JP2000103531A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JP2000103531A
JP2000103531A JP10275595A JP27559598A JP2000103531A JP 2000103531 A JP2000103531 A JP 2000103531A JP 10275595 A JP10275595 A JP 10275595A JP 27559598 A JP27559598 A JP 27559598A JP 2000103531 A JP2000103531 A JP 2000103531A
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paper
loop
feeding
sheet bundle
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JP10275595A
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Noritoshi Maruchi
典利 丸地
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙をその剛性の相違にかかわらずに1枚ず
つ確実に分離でき、小さな搬送力で迅速にかつ滑らかに
給紙、搬送することができる小型で安価な給紙装置を提
供する。 【解決手段】 用紙束を積載保持する用紙トレイ301
と、用紙束に当接し、用紙を下流方向へ給送する給送手
段430と、用紙の下流側先端部を規制する先端規制手
段302と、給送手段430と同じ側で用紙束に当接
し、用紙を上流方向へ移動させる移動手段303と、用
紙束を移動手段303へ圧接させる圧接手段304と、
移動手段304の動作により形成される用紙のループ
を、移動手段303のループ形成力より弱い力で、ルー
プを解消する方向へ押圧する可動部材320と、を備え
た給紙装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された用紙束
から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンタやサーマルプリンタな
どの種々のプリンタ、ファクシミリ、複写機などにあっ
ては、原稿や転写紙などの用紙の給紙を行う給紙装置が
設けられており、シート状の用紙を給紙装置のトレイに
多数枚積層保持しておき、この用紙束から用紙を1枚ず
つ分離して送り出すようにしている。
【0003】従来より、このような給紙装置としては、
用紙間の摩擦力と、摩擦パッドおよび用紙間の摩擦力と
の差を利用して、用紙束を分離して用紙を1枚ずつ送る
摩擦パッド方式、空気を用紙間に吹き付け1枚ずつ吸引
することによって、用紙束を分離して用紙を1枚ずつ送
るエアー方式、用紙の弾性を利用して分離爪により用紙
束を分離して用紙を1枚ずつ送る分離爪方式など、種々
の原理・方式のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の用紙を1枚ずつ分離し搬送する給紙装置にあって
は、例えば上記摩擦パッド方式では、摩擦パッドとロー
ラとの間に狭み込んだ複数枚の用紙からローラに接する
用紙のみを搬送しながら分離する。このため、摩擦パッ
ドの摩擦力に打ち勝つ搬送力を搬送手段が持たなければ
ならず、搬送手段の駆動源が大型化するので、製造コス
トの増大や用紙へのダメージを招くという不具合があっ
た。また、上記エアー方式の給紙装置では、エアーを用
紙間に吹き込んで用紙を分離させるか、若しくは吸引に
よって取り出すかするため、用紙の搬送力が大きくなる
ことはない。しかし、エアーを発生させるファンやダク
トなどは、高価であるため製造コストの増大をまねき、
また、装置を大型化させるばかりか、ファンの吸排気の
騒音が問題となる。
【0005】また、上記分離爪方式の給紙装置では、用
紙の弾性を利用して爪に接触する用紙を移動させながら
変形させることで爪から用紙端部を抜き出して搬送す
る。しかし、この方式は用紙の弾性という特性に大きく
影響されるため、例えば用紙の特性を変化させる温湿度
の環境変化や用紙の厚さや筋目方向などの物理条件の変
化への許容範囲が狭く、給紙ミスや重送が発生しやす
い。
【0006】一方、実公昭47−33182号公報に示
されるように、紙幣の下側から、ローラにより紙幣にル
ープを形成して1枚ずつ取り出す給送装置が提案されて
いる。しかし、この方法では、定形の紙幣若しくは定形
の用紙の給送に限られるばかりか、積載されている用紙
の枚数が少なくなると、ローラの回転によって用紙全体
が持ち上がり、用紙とローラとの間に滑りが発生し、安
定した用紙の給送ができない。しかも、表面が常に用紙
と接触するようにローラが配置されているので、用紙が
爪の外側に移動する際にローラ自身が障害になって、用
紙の確実な分離を妨げると共に、用紙の搬送抵抗が増大
することとなる。
【0007】また、特開平7−69468号公報に示さ
れるように、ループを形成して分離した用紙を持ち上げ
て給紙する機構が提案されている。しかし、トレイ上に
平面状態で載置されている用紙束から用紙1枚のみをル
ープさせる際に、ループの形成が安定せず、給紙ミスや
重送が発生する虞れがある。さらに、用紙を持ち上げる
構成が必要となるため、装置の構成が複雑でかつ大型に
なってしまう。したがって、原稿にストレスをかけるこ
とにもなると共に、給紙が最短距離で行われないため迅
速な給紙を損なう虞れもある。
【0008】ところで、用紙にループを形成して1枚ず
つ取り出す給紙装置では、通常、ループを形成するため
の一定の空間を設定する必要がある。しかしながら、安
定した1枚のみのループを形成する観点から言えば、厚
紙等の剛性が高い用紙にループを形成する場合には、ル
ープ空間のループ形成方向の長さが長い方がループを形
成させ易くなるために有利であり、一方、薄紙等の剛性
が低い用紙を使用する場合には、ループ空間を長くする
と1枚のみのループの形成が不安定で2枚以上のループ
が発生し易くなるため、ループ空間のループ形成方向の
長さが短い方が有利である。したがって、用紙の坪量や
筋目等に起因する用紙の剛性の相違にかかわらずに、常
に安定した1枚のみのループを形成することは困難であ
るという問題もある。
【0009】本発明は、上記した従来技術の欠点を除く
ためになされたものであって、本発明の目的は、用紙を
その剛性の相違にかかわらずに1枚ずつ確実に分離で
き、小さな搬送力で迅速にかつ滑らかに給紙、搬送する
ことができる小型で安価な給紙装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、用紙束を積載保持する用紙
