JPH0616735A - 水性分散型組成物 - Google Patents

水性分散型組成物

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JPH0616735A
JPH0616735A JP4173171A JP17317192A JPH0616735A JP H0616735 A JPH0616735 A JP H0616735A JP 4173171 A JP4173171 A JP 4173171A JP 17317192 A JP17317192 A JP 17317192A JP H0616735 A JPH0616735 A JP H0616735A
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JP
Japan
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group
water
monomer
soluble
vinyl monomer
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Application number
JP4173171A
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English (en)
Inventor
Naotami Andou
直民 安藤
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Takanori Hatano
貴典 畑野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリル基を有する単量体(C)、水溶性基を
有する単量体(D)および前記単量体(C)および
(D)と共重合可能な単量体(E)を重合させてえられ
る水溶性樹脂(A)の存在下に、水性媒体中でシリル基
を有するビニル単量体(B)およびそれと共重合可能な
単量体を重合してえられる水性分散型組成物。 【効果】 長期間、粘度がほとんど変らず、安定であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種塗装、とくに耐侯
性、耐久性の良好な塗膜性能を有する水性分散型組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年塗料
や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の観
点より、有機溶剤を使用するものから水溶性あるいは水
分散性樹脂への転換が試みられている。しかしながら、
従来の水性分散型樹脂は、イオン性または非イオン性の
界面活性剤を使用した乳化重合法により製造されてお
り、その結果重合に使用する界面活性剤の影響によっ
て、形成された塗膜の耐侯性、耐水性、耐汚染性が悪
く、また造膜機構の違いから塗膜の光沢が溶剤系にくら
べて劣るという欠点を有している。
【0003】この欠点を改良するため種々の試みが提案
されており、その一つに水溶性の高分子化合物、たとえ
ばマレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹
脂、水溶性アクリル樹脂などを分散安定剤に用いて、水
性媒体中で重合反応を行う方法、あるいは耐水性、耐侯
性を向上させるために、加水分解可能なシリル基を有す
る水溶性合成樹脂の水溶液中で、該シリル基と反応可能
な官能基を有するビニル単量体を含む共単量体を乳化重
合する方法(特開平2−178301号公報)などが提
案されている。しかしながら水溶性合成樹脂の加水分解
性シリル基としてトリメトキシシリル基あるいはトリア
セトキシシリル基を用いると乳化重合体合成中あるいは
保存中にゲル化しやすく、安定に製造できない欠点を有
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一般式(I)
で表わされるシリル基を有する水溶性樹脂(A)の水溶
液を使用することにより、一般式(II)で表わされる
シリル基を有するビニル系重合体の水中での安定化が増
し、長期保存においてもゲル化することのない安定なエ
マルジョンをえることができることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち本発明は一般式I:
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリ−ル基およびアラルキル基からえらばれた1価
の炭化水素基、nは2〜15の整数、aは0、1または
2を表す)で表されるシリル基を有する水溶性樹脂
(A)の存在下に、水性媒体中で、一般式(II):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリ−ル基およびアラルキル基からえらばれた1価
の炭化水素基、Xはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アル
コキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれた1価
の基、bは0、1または2を表す)で表されるシリル基
を有するビニル単量体(B)および該シリル基を有する
ビニル単量体と共重合可能な単量体の少なくとも1種と
を重合させてえられる水性分散型組成物に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明の水性分散型組成物は、一
般式(I):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリ−ル基およびアラルキル基からえらばれた1価
の炭化水素基、nは2〜15の整数、aは0、1または
2を表す)で表わされるシリル基を有する水溶性樹脂が
溶解している水性媒体中では一般式(II):
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリ−ル基およびアラルキル基からえらばれた1価
の炭化水素基、Xはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アル
コキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれた1価
の基、bは0、1または2を表す)で表わされるシリル
基を有するビニル系重合体が安定なエマルジョンとして
存在しうることにもとづいている。
【0015】本発明の組成物をえるには、まず式(I)
で表わされるシリル基を有する水溶性樹脂(A)の水溶
液を作り、該水溶液中で式(II)で表わされるシリル
基を有するビニル単量体(B)と、該シリル基を有する
ビニル単量体と共重合可能な単量体の少なくとも1種と
を共重合させる。
【0016】本発明に用いられる一般式(I)で表わさ
れるシリル基を有する水溶性樹脂(A)は、シリル基を
有するビニル単量体(C)と水溶性基または水溶性基を
生成しうる基を有するビニル単量体(D)およびこれら
単量体と共重合可能な単量体(E)とを共重合し、必要
に応じて水溶性化することによりえることができる。
【0017】前記水溶性樹脂(A)は前記シリル基を有
するビニル単量体(C)1〜50部(重量部、以下同
様)、好ましくは2〜20部、水溶性基または水溶性基
を生成しうる基を有するビニル単量体(D)0〜30
部、好ましくは、0.1〜20部および単量体(C)お
よび(D)と共重合可能な単量体(E)20〜99部、
好ましくは60〜97.9部を重合させてえられる。
【0018】前記シリル基を有するビニル単量体(C)
の量が前記の範囲未満では耐水性、耐久性が低下すると
なる傾向があり、また前記範囲を超えると安定性が低下
するとなる傾向がある。
【0019】前記水溶性基または水溶性基を生成しうる
基を有するビニル単量体(D)の量が前記範囲を超える
と、えられた水性分散物の安定性が低下する傾向とな
る。
【0020】前記シリル基を有するビニル単量体(C)
の具体例としては、
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】などがあげられる。これらは単独で使用し
ても、2種以上併用して用いてもよい。
【0024】前記水溶性基あるいは水溶性基を生成しう
る基を有するビニル単量体(D)において水溶性基とし
てはカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基など、水
溶性基を生成しうる基としては酸無水物などがあげられ
る。
【0025】単量体(D)の例としては、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマー
ル酸、エチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などの、
重合可能な二重結合を有する酸;あるいはそれらの塩
(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など);
無水マレイン酸など二塩基性酸の酸無水物または、二塩
基性酸と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコール
とのハーフエステル;N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどの3級のアミノ基を有する
(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、α−
エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホ
リンあるいはそれらの塩酸塩または酢酸塩などがあげら
れる。これらの単量体は1種のみでも2種以上用いても
よい。
【0026】シリル基を有するビニル単量体(C)と水
溶性基または水溶性基を生成しうるビニル単量体(D)
との共重合において、成分(D)は遊離の酸型で共重合
し、その後中和によって塩とする方法がアルコキシシリ
ル基の安定化の点で好ましい。
【0027】共重合可能な他の単量体(E)としては、
たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸の誘導体;2,2,2−トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペン
タフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオ
ロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,
3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、β−(パ
ーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなど
のフッ素含有ビニル単量体;1−[3−(メタ)アクリ
ロキシプロピル]−1,1,3,3,3−ペンタメチル
ジシロキサン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
ス(トリメチルシロキシ)シラン、AK−5(東亜合成
化学工業(株)製、シリコーンマクロモノマー)などの
シロキサン含有ビニル単量体;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニク
ス5700(OH基含有アクリレート、東亜合成化学工
業(株)製)、4−ヒドロキシスチレン、HE−10、
HE−20、HP−10およびHP−20(いずれも末
端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー、日
本触媒化学工業(株)製)、日本油脂(株)製のブレン
マーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリ
レート)、同ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレング
リコールモノメタクリレート)、同ブレンマーPEPシ
リーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコ
