JPH11288223A - 医療容器用ラベル - Google Patents

医療容器用ラベル

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JPH11288223A
JPH11288223A JP10293553A JP29355398A JPH11288223A JP H11288223 A JPH11288223 A JP H11288223A JP 10293553 A JP10293553 A JP 10293553A JP 29355398 A JP29355398 A JP 29355398A JP H11288223 A JPH11288223 A JP H11288223A
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label
sensitive adhesive
heat
paper
vinyl acetate
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JP10293553A
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English (en)
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Satoru Matsubayashi
悟 松林
Masahiro Tomikanehara
正裕 冨金原
Sunao Nakasaki
素直 中▲崎▼
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貼着時に空気塊が生じがたく、また高圧蒸気滅
菌処理などによってラベルが剥がれたり、シワが発生し
たりしない医療容器用ラベルを提供する。 【解決手段】木材パルプを主原料とする紙基材の片面
に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を主成分とする感
熱性接着剤層を有することを特徴とする医療容器用ラベ
ルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液バッグ、輸液
バッグ等の医療容器用ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血液バッグ、輸液バッグ等の可と
う性容器に直接ラベルを貼る場合、感圧接着性ラベルが
用いられてきたが経時による粘着力の低下によるラベル
剥がれや、故意、または偶然に貼り替えられる危険性を
有するなどの欠点を有していた。そこで感圧接着性ラベ
ルに代わり、紙を基材とし、感熱性接着剤にメチルメタ
クリレート−ブチルメタクリレート共重合体とアルキル
またはシクロアルキルのフタル酸エステル類または脂肪
酸エステル類である可塑剤を含有したものが塗工された
感熱性ラベルが提案されている(特公平5−18433
号公報)。
【0003】この感熱性ラベルは、経時による接着力の
低下がほとんど無く、そのためにラベルが剥がれるとい
う問題はないが、ラベルを血液バッグ等に貼る際にラベ
ルと血液バッグ等の間に混入した少量の空気塊が高圧蒸
気滅菌等の如き後工程において、熱膨張し、そのため、
ラベル表面に凹凸が生じ、外観上の美観を損なったり、
それがさらにひどくなるとラベル端部および角の剥がれ
を生じるという問題があった。
【0004】空気塊に起因する該トラブルを防ぐラベル
として、接着剤をストライプ状、アヤ目状、格子状、柱
状に部分塗工することも提案されている(特公昭61−
52679公報)が、この構成では、もともとラベル周
縁部全体に接着剤が塗工されていないため、空気混入有
無以前に端部の剥がれ、角の剥がれが起こりやすい。ま
た、高圧蒸気滅菌等の滅菌処理により端部および角の剥
がれが更に大きくなるという問題があった。
【0005】更に、感熱性接着剤の塗布された部分と感
熱性接着剤の塗布されていない部分とが、面積比で1:
2〜10:1の割合で設けてあり、かつ接着面のラベル
周縁部に位置する部分には感熱性接着剤が隙間なく塗布
されていることを特徴とする医療容器用感熱性ラベルが
提案されているが(実公平5−943号公報)、ラベル
を被貼着物に貼着する際、感熱性接着剤が塗布されてい
る部分が、感熱性接着剤の塗布されていない部分に回り
込めない場合があり、その結果このラベルにおいても、
ラベルと血液バッグの間に空気塊を生じ、高圧蒸気滅菌
等によりこの空気塊が膨張してラベル表面に凹凸が生じ
