JPH11255349A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JPH11255349A
JPH11255349A JP6357798A JP6357798A JPH11255349A JP H11255349 A JPH11255349 A JP H11255349A JP 6357798 A JP6357798 A JP 6357798A JP 6357798 A JP6357798 A JP 6357798A JP H11255349 A JPH11255349 A JP H11255349A
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JP6357798A
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Noritoshi Maruchi
典利 丸地
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙を1枚ずつ確実に分離でき、小さな搬送
力で搬送する小型で安価な給紙装置を提供する。 【解決手段】 原稿束を積載保持するトレイ301と、
原稿束の給紙方向下流側先端部を規制する先端規制手段
302と、先端規制手段302の給紙方向上流側に位置
され原稿に接触して原稿の下流側先端部を上流側へ移動
させてループの形成を行う移動手段303と、原稿束を
移動手段303側へ圧接する圧接手段304と、原稿束
の下流側先端部の移動手段側303の面を支持する爪手
段305と、移動手段303の上流側に位置され原稿自
体が上流側へずれることを規制する押圧手段307と、
原稿先端部にループを形成するための空間309に対し
て原稿束を挟んで対向する位置に設けられ原稿束と接触
するガイド手段306と、を備えた給紙装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された用紙束
から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンタやサーマルプリンタ等
の種々のプリンタ、ファクシミリ、複写機等にあって
は、原稿や転写紙等の用紙の給紙を行う給紙装置が設け
られており、シート状の用紙を給紙装置のトレイに多数
枚積層保持しておき、この用紙束から用紙を1枚ずつ分
離して送り出すようにしている。
【0003】従来より、このような給紙装置としては、
用紙間の摩擦力と、摩擦パッドおよび用紙間の摩擦力と
の差を利用して、用紙束を分離して用紙を1枚ずつ送る
摩擦パッド方式、空気を用紙間に吹き付け1枚ずつ吸引
することによって、用紙束を分離して用紙を1枚ずつ送
るエアー方式、用紙の弾性を利用して分離爪により用紙
束を分離して用紙を1枚ずつ送る分離爪方式等、種々の
原理・方式のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の用紙を1枚ずつ分離し搬送する給紙装置にあって
は、例えば上記摩擦パッド方式では、摩擦パッドとロー
ラとの間に狭み込んだ複数枚の用紙からローラに接する
用紙のみを搬送しながら分離する。このため、摩擦パッ
ドの摩擦力に打ち勝つ搬送力を搬送手段が持たなければ
ならず、搬送手段の駆動源が大型化するので、製造コス
トの増大や用紙へのダメージを招くという不具合があっ
た。
【0005】一方、摩擦パッドへの用紙の供給を制限す
る規制板を設けた給紙装置を搭載した原稿搬送装置が提
案されている。しかし、この方式は搬送力の軽減そのも
のを実現する手段を提供するには至っていない。
【0006】また、上記エアー方式の給紙装置では、エ
アーを用紙間に吹き込んで用紙を分離させるか、若しく
は吸引によって取り出すかするため、用紙の搬送力が大
きくなることはない。しかし、エアーを発生させるファ
ンやダクト等は、高価であるため製造コストの増大をま
ねき、また装置を大型化させるばかりか、ファンの吸排
気の騒音が問題となる。
【0007】また、上記分離爪方式の給紙装置では、用
紙の弾性を利用して爪に接触する用紙を移動させながら
変形させることで爪から用紙端部を抜き出して搬送す
る。しかし、この方式は用紙の弾性という特性に大きく
影響されるため、例えば用紙の特性を変化させる温湿度
の環境変化や用紙の厚さや筋目方向等の物理条件の変化
への許容範囲が狭く、給紙ミスや重送が発生しやすい。
【0008】一方、実公昭47−33182号公報に示
されるように、紙幣の下側から、ローラにより紙幣にル
ープを形成して1枚ずつ取り出す給送装置が提案されて
いる。しかし、この方法では、定形の紙幣若しくは定形
の用紙の給送に限られるばかりか、積載されている用紙
の枚数が少なくなると、ローラの回転によって用紙全体
が持ち上がり、用紙とローラとの間に滑りが発生し、安
定した用紙の給送ができない。
【0009】また、特開平7−69468号公報に示さ
れるように、ループを形成して分離した用紙を持ち上げ
て給紙する機構が提案されている。しかし、トレイ上に
平面状態で載置されている用紙束から用紙1枚のみをル
ープさせる際に、ループの形成が安定せず、給紙ミスや
重送が発生する虞れがある。さらに、用紙を持ち上げる
構成が必要となるため、装置の構成が複雑でかつ大型に
なってしまう。
【0010】本発明は、上記した従来技術の欠点を除く
ためになされたものであって、本発明の目的は、用紙を
1枚ずつ確実に分離でき、小さな搬送力で搬送する小型
で安価な給紙装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、用紙束を積載保持するトレ
イと、用紙束の給紙方向下流側先端部を規制する先端規
制手段と、前記先端規制手段の給紙方向上流側に位置さ
れ用紙に接触して当該用紙の下流側先端部を上流側へ移
動させる移動手段と、用紙束を前記移動手段側へ圧接す
る圧接手段と、用紙束の下流側先端部の前記移動手段側
の面を支持する爪手段と、を有する用紙束から用紙を1
枚ずつ分離して送り出す給紙装置において、前記移動手