トレイと、用紙束に当接し、用紙を下流方向へ給送する
給送手段と、用紙の下流側先端部を規制する先端規制手
段と、前記給送手段と同じ側で用紙束に当接し、用紙を
上流方向へ移動させる移動手段と、用紙束を前記移動手
段へ圧接させる圧接手段と、前記移動手段の動作により
形成される用紙のループを、前記移動手段のループ形成
力より弱い力で、ループを解消する方向へ押圧する可動
部材と、を備えたことを特徴とする給紙装置である。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、用紙束を
積載保持する用紙トレイと、用紙束に当接して正逆回転
可能であり、正転時に用紙を給送する給送手段と、用紙
の下流側先端部を規制する先端規制手段と、用紙束を前
記給送手段へ圧接させる圧接手段と、前記給送手段の逆
転により形成される用紙のループを、前記給送手段のル
ープ形成力より弱い力で、ループを解消する方向へ押圧
する可動部材と、を備えたことを特徴とする給紙装置で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に
係る給紙装置を用いた自動原稿搬送装置が取り付けられ
た複写機の側面図、図2は、複写機本体の内部構造を示
す概略構成図である。
【0013】《複写機本体》まず、複写機本体の概略的
な構成とその動作とを説明する。
【0014】図1に示す複写装置は、原稿面の画像を読
み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編
集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上
に画像を形成する、いわゆるデジタル複写機と称される
ものである。
【0015】図2に示すように、原稿台ガラス(プラテ
ンガラス)111上にセットされた原稿は、複写機本体
10に内蔵されているイメージリーダであるCCDセン
サ117によってその画像が読み取られ、デジタルデー
タに変換されて画像処理部12のメモリに格納される。
コピー動作は、メモリに格納された画像データを読み出
すことにより、必要な画像編集処理、例えば、ぺージ順
の変更、画像反転処理、拡大縮小処理などを加えて実行
される。また、表裏両面へのコピーなども行われる。
【0016】複写機本体10において、光学系11は、
原稿を載置するプラテンガラス111の真下に配置され
ており、プラテンガラス111上に載置された原稿を照
明するランプ112、原稿からの反射光の光路を変える
ための反射ミラー113,114,115、レンズ11
6、CCDセンサ117、光学系を駆動する光学系モー
タ118、およびCCDセンサ117の感度バラツキを
補正するためにプラテンガラス111上に設置されたシ
ェーディング補正板119により構成されている。
【0017】プラテンガラス111の左端部には、原稿
の搬送方向の位置決めを行うための原稿スケール101
が配置されており、オペレータは、原稿を画像面を下向
きにして、プラテンガラス111上にその一端を原稿ス
ケール101に合わせてセットする。光学系11はセッ
トされた原稿の画像をスキャンしながら照明し、その反
射光をレンズ116を通しCCDセンサ117にて読み
取る。
【0018】この画像のスキャン時、CCDセンサ11
7は、まず、シェーディング補正板119を読み取り、
CCDセンサ117の各画素のバラツキを補正する。そ
の後、光学系モータ118の駆動により、ランプ112
および反射ミラー113,114,115をスライド移
動させ原稿基準位置SPにセットする。そして、ランプ
112および反射ミラー113が矢印b方向に移動する
ことにより、原稿面の画像の読み取りを行う。
【0019】LD131は、CCDセンサ117により
読み取られ、画像処理部12にて処理された画像データ
をレーザ光に変換し、感光ドラム121に露光するため
の半導体レーザ(LD)である。LD131から発光さ
れたレーザ光は、高速回転しているポリゴンスキャナ1
34のポリゴンミラー135により反射されて、トロイ
ダルレンズ136およびfθレンズ137によって偏光
され、折り返しミラー138a,138b,138cに
反射して感光ドラム121上に露光される。
【0020】感光ドラム121の外周表面には、現像器
122、分離爪123、クリーニング装置124などが
配置されている。また、感光ドラム121の図中左方向
の下流側には、定着ローラ上176および定着ローラ下
177、排出ローラ対178が設けられている。
【0021】複写機本体10の中央下方には、上段、中
段および下段カセット151,152,153がそれぞ
れ装填されており、各カセットにそれぞれピックアップ
ローラ154、給送ローラ155および分離ローラ15
6が配置されている。なお、符号「171,172,1
73」はそれぞれ搬送ローラ対であり、「174」はタ
イミングローラ対である。また、手差し用トレイ161
が開閉自在に設けられており、ピックアップローラ16
2、給送ローラ163および分離ローラ164が配置さ
れている。
【0022】また、光学系11には、複数の反射型セン
サ102が配置されており、プラテンガラス111上に
セットされた原稿のサイズを検出するものである。セン
サの配置やサイズ検出の仕組みについては、公知の技術
であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】オペレータにより、図示しないコピースタ
ートキーが押されると、反射型センサ102により読み
取られた原稿のサイズを基に、前記上段、中段および下
段カセット151,152,153の中にセットされた
転写紙の中から必要な転写紙を選択する。その後、図示
しない給送モータにより、選択されたカセットのピック
アップローラ154、給送ローラ155および分離ロー
ラ156のみを駆動回転させ、セットされた転写紙群の
最上紙のみを下流へ搬送する。なお、ここでは、複数の
転写紙を1枚に分離する機構として、搬送ローラ155
と分離ローラ156とによる摩擦パッド方式に類似する
分離機構を採用しているが、これについても公知の技術
であるため、その詳細な説明は省略する。
【0024】分離機構により1枚に分離された転写紙
は、搬送ローラ対171,172,173により搬送さ
れ、回転停止しているタイミングローラ対174のニッ
プに突入する。搬送ローラ対171,172,173お
よびタイミングローラ対174は、分離機構を駆動回転
させる図示しない給送モータから駆動伝達されており、
タイミングローラ対174は該転写紙の先端を斜行補正
し、かつ像転写部へ突入するタイミングを計るため、駆
動伝達経路上に図示しないクラッチを有し、回転ないし
停止の切り換えが行えるように構成されている。
