JP3995763B2 - 界面活性剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な構造を有する界面活性剤に関する。又、本発明は該界面活性剤の具体的用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、重合性炭素−炭素二重結合、親水基及び疎水基を有するいわゆる反応性界面活性剤は、界面活性能を有しながら重合体と共に重合可能であるという特有の性質が注目され、乳化重合用の乳化剤、懸濁重合用の分散剤、樹脂の永久帯電防止剤等を中心に使用分野、使用規模、使用範囲等が拡大している。反応性界面活性剤には様々なタイプがあるが、親水基で分類すると、硫酸エステル基(−OSO3M)(例えば、特公平2−22693号、特公平2−23561号)、リン酸エステル基(−PO3M2)(例えば特公平2−22694号、特公平2−23562号、特公平7−5646号)、カルボキシル基(−COOM)(例えば特開平6−248005号)等の種類がある。
【0003】
ところで、乳化重合においては、乳化剤としてアニオン界面活性剤単独、又はアニオン界面活性剤に非イオン界面活性剤を併用し、単量体を乳化して重合を行う。重合体は乳化分散した状態で得られ、これを塩析・溶媒除去等を行って樹脂を得るのが一般的である。ここで使用するアニオン界面活性剤の親水基としては上記のような基が代表的であるが、カルボキシル基は親水基としては極性が低く、特にカルシウムイオンやマグネシウムイオンの共存下、いわゆる硬水条件下、又は酸性条件下では親水性が低下して乳化力が低下する。又、硫酸エステル基やリン酸エステル基は条件によっては加水分解を起こして極性がなくなってしまう場合がある。又、これらの加水分解生成物である硫酸やリン酸は強力な酸であるために更に加水分解を促進したり、樹脂の酸化安定性や耐熱性に悪影響を及ぼす可能性がある。従って、より過酷な条件下で使用される樹脂や、長期にわたって使用される樹脂を乳化重合で製造する場合は加水分解のおそれが無い親水基を有するアニオン性界面活性剤を選択しなければならない。
【0004】
加水分解のおそれが無い親水基にはスルホン酸基がある。親水基としてスルホン酸基を有する反応性界面活性剤は、例えば特表平3−503168号に提案されている下記の化合物がある:
【化8】
(BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基の略)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような化合物は乳化性が不安定であったり、乳化重合用乳化剤として使用した場合に凝集物量が多く、エマルジョンの機械的安定性に劣るという問題点があった。
又、上記のような化合物を製造する場合、下記のような製造工程を経て製造される:
【化9】
【0006】
上記反応のうち、水酸基を塩素化する工程で製造上有利とされている方法は、塩化チオニルやホスゲンを使用する方法である。しかし、これらの試薬は反応性が高いので取り扱いが難しい上に、副反応として炭素−炭素二重結合への塩素の付加が起こりやすく、得られた化合物の重合性が低下してしまうという問題点があった。
従って、本発明の目的は、親水基としてスルホン酸基を有し、且つ、製造上炭素−炭素二重結合への付加反応が起こるおそれが無い、界面活性剤並びに該界面活性剤の具体的用途を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は下記の一般式(1)
【化8】
[式中、Xは下記の一般式(2)
【化9】
(式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、xは0又は1〜10の数を表わす。)で表わされる基、
下記の一般式(3)
【化10】
(式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、xは0又は1〜10の数を表わし、R 2は後述のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基、又は−O−R3で表わされる基を表わし、R3はR 2 と同意義又は後述のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアリール基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロシクロアルケニル基を表わす。)で表わされる基、又は
【化11】
(式中、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、xは0又は1〜10の数を表わし、R 4はR 2 と同意義をもち、pは0又は1〜4の数を表わす。)で表わされる基であり、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わし、R1はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基を表わし、Aは基
【化12】
【化13】
【化14】
を表わし、nは1〜100の数を表わす。]
で表わされる界面活性剤(以下、新規化合物という)である。又、本発明は該新規化合物の具体的用途に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記一般式(1)で表される新規化合物は、より具体的には下記の一般式(5)〜(7)で表すことができる:
【化14】
【化15】
【化16】
(式中、X、M、R1及びnは上述と同意義をもつ)
【0009】
本発明の新規化合物を表わす一般式(5)〜(7)において、Xは下記の一般式(2)〜(4)で表わされる基である。Xとして好ましい基は、一般式(2)で表わされる基である。
【化15】
【0010】
一般式(2)において、R及びR’は水素原子又はメチル基を表わし、xは0又は1〜10の数を表わす。従って、一般式(2)で表わされる基としては例えば、アリル基(R=R’=水素原子、x=1)、メタリル基(R=水素原子、R’=メチル基、x=1)、プロペニル基(R=メチル基、R’=水素原子、x=1)ビニル基(R=R’=水素原子、x=0)、1−ウンデセニル基(R=R’=水素原子、x=9)、α−不飽和アルケニル酸残基(R=水素原子、x=0又は1〜10)、β−不飽和アルケニル基(R=メチル基、x=0又は1〜10)等が挙げられる。
【0011】
