JPH11286346A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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Publication number
JPH11286346A
JPH11286346A JP8756798A JP8756798A JPH11286346A JP H11286346 A JPH11286346 A JP H11286346A JP 8756798 A JP8756798 A JP 8756798A JP 8756798 A JP8756798 A JP 8756798A JP H11286346 A JPH11286346 A JP H11286346A
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JP
Japan
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sheet
bundle
feeding device
sheet bundle
claw
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Withdrawn
Application number
JP8756798A
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English (en)
Inventor
Noritoshi Maruchi
典利 丸地
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP8756798A priority Critical patent/JPH11286346A/ja
Publication of JPH11286346A publication Critical patent/JPH11286346A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の損傷を防止しつつ、用紙束から用紙を
1枚ずつ確実に分離し搬送する小型で安価な給紙装置を
提供する。 【解決手段】 用紙束Dを積載保持するトレイ301
と、用紙束Dの給紙方向下流側先端部を規制する先端規
制手段302と、前記先端規制手段302の給紙方向上
流側に位置され、前記用紙束Dの用紙に接触して当該用
紙の下流側先端部を上流側へ移動させる移動手段303
と、該移動手段303により下流側先端部が上流側へ移
動させられた用紙が、当該移動手段側に膨らみRを形成
するための空間309と、用紙束Dを前記移動手段側へ
圧接する圧接手段304と、用紙束Dの下流側先端部の
前記移動手段側の面を支持する爪手段305とを有す
る、用紙束Dから用紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙
装置であって、前記用紙束Dを、当該用紙束Dに対して
前記移動手段側とは逆の方向に湾曲させたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された用紙束
から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写
機等には、給紙装置が組み込まれているが、この給紙装
置は、原稿や転写紙等のシート状の用紙をトレイに多数
枚積層し、この用紙束から用紙を1枚ずつ分離して送り
出すようになっている。
【0003】この給紙装置の給紙方式には、従来から摩
擦パッド方式、エアー方式、分離爪方式等がある。
【0004】摩擦パッド方式は、用紙間の摩擦力と、摩
擦パッド及び用紙間の摩擦力との差を利用して、用紙束
を分離して用紙を1枚ずつ送るようにしたものである。
【0005】エアー方式は、空気を用紙間に吹き付け1
枚ずつ吸引することによって、用紙束を分離して用紙を
1枚ずつ送るようにしたものである。
【0006】分離爪方式は、分離爪により用紙の搬送を
規制した状態で用紙に搬送力を加えることにより用紙を
撓ませ、用紙自身の弾性により用紙を1枚ずつ分離爪か
ら抜き出して搬送するようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、摩擦パッド
方式は、ローラ側の用紙とパッド側の用紙とが激しく摺
擦されるため、用紙が損傷を受けるという不具合があ
る。
【0008】このために、摩擦パッドへの用紙の供給を
制限する規制板を設け、前記損傷の発生を低減するよう
にした給紙装置も提案されているが、この方式でも、損
傷の発生を未然に防止するものではない。
【0009】エアー方式は、用紙間の摺擦が極めて少な
いので、用紙の損傷は発生しにくいが、エアーを発生さ
せるファンやダクト等が必要となるので、装置の大型
化、製造コストの増大のみでなく、ファンの吸排気の騒
音も問題となる。
【0010】分離爪方式は、用紙間の摺擦が摩擦パッド
方式より少なく、用紙の損傷はほとんど発生しないが、
用紙の弾性を利用しているので、例えば用紙の特性を変
化させる温湿度の環境変化や用紙の厚さや筋目方向等の
物理的条件の変化に対する許容範囲が狭く、給紙ミスや
重送が発生しやすい。
【0011】また、実公昭47−33182号公報に
は、紙幣の下側から、ローラにより紙幣にループを形成
して1枚ずつ取り出す給送装置が提案されている。
【0012】この方式は、用紙間の摺擦長さを短くする
ことができるので、用紙の損傷は、発生しにくいが、定
形の紙幣若しくは定形の用紙の給送に限られるばかり
か、積載されている用紙の枚数が少なくなると、ローラ
の回転によって用紙全体が持ち上がり、用紙とローラと
の間に滑りが発生し、安定した用紙の給送ができないと
いう問題がある。
【0013】特開平7−69468号公報には、ループ
を形成して分離した用紙を持ち上げて給紙する機構が提
案されている。
【0014】この方式も、用紙間の摺擦長さを短くする
ことができるので、用紙の損傷は発生しにくいが、トレ
イ上に平面状態で載置されている用紙束から用紙1枚の
みをループさせる際に、ループの形成が安定せず、給紙
ミスや重送が発生する虞れがある。さらに、用紙を持ち
上げる構成が必要となるため、装置の構成が複雑でかつ
大型になってしまうという問題がある。
【0015】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
するためになされたものであって、本発明の目的は、用
紙の損傷を防止しつつ、用紙を1枚ずつ確実に分離し搬
送する小型で安価な給紙装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0017】(1)用紙束を積載保持するトレイと、用
紙束の給紙方向下流側先端部を規制する先端規制手段
と、前記先端規制手段の給紙方向上流側に位置され、前
