JP2006104346A - 高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧蒸気滅菌により滅菌が完了したかを正確に確認できるインジケータをオフセット印刷により印刷できるインジケータインキ組成物を提供する。
【解決手段】高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物は、金属含有化合物と、高圧蒸気下で該金属含有化合物により色変化する硫黄および硫黄含有化合物の少なくともいずれか一方とを含む変色成分10〜50重量%、バインダー50〜90重量%、及び、体質顔料とコンパウンドと乾性油と有機溶媒との少なくともいずれかの補助剤を最大でも20重量%含有し、粘度が50〜1000Pに調整されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、高圧蒸気滅菌の適否を確認する滅菌インジケータの作製の際に使用され、オフセット印刷に対応したインキ組成物に関するものである。
医療分野において、医療器具、医薬品等の滅菌は、被滅菌物をコンテナまたはバッグ、シーツに封入し、高圧蒸気により行われている。高圧蒸気滅菌処理が施されたかについて簡便に確認するために、高圧蒸気下で化学反応を起こして変色するケミカルインジケータを医療器具、医薬品等の近傍に置いて滅菌処理している。このときインジケータが、明瞭な変色をすることにより、滅菌工程の有無を目視にて確認できる。
特許文献1にはビスマス化合物、チオ尿素化合物、合成ゴム系樹脂からなる組成物が開示されている。この組成物は高圧蒸気滅菌処理により明瞭な色差が得られるが、スクリーン印刷に対応した組成物である。
従来のインジケータよりも低いコストで大量生産できるオフセット印刷により、高圧蒸気滅菌インジケータを作製できるインキ組成物が望まれていた。
特開平02−211162号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、高圧蒸気滅菌により滅菌が完了したかを正確に確認できるインジケータをオフセット印刷で作製できるインキ組成物を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、金属含有化合物と、高圧蒸気下で該金属含有化合物により色変化する硫黄および硫黄含有化合物の少なくともいずれか一方とを含む変色成分10〜50重量%、バインダー50〜90重量%、及び、体質顔料とコンパウンドと乾性油と有機溶媒との少なくともいずれかの補助剤を最大でも20重量%含有し、粘度が50〜1000Pに調整されていることを特徴とする高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物である。
インキ粘度の値は変色性能及びオフセット印刷の際の品質に対して重要な影響を与える。インキ粘度は、変色成分、バインダー、体質顔料とコンパウンドと乾性油と有機溶媒とのような補助剤の種類や添加されている量や組合せを適宜調整して、オフセット印刷に最適な範囲にすることができる。インキ粘度が、1000Pを超えるとインジケータ変色成分の分散性が悪く、インキムラや印刷ムラを引き起こし、同ロット内の色差のバラツキが起こりやすい。また、印刷機上で変色成分とバインダーの分離が生じ、印刷物の擦れの原因となる。またインキ粘度が、50P未満であると印刷版に低粘性のインキが塗布されることにより印刷物の滲みの原因となり、色差のバラツキが生じ、インジケータの変色が不明瞭となる。
変色成分は、10重量%未満であると色調の変化が不明瞭であり、一方50重量%より多いと固着力が低下し基材への塗布や印刷ができなくなってしまう。変色成分は、15〜45重量%含有されていると、より好ましい。15〜45重量%であると、変色成分はインク内に均一に分散し印刷適性の高いインキが得られ、色差のバラツキもない明瞭な色変化を起こすインキが得られる。
金属含有化合物、硫黄および/または硫黄含有化合物からなる変色成分は、金属含有化合物を6〜20重量%、硫黄および/または硫黄含有化合物を20〜6重量%の比で含むことが好ましい。
請求項2に記載の発明は、バインダーが、ロジン変性フェノール樹脂、およびアルキド樹脂のうちの少なくとも一種類を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物である。
バインダーとしては、ビニル樹脂、シリコン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、天然ゴムや合成ゴム、石油樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマリン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールが挙げられる。その中でも特にロジン変性フェノール樹脂、またはアルキド樹脂を用いることによって良好な印刷適性が得られる。またこれらは1種類であってもよいし、複数混合して用いてもよい。
市販のバインダーとしては、例えばF−Glossメジウム(大日本インキ化学工業株式会社の商品名)、Hy Unity Soyメジウム(東洋インキ製造株式会社の商品名)、Nouvel Maxiメジウム(大日精化工業株式会社の商品名)、Nouvel Senior Soyメジウム(大日精化工業株式会社の商品名)なども使用できる。
適宜含有されていてもよい補助剤は、体質顔料、コンパウンド、乾性油、または有機溶剤である。有機溶剤として、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、酢酸イソアミル、ブチルセロソルブが挙げられる。
請求項3に記載の発明は、金属含有化合物が、ビスマス化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、鉄化合物、ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物、リン酸錯体化合物、およびアンモニウム錯体化合物から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物である。
金属含有化合物は、軽金属化合物、重金属化合物、重金属錯体化合物、重金属−リン酸錯体化合物、重金属−アンモニウム錯体化合物があり、軽金属化合物はアルミニウム化合物、重金属化合物はビスマス化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、または鉄化合物、重金属錯体化合物は重金属−ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物、重金属−リン酸錯体化合物、または重金属−アンモニウム錯体化合物が好ましい。これらの金属含有化合物は、結晶水を有していてもよい。
軽金属化合物として、具体的には、シュウ酸ビスマス、硫酸ビスマス、塩化ビスマス、酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸水酸化ビスマス、塩基性酢酸ビスマスのようなビスマス化合物;硝酸コバルト6水和物、塩化コバルト6水和物、無水塩化コバルト、塩基性炭酸コバルト、炭酸コバルト、酸化コバルト、シュウ酸コバルト2水和物、硫酸コバルト7水和物のようなコバルト化合物;硝酸ニッケル6水和物、無水塩化ニッケル、塩化ニッケル6水和物、塩基性炭酸ニッケル、酢酸ニッケル4水和物、酸化ニッケル、硫酸ニッケル6水和物、硫酸ニッケル7水和物、シュウ酸ニッケル2水和物のようなニッケル化合物;硝酸クロム9水和物、塩化クロム6水和物、酸化クロム、硫酸クロムn水和物のようなクロム化合物;硝酸鉄9水和物のような鉄化合物が挙げられる。