又、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わす。金属原子としては例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられ、アンモニウムとしては例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、エタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等のアンモニウムが挙げられる。
【0012】
又、R1は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であり、エチレン基であることがより好ましい。又、R1が2種以上の基である場合は1種はエチレン基であることが好ましい。更に、R1が2種以上の基である場合は全R1のうち、モル数で1/3以上がエチレン基であることが好ましく、1/2以上がエチレン基であることが一層好ましい。一般式(5)〜(7)の(R1−O)n部は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドを付加重合することにより得ることができる。又、アルキレンオキサイドを付加することによって(R1−O)n部を形成する場合は、付加させるアルキレンオキサイドによりR1が決定される。付加させるアルキレンオキサイドの重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキサイドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってもよい。中でも、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合が好ましく、スルホネート基側に結合する部分がエチレンオキサイドのブロック重合部であることが更に好ましい。重合度は1〜100である。
【0013】
Xとして特に好ましい基は、一般式(3)又は(4)で表わされる基である:
【化16】
【化17】
【0014】
一般式(3)において、R2 はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基である。
ここで、アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドコシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
【0015】
また、アルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0016】
更に、アリール基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0017】
また、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0018】
又、R2は−O−R3で表わされる基でもよい。R3 はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を表わす。アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば上記R2と同様の基が挙げられる。
【0019】
更に、R 3 は1以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基でもよい。1以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアリール基、フルオロシクロアルキル基、フルオロシクロアルケニル基等が挙げられる。
【0020】
ここで、フルオロアルキル基としては例えば、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロイソブチル、パーフルオロターシャリブチル、パーフルオロペンチル、パーフルオロイソペンチル、パーフルオロネオペンチル、パーフルオロターシャリペンチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロヘプチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロ2−エチルヘキシル、パーフルオロノニル、パーフルオロデシル、パーフルオロウンデシル、パーフルオロドデシル、パーフルオロトリデシル、パーフルオロイソトリデシル、パーフルオロテトラデシル、パーフルオロヘキサデシル、パーフルオロオクタデシル、パーフルオロイコシル、パーフルオロドコシル、パーフルオロテトラコシル、パーフルオロトリアコンチル、パーフルオロ2−オクチルドデシル、パーフルオロ2−ドデシルヘキサデシル、パーフルオロ2−テトラデシルオクタデシル等のCnF2n+1で表されるパーフルオロアルキル基の他、トリフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロブチル、ノナフルオロペンチル、ウンデカフルオロヘキシル、トリデカフルオロヘプチル、ペンタデカフルオロオクチル、ヘプタデカフルオロノニル、ノナデカフルオロデシル、ヘンイコサフルオロウンデシル、トリコサフルオロドデシル、ペンタコサフルオロトリデシル、ヘプタコサフロオロテトラデシル、ノナコサフルオロペンタデシル等のCnF2n-1H2又はF(CF2)n-1CH2−で表わされるフルオロアルキル基、ジフルオロエチル、テトラフルオロプロピル、ヘキサフルオロブチル、オクタフルオロペンチル、デカフルオロヘキシル、ドデカフルオロヘプチル、テトラデカフルオロオクチル、ヘキサデカフルオロノニル、オクタデカフルオロデシル、イコサフルオロウンデシル、ドコサフルオロドデシル、テトラコサフルオロトリデシル、ヘキサコサフルオロテトラデシル、オクタコサフルオロペンタデシル、トリアコンタフルオロヘキサデシル等のCnF2n-2H3又はH(CF2)n-1CH2−で表わされるフルオロアルキル基、モノフルオロエチル、トリフルオロプロピル、ペンタフルオロブチル、ヘプタフルオロペンチル、ノナフルオロヘキシル、ウンデカフルオロヘプチル、トリデカフルオロオクチル、ペンタデカフルオロノニル、ヘプタデカフルオロデシル、ノナデカフルオロウンデシル、ヘンイコサフルオロドデシル、トリコサフルオロトリデシル、ペンタコサフルオロテトラデシル、ヘプタコサフルオロペンタデシル、ノナコサフルオロヘキサデシル等のCnF2n-3H4又はF(CF2)n-2CH2CH2−で表わされるフルオロアルキル基、モノフルオロプロピル、トリフルオロブチル、ペンタフルオロペンチル、ヘプタフルオロヘキシル、ノナフルオロヘプチル、ウンデカフルオロオクチル、トリデカフルオロノニル、ペンタデカフルオロデシル、ヘプタデカフルオロウンデシル、ノナデカフルオロドデシル、ヘンイコサフルオロトリデシル、トリコサフルオロテトラデシル、ペンタコサフルオロペンタデシル、ヘプタコサフルオロヘキサデシル等のCnF2n-5H6又はF(CF2)n-3CH2CH2CH2−で表わされるフルオロアルキル基、モノフルオロヘキシル、トリフルオロヘプチル、ペンタフルオロオクチル、ヘプタフルオロノニル、ノナフルオロデシル、ウンデカフルオロウンデシル、トリデカフルオロドデシル、ペンタデカフルオロトリデシル、ヘプタデカフルオロテトラデシル、ノナデカフルオロペンタデシル、ヘンイコサフルオロヘキサデシル等のCnF2n-11H12又はF(CF2)n-6(CH2)6−で表わされるフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0021】
