JPH09318812A - カラーフィルタおよびその製造方法ならびに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法ならびに液晶表示装置

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JPH09318812A
JPH09318812A JP2566397A JP2566397A JPH09318812A JP H09318812 A JPH09318812 A JP H09318812A JP 2566397 A JP2566397 A JP 2566397A JP 2566397 A JP2566397 A JP 2566397A JP H09318812 A JPH09318812 A JP H09318812A
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良弘 和泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示品質および画素の平坦性に優れ、かつ安
価なカラーフィルタを提供すること。 【解決手段】 透明基板上に画素と遮光着色層とを有す
るカラーフィルタおよびその製造方法、ならびにこのカ
ラーフィルタを用いた液晶表示装置が提供される。この
カラーフィルタは、遮光着色層が、親水性の遮光着色イ
ンクを用いて形成され、この親水性の遮光着色インク
は、所定の4級アンモニウム塩部分を含むモノマー単位
を有する樹脂を含む。この親水性の遮光着色インクは、
基板への付着時には良好な付着性を有し、かつ、加熱に
よって容易に撥水性の遮光着色層が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタお
よびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、
表示品質および画素の平坦性に優れ、かつ安価なカラー
フィルタおよびその簡便な製造方法に関する。さらに、
本発明は、このようなカラーフィルタを備える、カラー
表示性能に優れ、かつ安価な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子などの表示素子用カラーフ
ィルタは、表示素子をカラー化するために必須の部材で
あり、ガラスまたは透明プラスチック基板上に着色画素
を形成することにより作製される。着色画素は、赤
(R)、青(B)、緑(G)の3原色の画素をライン状
またはモザイク状に配置して構成され、各画素のサイズ
は100μm前後である。画素の着色方法については、
R、G、Bそれぞれの感光性の着色ペーストを用いて光
でパターニングする方法、インクジェット法により非感
光性のインクを所定の位置に噴射して着色する方法、印
刷装置を用いて基板上にスクリーン印刷により着色する
方法、透明電極を形成した基板上に電着法により着色す
る方法などが提案されている。
【0003】各画素の間(すなわち、非画素部)には、
画素のコントラストを高めるために、一般にブラックマ
トリクスと呼ばれる遮光着色層が形成される。遮光着色
層は、例えば、TFT駆動型の液晶表示素子において
は、トランジスターや配線部の遮光のために用いられ
る。遮光着色層は、狭いところでは数μm、広いところ
では100μm程度の幅を有している。従来より、この
ような遮光着色層は、金属クロムの蒸着膜やスパッタリ
ング膜のエッチング加工により形成されている。
【0004】従来の遮光着色層を用いる場合には、遮光
着色層上にインクのはみ出しが発生し、平坦な画素が得
られない。なぜなら、従来の遮光着色層は、インク反発
性が不十分だからである。このような問題を解決するた
めの方法として、例えば、特開平4-123005号公報、特開
平4-123006号公報、特開平4-123007号公報、特開平4-15
160号公報、特開平4-195102号公報には、感光性樹脂層
上にシリコーン樹脂層を形成し、シリコーン樹脂のイン
ク反発性を利用したインクジェット法または印刷法によ
るカラーフィルタの製造方法が記載されている。しか
し、このような方法では、遮光着色層、感光性樹脂層お
よびシリコーン樹脂層を積層しなければならない。さら
に、このような方法では、感光性樹脂の現像工程が必要
である。そのため、従来の遮光着色層を用いるカラーフ
ィルタおよびその製造方法は、カラーフィルタの厚みの
増大(結果として、液晶表示装置の厚みの増大)、複雑
な製造工程、コストの増大などの多くの問題点を有して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来の課題を解決することにあり、(1)表示品質および
画素の平坦性に優れ、かつ安価なカラーフィルタを提供
すること、(2)このようなカラーフィルタの簡便な製
造方法を提供すること、および(3)このようなカラー
フィルタを備える、カラー表示性能に優れ、かつ安価な
液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
は、透明基板上に画素と遮光着色層とを有するカラーフ
ィルタであって、遮光着色層が、親水性の遮光着色イン
クを用いて形成され、この親水性の遮光着色インクが、
式(I)で表される4級アンモニウム塩部分を含むモノ
マー単位を有する樹脂を含む、カラーフィルタである:
【0007】
【化19】
【0008】ここで、X+は式(II)で表され:
【0009】
【化20】
【0010】ここで、R1、R2、R3、およびR4は、独
立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換また
は非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、あるいは2
〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
たは分岐状アルケニル基である。
【0011】好適な実施態様においては、上記R1
2、R3、R4は、独立して、水素、1〜12個の炭素
原子を有するアルキル基、1〜3個の炭素原子を有する
ヒドロキシアルキル基、アリル基およびメタアリル基で
なる群から選択され、さらに好適には、前記R1、R2
3、R4のうち1つは水素であり、他の3つは、独立し
て、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブ
チル基でなる群から選択される。
【0012】他の好適な実施態様においては、上記4級
アンモニウム塩部分を含むモノマー単位は、式(III)
で表されるモノマー単位、式(IV)で表されるモノマー
単位、式(V)で表されるモノマー単位、および式(V
I)で表されるモノマー単位でなる群から選択される少
なくとも1つのモノマー単位である:
【0013】
【化21】
【0014】ここで、R5は、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり;R6、R7およびR8は各
々、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非
置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素
原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状ア
ルケニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換ま
たは非置換のフェニル基、複素環基、1〜12個の炭素
原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル
基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基でなる群か
ら選択される。
【0015】さらに他の好適な実施態様においては、上
記親水性の遮光着色インクに含有される樹脂は、フッ素
含有モノマー単位をさらに有し、好ましくはこのフッ素
含有モノマー単位は、式(VII) で表されるモノマー単位
である:
【0016】
【化22】
【0017】ここで、RAは、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり、RBは、1〜22個の炭
素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキ
ル基、またはフッ素置換アルキルアリール基である。
【0018】好ましくは、上記フッ素含有モノマー単位
は、2モル%〜90モル%の比率で上記樹脂中に含有さ
れる。好ましくは、上記4級アンモニウム塩部分を有す
るモノマー単位は、10モル%〜70モル%の比率で前
記樹脂中に含有される。
【0019】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の遮光着色インクに含有される樹脂は、アクリレート
系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、スチ
レン系モノマー単位、酢酸ビニルモノマー単位、および
イソブチレンモノマー単位でなる群から選択される少な
くとも1種のモノマー単位をさらに有する。好ましく
は、このスチレン系モノマー単位は、式(VIII)で表さ
れる:
【0020】
【化23】
【0021】ここで、R21は、水素またはメチル基であ
り、そして、R22は、水素、1〜12個の炭素原子を有
するアルキル基、ニトロ基またはハロゲンである。
【0022】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の遮光着色インクは、フッ素含有化合物をさらに含有
する。好ましくはこのフッ素含有化合物は、式(IX)で表
される:
【0023】
【化24】
【0024】ここで、R31は、1〜12個の炭素原子を
有するフッ素置換アルキル基であり、Yは、-COO-、-OC
O-、-CONH-、-CO-、-O-、-S-、フェニレン基、-SO2-、-
SO3-、または-SO2NH-であり、Zは、-COOH、-OH、-CONH
2、-SO2NH2、-NH2、-SO3 -NH4 +、-COO-NH4 +、-COO-NH+(C
2H5)3、または-NH3 +・B-(ここでB-はアニオン残基)で
あり、mおよびnは、独立して、0〜6の整数であり、
pは0または1である。
【0025】さらに他の好適な実施態様においては、上
記親水性の遮光着色インクは、上記式(III)で表され
るモノマー単位、上記式(IV)で表されるモノマー単
位、および上記式(V)で表されるモノマー単位でなる
群から選択される少なくとも1つの4級アンモニウム塩
部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含み、ここで、
5は、水素またはメチル基であり;R6は、水素、1〜
12個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
たは分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する置
換または非置換の直鎖状または分岐状基、置換または非
置換のアラルキル基、置換または非置換のフェニル基、
ならびに複素環基でなる群から選択される。好ましく
は、上記記親水性の遮光着色インクに含有される樹脂
は、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モ
ノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビニルモノ
マー単位、およびイソブチレンモノマー単位でなる群か
ら選択される少なくとも1種のモノマー単位をさらに有
する。また、好ましくは、上記記親水性の遮光着色イン
クは、フッ素含有化合物をさらに含有する。
【0026】他の好適な実施態様においては、前記親水
性の遮光着色インクは、上記式(III)で表されるモノ
マー単位、上記式(IV)で表されるモノマー単位、およ
び式上記(V)で表されるモノマー単位でなる群から選
択される少なくとも1つの4級アンモニウム塩部分を含
むモノマー単位と、フッ素含有モノマー単位とを有する
樹脂を含み、ここで、R5は、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり;R6は、水素、1〜12
個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または
分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する置換ま
たは非置換の直鎖状または分岐状基、置換または非置換
のアラルキル基、置換または非置換のフェニル基、なら
びに複素環基でなる群から選択される。好ましくは、上
記フッ素含有モノマー単位は、2モル%〜90モル%の
比率で前記樹脂中に含有され、また、好ましくは、上記
4級アンモニウム塩部分を有するモノマー単位は、10
モル%〜70モル%の比率で前記樹脂中に含有される。
好ましくは、上記親水性の遮光着色インクに含有される
樹脂は、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート
系モノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビニル
モノマー単位、およびイソブチレンモノマー単位でなる
群から選択される少なくとも1種のモノマー単位をさら
に有する。さらに、好ましくは、上記親水性の遮光着色
インクは、フッ素含有化合物をさらに含有する。
【0027】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の遮光着色インクは、上記式(V)で表されるモノマ
ー単位および上記式(VI)で表されるモノマー単位でな
る群から選択される少なくとも1つの4級アンモニウム
塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含み、ここ
で、R6は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状また
は分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素置換
アルキルアリール基でなる群から選択され;R7および
8は各々、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換
または非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8
個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または
分岐状アルケニル基、置換または非置換のアラルキル
基、置換または非置換のフェニル基、複素環基、1〜1
2個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置
換アルキル基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基
でなる群から選択され、ただし、R7およびR8のうち少
なくとも1つは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状
または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素
置換アルキルアリール基でなる群から選択される。好ま
しくは、上記親水性の遮光着色インクに含有される樹脂
は、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モ
ノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビニルモノ
マー単位、およびイソブチレンモノマー単位でなる群か
ら選択される少なくとも1種のモノマー単位をさらに有
する。好ましくは、上記親水性の遮光着色インクは、フ
ッ素含有化合物をさらに含有する。
【0028】さらに他の好適な実施態様においては、前
記親水性の遮光着色インクは、少なくとも1種のポリア
ミノ化合物をさらに含有する。このポリアミノ化合物
は、好ましくは、式(X)で表されるジアミノ化合物で
ある:
【0029】
【化25】
【0030】ここで、Aは、2価の炭化水素残基であ
り;そして、R41、R42、R43およびR44は、独立し
て、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非
置換の直鎖状または分岐状アルキル基、5〜6個の炭素
原子を有する置換または非置換のシクロアルキル基、あ
るいは2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の
直鎖状または分岐状アルケニル基である。
【0031】他の好適な実施態様においては、上記遮光
着色層は着色剤を含み、この着色剤は顔料系着色剤であ
る。好ましくは、この顔料系着色剤は、表面に-COOM基
を有するカーボンブラックであり、ここでMは、水素、
アンモニウム、およびアルカリ金属から選択される1種
である。
【0032】他の好適な実施態様においては、上記遮光
着色層に対して接着性を有する下引層が、上記透明基板
表面に設けられている。好ましくは、この下引層はゼラ
チンであり、あるいはこの下引層は、式(XI)で表され
るモノマー単位を有する重合体を含む:
【0033】
【化26】
【0034】ここで、R51は、水素またはメチル基であ
り;そして、R52は、水素、1〜12個の炭素原子を有
する置換または非置換の直鎖状または分岐状アルキル
基、置換または非置換の直鎖状または分岐状アラルキル
基、置換または非置換のフェニル基、あるいは複素環基
である。
【0035】本発明のカラーフィルタの製造方法は、透
明基板上に親水性の遮光着色インクを所定のパターンで
付着させる工程と、この親水性の遮光着色インクを疎水
性に変化させて撥水性の遮光着色層を形成する工程と、
親水性の画素用カラーインクを透明基板上の撥水性遮光
着色層が形成されていない部分に付着させて画素を形成
する工程とを包含する。
【0036】好適な実施態様においては、上記親水性の
遮光着色インクは、式(I)で表される4級アンモニウ
ム塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含む:
【0037】
【化27】
【0038】ここで、X+は式(II)で表され:
【0039】
【化28】
【0040】ここで、R1、R2、R3、およびR4は、独
立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換また
は非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、あるいは2
〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
たは分岐状アルケニル基である。
【0041】好適な実施態様においては、上記4級アン
モニウム塩部分を含むモノマー単位は、式(III)で表
されるモノマー単位、式(IV)で表されるモノマー単
位、式(V)で表されるモノマー単位、および式(VI)
で表されるモノマー単位でなる群から選択される少なく
とも1つのモノマー単位である:
【0042】
【化29】
【0043】ここで、R5は、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり;R6、R7およびR8は各
