JP3516418B2 - ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤

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JP3516418B2
JP3516418B2 JP08606095A JP8606095A JP3516418B2 JP 3516418 B2 JP3516418 B2 JP 3516418B2 JP 08606095 A JP08606095 A JP 08606095A JP 8606095 A JP8606095 A JP 8606095A JP 3516418 B2 JP3516418 B2 JP 3516418B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
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    • C08F2/20Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)を用いたビニル化合物の懸
濁重合用分散安定剤に関し、更に詳しくは、新規なPV
A系樹脂を用いた塩化ビニルの懸濁重合用分散安定剤に
関する。 【0002】 【従来の技術】PVAは、従来よりビニル化合物の懸濁
重合用分散安定剤として広く利用されているが、単にポ
リ酢酸ビニルをケン化して得られるPVAでは、品質的
に満足し得ない場合が多く、種々のモノマーを用いて共
重合変性したり、変性基を付加したりした変性PVAが
用いられている。例えば、エチレン性不飽和ジカルボン
酸系モノマーで共重合変性され、一方のカルボン酸がア
ルキルエステル化され、他方が遊離のカルボキシル基又
はその塩を形成したもの(特開昭62−119202号
公報)、側鎖に疎水性基とイオン性親水基を含有するも
の(特開昭56−55403号公報)、更には疎水性基
に着目して各種のアミド基を含有させたもの(特開昭5
1−58485号公報、特開昭57−80401号公
報、特開昭59−136301号公報、特開昭60−2
40701号公報、特開平3−290403号公報、特
開平5−65307号公報)が用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように疎水性基として脂肪酸ビニルエステル或いはエチ
レン性不飽和ジカルボン酸モノエステルや従来公知のア
クリル系アミド類による変性PVAは、ケン化時或いは
PVA溶液放置時の変性基の(脱離に対する)安定性に
欠けるという欠点を有しており、一方では懸濁重合によ
り得られた塩化ビニル系重合体粒子についても、市場で
の要求性能は一段と厳しくなり、重合安定性に優れ、か
つ加工物性の良好な塩化ビニル系重合体粒子が得られる
ようなビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤が望まれて
いるのである。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者らは、変性成分として下記
化1で示される分岐アルキルアクリルアミド(A)を
0.1〜20モル%、エチレン性不飽和カルボン酸もし
くはその塩の少なくとも1種(B)を0.1〜20モル
%共重合体成分とする新規なPVA系樹脂が、溶液放置
時の変性基の安定性に優れ、かつ該分散安定剤を用いて
ビニル化合物の懸濁重合を行ったとき得られる塩化ビニ
ル系重合体粒子が良好な物性を示すことを見いだし本発
明に至った。 【化1】 (但し、R1は水素又はメチル基、R2〜R4は、アルキ
ル基又はアリール(aryl)基、R5 は水素又はアルキル基
又はアリール(aryl)基をそれぞれ示し、R2〜R5の炭素
数の合計が4以上である。) 【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
変性PVA(以下、単に変性PVAと称することがあ
る)系樹脂は、上記の如く(A)及び(B)単位を必須
成分としており、(A)単位は上記化学式で示される如
き3級炭素原子を有する分岐アルキルアクリルアミド成
分でR1〜R5 の上記官能基を有するものでR2 〜R5
の官能基の炭素数が、4未満ではケン化時の変性基の安
定性及び溶液の放置安定性が悪く、又得られるビニル系
重合体粒子の物性の点で不適当であり、該炭素数は好ま
しくは4〜16である。該(A)単位を含有する共重合
可能な単量体としては、N−tert−オクチルアクリ
ルアミド、N−1,1−ジメチルブチルアクリルアミ
ド、N−1,1,2−トリメチルプロピルアクリルアミ
ド、N−1−メチル−1−エチルプロピルアクリルアミ
ド、N−1,1−ジメチルペンチルアクリルアミド、N
−1,1,2−トリメチルブチルアクリルアミド、N−
1,1,3−トリメチルブチルアクリルアミド、N−
1,1,2,2−テトラメチルプロピルアクリルアミ
ド、N−1,2−ジメチル−1−エチルプロピルアクリ
ルアミド、N−1,1−ジエチルプロピルアクリルアミ