また、フルオロアルケニル基としては例えば、パーフルオロプロペニル、パーフルオロイソプロペニル、パーフルオロブテニル、パーフルオロイソブテニル、パーフルオロペンテニル、パーフルオロイソペンテニル、パーフルオロヘキセニル、パーフルオロヘプテニル、パーフルオロオクテニル、パーフルオロノネニル、パーフルオロデセニル、パーフルオロウンデセニル、パーフルオロドデセニル、パーフルオロテトラデセニル、パーフルオロオレイル等のパーフルオロアルケニル基の他、トリフルオロブテニル、ペンタフルオロペンテニル、ヘプタフルオロヘキセニル、ノナフルオロヘプテニル、ウンデカフルオロオクテニル、トリデカフルオロノネニル、ペンタデカフルオロデセニル、ヘプタデカフルオロウンデセニル、ノナデカフルオロドデセニル、ヘンイコサフルオロテトラデセニル、等のCnF2n-5H4又はF(CF2)n-3−CH=CHCH2−で表わされるフルオロアルケニル基等が挙げられる。
【0022】
更に、フルオロアリール基としては例えば、パーフルオロフェニル、パーフルオロトルイル、パーフルオロキシリル、パーフルオロクメニル、パーフルオロメシチル、パーフルオロベンジル、パーフルオロフェネチル、パーフルオロスチリル、パーフルオロシンナミル、ベパーフルオロンズヒドリル、パーフルオロトリチル、パーフルオロエチルフェニル、パーフルオロプロピルフェニル、パーフルオロブチルフェニル、パーフルオロペンチルフェニル、パーフルオロヘキシルフェニル、パーフルオロヘプチルフェニル、パーフルオロオクチルフェニル、パーフルオロノニルフェニル、パーフルオロデシルフェニル、パーフルオロウンデシルフェニル、パーフルオロドデシルフェニル、パーフルオロスチレン化フェニル、パーフルオロp−クミルフェニル、パーフルオロフェニルフェニル、パーフルオロベンジルフェニル等のパーフルオロアリール基等の他、モノフルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、モノフルオロトルイル、(パーフルオロメチル)フェニル、(トリフルオロメチル)モノフルオロフェニル、(パーフルオロエチル)フェニル、(パーフルオロプロピル)フェニル、(パーフルオロブチル)フェニル、(パーフルオロペンチル)フェニル、(パーフルオロヘキシル)フェニル、(パーフルオロヘプチル)フェニル、(パーフルオロオクチル)フェニル、(パーフルオロノニル)フェニル、(パーフルオロデシル)フェニル、(パーフルオロウンデシル)フェニル、(パーフルオロドデシル)フェニル等が挙げられる。
【0023】
また、フルオロシクロアルキル基、フルオロシクロアルケニル基としては例えば、パーフルオロシクロペンチル、パーフルオロシクロヘキシル、パーフルオロシクロヘプチル、パーフルオロメチルシクロペンチル、パーフルオロメチルシクロヘキシル、パーフルオロメチルシクロヘプチル、パーフルオロシクロペンテニル、パーフルオロシクロヘキセニル、パーフルオロシクロヘプテニル、パーフルオロメチルシクロペンテニル、パーフルオロメチルシクロヘキセニル、パーフルオロメチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0025】
一般式(4)において、R4はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を表わす。アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば上記R2と同様の基が挙げられる。pはR4の置換数であり、0又は1〜4の数を表わす。
【0026】
本発明の新規化合物の製造方法は特に限定されないが、代表的な製造方法としては、例えば、
▲1▼ X−O−(R1−O)n−Hで表わされる重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物にエピクロロヒドリンを付加させてクロロヒドリン体とし、それと亜硫酸塩を反応させてスルホン酸塩とする方法;
▲2▼ 上記重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物をグリシジルエーテル体としてから塩酸で開環させてクロロヒドリン体とし、それと亜硫酸塩を反応させてスルホン酸塩とする方法;
▲3▼ 上記▲2▼のグリシジルエーテル体に直接亜硫酸塩を反応させる方法;
等が挙げられる。
【0027】
本発明の新規化合物を上記▲1▼の方法で製造した場合は、一般式(5)又は(6)の構造を有する化合物が製造されるが、これはこれらに対応する下記(5’)又は(6’)のクロロヒドリン体が生成するためである:
【化20】
【化21】
【0028】
又、本発明の新規化合物を上記▲2▼の方法で製造した場合は、同様の理由から一般式(7)の構造を有する化合物が製造され、上記▲3▼の方法で製造した場合は一般式(5)の構造の化合物が製造される。
【0029】
本発明の一般式(5)〜(7)で表わされる化合物は新規化合物であり、界面活性能を有することから特に界面活性剤として好ましく使用することができる。従って、消泡剤、乳化剤、洗浄剤、分散剤、離型剤、繊維処理剤、接着剤用添加剤、防曇剤、艶だし剤、ウレタンフォーム等の整泡剤、塗料用添加剤、帯電防止剤、滑剤、樹脂の内部潤滑剤、樹脂改質剤等として使用することができ、特にビニル基等のラジカル重合基と反応性を有する界面活性剤として乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂用改質(撥水性向上、親水性調節、相溶性向上、帯電防止性向上、防曇性向上、耐水性向上、接着性向上、染色性向上、造膜性向上、耐候性向上、耐ブロッキング性向上等)剤等に使用することができる。又、共重合体型界面活性剤(例えば特願平8―271026号等)の原料としても使用することができる。