々、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非
置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素
原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状ア
ルケニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換ま
たは非置換のフェニル基、複素環基、1〜12個の炭素
原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル
基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基でなる群か
ら選択される。
【0044】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の遮光着色インクは、上記式(III)で表されるモノ
マー単位、上記式(IV)で表されるモノマー単位、およ
び上記式(V)で表されるモノマー単位でなる群から選
択される少なくとも1つの4級アンモニウム塩部分を含
むモノマー単位を有する樹脂を含み、ここで、R5は、
水素またはメチル基であり;R6は、水素、1〜12個
の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分
岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する置換また
は非置換の直鎖状または分岐状基、置換または非置換の
アラルキル基、置換または非置換のフェニル基、ならび
に複素環基でなる群から選択される。
【0045】さらに他の好適な実施態様においては、上
記親水性の遮光着色インクは、上記式(III)で表され
るモノマー単位、上記式(IV)で表されるモノマー単
位、および上記式(V)で表されるモノマー単位でなる
群から選択される少なくとも1つの4級アンモニウム塩
部分を含むモノマー単位と、フッ素含有モノマー単位と
を有する樹脂を含み、ここで、R5は、水素、メチル
基、またはトリフルオロメチル基であり;R6は、水
素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の
直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を
有する置換または非置換の直鎖状または分岐状基、置換
または非置換のアラルキル基、置換または非置換のフェ
ニル基、ならびに複素環基でなる群から選択される。
【0046】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の遮光着色インクは、上記式(V)で表されるモノマ
ー単位および上記式(VI)で表されるモノマー単位でな
る群から選択される少なくとも1つの4級アンモニウム
塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含むみ、ここ
で、R6は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状また
は分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素置換
アルキルアリール基でなる群から選択され;R7および
8は各々、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換
または非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8
個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または
分岐状アルケニル基、置換または非置換のアラルキル
基、置換または非置換のフェニル基、複素環基、1〜1
2個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置
換アルキル基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基
でなる群から選択され、ただし、R7およびR8のうち少
なくとも1つは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状
または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素
置換アルキルアリール基でなる群から選択される。
【0047】好適な実施態様においては、上記遮光着色
層は、液晶表示装置の非画素部のパターンに一致して形
成される。
【0048】他の好適な実施態様においては、上記遮光
着色インクを、インクジェット方式、ディスペンサー方
式、孔版印刷方式、スクリーン印刷方式、またはオフセ
ット印刷方式により前記透明基板に付着させる。
【0049】さらに他の好適な実施態様においては、上
記親水性の遮光着色インクが少なくとも1種のポリアミ
ノ化合物をさらに含有し、この遮光着色インクをスクリ
ーン印刷方式またはオフセット印刷方式により前記透明
基板に付着させる。好ましくは、このポリアミノ化合物
は、式(X)で表されるジアミノ化合物である:
【0050】
【化30】
【0051】ここで、Aは、2価の炭化水素残基であ
り;そして、R41、R42、R43およびR44は、独立し
て、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非
置換の直鎖状または分岐状アルキル基、5〜6個の炭素
原子を有する置換または非置換のシクロアルキル基、あ
るいは2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の
直鎖状または分岐状アルケニル基である。
【0052】他の好適な実施態様においては、上記親水
性の画素用カラーインクを、インクジェット方式により
上記透明基板上に付着させる。
【0053】本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に
液晶が封入された液晶表示装置であって、少なくとも一
方の基板上に本発明のカラーフィルタが具備されてい
る、液晶表示装置である。
【0054】以下、作用について説明する。本発明によ
れば、遮光着色層を形成する親水性の遮光着色インク
が、4級アンモニウム塩部分を含むモノマー単位を有す
る樹脂を含む。水またはアルコール系溶液または分散体
中(すなわち、親水性遮光着色インク中)の4級アンモ
ニウム塩部分は、通常の加熱処理によってカチオン部分
が容易にアンモニアまたはアミン(第1級アミン、第2
級アミン、第3級アミン)に変化する。このアンモニア
またはアミンは、加熱によって容易に気化する。このよ
うなアンモニウム塩部分の特性を利用することにより、
遮光着色インク中の樹脂の親水性部分(すなわち、塩部
分)が、きわめて容易に除去される。従って、遮光着色
インク中の樹脂が加熱によって容易に親水性から疎水性
に変化するので、本発明のカラーフィルタに用いられる
遮光着色インクは基板への付着時には良好な付着性(親
水性)を有し、かつ、加熱によって容易に撥水性の遮光
着色層が得られる。
【0055】好ましくは、遮光着色インクは、4級アン
モニウムモノマー単位を有する樹脂に加えて、フッ素官
能性を含む。そのことにより、得られる遮光着色層(ブ
ラックマトリックス)の撥水性がきわめて優れたものと
なる。従って、R、G、Bの画素用カラーインクの遮光
着色層への付着が、きわめて良好に防止され得る。その
結果、遮光着色層が各画素用カラーインクの色混ざりを
きわめて良好に防止するので、精度および安定性の高い
カラーフィルタが得られる。フッ素官能性は、上述のよ
うに、種々の方法、例えば、フッ素含有部分を含む4級
アンモニウムモノマーを用いることによって;フッ素含
有モノマーを用いることによって;および/またはフッ
素含有化合物を用いることによって、遮光性着色インク
中に導入することができる。特に、フッ素含有部分を含
む4級アンモニウムモノマーを用いる場合およびフッ素
含有モノマーを用いる場合には、フッ素官能性が樹脂分
子内に存在するので、フッ素含有化合物を遮光着色イン
クに単純添加する場合に比べて、得られる遮光着色層の
撥水性に特に優れる。さらに、フッ素含有低分子量物質
のブリードアウト等の心配がないため、基板へのインク
の付着性を損なうこともない。従って、このようなフッ
素官能性を有する樹脂は、インクの基板への付着性と遮
光着色層の撥水性とが、共に優れたものとなる。
【0056】さらに、遮光着色インクがポリアミノ化合
物を用いる場合、イオン架橋による増粘効果によって、
インクの粘度が上昇するため、このような遮光着色イン
クは、特にスクリーン印刷およびオフセット印刷などの
インクの粘度が必要とされる印刷方法に好適である。
【0057】
【発明の実施の形態】本明細書において、「モノマー単
位」は、本発明のカラーフィルタに用いられる遮光着色
インクに含まれる樹脂(すなわち、ポリマー)を構成す
る繰り返し単位を意味する。さらに、「4級アンモニウ
ムモノマー単位」は、4級アンモニウム塩部分を有する
モノマー単位を意味し;「フッ素含有モノマー単位」
は、4級アンモニウム塩部分を有さず、フッ素を含有す
るモノマー単位を意味する。
【0058】本発明のカラーフィルタは、透明基板上に
画素と遮光着色層とを有する。この遮光着色層は、親水
性の遮光着色インクを用いて形成される。後に詳述する
ように、この親水性の遮光着色インクは、透明基板上に
付与された後、加熱などの簡単な処理により疎水性に変
化し得、撥水性の遮光着色層を与える。
【0059】以下、本発明に用いられる親水性の遮光着
色インクについて説明する。
【0060】A.4級アンモニウムモノマー単位 本発明のカラーフィルタに用いられる親水性の遮光着色
インクは、式(I)で表される4級アンモニウム塩部分
を含むモノマー単位(以下、4級アンモニウムモノマー
単位とする)を有する樹脂を含む:
【0061】
【化31】
【0062】ここで、4級アンモニウム塩部分のカチオ
ン部分X+は、加熱により容易に揮発し得るアンモニア
またはアミンを与える任意のカチオンである。好ましく
は、X+は、式(II)で表され:
【0063】
【化32】
【0064】ここで、R1、R2、R3、およびR4は、独
立して、水素、1〜12個、好ましくは1〜6個、より
好ましくは1〜4個の炭素原子を有する置換または非置
換の直鎖状または分岐状アルキル基、あるいは2〜8
個、好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜4個の炭
素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状
アルケニル基である。本発明の利点を損なわない限り、
アルキル基またはアルケニル基は、任意の置換基で置換
され得る。このような置換基の代表例としては、ヒドロ
キシル基、ハロゲン、アルコキシ基などが挙げられる。
ヒドロキシル基が好ましい。
【0065】好ましくは、式(II)において、R1、R2
3、R4は、独立して、水素、1〜12個の炭素原子を
有するアルキル基、1〜3個の炭素原子を有するヒドロ
キシアルキル基、アリル基およびメタアリル基でなる群
から選択される。さらに好ましくは、R1、R2、R3
4は、独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基、およびアリル基でなる群から選択される。
とりわけ好ましくは、R1、R2、R3、R4のうち1つは
水素であり、他の3つは、独立して、水素、メチル基、
エチル基、プロピル基、およびブチル基でなる群から選
択される。最も好ましくは、R1、R2、R3、R4のうち
1つは水素であり、他の3つは、独立して、水素、メチ
ル基、およびエチル基でなる群から選択される。このよ
うなカチオン部分は、加熱により容易に気化するため、
遮光着色インクの疎水化が容易だからである。
【0066】このようなカチオン部分の具体例として
は、NH4 +、NH3(CH3)+、NH2(CH3)2 +、NH(n-C3H7)3 +、NH
(CH3)3 +、N(C2H5)4 +、NH(C2H5)3 +、NH2(C2H5)2 +、NH3(C
2H5)+、NH(C2H5)2(CH3)+、NH(CH3)2(n-C3H7)+、NH(CH3)
2(n-C4H9)+、NH(iso-C3H7)3 +、NH3(iso-C3H7)+、NH2(n-
C4H9)2 +、NH3(n-C4H9)+、NH(CH2CH=CH2)3 +、NH2(CH2CH=
CH2)2 +、NH(C(CH3)HCH=CH2)3 +、NH(CH2C(CH3)=CH2)3 +
NH3(n-C6H13)+、NH3(n-C12H25)+、NH3(n-C8H17)+、N(CH
3)4 +、N(CH3)(C2H5)3 +、N(CH3)2(C2H5)2 +、N(CH3)3(CH2
CH=CH2)+、NH2(C2H4OH)2 +、NH3(C2H4OH)+、NH3(CH2O
H)+、NH2(CH2OH)2 +、NH(C2H4OH)3 +、NH(CH2OH)3 +が挙げ
られる。NH4 +、NH3(CH3)+、NH2(CH3)2 +、NH(CH3)3 +、NH
3(C2H5)+、NH2(C2H5)2 +、NH(C2H5)3 + が好ましい。
【0067】このような4級アンモニウムモノマー単位
を有する樹脂は、加熱すると、4級アンモニウム塩のカ
チオン部分がアンモニアまたはアミン(第1級アミン、
第2級アミン、第3級アミン)として容易に気化し、そ
の結果、4級アンモニウム塩がカルボン酸またはカルボ
ン酸エステルに容易に変化する。すなわち、このような
樹脂は、基板への付着時には4級アンモニウム塩部分が
樹脂中に存在しているので、基板との良好な付着性(す
なわち、親水性)を示し、遮光着色層形成後は、親水性
部分(すなわち、塩部分)が樹脂から除去されるので良
好な撥水性を示す。
【0068】このような親水性から疎水性への変化は、
以下の反応により達成され得る:
【0069】
【化33】
【0070】ここで、遊離するアミン化合物は、以下の
表1の通りである。
【0071】
【表1】
【0072】遊離するアミン化合物の具体例は、以下の
通りである: アンモニア; 第1級アミン:メチルアミン、エチルアミン、n-ブチル
アミン、n-プロピルアミン、iso-プロピルアミン、n-ヘ
キシルアミン、n-ステアリルアミン、n-オクチルアミ
ン、エタノールアミン、メタノールアミン、ベンジルア
ミン、4-メチルベンジルアミン、4-クロルベンジルアミ
ン; 第2級アミン:ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジメ
タノールアミン、ジエタノールアミン、N-エチル-N-エ
タノールアミン、ジプロピルアミン、N-メチルベンジル
アミン、ジアリルアミン、ジメタアリルアミン、ジブチ
ルアミン、N-メチル-N-エチルアミン; 第3級アミン:トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、
N,N-ジメチル-N-エチルアミン、N,N-ジエチル-N-メチル
アミン、N,N-ジメチル-N-プロピルアミン、トリメタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、トリアリルアミ
ン、N,N-ジメチル-N-アリルアミン、トリメタアリルア
ミン、N,N-ジエチル-N-ブチルアミン、N,N-ジメチルベ
ンジルアミン。
【0073】従って、上記式(I)のカチオン部分X
+は、アンモニアまたは上記のような加熱によって容易
に揮発するアミンを与え得る任意のカチオンであり得
る。
【0074】好ましい4級アンモニウムモノマー単位
は、以下の式(III)〜(VI)で表される:
【0075】
【化34】
【0076】ここで、R5は、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり;R6、R7およびR8は各
々、水素、1〜12個、好ましくは1〜6個、より好ま
しくは2〜4個の炭素原子を有する置換または非置換の
直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個、好ましくは
3〜6個、より好ましくは3〜4個の炭素原子を有する
置換または非置換の直鎖状または分岐状基、置換または
非置換の直鎖状または分岐状アラルキル基、置換または
非置換のフェニル基、複素環基、1〜12個、好ましく
は1〜8個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有す
る直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならび
にフッ素置換アルキルアリール基でなる群から選択され
る。本発明の利点を損なわない限り、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基またはフェニル基は、任意の置
換基で置換され得る。このような置換基の代表例として
は、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲ
ンなどが挙げられる。ヒドロキシル基が好ましい。
【0077】上記アルキル基は、好ましくはメチル基ま
たはエチル基である。上記アルケニル基は好ましくは、
アリル基、およびメタアリル基である。上記アラルキル
基は、好ましくはベンジル基である。上記複素環基は、
好ましくは、含窒素5員環または含酸素5員環である。
【0078】上記フッ素置換アルキル基およびフッ素置
換アルキルアリール基は、パーフルオロ置換されていて
もよく、あるいは部分フッ素置換されていてもよい。フ
ッ素置換アルキルアリール基は、好ましくはフッ素置換
アルキルで置換されたフェニル基である。
【0079】上記4級アンモニウムモノマー単位とし
て、モノマー単位中に4級アンモニウム塩部分に加えて
フッ素含有部分を含むモノマー単位を使用すると、得ら
れる遮光着色層の撥水性がさらに向上するため、好適で
ある。このようなフッ素含有部分を含む4級アンモニウ
ムモノマー単位としては、上記式(V)で表される4級ア
ンモニウムモノマー単位において、R6が、1〜12個
の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換ア
ルキル基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基でな
る群から選択されるモノマー単位;および上記式(VI)で
表される4級アンモニウムモノマー単位において、R7
およびR8のうち少なくとも1つが、1〜12個の炭素
原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル
基、ならびにフッ素置換アルキルアリール基でなる群か
ら選択されるモノマー単位が挙げられる。
【0080】フッ素含有部分を含む4級アンモニウムモ
ノマー単位として、例えば、以下の(例−1)〜(例−
21)のモノマー単位が挙げられる:
【0081】
【化35】
【0082】
【化36】
【0083】とりわけ撥水性に優れるという点で、(例
−6)、(例−7)、(例−8)、(例−14)、(例−
15)および(例−18)のモノマー単位が好ましい。
【0084】上記4級アンモニウム含有モノマー単位
は、単独で、または組み合わせて用いられ得る。
【0085】B.フッ素含有モノマー 好ましくは、親水性の遮光着色インクに含まれる樹脂