【0025】また、搬送ローラ対171,172,17
3もそれぞれのローラ軸に図示しないクラッチを有し、
それぞれが独立で、かつ図示しない給送モータの駆動に
関係なく、該搬送ローラ対171,172,173を回
転ないし停止させることが可能である。
【0026】搬送ローラ対173とタイミングローラ対
174との間には、センサ175が配置されており、こ
のセンサ175により搬送ローラ対173から搬送され
てきた転写紙の先端を検出して一定時間後に該搬送ロー
ラ対171〜173のうち転写紙を圧着しているローラ
のみ、図示しないクラッチをオフして回転を停止させ
る。このとき、タイミングローラ対174は図示しない
クラッチの作用により停止しており、該転写紙は、セン
サ175とタイミングローラ対174のニップまでの距
離より若干長く送られることによりループを形成し、タ
イミングローラ対174に対する斜行を補正することが
できる。タイミングローラ対174の上流側搬送路17
9は、転写紙のループ形成のため、部分的に通紙路を広
く形成していることはいうまでもない。
【0027】一方、原稿の画像は、光学系11により読
み取られ、記憶媒体を有し画像反転処理が可能な画像処
理部12を通り、P/H部13によりa方向に回転する
感光ドラム121にレーザ露光される。感光ドラム12
1は帯電チャージャ125により帯電され、レーザ光が
照射された部分の電荷が除去される特性を有しており、
この電荷が除去された部分に静電潜像と同極性のトナー
を付着させることが可能となっている。転写紙先端が感
光ドラム121に到達するタイミングを計り、P/H部
13はあらかじめ帯電チャージャ125により帯電され
た感光ドラム121に画像データを照射する。トナーを
有する現像器122は感光ドラム121上のレーザ光が
照射された部分にトナーを付着させ、感光ドラム121
に乗せて、転写用チャージャ126により転写紙表面に
転写される。
【0028】所望の転写を終了した転写紙は分離爪12
3によりその先端を感光ドラム121表面から分離させ
られ、同時に分離用チャージャ127によりAC放電を
行うことにより、転写紙は感光ドラム121に巻き付く
ことなく分離される。
【0029】トナーを転写された転写紙は、定着ローラ
上および定着ローラ下176,177により加熱、圧着
されて、排出ローラ対178により複写機本体10の機
外へ排出される。
【0030】排出ローラ対178上流には、スイッチバ
ック部19に搬送するための搬送部18が設けられてい
る。搬送部18は、図示しないソレノイドにより駆動さ
れる切換爪181と、搬送ローラ182,183と、搬
送ガイド184,185とにより構成される。
【0031】スイッチバック部19は、図示しない駆動
源により正逆回転可能に構成された搬送ローラ191、
それに対向して配置され、駆動を受けない従動ローラ1
92、転写紙を下流へ搬送する方向にのみ回転可能に構
成された搬送ローラ対193、搬送ガイド194,19
5および検知手段196により構成される。
【0032】オペレータにより両面コピーが選択され、
コピースタートキーが押されたときは、前述した転写処
理を行った後、転写紙は前記切換爪181を切り換える
ことによりスイッチバック部19へ搬送される。検知手
段196により転写紙の先端が検出されてから一定時間
後、搬送ローラ191が矢印c方向に回転され、搬送ロ
ーラ191により搬送されてきた転写紙の後端が検知手
段196により検出されてから一定時間後、転写紙後端
が逆送防止のためのマイラ197を越えてから、搬送ロ
ーラ191をc方向とは逆に回転させ、転写紙を搬送部
14へ搬送する。スイッチバック部19により表裏反転
された転写紙は、搬送ローラ対141,142によりタ
イミングローラ対174の上流へ搬送され、前記転写処
理を再度行うことにより転写紙の表裏両面に転写処理が
行われる仕組みになっている。
【0033】《自動原稿搬送装置》次に、自動原稿搬送
装置の概略的な構成とその動作とを説明する。図3は、
自動原稿搬送装置の内部構造を示す概略構成図である。
【0034】図3に示すように、自動原稿搬送装置(A
DF)20は、給紙装置30を有しており、さらに、レ
ジストローラ対205、搬送ベルトユニット206、反
転ローラ207、排出ローラ対208および排出トレイ
209を有している。また、ADF20は、給紙装置3
0の動作を制御するための制御装置を図示しない位置
(ADF内部または複写機本体内であってもよい)に備
えており、この制御装置は、核となるCPUが所定のプ
ログラムを実行することにより給紙装置30を制御す
る。
【0035】ADF20は、搬送ベルトユニット206
がプラテンガラス111と対向するように、複写機本体
10上に配置され、図中奥側に設けたヒンジ金具210
によりプラテンガラス111表面を開放可能に構成して
いる。なお、図3には、説明の都合上、複写機本体10
側のプラテンガラス111および原稿基準板101をも
示してある。
【0036】給紙される用紙としての原稿は、1ページ
目を上方に向けた状態で複数枚が積層された用紙束Dと
して給紙装置30のトレイ301上に積載保持される。
オペレータによりコピースタートキーが押されると、ト
レイ301上に積層された用紙束Dから用紙(原稿)を
1枚ずつ分離して送り出す。送り出された用紙は、レジ
ストローラ対205で先端整合され、搬送ベルトユニッ
ト206に送られる。なお、ここで用紙束とは複数の用
紙を積層したものであるが、用紙1枚だけであってもよ
いことは言うまでもない。
【0037】搬送ベルト211は、プラテンガラス11
1の全面を覆うように、駆動ローラ212と従動ローラ
213との間に無端状に張り渡されている。搬送ベルト
211の内側には、搬送ベルト211をプラテンガラス
111に圧接させるため、多数のバックアップローラ2
14が回転自在に設置されている。搬送ベルト211
は、矢印d方向に回転駆動され、原稿を原稿基準板10
1とプラテンガラス111との境目である露光を開始す
るための基準位置SPに原稿先端を合わせてセットす
る。
【0038】光学系11による画像読取り終了後の原稿
は、反転ローラ207および排出ローラ208により排
出トレイ209に排出収容される。
【0039】反転ローラ207はピンチローラ215,
216を備え、原稿両面モード時に原稿を反転させるた
めに通紙路切り換えの目的で切換爪217を備えてい
る。
【0040】原稿両面モードが選択された場合、トレイ
301から供給された原稿である用紙は搬送ベルトユニ
ット206によって基準位置SPにセットされ、1面目
の画像の読み取りが行われる。画像読み取り終了後、該
反転ローラ207により原稿の表裏反転を行い、再び基
準位置SPにセットされ、2面目の画像が読み取られ