外観上美観を損なったり、ラベル端部および角の剥がれ
を生じるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、感熱性ラ
ベルを被貼着物に貼着する際に生じる空気塊を防ぐ手段
として、感熱性接着剤の部分塗工が行われてきたが、い
ずれの場合も貼着時に空気塊は生じにくいものの十分で
はなく、小さな空気塊であっても高圧蒸気滅菌処理等に
よってラベル剥がれ、シワが発生する。本発明はこのよ
うな問題点を解決した医療容器用ラベルを提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる現状
に鑑み、感熱性接着剤の部分塗工を行うことなく、貼着
時および蒸気滅菌処理後にラベル剥がれ、シワの発生し
ない感熱性ラベルについて鋭意研究を行った。その結
果、ラベルの基材として木材パルプを主原料とする紙基
材を用い、その片面に特定の感熱性接着剤層を設けるこ
とにより上記課題を達成できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】(1).即ち、本発明は、木材パルプを主
原料とする紙基材の片面に塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体を主成分とする感熱性接着剤層を有することを特徴
とする医療容器用ラベルである。
【0009】本発明者等は、更に研究を重ねた結果、血
液バッグ用ラベルの場合、通常高圧蒸気滅菌処理が施さ
れるが、上記のラベルにラベル印刷を行う場合、インキ
によっては、高圧蒸気滅菌処理の際にインキが滲んでし
まい、印刷内容が判読できない、または外観上美観を損
なうという問題を有することが分かった。この問題を解
決するために研究を行った結果、ラベル印刷に使用する
インキとして不溶性有機顔料系インキを使用することが
好ましいことを見出した。 (2).本発明は、(1)の医療容器用ラベルであっ
て、ラベル印刷が不溶性有機顔料系インキを用いて印刷
されていることを特徴とする医療容器用ラベルである。
【0010】
【発明の実施の形態】医療容器用ラベルは、血液バッ
グ、輸液バッグ等に貼着するものであり、一度被貼着物
に貼着されたラベルは、偽造防止の観点から偶然または
故意にであっても、剥がれること及び剥がされることが
あってはならない。そのため、無理に剥がそうとすると
基材破れを起こし剥がすことをできなくするために、基
材としては、木材パルプを主原料とする紙基材を使用す
る。
【0011】紙基材とは、例えば広葉樹晒クラフトパル
プ、針葉樹晒クラフトパルプ等の化学パルプ、GP、R
GP、TMP等の機械パルプを原料として用い、長網多
筒型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機あるいは円網抄紙機
で抄紙される上質紙、中質紙、片艶紙及びクラフト紙等
の酸性紙、中性紙、アルカリ性紙、これらに顔料等を塗
被したアート紙、コート紙や樹脂を含浸した含浸紙を包
含するものである。紙基材中には紙力増強剤、サイズ
剤、填料、歩留向上剤等の公知の抄紙補助薬品が含まれ
ていてもよい。
【0012】特に血液バッグ用ラベルの場合、血液バ
ッグに貼り付けた後、高圧蒸気滅菌が施され、血液バ
ッグ内に血液を充填した後、冷凍保存され、凍結した
血液を使用する前に温水解凍することから、かなり厳し
い環境に曝らされることとなり、従ってラベルには対高
圧蒸気滅菌性、対冷凍性、耐水性が要求される。そのた
め、紙基材としては、アクリル酸エステル、尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、
ポリアミド−ポリアミン−エピクロールヒドリン樹脂等
の耐水性樹脂を含浸させた含浸紙の使用が好ましい。
【0013】更に、これらの含浸紙の片面(感熱性接着
剤層を形成しない面)に印刷適性を向上させるために、
カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、水酸
化アルミニウム、二酸化チタン、サチンホワイト、タル
ク、酸化亜鉛等の無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、
尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料
を含む表面コート層を設けることがさらに好ましい。
【0014】なお、表面コート層には、顔料を含浸紙に