は、上記4級アンモニウムモノマー単位に加えて、フッ
素含有モノマー単位をさらに有する。遮光着色インクに
含まれる樹脂がフッ素含有モノマー単位を含むことで、
得られる遮光着色層の撥水性がさらに向上する。特に、
4級アンモニウムモノマー単位として、フッ素含有部分
を含まないモノマー単位を用いる場合には、樹脂がフッ
素含有モノマー単位をさらに含むことが好ましい。従っ
て、上記式(III)または(IV)で表される4級アンモニウ
ムモノマー単位を用いる場合、あるいは上記式(V)また
は(VI)で表される4級アンモニウムモノマー単位におい
て、置換基R6、R7およびR8がフッ素含有置換基では
ないモノマー単位を用いる場合には、さらにフッ素含有
モノマー単位を用いることが好ましい。
【0086】好ましいフッ素含有モノマー単位は、上記
4級アンモニウムモノマー単位を形成し得るモノマーと
共重合可能で、かつ、フッ素を含有する任意のモノマー
から形成され得る。好ましいフッ素含有モノマー単位と
しては、例えば、フッ化ビニリデンモノマー単位、フッ
化ビニルモノマー単位、三フッ化エチレンモノマー単
位、四フッ化エチレンモノマー単位、および式(VII) で
表されるモノマー単位が挙げられる:
【0087】
【化37】
【0088】ここで、RAは、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり、RBは、1〜22個の炭
素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキ
ル基、またはフッ素置換アルキルアリール基である。R
Bは、さらに好ましくは1〜18個の炭素原子を有する直
鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、特にα,α,
α-トリフルオロメチル基含有置換アルキル基、例え
ば、CF3(CH2)n-(n=0〜8)である。
【0089】好ましくは、フッ素含有モノマー単位は、
式(VII)で表されるモノマー単位である。このような式
(VII)で表されるフッ素含有モノマー単位を形成し得る
モノマーは、例えば、塩化アクリロイル(式(VII)に
おいてRAが水素であるモノマー単位を形成する)また
は塩化メタクリロイル(式(VII)においてRAがメチル
基であるモノマー単位を形成する)と、RBOH(RB
上記の通りである)のようなフッ素含有アルコールとか
ら、溶剤(例えば、メチルエチルケトン)中で塩基性触
媒を用いて容易に合成され得る。このような化合物の一
部は、工業薬品として入手可能である。
【0090】フッ素含有モノマー単位を形成し得るモノ
マーの具体例としては、3,3,3-トリフルオロプロピルア
クリレート、3,3,3-トリフルオロプロピルメタクリレー
ト、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、4,4,4-ト
リフルオロブチルメタクリレート、α,α,α,2,2,2-ヘ
キサフルオロエチルメタクリレート、α,α,α,3,3,3-
ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、3,3,4,4,4-ペ
ンタフルオロブチルメタクリレート、などが挙げられ
る。
【0091】4級アンモニウムモノマー単位とフッ素含
有モノマー単位とを有する樹脂中のフッ素含有モノマー
単位の含有量は用途に応じて変化し得るが、好ましくは
約2〜約90モル%、より好ましくは約10〜約70モ
ル%である。含有量が約2モル%未満では、得られる遮
光着色層の撥水性が不十分である場合が多い。含有量が
約90モル%を超えると、遮光着色インクの基板への付
着性が不十分である場合が多い。
【0092】4級アンモニウムモノマー単位とフッ素含
有モノマー単位とを有する樹脂中の4級アンモニウムモ
ノマー単位の含有量は用途に応じて変化し得るが、好ま
しくは約10〜約70モル%、より好ましくは約30〜
約60モル%である。含有量が約10モル%未満では、
遮光着色インクの基板への付着性が不十分である場合が
多い。また、極性溶媒(例えば、水、アルコールおよび
それらの混合物)に対する分散性(溶解性)が不十分で、
安定な水系サスペンジョン、すなわち親水性の遮光着色
インクの調製が困難である場合が多い。含有量が約70
モル%を超えると、得られる遮光着色層の撥水性が不十
分である場合が多い。
【0093】上記フッ素含有モノマー単位は、単独で、
または組み合わせて用いられ得る。
【0094】C.コモノマー 4級アンモニウムモノマー単位および必要に応じてさら
にフッ素含有モノマー単位を有する樹脂は、必要に応じ
てさらに他のモノマー単位(以下、コモノマー単位とす
る)を有し得る。このようなコモノマー単位を有するこ
とで、目的に応じて、以下のような特性がさらに改善さ
れ得る:遮光着色インクの粘度、樹脂のバインダー特
性、水またはアルコールに対する樹脂の分散性(溶解
性)、遮光着色層の被膜特性(例えば、撥水性、耐ブロ
ッキング性、耐クラッキング性)、および耐熱性。
【0095】このようなコモノマー単位を形成し得るモ
ノマー(以下、コモノマーという)としては、通常、ラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和モノマーが用いられ
る。エチレン性不飽和モノマーの代表例としては、アク
リレート、メタクリレート、スチレン誘導体、酢酸ビニ
ル、イソブチレンなどが挙げられる。均一な遮光着色イ
ンクが得られ、かつ、撥水性に優れる遮光着色層が得ら
れるという点で、アクリレート、メタクリレート、およ
び酢酸ビニルが好ましい。
【0096】アクリレートとしては、例えば、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、2−エトキシアクリレート、t
−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、
n−ステアリルアクリレート、ジメチルアミノエチルア
クリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートが挙げ
られる。均一な遮光着色インクが得られ、かつ、撥水性
に優れる遮光着色層が得られるという点で、1〜12個
の炭素原子を有するアルキルアクリレートが好ましく、
1〜8個の炭素原子を有するアルキルアクリレートがさ
らに好ましい。
【0097】メタクリレートとしては、例えば、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、イソブチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−エトキシメタクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、n−ラウリルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル
メタクリレートが挙げられる。均一な遮光着色インクが
得られ、かつ、撥水性に優れる遮光着色層が得られると
いう点で、1〜12個の炭素原子を有するアルキルメタ
クリレートが好ましく、1〜8個の炭素原子を有するア
ルキルメタクリレートがさらに好ましい。
【0098】好ましくは、スチレン系モノマー単位(ス
チレン誘導体から形成される)は、式(VIII)で表され
る:
【0099】
【化38】
【0100】ここで、R21は、水素またはメチル基であ
り、そして、R22は、水素、1〜12個の炭素原子を有
するアルキル基、ニトロ基またはハロゲンである。スチ
レン誘導体としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、x−メチルスチレン、x−ニトロスチレン
(x:メタ、パラ、オルソ)、パラクロロスチレンが挙
げられる。均一なインク組成物が得られ、かつ、得られ
る遮光着色層の撥水性に優れるという点で、スチレン、
α−メチルスチレンが好ましい。
【0101】上記のモノマー以外にも、マレイン酸ジエ
ステル誘導体などの任意のモノマーをコモノマーとして
使用し得る。マレイン酸ジエステル誘導体としては、マ
レイン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル、マレイン酸
ジエチルエステル、マレイン酸ジ(n−ブチル)エステ
ル、マレイン酸ジオクチルエステルなどが挙げられる。
均一なインク組成物が得られ、かつ、得られる遮光着色
層の撥水性に優れるという点で、マレイン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)エステル、マレイン酸ジエチルエステル
が好ましい。
【0102】上記のコモノマー単位は、単独で、または
組み合わせて用いられ得る。
【0103】D.モノマー単位の組合せ 好適な実施態様においては、親水性の遮光着色インク
は、式(III)で表されるモノマー単位、式(IV)で表
されるモノマー単位、および式(V)で表されるモノマ
ー単位でなる群から選択される少なくとも1つの4級ア
ンモニウム塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含
み、
【0104】
【化39】
【0105】ここで、R5は、水素またはメチル基であ
り;R6は、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換
または非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8
個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または
分岐状基、置換または非置換のアラルキル基、置換また
は非置換のフェニル基、ならびに複素環基でなる群から
選択される。
【0106】他の好適な実施態様においては、親水性の
遮光着色インクは、式(III)で表されるモノマー単
位、式(IV)で表されるモノマー単位、および式(V)
で表されるモノマー単位でなる群から選択される少なく
とも1つの4級アンモニウム塩部分を含むモノマー単位
と、フッ素含有モノマー単位とを有する樹脂を含み、
【0107】
【化40】
【0108】ここで、R5は、水素、メチル基、または
トリフルオロメチル基であり;R6は、水素、1〜12
個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または
分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する置換ま
たは非置換の直鎖状または分岐状基、置換または非置換
のアラルキル基、置換または非置換のフェニル基、なら
びに複素環基でなる群から選択される。好ましくは、上
記フッ素含有モノマー単位は、2モル%〜90モル%の
比率で前記樹脂中に含有され、そして上記4級アンモニ
ウム塩部分を有するモノマー単位は、10モル%〜70
モル%の比率で前記樹脂中に含有される。
【0109】さらに他の好適な実施態様において、親水
性の遮光着色インクは、式(V)で表されるモノマー単
位および式(VI)で表されるモノマー単位でなる群から
選択される少なくとも1つの4級アンモニウム塩部分を
含むモノマー単位を有する樹脂を含み、
【0110】
【化41】
【0111】ここで、R6は、1〜12個の炭素原子を
有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、な
らびにフッ素置換アルキルアリール基でなる群から選択
され;R7およびR8は各々、水素、1〜12個の炭素原
子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状アル
キル基、2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換
の直鎖状または分岐状アルケニル基、置換または非置換
のアラルキル基、置換または非置換のフェニル基、複素
環基、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐
状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素置換アルキ
ルアリール基でなる群から選択され、ただし、R7およ
びR8のうち少なくとも1つは、1〜12個の炭素原子
を有する直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、
ならびにフッ素置換アルキルアリール基でなる群から選
択される。
【0112】上記のいずれの実施態様においても、親水
性の遮光着色インクに含有される樹脂は、アクリレート
系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、スチ
レン系モノマー単位、酢酸ビニルモノマー単位、および
イソブチレンモノマー単位でなる群から選択される少な
くとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位をさらに有
し得る。
【0113】上記フッ素含有モノマー単位および/また
はコモノマー単位を、上記4級アンモニウムモノマー単
位と組み合わせて用いる場合、これらのモノマー単位を
有する樹脂は、複数のモノマー単位を有する共重合体で
あり得、あるいは単独重合体のブレンドであり得る。共
重合体が好ましい。なぜなら、得られる遮光着色層の均
一性に優れ、その結果、遮光着色層の強度および安定性
が向上するからである。
【0114】E.樹脂の調製法 以下、本発明のカラーフィルタに用いられる親水性の遮
光着色インクに含まれる4級アンモニウムモノマー単位
を有する樹脂の調製法について述べる。
【0115】式(I):
【0116】
【化42】
【0117】で表される4級アンモニウム塩部分を含む
モノマー単位を含む樹脂は、4級アンモニウムモノマー
単位を形成し得るモノマーから、任意の公知の方法で調
製され得る。4級アンモニウムモノマー単位を形成し得
るモノマーは、カルボキシル基含有モノマーであり得
る。本明細書においてカルボキシル基含有モノマーと
は、カルボキシル基を含むモノマーおよびその酸無水物
をも包含する。同様にカルボキシル基含有重合体とは、
カルボキシル基含有重合体およびその無水物などを包含
する。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン
酸モノエステルなどが挙げられる。
【0118】4級アンモニウムモノマー単位を含む樹脂
は、例えば、カルボキシル基含有モノマーおよび必要に
応じて他のモノマーを重合(または共重合)した後、得ら
れたカルボキシル基含有重合体をアンモニアまたはアミ
ン化合物で処理することにより、得られ得る。あるい
は、カルボキシル基含有モノマーとアンモニアまたはア
ミンとを反応させて4級アンモニウム塩部分を有するモ
ノマーを形成した後、このモノマーを重合することによ
り、得られ得る。通常、4級アンモニウムモノマー単位
を含む樹脂は、カルボキシル基含有モノマーを重合した
後、得られた重合体をアンモニアまたはアミン化合物で
処理することによって得る。重合が容易なため、所望の
特性(例えば、分子量、粘度)を有する樹脂が容易に得
られるからである。この場合、例えば、任意の方法で得
られたカルボキシル基含有重合体を適切な有機溶媒に所
定濃度で溶解した溶液とアンモニア水またはアミン(必
要に応じて、アミン水溶液)とを混合し、加熱撹袢する
ことにより4級アンモニウムモノマー単位を含む樹脂が
得られ得る。加熱温度は、用いるアンモニアまたはアミ
ンの種類に応じて変化し得るが、好ましくは室温〜約8
0℃、さらに好ましくは約60〜約80℃である。加熱
時間は加熱温度、撹拌速度などに応じて変化し得るが、
代表的には、1時間〜数日間である。
【0119】例えば、式(III):
【0120】
【化43】
【0121】(ここでR5およびX+は、上記で定義した
とおり)で表される4級アンモニウムモノマー単位は、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル
基含有モノマーを必要に応じて他のモノマーと共に重合
し、得られた重合体をアンモニアまたは所定のアミン化
合物で処理することによって得られ得る。
【0122】また例えば、式(IV)、(V)または(VI):
【0123】
【化44】
【0124】(ここでR6、R7、R8およびX+は、上記
で定義したとおり)で表される4級アンモニウムモノマ
ー単位は、マレイン酸またはその誘導体由来であり得
る。式(IV)で表される4級アンモニウムモノマー単位を
有する樹脂は、例えば、マレイン酸無水物を必要に応じ
て他のモノマーと共に重合し、得られた重合体をアンモ
ニアまたは所定のアミン化合物で処理することによって
得られ得る。式(V)で表される4級アンモニウムモノマ
ー単位を有する樹脂は、例えば、マレイン酸モノエステ
ルを必要に応じて他のモノマーと共に重合し、得られた
重合体をアンモニアまたは所定のアミン化合物で処理す
ることによって得られ得る。あるいは、無水マレイン酸
を必要に応じて他のモノマーと共に重合し、得られた重
合体をR6OHなどの化合物と反応させて部分的にエス
テル化し、そしてさらにアンモニアまたは所定のアミン
化合物で処理することによって得られ得る。R6がフッ
素含有置換基である場合は、特に後者の方法が好適であ
る。式(VI)で表される4級アンモニウムモノマー単位を
有する樹脂は、例えば、無水マレイン酸を必要に応じて
他のモノマーと共に重合し、得られた重合体を、R78
NHと反応させて、部分的にアミド化し、そしてさらに
アンモニアまたは所定のアミン化合物で処理することに
よって得られ得る。
【0125】4級アンモニウムモノマー単位に加えてフ
ッ素含有モノマー単位および/またはコモノマー単位を
有する樹脂は、4級アンモニウムモノマー単位を形成し
得るモノマーと共にフッ素含有モノマー単位を形成し得
るモノマーおよび/またはコモノマーを共重合し、必要
に応じて上記のようにアンモニアまたはアミンで処理す
ることによって得られ得る。あるいは、4級アンモニウ
ムモノマー単位を有する樹脂とフッ素含有モノマー単位
を有する樹脂および/またはコモノマー単位を有する樹
脂とを、任意の公知の方法によってブレンドすることに
よって得られ得る。
【0126】フッ素含有モノマー単位を形成し得るモノ
マーは、フッ素含有モノマーであり得、または重合後の
処理によってフッ素含有モノマー単位を形成し得るモノ
マーであり得る。例えば、式(VII):
【0127】
【化45】
【0128】(ここで、RAおよびRBは上記で定義した
とおり)で表されるフッ素含有モノマー単位は、アクリ
ル酸またはメタクリル酸などを重合した後、得られた重
合体をRBOHなどの化合物でエステル化することによ
っても得られ得る。
【0129】4級アンモニウムモノマー単位を形成し得
るモノマー、ならびに(必要に応じて)フッ素含有モノマ
ー単位を形成し得るモノマーおよび/またはコモノマー
の特に好ましい組み合わせの具体例は以下の通りであ
る:スチレンとアクリル酸(モル比5:1); n−ブ
チルメタクリレートとメタクリル酸(モル比7:1);
スチレンとエチルアクリレートとアクリル酸(モル比
4:4:1);α−メチルスチレンとメタクリル酸(モ
ル比2:1);エチルヘキシルメタクリレートとメタク
リル酸(モル比10:1);シクロヘキシルメタクリレー
トとメタクリル酸(モル比2:1);2−エトキシアク
リレートとアクリル酸(モル比1:1);スチレンと無
水マレイン酸(モル比3:1);スチレンとマレイン酸