る。そして、該反転ローラ207により再度表裏反転さ
れ、反転ローラ207および排出ローラ208により排
出トレイ209に排出収容される。
【0041】このように、ADF20は、原稿片面コピ
ー動作と原稿両面コピー動作とを備えており、図示しな
い操作パネルにてオペレータにより選択可能に構成され
ており、かつ複数の原稿がセットされた場合は、上述し
た原稿送り動作を順次繰り返し行い、画像の転写が行わ
れる。また、オペレータにより置数設定された場合は、
1枚の原稿に対して光学系11により1回原稿画像を読
み取り、図示しない記憶媒体に読み取った画像をデータ
として記憶しておき、置数設定された所定回数の転写が
行われる。
【0042】《給紙装置》次に、給紙装置の構成を説明
する。図4は、給紙装置の概略構成を示す平面図、図5
および図6は、給紙装置の要部拡大図であって、図5
は、図4中のA−A矢視図、図6は、図4中のB−B矢
視図である。
【0043】この給紙装置30は、画像を読み取る原稿
の束(用紙束D)から原稿(用紙)を1枚ずつ分離して
送り出すものであって、用紙束Dを積載するトレイ30
1と、用紙束Dから1枚の用紙を分離するための分離手
段300とを備えている。
【0044】トレイ301は、図3に示したように、A
DF20のケーシングの中央上面に底部301aが略水
平となるように形成されており、その上に積載される用
紙の束Dを保持する。
【0045】このトレイ301には、用紙の側部を規制
するために、固定側部301cと、用紙の幅寸法に合わ
せて用紙給紙方向に直交する方向に移動可能とされた可
動側部301dとが設けられている。なお、一対の可動
側部を設けて、原稿の幅寸法にかかわらず幅方向中央位
置が一致するようにトレイ301に原稿を載置する構成
とすることも可能である。
【0046】分離手段300は、図5に示すように、用
紙束Dが積載されたときに、用紙給紙方向先端部を規制
する先端規制手段302、用紙束Dの先端部下面を支持
する爪手段305、用紙を分離する際に用紙束を上方か
ら押さえ付ける圧接手段304および押圧手段307、
用紙に当接し用紙を上流方向、すなわち給紙方向とは逆
方向に移動させて1枚の用紙を分離する移動手段303
を有しており、さらに、この移動手段303の動作によ
り用紙に形成されるループを検出するための第1検出手
段SE1、および用紙が分離されたことを検出する第2
検出手段SE2が備えられている。
【0047】先端規制手段302は、トレイ301上に
積載保持された用紙束Dの給紙方向下流側先端部を規制
するものであり、用紙束Dの下流側先端部が当接する鉛
直方向に沿う平面を有している。オペレータが用紙束D
を先端規制手段302につき当ててトレイ301上に載
置することで、用紙の下流側先端部を揃えることができ
る。
【0048】爪手段305は、先端規制手段302の下
端に、上流側に伸延するように連設されて一体構造とな
っており、トレイ301に載置された用紙束Dは、先端
規制手段302および爪手段305により、トレイ30
1上の用紙束Dの下流側先端部と下面とが隙間なく同時
に保持される。爪手段305は、図示のように、用紙束
Dの下流側先端部と接触する略水平な第1面305a
と、その裏面側に位置し給紙方向に沿って低くなるテー
パ面を呈する第2面305bとを有している。なお、爪
手段と先端規制手段とは必ずしも一体でなくてもよい。
爪手段と先端規制手段とが別体の場合、爪手段の数を自
由に設定できるという効果がある。
【0049】移動手段303は、先端規制手段302の
給紙方向上流側に位置され、トレイ301上に積載保持
された用紙束Dの最下位の用紙に接触して当該用紙の下
流側先端部を上流側へ移動させることができる構成とさ
れている。したがって、用紙束Dの最下位の用紙は、移
動手段303により爪手段305の第1面305a側か
ら引き抜かれることとなる。
【0050】また、トレイ301には、移動手段303
により用紙の下流側先端部が上流側へ移動させられるこ
とにより、用紙がこの移動手段側に膨らんでループを形
成するために必要な空間309が設けられている。ここ
で、空間309は、図4に示すように、トレイの底部3
01aの下流側先端部を切り欠いた部分301bによっ
て形成されている。これにより、この空間309におい
て、妨害されることなく良好に用紙のループ形成が行わ
れる。
【0051】移動手段303は、軸303aと、この軸
303aに、用紙と接する面が所定の摩擦力を持つ扇型
の接触部303dを設けたもので、その回転は一方向
(図中矢印e方向)のみとしている。接触部303dの
用紙との接触面は、用紙との間の摩擦係数が比較的大き
い所定値になるように、ゴムや発泡樹脂、スポンジなど
の各種材料を用いることができる。また、移動手段30
3の接触部303dの円弧の範囲は、形成するループの
大きさなどに応じて適宜設定することができる。なお、
移動手段303は、図示のように軸方向から見て扇形に
限られるものではなく、例えば、軸303aから一の軸
直角方向に伸延するアーム形状とすることも可能であ
り、さらに、円形に近いものとすることも可能である。
これらの場合には、軸303aからの最遠部周辺に、用
紙に接触可能な接触部を形成するとよい。
【0052】圧接手段304は、用紙束Dを移動手段3
03側へ圧接離反可能に、移動手段303の上方に配置
されている。この圧接手段304は、例えばばね部材
(図7参照)などによる所定圧接力を用紙束Dの上面に
付与ないし解除することができるように構成される。圧
接手段304により用紙束Dに加えられる圧接力は、主
として移動手段303で受けるように構成されるが、圧
接力の一部が爪手段305の第1面305aにも同時に
付加されるように構成することが望ましい。このように
すれば、移動手段303により、用紙束Dの最下位の用
紙を爪手段305の第1面305a側から引き抜きやす
く、かつ引き抜いた後に用紙が再度用紙束Dと爪手段3
05の第1面305aとの間に入り込むことを防止する
ことができる。
【0053】押圧手段307は、移動手段303の上流
側に位置され用紙の上流側への移動を防止する。したが
って、押圧手段307は、移動手段303が用紙束Dの
最下位の用紙に接触して当該用紙の下流側先端部のみを
上流側へ移動させる際に、用紙自体が上流側へずれるこ
とを防止する機能を果たす。この押圧手段307は、圧
接手段304と同様に、例えばばね部材(図7参照)な
どによる所定押圧力を用紙束Dの上面に付与ないし解除
することができるように構成されている。なお、上記し
た押圧手段307に代えて、用紙束Dの上流側端面に当
接させる構成を採用することも可能である。
【0054】第1検出手段SE1は、支点となるピンS
E1aを中心に回動するレバーSE1bと、レバーSE