ド、N−1,1,2−トリメチルペンチルアクリルアミ
ド、N−1,1,3−トリメチルペンチルアクリルアミ
ド、N−1,1,4−トリメチルペンチルアクリルアミ
ド、N−1,2−ジメチル−1−エチルブチルアクリル
アミド、N−1,3−ジメチル−1−エチルブチルアク
リルアミド、N−1,1,2,3−テトラメチルブチル
アクリルアミド、N−1,2,2−トリメチル−1−エ
チルブチルアクリルアミド、N−1,1,3−トリメチ
ルヘキシルアクリルアミド、N−1,1,4−トリメチ
ルヘキシルアクリルアミド、N−1,1,3,3−テト
ラメチルペンチルアクリルアミド、N−1−メチル−1
−フェニルエチルアクリルアミド、N−1−メチル−1
−イソプロピルペンチルアクリルアミド、N−1,5ジ
メチル−1−エチルヘキシルアクリルアミド、N−1,
1−ジメチル−2−フェニルエチルアクリルアミド、N
−1,1−ジメチル−3−フェニルプロピルアクリルア
ミド、N−1,1−ジフェニルエチルアクリルアミド、
N−tert−アミルアクルアミド、N−1−メチル−
1−エチルイソブチルアクリルアミド、N−2,2−ジ
メチル−1,1−ジエチルプロピルアクリルアミド、N
−1−メチル,1−エチルブチルアクリルアミド、N−
1,1ジメチルヘキシルアクリルアミド、N−1,1−
ジメチルデシルアクリルアミド、N,N−メチル−te
rt−ブチルアクリルアミド、N,N−イソプロピル−
tertブチルアクリルアミドが挙げられる。 【0006】更には、N−tert−オクチルメタアク
リルアミド、N−1,1−ジメチルブチルメタアクリル
アミド、N−1,1,2−トリメチルプロピルメタアク
リルアミド、N−1−メチル−1−エチルプロピルメタ
アクリルアミド、N−1,1−ジメチルペンチルメタア
クリルアミド、N−1,1,2−トリメチルブチルメタ
アクリルアミド、N−1,1,3−トリメチルブチルメ
タアクリルアミド、N−1,1,2,2−テトラメチル
プロピルメタアクリルアミド、N−1,2−ジメチル−
1−エチルプロピルメタアクリルアミド、N−1,1−
ジエチルプロピルメタアクリルアミド、N−1,1,2
−トリメチルペンチルメタアクリルアミド、N−1,
1,3−トリメチルペンチルメタアクリルアミド、N−
1,1,4−トリメチルペンチルメタアクリルアミド、
N−1,2−ジメチル−1−エチルブチルメタアクリル
アミド、N−1,3−ジメチル−1−エチルブチルメタ
アクリルアミド、N−1,1,2,3−テトラメチルブ
チルメタアクリルアミド、N−1,2,2−トリメチル
−1−エチルブチルメタアクリルアミド、N−1,1,
3−トリメチルヘキシルメタアクリルアミド、N−1,
1,4−トリメチルヘキシルメタアクリルアミド、N−
1,1,3,3−テトラメチルペンチルメタアクリルア
ミド、N−1−メチル−1−フェニルエチルメタアクリ
ルアミド、N−1−メチル−1−イソプロピルペンチル
メタアクリルアミド、N−1,5ジメチル−1−エチル
ヘキシルメタアクリルアミド、N−1,1−ジメチル−
2−フェニルエチルメタアクリルアミド、N−1,1−
ジメチル−3−フェニルプロピルメタアクリルアミド、
N−1,1−ジフェニルエチルメタアクリルアミド、N
−tert−アミルメタアクリルアミド、N−1−メチ
ル−1−エチルイソブチルメタアクリルアミド、N−
2,2−ジメチル−1,1−ジエチルプロピルメタアク
リルアミド、N−1−メチル,1−エチルブチルメタア
クリルアミド、N−1,1ジメチルヘキシルメタアクリ
ルアミド、N−1,1−ジメチルデシルメタアクリルア
ミド、N,N−メチル−tert−ブチルメタアクリル
アミド、N,N−イソプロピル−tertブチルメタア
クリルアミドなどが挙げられ、好ましくはN−tert
−オクチルアクリルアミドが好適に使用される。 【0007】又(B)単位を含有する共重合可能な単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット
酸、フマル酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸モ
ノエステル、シトラコン酸モノエステル、フマル酸モノ
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸及びそれらの塩等が挙げられる。 【0008】通常、本発明の変性PVA系樹脂を製造す
るには(A)、(B)とビニルエステル(C)を共重合
して得られるビニルエステル共重合体をケン化する。
(C)としてはギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる
が、経済的にみて酢酸ビニルが好ましい。 【0009】上記変性PVA系樹脂の各単位の割合は、
上記化学式で示されるN−分岐アルキルアクリルアミド
単位(A)を0.1〜20モル%、経済性という面より
好ましくは0.3〜10モル%、エチレン性不飽和カル
ボン酸もしくはその塩の少なくとも1種(B)を0.1
〜20モル%、好ましくは0.1〜5モル%を含有する
もので、ビニルエステル単位(C)及びビニルアルコー