密着せしめる結着剤が併用される。結着剤としては、例
えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、大
豆蛋白等の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体ラ
テックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体
ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系ラ
テックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス等
のビニル系ラテックス、あるいは、これらの各種重合体
ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変
性した重合体または共重合体ラテックスなどを挙げるこ
とができ、これらの中から適宣選択して使用することが
できる。
【0015】中でも、スチレン−ブタジエンラテック
ス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステルの重合体または共重合ラテックス、塩化ビニルラ
テックス等は、含浸紙との密着性が優れ、かつ耐水性に
優れるので蒸気滅菌処理時にラベルが吸水する事によっ
て起こるシワの発生、およびラベル剥がれ、また、印刷
が不鮮明になるなどの問題が改善され好ましい。なお、
結着剤の使用量は、顔料に対し、結着剤を固形分比で2
〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の範囲で調
節される。
【0016】更に、前記結着剤は、ジルコニウム化合
物、ポリアミン−ポリアミド化合物、酸化亜鉛化合物等
公知の耐水化剤を併用することができる。特にメチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合ラテックスを用い、耐
水化剤としてジルコニウム化合物を組み合わせた塗被層
は、耐水性、高圧蒸気滅菌処理適性に優れているため、
特に好ましい。なお、表面コート層を形成する水性塗被
液中には、必要に応じて耐水化剤、硬化剤、架橋剤、消
泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、蛍光染料等の公知
の各種助剤が適宣配合され、もちろん二種以上の助剤の
併用も可能である。
【0017】表面コート層の塗工厚は、1〜20μmで
あることが好ましい。因みに、塗工厚が1μm未満の場
合は耐水性、印刷適性が劣るという問題点がある。逆
に、塗工厚が20μmを越えると、ラベルのこしが強く
なり、血液バッグのような可とう性容器に十分追従でき
なくなり、ラベルの折れや、剥がれを生じる原因とな
る。
【0018】基材表面上へのコート層の形成方法として
は、上記調整された顔料を含む塗被液を、例えば、エア
ナイフコーター、バーコーター、ナイフコーター、カー
テンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、リ
ップコーター等の公知の塗工装置を適宜使用して形成す
ることができ限定されない。
【0019】一方、本発明で使用する感熱性接着剤とし
ては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を主成分とする
ものを使用する。中でも、酢酸ビニル含有量が、30〜
50重量%のものを用いると、柔軟性の高い皮膜が形成
でき、該ラベルを打ち抜きカットする場合、感熱性接着
剤の切り屑が発生せず、作業効率が向上する。
【0020】感熱性接着剤層中に、さらに接着剤100
重量部に対し3〜12重量部の可塑剤を加えると、血液
バッグ等の可とう性容器との接着温度を低下させること
ができ、また軟質塩化ビニル系の容器に多量に含まれる
可塑剤の移行を抑える役割を果たすので好ましい。
【0021】可塑剤としては、例えばオキシ酸エステル
系、二価アルコールエステル系、リン酸エステル系、フ
タル酸エステル系、脂肪族一塩基酸エステル系、脂肪族
二塩基酸エステル系等を挙げることができ、これらの中
から少なくとも1種を選択的に使用する。因みに、可塑
剤のブレンドが接着剤100重量部に対し3重量部に満
たないと可とう性容器に含まれる可塑剤の接着剤層への
移行が起こりやすくなり、12重量部を越えると経時的
に接着力が若干劣る傾向にある。
【0022】なお、感熱性接着剤用塗液には、適宜架橋