【0030】
本発明の界面活性剤を乳化重合用乳化剤として使用する場合は、従来公知の乳化重合用乳化剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%使用することができる。又、本発明の乳化重合用乳化剤と他の反応性又は非反応性界面活性剤との併用も可能である。又、乳化重合する単量体に特に制限はないが、好ましくはアクリレート系エマルジョン、スチレン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルジョン、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマルジョン、BR(ブタジエン)エマルジョン、IR(イソプレン)エマルジョン、NBR(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルジョン等に好適に使用できる。
【0031】
ここで、アクリレート系エマルジョンとしては例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)同士、(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アルキロールアミド、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N―ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0032】
また、スチレン系エマルジョンとしては、スチレン単独の他例えば、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリル、スチレン/マレインニトリル、スチレン/シアノアクリル酸エステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、スチレン/クロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロスチレン、スチレン/ビニルカルバゾール、スチレン/N,N−ジフェニルアクリルアミド、スチレン/メチルスチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、スチレン/アクリロニトリル/メチルスチレン、スチレン/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン/マレイン酸等が挙げられる。
【0033】
更に、酢酸ビニル系エマルジョンとしては、酢酸ビニル単独の他例えば、酢酸ビニル/スチレン、酢酸ビニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニトリル、酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニル/フマル酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/プロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸ビニル/塩化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジエン、酢酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレイン、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
【0034】
本発明の界面活性剤を懸濁重合用分散剤として使用する場合は、従来公知の懸濁重合用分散剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね原料モノマーに対して、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%使用することができる。又、本発明の懸濁重合用分散剤と他の反応性又は非反応性分散剤、例えばポリビニルアルコール等との併用も可能である。又、懸濁重合する単量体に特に制限はないが、好ましくはハロゲン化オレフィン系、酢酸ビニル系等の重合に好適に使用できる。
【0035】
ここで、ハロゲン化オレフィン系の重合としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル/マレイン酸(エステル)、塩化ビニル/フマル酸(エステル)、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/酢酸ビニル、塩化ビニリデン/安息香酸ビニル等が挙げられる。
酢酸ビニル系の重合については上記と同様である。
【0036】
本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤により乳化重合又は懸濁重合を行う際には、一般的に重合開始剤、重合促進剤、架橋剤、分子量調整剤、連鎖移動剤等を使用する。使用できる重合開始剤としては例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、ラウロイルパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。又、亜硫酸塩とパーオキサイド化合物、過酸化水素とFe2+塩等のレドックス開始剤等も使用できる。又、重合促進剤としては例えば、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム等を使用することができる。又、架橋剤として例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどを使用することができる。重合調節剤としては、例えばドデシルメルカプタン等を加えることができる。又、他の添加剤、例えばハルス、コロイダルシリカ、ハイブリッドシリカ等の存在下に重合させてもよい。
【0037】
又、重合の際に媒体を加えることができる。例えば、水、メタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、塩化亜鉛水溶液、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジオキサン等が挙げられる。
【0038】