ル単位(D)については、特に限定されない。更に、ケ
ン化度(ビニルエステル単位(C)とビニルアルコール
単位(D)との合計量に対するビニルアルコール単位
(D)の割合)及び重合度についても特に制限はない
が、重合度が50以下のものは重合安定性或いは脱モノ
マー時の重合体スラリー飛散によるスケール付着の点で
好ましくない。 【0010】次に本発明の変性PVA系樹脂の製造方法
について説明する。本発明の変性PVA系樹脂は、分岐
アルキルアクリルアミド単量体とエチレン性不飽和カル
ボン酸もしくはその塩の少なくとも1種及びビニルエス
テルの共重合体をケン化することによって得られる。該
共重合反応は、ラジカル重合での公知の重合方法、例え
ば塊状重合,溶液重合,乳化重合,懸濁重合等から任意
に選択できるが、工業的にみて溶液重合が好ましい。又
バッチ重合、連続重合等のいずれの方法も採用すること
ができる。重合時の単量体の仕込み方法としては特に制
限はなく、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意
の方法が採用されるが、分岐アルキルアクリルアミド及
びエチレン性不飽和カルボン酸若しくはその塩をPVA
分子中に均一に導入出来る点で分割仕込み、或いは連続
仕込み方法が有利である。 【0011】共重合に当たって触媒としてはアゾビスイ
ソブチルニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の公知の
ラジカル重合触媒及びアゾビスジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温
活性ラジカル触媒等が用いられる。又、反応温度は特に
限定されず、当業者周知の範囲より好適に選択される。 【0012】かかる重合に当たっては、本発明の趣旨を
損なわない限り上記3成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、メタアクリルアミド、エチレン、プロピレン、α−
ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタド
デセン等のオレフィン、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキ
ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、イタコン
酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステ
ル、フマル酸ジアルキルエステル等を少量共重合させて
もよい。 【0013】かかる方法により得られた共重合体は、次
にケン化される。ケン化方法としては、ニーダーケン
化、連続ケン化、パールケン化等のいずれの方法も採用
することができ、該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金
属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、或い
は硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。又、ケン化反応
温度は特に制限はなく、通常10〜60℃、好ましくは
20〜50℃の範囲から選ばれる。ケン化反応終了後、
中和して、必要に応じてアルコール等で洗浄し乾燥する
ことにより目的とする変性PVA系樹脂が得られる。 【0014】次に得られた変性PVA系樹脂を分散安定
剤として用いたビニル系化合物の懸濁重合法について説
明する。懸濁重合を行う際には、通常水又は加熱水媒体
に本発明の変性PVA系樹脂を分散安定剤として添加
し、ビニル系モノマーを分散させて油溶性触媒の存在下
で重合を行う。該PVA系樹脂は、粉末のまま或いは溶
液状で添加することができる。また該PVA系樹脂が水
分散体となり得る場合には、水分散液として添加するこ
とができる。特に溶液状においては、該PVA系樹脂が
水溶性の場合には水溶液で、又非水溶性の場合でもアル
コール、ケトン、エステル等の有機溶媒又はこれら有機
溶媒と水との混合溶媒に溶解させて溶液として添加する
ことができる。水分散液においては、該PVA系樹脂が
水への自己分散性を持つ場合は、そのまま水分散液を添
加することができる。また水溶性PVA等の他の分散剤
で、該変性PVA系樹脂を水に分散させて、その水分散
液を添加することも可能である。該分散安定剤は、重合
の初期に一括仕込みしても、又重合の途中で分割して仕
込んでもよい。 【0015】使用される触媒としては、油溶性の触媒で
あれば特に限定されず、例えばベンゾールパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、α,α′−アゾビスイソブチロニ
トリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキ
サイド或いはこれらの混合物が使用される。重合温度
は、当業者周知の範囲から任意に選択される。また、本