剤を使用しても良い。架橋剤としては、ポリイソシアネ
ート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアル
デヒド、メチロールポリマー、酸類、酸無水物等を用い
ることができる。さらに、発泡剤、着色剤、難燃剤など
の各種助剤を加えることもできる。
【0023】感熱性接着剤を塗工する装置としては、例
えばナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、グ
ラビアコーター、リバースグラビアコーター、バリオグ
ラビアコーター、リバースロールコーター、リップコー
ター、スクリーン印刷機、ホットメルトアプリケータ
ー、ホットメルトロールコーター、スリットコーター等
が適宜使用される。
【0024】感熱性接着剤の塗工量は、5〜30g/m
2、好ましくは10〜25g/m2の範囲で使用される。
因みに塗工量が5g/m2 に満たない場合は被着体への
接着力が不足し、ラベル剥がれ、シワの原因になる。ま
た、30g/m2 以上の塗工量では、ラベルのこしが強
くなり、軟質塩化ビニル製のような可とう性容器に十分
追従できず、ラベル剥がれ、シワの原因になる。また、
接着力の向上も飽和し不経済的である。
【0025】本発明で得られたラベルを被着体に貼着す
る場合、通常加熱温度105〜135℃で、時間は1〜
4秒間、ニップ圧0.5〜7kg/cm2 程度で圧接さ
れるが、勿論、圧接方法、圧接条件は特に限定されるも
のではない。
【0026】ラベル上には内容物名、内容物量等を明記
するため、あるいは美観向上のため装飾等の印刷が施さ
れるのが一般的である。印刷方式は、凸版印刷、一般に
オフセット印刷と呼ばれる平版印刷、グラビア印刷の如
き凹版印刷等多岐にわたるが、本発明の医療容器用ラベ
ルの印刷方式としてはそのいずれの方法でも良く特に限
定されるものではない。また、インキも使用される印刷
方式にあわせて、組成、粘度等は任意に選定できるが、
血液バッグ用ラベルの場合は、前述した通り、血液バッ
グに貼り付けた状態のまま、高圧蒸気滅菌処理が施され
るため、印刷の滲みや色落ちを防止する目的で、インキ
としてはその色料が不溶性有機顔料系であることが好ま
しい。
【0027】インキの色料は大きく耐水性のない染料系
と耐水性を有する顔料系とに分けられ、顔料系インキは
さらに無機顔料系インキ、有機顔料系インキに分けられ
る。有機合成染料をカルシウム、カリウム、バリウムの
如き金属の塩とした染料系インキは印刷物に水滴が付着
する等の通常の使用における耐水性は十分有しているも
のの、高圧蒸気滅菌の如き過酷な環境で処理した場合に
は、塩が分解して有機染料が溶出し印刷滲みや印刷色落
ちを生じ、ラベル表面を汚染してしまうため、血液バッ
グ用途には使用することができない。
【0028】また、顔料系インキのうち、無機顔料系イ
ンキは極めて耐水性が高いものであるが、カーボンブラ
ックの如き黒、酸化チタン、炭酸カルシウム、沈降性硫
酸バリウムの如き白が一般的であり、その他の色はクロ
ム酸塩の黄、アルミン酸コバルトの如き青等のようにあ
るにはあるが、種類が少ない上に印刷物の彩度、透明度
が劣るため好ましくなく、またあまり使用されることも
ない。
【0029】一方、有機顔料系インキは、着色力、印刷
物の彩度、透明度が優れ、血液バッグ用途には特に好ま
しく使用される。本発明で使用する不溶性有機顔料系イ
ンキとは、すなわち塩の状態になっていない色材を使用
したものである。具体的には、赤系色材の場合にはトル
イジンレッド、塩素化パラレッド、ナフトールカーミン
FB、ナフトールレッドFRLL、ナフトールレッド
M、ブリリアントファストスカーレット、ナフトールレ
ッド23、ナフトールレッドFGR、ナフトールカーミ
ンFBB、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッドB
R、ベンズイミダゾロンレッドHFT、ベンズイミダゾ
ロンカーミンHF3C、ナフトールレッドHF4B、ベ
ンズイミダゾロンレッドHF2B等を挙げることができ
る。これら不溶性有機顔料を色材として使用したインキ
は、高圧蒸気滅菌の如き過酷な環境で処理した場合にお
いてもインキの溶出がなく印刷滲みや色落ちを生じない
ため、極めて好ましい実施態様である。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、もちろん本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0031】実施例1 (1)紙基材の製造 長網ヤンキー型抄紙機により、米坪量73g/m2 の原
