られた重合体エマルジョンに対して
以下の方法により評価・測定を行った。
【0068】<評価・測定方法> (1)重合体安定性 重合後の上記重合体エマルジョンを325メッシュの金
網でろ過し、ろ過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間
乾燥させ、この重量を測定し固形分に対する重量%で表
した。 (2)機械安定性 重合後の上記重合体エマルジョン50gをマロン法安定
度試験器で10kg、1000rpmの条件で5分間回
転させ、生成した凝塊物を100メッシュの金網で濾過
し、濾過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥さ
せ、この重量を測定し固型分に対する重量%で表した。 (3)発泡量 重合後の上記重合体エマルジョンを水で2倍に希釈し、
この希釈エマルジョン20mlを100mlの目盛り付
き試験管に入れ、10秒間上下に強振した時の泡高を測
定した。 (4)フィルムの吸水率 重合後の上記重合体ラテックスから0.5mmのポリマ
−フィルムを作製し、50℃の温水に24時間浸漬後、
重量変化を測定し、浸漬前のポリマーフィルムに対する
重量%で表した。
【0069】
【表4】
【0070】(実施例5:塗料用樹脂の乳化重合試験又
は塗料用樹脂改質試験)還流冷却器、攪拌機、滴下ロー
ト及び温度計を備えた反応容器に、水120gを仕込
み、系内を窒素ガスで置換した。別にスチレン/アクリ
ル酸ブチル/アクリル酸=49/49/2部混合物を8
0g及び本発明の乳化重合用乳化剤1〜8又は比較品1
〜6を4g混合し、このうち8.4gと、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド
(和光純薬工業製、商品名V−50、構造は下記のとお
り)0.12gを反応容器に加え、50℃で重合を開始
した。その後、残りのモノマー/乳化重合用乳化剤混合
物を2時間にわたって反応容器内に連続的に滴下し、滴
下終了後2時間熟成しエマルジョンを得た。以上の方法
で得られた重合体エマルジョンに対して以下の方法によ
り評価・測定を行った。
【0071】<2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)ハイドロクロライド>
【化44】
【0072】<評価・測定方法> (1)重合体安定性及び(2)機械安定性 実施例4と同様の方法で行った。次に、塗料用樹脂とし
ての性能を評価するために、下記の方法で塗料組成物を
得た。酸化チタン(TCR−10、東邦化学製)100
部、水道水50部、消泡剤(アデカネートB−940、
旭電化工業製)0.8部及び分散剤(アデカコールW−
304、旭電化工業製)0.4部をボールミルで15時
間混合し、白色の顔料ペーストを作成した。この顔料ペ
ースト50部、上記実施例5で製造した重合体エマルジ
ョン100部、消泡剤(アデカネートB−940、旭電
化工業製)2部及び造膜剤(チッソサイザーCS−1
2、チッソ製)2部をディスパーで混合し、塗料組成物
を得た。この塗料組成物を150mm×70mm×0.