重金属錯体化合物として、具体的には、硝酸コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物または含水体、硝酸コバルトと硝酸ニッケルとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物、硝酸ニッケルとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物、酸化コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の9水和物、塩化コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物のような重金属−ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物;リン酸コバルト8水和物のような重金属−リン酸錯体化合物;リン酸コバルトアンモニウム6水和物、硫酸コバルトアンモニウム6水和物、硫酸クロムアンモニウム12水和物のような重金属−アンモニウム錯体化合物が挙げられる。
その他鉛化合物も使用できるが人体に対して非常に有害な化合物を含む可能性があり、安全性の高い上記物質を使うことが好ましい。中でもビスマス化合物、コバルト化合物であるとなお一層好ましい。
請求項4に記載の発明は、硫黄含有化合物が、チオウレア化合物、チウラム化合物、チアゾール化合物、含硫アミノ酸化合物、および含硫有機酸化合物から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物である。
硫黄含有化合物は、チオウレア化合物、チウラム化合物、チアゾール化合物、含硫アミノ酸化合物、または含硫有機酸化合物が好ましい。チオウレア化合物として、具体的には、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−チオ尿素、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、1,3−ジトリルチオ尿素、2,2’−ジトリルチオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、アリルチオ尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素、トリメチルチオ尿素、トリルチオ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、1−フェニル−3−チオセミカルバジド、4−フェニル−3−チオセミカルバジド、チオカルボヒドラジドが挙げられる。チウラム化合物として、具体的には、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドが挙げられる。チアゾール化合物として、具体的には、2−アミノベンゾチアゾールが挙げられる。含硫アミノ酸化合物として、メチオニン、システイン、チアミン硝酸塩が挙げられ、含硫有機酸化合物として、チオサリチル酸、チオグリコール酸、サッカリンが挙げられる。中でも含硫アミノ酸化合物および含硫有機酸化合物は、食品添加物として用いられており、安全性を考慮した場合にも使用が好ましい。
インキには、さらに分散剤、界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。分散剤としてタルク、炭酸マグネシウム、カープレックス(塩野義製薬株式会社の商品名)、アエロジルが挙げられる。また、界面活性剤は、例えば、陰イオン活性剤として脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホコハク酸塩が挙げられ、陽イオン活性剤としてアミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム、第四アンモニウム塩が挙げられ、非イオン活性剤としてポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリドが挙げられ、両性界面活性剤として、アミノ酸が挙げられる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物が、基材上に印刷されていることを特徴とする高圧蒸気滅菌インジケータである。このインジケータは、加熱温度、蒸気雰囲気に応じ、金属含有化合物と、硫黄および/または硫黄含有化合物とが、接触して反応する結果、色調変化を起こす。色調変化は、例えば白色から茶褐色への明瞭なものである。
以上、詳細に説明したように本発明の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物は、オフセット印刷によって印刷することで、印刷工程が簡便で生産効率が高くなり、高圧蒸気滅菌工程の有無を容易に目視できるインジケータを安価に製造することができる。
高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物、およびそれを用いた高圧蒸気滅菌インジケータは、以下のようにして作製される。
金属含有化合物、硫黄含有化合物、バインダー、溶媒、添加剤を均質に混練し、高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物を作製する。
インジケータは、得られた高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物を基材上にオフセット印刷を用いて印刷することにより、作製する。
なお、基材は、白色ポリエチレンテレフタレート(PET)タック紙、ポリプロピレン合成紙、または上質紙のようなシート材である。また、インキが塗布されていない側の基材面は、粘着層、剥離紙が付設されている基材を用いてもよい。
インジケータは高圧蒸気滅菌の環境下で変色するものであって、所定環境以外では全く色調が変わらず、検知すべき環境で所定時間暴露されたときに明瞭に色調変化するものである。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水酸化ビスマス18.6重量部、1,3−ジトリル−2−チオ尿素19.2重量部、タルク3.6重量部、ロジン変性フェノール樹脂100重量部(日立化成ポリマー株式会社製)、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色の高圧蒸気滅菌インジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は100Pとした。
粘度はJIS Z8809−1992のJS200粘度校正用標準液によって校正されたSV型粘度計(株式会社エー・アンド・デイ製)で計測した。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが褐色に変色した。
(実施例2)