ールメタクリレート)、同ブレンマーAP−400(ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート)、同ブレン
マーAE−350(ポリエチレングリコールモノアクリ
レート)、同ブレンマーNKH−5050(ポリプロピ
レングリコールポリトリメチレンモノアクリレート)、
同ブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレー
ト)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFA−
1、FA−4、FM−1、FM−4のような水酸基含有
ビニル系化合物とε−カプロラクトンとの反応によりえ
られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニ
ル系モノマーなどの水酸基含有ビニル単量体;東亜合成
化学工業(株)のAS−6、AN−6、AA−6、AB
−6のようなマクロモノマー(反応性高分子)スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトル
エンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビ
ニルエステル;メチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロ
プレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオ
ロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、な
どのその他のビニル系化合物などがあげられる。
【0028】なお、前記共重合可能な単量体(E)の中
でフッ素含有ビニル単量体、シロキサン含有ビニル単量
体を共重合すると撥水性が向上し、耐水性、耐久性が向
上する。
【0029】また水酸基含有ビニル単量体あるいはポリ
プロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレートのような親水性単量体を共
重合するとシリル基含有水溶性樹脂(A)の安定性が増
し、アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レートなどの水溶性基あるいは水溶性基を生成しうる基
を有するビニル単量体(D)の使用量を減少させること
ができる。
【0030】上記単量体(C)および(D)、ならびに
必要に応じてさらに(E)を共重合するについては、通
常実施されている重合法、すなわち乳化重合法、懸濁重
合法、溶液重合法など、いずれの方法でも実施すること
が可能であるが、操作の簡便性より、好ましくは溶液重
合法が用いられる。
【0031】溶液重合を実施するにあたり、使用する溶
剤は共重合反応生成物を溶解しうるものならばとくに制
限はないが、あとで該重合体を重合反応の分散安定剤と
して使用する際、溶剤を回収しなくてもよいほうが操作
が簡便なので水溶性の有機溶剤の使用が好ましい。ま
た、溶剤回収を行い、単離した該共重合体を分散安定剤
として用いてもよい。
【0032】溶剤としては、炭素数1〜10の直鎖およ
び(または)分岐をもつアルコール系溶剤、
【0033】
【化9】
【0034】で表わされる(ポリ)エチレングリコール
モノアルキルエーテル(R3 は炭素数1〜10の直鎖お
よび(または)分岐をもつアルキル基、mは1〜5の整
数を表わす)、
【0035】
【化10】
【0036】で表わされる(ポリ)エチレングリコール
エーテルエステル(R3 、mは前記に同じ、両末端のア
ルキル基は同一でもよいし異なってもよい)、
【0037】
【化11】
【0038】で表わされる(ポリ)プロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル(R3 、mは前記に同じ)、
【0039】
【化12】
【0040】で表わされる(ポリ)プロピレングリコー
ルエーテルエステル(R3 、mは前記に同じ、両末端の
アルキル基は同一でもよいし異なってもよい)などが使
用できる。
【0041】具体的には、たとえば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールな
どのアルコール類;セロソルブ、エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
イソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレング
リコールイソブチルエーテルなどのエーテル類;ブチル
セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレング
リコールモノイソブチルエーテルアセテートなどのエー
テルエステル類などがあげられる。
【0042】重合開始剤は、通常実施されている開始剤
であればとくに限定はなく、レドックス系開始剤、アゾ
系開始剤、過酸化物を用いればよい。これらの開始剤の
中ではアゾ系開始剤が好ましく、具体的な例としては、
たとえば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメ
チルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニ
トリル、アゾビスジメチルブチロニトリル、アゾビスジ
メチルメトキシバレロニトリルなどのアゾ系ニトリル
類;V−50、VA−041、VA−044、VA−0
61(以上和光純薬(株)製)などのアゾアミジン類;
VA−080、VA−086、VA−088(以上和光
純薬(株)製)などのアゾアミド類;アゾジ−tert
−オクタン、アゾジ−tert−ブタンなどのアゾアル
キル類;シアノプロピルアゾホルムアミド、アゾビスシ
アノバレロイル酸、ジメチルアゾビスメチルプロピオネ
ート、アゾビスヒドロキシメチルプロピオニトリルなど
があげられる。
【0043】前記重合開始剤は単量体(C)、(D)、
(E)の合計100部に対し0.1〜20部、好ましく
は1〜10部使用される。
【0044】また、必要に応じて、n−ドデシルメルカ
プタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカ
プタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン、(CH3 O)
3 Si−S−S−Si−(OCH3 3 、(CH3 O)
3 Si−(CH2 3 −S−S−(CH2 3 −Si−
(OCH3 3 、(CH3 O)3 Si−S8 −Si(O
CH3 3 などの連鎖移動剤を用い、分子量調節をして
もよい。
【0045】重合条件は、通常40〜170℃、好まし
くは50〜150℃の温度で3〜24時間、好ましくは
4〜20時間が望ましい。
【0046】かくしてえられた共重合体はを用いて、水
性分散重合を実施するに際し、まず該重合体は水性媒
体、すなわち水あるいは水溶性の有機溶剤の溶解した水
に溶解させ、水性分散重合の安定剤として使用する。
【0047】前記共重合体を水性媒体に溶解するには、
前記水溶性基を生成しうる基を有するビニル単量体
(D)がカルボキシル基を有するばあいは、たとえばカ
セイソーダ、カセイカリ、アンモニア、メチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミン、モノメタノールアミ
ン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノ
ールアミンなどで中和して塩となし、塩基性基を有する
ばあには、塩酸、酢酸などの酸性化合物で4級化を行
う。中和は重合速度、重合安定性、加水分解製シリル官
能基の安定性の点から、PH5〜PH10、好ましくは
PH6〜PH7に調製するのがよい。
【0048】また、水溶化に際し、該共重合体は水溶性
の有機溶剤に溶解したまま水性媒体と混合してもよい
し、また溶媒の留去、再沈といった方法でポリマーを回
収したのち水性媒体に加えてもかまわない。
【0049】本発明の水性分散型組成物は、前記のよう
にしてえられた水溶性樹脂(A)を分散安定剤として、
シリル基を有するビニル系単量体(B)および該単量体
と共重合可能な単量体(F)を水性媒体中で重合反応さ
せてえられる。
【0050】前記シリル基を有するビニル単量体(B)
は一般式(II):
【0051】
【化13】
【0052】(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリ−ル基およびアラルキル基からえらばれた1価
の炭化水素基、Xはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アル
コキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基およびアミノ基から選ばれた1価
の基、bは0、1または2を表わす)で表わされる基を
有するビニル系単量体であって、その例としてはたとえ
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】などがあげられる。これらの例の中でも、
アクリル酸エステルが好ましい。これらの単量体は1種
でも2種以上用いてもよい。
【0059】前記シリル基を有するビニル単量体(B)
と共重合可能な他の単量体(F)はとくに限定はなく、
具体例としてはシリル基含有水溶性樹脂(A)をえるた
めに使用される例としてあげられた水溶性基あるいは水
溶性基を生成しうる基を有するビニル単量体(D)およ
びそれらと共重合可能な他の単量体(E)などが使用で
きる。
【0060】さらにそれに加えてたとえばポリエチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、トリアリルシアヌレートなどの重合性の不
飽和結合を2つ以上もった単量体も使用し、生成するポ
リマーを架橋構造をもつものとしてもよい。
【0061】これらの単量体は、最終製品の望まれる品
質に応じて、1種以上適宜選択することができる。
【0062】前記単量体(B)および(F)を重合する
にあたっては、シリル基を有するビニル単量体(B)1
〜50部、好ましくは2〜20部、その他の単量体99
〜50部、好ましくは8〜80部を使用するのが望まし
い。
【0063】前記単量体(B)および(F)の重合の
際、分散安定剤として使用する前記シリル基を有する水
溶性樹脂(A)の量は、重合する単量体の合計に対して
1/20〜1/0.3部の範囲、好ましくは1/10〜
1/1が用いられる。
【0064】分散安定剤を溶解する水性媒体は通常水が
使用されるが、分散剤樹脂を有機溶剤に溶解した状態で
使用するばあいには、結果として分散樹脂量に見合った
量の有機溶剤が系に含まれることになる。また、それ以
外に分散剤樹脂の溶解性を増すなどの目的で、水に対し
て1/2量以下の水溶性の有機溶剤を加えることも可能
である。
【0065】前記水性媒体は、固体分濃度が30〜80
%(重量%、以下同様)なるように使用される。
【0066】重合開始剤としては、通常ラジカル重合に
用いられる水溶性または油溶性の過酸化物、アゾ系開始
剤、レドックス開始剤などいずれも使用可能であるが、
好ましくは水溶性の開始剤が使用される。水溶性の開始
剤の具体例としては、たとえば、過硫酸ナトリウム、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、te
rt−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、アゾジイソブチル酸ジアミドのような過酸化物、過
硫酸塩およびアゾ化合物ならびに水相中で水溶性還元剤
によって活性化したレドックス開始剤などがあげられ
る。
【0067】このような開始剤の使用量は、全モノマー
重量に対して、0.01〜10%(重量%、以下同様)
の範囲、そのなかでも0.05〜5%が好ましい。
【0068】また、通常乳化重合に使用するイオン性、
非イオン性の界面活性剤を併用することも可能である
が、耐水性、耐侯性などの観点から少量の使用にとどめ
るのが好ましい。イオン性、非イオン性の界面活性剤の
具体例としては、たとえば、n−ドデシルスルホン酸カ
リウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ラウリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールノニル
フェニルエーテルなどがあげられる。
【0069】重合条件は、重合温度30〜90℃、好ま
しくは、40〜80℃の範囲内で重合することができ
る。
【0070】水性分散型樹脂組成物中の固形分濃度は、
本発明の組成物のばあい、20〜70%の範囲が好まし
い。
【0071】固形分濃度が70重量%を超えると、系の
粘度が著しく上昇するため重合反応に伴う発熱を除去す
ることが困難になったり、重合機からの取り出しに長時
間要するなどの不都合が生じやすい。また、固形分濃度
が20%未満のばあいには重合操作の面では何ら問題は
生じないものの、1回の重合操作によって生じる樹脂の
量が少なく、経済面から考えたばあい、不利となるし、
また用途上の要求からも20%未満の濃度では塗膜の膜
厚が薄くなってしまい、性能劣化を起こしやすく塗装作
業性の点で不利となる。
【0072】かくしてえられる水性分散型組成物は粒子
径が0.02〜0.1ミクロンの超微粒子より構成され
ており、その結果としてすぐれた被膜形成能を有してい
る。
【0073】本発明の組成物にはまた、被膜形成を補助
することを目的として溶剤を添加することができる。こ
のような溶剤の添加量は、水性分散型樹脂組成物に対
し、0.1〜15%の範囲、その中でも0.5〜10%
が好ましい。
【0074】前記溶剤は、水性分散型樹脂の重合時に添
加してもよく、また重合終了直後に添加しても、冷却後
に添加してもよい。
【0075】前記溶剤の具体例としては、たとえば、セ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコール
モノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエ
ーテルなどのエーテル類;ブチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブ
チルエーテルアセテートなどのエーテルエステル類など
があげられる。
【0076】かくしてえらえた水分散型塗料用硬化性組
成物には、硬化触媒を使用しなくてもかまわないが、硬
化性の促進と要求される物性を引き出すために触媒を使
用することができる。このような硬化触媒の具体例とし
ては、たとえばジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチ
ルスズジマレート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合
物;りん酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホス
フェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホス
フェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェ
ート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、
ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどの
りん酸エステル類;プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタ
クリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテ
ル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランな
どのシラン類;油化シェルエポキシ(株)製のカーデュ
ラ(E)、エピコート828、エピコート1001など
のエポキシ化合物とりん酸および(または)酸性モノり
ん酸エステルとの付加反応物;有機チタネート化合物;
有機アルミニウム化合物;有機ジルコニウム化合物;マ
レイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン類、イ
タコン酸、クエン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、これらの酸無水物、パラトルエンスルホン
酸などの酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチル
ヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ド
デシルアミンなどのアミン類;これらのアミンと酸性り
ん酸エステルとの混合物または反応生成物;水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物などが
あげられる。
【0077】これらの硬化触媒のうち、有機スズ化合
物、酸性りん酸エステルとアミンとの混合物もしくは反
応物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸またはその無
水物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、
有機アルミニウム化合物またはこれらの混合物が活性も
高く好ましい。さらに好ましいのは、有機スズ化合物、
酸性りん酸エステル、酸性りん酸エステルとアミンの混
合物または反応物である。
【0078】このような硬化触媒は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。硬化触媒の使用量には
とくに限定はないが、水性分散型組成物の固形分に対し
て、通常0.01〜20%、好ましくは0.1〜10%
使用される。前記硬化触媒の使用量が20%を超えると
塗膜の外観性が低下する傾向にある。
【0079】えられた水性分散型組成物には、必要に応
じて、顔料、たとえば二酸化チタン、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、カオリンなどの白色系顔料やカーボン、
ベンガラ、シアニンブルー、その他の有色顔料など可塑
