JP2002293822A - 白度の良好なポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 - Google Patents

白度の良好なポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

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JP2002293822A
JP2002293822A JP2001136674A JP2001136674A JP2002293822A JP 2002293822 A JP2002293822 A JP 2002293822A JP 2001136674 A JP2001136674 A JP 2001136674A JP 2001136674 A JP2001136674 A JP 2001136674A JP 2002293822 A JP2002293822 A JP 2002293822A
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acid
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pva
polyvinyl alcohol
vinyl
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Takatoshi Mineo
孝俊 峯尾
Toshifumi Matsuoka
敏文 松岡
Keiji Yugawa
啓次 湯川
Naoki Sawamura
直樹 澤村
Yoshihiro Kimura
佳弘 木村
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Unitika Chemical Co Ltd
Original Assignee
Unitika Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白度の良好なポリビニルアルコール系樹脂を
工業的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ビニルエステル重合体をアルカリ触媒を
用いてけん化してポリビニルアルコール系樹脂を製造す
るに際し、けん化後にクエン酸、シュウ酸、マロン酸、
マレイン酸、フタル酸、酒石酸、グルタコン酸、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、リン酸、硫酸等の第一解離定
数(pKal)が4.0以下である多塩基酸を用いて中
和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白度の良好なポリ
ビニルアルコール系樹脂を工業的に製造する方法を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(以下、PVAと
略記する)は、工業的にはビニルエステルをアルコール
溶液中で重合し、得られたビニルエステル重合体をけん
化して製造されているが、こうして得られたPVAは完
全な白色ではなく、一般に僅かながら黄色を帯びる傾向
を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】PVAは繊維加工、フ
ィルムや紙加工、接着剤、各種無機材料のバインダー、
乳化安定剤などの広範な用途に使用されており、特にフ
ィルムや紙加工の用途では白度の良好なPVAが望まれ
ている。しかしながら、PVAの着色要因について、従
来から多くの研究がなされているが、未だ明確な結論は
得られていないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の白度の良好なP
VA系樹脂の製造方法は、上記問題点を解決するもので
あって、ビニルエステル重合体をアルカリ触媒を用いて
けん化した後、第一解離定数(pKal)が4.0以下
である多塩基酸を用いて中和することを特徴とするもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に使用されるビニルエステル類として
は、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどが挙げられる
が、工業的には酢酸ビニルが望ましい。重合方式は、回
分重合、半連続重合、連続重合のいずれでもよい。ま
た、重合方法も塊状重合、溶液重合、懸濁重合、あるい
は乳化重合法などの公知の方法でよいが、工業的には溶
液重合が好ましい。重合溶媒としてはメタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアル
コール類が使用されるが、工業的にはメタノールが好ま
しい。重合開始剤としては特に制限はなく、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイ
ル、ラウロイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート等のアゾ系または過酸化物系の開
始剤が用いられる。
【0006】また、前記ビニルエステルと共重合可能な
不飽和単量体とビニルエステルとの共重合を行っても良
い。ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体として
は、例えば、アクリル酸等の不飽和一塩基酸またはその
塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和二塩
基酸またはその塩、あるいはマレイン酸モノメチル、イ
タコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエ
ステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルア
ミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含
有単量体、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンアク
リレート、ジアセトンメタクリレート等のジアセトン基
含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニ
ルエーテル等のアルキルビニルエーテル、アリルアルコ
ール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニルアリ
ルアルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテー
ト、ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアリル
アセテート等のアセチル基含有単量体、ビニルエチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、メタクリル酸プ
ロピレンカーボネート、アクリル酸プロピレンカーボネ
ート等の環状カーボネート基含有単量体、ビニルスルホ
ン酸ソーダ、アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ソーダ等のビニルスルホン酸基含有単量体、塩化
ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、スチ
レン等の芳香族系単量体を挙げることができるが、これ
に限らない。
【0007】また、n−プロピルメルカプタン、n−ヘ
キシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタ
ン、2−メルカプトエタノールなどの連鎖移動剤類を使
用して、ビニルエステル重合体の重合度を調整すること
も可能である。
【0008】ビニルエステル重合体をけん化する際は、
メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類とアルコール類との混合
溶媒中で、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化
物やナトリウムメチラートなどのアルコラート等をけん
化触媒として用いた公知のアルカリけん化法によって行
う。本発明ではこのけん化反応を停止させる際に第一解
離定数(pKal)が4.0以下である多塩基酸を用い
て中和を行う。第一解離定数(pKal)が4.0以下