発明の変性PVA系樹脂以外の公知の分散剤、例えば公
知の(変性)PVA系樹脂やセルロース系樹脂等を併用
することも可能であり、又本発明の変性PVA系樹脂を
助剤として使用することも可能である。 【0016】懸濁重合の対象となるモノマーとしては、
塩化ビニルの単独重合のみではなく、これと共重合可能
なモノマー、例えばハロゲン化ビニリデン、ビニルエー
テル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸又はその無水物やエチレン、プロ
ピレン、スチレン等との共重合物にも好適であり、更に
は塩化ビニル用に限らず、スチレン、メタクリル酸エス
テル、酢酸ビニル等任意のビニル化合物の懸濁重合用に
も使用することができる。 【0017】 【作用】本発明のビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤
は、特定の変性PVA系樹脂を用いているため、該分散
安定剤の溶液の放置安定性に優れ、かつ該分散安定剤を
用いて懸濁重合して得られたポリ塩化ビニルは嵩密度が
高く、可塑剤の吸収性が高く、粒度分布がシャープで、
かつ残留モノマーが少なく、更には成形時にフィッシュ
アイが少ない等の利点を有してビニル化合物の懸濁重合
用分散安定剤として大変有用性が高く、又助剤として使
用することも可能で、かかる分散安定剤を用いて懸濁重
合された塩化ビニルは、成形加工性に優れ、フィルム、
ホース、シート、ビニルレザー、ビニル鋼板、防水帆
布、塗装布、工業用手袋、印刷用ロール、靴底、発泡
体、人形、クッション等の用途に利用することができ
る。 【0018】 【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断り
のない限り重量基準を意味する。 (変性PVA系樹脂の製造)還流冷却器、滴下漏斗、攪
拌機を備えた重合缶に酢酸ビニル1000部、メタノー
ル250部を仕込み攪拌しながら窒素気流下で温度を上
昇させ62℃においてアゾビスイソブチロニトリル0.
4部をメタノール19.6部に溶解した溶液を投入し重
合を開始した。重合開始点よりマレイン酸モノメチル8
部とN−tert−オクチルアクリルアミド54部を溶
解させたメタノール溶液100部を5時間にわたって連
続的に滴下しながら重合を行い、酢酸ビニルエステルの
重合率が50%になった時点で重合を終了した。続いて
メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニ
ルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を
得た。次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度を3
0%に調製してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に
保ちながら水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて
中和した。 【0019】これに水酸化ナトリウムが樹脂中の酢酸ビ
ニル単位に対して30ミリモル量になるように水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液を更に加えて混練りした。ケ
ン化反応進行と共にケン化物が析出し、遂には粒子状と
なった。生成した変性PVA系樹脂を濾過し、メタノー
ルでよく洗浄して熱風乾燥器中で乾燥し、目的物を得
た。得られた変性PVA系樹脂をソックスレー抽出器を
用いてメタノールで抽出洗浄しN−tert−オクチル
アクリルアミドによる変性度を1H−NMRで分析した
結果、変性度は4.8モル%であった。又、マレイン酸
モノメチルの変性度はケン化前の共重合体の滴定による
酸分の定量で分析を行ったところ、変性度は1.0モル
%であり、変性PVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビ
ニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行
ったところ98モル%であった。尚、この変性PVA系
樹脂のB型粘度計による4%水溶液の粘度は、32cp
s/20℃であった。 【0020】更に、得られた変性PVAのIRスペクト
ル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属を以下に
示す。 【0021】実施例1 上記の変性PVA系樹脂の4%水溶液を調製して、40
℃で1ケ月間放置した後、該水溶液を用いて以下の要領
で塩化ビニルの重合を行った。尚、上記の水溶液の放置
安定性を調べるためにN−tert−オクチルアクリル
アミド変性度を1H−NMRにより分析を行い、変性度
の変化を調べた。その結果を表3に示す。撹拌機を備え
たオートクレーブ中に塩化ビニルモノマー100重量
部、水150重量部、上記の変性PVA系樹脂の水溶液
1.75重量部(変性PVA系樹脂の固形分換算で0.