記用紙束の用紙に接触して当該用紙の下流側先端部を上
流側へ移動させる移動手段と、該移動手段により下流側
先端部が上流側へ移動させられた用紙が、当該移動手段
側に膨らんでループを形成するための空間と、用紙束を
前記移動手段側へ圧接する圧接手段と、用紙束の下流側
先端部の前記移動手段側の面を支持する爪手段と、を有
する用紙束から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙装
置であって、前記用紙束を、当該用紙束に対して前記移
動手段側とは逆の方向に湾曲させたことを特徴とする給
紙装置。
【0018】(2)前記爪手段は、前記圧接手段の用紙
束に対する圧接力に対向するように用紙面と接する第1
面を有し、当該第1面と、前記トレイの用紙束を支持す
る支持面との各延長面が、前記用紙束に対して前記移動
手段の反対側で交わるようにしたことを特徴とする給紙
装置。
【0019】(3)前記爪手段は、前記第1面と前記ト
レイの用紙束を支持する支持面との各延長面が前記用紙
束に対して前記移動手段の反対側で交わる第1位置と、
少なくとも交わらない第2位置を取るように、前記トレ
イに対して相対的に位置変位し得るように構成したこと
を特徴とする給紙装置。
【0020】(4)前記爪手段が、前記第1位置と第2
位置との間で移動し得るように構成したことを特徴とす
る給紙装置。
【0021】(5)前記圧接手段が、前記爪手段と共に
移動し得るように構成したことを特徴とする給紙装置。
【0022】(6)前記爪手段と圧接手段は、両者が一
体的に構成されるようにユニット化したことを特徴とす
る給紙装置。
【0023】(7)前記移動手段及び圧接手段が、前記
爪手段と共に移動し得るように構成したことを特徴とす
る給紙装置。
【0024】(8)前記爪手段、移動手段及び圧接手段
は、全体が一体的に構成されるようにユニット化したこ
とを特徴とする給紙装置。
【0025】(9)前記第2位置は、前記爪手段の第1
面と前記トレイの用紙束を支持する支持面との各延長面
が略平行位置となるようにしたことを特徴とする給紙装
置。
【0026】(10)前記爪手段は、前記第1面から外
れるように移動した用紙が当該爪手段と前記移動手段と
の間から下流側に送られるようにテーパ状に形成された
第2面を有することを特徴とする給紙装置。
【0027】(11)前記移動手段は、前記トレイ上に
保持される用紙束の下流側先端角部に位置し、当該移動
手段により分離された用紙を下流側に送る搬送手段を備
えたことを特徴とする給紙装置。
【0028】(12)前記搬送手段は、前記移動手段の
直近位置に設けられた第1搬送手段と、この第1搬送手
段により搬送された用紙を、さらに下流側に搬送する第
2搬送手段とを備えたことを特徴とする給紙装置。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る給紙装置を図
面に示す実施の形態に基づいて説明する。本実施の形態
は、複写機に用られる自動原稿搬送装置に組み込まれて
いるので、まず、自動原稿搬送装置について概説した後
に、給紙装置に言及する。
【0030】《複写機の自動原稿搬送装置》図1は自動
原稿搬送装置が取り付けられた複写装置の側面図、図2
は前記自動原稿搬送装置の概略断面図である。
【0031】一般に、複写装置は、図1に示すように、
原稿面の画像を読み取り、これをメモリに記憶して、必
要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写
真方法によって用紙上に画像を形成する複写機本体10
を有し、この複写機本体10の上部に原稿(図2参照)
を搬送する自動原稿搬送装置(以下、ADF)20が設
けられている。
【0032】ADF20は、図2に示すように、右端部
に本実施形態に係る給紙装置30が設けられているが、
さらに、レジストローラ対205、搬送ベルトユニット
206、反転ローラ207、排出ローラ対208及び排
出トレイ209も設けられている。
【0033】ADF20は、搬送ベルトユニット206
がプラテンガラス111と対向するように、複写機本体
10上に配置され、図中奥側に設けたヒンジ金具210
によりプラテンガラス111表面が開放可能とされてい
る。
【0034】なお、図2には、複写機本体10側のプラ
テンガラス111及び原稿基準板101も図示してあ
る。
【0035】給紙される用紙である原稿は、1ページ目
を上方に向けた状態で給紙装置30のトレイ301上に
積載される。オペレータによりコピースタートキーが押
されると、トレイ301上に積層された原稿束Dから原
稿を1枚ずつ分離して送り出され、レジストローラ対2
05で先端整合され、搬送ベルトユニット206に送ら
れる。
【0036】搬送ベルト211は、プラテンガラス11
1の全面を覆うように、駆動ローラ212と従動ローラ
213との間に無端状に張り渡されている。搬送ベルト
211の内側には、搬送ベルト211をプラテンガラス
111に圧接させるため、多数のバックアップローラ2
14が回転自在に設置されている。
【0037】搬送ベルト211は、矢印d方向に回転駆
動され、原稿を原稿基準板101とプラテンガラス11
1との境目である露光を開始するための基準位置SPに
原稿先端を合わせてセットする。
【0038】複写機本体10内の光学系により所定の露
光終了後、反転ローラ207及び排出ローラ208によ
り排出トレイ209に排出収容される。
【0039】反転ローラ207の周囲には、ピンチロー
ラ215,216が設けられ、さらに原稿両面モード時
に原稿を反転させるために通紙路切り換えの目的で切換
爪217も設けられている。
【0040】原稿両面モードが選択された場合、トレイ
301から供給された原稿は、搬送ベルトユニット20
6によって基準位置SPにセットされ、1面目を露光す
る。露光終了後、該反転ローラ207により原稿の表裏
反転を行い、再び基準位置SPにセットされ、2面目を
露光する。露光終了後、該反転ローラ207により再度
表裏反転され、反転ローラ207及び排出ローラ208
により排出トレイ209に排出収容される。
【0041】このようにADF20は、原稿片面コピー
動作と原稿両面コピー動作とを備えており、図示しない
操作パネルにてオペレータにより選択可能に構成されて
おり、かつ複数の原稿がセットされた場合は、上述した
原稿送り動作を順次繰り返し行い、また、オペレータに
より置数設定された場合は、1枚の原稿に対して光学系
11により1回画像データを読み取り、図示しない記憶
媒体により所定回数の転写を行う仕組みとなっている。
【0042】《給紙装置》図3は給紙装置の概略平面
図、図4は図3の概略断面図である。給紙装置30は、
トレイ301内に収容された原稿束Dから原稿を1枚ず
つ分離して送り出すもので、概して、トレイ301、先
端規制手段302、移動手段303、圧接手段304、
爪手段305及び搬送手段H等を備えている。