モノブチルエステル(モル比2:1);n−ブチルアク
リレートとマレイン酸モノエチルエステル(モル比2:
1);スチレンとマレイン酸モノエチルエステル(モル
比3:1);スチレンと無水マレイン酸とn−ブチルメ
タクリレート(モル比3:1:1);酢酸ビニルと無水
マレイン酸(モル比3:1);2−エチルヘキシルメタ
クリレートとマレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)エ
ステル(モル比3:1);シクロヘキシルメタクリレー
トとマレイン酸モノエチルエステル(モル比3:1);
3,3,3,-トリフルオロプロピルアクリレートとアクリル
酸(モル比1:10);3,3,4,4,4,-ペンタフルオロブ
チルメタクリレートとメタクリル酸とn−ブチルメタク
リレート(モル比4:4:3);α,α,α−トリフルオ
ロメチル-2,2,2-トリフルオロエチルアクリレートとメ
タクリル酸とスチレン(モル比4:2:4);3,3,3-ト
リフルオロプロピルアクリレートとアクリル酸(モル比
3:8);3,3,3-トリフルオロプロピルアクリレートと
アクリル酸(モル比5:5);3,3,3-トリフルオロプロ
ピルアクリレートとアクリル酸(モル比8:3);酢酸
ビニルとマレイン酸モノヘキシルエステルと3,3,3-トリ
フルオロプロピルアクリレート(モル比4:4:2);
n−ブチルメタクリレートと無水マレイン酸とα,α,
α,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルメタクリレート(モ
ル比2:4:4);スチレンとマレイン酸モノエチルエ
ステルと3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチルアクリレート
(モル比4:5:1);スチレンとマレイン酸モノエチ
ルエステルと3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチルアクリレ
ート(モル比4:4:2);スチレンとマレイン酸モノ
エチルエステルと3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチルアク
リレート(モル比4:2:4);マレイン酸モノベンジ
ルエステルと3,3,3-トリフルオロプロピルアクリレート
(モル比4:1)などである。
【0130】F.フッ素含有化合物 好ましくは、親水性の遮光着色インクは、任意のフッ素
含有化合物をさらに含有する。フッ素含有化合物は、好
ましくは任意のフッ素系界面活性剤である。フッ素含有
化合物は、遮光着色インクに含まれる樹脂が、4級アン
モニウムモノマー単位中にフッ素含有部分を有する4級
アンモニウムモノマーを含まず、かつこの樹脂がフッ素
含有モノマー単位を有さない場合に特に有用である。フ
ッ素含有化合物を用いることで、得られる遮光着色層の
撥水性の改善が図れるからである。遮光着色インク中の
フッ素含有化合物の含有量はその種類に応じて変化し得
るが、好ましくはインク固形分100重量部に対して約
1〜約30重量部の範囲、さらに好ましくは約1〜約1
0重量部の範囲で含有され得る。
【0131】好ましいフッ素含有化合物は、式(IX)で表
される:
【0132】
【化46】
【0133】ここで、R31は、1〜12個の炭素原子を
有するフッ素置換アルキル基であり、Yは、-COO-、-OC
O-、-CONH-、-CO-、-O-、-S-、フェニレン基、-SO2-、-
SO3-、または-SO2NH-であり、Zは、-COOH、-OH、-CONH
2、-SO2NH2、-NH2、-SO3 -NH4 +、-COO-NH4 +、-COO-NH+(C
2H5)3、または-NH3 +・B-(B-はアニオン残基)であり、
mおよびnは、独立して、0〜6の整数であり、pは0
または1である。
【0134】フッ素含有化合物は、上記モノマーの重合
時に添加してもよく、あるいは遮光着色インクの調製の
任意の段階で添加し得る。
【0135】G.ポリアミノ化合物 好ましくは、親水性の遮光着色インクは、少なくとも1
種のポリアミノ化合物をさらに含有する。ここでポリア
ミノ化合物とは、2個以上のアミノ基を有する化合物を
意味する。ポリアミノ化合物は、ジアミノ化合物、トリ
アミノ化合物などであり得る。好ましくは、ジアミノ化
合物である。このようなポリアミノ化合物を含有するこ
とにより、遮光着色インクの粘性が増大し得る。これは
遮光着色インクに含まれる樹脂中のカルボキシル基が、
ポリアミノ化合物を介してイオン架橋するためであると
考えられる。この樹脂中のカルボキシル基は、樹脂中の
4級アンモニウムモノマー単位のアニオン部分由来であ
り得、あるいは4級アンモニウム塩を形成していない遊
離のカルボキシル基であり得る。このようにインクの粘
性が増大する結果、基板への付着時のインクの流れが顕
著に防止され得る。従って、印刷法(特に、オフセット
印刷、スクリーン印刷法)により遮光着色層を形成する
場合に好ましい。実際、スクリーン印刷、オフセット印
刷などにおいては、約1000cp以上のインク粘性が
要求される場合が多い。なお、架橋度とインク粘性との
関係は、樹脂の酸価、アミノ化合物の種類、インクに含
まれ得る着色剤の種類(顔料系または染料系)などに依
存して変化し得るが、ほぼ比例関係である。すなわち、
架橋度が上がれば、インク粘性も増大する。
【0136】このようなポリアミノ化合物の代表例とし
ては、エチレンジアミン(すなわち1,2-ジアミノプロパ
ン)、m-キシレンジアミン、p-キシレンジアミン、p-フ
ェニレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノ
ペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ジアミノエタ
ン、2,2-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N,N',N'-
テトラメチル-1,2-ジアミノエタン、ピペラジン、N,N'-
ジエチルピペラジン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,
4'-ジアミノ-2,2'-ジスルホスチルベン、1,3-ジアミノ-
2-プロパノール((H2NCH2)2CHOH)、3,3'-ジアミノジプ
ロピルアミン、2,4-ジアミノ-6-メチル-5-トリアジン、
N,N'-ジアリル-1,2-ジアミノプロパン、N,N'-ジメチル-
1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノ-シクロペンタン、
N,N'-ジブチル-1,2-ジアミノエタンが挙げられる。
【0137】増粘性に優れ、かつ、低コストであるとい
う点で、式(X)で表されるジアミノ化合物が好まし
い:
【0138】
【化47】
【0139】ここで、Aは、2価の炭化水素残基であ
り;そして、R41、R42、R43およびR44は、独立し
て、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非
置換の直鎖状または分岐状アルキル基、5〜6個の炭素
原子を有する置換または非置換のシクロアルキル基、あ
るいは2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の
直鎖状または分岐状アルケニル基である。好ましくは、
アルキル基は、メチル基またはエチル基である。好まし
くは、アルケニル基は、アリル基またはメタアリル基で
ある。本発明の利点を損なわない限り、アルキル基また
はアルケニル基は、任意の置換基で置換され得る。この
ような置換基の代表例としては、ヒドロキシル基、ハロ
ゲン、メトキシ基などが挙げられる。ヒドロキシル基が
好ましい。
【0140】さらに好ましくは、 Aは2〜12個の炭
素原子を有する直鎖状アルキル基であり、R41、R42
43、およびR44は、独立して、水素、メチル基、およ
びエチル基でなる群から選択される1種である化合物で
ある。特に好ましいジアミノ化合物は、エチレンジアミ
ン、N,N'−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テト
ラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-
1,3-ジアミノブタンである。イオン架橋性にすぐれ、さ
らに、後述するように加熱時の揮発性が高いため、得ら
れる遮光着色インクが迅速かつ容易に親水性から疎水性
へ変化し、しかも低コストであるからである。
【0141】このようなポリアミノ化合物は、上記モノ
マーの重合時に添加してもよく、あるいは遮光着色イン
クの調製の任意の段階で添加し得る。
【0142】遮光着色インク中のポリアミノ化合物の含
有量はその種類に応じて変化し得るが、好ましくはイン
ク固形分100重量部に対して約0.1〜約30重量部
の範囲、さらに好ましくは約1〜約5重量部の範囲で含
有され得る。含有量が約0.1重量部未満では、増粘効
果が不十分である場合が多い。含有量が約30重量部を
超えると、遮光着色インクがゲル化してしまうおそれが
ある。
【0143】さらに、イオン架橋したポリアミノ化合物
は、遮光着色インクを基板に付着させた後、加熱により
遊離し、容易に揮発することが好ましい。
【0144】ポリアミノ化合物によるカルボキシル基含
有樹脂のイオン架橋、および加熱によるポリアミノ化合
物の遊離は、例えば、以下のような反応であり得る。
【0145】
【化48】
【0146】上記の反応式から明らかなように、ポリア
ミノ化合物はまた、本発明のカラーフィルタに用いられ
る親水性の遮光着色インクにおいて、上述の4級アンモ
ニウム塩部分と同様の作用も有し得る。すなわち、ポリ
アミノ化合物は、遮光着色インクに親水性を与え、そし
て加熱によって該親水性インクを疎水化させる作用も有
し得る。従って、ポリアミノ化合物は、4級アンモニウ
ムモノマー単位を有する樹脂と共に用いる以外にも、4
級アンモニウム塩部分を含まない任意のカルボキシル基
含有樹脂と共に用いることができ、その結果、加熱によ
り親水性から疎水性に変化する遮光着色インクを形成し
得る。以下、カルボキシル基含有樹脂とは、上述の4級
アンモニウムモノマー単位を含む樹脂をも包含すること
を意図する。
【0147】ポリアミノ化合物と共に用いられ得るカル
ボキシル基含有樹脂は特に限定されないが、代表的に
は、縮重合系樹脂、ラジカル重合系樹脂、付加重合系樹
脂などである。イオン架橋性を高めるためには、大きな
酸価を有する樹脂が好適である。カルボキシル基含有樹
脂の酸価は、好ましくは20以上、より好ましくは30
以上である。酸価が20未満では、イオン架橋が不十分
であり、所望の粘性を有する遮光着色インクが得られな
い場合が多い。大きな酸価を有する樹脂が比較的容易に
得られるという点で、ラジカル重合系樹脂が好ましい。
好ましくは、ラジカル重合系樹脂は、メタクリル酸、ア
クリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、
およびマレイン酸モノエステルでなる群から選択される
少なくとも1種のモノマー単位を有する共重合体樹脂で
ある。
【0148】あるいは、遮光着色インクにポリアミノ化
合物と共にモノアミノ化合物を含有させることにより、
遮光着色インクが所望の粘性に調整され得、および、樹
脂の水に対する溶解性、すなわち親水性が向上し得る。
このモノアミノ化合物は、カルボキシル基含有樹脂にお
いて4級アンモニウム塩部分を形成し得る。
【0149】好ましくは、モノアミノ化合物は、窒素に
結合する置換基の各々が、水素、あるいは、1〜6個の
炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル
基である化合物である。特に好ましいモノアミノ化合物
は、トリエチルアミン、アンモニア、n−ブチルアミ
ン、ジエチルアミンである。得られる遮光着色インクが
迅速かつ容易に親水性から疎水性へ変化するからであ
る。
【0150】モノアミノ化合物は、カルボキシル基含有
樹脂100重量部に対して、好ましくは約1〜約40重
量部、より好ましくは約3〜約30重量部の割合で遮光
着色インクに含有される。
【0151】H.着色剤 親水性の遮光着色インクは、着色剤(すなわち、遮光着
色剤)を含有する。遮光着色インクに含有される遮光着
色剤は、顔料系着色剤であってもよく、染料系着色剤で
あってもよい。これらの着色剤は、インク中に溶解した
溶解型であってもよく、インク中に分散した分散型であ
ってもよい。これらの着色剤は、水、含水アルコール、
アルコール類、含水ケトン類などに分散または溶解させ
て使用され得る。着色剤は、遮光性の観点から、カーボ
ンブラックのような黒色の顔料系着色剤が好ましい。顔
料系着色剤(有機系黒色顔料)の具体例としては、CI
−アシッドブラック1、同2、同3、同24、同26、
同30、同31、同33、同48、同50、同60、同
110、同112、同207、CI−ダイレクトブラッ
ク5、同7、同19、同22、同51、同62、同11
2、同117、同118、同122、同154、同15
9、同169、同173が挙げられる。カーボンブラッ
クは、その粒径が小さいほど(例えば、0.01〜0.
1μm)好ましい。さらに、表面に-COOM基(Mは、水
素、アンモニウム、およびアルカリ金属から選択される
1種)を有するカーボンブラックが好ましい。表面の-C
OOM基の形成は、通常の酸処理により行われ得る。この
ようなカーボンブラックは、インク特性(分散安定性、
粘性、経時安定性)、耐熱性、耐酸化性、光学濃度など
が優れている。
【0152】このような着色剤と上記樹脂とのインク中
における含有比は、着色剤が分散型の場合には、着色剤
10重量部に対して樹脂が約2〜約200重量部の範囲
が好ましい。着色剤が溶解型の場合には、着色剤の含有
量は、分散型に比べて小さくなり得る。
【0153】I.インクの調製法 本発明のカラーフィルタに用いられる遮光着色インク
は、上記各成分を通常の方法で、水またはアルコール系
溶媒中に溶解または分散させることにより調製され得
る。好ましい溶媒は、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、水、含水アルコールなどである。例えば、
遮光着色インクは、カルボキシル基含有重合体を、必要
に応じてアセトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒
を含む水またはアルコール系溶媒中に加え、さらにアン
モニアまたはアミン化合物および/またはポリアミン化
合物を加えて、分散させることにより得られ得る。着色
剤、フッ素含有化合物などの成分は任意の段階で添加さ
れ得る。必要に応じて添加されたアセトン、メチルエチ
ルケトンなどの有機溶媒は、分散後、減圧蒸留などによ
って除去され得る。
【0154】J.基板 本発明のカラーフィルタに用いられる透明基板には、公
知のカラーフィルタ用透明基板のいずれもが用いられ得
る。具体例としては、ガラス基板、プラスチック基板が
挙げられる。透明基板の厚みは用途に応じて変化し得る
が、好ましくは約1〜約3mmである。
【0155】K.下引層 好ましくは、上記透明基板には、親水化処理が施され得
る。例えば、ガラス基板に対する遮光着色インクの付着
性を向上させるために、遮光着色インクに対して接着性
を有する下引層が形成され得る。下引層は、親水性の透
明薄膜であれば特に限定されない。このような下引層に
は、例えば、ゼラチン、カゼインなどのなどの天然樹
脂;ポリビニルアルコール、部分ケン化した酢酸ビニル
樹脂、ポリエチレンイミン、ポリヒドロキシエチルメタ
クリレート(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル)メ
タクリレート樹脂)、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リアクリルアミドおよびその誘導体、ポリメタクリルア
ミドおよびその誘導体(例えば、メチロール化ポリアク
リルアミド)、アミノアルキルアルコキシシラン誘導体
(例えば、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエ
チレン)などの合成樹脂が使用され得る。ゼラチン、ポ
リアクリルアミドおよびその誘導体、ポリメタクリルア
ミドおよびその誘導体が好ましい。これらは、単独で、
または組み合わせて使用され得る。
【0156】ポリアクリルアミドおよびその誘導体、な
らびにポリメタクリルアミドおよびその誘導体は、式(X
I)で表されるモノマー単位を有する:
【0157】
【化49】
【0158】ここで、R51は、水素またはメチル基であ
り;そして、R52は、水素、1〜12個、好ましくは1
〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
たは分岐状アルキル基、置換または非置換の直鎖状また
は分岐状アラルキル基、置換または非置換のフェニル
基、あるいは複素環基である。好ましくは置換アルキル
基はヒドロキシアルキル基である。好ましくはアラルキ
ル基はベンジル基である。好ましいポリアクリルアミ
ド、ポリメタクリルアミドおよびそれらの誘導体は、ポ
リ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリ(N−エタ
ノールアクリルアミド)、ポリ(N−エタノールメタク
リルアミド)などである。
【0159】下引層は、これらの樹脂を含有する溶液
を、基板に塗布・乾燥することにより形成され得る。下
引層の厚みは、好ましくは約0.5〜約5.0μmであ
る。
【0160】L.カラーフィルタの製造方法 以下、上記親水性の遮光着色インクを用いる本発明のカ
ラーフィルタの製造方法の好ましい一例を説明する。
【0161】図1は、本発明のカラーフィルタの製造方
法の好ましい一例のフローチャートである。最初に、上
記透明基板上の所望の位置に上記親水性の遮光着色イン
クを付着させる(工程1および2)。遮光着色インクを
透明基板上の所望の位置に付着させる方法としては、イ
ンクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷
法、ディスペンサー法、孔版印刷法などが挙げられる。
カラーフィルタを液晶表示装置に用いる場合には、液晶
表示装置の非画素部のパターンに一致して遮光着色層を
形成するのが好ましい。
【0162】次に、透明基板上に付着させた遮光着色イ
ンクを加熱する(工程3)。加熱により、遮光着色イン
クは親水性から疎水性に変化する(工程4)。加熱温度
は上記親水性の遮光着色インクに含有される樹脂の種類
に応じて変化し得るが、好ましくは約50℃〜約250
℃、さらに好ましくは約60℃〜約150℃、最も好ま
しくは約80℃〜約120℃である。加熱時間は、加熱
温度等に応じて変化し得るが、好ましくは1〜30分、
さらに好ましくは5〜15分である。
【0163】上述のように、遮光着色インク中の樹脂に
含まれる4級アンモニウム塩部分は、加熱によりそのカ
チオン部分がアンモニアまたはアミン(第1級アミン、
第2級アミン、第3級アミン)として容易に気化し、親
水性部分(すなわち、塩部分)が樹脂から除去される。
従って、遮光着色インク中の樹脂が親水性から疎水性に
変化する。以上のようにして、撥水性の遮光着色層が得
られる(工程5)。
【0164】このようにして得られる遮光着色層(すな
わち、ブラックマトリクス)の厚みは、好ましくは約
0.8〜約10μm、さらに好ましくは約1.0〜約
5.0μmであり、そしてその光学濃度(OD)は、好
ましくは約1.5〜約5.0、さらに好ましくは約2.