1bの動きを検知するためのフォトインタラプタSE1
cよりなる。この第1検出手段SE1では、図5に示し
たような状態のとき、レバーSE1bのフォトインタラ
プタ側の端部がフォトインタラプタSE1cのスリット
内に入り込み光信号を遮断しており、一方、移動手段3
03によって用紙が引き出されて、用紙D1がたわんで
ループが形成されたときには(図8C参照)、レバーS
E1bのフォトインタラプタ側の端部がフォトインタラ
プタSE1cのスリットから抜けて光信号が検知され、
用紙にループが形成されたことを検出する。
【0055】第2検出手段SE2は反射型のフォトイン
タラプタであり、爪手段305の第2面305bに対し
て光を照射し、その反射光により用紙が爪手段305の
外側に来たことを検出する(図9D参照)。このため
に、爪手段305の第2面305bの表面は略鏡面状態
であることが好ましい。これによりSE2は、用紙がな
いときの第2面305bからの反射と比較して、用紙が
爪手段の第2面305bに来たときには用紙によって反
射光が弱くなるので、この反射光の減衰によって、用紙
が爪手段305の第2面305b側に来たこと、すなわ
ち、用紙が爪手段305から抜けて用紙束Dから分離さ
れたことが検出される。
【0056】図7は、給紙装置30の分離手段300の
要部を示す一部を切り欠いた概略斜視図である。
【0057】図示するように、この給紙装置30では、
先端規制手段302、移動手段303、圧接手段30
4、爪手段305、および押圧手段307などは、支持
枠体701に収容されてユニット化され、きわめてコン
パクトな構成となっている。
【0058】押圧手段307は、ばね部材702,70
2を介して支持枠体701に取り付けられている。支持
枠体701には、ピン704,704および支持枠体7
01の反対側の図示しないピンを中心として図中矢印h
ないしi方向に揺動可能に、揺動枠体703が取り付け
られている。一方、圧接手段304は、ばね部材70
5,705を介して揺動枠体703に取り付けられてい
る。なお、これらのばね部材702,705は、常時図
中下方に弾発力を付勢する構成とされている。
【0059】圧接手段304および押圧手段307の用
紙束に向けての圧接離反移動は、回転伝達機構706、
カム部材707、ギア708〜710を介して、一つの
図示しないモータなどの回転駆動手段により行われる。
すなわち、モータなどの主軸に固着されるギアに噛合す
るギア710が回転されると、ギア709からギア70
8に回転が伝えられ、ギア708の外周部近傍に立設さ
れたピン708aに係合するカム部材707が上下動さ
れる。これにより、カム部材707に係合される回転伝
達機構706のカム部材707側のアーム部材706
a,706dが回動され、軸706c,706fを介し
て反対側のアーム部材706b,706eが回動される
ことによって、圧接手段304、押圧手段307が上下
動される構成となっている。
【0060】上記のギア708〜710は、揺動枠体7
03に軸支されている。また、移動手段303の回転軸
303aは、ギア710の軸と兼用されており、上記し
た同じ回転駆動手段により回転させられる構成となって
いる。圧接手段304、押圧手段307および移動手段
303のそれぞれの駆動のタイミングや移動距離など
は、各駆動伝達部材の諸寸法の設定などにより適宜設計
することが可能である。なお、符号「713」は、図示
しない光センサにより、回転軸303aの回転位置を検
出するための検出板を示す。
【0061】また、回転軸303aには断面扇形のカム
部材712が固着されており、回転軸303aが図中矢
印e方向に回転されてこのカム部材712が支持枠体7
01に取り付けられた図示しない固定部材に当接するこ
とによって、図示しないばね部材により常時図中矢印h
方向に付勢される揺動枠体703全体を、図中矢印i方
向に所定角度揺動させるようになっている。
【0062】これにより、用紙の給紙方向下流側先端部
にループ形成するときには、揺動枠体703を図中矢印
i方向に揺動させることにより、用紙束の下流側先端部
近傍において下面側が凹形状となるいうな湾曲面が形成
される。したがって、ループ形成時に圧接手段304お
よび押圧手段307の動きに応じて作用する力によっ
て、用紙束から最下位の1枚の用紙のみを分離して上記
凹形状と反対側にふくらむループを形成することが容易
となる。一方、用紙を搬送手段308によりADF20
のレジストローラ対205に向けて搬送する場合には、
揺動枠体703を図中矢印h方向に揺動させると共に、
移動手段303の接触部303cを用紙束の下面から所
定距離だけ離間した位置に退避した状態にセットする。
これにより、搬送手段308により搬送される用紙とト
レイ301上の用紙束との間に、移動手段303による
接触圧がかからないようにすることが可能となる。
【0063】そして、この分離手段300では、用紙の
搬送方向先端の角部を、用紙給紙方向と反対の方向に対
して90度より小さい所定角度だけ用紙の中央寄りに偏
向させた方向に移動させてループを形成するようにして
いる。これにより、用紙のサイズによらず安定したルー
プの形成を行うことができる利点が大きい。また、通常
原稿などの用紙には筋目が存在し、この筋目の方向によ
りループの形成のし易さが異なるものであるが、筋目は
通常用紙の幅方向かあるいは長手方向に現れる。したが
って、上記90度より小さい所定角度を45度に設定す
ることにより、この筋目の影響をも除去することが可能
となる。
【0064】給紙装置30には、さらに、分離された1
枚の用紙を給送および搬送するための給送手段および搬
送手段が設けられている。
【0065】給送手段430は、図4および図6に示す
ように、トレイ301の用紙の給送方向先端の略中央部
に、用紙束の下面と接するように設けられた円筒形のロ
ーラであり、その表面は用紙との間で所定摩擦力を有す
るように、ゴムや樹脂材料などによって加工されている
ものである。また、この給送手段430の用紙束を挟ん
で上方には、第2圧接手段431が設けられており、こ
の第2圧接手段431が、用紙の給送時において用紙束
を給送手段430側へ圧接することにより、分離された
1枚の用紙を確実に搬送手段308まで導く。
【0066】搬送手段308は、給送手段430の下流
側に配置され、一対のローラにより構成されている。こ
の搬送手段308により、トレイ301上の用紙束Dか
ら1枚分離されて送られる用紙が、下流側に配置される
ADF20のレジストローラ対205に向けて搬送され
るようになっている。
【0067】さらに、給紙装置30には、分離された1
枚の用紙の給送中の位置を検出するために、搬送手段3
08の直前に、給送中の用紙を検出するための第3検出
手段SE3が設けられている。この第3検出手段SE3