8mmのアルミニウム板に塗膜厚さ10ミルのバーコー
ターで塗布し、常温で1週間乾燥させたものを以下の試
験に使用した。 (3)60°光沢 JIS−K−5400に準拠して行った。 (4)耐候性 サンシャインウェザーメーターを使用し、塗装した上記
アルミニウム板に紫外線を照射しながら8時間おきに4
時間イオン交換水をスプレーするサイクルを500時間
繰り返し、その後の60°光沢保持率を測定した。
【0073】
【表5】
【0074】(実施例6:ABS乳化重合試験)攪拌
機、圧力計及び温度計を備えた耐圧反応容器に、本発明
の乳化重合用乳化剤1〜8又は比較品1〜7を2g、ブ
タジエン100g、過流酸カリウム0.3g、リン酸カ
リウム1g、水酸化カリウム0.1g、t−ドデシルメ
ルカプタン0.2g及び水100gを仕込み、窒素気流
下50℃で反応を開始した。反応が進むにつれて5℃刻
みで昇温し、75℃になってから50時間熟成してから
ろ過して、ポリブタジエンラテックスを得た。次に、還
流冷却器、攪拌器、滴下ロート及び温度計を備えた反応
容器に上記のポリブタジエンラテックス30g(固形
分)、水70g(ポリブタジエンラテックス中の水を含
む)を仕込み、窒素ガスで置換した。別にスチレン50
g、アクリロニトリル20gと本発明の乳化重合用乳化
剤1〜8又は比較品1〜7を1g溶解し、このうち7g
と過硫酸カリウム0.5gを反応容器に加え、60℃で
グラフト反応を開始した。残りのモノマー/乳化重合用
乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続滴下
し、滴下終了後、更に2時間熟成してからろ過し、AB
S重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジ
ョンに酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル
フェノールを1g添加した後、濃硫酸1gを加えて凝集
させ、ろ過して固形物と廃液に分けた。固形物は水洗乾
燥し、白色粉状のABS樹脂を得た。
【0075】<評価・測定方法> (1)重合安定性 上記ポリブタジエンラテックス及び重合後の上記ABS
重合体エマルジョンを250メッシュの金網でろ過し、
ろ過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥させ、こ
の重量を測定し固形分に対する重量%で表した。 (2)酸析性試験 重合後の上記重合体エマルジョンに濃硫酸を添加し、5
0℃で5分間攪拌後、静置した。その後、該重合体エマ
ルジョンの凝集性を目視にて観察し、以下の基準で評価
した。 ◎:完全にエマルジョンが凝集し、上澄み液が透明であ
った。 ○:大部分のエマルジョンが凝集し、上澄み液はやや白
濁していた。 ×:一部のエマルジョンが凝集し、上澄み液は明らかに
白濁していた。 (3)COD(化学的酸素要求量)及びBOD(生物的
酸素要求量) JIS―K―0102(工業排水試験法)に準拠し、酸
析後の廃水のCOD及びBODを測定した。 (4)アイゾット衝撃試験 上記ABS樹脂を200℃、69kg/cm2で射出成
型してアイゾット衝撃試験用の試験片を作製し、JIS
―K―7202(硬質プラスチックのアイゾット衝撃試
験方法)に準拠し、上記ABS樹脂のアイゾット衝撃試
験を行った。又、同様に試験片を130℃の恒温槽に空
気気流下で48時間放置し、同様のアイゾット衝撃試験
を行った。
【0076】
【表6】
【0077】(実施例7:塩化ビニル懸濁重合試験)グ
ラスライニングオートクレーブに、脱イオン水150
g、本発明の懸濁重合用分散剤1〜8又は比較品1〜6
若しくは8を2g及びジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート0.2gを仕込み、オートクレーブ内
を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩
化ビニルモノマーを100g仕込み、回転数500rp
mで攪拌下に57℃に昇温して重合を行った。重合開始
時、オートクレーブ内の圧力は8.0kg/cmGであ
ったが、重合開始7時間後、4.0kg/cmGとなっ
たので、この時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニル
モノマーをパージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。
上記の方法で得られたポリ塩化ビニルについて、以下の
方法により試験を行った。
【0078】(1)粒径分布 タイラーメッシュ基準の金網を使用した乾式篩分析によ
り、得られた樹脂粒径のうち250メッシュを通過しな
い粒子の重量割合を測定した。 (2)フィルムの耐水性 上記の方法により得られたポリ塩化ビニルから0.5m
m厚のポリマ−フィルムを作製し、50℃の温水に浸漬
させ、フィルムが白化するまでに要する時間を測定し、