【0043】トレイ301は、図2に示すように、AD
F20のケーシングの中央上面に底部301bが略水平
となるように設けられており、その上に積載される原稿
Dの束を保持する。
【0044】このトレイ301には、固定側部301c
と、原稿の幅寸法に合わせて原稿給紙方向に直交する方
向に移動可能とされた可動側部301dとが設けられて
いる。なお、一対の可動側部を設けて、原稿の幅寸法に
かかわらず幅方向中央位置が一致するようにトレイ30
1に原稿を載置することもある。
【0045】先端規制手段302は、トレイ301上に
積載保持された原稿束Dの給紙方向下流側先端部を規制
するものであり、原稿束Dの下流側先端部が当接する鉛
直方向に沿う平面を有している。オペレータは、原稿を
先端規制手段302に突き当ててトレイ301上に載置
することで、原稿の下流側先端部を揃えることができ
る。また、後述の爪手段305により、トレイ301上
の原稿束Dの下流側先端部の下面が支持されるようにな
っている。
【0046】爪手段305は、先端規制手段302の下
端に、上流側に伸延するように連設されて一体構造とな
っており、原稿束Dの下流側先端部と下面とを隙間なく
同時に保持することができるようになっている。
【0047】この爪手段305においては、図示のよう
に、原稿束Dの下流側先端部と接触する略水平な第1面
305aと、その反対側に位置し給紙方向に沿って低く
なるテーパ面を呈する第2面305bが設けられてい
る。
【0048】移動手段303は、先端規制手段302の
給紙方向上流側に位置され、トレイ301上に載置され
た原稿束Dの最下位の原稿に接触して当該原稿の下流側
先端部を上流側へ移動させるようになっている。したが
って、原稿束Dの最下位の原稿は、移動手段303によ
り爪手段305の第1面305a側から引き抜かれ、一
旦上流側へ移動される。つまり、この移動手段303
は、原稿束Dの最下位の原稿を捲る機能を有している。
【0049】また、トレイ301には、移動手段303
により原稿の下流側先端部が上流側へ移動されることに
より、原稿が移動手段側に膨らんでループR(図4中破
線で示す)を形成するための空間309を提供する開口
部301aが形成されている。
【0050】移動手段303は、軸303aと、この軸
303aに固着される支持部303bと、支持部303
bの外周面の一部にローラ径よりも若干大きい外径とな
るように被覆形成された原稿に接触可能な接触部303
cとを有し、図示しないモータなどの回転駆動手段によ
り図中矢印e又はf方向に正逆回転される構成となって
いる。
【0051】なお、この接触部303cとしては、原稿
との間の摩擦が大きくなるように、ゴムや発泡樹脂、ス
ポンジ等の各種材料を用いている。また、移動手段30
3の接触部303cが形成される範囲は、形成するルー
プRの大きさ等に応じて適宜設定される。
【0052】さらに、移動手段303は、図示のように
軸方向から見て略円形である場合に限られるものではな
く、種々の形状のものを使用でき、さらに、軸303a
から一の軸直角方向に伸延するアーム形状とすることも
可能である。
【0053】圧接手段304は、原稿束Dを移動手段3
03側へ圧接離反可能に、移動手段303の上方に配置
されている。この圧接手段304は、例えば、ばね部材
等による所定圧接力を原稿束Dの上面に付与ないし解除
することができるように構成されている。
【0054】圧接手段304により原稿束Dに加えられ
る圧接力は、主として移動手段303で受けるように構
成されるが、圧接力の一部が爪手段305の第1面30
5aにも同時に付加されるように構成することが望まし
い。
【0055】このようにすれば、移動手段303によ
り、原稿束Dの最下位の原稿を爪手段305の第1面3
05a側から引き抜きやすく、かつ引き抜いた後に原稿
が再度原稿束Dと爪手段305の第1面305aとの間
に入り込むことを防止することができる。
【0056】給紙装置30は、移動手段303の上流側
に位置され原稿の上流側への移動を防止する手段である
押圧手段307も有している。この押圧手段307は、
原稿束Dを上方から給紙方向と略直交する方向に押圧可
能に設けられており、圧接手段304と同様に、例えば
ばね部材等による所定の押圧力を原稿束Dの上面に付与
したり解除することができるように構成されている。
【0057】押圧手段307は、移動手段303が原稿
束Dの最下位の原稿に接触して当該原稿の下流側先端部
のみを上流側へ移動させる際に、原稿自体が上流側へず
れることを防止する機能を果たすものであることから、
前記押圧手段307に代えて、原稿束Dの上流側端面に
当接するのみの構成を採用することも可能である。
【0058】さらに、給紙装置30は、トレイ301の
開口部301aにより提供される空間309と原稿束D
を挟んで対向する位置に、原稿束Dと接触するガイド手
段306を備えている。すなわち、ガイド手段306
は、空間309内において移動手段303により原稿先
端部にループRを形成すべく、そのループ形成側と反対
側に設けられている。
【0059】また、ガイド手段306は、図示しない駆
動手段により上下動可能とし、通常時には原稿束Dから
所定距離離間した上方位置にあり、ループ形成時には原
稿束Dの上面と接触する下方位置に移動するように構成
しても良い。
【0060】図3に示すように、圧接手段304、爪手
段305、押圧手段307およびガイド手段306は、
原稿給紙方向に直交する方向、つまり幅方向の端部近傍
に配置するのが好ましい。このようにすれば、図示しな
い駆動手段および駆動力伝達手段等の配置が容易とな
り、給紙装置全体をコンパクト化することができる。
【0061】搬送手段Hは、爪手段305の近傍に設け
られ、移動手段303により原稿束Dから分離された原
稿を下流側に搬送するものであり、前記移動手段303
を反転させることにより原稿を搬送する第1搬送手段H
1 と、一対のローラからなる第2搬送手段H2 とを有し
ている。
【0062】次に、図5〜図10に基づいて給紙装置の
作用について説明する。まず、図5に示すように、例え
ば複写しようとする多数枚の原稿からなる原稿束Dを、
原稿束Dの下流側先端部が先端規制手段302および爪
手段305の第1面305aに当接するように、給紙装
置30のトレイ301上に載置する。
【0063】このとき、圧接手段304、押圧手段30
7およびガイド手段306は、原稿束Dから離間して所
定の上方位置に退避している。
【0064】図示しないコピースタートキーが押される
と、図6に示すように、圧接手段304、押圧手段30
7およびガイド手段306が、図示しない駆動手段によ
り下方に移動される。こうして、トレイ301上の原稿
束Dには、圧接手段304による所定の圧接力、押圧手
段307による所定の押圧力が付与される。
【0065】一方、ガイド手段306は、原稿束Dの上