は、図6に示すように、搬送手段308の直前に位置
し、用紙の動きにより支点となるピンSE3aを中心に
回動する略L字形のレバーSE3bと、レバーSE3b
の動きを検知するためのフォトインタラプタSE3cよ
りなる。レバーSE3bの先端は、図示するように、下
流側方向に僅かにカーブしており、これにより用紙の移
動によってレバーSE3b先端が下流側に押されたとき
に、用紙の動きを妨害せず、かつスムーズに搬送手段3
08のニップ部に用紙先端を導くようになっている。こ
の第3検出手段SE3は、図6に示したような状態のと
き、レバーSE3bのフォトインタラプタ側の端部がフ
ォトインタラプタSE3cのスリット内に入り込み光信
号を遮断しており、一方、用紙の動きにより(図11F
参照)、レバーSE3bのフォトインタラプタ側の端部
がフォトインタラプタSE3cのスリットから抜けて光
信号が検知され、用紙が搬送手段308に導かれている
ことを検出する。
【0068】また、トレイ301の先端、給送手段43
0の手前には、用紙束Dの先端を検出するための第4検
出手段SE4が設けられており、トレイ301上に用紙
束が載置されたことを検出する。この第4検出手段SE
4は、単純なレバー形のスイッチであり、用紙束がレバ
ーを押すことによりスイッチが入り用紙束が載置された
ことが検出される。
【0069】本実施形態では特に、図4および図5に示
したように、移動手段303の動作により形成される用
紙のループを、移動手段303のループ形成力より弱い
力で、ループを解消する方向へ押圧する可動部材320
が設けられている。押圧力をループ形成力より小さくし
たのは、用紙にループを形成することができなくなる事
態を回避するためである。
【0070】この可動部材320は、トレイの底部30
1aの下流側先端部を切り欠いた部分301bの端部か
ら、ループが形成される空間309に伸延するように舌
片状に形成されている。つまり、可動部材320は片持
ちばりとなっており、移動手段303側に自由端が位置
するように、他端をトレイの底部301aにねじ締めや
接着などによって固定している。
【0071】また、可動部材320は可撓性を有する板
状体を呈しており、自由端近傍において外力によって所
定距離だけ弾性的に撓むようになっている。この弾発力
により、可動部材320は、ループを形成して膨らんだ
用紙に当接して上記した適度な押圧力を付与することが
可能な構成とされている。しかも上記のように、可動部
材320の移動手段303側に自由端があるので、ルー
プの形成に妨げとならない位置で確実にループに対して
弾発力を付勢することができる。可動部材320の材料
としては、例えば所定の弾性を有する金属製の板ばねが
使用されるが、その他、樹脂製の板などを使用すること
も可能である。
【0072】なお、用紙のループを該ループを解消する
方向へ押圧する方法としては、上記した可撓性を有する
可動部材320の弾発力により押圧する方法に限られる
ものではない。例えば、用紙束下面に沿ってループの後
方から用紙先端側に可動部材が水平移動することによっ
て、あるいは用紙束の下方からループに向けて可動部材
が上昇移動することによって、ループを該ループを解消
する方向へ押圧するように構成することも可能である。
【0073】以下、この実施形態に係る給紙装置の動作
について説明する。図8〜11は、給紙装置の要部の動
作を説明するための図であって、図8および図9は、図
4に示したA−A方向から見た図、図10および11
は、図4に示したB−B方向から見た図である。
【0074】まず、用紙束Dがトレイ301上に載置さ
れる。このとき、図8Aおよび図10Aに示すように、
用紙束Dの下流側先端部が先端規制手段302および爪
手段305の第1面305aに当接するように載置す
る。このとき、圧接手段304、押圧手段307および
第2圧接手段431は、用紙束Dから離間して所定の上
方位置に退避している。
【0075】用紙束Dが載置されると、第4検出手段S
E4によって用紙束Dが載置されたことが検出される。
その後、図示しないコピースタートキーが押されると、
図8Bおよび図10Bに示すように、圧接手段304、
押圧手段307および第2圧接手段431が、図示しな
い駆動手段により下方に移動される。こうして、トレイ
301上の用紙束Dには、圧接手段304による所定の
圧接力、押圧手段307による所定の押圧力および第2
圧接手段431による所定の圧接力が用紙束Dに付与さ
れる。なお、第2圧接手段431はこの時点では上方に
位置していてもよい。
【0076】次いで、図8Cおよび図10Cに示すよう
に、移動手段303を図中矢印e方向に回転させる。こ
のとき、圧接手段304による圧接力によりトレイ30
1上の用紙束Dの最下位の用紙D1と移動手段303と
の間に接触圧が生じているので、用紙D1の下流側先端
部の角部分が、移動手段303との摩擦力により爪手段
305の第1面305a側から引き抜かれて上流側へ移
動する。そして、さらに上流側に移動されることによ
り、用紙D1の下流側先端部は、下側に凸形状となるよ
うなループが空間309内に形成される。
【0077】そして、用紙D1に形成されたループは、
可動部材320によりループが解消される方向に所定の
弱い力で付勢される。ここで、厚紙等の剛性の高い用紙
の場合は、可動部材320がループの形成動作に与える
影響は殆んどなく、したがって、ループが空間309内
のほぼ全体を使って形成される。一方、薄紙等の剛性の
低い用紙の場合は、可動部材320は、ループ形成のた
めの空間が剛性の高い用紙の場合に比べて短くなるよう
に働く。つまり、剛性が高い用紙の場合には、ループ空
間のループ形成方向の長さが長くなるのでループを形成
させ易くなり、一方、剛性が低い用紙を使用する場合に
は、実質的にループ空間が短くなるので2枚以上のルー
プが発生し易くなる事態が発生することを防止する。こ
のため、用紙束から安定して1枚のみのループを形成す
ることが可能となり、コンパクトで安価な構成により、
用紙をその剛性の相違にかかわらずに1枚ずつ確実に分
離することができる。
【0078】このとき、空間309においてループが形
成された用紙D1が第1検出手段SE1のレバーSE1
bを押し下げ、レバーSE1bのフォトインタラプタ側
の端部がフォトインタラプタSE1cのスリットからは
ずれる。これにより第1検出手段SE1によって用紙D
1のループ形成が検出される。
【0079】なお、ここでは、移動手段303は、用紙
の給紙方向下流側先端部を上流側に移動させる方向とし
て、給紙方向(搬送手段308による用紙搬送方向と同
じである。)と反対の方向に対して、90度より小さい
所定角度だけ用紙の中央寄りに偏向するように設定して
ある。
【0080】その後、移動手段303は、そのまま回転