0〜約4.5である。
【0165】次いで、透明基板上の上記撥水性の遮光着
色層が形成されていない部分(好ましくは、画素部)に
親水性の画素用カラーインクを付着させ、赤(R)、青
(B)、緑(G)の3原色の画素を形成する(工程6お
よび7)。このようにして、カラーフィルタが完成する
(工程8)。
【0166】画素用カラーインクは特に限定されず、カ
ラーフィルタに通常用いられるあらゆるインクが使用さ
れ得る。代表的には、カラーインクは、顔料、バインダ
ー樹脂(例えば、メラミン樹脂)、硬化剤、および界面
活性剤を含有する水性分散体である。
【0167】画素用カラーインクを付着させる方法とし
ては、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。イ
ンクジェット法が好ましい。これは以下の理由による:
インクジェットにより噴射される親水性の画素用カラー
インクが、撥水性の遮光着色層に対してオフセット効果
により付着しにくくなる。そのため、各色(R、G、
B)の混色が良好に防止され、その結果、カラーフィル
タの製造において、正確性、安定性および簡便性が顕著
に向上し得る。インクジェット法は、近年大型化してい
るディスプレイ用カラーフィルタの作製において特に好
ましい。
【0168】インクジェット装置を用いて画素用カラー
インクを付着させる方法としては、例えば、以下の手法
が有効である:R、G、Bの3色分のヘッドを用意し、
それぞれのヘッドから微小インク滴を噴射し、透明基板
上の画素部を着色する。この場合の着色方法としては、
染色インクを用いて可染性媒体を染色してもよく、樹
脂、染料または顔料、およびインク溶媒からなるインク
をインクジェット噴射した後、樹脂を熱硬化または光硬
化してもよい。可染性媒体をインクで染色する場合に
は、透明基板上にまず可染性の膜を形成した後、インク
反発性(撥水性)の遮光着色層を形成することが有効で
ある。このような方法で透明基板上の画素部を着色する
場合には、遮光着色層とインクジェット装置から噴射さ
れるインクとの間の接触角が大きいことが重要である。
よく知られているように、接触角には前進接触角と後退
接触角があるが、本発明においては、特に後退接触角が
重要である。接触角(特に後退接触角)が小さい場合に
は、遮光着色層上にインクが付着し、画素部に付着する
インク量が変動してしまう。その結果、得られるカラー
フィルタに色むらが生じてしまう場合が多い。具体的に
は、接触角(後退接触角)は、好ましくは約20度以
上、さらに好ましくは約40度以上である。
【0169】印刷法(例えば、水なし平版を用いた平型
印刷機)を用いて画素用カラーインクを付着させる場合
にも、遮光着色層とインクとの後退接触角が大きいこと
は非常に有効である。
【0170】上記のように、ポリアミノ化合物を加えて
粘性を高めた遮光着色インクは、スクリーン印刷法また
はオフセット印刷法に適している。
【0171】好ましくは、透明基板上の画素部を着色し
てカラーフィルタを作製した後、トップコートが形成さ
れ得る。トップコートは、カラーフィルタの上面を覆う
透明樹脂薄膜である。トップコートを形成する材料およ
びトップコートの形成方法には特に限定されず、公知の
材料および方法が採用され得る。トップコートを形成す
ることにより、(1)カラーフィルタが衝撃などから保
護され、(2)カラーフィルタの平坦性が向上し、そし
て、(3)カラーフィルタを用いて液晶表示装置を作製
する場合に、カラーフィルタから液晶層への不純物の流
入が防止され得る。
【0172】以上のようにして作製されるカラーフィル
タは、表示品質に優れ、かつ画素の平坦性に優れる。
【0173】M.液晶表示素子 このようなカラーフィルタは、アクティブ駆動型の透過
型液晶表示装置、単純マルチプレックス駆動型の液晶表
示装置、反射表示型の液晶表示装置などの液晶表示装置
全般に好適に適用され得る。さらに、このようなカラー
フィルタは、カラープラズマディスプレイ(PDP)、
エレクトロルミネッセントディスプレイ(EL)など
の、カラーフィルタを使用するデバイスに幅広く適用さ
れ得る。
【0174】カラーフィルタの好ましい適用例として、
アクティブ駆動型の透過型液晶表示装置について図2A
および図2Bを参照して以下に説明する。
【0175】図2Aは、液晶表示装置に使用される液晶
表示パネル21の模式断面図、図2Bは、液晶表示パネ
ル21の透視斜視図である。
【0176】液晶表示パネル21は、透明性絶縁基板か
らなるTFT基板22と対向基板23とを対向配置し、
シール材24を介して貼り合わせて液晶を封入して液晶
層33を形成した構造、すなわち、TFT基板22と対
向基板23とにより液晶層33を狭持した構造になって
いる。
【0177】上記TFT基板22上には、マトリクス状
に画素電極25が形成されると共に、信号電極(ソース
電極)26、および走査電極(ゲート電極)27が形成
されている。これら信号電極26および走査電極27の
交点付近には、薄膜トランジスタ(TFT)28が設け
られており、このTFT28に上記画素電極25が接続
されている。
【0178】一方、対向基板23上には、共通電極29
が形成されると共に、各画素電極25に対応したR
(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ30と、
各画素部の分離を行うブラックマトリクス31とが形成
される。ブラックマトリクス31は、画素電極25間の
隙間やTFTエリアへの光の入射を遮るために設けられ
ている。
【0179】また、上記TFT基板22と対向基板23
とには、それぞれの対向面側の液晶層33と接触する面
に、液晶分子を所定方向に配向させる配向膜34が形成
されている。さらに、両基板22、23の配向膜34、
34が形成される面の反対側の面に、それぞれ偏光板3
5、35が設けられている。
【0180】各画素電極25は、R、G、Bの各カラー
フィルタ30に対応して、それぞれ赤色を表示するため
の画素電極25r、緑色を表示するための画素電極25
g、青色を表示するための画素電極25bを備えて一つ
の画素32が形成されている。
【0181】上記画素32は、それぞれの画素電極25
に接続されたTFT28により駆動されている。すなわ
ち、各TFT28のゲートは走査電極27に接続され、
各画素電極25はTFT28のドレインおよびソースを
介して信号電極26に接続されている。これにより、各
TFT28は画素電極25への画像信号の供給を制御
し、画素電極25をそれぞれ独立して駆動するようにな
っている。
【0182】上記液晶表示パネル21を備える液晶表示
装置では、各画素電極25に供給される画像信号に従っ
て液晶の透過率が変化し、これにより図示していないバ
ックライトから入射される光を変調して透過させること
によって、カラー画像の表示が行われる。
【0183】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において特に明記しない場合
は、「部」および「%」は重量基準である。
【0184】最初に、本発明のカラーフィルタの遮光着
色層に用いられる遮光着色インクの調製について、製造
例を用いて具体的に説明する。
【0185】(製造例1)スチレン:アクリル酸共重合
体(モル比5:1)の40%メチルエチルケトン溶液1
00gに、カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA
−100)10gを加えた。この混合物を、ペイントコ
ンデショナーを用いて30分間振動させ、カーボンブラ
ックの微細分散化処理を行い分散液を得た。純水250
gにトリエチルアミン3.0gを溶解させた溶液に、得
られた分散液を撹拌しながら徐々に添加した。次いで、
分散液が添加された溶液を、80℃に加温して約1時間
反応させた。反応終了後、減圧蒸留によりメチルエチル
ケトンを除去し、水性の分散系ブラックインクを得た。
得られたブラックインクの粘性は、400cp(30
℃)であった。
【0186】(製造例2)n−ブチルメタクリレート:
メタクリル酸共重合体(モル比7:1)の30%アセト
ン溶液120gを、CI−アシッドブラック(No.2
6)5gおよび30%アンモニア水10ccを含有する
水溶液200gに、撹拌しながら徐々に添加した。次い
で、この混合溶液を、40℃に加温してアンモニア臭が
なくなるまで反応させた。反応終了後、減圧蒸留により
アセトンを除去し、水性の均一系ブラックインクを得
た。
【0187】(製造例3)スチレン:エチルアクリレー
ト:アクリル酸共重合体(モル比4:4:1)の10%
イソプロピルアルコール溶液100gに、変性アジン系
染料(CI−ダイレクトブラックNo.7類似体)0.
6gを加え、黒色の均一溶液を調製した。この黒色均一
溶液を、イソプロピルアルコール100gにn−ブチル
アミン2.0gを溶解させた溶液に添加し、十分に撹拌
後3日間放置した。放置後、減圧蒸留によりn−ブチル
アミンを除去し、均一アルコール系のブラックインクを
得た。
【0188】(製造例4〜6)以下の表2に示す共重合
体の溶液100gを、 CI−アシッドブラック(N
o.31)1gおよびジエチルアミン2.0gを溶解さ
せた水溶液50gに添加し、ジエチルアミン臭がなくな
るまで反応させた。反応終了後、減圧蒸留によりアセト
ンなどを除去し、水性の均一系ブラックインクを得た。
【0189】
【表2】
【0190】(製造例7)α−メチルスチレン:メタク
リル酸共重合体(モル比2:1)の30%n−ブチルア
ルコール溶液50gに、酸処理を施したカーボンブラッ
ク(オリエント化学社製、ミクロゼット)3gを加え
た。この混合物を、ペイントコンデショナーを用いて3
0分間振動させ、カーボンブラックの分散液を得た。こ
の分散液を、モノエタノールアミン5gを溶解させた水
溶液100gに添加し、80℃に加熱し、そして撹拌し
た。撹拌するにつれて、n−ブチルアルコールは油層
に、共重合体およびカーボンブラックは水層に徐々に相
分離した。n−ブチルアルコールが完全に分離した後、
n−ブタノールを除去し、水性の分散系ブラックインク
を得た。得られたブラックインクの粘性は、5300c
p(30℃)であった。
【0191】(製造例8)スチレン:マレイン酸モノエ
チルエステル共重合体(モル比3:1)の40%アセト
ン溶液100gに、カーボンブラック(三菱カーボン社
製、MA−100)8gを加えた。この混合物を、ペイ
ントコンデショナーを用いて30分間振動させ、カーボ
ンブラックの微細分散化処理を行い分散液を得た。30
%アンモニア水15ccと純水185ccとの水溶液
に、撹拌しながら徐々に添加した。次いで、この混合溶
液を、40〜45℃に加温してアンモニア臭がなくなる
まで反応させた。反応終了後、減圧蒸留によりアセトン
を除去し、水性の均一系ブラックインク約200gを得
た。得られたブラックインクの粘性は、4500cp
(30℃)であった。
【0192】(製造例9)スチレン:無水マレイン酸共
重合体(モル比2:1)の40%メチルエチルケトン溶
液75gに、CI−アシッドブラック(No.2)3g
およびモノエタノールアミン4.0gを加え、60℃に
加熱し、そして約1時間撹拌した。次いで、この混合溶
液に水150ccを加え、ペイントコンデショナーを用
いて約1時間振動させた。次に、上部に相分離したメチ
ルエチルケトンを除き、さらに減圧蒸留により残ったメ
チルエチルケトンを除去し、水性の均一系ブラックイン
ク約190gを得た。
【0193】(製造例10)スチレン:無水マレイン
酸:n−ブチルメタクリレート共重合体(モル比3:
1:1)の40%テトラヒドロフラン溶液50gを、C
I−アシッドブラック(No.33)2gおよび30%
アンモニア水10ccを含有する水溶液150gに、撹
拌しながら徐々に添加した。次いで、この混合溶液を、
40℃に加温してアンモニア臭がなくなるまで反応させ
た。このようにして、水:テトラヒドロフラン混合溶媒
系の均一系ブラックインク200gを得た。
【0194】(製造例11)酢酸ビニル:無水マレイン
酸共重合体(モル比3:1)の50%エタノール溶液6
0gに、酸処理を施したカーボンブラック(オリエント
化学社製、ミクロゼット)3gを加えた。この混合物
を、ペイントコンデショナーを用いて30分間振動さ
せ、カーボンブラックの分散液を得た。この分散液を、
n−ヘキシルアミン6gを溶解させた水溶液140gに
添加し、70℃に加熱し、そして撹拌した。当初白濁し
ていた溶液が、透明で均一な溶液となった。このように
して、水:エタノール混合溶媒系の分散型ブラックイン
ク200gを得た。得られたブラックインクの粘性は、
250cp(30℃)であった。
【0195】(製造例12)2−エチルヘキシルメタク
リレート:マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)エス
テル共重合体(モル比1:1)の50%のn−ブチルア
ルコール溶液100gと、下記構造式(XII)を有するア
ミドブラック(10B)2gを水200gに溶解した溶
液およびアンモニア水10ccとを混合した。この混合
物を、60℃で約2時間撹拌して反応させた。反応が進
むにつれて、アンモニアが4級アンモニウム塩に変化
し、それに伴い、n−ブチルアルコールが層分離した。
層分離したn−ブチルアルコールを除去し、水溶液のブ
ラックインク220gを得た。
【0196】
【化50】
【0197】(製造例13)シクロヘキシルメタクリレ
ート:マレイン酸モノエチルエステル共重合体(モル比
2:1)の30%アセトン溶液200gと、下記構造式
(XIII)を有する変性アジン系染料(CI−ダイレクトブ
ラックNo.19)水溶液200gおよびイソプロピル
アミン7.5ccとを混合した。この混合物を、50℃
で約2時間撹拌した。次いで、減圧蒸留によりアセトン
を除去し、ブラックインク200gを得た。得られたブ
ラックインクの粘性は、5000cp(30℃)であっ
た。
【0198】
【化51】
【0199】(製造例14)3,3,3,-トリフルオロプロ
ピルアクリレート(式(XIV);以下、TFAとする)
とアクリル酸(以下、AA)との共重合体(モル比1:
10)の30%アセトン溶液100gに、カーボンブラ
ック(三菱カーボン社製、MA−100)3gを加え、
さらに粘度調整剤としてグリセリン3gを加えた。
【0200】
【化52】
【0201】この混合物を、ペイントコンデショナーを
用いて30分間振動させ、カーボンブラックの微細分散
化処理を行い分散液を得た。混合物の振動の際、分散を
促進するために直径2mmのガラスビーズ30gを加え
た。分散化処理後、ガラスビーズを取り除き、30%ア
ンモニア水30mlを加えた。アンモニア水を加えた分
散液を、40〜45℃で一昼夜、ゆるやかに撹拌した。
純水100gに、得られた分散液を撹拌しながら徐々に
添加した。次いで、減圧蒸留により、分散液が添加され
た溶液からアセトンおよびアンモニアを除去し、水性の
分散系ブラックインク約140gを得た。得られたブラ
ックインクの粘性は、100cp(30℃)であった。
なお、カーボンブラックを添加しないで得られた溶液
は、30℃で均一透明であった。これらの結果を、製造
例15〜17の結果と併せて、以下の表3に一覧する。
【0202】
【表3】
【0203】(製造例15〜17)表3に示すモル比の
TFA/AA共重合体を用いたこと、および表3に示す
量のアンモニア水を用いたこと以外は、製造例14と同
様にして水性の分散系ブラックインクを得た。得られた
ブラックインクの粘性を表3に示す。さらに、カーボン
ブラックを添加しないで得られた溶液の状態を表3に示
す。
【0204】(製造例18)3,3,4,4,4,-ペンタフルオ
ロブチルメタクリレート(式(XV))とメタクリル酸と
n−ブチルメタクリレートとの共重合体(モル比4:
4:3)の30%テトラヒドロフラン溶液100gを純
水300gに加え、ホモジナイザーで撹拌することによ
り白濁液を得た。
【0205】
【化53】
【0206】この白濁液を50℃に加熱し、白濁液が透
明になるまでトリエチルアミンを徐々に滴下した。トリ
エチルアミンの添加量は25gであった。次いで、減圧
蒸留によりテトラヒドロフランと過剰のトリエチルアミ
ンとを除去し、315gの透明溶液を得た。得られた溶
液に、尿素0.5g、エチレングリコール20gおよび
イソプロピルアルコール100gを加え、最後に、CI
−ダイレクトブラック(No.19)5gを加えること
により、340gのブラックインクを得た。得られたブ
ラックインクの粘性は、40cp(30℃)であった。
【0207】(製造例19)開始剤としてベンゾイルパ
ーオキサイドを用いるメチルエチルケトン中N2気流下
の溶液重合法により、α,α,α−トリフルオロメチル-
2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(式(XVI))
とメタクリル酸とスチレンとの共重合体(モル比4:
2:4)を得た。
【0208】
【化54】
【0209】この反応系に過剰のn−ブチルアミンを加
え2時間加熱還流を行うと、反応系が白濁化した。次い
で、イオン交換を行った蒸留水を加え、シェイカーで約
10分間シェイキングすることにより、4級塩化した共
重合体を水層に相分離させた。次いで、上層部(油層)
に分離したメチルエチルケトンを除去し、さらに、減圧
蒸留により残留メチルエチルケトン、n−ブチルアミン
などを除去し、固形分約5%の分散液を得た。この分散
液100重量部に対して10重量部のジエチレングリコ
ールモノエチルエステルを加え、さらに、表面に酸処理
を施したカーボンブラック(オリエント化学社製、ミク
ロゼット)を分散液の固形分100重量部に対して20
重量部加えた。ボールミルにより、この混合物の分散化
を行い、濃度約6%のブラックインクを得た。得られた
ブラックインクの粘性は、15cp(30℃)であっ
た。
【0210】(製造比較例1)n−ブチルアミンを加え
なかったこと以外は、製造例19と同様にして濃度約6
%のブラックインクを得た。得られたブラックインクの
粘性は、35cp(30℃)であった。
【0211】(製造例20)酢酸ビニル:マレイン酸モ
ノヘキシルエステル:3,3,3,-トリフルオロプロピルア
クリレート共重合体(モル比4:4:2)の50%アセ
トン溶液100gに、カーボンブラック(三菱カーボン
社製、MA−100)6gを加えた。この混合物を、ペ
イントコンデショナーを用いて30分間振動させ、カー
ボンブラックの微細分散化処理を行い黒色分散液を得
た。この分散液を、30%アンモニア水20mlをイオ
ン交換水200gに溶解した溶液中に徐々に加えた。次
いで、分散液が添加された溶液を、45℃に加温してア
ンモニア臭がなくなるまで反応させた。この反応の際、
溶液は白濁状態から透明状態に変化した。
【0212】反応終了後、減圧蒸留によりアセトンおよ
びアンモニアなどを除去し、水性の分散系ブラックイン
ク270gを得た。得られたブラックインクの粘性は、
150cp(30℃)であった。
【0213】(製造例21)n−ブチルメタクリレー
ト:無水マレイン酸:α,α,α,3,3,3-ヘキサフルオロ
プロピルメタクリレート(下記式(XVII))共重合体
(モル比2:4:4)のメチルエチルケトン溶液100
gに、CI−ダイレクトブラック(No.19)2gを
加え、さらに、ジエチルアミン水溶液を加え、振とう器
(ヤヨイ社製、エイト−W)を用いて室温で一昼夜振と
うを行った。
【0214】
【化55】
【0215】振とうが終了すると、溶液は、水層と油層
とに分離した。下層部(水層)の黒色溶液を取り出し、
減圧蒸留により残留ジエチルアミンを除去した。粘度調
整剤としてグリセリンのモノエステル体を加え、均一系
ブラックインクを得た。得られたブラックインクの粘性
は、8000cp(30℃)であった。
【0216】(製造例22)n−ブチルアルコール中で
の分散重合により、スチレン:マレイン酸モノエチルエ
ステル:3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチルアクリレート
共重合体(モル比4:5:1)を得た。トリエチルアミ
ンにより、この共重合体を4級アンモニウム塩化した。
この4級アンモニウム塩化した共重合体を、n−ブチル
アルコールに溶解した。共重合体100部に対して、2
0部の表面に酸処理を施したカーボンブラック(平均粒
径0.05μm)と2部のシュウ酸とを加え、ホモジナ
イザーで撹拌することにより、均一な分散系ブラックイ
ンクを得た。さらに、粘度を5000cp以上とするた
めに、共重合体2部に対して1部のブチラール樹脂(積