本発明の界面活性剤を乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤として使用する場合は重合可能な二重結合基を有するため、従来、非反応型乳化剤を使用した場合に問題となっていたエマルション又はサスペンジョンの泡立ち、エマルション又はサスペンジョンから得られるポリマーの諸物性(耐水性・耐候性・接着性等)の低下、製造工程において出てくる排水中に乳化剤を含有するために起こる排水負荷、環境破壊等の種々の問題点を解決出来る。又、析出操作時に出る排水に該乳化剤又は該分散剤が含まれないため、排水負荷・環境破壊に繋がらないという利点を有する。この点については特にABS樹脂の製造時に顕著である。
【0039】
又、本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤は、スルホン酸基を親水基として有しているために加水分解によって親水基部分が分解することが無い。従って、極性が低下することによって界面活性剤としての性能が低下することが無い。これは親水基として特定のスルホン酸基を有する化合物を界面活性剤として使用した本発明特有の効果である。
【0040】
本発明の乳化重合用乳化剤又は懸濁重合用分散剤を使用した乳化重合又は懸濁重合により得られた重合体エマルジョンは、塗料、接着剤、粘着剤、インク、フィルム、コーティング剤、紙塗工剤、サイズ剤、シーラー等に使用することができる。
【0041】
本発明の界面活性剤を樹脂改質剤として使用する場合、改質することができる樹脂の物性は例えば、親水性の調節、相溶性の向上、帯電防止性の向上、防曇性の向上、耐水性の向上、接着性の向上、染色性の向上、造膜性の向上、耐候性の向上、耐ブロッキング性の向上等である。改質の対象となる樹脂は特に限定されず、前記単量体の重合によって製造されるあらゆる樹脂に使用可能である。又、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等にも使用することができる。なかでも塩化ビニル、塩化ビニリデン等のポリハロゲン化オレフィン類、エチレン、プロピレン等のポリα―オレフィン類等に使用することが好ましい。
【0042】
本発明の樹脂改質剤は、樹脂表面に塗工したり樹脂を加工する際に練りこむ等して添加することができる。又、樹脂製造時に単量体成分の一つとして他の単量体と共重合させることにより樹脂の分子中に本発明の樹脂改質剤が組み込まれ、永久帯電防止等の永久改質効果を得ることができる。本発明の樹脂改質剤を樹脂単量体と共重合させて使用する場合、共重合の方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を採ることができるが、本発明の樹脂改質剤は乳化重合又は懸濁重合の際には乳化剤又は分散剤としても機能しうることから、乳化重合又は懸濁重合により共重合させることが好ましい。
【0043】
本発明の樹脂改質剤は、構造中にエーテル鎖を含有する化合物を用いることにより、単量体に対して優れた相溶性を示す。又、(R1−O)n基を有する場合は、必要に応じて重合度n及びR1の種類を改質の目的及び単量体との相溶性に応じて選択することにより親水性を容易に調節することができる。このため本発明の樹脂改質剤は単量体との相溶性と重合体の改質効果を同時に向上させることができるものである。又、本発明の樹脂改質剤を使用する事により、使用された樹脂に永久帯電防止、防曇性等を付与する事が可能である。
【0044】
本発明の樹脂改質剤の使用量は、単量体の種類、改質の目的、要求される性能などにより、種々変えることができるが、単量体に対して好ましくは0.1〜80重量%使用する事ができ、特に親水性の不充分な水溶性樹脂を親水性の高い重合体にしようとする場合等では、単量体に対して1〜80重量%使用することがより好ましい。その他の用途、例えば耐水性、接着性、帯電防止性、防曇性、染色性、造膜性、耐候性、耐ブロッキング性等の向上のため、あるいはポリマ−アロイのための重合体に相溶化性を付与しようとする場合等には単量体に対して0.1〜60重量%使用することが好ましい。
【0045】
本発明の樹脂改質剤を使用する場合には樹脂物性の改善のためにジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド等の架橋性ジビニル化合物等を通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。更に、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤、樹脂改質剤として使用する場合は例えば金属酸化剤の存在によって樹脂ポリマーを架橋させることも可能である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無い限り重量基準である。
(製造例1)
(1)攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた3,000cm3加圧反応装置にノニルフェノール440g(2モル)及び触媒として水酸化ナトリウム4.4gを仕込み、100℃、10mmHg以下の減圧下で1時間脱水した。その後、窒素を導入して常圧に戻し、90℃に冷却してからアリルグリシジルエーテル228g(2モル)をフィードした。フィード終了後、90℃で5時間熟成した。この後、130℃でエチレンオキサイド880g(20モル)をフィードし、フィード終了後、2時間熟成した。
(2)次いで、塩化第二スズ5gを仕込み80℃で溶解させ、エピクロロヒドリン204g(2.2モル)を80℃でフィードし、フィード終了後、80℃で2時間熟成した。これに48%水酸化ナトリウム192g(2.3モル)を添加し80℃で2時間攪拌した。
(3)更に、亜硫酸水素ナトリウム300g(2.5モル)及び水200gを入れ、120℃で5時間加熱攪拌した。この後、100℃で脱水した後、塩化メチレンで希釈し、ろ過、エバポレートして精製し、本発明の化合物1を得た。
尚、エプトン法により求めたアニオン界面活性剤としての純度は96%であった。又、NMRの測定によればアリル基は99%残存していた。
【0047】
(製造例2)
ノニルフェノールに代えて1H,1H−ペンタデカフルオロ−1−オクタノールを、アリルグリシジルエーテルに代えてメタリルグリシジルエーテルを、亜硫酸水素ナトリウムに代えて亜硫酸水素カリウムを使用した以外は製造例1と同様の反応を行い、本発明の化合物2を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は96%であり、メタリル基は99%残存していた。
【0048】
(製造例3)