剤、溶剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤および紫外
線吸収剤などの通常塗料に使用される添加剤を混合して
使用することができる。
【0080】また本発明の組成物は、市販されている水
系の塗料と混合することも可能であり、たとえば、アク
リル系塗料、アクリルメラミン塗料のような熱硬化性塗
料、アクリル塗料、アルキド塗料、エポキシ系塗料など
に混合してそれらの塗料の耐侯性、耐酸性、耐溶剤性を
向上させることができる。
【0081】また本発明の組成物は、架橋剤としてメラ
ミン樹脂、イソシアネート化合物を添加し、速硬化性を
出すことも可能である。
【0082】つぎに、本発明の組成物について実施例に
基づき説明する。
【0083】製造例1〜5 水溶性樹脂(A)の製造 撹拌機、温度計、還流冷却管、チッ素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応容器にイソプロピルアルコール
60部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ75℃に昇温
したのち、表1に示した組成の混合物を滴下ロートによ
り5時間かけて等速滴下した。混合物の滴下終了後、7
5℃で2時間反応させ、そののち、製造例1、2および
4では、アンモニアを8.5部添加してから冷却し、製
造例3および5のばあいは水酢酸2部添加してから冷却
し、数平均分子量5500の水溶性樹脂をえた。さらに
該樹脂溶液にイソプロピルアルコールを加えて固形分濃
度が60%になるようにした。
【0084】ただし製造例4および5は比較例として用
いるためのものである。
【0085】
【表1】
【0086】実施例1〜3および比較例1〜2 撹拌機、温度計、還流冷却管、チッ素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込
み、アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加
し、さらに製造例1〜5でえられた樹脂溶液を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させたのち、チッ素ガスを
導入しつつ70℃に昇温し、そののち下記組成の混合物
を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0087】 (混合物) スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 55部 γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 重合結果および保存安定性試験の結果を表2に示す。保
存安定性試験は、前記重合に結果えられた水性分散液に
脱イオン水を加え、固型分濃度が50%になるよう調整
し、調整当初と50℃で1カ月保存後のそれぞれの23
℃における粘度をB型粘度計を用いて測定した。
【0088】
【表2】
【0089】表2から本発明の水溶性組成物の粘度は高
温で長期間保存しても製造当初とほとんど変らないこと
がわかる。
【0090】
【発明の効果】一般式(I)で示されるシリル基を有す
る水溶性樹脂を分散安定剤として用いて、一般式(I
I)で示されるシリル基を有するビニル単量体およびこ
れと共重合可能な単量体とを重合させてえられる水性分
散型組成物は長期間にわたって粘度がほとんど上昇せず
安定である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 143/04 PGL 7921−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリ−ル
    基およびアラルキル基からえらばれた1価の炭化水素
    基、nは2〜15の整数、aは0、1または2を表す)
    で表されるシリル基を有する水溶性樹脂(A)の存在下
    に、水性媒体中で、一般式(II): 【化2】 (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アリ−ル
    基およびアラルキル基からえらばれた1価の炭化水素
    基、Xはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
    アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
    コキシ基およびアミノ基から選ばれた1価の基、bは
    0、1または2を表す)で表されるシリル基を有するビ
    ニル単量体(B)および該シリル基を有するビニル単量
    体と共重合可能な単量体の少なくとも1種とを重合させ
    てえられる水性分散型組成物。
  2. 【請求項2】シリル基を有する水溶性樹脂(A)が、カ
    ルボキシル基をアンモニア塩または有機アミン塩で中和
    したものである請求項1記載の水性分散型組成物。
JP4173171A 1992-06-30 1992-06-30 水性分散型組成物 Pending JPH0616735A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996018698A1 (en) * 1994-12-16 1996-06-20 Imperial Chemical Industries Plc Water-based coating composition
JP2006265505A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Kaneka Corp 耐汚染性付与組成物、塗料組成物および該塗料組成物から得られる塗膜
JP2006282879A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kaneka Corp 水性塗料組成物および該塗料組成物から得られる塗膜
JP4531922B2 (ja) * 2000-04-12 2010-08-25 株式会社カネカ 水性塗料用組成物

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