07重量部)及びラウロイルパーオキサイド0.2重量
部を仕込み、回転数400rpmで撹拌しながら温度6
0℃にて懸濁重合を行って、ポリ塩化ビニル粒子を得
た。かかるポリ塩化ビニル粒子について、後述の如き性
能評価を行った。該性能評価結果は表4に示す。 【0022】実施例2〜6、比較例1〜8 表1に示した成分及び仕込み量で上記の(変性PVA系
樹脂の製造)と同様の手順により酢酸ビニルとの共重合
(比較例8では、変性用の単量体を添加せず)及びケン
化を行って表2に示す種々の変性PVA系樹脂を製造
し、該PVA系樹脂を用いて実施例1と同様に放置処理
後に塩化ビニルの懸濁重合を行って、ポリ塩化ビニル粒
子を得た後、実施例1と同様の性能評価を行った。放置
処理の結果を表3に、ポリ塩化ビニル粒子の性能評価結
果を表4にそれぞれ示す。尚、実施例6及び比較例8に
おいては、重合度2400,ケン化度80モル%のPV
Aを0.05重量部用い、助剤として実施例6又は比較
例8に示すPVA系樹脂を0.02重量部併用した。 【0023】 【表1】 酢酸ビニルと共重合した単量体の種類、仕込み量及び重合率 (A) 単 量 体 (B) 単 量 体 重合率 種 類 仕込み量 種 類 仕込み量 (%) (モル%) (モル%) 実施例1 N−t−OAAm 5.0 3M 1.0 50 〃 2 N−t−OAAm 2.0 3M 1.0 54 〃 3 N−TMPAAM 1.5 3M 1.5 58 〃 4 N−TMPAAM 1.0 イタコン酸 2.0 56 〃 5 N−DMPEAAm 0.5 イタコン酸 3.0 52 〃 6 N−t−OAAm 2.0 イタコン酸 0.3 59 比較例1 N−t−OAAm 2.0 −− − 52 〃 2 N−n−OAAn 2.0 3M 1.0 52 〃 3 VeoVa−10 1.0 AS 1.0 55 〃 4 VeoVa−10 2.0 イタコン酸 1.0 56 〃 5 MRM 3.0 −− − 55 〃 6 −− − AMPS 5.0 64 〃 7 −− − 3M 1.0 60 〃 8 −− − −− − 87 【0024】注) 仕込み量は、モノマーの総仕込み量
に対する(A)或いは(B)単量体の仕込みモル分率
(モル%)を表す。略語は以下の通り。 N−t−OAAm;N−tert−オクチルマレイン酸
モノアミド N−TMPAAm;N−1,1,4−トリメチルペンチ
ルアクリルアミド N−DMPEAAm;N−1,1−ジメチルフェニルエ
チルマレイン酸モノアミド N−n−OAAm;N−n−オクチルマレイン酸モノア
ミド 3M;マレイン酸モノメチル VeoVa−10;下式化2で示される単量体 【化2】 (但し、R1,R2,R3は水素又はアルキル基でR1,R
2,R3の炭素数の合計は平均10である。) AS;アリルスルホン酸ナトリウム MRM;モノ(ジイソプロピルメチル)マレート AMPS;N−スルホイソブチレンアクリルアミドナト
リウム 【0025】 【表2】 変 性 P V A ケン化度 (A)単量体 (B)単量体 4%粘度 の含有量 の含有量 (モル%) (モル%) (モル%) (cps) 実施例1 98 4.8 1.0 32 〃 2 88 2.0 1.0 30 〃 3 80 1.5 1.5 27 〃 4 72 1.0 2.0 29 〃 5 65 0.5 2.8 31 〃 6 40 2.0 0.3 水不溶 比較例1 88 2.0 − 30 〃 2 88 1.6 1.0 29 〃 3 72 0.8 1.0 15 〃 4 80 1.5 1.0 28 〃 5 90 2.0 − 23 〃 6 75 − 5.0 14 〃 7 80 − 1.0 28 〃 8 45 − − 水不溶 【0026】尚、上記の実施例2〜6で用いられた変性
PVA系樹脂のIRスペクトル及び1H−NMR(D
2O)スペクトルの帰属を以下に示す。【0027】 【0028】【0029】 【0030】【0031】 【表3】 *)実施例6の変性PVA系樹脂は水不溶であるため評