面に接触するように移動されれば十分であるが、所定の
接触圧が原稿束Dに付与されるようにしてもよい。
【0066】次いで、図7に示すように、移動手段30
3を図中矢印e方向に所定角度だけ回転させる。このと
き、圧接手段304による圧接力によりトレイ301上
の原稿束Dの最下位の原稿と移動手段303との間に接
触圧が生じているので、原稿Dの下流側先端部は、移動
手段303との摩擦力により爪手段305の第1面30
5a側から引き抜かれて上流側へ移動する。
【0067】そして、さらに上流側に移動されることに
より、原稿の下流側先端部には、開口部301aから下
側に膨出するようなループRが空間309内に形成され
る。また、押圧手段307により所定の押圧力を原稿束
Dの上面に付与するようにしたので、原稿自体が押圧力
のかかる点から上流側へ移動することが防止され、所望
の大きさのループRの形成を安定して確保することがで
きる。
【0068】ここでは、原稿束Dの上面に接触するよう
にガイド手段306が設けられているので、ループ形成
時にトレイ301上の原稿束Dがループ形成方向と逆側
に撓むのを防止することができる。この結果、空間30
9内で原稿先端部にループRを安定して形成できること
になる。
【0069】また、爪手段305の原稿との接触面、す
なわち第1面305aの給紙方向長さをL1 、先端規制
手段302から移動手段303が原稿と接触する点まで
の長さをL2 、とした場合に、移動手段303が原稿の
先端部を上流側へ移動させる長さL3 が、L1 <L3 <
L2 となるように、移動手段303を図中矢印e方向に
所定角度だけ回転する。これにより、原稿の下流側先端
部は、爪手段305から確実に上流側へ引き出され、か
つ移動手段303の上流側へ回り込まない位置で保持さ
れる。
【0070】したがって、爪手段305と移動手段30
3との間から原稿が下流側に送られる経路が容易かつ確
実に形成される。このようにすれば、原稿にストレスを
かけることなく給紙を滑らかに最短距離で行うことがで
き、しかもコンパクトな構成とすることができる。
【0071】また、押圧手段307により原稿束Dに押
圧力を付与する位置は、圧接手段304から押圧手段3
07までの長さをL4 、移動手段303が原稿と接触す
る点からトレイ301の開口部301aの上流側端縁ま
での長さをL5 とした場合に、L4 >L5 にとなるよう
に設定する。これにより、開口部301aよりも上流側
を確実に保持して原稿自体の上流側への移動を規制しつ
つ、原稿の下流側先端部にループRを形成することがで
きる。
【0072】次に、図8に示すように、移動手段303
を図中矢印f方向に回転させる。このとき、トレイ30
1上の原稿束Dには、圧接手段304による所定の圧接
力、押圧手段307による所定の押圧力が付与された状
態が維持される。
【0073】この圧接手段304による圧接力によりト
レイ301上の原稿束Dの最下位の原稿と移動手段30
3との間に接触圧が生じているので、前記移動手段30
3のf方向に回転により原稿の下流側先端部は下流側へ
移動され、形成されていた上記ループRが次第に小さく
なる。つまり、移動手段303は、前述した捲り機能を
有すると共に搬送手段H1 としても機能する。
【0074】そして、移動手段303の接触部303c
が原稿から丁度離れるときには、原稿は平らに伸展され
る。
【0075】このとき、圧接手段304による原稿束D
への圧接力が維持されているため、爪手段305の上
方、すなわち第1面305aと原稿束Dとの間には隙間
がなく、原稿の下流側先端部は、爪手段305の下方、
すなわち第2面305b側に送られる。
【0076】こうして原稿の下流側先端部のループRが
消滅するが、移動手段303は、さらに図中矢印f方向
に回転される。このとき、図9に示すように、押圧手段
307およびガイド手段306が上方に移動され、押圧
手段307による原稿束Dへの所定の押圧力が解除され
る。
【0077】したがって、移動手段303が1回転され
て、その接触部303cが再度原稿の下面に当接される
ことにより、原稿が押圧手段307による規制から解放
されて下流側へと送られる。
【0078】なお、前述した給紙装置は、原稿の下流側
先端部のループRの消滅後にさらに移動手段303を回
転させることにより、これを第1搬送手段H1 として機
能させて、原稿を送るものであるが、トレイ301上の
原稿束Dの下流側先端部に接触して用紙を下流側に送る
搬送手段を、第1搬送手段H1 として別途新たに設置し
てもよい。このようにすれば、原稿の分離と給紙とを独
立して行うことによって、より迅速な給紙を行うことが
できる。
【0079】図10に示すように、原稿の下流側先端部
が一対の搬送ローラ308からなる第2搬送手段H2 に
到達すると、第1搬送手段H1 としての移動手段303
の回転が停止され、次の原稿の分離給紙のための準備態
勢をとった状態で保持される。
【0080】また、圧接手段304が上方に移動して原
稿束Dへの所定の圧接力の付与が解除される。そして、
第2搬送手段H2 の搬送ローラ308が図中矢印g方向
に回転駆動され、原稿が圧接手段304による抵抗から
も解放され、下流側に配置されるADF20のレジスト
ローラ対205に向けてスムーズに搬送される。
【0081】このように構成された給紙装置において
は、最下位原稿にループRを形成することは、最下位原
稿とその上位の原稿とを確実に分離することであり、ま
た原稿間の摺擦長さを短かくする上でも、極めて重要な
ことでもある。
【0082】このため、本実施の形態では、最下位原稿
にループRを確実に形成するために、前記移動手段30
3により用紙束Dの最下位の原稿を移動させるとき、用
紙束Dを変形させている。ここに、「用紙束Dを変形さ
せる」とは、用紙束Dをループ形成側(移動手段側)と
は逆の方向に湾曲させることをいう。
【0083】つまり、用紙束Dをループ形成側とは逆の
方向に湾曲させると、用紙束Dは、全体として曲がりに
くく、いわゆる剛性を有する変形しにくいものとなる。
ところが、最下位の1枚の原稿に関しては、この原稿が
移動手段303と直接接触するので、変形しにくい上位
の原稿から分離され易く、ループRも形成しやすいもの
となる。この結果、ダブルループの形成や、ダブルフィ
ードが防止され、円滑な給紙が可能となる。このため、
本発明は、ループ形成のために用紙束Dを変形させるこ
ととしている。
【0084】この用紙束変形手段としては、以下に述べ
るような種々の形態がある。図11〜19は本発明の特
徴を多少誇張して示すものもあるが、本実施形態に係る
給紙装置の要部概略断面図である。
【0085】まず、第1の実施形態を図11に示す。こ
の実施形態は、トレイ301を、用紙束Dに対して移動
手段303側に曲率の中心があるように湾曲することに
より用紙束Dが変形するようにしたものである。
【0086】このようにトレイ301を全体的に湾曲す