である多塩基酸としてクエン酸、シュウ酸、マロン酸、
マレイン酸、フタル酸、酒石酸、グルタコン酸、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、リン酸、硫酸等を挙げること
ができるが、これに限らない。けん化反応を停止させる
際にこれらの多塩基酸の1種を用いて、もしくはこれら
の多塩基酸を2種以上併用して、もしくはこれらの多塩
基酸と酢酸、塩酸などの一塩基酸を併用して系をpH6
〜11に、好ましくはpH8〜10に、さらに好ましく
はpH8.5〜9.5に中和する。
【0009】けん化、中和して得られたPVA系樹脂の
乾燥、粉砕方法は特に制限はなく公知の方法で行われ
る。なお、PVA系樹脂の重合度、けん化度に特に制限
はなく、アルカリけん化によって製造されるすべてのP
VA系樹脂に適用することができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、得られたPVA系樹脂の性能は次の方
法で行った。 1.重合度、けん化度、4%粘度 JIS K 6726に準じて行った。 2.白度 得られたPVA系樹脂を粒子径300〜500μmにふ
るい分けた後、日本電色製色差計SE−2000を用い
て測定した。
【0011】実施例1 攪拌機、還流冷却管を備えた反応器に酢酸ビニル800
質量部、メタノール200質量部および重合開始剤とし
て2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部
を仕込み、系の温度を60℃に保って6時間、回分反応
させた。ポリ酢酸ビニルの重合収率は70質量%であっ
た。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱
モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き
込んで重合溶液と接触させ、未反応の酢酸ビニルモノマ
ーを除去した。モノマー除去後のポリ酢酸ビニル−メタ
ノール溶液濃度は40質量%であった。このポリ酢酸ビ
ニル−メタノール溶液500質量部に対して5質量%水
酸化ナトリウム−メタノール溶液10質量部を添加した
後、よく攪拌して40℃に保ってけん化反応を行った。
得られたゲルを粉砕したスラリーにクエン酸水溶液を添
加して系をpH9に中和した。中和したスラリーを固液
分離し、固体成分を乾燥してPVAを得た。このPVA
の白度は表1に示すように、優れたものであった。
【0012】実施例2 実施例1と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーに酒石酸水溶液を添加して系を
pH9に中和した。中和したスラリーを固液分離し、固
体成分を乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表
1に示すように優れたものであった。
【0013】実施例3 実施例1と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーにりん酸水溶液を添加して系を
pH9に中和した。中和したスラリーを固液分離し、固
体成分を乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表
1に示すように優れたものであった。
【0014】実施例4 実施例1と同様の方法で重合、脱モノマーして得られた
ポリ酢酸ビニル−メタノール溶液500質量部に対して
5質量%水酸化ナトリウム−メタノール溶液質量部と水
5質量部とを添加した後、よく攪拌して40℃に保って
けん化反応を行った。得られたゲルを粉砕したスラリー
にクエン酸水溶液を添加して系をpH9に中和した。中
和したスラリーを固液分離し、固体成分を乾燥してPV
Aを得た。このPVAの白度は表1に示すように優れた
ものであった。
【0015】実施例5 攪拌機、還流冷却管、連続添加・連続排出装置を備えた
反応器に酢酸ビニル700質量部、メタノール300質
量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5質
量部を連続的に導入するとともに、系の温度を60℃に
保って同量のポリ酢酸ビニル−メタノール溶液を連続的
に排出しながら連続反応させた。平均滞留時間が5時間
のときの反応器出口での重合収率は85質量%であっ
た。得られた重合溶液を実施例1と同様の方法で脱モノ
マー、けん化、中和、固液分離し、固体成分を乾燥して
PVAを得た。このPVAの白度は表1に示すように優
れたものであった。
【0016】比較例1 実施例1と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーに酢酸を添加して系をpH9に
中和した。中和したスラリーを固液分離し、固体成分を
乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表1に示す
ように、不十分であった。
【0017】比較例2 実施例1と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーにコハク酸を添加して系をpH
9に中和した。中和したスラリーを固液分離し、固体成
分を乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表1に
示すように、不十分であった。
【0018】比較例3 実施例4と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーに酢酸を添加して系をpH9に
中和した。中和したスラリーを固液分離し、固体成分を
乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表1に示す
ように、不十分であった。
【0019】比較例4 実施例5と同様の方法で重合、脱モノマー、けん化、粉
砕して得られたスラリーに酢酸を添加して系をpH9に
中和した。中和したスラリーを固液分離し、固体成分を
乾燥してPVAを得た。このPVAの白度は表1に示す
ように、不十分であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ビニルエステル重合体をアルカリ触媒を用い
てけん化してPVA系樹脂を製造するに際し、けん化後
に第一解離定数(pKal)が4.0以下である多塩基
酸を用いて中和することで、白度の良好なPVA系樹脂
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤村 直樹 大阪府堺市若松台1−2−1−501 (72)発明者 木村 佳弘 大阪府堺市若松台1−2−5−302 Fターム(参考) 4J100 AD02P AG04P BA03H CA01 CA31 HA09 HB39 HB52 HB58 HC12 HC28 HE12 JA00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルエステル重合体をアルカリ触媒を
    用いてけん化した後、第一解離定数(pKal)が4.
    0以下である多塩基酸を用いて中和することを特徴とす
    る白度の良好なポリビニルアルコール系樹脂の製造方
    法。
JP2001136674A 2001-03-30 2001-03-30 白度の良好なポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 Pending JP2002293822A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100590310B1 (ko) 2005-03-15 2006-06-19 동양제철화학 주식회사 황색도가 낮고 내열성이 우수한 폴리비닐알콜 수지의제조방법
CN113024698A (zh) * 2021-03-09 2021-06-25 内蒙古双欣环保材料股份有限公司 一种提升聚乙烯醇白度的方法
CN113603815A (zh) * 2021-08-25 2021-11-05 云南唯益新材料有限公司 低聚合度聚乙烯醇的制备方法

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CN113024698B (zh) * 2021-03-09 2023-02-14 内蒙古双欣环保材料股份有限公司 一种提升聚乙烯醇白度的方法
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