価せず。 【0032】 【表4】 嵩密度 粒度分布(%) ポロシティ ポロシティの 可塑剤 残存 フィッシュアイ (g/cc) 42メッシュ 250メッシュ (cc/g) 均一性 吸収性 モノマー 以上 以下 (ppm) 実施例1 0.58 0 0 0.32 A A 0.3 A 〃 2 0.58 0 0 0.33 A A 0.2 A 〃 3 0.57 0 0 0.34 A A 0.2 A 〃 4 0.58 0 0 0.36 A A 0.1 A 〃 5 0.56 0 0 0.36 A A 0.2 A 〃 6 0.56 0 0 0.36 A A 0.2 A 比較例1 0.50 1.9 0 0.30 B B 1.1 B 〃 2 0.55 0.9 0.3 0.26 B B 1.9 B 〃 3 0.54 5.5 2.1 0.25 C B 1.2 C 〃 4 0.52 2.7 1.0 0.26 B B 1.7 B 〃 5 0.51 0 0.7 0.27 A A 0.4 A 〃 6 ブロック化して、粒子が得られなかった。 〃 7 0.50 6.9 2.1 0.30 B A 0.5 B 〃 8 0.49 0 0 0.32 A A 0.5 A 【0033】注)表中の評価方法及び評価基準は以下の
通り。 <嵩密度>JIS K 6721に準拠した。 <粒度分布>タイラーメッシュ基準の金網を用いて乾式
篩分析により42メッシュオンの粗大粒子と250メッ
シュパスの微細粒子のそれぞれの含有量を重量%で表し
た。 <ポロシティ>水銀圧入式ポロシメーターにより測定し
た。 <ポロシティの均一性>得られたポリ塩化ビニル粒子1
00gとDOP(ジオクチルフタレート)150gを1
0分間室温で十分に混合した後、スライドグラス上に置
いて下から光をあてて、該光を透過しない粒子の個数
(粒子100個当たり)を顕微鏡観察により測定した。
評価基準は以下の通り。 A −−− 0〜1個 B −−− 2〜3個 C −−− 4個以上 尚、ポロシティの小さいポリ塩化ビニル粒子は、光を透
過しにくいため上記個数が少ない方が好ましい。 【0034】<可塑剤吸収性>プラストグラフに接続さ
れたプラネタリー型ミキサーに得られたポリ塩化ビニル
粒子60部とDOP(ジオクチルフタレート)40部の
混合物を投入して、80℃で撹拌しながら各時間毎の混
練トルクを測定し、混練トルクが低下するまでの経過時
間を調べた。評価基準は以下の通り。 A −−− 3分未満 B −−− 3〜5分未満 C −−− 5分以上 <残存モノマー>得られたポリ塩化ビニル粒子の一定量
をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させて、ガスク
ロマトグラフにより残存する塩化ビニルモノマーを定量
した。 【0035】<フィッシュアイ>得られたポリ塩化ビニ
ル粒子100部、DOP(ジオクチルフタレート)50
部、ジオクチル錫ジラウレート3部及びステアリン酸亜
鉛1部を155℃でロール練りして0.3mm厚のシー
トを作製し100mm×100mm当たりのフィッシュ
アイの数を測定した。評価基準は以下の通り。 A −−− 0〜4個 B −−− 5〜10個 C −−− 11個以上 【0036】 【発明の効果】本発明のビニル化合物の懸濁重合用分散
安定剤は、特定の変性PVA系樹脂を用いているため、
該分散安定剤の溶液の放置安定性に優れ、かつ該分散安
定剤を用いて懸濁重合して得られたポリ塩化ビニルは嵩
密度が高く、可塑剤の吸収性が高く、粒度分布がシャー
プで、かつ残留モノマーが少なく、更には成形時にフィ
ッシュアイが少ない等の利点を有してビニル化合物の懸
濁重合用分散安定剤として大変有用性が高く、又助剤と
して使用することも可能で、かかる分散安定剤を用いて
懸濁重合された塩化ビニルは、成形加工性に優れ、フィ
ルム、ホース、シート、ビニルレザー、ビニル鋼板、防
水帆布、塗装布、工業用手袋、印刷用ロール、靴底、発
泡体、人形、クッション等の用途に利用することができ
る。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の化1で示される分岐アルキルアク
    リルアミド(A)を0.1〜20モル%、エチレン性不
    飽和カルボン酸もしくはその塩の少なくとも1種(B)
    を0.1〜20モル%共重合成分として含有するポリビ
    ニルアルコール系樹脂からなることを特徴とするビニル
    化合物の懸濁重合用分散安定剤。 【化1】 (但し、R1は水素又はメチル基、R2〜R4は、アルキ
    ル基又はアリール(aryl)基、R5は水素又はアルキル基
    又はアリール(aryl)基をそれぞれ示し、R2〜R5の炭素
    数の合計が4以上である。)
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