れば、先端規制手段302に突き当てるように載置され
た用紙束Dは、上方に向かって湾曲した状態でセットさ
れることになり、ループRが形成される用紙束Dの先端
部分は、剛性を有するものとなり、変形しにくくなる。
【0087】したがって、この状態で、移動手段303
を図中矢印e方向に所定角度だけ回転させると、圧接手
段304の圧接力によりトレイ301上の原稿束Dの最
下位の原稿と移動手段303との間に摩擦力が生じ、こ
の最下位の原稿は、爪手段305の第1面305a側か
ら引き抜かれて上流側へ所定量移動する。
【0088】しかし、最下位の原稿の上位にある原稿
は、変形しにくいので、最下位の原稿のみが開口部30
1aから下側に突出され、空間309内でループRを形
成するように湾曲する。
【0089】また、押圧手段307により所定の押圧力
を原稿束Dの上面に付与されているので、原稿自体が上
流側へ移動することが防止され、所望の大きさのループ
Rを安定して形成することができる。
【0090】なお、ここでは、ガイド手段306の図示
を省略しているが、前述したようにガイド手段306の
補助的押圧を用紙束Dに作用させてもよく、これにより
ループ形成時にトレイ301上の原稿束Dがループ形成
方向と逆側に撓むのを防止し、ループRが形成される用
紙束Dの先端部分は、より変形しにくくなり、ループR
を安定して形成することができる。この点は以下に述べ
る実施形態も同様であるが、重複を避けるため、説明は
省略する。
【0091】なお、図示するトレイ301のように、先
端を用紙束Dの下面から離れるように傾斜させてもよ
い。このようにすれば、柔らかい用紙の場合に開口部3
01aの上流側端縁での折れ曲がりが防止でき、確実に
ループRを形成することができる。
【0092】第2の実施形態を図12に示す。この実施
形態は、トレイ301を平坦なものとして使用する場合
に有効なものであり、爪手段305の第1面305a
と、トレイ301の用紙束Dを支持する支持面301e
がある角度θを有するようにしたものである。
【0093】前記爪手段305は、圧接手段304の用
紙束Dに対する圧接力に対向するように用紙面と接する
第1面305aを有しているが、この第1面305aの
延長面と、前記トレイ301の用紙束Dを支持する支持
面301eの延長面が、前記用紙束Dに対して前記移動
手段303の反対側で交わるようにすれば、前記第1の
実施形態の場合と同様に、用紙束Dをループ形成側とは
逆の方向に変形させることができ、用紙束Dの先端部分
が剛性を有し、変形しにくくなる。
【0094】第3の実施形態を図13,14に示す。こ
の実施形態は、図13に示すように、前記爪手段305
の第1面305aと前記トレイ301の用紙束Dを支持
する支持面301eの延長面が平行で、かつ両面の間に
段差δが生じるようにし、これにより用紙束Dが前記第
1面305aに当接していない位置と、圧接手段304
により押圧されて第1面305aに当接した位置を取る
ようにし、前記トレイ301に対して位置変位するよう
に構成したものである。
【0095】このようにすれば、図14に示すように、
圧接手段304による圧接力が前記用紙束Dに作用した
とき、用紙束Dが前記爪手段305の第1面305aに
押し付けられて、前記段差δ分だけ用紙束Dの先端部分
が下がり、これにより用紙束Dは、ループ形成側とは逆
の方向に変形することになる。
【0096】これにより、前記実施形態と同様に、用紙
束Dの変形により用紙束Dの先端部分が剛性を有するこ
とになり、変形しにくくなる。特に、本実施形態のよう
に段差δの形成により用紙束Dの剛性を高めるようにし
たものは、他に何等の付帯的手段を要しないので、コス
ト的には有利となる。
【0097】また、この第3の実施形態では、前記爪手
段305が位置固定されたものであるが、この場合のみ
でなく、場合によっては、図14に一点鎖線で示すよう
に、前記爪手段305自体が、用紙束Dが第1面305
aに当接していない第1位置P1 と、第1面305aに
当接した第2位置P2 を取るように移動するように構成
してもよい。
【0098】第4の実施形態を図15に示す。この実施
形態は、前記先端規制手段302、移動手段303、圧
接手段304、爪手段305及び搬送手段308を1つ
のケースC1 に組み込み、ユニット化したものであり、
圧接手段304が用紙束Dの先端部分を爪手段305の
第1面305aに押圧した状態で、このユニットU1全
体を適当な駆動手段で所定角度だけ、図中矢印で示すよ
うに回動させるようにしたものである。
【0099】このようにすれば、ユニットU1 が、図1
5に実線で示す位置まで回動したとき、用紙束Dの先端
部分は下がり、これにより用紙束Dは、ループ形成側と
は逆の方向に変形することになり、前記実施形態と同様
に、用紙束Dの先端部分の剛性が高まり、変形しにくく
なる。
【0100】なお、本発明は、本実施形態のように先端
規制手段302、移動手段303、圧接手段304、爪
手段305及び搬送手段308の全てを1つのケースC
1 に組み込む場合のみに限定されるものではなく、場合
によっては、圧接手段304及び爪手段305のみをユ
ニット化し、他の先端規制手段302、移動手段303
及び搬送手段308を、ケースC1 外に配置するように
してもよい。
【0101】第5の実施形態を図16に示す。この実施
形態は、前記第5の実施形態と同様に先端規制手段30
2、移動手段303、圧接手段304、爪手段305及
び搬送手段308を1つのケースC1 に組み込み、ユニ
ット化したものであるが、圧接手段304が用紙束Dの
先端部分を爪手段305の第1面305aに押圧した状
態で、このユニットU1 全体を適当な駆動手段で、図中
矢印で示すように上下動させるようにしたものである。
【0102】このようにすれば、ユニットU1 が、図1
6に実線で示す位置まで下降したとき、用紙束Dの先端
部分は下がり、これにより用紙束Dは、ループ形成側と
は逆の方向に変形し、用紙束Dの先端部分の剛性が高ま
り、変形しにくくなる。
【0103】なお、この場合も、先端規制手段302、
移動手段303、圧接手段304、爪手段305及び搬
送手段308の全てを1つのケースC1 に組み込む場合
のみに限定されるものではなく、場合によっては、圧接
手段304及び爪手段305のみをユニット化してもよ
い。
【0104】第6の実施形態を図17に示す。この実施
形態は、前記第4,5の実施形態とは逆に押圧手段30
7とトレイ301を1つのケースC2 に組み込んでユニ
ット化したものであり、圧接手段304が用紙束Dの先
端部分を爪手段305の第1面305aに押圧したと
き、このユニットU2 全体を適当な駆動手段で、図中実
線矢印で示すように回動しても良く、また破線矢印で示
すように上下動させても良い。
【0105】このようにすれば、ユニットU2 が、図1
7に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで下降し