ノニルフェノールに代えて10−ウンデセン−1−オールを、アリルグリシジルエーテルに代えて1,2−ドデセンオキサイドを、エチレンオキサイドに代えてブチレンオキサイドを使用した以外は製造例1と同様の反応を行い、本発明の化合物3を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は96%であり、アリル基は95%残存していた。
【0049】
(製造例4)
(1)攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1,000cm3ガラス製フラスコにノニルフェノール440g(2モル)、アリルクロライド168g(2.2モル)及び触媒として炭酸カリウム10gを仕込み、50℃で5時間攪拌した。220℃に昇温し、更に5時間攪拌した後、減圧して分留し、アリルノニルフェノール426g(収率82%)を得た。
(2)次いで、得られたアリルノニルフェノール260g(1モル)及び触媒として水酸化カリウム2gを仕込み、130℃まで昇温してエチレンオキサイド440g(20モル)をフィードし、フィード終了後、2時間熟成した。
(3)以下、製造例1の(2)(3)と同様の反応を行い、本発明の化合物4を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は93%であった。又、NMRよりアリル基はプロペニル基に転位しており、重合性の二重結合としては98%残存していることがわかった。後の検討の結果、アリル基からプロペニル基への転位はアルキレンオキサイドの付加工程で起こっていることがわかった。
【0051】
(製造例5)
ノニルフェノールに代えてp−クミルフェノールを、アリルクロライドに代えてメタリルクロライドを、エチレンオキサイドに加えてプロピレンオキサイドを使用した以外は製造例4と同様の反応を行い、本発明の化合物5を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は92%であり、メタリル基は他のアルケニル基に転位しておらず、98%残存していた。
【0052】
(製造例6)
(1)撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた3,000cm3加圧反応装置にアリルアルコール58g及び触媒として水酸化ナトリウムを5g仕込み、120℃に昇温してブチレンオキサイド720g(10モル)をフィードし、フィード終了後、120℃で5時間熟成した。この後、120℃でエチレンオキサイド880g(20モル)をフィードし、フィード終了後、2時間熟成した。
(2)この後、製造例1の(2)(3)と同様の反応を行い、本発明の化合物6を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は92%であり、重合性の二重結合は98%残存していた。
【0053】
(製造例7)
アリルアルコールに代えて10−ウンデセン−1−オールを、エチレンオキサイドに代えてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合物を使用した以外は製造例4と同様の反応を行い、本発明の化合物7を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は92%であり、重合性二重結合は98%残存していた。
【0054】
以上の製造例で得られた本発明の化合物の構造は以下のとおり。
本発明の化合物1:
【化16】
又は
【化17】
本発明の化合物2:
【化18】
又は
【化19】
本発明の化合物3:
【化20】
又は
【化21】
本発明の化合物4:
【化22】
又は
【化23】
本発明の化合物5:
【化24】
又は
【化25】
本発明の化合物6:
【化26】
又は
【化27】
本発明の化合物7:
【化28】
又は
【化29】
【0055】
(比較製造例1)
ホスゲン導入管、ドライアイス冷却凝縮器、攪拌機、温度計を備えた2,000cm3ガラス製フラスコに、製造例1の(1)で得られた化合物774g(1モル)を入れ。15℃にてホスゲン267g(2.7モル)を2時間かけて添加した。添加終了後、20℃で20時間攪拌した後、減圧して過剰のホスゲンを除去した。この後、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド2.5gを添加して130℃に昇温し、5時間加熱した。この生成物はNMR及び塩素含量の分析により製造例1の(1)で得られた化合物の水酸基が塩素原子で置換された化合物であることが確認された。
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた3,000cm3加圧反応装置に上記クロライド400g(約0.5モル)、無水亜硫酸ナトリウム101g(0.8モル)、イオン交換水800g及び48%水酸化ナトリウム水溶液10gを仕込み、155℃で12時間攪拌した後、100℃に冷却し脱水、ろ過して比較の化合物1を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は78%であり、アリル基は65%残存していた。
【0056】
(比較製造例2)
製造例1の(1)で得られた化合物に代えて製造例4の(1)で得られた化合物を使用した以外は比較製造例1と同様の反応を行い、比較の化合物2を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は72%であり、重合性二重結合は78%残存していた。
【0057】
(比較製造例3)
製造例1の(1)で得られた化合物に代えて製造例5の(1)で得られた化合物を使用した以外は比較製造例1と同様に反応を行い、比較の化合物3を得た。尚、アニオン界面活性剤としての純度は75%であり、重合性二重結合は58%残存していた。
【0058】
比較製造例で得られた化合物及びその他の比較の化合物は以下のとおり。
比較の化合物1:
【化38】
比較の化合物2:
【化39】
比較の化合物3:
【化40】
比較の化合物4:
【化41】
比較の化合物5:
【化42】
比較の化合物6:
【化43】
【0059】
比較の化合物7:オレイン酸カリウム
比較の化合物8:ポリビニルアルコール(分子量1,100)
比較の化合物9:ステアリン酸モノグリセライド
【0060】
尚、上記の構造式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基の略である。
【0061】
(実施例1:分散性試験)