紙を抄造し、乾燥後、アクリル系共重合樹脂(商品名:
ナクリリック125−4441、カネボウNSC社製)
を乾燥重量15g/m2 となるようにサイズプレスして
含浸紙を得た。次に、重質炭酸カルシウム(商品名:ナ
ノックス、丸尾カルシウム社製)40部、軽質炭酸カル
シウム(商品名:タマパールTP−123CS、奥多摩
工業社製)40部、カオリン(商品名:HYDRASH
EEN−90、日成共益社製)20部、結着剤として変
性スチレン・ブタジエン共重合樹脂(商品名:ソープフ
リーラテックスNipol SX1100系、日本ゼオ
ン社製)10部、耐水化剤1部、顔料分散剤0.5部、
および消泡剤0.5部に水を加え、固形分48%の表面
コート層用水性塗料を得た。この塗料を前記含浸紙の片
面上に、厚み10μmとなるようにエアーナイフコータ
ーで塗被、乾燥を行い、スーパーカレンダーで仕上げ、
紙基材を得た。
【0032】(2)感熱性接着剤層用塗料の製造および
塗工 事前にクロム酸混液により清浄な状態にしたステンレス
製オートクレーブ(使用耐圧20kg/cm2 、電磁誘
導撹拌機および圧力計付き)に、けん化度80%のポリ
ビニルアルコールを溶解した蒸留水、アゾビスイソブチ
ロニトリルおよび酢酸ビニルモノマーを加えた後密栓
し、ドライアイス−メタノール浴中で−20℃に冷却
し、内部を窒素置換した。次いで、別に準備した液状塩
化ビニルモノマーを十分冷却した漏斗を用いて加え、液
温が0℃になった時点で約300rpmで撹拌しなが
ら、約15分で58℃に昇温し、共重合を開始した。重
合開始から約9時間経過し、圧力が約5.5kg/cm
2 となった時点で重合を終了し、オートクレーブを常温
に戻した後、パージ口より残存塩化ビニルモノマーを除
去し、内部を窒素置換した。更に、生成したポリ塩化ビ
ニルポリマーを水で良く洗浄して塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体を得た後、得られた共重合体100重量部に
対して可塑剤としてオキシ酸エステルを10重量部加
え、十分撹拌し、吸引濾過、乾燥を行って、感熱性接着
剤層用塗料とした。なお、得られた共重合体の重合収率
は88%、酢酸ビニル含有量37%であった。上記感熱
性接着剤層用塗料を、上記(1)で得られた紙基材の表
面コート層を塗工していない面に、乾燥重量20g/m
2 となるようにナイフコーターで塗被、乾燥を行った。
【0033】(3)医療容器用ラベルの製造 (2)で得られた感熱性接着剤塗被紙に平圧色凸版印刷
機(商標:OPM−250−3S、恩田製作所社製)を
用い、不溶性有機顔料系UV硬化型インキ(商標:ダイ
キュア セプター特紅、大日本インキ化学工業社製)を
印刷、同時に打ち抜き加工を実施し、医療容器用ラベル
を得た。
【0034】実施例2 実施例1の(1)紙基材の製造において、表面コート層
の塗料を含浸紙の両面に塗布した以外は実施例1と同様
にして医療容器用ラベルを得た。なお、表面コート層の
塗工厚はラベル表面側10μm、感熱性接着剤塗工側5
μmとした。
【0035】実施例3 実施例1の(2)感熱性接着剤層用塗料の製造におい
て、共重合体の酢酸ビニル含有量を10重量%とした以
外は実施例1と同様にして医療容器用ラベルを得た。
【0036】実施例4 実施例1の(2)感熱性接着剤層用塗料の製造におい
て、加える可塑剤(オキシ酸エステル)を10重量部か
ら20重量部に変更した以外は実施例1と同様にして医
療容器用ラベルを得た。
【0037】実施例5 実施例1の(1)表面基材の製造において、紙基材が表
面コート層を持たない含浸紙である以外は、実施例1と
同様にして医療容器用ラベルを得た。
【0038】実施例6 実施例1の感熱性接着剤層用塗料として、下記のものを
使用した以外は実施例1と同様にして医療容器用ラベル
を得た。 [感熱性接着剤層用塗料の製造]十分窒素置換したガラ
スアンプルにオレイン酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ムおよび亜硫酸水素ナトリウムを加えた。これを窒素雰
囲気中で冷却し、塩化ビニルモノマー、および酢酸ビニ
ルモノマーを静かに加え、真空下で溶封し、溶封後、ス
テンレス製の防爆管中に入れて、55℃の恒温層中で重
合した。約4時間後に封管を取り出し、冷却後、残存塩
化ビニルモノマーを除去して塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体を得、該共重合体100重量部に対し可塑剤とし