たとき、用紙束Dの先端部分は、ループ形成側とは逆の
方向に変形し、用紙束Dの先端部分の剛性が高まり、変
形しにくくなる。
【0106】第7の実施形態を図18に示す。この実施
形態は、トレイ301の先端を湾曲させ、かつ前記爪手
段305の第1面305aと前記トレイ301の用紙束
Dを支持する支持面301eの延長面との間に段差を設
け、用紙束Dが前記第1面305aに当接していない第
1位置と、圧接手段304により押圧されて第1面30
5aに当接した第2位置を取るように構成したものであ
る。
【0107】このようにすれば、用紙束Dは、トレイ3
01上で湾曲した状態でセットされることになり、また
圧接手段304による圧接力が用紙束Dに作用したと
き、用紙束Dが前記爪手段305の第1面305aに押
し付けられ、前記段差とトレイ301の湾曲により用紙
束Dの先端部分が上方位置となった分だけ用紙束Dの先
端部分が下がり、これにより用紙束Dは、ループ形成側
とは逆の方向に大きく変形することになる。
【0108】この結果、用紙束Dの先端部分の剛性は、
前述した実施形態よりも大きなものとなり、より変形し
にくいものとなる。また、本実施形態は、トレイ301
先端の湾曲と、段差の形成により用紙束Dの剛性を高め
るようにしたので、コスト的にも有利となる。
【0109】第8の実施形態を図19に示す。この実施
形態は、前記トレイ301を先端側が上り傾斜するよう
に設け、移動手段303は、軸方向から見て略扇形とな
るように構成したものである。
【0110】トレイ301の先端側を上り傾斜すると、
前記湾曲した実施形態と同様に、用紙束Dの剛性を高め
ることが可能であり、また、移動手段303の形状を、
前述のように略扇形とすれば、圧接手段304による押
圧力を一定にすることができる。つまり、扇形移動手段
303の場合には、圧接手段304による押圧力を一定
にしても、この移動手段303は扇形であるため、押圧
力が作用しない位置に回動することができ、前記同様に
ループRの形成と最下位の原稿の搬送が可能となる。
【0111】《他の実施形態に係る給紙装置》図20
(A)(B)は本発明の他の実施形態に係る給紙装置の
概略構成図である。図20(A)(B)に示す給紙装置
40,50は、ガイド手段406,506が可撓性を有
する板状体、例えば樹脂板、板紙、板ばね等により形成
され、それぞれ圧接手段304、押圧手段307の下面
を覆うように連結されている点で、上記した実施形態と
相違している。但し、他の点については同様であるため
共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0112】この実施形態によれば、ガイド手段40
6,506を圧接手段304ないし押圧手段307と共
に移動させることができるばかりか、原稿束Dへの確実
な接触を確保することができる。また、ガイド手段40
6,506が可撓性を有しているので、ループ形成時に
作用する力によって、原稿束Dをガイド手段406,5
06に沿ってより確実に当接させることができる。した
がって、より安定して原稿束Dから原稿1枚のみを分離
してループを形成することが可能となる。
【0113】図21はさらに他の実施形態に係る給紙装
置の概略構成図である。図21に示す給紙装置60は、
可撓性を有するガイド手段606が、圧接手段304お
よび押圧手段307の下面を覆うように、両者と連結さ
れている点で図9に示す給紙装置と相違しているが、他
の点については同様であるため共通する部材には同一の
符号を付し、その説明を省略する。
【0114】この実施形態によれば、ガイド手段606
を、圧接手段304および押圧手段307と共に移動さ
せることができるばかりか、原稿束Dへの確実な接触を
確保することが可能となる。また、ガイド手段606が
可撓性を有しているので、ループ形成時に作用する力に
よって、圧接手段304および押圧手段307の動きに
応じて、原稿束Dをガイド手段606に沿ってより一層
確実に当接させることができる。
【0115】図22はさらに他の実施形態に係る給紙装
置の平面図、図23は図22に示される給紙装置の要部
を示す一部を切り欠いた概略斜視図である。図示する給
紙装置70では、移動手段303を原稿の下流側先端角
部に接触するように配置しており、また、この移動手段
303により原稿の給紙方向下流側先端部角部を上流側
に移動させ、給紙方向(搬送手段308による原稿搬送
方向と同じである。)と反対の方向に対して、90度よ
り小さい所定角度(具体的には、原稿の側縁に対してほ
ぼ45度の方向)だけ原稿の中央寄りに偏向するように
設定した点で、図21に示す給紙装置と相違している。
【0116】ただし、図21に示す給紙装置と機能が共
通する部材については同一の符号を付し、その説明を省
略する。
【0117】この実施形態では、先端規制手段302、
移動手段303、圧接手段304、爪手段305、押圧
手段307及びガイド手段606等は、ADF20の本
体ケースに取り付けられる支持枠体701に収容されて
ユニット化され、きわめてコンパクトな構成となってい
る。
【0118】押圧手段307は、ばね部材702,70
2を介して支持枠体701に取り付けられている。支持
枠体701には、ピン704,704および支持枠体7
01の反対側の図示しないピンを中心として図中矢印h
ないしi方向に揺動可能に、揺動枠体703が取り付け
られている。一方、圧接手段304は、ばね部材70
5,705を介して揺動枠体703に取り付けられてい
る。なお、これらのばね部材702,705は、常時図
中下方に弾発力を付勢する構成とされている。
【0119】圧接手段304および押圧手段307の原
稿束Dに向けての圧接離反移動は、回転伝達機構70
6、カム部材707、ギア708〜710を介して、一
つの図示しないモータ等の回転駆動手段により行われ
る。すなわち、モータ等の主軸に固着されるギアに噛合
するギア710が回転されると、ギア709からギア7
08に回転が伝えられ、ギア708の外周部近傍に立設
されたピン708aに係合するカム部材707が上下動
される。これにより、カム部材707に係合される回転
伝達機構706のカム部材707側のアーム部材706
a,706dが回動され、軸706c,706fを介し
て反対側のアーム部材706b,706eが回動される
ことによって、圧接手段304、押圧手段307が上下
動される構成となっている。
【0120】なお、これらのギア708〜710は、揺
動枠体703に軸支されている。また、移動手段303
は、ギア710の軸711に固着されており、上記した
同じ回転駆動手段により回転させられる構成となってい
る。圧接手段304、押圧手段307および移動手段3
03それぞれの駆動のタイミングや移動距離等は、各駆
動伝達部材の諸寸法の設定等により適宜設計することが
可能である。なお、符号「713」は、図示しない光セ