水化学社製、エスレックスM)を加えた。得られたブラ
ックインクの粘性は、6500cpであった。共重合体
のモル比、ブチラール樹脂の添加量、および得られたブ
ラックインクの粘性を、後述の製造例23および24の
結果と併せて表4に示す。
【0217】
【表4】
【0218】(製造例23および24)表4に示すモル
比の共重合体を用いたこと、および表4に示す割合でブ
チラール樹脂を添加したこと以外は、製造例22と同様
にしてブラックインクを得た。得られたインクの粘性も
また表4に示す。
【0219】(製造例25)マレイン酸モノベンジルエ
ステル(下記式(XVIII)):3,3,3-トリフルオロプロ
ピルアクリレート共重合体(モル比4:1)の50%酢
酸エチル溶液に、n−ブチルアミン30gを溶解した水
溶液300mlを加えた。この溶液を、振とう器(ヤヨ
イ社製、エイト−W)を用いて室温で一昼夜振とうし
た。
【0220】
【化56】
【0221】振とうが終了すると、溶液は、水層と油層
とに分離した。下層部(水層)の黒色溶液を取り出し、
減圧蒸留により残留酢酸エチルおよびn−ブチルアミン
を除去した。さらに、CI−アシッドブラック(10
B)5gを溶解した水溶液50mlを加え、410ml
のブラックインクを得た。
【0222】(製造例26)スチレン:無水マレイン酸
共重合体(モル比1:1)(エレフ・アトケム社製、S
MA 1000A)100gを、ジオキサン1リットル
に溶解した。この溶液に、2,2,2-トリフルオロエチルア
ルコール80gを加え、アルゴンガス中でオキシ塩化リ
ンを触媒として、油浴中(浴温100℃)で約2時間加
熱撹拌し、式(XIX)で表される部分エステル化された
3元共重合体156gを得た。
【0223】
【化57】
【0224】式(XX)において、N:M:L=34:1
00:66である。なお、エステル化度は、フェノール
フタレインを指示薬として用いる中和滴定での残存カル
ボキシル基量から求めた。
【0225】得られた3元共重合体をn−ヘキサンで粉
末化した後、エタノール中で分散させ、そして、アンモ
ニア水を加えて4級アンモニウム塩化を行った。反応の
進行に伴い、溶液は透明均一となった。得られた溶液の
固形分は35%、粘性は8600cp(25℃)であっ
た。
【0226】この溶液60gに、表面に酸処理を施した
カーボンブラック(オリエント化学社製、ミクロゼッ
ト)3gを加えた。この混合物を、ペイントコンデショ
ナーを用いて30分間振動させ、分散系ブラックインク
を得た。得られたブラックインクの粘性は、8600c
p(25℃)であった。
【0227】(製造例27)カーボンブラックに加え
て、上記溶液にエチレンジアミン0.5gを加えたこと
以外は、製造例26と同様にしてブラックインクを得
た。得られたブラックインクの粘性は、10200cp
(25℃)であった。
【0228】(製造例28)表面に酸処理を施したカー
ボンブラック(オリエント化学社製、ミクロゼット)3
gの代わりに、CI−アシッドブラック(No.33)
2gを用いたこと以外は、製造例26と同様にしてブラ
ックインクを得た。得られたブラックインクの粘性は、
8600cp(25℃)であった。
【0229】(製造例29)酢酸ビニル:無水マレイン
酸共重合体(モル比1:1)50gを、ジオキサン1リ
ットルに溶解した。この溶液に、N,N−ビス(2,2,2-
トリフルオロエチル)アミン18gを加え、アルゴンガ
ス中、油浴中(浴温80℃)で約2時間加熱撹拌し、式
(XX)で表される部分アミド化された3元共重合体61
gを得た。
【0230】
【化58】
【0231】式(XXI)において、N:M:L=5:
7:2である。なお、アミド化度は、フェノールフタレ
インを指示薬として用いる中和滴定での残存カルボキシ
ル基量から求めた。
【0232】得られた3元共重合体をn−ヘキサンで粉
末化した後、エタノール中で分散させ、そして、トリエ
チルアミンを加えて80℃で約1時間加熱し均一溶液を
得た。得られた溶液の固形分は38%、粘性は1400
0cp(25℃)であった。
【0233】この溶液55gに、表面に酸処理を施した
カーボンブラック(オリエント化学社製、ミクロゼッ
ト)3gを加えた。この混合物を、ペイントコンデショ
ナーを用いて30分間振動させ、分散系ブラックインク
を得た。得られたブラックインクの粘性は、14200
cp(25℃)であった。
【0234】(製造例30)製造例29で得られた溶液
55gに、CI−ダイレクトブラック(No.19)
1.5gを加え、室温で約1時間超音波処理を行い、溶
液型ブラックインクを得た。得られたブラックインクの
粘性は、13000cp(25℃)であった。
【0235】(製造例31)スチレン:マレイン酸モノ
エチルエステル共重合体(モル比3:1)の40%アセ
トン溶液100gに、表面を硝酸で処理したカーボンブ
ラック(三菱カーボン社製、MA−100)8gを加え
た。この混合物を、ペイントコンデショナーを用いて3
0分間振動させ、カーボンブラックの微細分散化処理を
行い分散液を得た。この分散液に、エチレンジアミン5
gを溶解した蒸留水100gを加え、60℃で加熱撹拌
した。加熱撹拌に伴い、白濁していた粘調な溶液が透明
に変化した。次いで、減圧蒸留によりアセトンなどを除
去し、分散系ブラックインク150gを得た。得られた
ブラックインクの粘性は、15000cp(30℃)で
あった。
【0236】(製造例32)エチレンジアミン5gを溶
解した蒸留水100gの代わりに、エチレンジアミン1
gとトリエチルアミン4gとを溶解した蒸留水100g
を用いたこと以外は、製造例31と同様にして分散系ブ
ラックインク150gを得た。得られたブラックインク
の粘性は、8000cp(30℃)であった。
【0237】(製造例33)n−ブチルアクリレート:
3,3,3-トリフルオロプロピルアクリレート:アクリル酸
共重合体(モル比2:2:1)の30%メチルエチルケ
トン溶液100gを、式(XXI)で表されるアミドブラ
ック(10B)3gを溶解した蒸留水100gに加え
た。
【0238】
【化59】
【0239】次いで、上記のようにして得られた溶液
に、30%アンモニア水5gおよびN,N’−ジエチル
エチレンジアミン0.6gを加えた。この溶液を、振と
う器(ヤヨイ社製、エイト−W)を用いて70℃で約1
時間振とうした。振とうが終了すると、溶液は、水層と
油層とに分離した。上層部(油層)のメチルエチルケト
ンを除去し、141gの溶液型ブラックインクを得た。
得られたブラックインクの粘性を、R型粘度計により測
定した。測定結果を、後述の製造例34〜36の結果と
併せて表5に示す。
【0240】
【表5】
【0241】(製造例34〜36)表5に示す量の30
%アンモニア水およびN,N’−ジエチルエチレンジア
ミンを用いたこと以外は、製造例33と同様にしてブラ
ックインクを得た。ブラックインクの収量および粘性を
表5に示す。なお、N,N’−ジエチルエチレンジアミ
ンを加えない場合のブラックインクの粘性は680cp
であった。
【0242】(製造例37)酢酸ビニル:クロトン酸共
重合体(モル比1:1)5gと、2−エチルヘキシルメ
タクリレート:マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)
エステル(モル比3:1)5gとをn−ブチルアルコー
ルに溶解した溶液100gを調製した。この溶液に、n
−ブチルアミン5gとN,N,N',N'-テトラメチルエチレン
ジアミン1gとをn−ブチルアルコール10gに溶解し
た溶液を加え、80℃で約1時間加熱した。加熱によ
り、溶液粘度が著しく上昇した。次いで、式(XXII)で
表されるダイレクトブラック(No.4)の誘導体5g
をn−ブチルアルコール50gに分散させた分散液を加
え、ペイントコンデショナーを用いて室温で分散化処理
を行い一部溶解一部分散型のブラックインク170gを
得た。分散体の平均粒径は0.1μmであった。さら
に、得られたブラックインクの粘性は、8400cp
(30℃)であった。
【0243】
【化60】
【0244】(製造例38)N,N,N',N'-テトラメチルエ
チレンジアミン1gの代わりに、N,N,N',N'-テトラメチ
ル-1,3-ジアミノブタン1.5gを用いたこと以外は、
製造例37と同様にしてブラックインク170gを得
た。得られたブラックインクの粘性は、7600cp
(30℃)であった。
【0245】(製造例39)n−ブチルアミン5gの代
わりに、ジエチルアミン5gを用いたこと以外は、製造
例37と同様にしてブラックインク170gを得た。得
られたブラックインクの粘性は、8900cp(30
℃)であった。
【0246】(実施例1)アミノシラン系カップリング
剤(チッソ社製、PS076)の0.3%エタノール溶
液をディップ方式で厚み1.2mmのガラス基板上に塗
布し、厚み0.2μmの親水性下引層を形成した。次い
で、下引層上に、製造例7で得られた遮光着色インク
(固形分濃度25.0%)をスクリーン印刷方式で印刷
し、遮光着色インクを幅15μm、間隔100μmで格
子状に基板に付着させた。遮光着色インク付着直後に、
ガラス基板の遮光着色インクが付着していない側を約1
00℃で約5分間加熱し、遮光着色インクを親水性から
疎水性に変化させた。このようにして形成された遮光着
色層の厚みは2.0μm、光学濃度は3.1であった。
【0247】一方、赤、緑、青の各インク(すなわち、
画素用カラーインク)を、以下のようにして調製した: (A)赤色顔料(PR177)5部、界面活性剤(日本
乳化剤社製、ニューコール710F)5部、メラミン樹
脂(住友化学社製、スミテックスレジンM−3)10
部、硬化剤(住友化学社製、スミテックスアクセレレー
ターACX)1部、および水89部を混合し、この混合
物を、ペイントコンデショナーを用いて室温で1時間振
動させ、顔料の微細分散化処理を行うことにより、赤イ
ンクを調製した。 (B)赤色顔料(PR177)の代わりに緑色顔料(P
G−36)を用いたこと以外は上記(A)と同様にし
て、緑インクを調製した。 (C)赤色顔料(PR177)の代わりに青色顔料(P
B−15)を用いたこと以外は上記(A)と同様にし
て、青インクを調製した。
【0248】次に、インクジェット装置(当社試作機)
を用いて、上記のようにして調製された赤、緑、青の各
インクを、ガラス基板上の上記撥水性の遮光着色層が形
成されていない部分の所定の位置に付着させた。このよ
うにして、ガラス基板の所定の位置に赤、緑、青の画素
を形成した。形成された各画素を120℃で15分間熱
硬化させ、カラーフィルタを作製した。なお、硬化後の
各画素の厚みは1.8μmであった。
【0249】上記のようにして作製されたカラーフィル
タを光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素
用カラーインクの付着は、全く認められなかった。この
カラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。
さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各
パターンの現像露光工程を必要としないため、製造コス
トが顕著に減少した。
【0250】(実施例2)孔版印刷により遮光着色層を
形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィ
ルタを作製した。得られたカラーフィルタを実施例1と
同様にして光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用
カラーインクの付着を調べた。その結果、遮光着色層へ
の画素用カラーインクの付着は、全く認められなかっ
た。このカラーフィルタは、色差むらが全く認められな
かった。さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、
G、B各パターンの現像露光工程を必要としないため、
製造コストが顕著に減少した。
【0251】(実施例3)製造例5で得られた遮光着色
インクの樹脂成分100部に対して、化学式(XXIII)で
表されるフッ素系界面活性剤5部を加え、超音波で十分
に撹拌した。
【0252】
【化61】
【0253】この遮光着色インクをインクジェットプリ
ンター(ピエゾ方式)を用いてガラス基板に印刷し、遮
光着色インクを幅20μm、間隔100μmで格子状に
基板に付着させた。遮光着色インク付着直後に、ガラス
基板の遮光着色インクが付着していない側を約80℃で
約5分間加熱し、遮光着色インクを親水性から疎水性に
変化させた。このようにして形成された遮光着色層の厚
みは1.2μm、光学濃度は2.3であった。
【0254】以下の手順は実施例1と同様にしてカラー
フィルタを作製した。得られたカラーフィルタを実施例
1と同様にして光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画
素用カラーインクの付着を調べた。その結果、遮光着色
層への画素用カラーインクの付着は、全く認められなか
った。各画素の色混りも全く認められなかった。このカ
ラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。さ
らに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各パ
ターンの現像露光工程を必要としないため、製造コスト
が顕著に減少した。
【0255】(実施例4)実施例1で作製したカラーフ
ィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を作製
した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計で測
定したところ、図3に示すように十分な性能を得ること
ができ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置として
十分に満足できる性能であることを確認した。さらに、
この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価であるた
め、従来に比べて低コスト製造することが可能であっ
た。
【0256】(実施例5)実施例3で作製したカラーフ
ィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を作製
した。この液晶表示装置のカラー表示性能もまた、実施
例4と同様に十分に満足できるものであり、かつ、低コ
ストでの製造が可能であった。
【0257】(実施例6)アミノシラン系カップリング
剤(チッソ社製、PS076)の0.5%エタノール溶
液をディップ方式で厚み1.2mmのガラス基板上に塗
布し、厚み0.3μmの親水性下引層を形成した。次い
で、下引層上に、製造例8で得られた遮光着色インク
(固形分濃度25.0%)と化学式(XXIII)で表される
フッ素系界面活性剤との混合物を、スクリーン印刷方式
で印刷し、遮光着色インクを幅15μm、間隔100μ
mで格子状に基板に付着させた。このとき、フッ素系界
面活性剤は、遮光着色インクの固形分100部に対して
5部添加した。遮光着色インク付着直後に、ガラス基板
の遮光着色インクが付着していない側を、約90℃でア
ンモニア臭がなくなるまで加熱し、遮光着色インクを親
水性から疎水性に変化させた。このようにして形成され
た遮光着色層の厚みは2.5μm、光学濃度は3.4で
あった。
【0258】
【化62】
【0259】以下の手順は実施例1と同様にして、カラ
ーフィルタを作製した。得られたカラーフィルタを光学
顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラーインクの
付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着は、全く認められなかった。このカラーフ
ィルタは、色差むらが全く認められなかった。遮光着色
層と画素用カラーインク(R、G、B)との後退接触角
は、それぞれ25度を超えており良好であった。さら
に、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各パタ
ーンの現像露光工程を必要としないため、製造コストが
顕著に減少した。
【0260】(実施例7)孔版印刷により遮光着色層を
形成したこと以外は、実施例6と同様にしてカラーフィ
ルタを作製した。得られたカラーフィルタを実施例6と
同様にして光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用
カラーインクの付着を調べた。その結果、遮光着色層へ
の画素用カラーインクの付着は、全く認められなかっ
た。このカラーフィルタは、色差むらが全く認められな
かった。さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、
G、B各パターンの現像露光工程を必要としないため、
製造コストが顕著に減少した。
【0261】(実施例8)実施例6で作製したカラーフ
ィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を作製
した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計で測
定したところ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置
として十分に満足できる性能であることを確認した。さ
らに、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価であ
るため、従来に比べて低コスト製造することが可能であ
った。
【0262】(実施例9)インクジェット(ピエゾ方
式)により遮光着色層を形成したこと以外は、実施例6
と同様にしてカラーフィルタを作製した。得られたカラ
ーフィルタを実施例6と同様にして光学顕微鏡で観察
し、遮光着色層への画素用カラーインクの付着を調べ
た。その結果、遮光着色層への画素用カラーインクの付
着は、全く認められなかった。このカラーフィルタは、
色差むらが全く認められなかった。さらに、このカラー
フィルタは、製造時にR、G、B各パターンの現像露光
工程を必要としないため、製造コストが顕著に減少し
た。
【0263】(実施例10)実施例9で作製したカラー
フィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を作
製した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計で
測定したところ、OA用、AV用を問わずカラー表示装
置として十分に満足できる性能であることを確認した。
さらに、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価で
あるため、従来に比べて低コスト製造することが可能で
あった。
【0264】(実施例11)アクリルアミドとアクリル
酸との共重合体(モル比4:1)の1.0%水溶液を、
ディップ方式で、表面をアセトン洗浄した厚み1.2m
mのガラス基板上に塗布し、厚み0.2μmの親水性下
引層を形成した。一方、製造例14で得られたブラック
インク10部に、式(XXIV)で表される界面活性剤0.5
部を加え、遮光着色インク(固形分濃度約25%)を調
製した。
【0265】
【化63】
【0266】次いで、下引層上に、この遮光着色インク
をディスペンサー方式で印刷し、遮光着色インクを幅2
5μm、間隔100μmで格子状に基板に付着させた。
遮光着色インク付着直後に、ガラス基板の遮光着色イン
クが付着していない側を約80℃でアンモニア臭がなく
なるまで加熱し、遮光着色インクを親水性から撥水性に
変化させた。このようにして形成された遮光着色層の厚
みdは1.3μm、光学濃度ODは2.4であった。さ
らに、後退接触角θRを、自動接触角計(共和界面科学
社製)により自動的に測定した。これらの結果を、後述
の実施例12〜14の結果と併せて表6に一覧する。
【0267】
【表6】
【0268】一方、赤、緑、青の各インク(すなわち、
画素用カラーインク)を、以下のようにして調製した: (A)赤色顔料(PR177)5部、界面活性剤(日本
乳化剤社製、ニューコール710F)5部、メラミン樹
脂(住友化学社製、スミテックスレジンM−3)10
部、硬化剤(住友化学社製、スミテックスアクセレレー
ターACX)1部、および水89部を混合し、この混合
物を、ペイントコンデショナーを用いて室温で1時間振
動させ、顔料の微細分散化処理を行うことにより、赤イ