を続け、図9Dおよび図11Dに示すように、移動手段
303の用紙D1と接する部分303dが用紙面から離
れた位置となった時点で停止する。したがって、爪手段
305と移動手段303との間から原稿が下流側に送ら
れる経路が容易かつ確実に形成される。このようにすれ
ば、原稿にストレスをかけることなく給紙を滑らかに最
短距離で行うことができ、しかもコンパクトな構成とす
ることができる。
【0081】このとき、移動手段303の用紙D1と接
する部分303dが用紙面から離れることで、用紙D1
に形成されていたループは、用紙D1自体の腰の強さに
よる回復力に加え、可撓性を有する可動部材320によ
り押圧されて略平らに伸展する。このように、可動部材
320によりループを解消して用紙を給送方向へ向けて
飛び出させることができ、用紙D1を確実に下流側の搬
送手段308に向けて送ることができる。このため、搬
送ミスが防止され紙詰りをなくすことも可能となる。こ
うして、用紙の先端部が爪手段の第2面305b側に来
て、この先端部が第2検出手段SE2により検出され
る。
【0082】用紙の下流側先端部のループが消滅し、そ
の先端部が爪手段305の外側へ来た後、図9Eおよび
図11Eに示すように、押圧手段307および圧接手段
304が上方に移動され、用紙束Dへの所定の押圧力が
解除される。
【0083】このとき、第2圧接手段431は用紙束D
に当接した位置に止まっており、押圧手段307および
圧接手段304による押圧力が解除された後に、給送手
段430が図中f方向への回転を開始する。このとき、
給送手段430と用紙D1との間の摩擦力は第2圧接手
段431により用紙束が圧接されているため高くなって
おり、用紙D1が引き出されるのに十分なものとなって
いる。なお、前記図10Bに示した段階で第2圧接手段
431が上方に位置しているようにした場合には、ここ
で、押圧手段307および圧接手段304による押圧力
が解除されると略同時に第2圧接手段431を下方に移
動して、給送手段430方向への圧接力を与えるように
する。
【0084】その後、給送手段430の回転により用紙
D1が搬送手段308方向に送られ、用紙の先端が第3
検出手段SE3のレバーSE3bを押上げて、レバーS
E3bのフォトインタラプタ側の端部がフォトインタラ
プタSE3cのスリットからはずれて、下流側先端部が
搬送手段308に到達したことが検出される。次いで、
図9Fおよび図11Fに示すように、第2圧接手段43
1が上方に移動して、用紙束Dに対する圧接力が全て解
放され、同時に給送手段430の回転が停止され、ま
た、搬送手段308の回転が開始される。
【0085】これにより、搬送手段308により搬送さ
れる用紙とトレイ301上の用紙束との間には、移動手
段303や給送手段430による接触圧が殆んどかから
ない。したがって、搬送中の用紙は、接触圧で摺擦され
ることが防止され、これにより、搬送抵抗を低減しつ
つ、小さな搬送力で迅速かつ滑らかに、下流側に配置さ
れるADF20のレジストローラ対205に向けて、搬
送手段308により挟持搬送される。
【0086】なお、給送手段430は、第2圧接手段4
31が上方に移動した時点で、その駆動力を切って停止
させるようにしているが、例えばクラッチ機構などを備
えて、駆動力を切った後は自在に回転するようにしても
よい。
【0087】このように本実施形態によれば、用紙に形
成されたループを可動部材320で付勢するようにした
ので、剛性の高い用紙の場合は、可動部材320がルー
プの形成動作に与える影響は殆んどなく、一方、剛性の
低い用紙の場合は、可動部材320は、ループ形成のた
めの空間が剛性の高い用紙の場合に比べて短くなるよう
に働くこととなる。このため、用紙束から安定して1枚
のみのループを形成することが可能となり、コンパクト
で安価な構成により、用紙をその坪量や筋目等に起因す
る剛性の相違にかかわらずに1枚ずつ確実に分離するこ
とができる。
【0088】また、用紙束から分離され搬送中の用紙
は、移動手段303や給送手段430による接触圧で摺
擦されることが防止されるため、搬送抵抗を低減しつ
つ、小さな搬送力で迅速かつ滑らかに下流側に向けて搬
送することができると共に、用紙の裏汚れも防止され
る。
【0089】《他の実施形態に係る給紙装置》図13
は、他の実施形態に係る給紙装置の概略構成を示す平面
図、図14および図15は、給紙装置の要部拡大図であ
って、図14は、図13中のA−A矢視図、図15は、
図13中のB−B矢視図である。
【0090】上述した実施形態では、トレイ上の用紙束
から最下位の用紙を1枚ずつ給紙する「下出し」の給紙
装置について説明したが、図13に示す給紙装置40で
は、トレイ上の用紙束から最上位の用紙を1枚ずつ給紙
する「上出し」の給紙装置として点で、上述した実施形
態の給紙装置と相違している。
【0091】このような上出しの給紙装置40の場合に
は、図14に示すように、爪手段305は用紙束の下流
側先端部の上面側に設けられることとなる。なお、図4
〜図6に示す給紙装置と機能が共通する部材については
同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】この上出しの給紙装置40では、一対の押
圧手段307a,307aが、用紙束の上方に配置され
ている。そして、可撓性を有する板状体により形成され
た可動部材320aが設けられるが、この可動部材32
0aは、その一端を押圧手段307の下面に固着するこ
とが好ましい。なお、図14に示すように、可動部材3
20aの中央部には、第1検出手段SE1のレバーSE
1bの動きと干渉しないようにするために切欠きが形成
されている。このような上出しの給紙装置40は、例え
ば図2に示すような複写機本体10のカセット151〜
153から転写紙をその上位から給紙する機構等に適用
することができる。
【0093】この実施形態によれば、用紙に形成される
ループは、可動部材320aにより所定の力で押さえら
れる。したがって、このような上出しの給紙装置40で
も、上記実施形態と同様に、用紙束から安定して1枚の
みのループを形成することが可能となり、コンパクトで
安価な構成により、用紙をその坪量や筋目等に起因する
剛性の相違にかかわらずに1枚ずつ確実に分離すること
ができる。
【0094】図16は、さらに他の実施形態に係る給紙
装置の概略構成を示す平面図、図17は、給紙装置の要
部拡大図であって、図16中のA−A矢視図である。
【0095】上述した実施形態では、ループを形成する
ための移動手段と用紙を下流側へ送る給送手段とが別体
の給送装置30,40について説明したが、図16に示
す給紙装置50では、給送手段430aの逆転(図中矢
印e方向)によりループを形成するようにして両者を一