容器100mlの共栓付メスシリンダーに本発明の界面活性剤1〜7を1g、カーボンブラックを10g入れ、水にて溶解分散させ100mlに調整した。次に、そのメスシリンダーを1分間に100回振とうした後、1時間25℃にて静置した。その後、液上面から30cc抜き取りグラスフィルターにて濾過した後、105℃にて、乾燥させ、グラスフィルター上の残渣の重量よりカーボンブラック分散性を次式により測定した。
分散性能(%)=[グラスフィルターの残渣重量(g)/3]×100
【0062】
【表1】
【0063】
(実施例2:加水分解安定性試験)
本発明の界面活性剤1〜7又は比較の界面活性剤1〜7の1%水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液及び塩酸水溶液でpH6.5〜7.5に調整し、そのうち200mlを300mlガラス製耐圧容器に入れ、油浴中、150℃で168時間加熱した。試験前後のアニオン界面活性剤含量をエプトン法により求め、下記の式より加水分解率を算出した。
加水分解率(%)=[(B−A)/A]×100
但し、A:試験前のアニオン界面活性剤含量
B:試験後のアニオン界面活性剤含量
【0064】
【表2】
【0065】
(実施例3:乳化安定性試験)
100mlの共栓付きメスシリンダーに水49ml、本発明の乳化重合用乳化剤1〜7又は比較品1〜7を1g入れ溶解させた後、モノマー50mlを入れた。そのメスシリンダーを1分間に100回振とうした後、24時間、25℃に静置しエマルジョン層の量を測定した。尚、モノマーはスチレン及びアクリル酸ブチルを用いた。
【0066】
【表3】
【0067】
(実施例4:アクリル酸エチル乳化重合試験)
還流冷却器、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、水120gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にアクリル酸エチルを80g及び本発明の乳化重合用乳化剤1〜7又は比較品1〜6を4g混合し、このうち8.4gと、過硫酸カリウム0.08g、亜硫酸ナトリウム0.04gを反応容器に加え、50℃で重合を開始した。その後、残りのモノマー/乳化重合用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しエマルジョンを得た。以上の方法で得られた重合体エマルジョンに対して以下の方法により評価・測定を行った。
【0068】
<評価・測定方法>
(1)重合体安定性
重合後の上記重合体エマルジョンを325メッシュの金網でろ過し、ろ過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥させ、この重量を測定し固形分に対する重量%で表した。
(2)機械安定性
重合後の上記重合体エマルジョン50gをマロン法安定度試験器で10kg、1000rpmの条件で5分間回転させ、生成した凝塊物を100メッシュの金網で濾過し、濾過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥させ、この重量を測定し固型分に対する重量%で表した。
(3)発泡量
重合後の上記重合体エマルジョンを水で2倍に希釈し、この希釈エマルジョン20mlを100mlの目盛り付き試験管に入れ、10秒間上下に強振した時の泡高を測定した。
(4)フィルムの吸水率
重合後の上記重合体ラテックスから0.5mmのポリマ−フィルムを作製し、50℃の温水に24時間浸漬後、重量変化を測定し、浸漬前のポリマーフィルムに対する重量%で表した。
【0069】
【表4】
【0070】
(実施例5:塗料用樹脂の乳化重合試験又は塗料用樹脂改質試験)
還流冷却器、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、水120gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にスチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸=49/49/2部混合物を80g及び本発明の乳化重合用乳化剤1〜7又は比較品1〜6を4g混合し、このうち8.4gと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業製、商品名V−50、構造は下記のとおり)0.12gを反応容器に加え、50℃で重合を開始した。その後、残りのモノマー/乳化重合用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続的に滴下し、滴下終了後2時間熟成しエマルジョンを得た。以上の方法で得られた重合体エマルジョンに対して以下の方法により評価・測定を行った。
【0071】
<2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド>
【化44】
【0072】
<評価・測定方法>
(1)重合体安定性及び(2)機械安定性
実施例4と同様の方法で行った。
次に、塗料用樹脂としての性能を評価するために、下記の方法で塗料組成物を得た。
酸化チタン(TCR−10、東邦化学製)100部、水道水50部、消泡剤(アデカネートB−940、旭電化工業製)0.8部及び分散剤(アデカコールW−304、旭電化工業製)0.4部をボールミルで15時間混合し、白色の顔料ペーストを作成した。この顔料ペースト50部、上記実施例5で製造した重合体エマルジョン100部、消泡剤(アデカネートB−940、旭電化工業製)2部及び造膜剤(チッソサイザーCS−12、チッソ製)2部をディスパーで混合し、塗料組成物を得た。この塗料組成物を150mm×70mm×0.8mmのアルミニウム板に塗膜厚さ10ミルのバーコーターで塗布し、常温で1週間乾燥させたものを以下の試験に使用した。
(3)60°光沢
JIS−K−5400に準拠して行った。
(4)耐候性
サンシャインウェザーメーターを使用し、塗装した上記アルミニウム板に紫外線を照射しながら8時間おきに4時間イオン交換水をスプレーするサイクルを500時間繰り返し、その後の60°光沢保持率を測定した。
【0073】
【表5】
【0074】
(実施例6:ABS乳化重合試験)
撹拌機、圧力計及び温度計を備えた耐圧反応器に、本発明の乳化重合用乳化剤1〜7又は比較品1〜7を2g、ブタジエン100g、過硫酸カリウム0.3g、リン酸カリウム1g、水酸化カリウム0.1g、t−ドデシルメルカプタン0.2g及び水100gを仕込み、窒素気流下50℃で反応を開始した。反応が進むにつれて5℃刻みで昇温し、75℃になってから50時間熟成してからろ過して、ポリブタジエンラテックスを得た。