ンサにより、軸711の回転方向位置を検出するための
検出板を示している。
【0121】また、ギア710の軸711には断面扇形
のカム部材712が固着されており、軸711が図中矢
印e方向に回転されてこのカム部材712が支持枠体7
01に取り付けられた図示しない固定部材に当接するこ
とによって、図示しないばね部材により常時図中矢印h
方向に付勢される揺動枠体703全体を、図中矢印i方
向に所定角度揺動させるようになっている。これによ
り、原稿の給紙方向下流側先端部にループ形成するとき
には、可撓性を有するガイド手段606に、下面側が凹
形状となるような湾曲面が形成される。したがって、ル
ープ形成時に作用する力によって、圧接手段304およ
び押圧手段307の動きに応じて、原稿束Dがガイド手
段606の湾曲面に確実に当接して安定するので、原稿
束Dから最下位の1枚の原稿のみを分離してループを形
成することが容易となる。
【0122】この実施形態によれば、原稿の搬送方向先
端の角部を、原稿給紙方向と反対の方向に対して90度
より小さい所定角度だけ原稿の中央寄りに偏向させた方
向に移動させてループを形成するようにしたので、原稿
のサイズによらず安定したループの形成を行うことがで
きる利点が大きい。また、通常原稿などの用紙には筋目
が存在し、この筋目の方向によりループの形成のし易さ
が異なるものであるが、筋目は通常用紙の幅方向かある
いは長手方向に現れる。したがって、上記90度より小
さい所定角度を45度に設定することにより、この筋目
の影響をも除去することが可能となる。
【0123】なお、本発明は、上述した実施の形態のみ
に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において
種々の変形が可能である。
【0124】例えば、上述した実施の形態では、トレイ
上の用紙束から最下位の用紙を1枚ずつ給紙する「下出
し」の給紙装置について説明したが、本発明は、これに
限られるものではなく、トレイ上の用紙束から最上位の
用紙を1枚ずつ給紙する「上出し」の給紙装置にも適用
できることは言うまでもない。
【0125】したがって、本発明は、用紙をその最上位
から給紙する機構にも適用することができる。このよう
な上出しの給紙装置の場合には、図24に示すように、
爪手段305は用紙束の下流側先端部の上面側に設けら
れることとなる。
【0126】なお、図4に示す給紙装置と機能が共通す
る部材については同一の符号を付し、その説明を省略す
る。この上出しの給紙装置80では、ガイド手段を圧接
手段804に一体的に形成して用紙束の下方に位置させ
ると共に、押圧手段307を用紙束の上方に位置させる
ことが好ましい。
【0127】これにより、ガイド手段を確実に用紙束に
接触させて支持することができ、また、押圧手段307
によりループを形成する用紙を直接かつ容易に押圧する
ことができる。したがって、所望の機能を確保した簡易
な上出しの給紙装置の構成を実現することができる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、下
記の効果を奏する。
【0129】請求項1に記載の発明によれば、用紙束
を、当該用紙束に対して移動手段側とは逆の方向に湾曲
させたので、用紙先端部に確実にループを形成すること
ができ、用紙の給紙ミスや重送を防止することができ、
用紙間の摺擦長さが短いので用紙の損傷も防止でき、し
かもコンパクトで安価な給紙装置を実現することができ
る。
【0130】請求項2に記載の発明によれば、用紙面と
接する爪手段の第1面と、トレイの用紙束を支持する支
持面との各延長面が、用紙束に対して移動手段の反対側
で交わるようにしたので、簡単に用紙束を湾曲させるこ
とができ、用紙先端部に確実にループを形成することが
でき。
【0131】請求項3,4に記載の発明によれば、前記
爪手段がトレイに対して相対的に可動となるようにして
用紙束を変形させるので、簡単な構成で用紙束の変形が
可能となる。
【0132】請求項5に記載の発明によれば、圧接手段
が爪手段と共に移動し得るように構成したので、用紙束
の追従が確実となり、用紙先端部のループを確実に形成
することができる。
【0133】請求項6ないし請求項8に記載の発明によ
れば、爪手段、移動手段及び圧接手段をユニット化し
て、トレイに対して相対的に可動変位するようにしたの
で、用紙先端部のループを確実に形成することができる
ばかりか、給紙装置の組み付け作業やメンテナンス等も
容易となり、コスト的にも有利となる。
【0134】請求項9に記載の発明によれば、爪手段の
第1面と前記トレイの用紙束を支持する支持面との各延
長面が略平行位置となるようにしたので、給紙動作に不
必要な湾曲をさせることがなく、ループ形成後の用紙搬
送を極めて円滑に行なうことができる。
【0135】請求項10に記載の発明によれば、爪手段
と移動手段との間から用紙が下流側に送られるようにし
たので、搬送手段による用紙の搬送を極めて簡単に行な
うことができ、用紙の給紙を滑らかに最短距離で行うこ
とができ、コンパクトな構成とすることができる。
【0136】請求項11に記載の発明によれば、用紙の
下流側先端部は、爪手段から確実に上流側へ引き出され
るので、爪手段と移動手段との間から原稿が下流側に送
られる経路を容易かつ確実に形成することができる。
【0137】請求項12に記載の発明によれば、移動手
段の直近位置に設けられた第1搬送手段と、この第1搬
送手段により搬送された用紙を、さらに下流側に搬送す
る第2搬送手段とを備えたので、用紙の分離と給紙とを
独立して行うことによって、より迅速な給紙を行うこと
ができ、また、トレイ上の用紙束から1枚分離されて送
られる用紙を、給紙方向下流側に配置される各種装置に
向けて確実に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動原稿搬送装置が取り付けられた複写装置
の側面図である。
【図2】 自動原稿搬送装置の概略断面図である。
【図3】 給紙装置の概略平面図である。
【図4】 給紙装置の動作を説明するための概略断面図
である。
【図5】 図4に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図6】 図5に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図7】 図6に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図8】 図7に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図9】 図8に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図10】 図8に続く給紙装置の動作を説明するため
の図である。
【図11】 本発明に係る給紙装置の第1実施の形態を