てオキシ酸エステルを10重量部加え、更に80℃まで
ゆっくり温め、撹拌しながら10%硫酸アルミニウム水
溶液に注ぎ、沈殿した重合体を更に濾別により精製して
真空乾燥を行って感熱性接着剤層用塗料を得た。なお、
共重合体の重合収率は90%、酢酸ビニル含有率は35
%であった。
【0039】比較例1 実施例1の(2)感熱性接着剤層用塗料の製造におい
て、酢酸ビニルモノマーを加えず、塩化ビニルの単独重
合によりポリ塩化ビニルを得た以外は、実施例1と同様
にして医療容器用ラベルを得た。
【0040】比較例2 実施例1の(2)感熱性接着剤層用塗料の製造におい
て、塩化ビニルモノマーを加えず、酢酸ビニルの単独重
合によりポリ酢酸ビニルを得た以外は、実施例1と同様
にして医療容器用ラベルを得た。
【0041】比較例3 感熱性接着剤層用塗料として、感熱性接着剤(商品名:
ボンドKV631、コニシ社製;ビニル系樹脂、可塑剤
含まず)を塗工した以外は、実施例1と同様にして医療
容器用ラベルを得た。
【0042】参考例 実施例1の(3)医療容器用ラベルの製造において、印
刷用インキとして、有機合成染料を金属の塩としたもの
(商品名:ダイキュア セプター208金赤、大日本イ
ンキ化学工業社製)を使用した以外は、実施例1と同様
にして医療容器用ラベルを得た。
【0043】得られた10種類の医療容器用ラベルサン
プルについて下記評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】[直後接着力]得られた医療容器用ラベル
を、ポリ塩化ビニル製血液バッグとポリオレフィン製血
液バッグに圧接(120℃×3秒、2kg/cm2
後、22℃、65%RH雰囲気中に2時間放置した。接
着力の試験はテンシロン万能試験機(商品名:RTC−
1210、ORIENTEC社製)を用い、300mm
/minの速さで180°剥離力を測定し、接着力を評
価した。なお、測定時に基材破壊を起こしたものには
「Bf」とした。
【0045】[3ヶ月後接着力]直後接着力同様に圧接
した後、3ヶ月間40℃、75%RHの条件で放置し
た。その後、180゜剥離力を測定して接着力を評価し
た。なお、測定時に基材破壊を起こしたものには「B
f」とした。また、剥離始めは被着体/ラベル界面で剥
がれ、その後基材破壊となったものには、「接着力→B
f」とした。
【0046】[高圧蒸気滅菌処理後のラベル剥がれ、シ
ワの有無]得られた医療容器用ラベルを、ポリ塩化ビニ
ル製血液バッグとポリオレフィン製血液バッグに圧接
(120℃×3秒、2kg/cm2 )後、高圧蒸気滅菌
処理(115℃×30分)し、22℃、65%RH雰囲
気中に2時間放置後に、ラベル剥がれ、シワの有無を目
視評価した。 ○:ラベル剥がれ、シワはなく良好 △:ラベル剥がれ、またはシワを生ずることが多い ×:必ずラベル剥がれ、およびシワを生ずる
【0047】[高圧蒸気滅菌処理後の印刷インキ滲みの
有無]得られた医療容器用ラベルを、ポリ塩化ビニル製
血液バッグとポリオレフィン製血液バッグに圧接(12
0℃×3秒、2kg/cm2 )後、高圧蒸気滅菌処理
(115℃×30分)し、22℃、65%RH雰囲気中
に2時間放置後に、印刷インキ滲みの有無を目視評価し
た。 ○:印刷の滲み、色落ちはなく良好 ×:印刷滲み、色落ちが著しく問題がある
【0048】[耐冷凍性]得られた医療容器用ラベル
を、ポリ塩化ビニル製血液バッグとポリオレフィン製血
液バッグに圧接(120℃×3秒、2kg/cm2
後、−80℃で1週間冷凍保存し、ラベルの剥がれ、シ
ワの有無を目視評価した。 ○:ラベル剥がれ、およびシワはなく良好 △:ラベル剥がれ、またはシワを生ずることが多い ×:ラベル剥がれ、またはシワを生ずる
【0049】[耐温水解凍性]また冷凍後、37℃の温
水で10分間解凍した後のラベルの貼着性を同様に目視
評価した。 ○:温水解凍後、ラベル剥がれ、シワはなく良好 △:ラベルが水分を含み、ラベル剥がれ、またはシワを
生ずることが多い ×:ラベルが水分を含み、ラベル剥がれ、またはシワを
生ずる
【0050】[印刷加工適性]ラベルの印刷状態、およ
び打ち抜き刃周辺の感熱性接着剤の切り屑を目視評価し
た。 ○:印刷および加工適性良好 △:印刷は良好だが、切り屑が発生する ▽:打ち抜きは良好だが、印刷適性がやや劣る ×:印刷および加工適性が劣る
【0051】
【表1】
【0052】このように、各実施例で得られたラベル
は、医療容器用ラベルとして優れた性質を有するもので