ンクを調製した。 (B)赤色顔料(PR177)の代わりに緑色顔料(P
G−36)を用いたこと以外は上記(A)と同様にし
て、緑インクを調製した。 (C)赤色顔料(PR177)の代わりに青色顔料(P
B−15)を用いたこと以外は上記(A)と同様にし
て、青インクを調製した。
【0269】次に、インクジェット装置(当社試作機)
を用いて、上記のようにして調製された赤、緑、青の各
インクを、ガラス基板上の上記撥水性の遮光着色層が形
成されていない部分の所定の位置に付着させた。このよ
うにして、ガラス基板の所定の位置に赤、緑、青の画素
を形成した。形成された各画素を120℃で10分間熱
硬化させ、カラーフィルタを作製した。なお、硬化後の
各画素の厚みは2.4μmであった。
【0270】上記のようにして作製されたカラーフィル
タを光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素
用カラーインクの付着は、全く認められなかった。この
カラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。
さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各
パターンの現像露光工程を必要としないため、製造コス
トが顕著に減少した。
【0271】(実施例12)製造例15で得られたブラ
ックインクを用いて遮光着色インクを調製したこと以外
は、実施例11と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。遮光着色層の厚みd、光学濃度ODおよび後退接触
角θRを上記表6に示す。さらに、得られたカラーフィ
ルタを実施例11と同様にして光学顕微鏡で観察し、遮
光着色層への画素用カラーインクの付着を調べた。その
結果、遮光着色層への画素用カラーインクの付着は、全
く認められなかった。このカラーフィルタは、色差むら
が全く認められなかった。さらに、このカラーフィルタ
は、製造時にR、G、B各パターンの現像露光工程を必
要としないため、製造コストが顕著に減少した。
【0272】(実施例13)製造例16で得られたブラ
ックインクを用いて遮光着色インクを調製したこと以外
は、実施例11と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。遮光着色層の厚みd、光学濃度ODおよび後退接触
角θRを上記表6に示す。さらに、得られたカラーフィ
ルタを実施例11と同様にして光学顕微鏡で観察し、遮
光着色層への画素用カラーインクの付着を調べた。その
結果、遮光着色層への画素用カラーインクの付着は、全
く認められなかった。このカラーフィルタは、色差むら
が全く認められなかった。さらに、このカラーフィルタ
は、製造時にR、G、B各パターンの現像露光工程を必
要としないため、製造コストが顕著に減少した。
【0273】(実施例14)製造例17で得られたブラ
ックインクを用いて遮光着色インクを調製したこと以外
は、実施例11と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。遮光着色層の厚みd、光学濃度ODおよび後退接触
角θRを上記表6に示す。さらに、得られたカラーフィ
ルタを実施例11と同様にして光学顕微鏡で観察し、遮
光着色層への画素用カラーインクの付着を調べた。その
結果、遮光着色層への画素用カラーインクの付着は、全
く認められなかった。このカラーフィルタは、色差むら
が全く認められなかった。さらに、このカラーフィルタ
は、製造時にR、G、B各パターンの現像露光工程を必
要としないため、製造コストが顕著に減少した。
【0274】(実施例15)ゼラチンの1.0%水溶液
を、ディップ方式で、厚み1.5mmのガラス基板上に
45℃で塗布し、厚み0.4μmの親水性下引層を形成
した。次いで、このガラス基板を表面温度が60℃とな
るように加熱し、製造例18で得られたブラックインク
(遮光着色インク)をインクジェット方式で下引層上に
印刷することにより、遮光着色層を、厚み1.5μm、
幅35μm、そして間隔100μmで格子状に形成し
た。画素の厚みを1.4μmとしたこと以外は実施例1
1と同様にして、カラーフィルタを作製した。得られた
カラーフィルタを実施例11と同様にして光学顕微鏡で
観察し、遮光着色層への画素用カラーインクの付着を調
べた。その結果、遮光着色層への画素用カラーインクの
付着は、全く認められなかった。このカラーフィルタ
は、色差むらが全く認められなかった。さらに、このカ
ラーフィルタは、製造時にR、G、B各パターンの現像
露光工程を必要としないため、製造コストが顕著に減少
した。
【0275】(比較例1)製造比較例1のブラックイン
クを用いたこと以外は実施例15と同様にして、遮光着
色層の形成を試みた。しかし、インクがガラス基板に均
一に付着せず、遮光着色層の形成は不可能であった。
【0276】(実施例16)実施例11で作製したカラ
ーフィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を
作製した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計
で測定したところ、図3に示すように十分な性能を得る
ことができ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置と
して十分に満足できる性能であることを確認した。さら
に、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価である
ため、従来に比べて低コスト製造することが可能であっ
た。
【0277】(実施例17)実施例15で作製したカラ
ーフィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を
作製した。この液晶表示装置のカラー表示性能もまた、
実施例16と同様に十分に満足できるものであり、か
つ、低コストでの製造が可能であった。
【0278】(実施例18)アクリルアミドとアクリル
酸との共重合体(モル比4:1)の2%水溶液を、ディ
ップ方式で、厚み1.5mmのガラス基板上に塗布し、
厚み0.5μmの親水性下引層を形成した。一方、製造
例23で得られたブラックインク10部に、式(XXIII)
で表される界面活性剤0.5部を加え、超音波で充分に
撹拌し、遮光着色インクを調製した。
【0279】
【化64】
【0280】次いで、下引層上に、この遮光着色インク
をディスペンサー方式で印刷し、遮光着色インクを幅2
0μm、間隔100μmで格子状に基板に付着させた。
遮光着色インク付着直後に、ガラス基板の遮光着色イン
クが付着していない側を約90℃でトリエチルアミン臭
がなくなるまで加熱し、遮光着色インクを親水性から疎
水性に変化させた。このようにして形成された遮光着色
層の厚みdは3.0μm、光学濃度ODは3.1であっ
た。
【0281】一方、赤、緑、青の各インク(すなわち、
画素用カラーインク)を、実施例11と同様にして調製
した:次に、インクジェット装置(当社試作機)を用い
て、上記のようにして調製された赤、緑、青の各インク
を、ガラス基板上の上記疎水性の遮光着色層が形成され
ていない部分の所定の位置に付着させた。このようにし
て、ガラス基板の所定の位置に赤、緑、青の画素を形成
した。形成された各画素を120℃で10分間熱硬化さ
せ、カラーフィルタを作製した。なお、硬化後の各画素
の厚みは2.4μmであった。
【0282】上記のようにして作製されたカラーフィル
タを光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素
用カラーインクの付着は、全く認められなかった。この
カラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。
さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各
パターンの現像露光工程を必要としないため、製造コス
トが顕著に減少した。各画素の画素用カラーインクと遮
光着色層との後退接触角は、いずれも30°を超えてい
た。
【0283】(実施例19)実施例18で作製したカラ
ーフィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を
作製した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計
で測定したところ、図3に示すような十分な性能を得る
ことができ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置と
して十分に満足できる性能であることを確認した。さら
に、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価である
ため、従来に比べて低コストで製造することが可能であ
った。
【0284】(実施例20)ホルマリン含有ゼラチン溶
液をスキージングドクトル法により厚み1.4mmのガ
ラス基板上に塗布し、80℃で約10分間加熱乾燥して
厚み0.8μmの親水性下引層を形成した。一方、製造
例27で得られたブラックインク10部に、式(XXV)
で表されるフッ素含有化合物0.5部を加え、遮光着色
インクを調製した。
【0285】
【化65】
【0286】次いで、下引層上に、この遮光着色インク
をスクリーン印刷方式で印刷し、遮光着色インクを幅2
0μm、間隔100μmで格子状に基板に付着させた。
遮光着色インク付着直後に、ガラス基板の遮光着色イン
クが付着していない側を約100℃でアンモニア臭がな
くなるまで加熱し、遮光着色インクを親水性から疎水性
に変化させた。このようにして形成された遮光着色層の
厚みは2.8μm、光学濃度は3.8であった。
【0287】一方、赤、緑、青の各インク(すなわち、
画素用カラーインク)を、実施例11と同様にして調製
した:次に、インクジェット装置(当社試作機)を用い
て、上記のようにして調製された赤、緑、青の各インク
を、ガラス基板上の上記疎水性の遮光着色層が形成され
ていない部分の所定の位置に付着させた。このようにし
て、ガラス基板の所定の位置に赤、緑、青の画素を形成
した。形成された各画素を120℃で10分間熱硬化さ
せ、カラーフィルタを作製した。なお、硬化後の各画素
の厚みは2.4μmであった。
【0288】上記のようにして作製されたカラーフィル
タを光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素
用カラーインクの付着は、全く認められなかった。この
カラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。
さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各
パターンの現像露光工程を必要としないため、製造コス
トが顕著に減少した。各画素の画素用カラーインクと遮
光着色層との後退接触角は、いずれも25゜を超えてい
た。
【0289】(実施例21)実施例20で作製したカラ
ーフィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を
作製した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計
で測定したところ、図3に示すように十分な性能を得る
ことができ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置と
して十分に満足できる性能であることを確認した。さら
に、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価である
ため、従来に比べて低コスト製造することが可能であっ
た。
【0290】(実施例22)部分ケン化した酢酸ビニル
樹脂(ケン化度40%)の1%エタノール溶液をディッ
プ方式で厚み1.2mmのガラス基板上に塗布し、厚み
0.3μmの親水性下引層を形成した。一方、製造例3
5で得られたブラックインク(固形分濃度22%)に式
(XXVI)で表されるビス(アクリルアミド)を加え、遮光
着色インクを調製した。
【0291】
【化66】
【0292】次いで、下引層上に、上記遮光着色インク
をスクリーン印刷方式で印刷し、遮光着色インクを幅2
0μm、間隔100μmで格子状に基板に付着させた。
遮光着色インク付着直後に、ガラス基板の遮光着色イン
クが付着していない側を約90℃でエチレンジアミン臭
がなくなるまで加熱し、遮光着色インクを親水性から疎
水性に変化させた。このようにして形成された遮光着色
層の厚みは3.0μm、光学濃度は3.2であった。
【0293】一方、赤、緑、青の各インク(すなわち、
画素用カラーインク)を、実施例11と同様にして調製
した:次に、インクジェット装置(当社試作機)を用い
て、上記のようにして調製された赤、緑、青の各インク
を、ガラス基板上の上記疎水性の遮光着色層が形成され
ていない部分の所定の位置に付着させた。このようにし
て、ガラス基板の所定の位置に赤、緑、青の画素を形成
した。形成された各画素を120℃で10分間熱硬化さ
せ、カラーフィルタを作製した。なお、硬化後の各画素
の厚みは2.4μmであった。
【0294】上記のようにして作製されたカラーフィル
タを光学顕微鏡で観察し、遮光着色層への画素用カラー
インクの付着を調べた。その結果、遮光着色層への画素
用カラーインクの付着は、全く認められなかった。この
カラーフィルタは、色差むらが全く認められなかった。
さらに、このカラーフィルタは、製造時にR、G、B各
パターンの現像露光工程を必要としないため、製造コス
トが顕著に減少した。各画素の画素用カラーインクと遮
光着色層との後退接触角は、いずれも25°を超えてい
た。
【0295】(実施例23)実施例22で作製したカラ
ーフィルタを用いて、図2に示すような液晶表示装置を
作製した。この液晶表示装置のカラー表示性能を色度計
で測定したところ、図3に示すように十分な性能を得る
ことができ、OA用、AV用を問わずカラー表示装置と
して十分に満足できる性能であることを確認した。さら
に、この液晶表示装置は、カラーフィルタが安価である
ため、従来に比べて低コスト製造することが可能であっ
た。
【0296】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通常の
加熱のみにより、遮光着色インクが親水性から疎水性へ
と容易に変化するので、本発明のカラーフィルタに用い
られる遮光着色インクは基板への付着時には良好な付着
性(親水性)を有し、かつ、加熱によって容易に撥水性
の遮光着色層が得られる。すなわち、従来の遮光着色層
を有するカラーフィルタと異なり、シリコーン樹脂など
のインク反発層を形成する必要がない。さらに、本発明
に用いられる遮光着色インクは、通常の印刷方式によっ
て容易にパターンが形成され得るので、従来の感光性樹
脂を用いる場合と異なり、フォトマスクを用いたり、現
像を行ったりする必要がない。しかも、パターン形成さ
れた遮光着色インクは、そのサイズや形状が変動するこ
となく、確実に親水性から疎水性へと変化し、その結
果、撥水性の遮光着色層を形成する。従って、(1)製
造工程が顕著に簡略化される;(2)安価で製造が可能
である;(3)遮光着色層とインク反発層とを積層する
必要がないので、カラーフィルタ(結果として、液晶表
示装置)の厚みを減少させることが可能である;そし
て、(4)インク反発部分のパターンが高精度で形成さ
れるので、カラーフィルタの画素が高精度で形成され、
その結果、表示品質に優れたカラーフィルタが得られ
る。
【0297】このようなカラーフィルタは、液晶表示装
置に好適に用いられ得、カラー表示性能に優れ、かつ安
価な液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の好ましい
一例のフローチャートである。
【図2】Aは、本発明の液晶表示装置に使用される液晶
表示パネルの模式断面図である。Bは、Aの液晶表示パ
ネルの透視斜視図である。
【図3】本発明の液晶表示装置のカラー表示性能を示す
色度図のグラフである。
【符号の説明】 21 液晶表示パネル 22 TFT基板 23 対向基板 24 シール材 25 画素電極 26 信号電極(ソース電極) 27 走査電極(ゲート電極) 28 薄膜トランジスタ(TFT) 29 共通電極 30 カラーフィルタ 31 ブラックマトリクス 32 画素 33 液晶層 34 配向膜 35 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−68804 (32)優先日 平8(1996)3月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−68806 (32)優先日 平8(1996)3月25日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に画素と遮光着色層とを有す
    るカラーフィルタであって該遮光着色層が、親水性の遮
    光着色インクを用いて形成され、 該親水性の遮光着色インクが、式(I)で表される4級
    アンモニウム塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を
    含む、カラーフィルタ: 【化1】 ここで、X+は式(II)で表され: 【化2】 ここで、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、水
    素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状アルキル基、あるいは2〜8個の炭
    素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状
    アルケニル基である。
  2. 【請求項2】 前記R1、R2、R3、R4が、独立して、
    水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜
    3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、アリル
    基およびメタアリル基でなる群から選択される、請求項
    1に記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記R1、R2、R3、R4のうち1つは水
    素であり、他の3つは、独立して、水素、メチル基、エ
    チル基、プロピル基、およびブチル基でなる群から選択
    される、請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記4級アンモニウム塩部分を含むモノ
    マー単位が、式(III)で表されるモノマー単位、式(I
    V)で表されるモノマー単位、式(V)で表されるモノ
    マー単位、および式(VI)で表されるモノマー単位でな
    る群から選択される少なくとも1つのモノマー単位であ
    る、請求項1に記載のカラーフィルタ: 【化3】 ここで、R5は、水素、メチル基、またはトリフルオロ
    メチル基であり;R6、R7およびR8は各々、水素、1
    〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状
    または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する
    置換または非置換の直鎖状または分岐状アルケニル基、
    置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換の
    フェニル基、複素環基、1〜12個の炭素原子を有する
    直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびに
    フッ素置換アルキルアリール基でなる群から選択され
    る。
  5. 【請求項5】 前記親水性の遮光着色インクに含有され
    る樹脂が、フッ素含有モノマー単位をさらに有する、請
    求項1に記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記フッ素含有モノマー単位が、式(VI
    I) で表されるモノマー単位である、請求項5に記載の