次に、還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に上記のポリブタジエンラテックス30g(固形分)、水70g(ポリブタジエンラテックス中の水を含む)を仕込み、窒素ガスで置換した。別にスチレン50g、アクリロニトリル20gと本発明の乳化重合用乳化剤1〜7又は比較品1〜7を1g溶解し、このうち7gと過硫酸カリウム0.5gを反応容器に加え、60℃でグラフト反応を開始した。残りのモノマー/乳化重合用乳化剤混合物を2時間にわたって反応容器内に連続滴下し、滴下終了後、更に2時間熟成してからろ過し、ABS重合体エマルジョンを得た。
得られた重合体エマルジョンに酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを1g添加した後、濃硫酸1gを加えて凝集させ、ろ過して固形物と廃液に分けた。固形物は水洗乾燥し、白色粉状のABS樹脂を得た。
【0075】
<評価・測定方法>
(1)重合安定性
上記ポリブタジエンラテックス及び重合後の上記ABS重合体エマルジョンを250メッシュの金網でろ過し、ろ過残渣を水で洗浄後、105℃、2時間乾燥させ、この重量を測定し固形分に対する重量%で表した。
(2)酸析性試験
重合後の上記重合体エマルジョンに濃硫酸を添加し、50℃で5分間攪拌後、静置した。その後、該重合体エマルジョンの凝集性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:完全にエマルジョンが凝集し、上澄み液が透明であった。
○:大部分のエマルジョンが凝集し、上澄み液はやや白濁していた。
×:一部のエマルジョンが凝集し、上澄み液は明らかに白濁していた。
(3)COD(化学的酸素要求量)及びBOD(生物的酸素要求量)
JIS―K―0102(工業排水試験法)に準拠し、酸析後の廃水のCOD及びBODを測定した。
(4)アイゾット衝撃試験
上記ABS樹脂を200℃、69kg/cm2で射出成型してアイゾット衝撃試験用の試験片を作製し、JIS―K―7202(硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験方法)に準拠し、上記ABS樹脂のアイゾット衝撃試験を行った。又、同様に試験片を130℃の恒温槽に空気気流下で48時間放置し、同様のアイゾット衝撃試験を行った。
【0076】
【表6】
【0077】
(実施例7:塩化ビニル懸濁重合試験)
グラスライニングオートクレーブに、脱イオン水150g、本発明の懸濁重合用分散剤1〜7又は比較品1〜6若しくは8を2g及びジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.2gを仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモノマーを100g仕込み、回転数500rpmで撹拌下に57℃に昇温して重合を行った。
重合開始時、オートクレーブ内の圧力は8.0kg/cmGであったが、重合開始7時間後、4.0kg/cmGとなったので、この時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーをパージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。上記の方法で得られたポリ塩化ビニルについて、以下の方法により試験を行った。
【0078】
(1)粒径分布
タイラーメッシュ基準の金網を使用した乾式篩分析により、得られた樹脂粒径のうち250メッシュを通過しない粒子の重量割合を測定した。
(2)フィルムの耐水性
上記の方法により得られたポリ塩化ビニルから0.5mm厚のポリマ−フィルムを作製し、50℃の温水に浸漬させ、フィルムが白化するまでに要する時間を測定し、以下の基準で評価した。
◎:1日以上、○:1時間以上、×:1時間未満
【0079】
【表7】
【0080】
(実施例8:樹脂改質剤(共重合型))
還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器にキシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にスチレン150g、本発明の樹脂改質剤1〜7又は比較品1〜3若しくは5〜6を7.5g、過酸化ベンゾイル2g、ジ・ターシャリーブチルパーオキサイド1gの混合溶液を調整し、反応温度130℃で上記混合溶液を2時間にわたり反応器内に連続的に滴下した。更に、キシレン100g、過酸化ベンゾイル0.5g、ジ・ターシャリーブチルパーオキサイド0.5gの混合溶液を滴下し、2時間反応させた。その後冷却し、キシレンを90g添加し、重合体溶液を得た。
比較のため、本発明の樹脂改質剤を加えずに反応させた重合体溶液を上記の方法と同様の方法にて調整し、比較品9を重合体溶液の固形分に対して1%溶解させたものをそれぞれ用意した。
【0081】
上記の方法で得られた各重合体溶液から、0.2mm厚のポリマ−フィルムを常法により作製し、それぞれ以下の方法で帯電防止性、防曇性及び帯電防止効果並びに防曇性の持続性を評価した。
(1)フィルムの帯電防止性
上記ポリマ−フィルムを温度20℃、湿度35%の雰囲気中に24時間放置後、表面固有抵抗を測定した。
(2)フィルムの防曇性
上記ポリマ−フィルムに対する水の接触角を測定した。
(3)帯電防止効果及び防曇性の持続性
上記(1)及び(2)の試験をした後のポリマーフィルムを、水を含ませた脱脂綿で50回水拭きした後、温度20℃、湿度35%の雰囲気中に30分間放置後、表面固有抵抗値及び水の接触角を測定した。
【0082】
【表8】
【0083】
(実施例9:樹脂改質剤(練り込み型))
ポリスチレンの樹脂ペレット100gと、本発明の樹脂改質剤1〜7又は比較品1〜3、5、6若しくは9を5g混練機に仕込み、210℃で30分間混練した。その後、10cm×10cm×5cmの型に流し込み、試験片を作成した。この試験片について、実施例8と同様に試験・評価を行った。
【0084】
【表9】
【0085】
【発明の効果】
本発明の効果は、親水基としてスルホン酸基を有し、且つ、製造上炭素―炭素二重結合への付加反応が起こるおそれが無い、反応性界面活性剤として有用な化合物を提供したことにある。
Claims (2)
- 下記の一般式(1)
下記の一般式(3)
下記の一般式(4)
で表わされる界面活性剤。 - 請求項1記載の界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤又は樹脂改質剤。
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