以下の基準で評価した。 ◎:1日以上、○:1時間以上、×:1時間未満
【0079】
【表7】
【0080】(実施例8:樹脂改質剤(共重合型))還
流冷却器、攪拌器、滴下ロ−ト及び温度計を備えた反応
容器にキシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置
換した。別にスチレン150g、本発明の樹脂改質剤1
〜8又は比較品1〜3若しくは5〜6を7.5g、過酸
化ベンゾイル2g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサ
イド1gの混合溶液を調整し、反応温度130℃で上記
混合溶液を2時間にわたり反応器内に連続的に滴下し
た。更に、キシレン100g、過酸化ベンゾイル0.5
g、ジ・タ−シャリ−ブチルパ−オキサイド0.5gの
混合溶液を滴下し、2時間反応させた。その後冷却し、
キシレンを90g添加し、重合体溶液を得た。比較のた
め、本発明の樹脂改質剤を加えずに反応させた重合体溶
液を上記の方法と同様の方法にて調整し、比較品9を重
合体溶液の固形分に対して1%溶解させたものをそれぞ
れ用意した。
【0081】上記の方法で得られた各重合体溶液から、
0.2mm厚のポリマ−フィルムを常法により作製し、
それぞれ以下の方法で帯電防止性、防曇性及び帯電防止
効果並びに防曇性の持続性を評価した。 (1)フィルムの帯電防止性 上記ポリマ−フィルムを温度20℃、湿度35%の雰囲
気中に24時間放置後、表面固有抵抗を測定した。 (2)フィルムの防曇性 上記ポリマ−フィルムに対する水の接触角を測定した。 (3)帯電防止効果及び防曇性の持続性 上記(1)及び(2)の試験をした後のポリマーフィル
ムを、水を含ませた脱脂綿で50回水拭きした後、温度
20℃、湿度35%の雰囲気中に30分間放置後、表面
固有抵抗値及び水の接触角を測定した。
【0082】
【表8】
【0083】(実施例9:樹脂改質剤(練り込み型))
ポリスチレンの樹脂ペレット100gと、本発明の樹脂
改質剤1〜8又は比較品1〜3、5、6若しくは9を5
g混練機に仕込み、210℃で30分間混練した。その
後、10cm×10cm×5cmの型に流し込み、試験
片を作成した。この試験片について、実施例8と同様に
試験・評価を行った。
【0084】
【表9】
【0085】
【発明の効果】本発明の効果は、親水基としてスルホン
酸基を有し、且つ、製造上炭素―炭素二重結合への付加
反応が起こるおそれが無い、反応性界面活性剤として有
用な化合物を提供したことにある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 (式中、Xは重合可能な炭素−炭素二重結合を有する基
    を表わし、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを
    表わし、R1は炭化水素基を表わし、Aは基 【化2】 【化3】 又は 【化4】 を表わし、nは0又は1以上の数を表わす。)で表わさ
    れる新規化合物。
  2. 【請求項2】 Xの有する炭素−炭素二重結合が、下記
    の一般式(2) 【化5】 (式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、
    xは0又は1以上の数を表わし、yは0又は1の数を表
    わす。)で表わされる、請求項1記載の新規化合物。
  3. 【請求項3】 Xが、下記の一般式(3) 【化6】 (式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、
    xは0又は1以上の数を表わし、yは0又は1の数を表
    わし、R2は炭化水素基又は−O−R3で表わされる基を
    表わし、R3は炭化水素基、アシル基、1以上の水素原
    子がフッ素原子で置換された炭化水素基又は1以上の水
    素原子がフッ素原子で置換されたアシル基を表わす。)
    で表わされる基である、請求項1記載の新規化合物。
  4. 【請求項4】 Xが、下記の一般式(4) 【化7】 (式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、
    xは0又は1以上の数を表わし、yは0又は1の数を表
    わし、R4は炭化水素基を表わし、pは0又は1〜4の
    数を表わす。)で表わされる基である、請求項1記載の
    新規化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の新
    規化合物からなる界面活性剤。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の界面活性剤からなる乳化
    重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤又は樹脂改質剤。
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