    カラーフィルタ: 【化4】 ここで、RAは、水素、メチル基、またはトリフルオロ
    メチル基であり、RBは、1〜22個の炭素原子を有す
    る直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、または
    フッ素置換アルキルアリール基である。
  7. 【請求項7】 前記フッ素含有モノマー単位が、2モル
    %〜90モル%の比率で前記樹脂中に含有される、請求
    項5に記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記4級アンモニウム塩部分を有するモ
    ノマー単位が、10モル%〜70モル%の比率で前記樹
    脂中に含有される、請求項5に記載のカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 前記親水性の遮光着色インクに含有され
    る樹脂が、アクリレート系モノマー単位、メタクリレー
    ト系モノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビニ
    ルモノマー単位、およびイソブチレンモノマー単位でな
    る群から選択される少なくとも1種のモノマー単位をさ
    らに有する、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記スチレン系モノマー単位が、式
    (VIII)で表される、請求項9に記載のカラーフィル
    タ: 【化5】 ここで、R21は、水素またはメチル基であり、そして、
    22は、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル
    基、ニトロ基またはハロゲンである。
  11. 【請求項11】 前記親水性の遮光着色インクが、フッ
    素含有化合物をさらに含有する、請求項1に記載のカラ
    ーフィルタ。
  12. 【請求項12】 前記フッ素含有化合物が、式(IX)で表
    される、請求項11に記載のカラーフィルタ: 【化6】 ここで、R31は、1〜12個の炭素原子を有するフッ素
    置換アルキル基であり、Yは、-COO-、-OCO-、-CONH-、
    -CO-、-O-、-S-、フェニレン基、-SO2-、-SO3-、または
    -SO2NH-であり、Zは、-COOH、-OH、-CONH2、-SO2NH2
    -NH2、-SO3 -NH4 +、-COO-NH4 +、-COO-NH+(C2H5)3、また
    は-NH3 +・B-(ここでB-はアニオン残基)であり、mお
    よびnは、独立して、0〜6の整数であり、pは0また
    は1である。
  13. 【請求項13】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (III)で表されるモノマー単位、式(IV)で表される
    モノマー単位、および式(V)で表されるモノマー単位
    でなる群から選択される少なくとも1つの4級アンモニ
    ウム塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含む、請
    求項4に記載のカラーフィルタ: 【化7】 ここで、R5は、水素またはメチル基であり;R6は、水
    素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を
    有する置換または非置換の直鎖状または分岐状基、置換
    または非置換のアラルキル基、置換または非置換のフェ
    ニル基、ならびに複素環基でなる群から選択される。
  14. 【請求項14】 前記親水性の遮光着色インクに含有さ
    れる樹脂が、アクリレート系モノマー単位、メタクリレ
    ート系モノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビ
    ニルモノマー単位、およびイソブチレンモノマー単位で
    なる群から選択される少なくとも1種のモノマー単位を
    さらに有する、請求項13に記載のカラーフィルタ。
  15. 【請求項15】 前記親水性の遮光着色インクが、フッ
    素含有化合物をさらに含有する、請求項13に記載のカ
    ラーフィルタ。
  16. 【請求項16】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (III)で表されるモノマー単位、式(IV)で表される
    モノマー単位、および式(V)で表されるモノマー単位
    でなる群から選択される少なくとも1つの4級アンモニ
    ウム塩部分を含むモノマー単位と、フッ素含有モノマー
    単位とを有する樹脂を含む、請求項4に記載のカラーフ
    ィルタ: 【化8】 ここで、R5は、水素、メチル基、またはトリフルオロ
    メチル基であり;R6は、水素、1〜12個の炭素原子
    を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状アルキ
    ル基、2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状基、置換または非置換のアラルキル
    基、置換または非置換のフェニル基、ならびに複素環基
    でなる群から選択される。
  17. 【請求項17】 前記フッ素含有モノマー単位が、2モ
    ル%〜90モル%の比率で前記樹脂中に含有される、請
    求項16に記載のカラーフィルタ。
  18. 【請求項18】 前記4級アンモニウム塩部分を有する
    モノマー単位が、10モル%〜70モル%の比率で前記
    樹脂中に含有される、請求項16に記載のカラーフィル
    タ。
  19. 【請求項19】 前記親水性の遮光着色インクに含有さ
    れる樹脂が、アクリレート系モノマー単位、メタクリレ
    ート系モノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビ
    ニルモノマー単位、およびイソブチレンモノマー単位で
    なる群から選択される少なくとも1種のモノマー単位を
    さらに有する、請求項16に記載のカラーフィルタ。
  20. 【請求項20】 前記親水性の遮光着色インクが、フッ
    素含有化合物をさらに含有する、請求項16に記載のカ
    ラーフィルタ。
  21. 【請求項21】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (V)で表されるモノマー単位および式(VI)で表され
    るモノマー単位でなる群から選択される少なくとも1つ
    の4級アンモニウム塩部分を含むモノマー単位を有する
    樹脂を含む、請求項4に記載のカラーフィルタ: 【化9】 ここで、R6は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状
    または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素
    置換アルキルアリール基でなる群から選択され;R7
    よびR8は各々、水素、1〜12個の炭素原子を有する
    置換または非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2
    〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
    たは分岐状アルケニル基、置換または非置換のアラルキ
    ル基、置換または非置換のフェニル基、複素環基、1〜
    12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素
    置換アルキル基、ならびにフッ素置換アルキルアリール
    基でなる群から選択され、ただし、R7およびR8のうち
    少なくとも1つは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖
    状または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ
    素置換アルキルアリール基でなる群から選択される。
  22. 【請求項22】 前記親水性の遮光着色インクに含有さ
    れる樹脂が、アクリレート系モノマー単位、メタクリレ
    ート系モノマー単位、スチレン系モノマー単位、酢酸ビ
    ニルモノマー単位、およびイソブチレンモノマー単位で
    なる群から選択される少なくとも1種のモノマー単位を
    さらに有する、請求項21に記載のカラーフィルタ。
  23. 【請求項23】 前記親水性の遮光着色インクが、フッ
    素含有化合物をさらに含有する、請求項21に記載のカ
    ラーフィルタ。
  24. 【請求項24】 前記親水性の遮光着色インクが、少な
    くとも1種のポリアミノ化合物をさらに含有する、請求
    項1に記載のカラーフィルタ。
  25. 【請求項25】 前記ポリアミノ化合物が、式(X)で
    表されるジアミノ化合物である、請求項24に記載のカ
    ラーフィルタ: 【化10】 ここで、Aは、2価の炭化水素残基であり;そして、R
    41、R42、R43およびR44は、独立して、水素、1〜1
    2個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状また
    は分岐状アルキル基、5〜6個の炭素原子を有する置換
    または非置換のシクロアルキル基、あるいは2〜8個の
    炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐
    状アルケニル基である。
  26. 【請求項26】 前記遮光着色層が着色剤を含み、該着
    色剤が顔料系着色剤である、請求項1に記載のカラーフ
    ィルタ。
  27. 【請求項27】 前記顔料系着色剤が、表面に-COOM基
    を有するカーボンブラックであり、ここでMが、水素、
    アンモニウム、およびアルカリ金属から選択される1種
    である、請求項26に記載のカラーフィルタ。
  28. 【請求項28】 前記遮光着色層に対して接着性を有す
    る下引層が、前記透明基板表面に設けられている、請求
    項1に記載のカラーフィルタ。
  29. 【請求項29】 前記下引層がゼラチンである、請求項
    28に記載のカラーフィルタ。
  30. 【請求項30】 前記下引層が、式(XI)で表されるモ
    ノマー単位を有する重合体を含む、請求項28に記載の
    カラーフィルタ: 【化11】 ここで、R51は、水素またはメチル基であり;そして、
    52は、水素、1〜12個の炭素原子を有する置換また
    は非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、置換または
    非置換の直鎖状または分岐状アラルキル基、置換または
    非置換のフェニル基、あるいは複素環基である。
  31. 【請求項31】 透明基板上に親水性の遮光着色インク
    を所定のパターンで付着させる工程と、該親水性の遮光
    着色インクを疎水性に変化させて撥水性の遮光着色層を
    形成する工程と、親水性の画素用カラーインクを該透明
    基板上の該撥水性遮光着色層が形成されていない部分に
    付着させて画素を形成する工程とを包含する、カラーフ
    ィルタの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (I)で表される4級アンモニウム塩部分を含むモノマ
    ー単位を有する樹脂を含む、請求項31に記載のカラー
    フィルタの製造方法: 【化12】 ここで、X+は式(II)で表され: 【化13】 ここで、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、水
    素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状アルキル基、あるいは2〜8個の炭
    素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状
    アルケニル基である。
  33. 【請求項33】 前記4級アンモニウム塩部分を含むモ
    ノマー単位が、式(III)で表されるモノマー単位、式
    (IV)で表されるモノマー単位、式(V)で表されるモ
    ノマー単位、および式(VI)で表されるモノマー単位で
    なる群から選択される少なくとも1つのモノマー単位で
    ある、請求項32に記載のカラーフィルタの製造方法: 【化14】 ここで、R5は、水素、メチル基、またはトリフルオロ
    メチル基であり;R6、R7およびR8は各々、水素、1
    〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状
    または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を有する
    置換または非置換の直鎖状または分岐状アルケニル基、
    置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換の
    フェニル基、複素環基、1〜12個の炭素原子を有する
    直鎖状または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびに
    フッ素置換アルキルアリール基でなる群から選択され
    る。
  34. 【請求項34】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (III)で表されるモノマー単位、式(IV)で表される
    モノマー単位、および式(V)で表されるモノマー単位
    でなる群から選択される少なくとも1つの4級アンモニ
    ウム塩部分を含むモノマー単位を有する樹脂を含む、請
    求項33に記載のカラーフィルタの製造方法: 【化15】 ここで、R5は、水素またはメチル基であり;R6は、水
    素、1〜12個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状アルキル基、2〜8個の炭素原子を
    有する置換または非置換の直鎖状または分岐状基、置換
    または非置換のアラルキル基、置換または非置換のフェ
    ニル基、ならびに複素環基でなる群から選択される。
  35. 【請求項35】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (III)で表されるモノマー単位、式(IV)で表される
    モノマー単位、および式(V)で表されるモノマー単位
    でなる群から選択される少なくとも1つの4級アンモニ
    ウム塩部分を含むモノマー単位と、フッ素含有モノマー
    単位とを有する樹脂を含む、請求項33に記載のカラー
    フィルタの製造方法: 【化16】 ここで、R5は、水素、メチル基、またはトリフルオロ
    メチル基であり;R6は、水素、1〜12個の炭素原子
    を有する置換または非置換の直鎖状または分岐状アルキ
    ル基、2〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の
    直鎖状または分岐状基、置換または非置換のアラルキル
    基、置換または非置換のフェニル基、ならびに複素環基
    でなる群から選択される。
  36. 【請求項36】 前記親水性の遮光着色インクが、式
    (V)で表されるモノマー単位および式(VI)で表され
    るモノマー単位でなる群から選択される少なくとも1つ
    の4級アンモニウム塩部分を含むモノマー単位を有する
    樹脂を含む、請求項33に記載のカラーフィルタの製造
    方法: 【化17】 ここで、R6は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状
    または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ素
    置換アルキルアリール基でなる群から選択され;R7
    よびR8は各々、水素、1〜12個の炭素原子を有する
    置換または非置換の直鎖状または分岐状アルキル基、2
    〜8個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状ま
    たは分岐状アルケニル基、置換または非置換のアラルキ
    ル基、置換または非置換のフェニル基、複素環基、1〜
    12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のフッ素
    置換アルキル基、ならびにフッ素置換アルキルアリール
    基でなる群から選択され、ただし、R7およびR8のうち
    少なくとも1つは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖
    状または分岐状のフッ素置換アルキル基、ならびにフッ
    素置換アルキルアリール基でなる群から選択される。
  37. 【請求項37】 前記遮光着色層が、液晶表示装置の非
    画素部のパターンに一致して形成される、請求項31に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記遮光着色インクを、インクジェッ
    ト方式により前記透明基板に付着させる、請求項31に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  39. 【請求項39】 前記遮光着色インクを、ディスペンサ
    ー方式により前記透明基板に付着させる、請求項31に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記遮光着色インクを、孔版印刷方式
    により前記透明基板に付着させる、請求項31に記載の
    カラーフィルタの製造方法。
  41. 【請求項41】 前記遮光着色インクを、スクリーン印
    刷方式により前記透明基板に付着させる、請求項31に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記遮光着色インクを、オフセット印
    刷方式により前記透明基板に付着させる、請求項31に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  43. 【請求項43】 前記親水性の遮光着色インクが少なく
    とも1種のポリアミノ化合物をさらに含有し、該遮光着
    色インクをスクリーン印刷方式またはオフセット印刷方
    式により前記透明基板に付着させる、請求項32に記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  44. 【請求項44】 前記ポリアミノ化合物が、式(X)で
    表されるジアミノ化合物である、請求項43に記載のカ
    ラーフィルタの製造方法: 【化18】 ここで、Aは、2価の炭化水素残基であり;そして、R
    41、R42、R43およびR44は、独立して、水素、1〜1
    2個の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状また
    は分岐状アルキル基、5〜6個の炭素原子を有する置換
    または非置換のシクロアルキル基、あるいは2〜8個の
    炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分岐
    状アルケニル基である。
  45. 【請求項45】 前記親水性の画素用カラーインクを、
    インクジェット方式により前記透明基板上に付着させ
    る、請求項31に記載のカラーフィルタの製造方法。
  46. 【請求項46】 一対の基板間に液晶が封入された液晶
    表示装置であって、少なくとも一方の基板上に請求項1
    に記載のカラーフィルタが具備されている、液晶表示装
    置。
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