あった。なお、実施例3は、実施例1の酢酸ビニル含有
量を減らしたものであるが、若干皮膜が硬く、打ち抜き
時にやや切り屑が発生する。このことより酢酸ビニル含
有量は30重量%以上が好ましいことがわかる。実施例
4は、実施例1の可塑剤の添加量を増やしたものである
が、40℃、75%RH雰囲気中に3ヶ月保存後の剥離
試験で、可塑剤の移行によりラベル端部に若干基材破壊
を起こさない部分があるものの、直ちに基材破壊を起こ
した。このことより、可塑剤添加量は12重量%以下が
好ましいことが分かる。実施例5は、実施例1の基材表
面のコート層を設けていないものであるが、温水解凍後
に若干シワが寄り、また、若干印刷が不鮮明になりやす
かった。
【0053】一方、比較例1は高圧蒸気滅菌処理後にシ
ワが発生しやすく、外観不良であり、打ち抜き時に感熱
性接着剤の切り屑が発生した。比較例2は、高圧蒸気滅
菌処理後にラベル剥がれ、およびシワが発生しやすく、
更に、冷凍後及び温水解凍後にラベル剥がれやシワが寄
った。比較例3は、3ヶ月保存後、被着体中の可塑剤が
移行して基材破壊を起こさなかった。さらに、打ち抜き
時に感熱性接着剤の切り屑が発生した。
【0054】参考例は、実施例1の医療容器用ラベルに
おいて、印刷インクを変更したラベルであるが、高圧蒸
気滅菌処理後に印刷の滲み、色落ちを生じ、外観不良と
なり、血液バッグ用ラベルとしては適さないことが分か
る。
【0055】
【発明の効果】このように、木材パルプを主原料とする
紙基材に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を主成分と
する感熱性接着剤を用いることにより、血液バッグなど
の可とう性容器に対して高圧蒸気滅菌処理後にラベル剥
がれおよびシワが生じなく、さらに印刷加工時に感熱性
接着剤の切り屑が発生しない医療容器用ラベルを提供す
ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材パルプを主原料とする紙基材の片面
    に、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を主成分とする感
    熱性接着剤層を有することを特徴とする医療容器用ラベ
    ル。
  2. 【請求項2】木材パルプを主原料とする紙基材が含浸紙
    であり、感熱性接着剤層を形成しない面に、顔料を含
    み、厚み1〜20μmの表面コート層を有する請求項1
    記載の医療容器用ラベル。
  3. 【請求項3】塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の酢酸ビ
    ニル含有量が30〜50重量%である請求項1又は請求
    項2記載の医療容器用ラベル。
  4. 【請求項4】感熱性接着剤層中に可塑剤を含有せしめた
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療容器用ラベ
    ル。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療
    容器用ラベルであって、ラベル印刷が不溶性有機顔料系
    インキを用いて印刷されていることを特徴とする医療容
    器用ラベル。
JP10293553A 1998-02-09 1998-10-15 医療容器用ラベル Pending JPH11288223A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104346A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd 高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物
JP2007130436A (ja) * 2005-10-12 2007-05-31 Yutaka Suzuki 瘻孔造設術用拡張器

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JP2007130436A (ja) * 2005-10-12 2007-05-31 Yutaka Suzuki 瘻孔造設術用拡張器
JP4637778B2 (ja) * 2005-10-12 2011-02-23 裕 鈴木 瘻孔造設術用拡張器

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