塩基性硝酸ビスマス12.5重量部、1,3−ジトリル−2−チオ尿素19.2重量部用いた以外は実施例1と同様にして、高圧蒸気滅菌インジケータインキを作製した。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は500Pとした。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが茶色に変色した。
(実施例3)
塩基性硝酸ビスマス12.5重量部、1−フェニル−2−チオ尿素16.2重量部用いた以外は実施例1と同様にして、高圧蒸気滅菌インジケータインキを作製した。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は800Pとした。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが茶色に変色した。
(実施例4)
酸化ビスマス34.5重量部、1−フェニル−2−チオ尿素25.2重量部用いた以外は実施例1と同様にして、高圧蒸気滅菌インジケータインキを作製した。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は300Pとした。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気121℃、20分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが茶色に変色した。
(実施例5)
水酸化ビスマス18.6重量部、1−フェニル−2−チオ尿素25.2重量部、アルキド樹脂80重量部、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色の高圧蒸気滅菌インジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は200Pとした。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが茶色に変色した。
(実施例6)
塩基性硝酸ビスマス48.5重量部、1−フェニル−2−チオ尿素31.2重量部、メジウム(Nouvel Senior Soyメジウム、大日精化工業株式会社製)100重量部、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色の高圧蒸気滅菌インジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。高圧蒸気滅菌インジケータインキの粘度は500Pとした。
上質タック紙に高圧蒸気滅菌インジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、高圧蒸気滅菌インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であった高圧蒸気滅菌インジケータが茶色に変色した。
(比較例1)
塩基性炭酸ビスマス22.5重量部、1−フェニル−2−チオ尿素16.2重量部、タルク3.6重量部、メジウム(Nouvel Senior Soyメジウム、大日精化工業株式会社製)100重量部、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色のインジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。インジケータインキの粘度は20Pとした。
上質タック紙にインジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であったインジケータは変色を起こさなかった。
(比較例2)
1,3−ジメチル−2−チオ尿素36.2重量部、タルク3.6重量部、メジウム(Nouvel Senior Soyメジウム、大日精化工業株式会社製)100重量部、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色のインジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。インジケータインキの粘度は200Pとした。
上質タック紙にインジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であったインジケータは変色を起こさなかった。
(比較例3)
塩基性炭酸ビスマス3.2重量部、1,3−ジメチル−2−チオ尿素2.2重量部、メジウム(Nouvel Senior Soyメジウム、大日精化工業株式会社製)100重量部、ミネラルスピリット50重量部を混練して、白色のインジケータインキを得た。作製されたインキの溶剤分を揮発させることにより粘度調整を行った。インジケータインキの粘度は400Pとした。
上質タック紙にインジケータインキをオフセット実機印刷機で印刷し、ロール状の、インジケータラベルを作製した。
オートクレーブ中でインジケータに、高圧蒸気134℃、10分間の高圧蒸気滅菌を施したところ、滅菌前には白色であったインジケータは変色を起こさなかった。以上の結果を表1に示す。
Figure 2006104346
表1から明らかなとおり、実施例1〜6のインジケータは、所定の加熱履歴を経たことが、目視により簡便かつ正確に確認できた。一方、比較例1〜3のインジケータは、加熱後も色変化せず、加熱履歴を確認することができなかった。
高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキは、加工食品や医療器等の滅菌インジケータを作製するために用いられ、カード、シール、ラベルおよび、被滅菌物を個別管理するための数字及び/または文字を印字するハンドラベラーに対応でき、様々な形式のインジケータを作製することが可能である。

Claims (5)

  1. 金属含有化合物と、高圧蒸気下で該金属含有化合物により色変化する硫黄および硫黄含有化合物の少なくともいずれか一方とを含む変色成分10〜50重量%、バインダー50〜90重量%、及び、体質顔料とコンパウンドと乾性油と有機溶媒との少なくともいずれかの補助剤を最大でも20重量%含有し、粘度が50〜1000Pに調整されていることを特徴とする高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物。
  2. 該バインダーが、ロジン変性フェノール樹脂、およびアルキド樹脂のうちの少なくとも一種類を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物。
  3. 該金属含有化合物が、ビスマス化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、鉄化合物、ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物、リン酸錯体化合物、およびアンモニウム錯体化合物から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物。
  4. 該硫黄含有化合物が、チオウレア化合物、チウラム化合物、チアゾール化合物、含硫アミノ酸化合物、および含硫有機酸化合物から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物。
  5. 請求項1に記載の高圧蒸気滅菌インジケータ用オフセット印刷インキ組成物が、基材上に印刷されていることを特徴とする高圧蒸気滅菌インジケータ。
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