体化したものである。つまり、給紙装置50は、用紙束
に当接して正逆回転可能であり、正転時(図中矢印f方
向)に用紙を給送する給送手段430aと、用紙束を給
送手段430aへ圧接させる圧接手段304aとを備え
ている。また、この給送手段430aは、軸方向から見
て円形に近い略円柱状のローラであり、外周面の所定領
域に、他の箇所より若干大きい外径となるように被覆形
成された用紙に接触可能な所定の摩擦係数を有する接触
部430dを備えている。
【0096】この場合、給送手段430aを逆転させる
ことにより原稿の給紙方向下流側先端部を上流側に移動
させる方向は、給紙方向(搬送手段308による原稿搬
送方向と同じである。)と丁度180度反対の方向に設
定されている。なお、図4〜図6に示した給紙装置と機
能が共通する部材については同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0097】この実施形態によれば、用紙に形成される
ループは、可動部材320bにより所定の力で押さえら
れる。したがって、このような上出しの給紙装置50で
も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。ま
たさらに、この実施形態では、ループを形成するための
移動手段と用紙を下流側へ送る給送手段とが一体化され
ているので、部品点数の削減、作業工数の低減を図るこ
とができる。
【0098】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の技術的思想内において当
業者により種々の変形が可能である。例えば、上述した
実施形態では、本発明の給紙装置を複写機に適用した場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、プリンタや原稿流し撮り装置などにも適用で
きることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ご
とに以下のような効果を奏する。
【0100】請求項1記載の本発明によれば、用紙に形
成されたループを可動部材により所定の弱い力で付勢す
るようにしたので、剛性の高い用紙の場合は、可動部材
がループの形成動作に与える影響は殆んどなく、一方、
剛性の低い用紙の場合は、可動部材は、ループ形成のた
めの空間が剛性の高い用紙の場合に比べて短くなるよう
に働くこととなる。このため、用紙束から安定して1枚
のみのループを形成することが可能となり、コンパクト
で安価な構成により、用紙をその剛性の相違にかかわら
ずに1枚ずつ確実に分離することができる。
【0101】また、用紙束から分離され搬送中の用紙
は、接触圧で摺擦されることが防止されるため、搬送抵
抗を低減しつつ、小さな搬送力で迅速かつ滑らかに下流
側に向けて搬送することができる。
【0102】請求項2記載の本発明によれば、上記請求
項1に記載の発明の効果と同様の効果を奏することがで
きることに加え、正転時に用紙を下流側へ送る給送手段
を、逆転させることによりループを形成するようにした
ので、部品点数の削減、作業工数の低減を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る給紙装置を用いた
自動用紙搬送装置が取り付けられた複写装置の側面図で
ある。
【図2】 複写機本体の内部構造を示す概略構成図であ
る。
【図3】 自動用紙搬送装置の内部構造を示す概略構成
図である。
【図4】 給紙装置の概略構成を示す平面図である。
【図5】 図4に示されるA−A矢視図である。
【図6】 図4に示されるB−B矢視図である。
【図7】 給紙装置の要部を示す一部を切り欠いた概略
斜視図である。
【図8】 給紙装置の動作を説明するための図で、図4
中のA−A方向から見た図である。
【図9】 図8に続く給紙装置の動作を説明するための
図である。
【図10】 給紙装置の動作を説明するための図で、図
4中のB−B方向から見た図である。
【図11】 図10に続く給紙装置の動作を説明するた
めの図である。
【図12】 比較的腰の弱い用紙の給紙動作を説明する
ための図である。
【図13】 他の実施形態に係る給紙装置の概略構成を
示す平面図である。
【図14】 図13に示されるA−A矢視図である。
【図15】 図13に示されるB−B矢視図である。
【図16】 さらに他の実施形態に係る給紙装置の概略
構成を示す平面図である。
【図17】 図16に示されるA−A矢視図である。
【符号の説明】 10…複写機本体、 20…自動用紙搬送装置(ADF)、 30,40,50…給紙装置、 300…分離手段、 301…トレイ、 302…先端規制手段、 303…移動手段、 303d,430d…接触部、 304,304a…圧接手段、 305…爪手段、 305a…第1面、 305b…第2面、 307…押圧手段、 308…搬送手段、 309…空間、 320,320a,320b…可動部材、 430,430a…給送手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F343 FA02 FA03 FB02 FB03 FB04 FC01 GA01 GB02 GC01 GD01 HC04 HC22 HC30 HD09 HD16 HE07 JA03 JD03 JD09 JD33 KB05 KB13 MA03 MA09 MA15 MA23 MA31 MA55

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙束を積載保持する用紙トレイと、 用紙束に当接し、用紙を下流方向へ給送する給送手段
    と、 用紙の下流側先端部を規制する先端規制手段と、 前記給送手段と同じ側で用紙束に当接し、用紙を上流方
    向へ移動させる移動手段と、 用紙束を前記移動手段へ圧接させる圧接手段と、 前記移動手段の動作により形成される用紙のループを、
    前記移動手段のループ形成力より弱い力で、ループを解
    消する方向へ押圧する可動部材と、を備えたことを特徴
    とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 用紙束を積載保持する用紙トレイと、 用紙束に当接して正逆回転可能であり、正転時に用紙を
    給送する給送手段と、 用紙の下流側先端部を規制する先端規制手段と、 用紙束を前記給送手段へ圧接させる圧接手段と、前記給
    送手段の逆転により形成される用紙のループを、前記給
    送手段のループ形成力より弱い力で、ループを解消する
    方向へ押圧する可動部材と、を備えたことを特徴とする
    給紙装置。
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