示す要部概略断面図である。
【図12】 本発明の第2実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図13】 本発明の第3実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図14】 同第3実施の形態の作動状態を示す要部概
略断面図である。
【図15】 本発明の第4実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図16】 本発明の第5実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図17】 本発明の第6実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図18】 本発明の第7実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図19】 本発明の第8実施の形態を示す要部概略断
面図である。
【図20】(A)(B)は、本発明に係る給紙装置のガ
イド手段の変形例を示す要部概略断面図である。
【図21】 本発明に係る給紙装置のガイド手段の他の
変形例を示す要部概略断面図である。
【図22】 本発明に係る給紙装置の設置位置の変形例
を示す要部平面図である。
【図23】 本発明に係る給紙装置の具体例を示す一部
破断斜視図である。
【図24】 本発明に係る給紙装置の他の変形例を示す
要部平面図である。
【符号の説明】
10…複写機本体、 20…自動原稿搬送装置(ADF)、 30,40,50,60,70,80…給紙装置、 301…トレイ、 301e…トレイの支持面、 302…先端規制手段、 303…移動手段、 304…圧接手段、 305…爪手段、 305a…爪手段の第1面、 305b…爪手段の第2面、 306,406,506,606…ガイド手段、 307…規制手段(押圧手段)、 308…搬送ローラ(第2搬送手段) 309…空間、 D…用紙束。 H…搬送手段、 H1 …第1搬送手段、 P1 …第1位置、 P2 …第2位置。 U1 ,U2 …ユニット。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙束を積載保持するトレイと、 用紙束の給紙方向下流側先端部を規制する先端規制手段
    と、 前記先端規制手段の給紙方向上流側に位置され、前記用
    紙束の用紙に接触して当該用紙の下流側先端部を上流側
    へ移動させる移動手段と、 当該移動手段により移動された用紙が該移動手段側に膨
    らんでループを形成するための空間と、 用紙束を前記移動手段側へ圧接する圧接手段と、 用紙束の下流側先端部の前記移動手段側の面を支持する
    爪手段と、を有する用紙束から用紙を1枚ずつ分離して
    送り出す給紙装置であって、 前記用紙束を、当該用紙束に対して前記移動手段側とは
    逆の方向に湾曲させるようにしたことを特徴とする給紙
    装置。
  2. 【請求項2】 前記爪手段は、前記圧接手段の用紙束に
    対する圧接力に対向するように用紙面と接する第1面を
    有し、当該第1面と、前記トレイの用紙束を支持する支
    持面との各延長面が、前記用紙束に対して前記移動手段
    の反対側で交わるようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 前記爪手段は、前記第1面と前記トレイ
    の用紙束を支持する支持面との各延長面が前記用紙束に
    対して前記移動手段の反対側で交わる第1位置と、少な
    くとも交わらない第2位置を取るように、前記トレイに
    対して相対的に位置変位し得るように構成したことを特
    徴とする請求項2に記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 前記爪手段が、前記第1位置と第2位置
    との間で移動し得るように構成したことを特徴とする請
    求項3に記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 前記圧接手段が、前記爪手段と共に移動
    し得るように構成したことを特徴とする請求項4に記載
    の給紙装置。
  6. 【請求項6】 前記爪手段と圧接手段は、両者が一体的
    に構成されるようにユニット化したことを特徴とする請
    求項5に記載の給紙装置。
  7. 【請求項7】 前記移動手段及び圧接手段が、前記爪手
    段と共に移動し得るように構成したことを特徴とする請
    求項4に記載の給紙装置。
  8. 【請求項8】 前記爪手段、移動手段及び圧接手段は、
    全体が一体的に構成されるようにユニット化したことを
    特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
  9. 【請求項9】 前記第2位置は、前記爪手段の第1面と
    前記トレイの用紙束を支持する支持面との各延長面が略
    平行位置となるようにしたことを特徴とする請求項3に
    記載の給紙装置。
  10. 【請求項10】 前記爪手段は、前記第1面から外れる
    ように移動した用紙が当該爪手段と前記移動手段との間
    から下流側に送られるようにテーパ状に形成された第2
    面を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装
    置。
  11. 【請求項11】 前記移動手段は、前記トレイ上に保持
    される用紙束の下流側先端角部に位置し、当該移動手段
    により分離された用紙を下流側に送る搬送手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  12. 【請求項12】 前記搬送手段は、前記移動手段の直近
    位置に設けられた第1搬送手段と、この第1搬送手段に
    より搬送された用紙を、さらに下流側に搬送する第2搬
    送手段とを備えたことを特徴とする請求項11に記載の
    給紙装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023155972A (ja) * 2022-04-12 2023-10-24 昌弘 塚崎 給紙装置、及び給紙方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023155972A (ja) * 2022-04-12 2023-10-24 昌弘 塚崎 給紙装置、及び給紙方法
TWI833454B (zh) * 2022-04-12 2024-02-21 塚崎昌弘 饋紙裝置及饋紙方法

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