段の上流側に位置され用紙が上流側へ移動することを規
制する規制手段を備えたことを特徴とする。この発明に
あっては、一旦給紙方向とは逆側に用紙の一部を一定量
移動させてループを形成しながら、用紙束から用紙を1
枚分離する。そして、このループ形成時には、用紙自体
が上流側へずれてしまうことを、規制手段によって防止
する。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1記載の給紙装置において、前記移動手段により用紙
の下流側先端部が上流側へ移動させられて用紙が当該移
動手段側に膨らみを形成するための空間を備えたことを
特徴とする。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1記載の給紙装置において、前記規制手段は、用紙束
を給紙方向と略直交する方向に押圧する押圧手段である
ことを特徴とする。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項2記載の給紙装置において、前記空間と用紙束を挟ん
で対向する位置に、用紙束と接触するガイド手段を備え
たことを特徴とする。この発明にあっては、一旦給紙方
向とは逆側に用紙の一部を一定量移動させてループを形
成するときに、トレイ上の用紙束がループ形成方向と逆
側に撓むのが防止される。
【0015】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項4記載の給紙装置において、前記ガイド手段は、前記
圧接手段の用紙束側を覆うように当該圧接手段と連結さ
れていることを特徴とする。
【0016】また、請求項6に記載の発明は、上記請求
項4記載の給紙装置において、前記規制手段は、用紙束
を給紙方向と略直交する方向に押圧する押圧手段であ
り、前記ガイド手段は、前記押圧手段の用紙束側を覆う
ように当該押圧手段に連結されていることを特徴とす
る。
【0017】また、請求項7に記載の発明は、上記請求
項4記載の給紙装置において、前記規制手段は、用紙束
を給紙方向と略直交する方向に押圧する押圧手段であ
り、前記ガイド手段は、前記圧接手段および前記押圧手
段の用紙束側を覆うように、両者と連結されていること
を特徴とする。
【0018】また、請求項8に記載の発明は、上記請求
項5〜7のいずれか1項に記載の給紙装置において、前
記ガイド手段は可撓性を有することを特徴とする。
【0019】また、請求項9に記載の発明は、上記請求
項7記載の給紙装置において、前記ガイド手段および用
紙間の摩擦係数は、各用紙間の摩擦係数より大きいこと
を特徴とする。
【0020】また、請求項10に記載の発明は、上記請
求項7記載の給紙装置において、前記ガイド手段および
用紙間の摩擦係数は、用紙および前記移動手段間の摩擦
係数より小さいことを特徴とする。
【0021】また、請求項11に記載の発明は、上記請
求項1記載の給紙装置において、前記爪手段と前記移動
手段との間から用紙が下流側に送られることを特徴とす
る。
【0022】また、請求項12に記載の発明は、上記請
求項1記載の給紙装置において、前記爪手段の用紙との
接触面の給紙方向長さをL1 、前記先端規制手段から前
記移動手段が用紙と接触する点までの長さをL2 、前記
移動手段が用紙の先端部を上流側へ移動させる長さをL
3 とした場合に、L1 <L3 <L2 に設定したことを特
徴とする。
【0023】また、請求項13に記載の発明は、請求項
2記載の給紙装置において、前記空間は前記トレイに設
けられた開口部により提供され、前記圧接手段から前記
規制手段までの長さをL4 、前記移動手段が用紙と接触
する点から前記開口部の上流側端縁までの長さをL5 と
した場合に、L4 >L5 に設定したことを特徴とする。
【0024】また、請求項14に記載の発明は、上記請
求項1記載の給紙装置において、前記先端規制手段の上
流側に位置され、前記トレイ上に保持される用紙束の下
流側先端部に接触して用紙を下流側に送る給送手段を備
えたことを特徴とする。
【0025】また、請求項15に記載の発明は、上記請
求項1記載の給紙装置において、前記先端規制手段の下
流側に位置され、前記トレイから送られる用紙を下流側
に搬送する搬送手段を備えたことを特徴とする。
【0026】また、請求項16に記載の発明は、上記請
求項7記載の給紙装置において、前記爪手段は用紙束の
下流側先端部の下面側に設けられ、前記ガイド手段およ
び用紙間の摩擦係数をμ1 、各用紙間の摩擦係数をμ2
、用紙および前記移動手段間の摩擦係数をμ3 、前記
トレイおよび用紙間の摩擦係数をμ4 、前記圧接手段に
よる用紙への圧接力をN1 、前記押圧手段による用紙へ
の押圧力をN2 とした場合に、μ2 <μ1 <μ3 、N1
(μ3 −μ1 )<N2 (μ1 +μ4 )に設定したことを
特徴とする。
【0027】また、請求項17に記載の発明は、上記請
求項4記載の給紙装置において、前記爪手段は用紙束の
下流側先端部の上面側に設けられ、前記ガイド手段は、
前記圧接手段と一体的に形成されていることを特徴とす
る。
【0028】また、請求項18に記載の発明は、上記請
求項5記載の給紙装置において、前記爪手段は用紙束の
下流側先端部の上面側に設けられ、前記規制手段は用紙
束を給紙方向と略直交する方向に押圧する押圧手段であ
り、前記ガイド手段および用紙間の摩擦係数をμ1 、各
用紙間の摩擦係数をμ2 、用紙および前記移動手段間の
摩擦係数をμ3 、前記トレイおよび用紙間の摩擦係数を
μ4 、前記押圧手段および用紙間の摩擦係数をμ5 、前
記圧接手段による用紙への圧接力をN1 、前記押圧手段
による用紙への押圧力をN2 とした場合に、μ2 <μ1
<μ3 、N1 (μ3 −μ1 )<N2 (μ4 +μ5 )に設
定したことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係る給紙装置を用いた自動原稿搬送装置が取り付けら
れた複写装置の側面図、図2は、複写機本体の内部構造
を示す概略構成図である。
【0030】《複写機本体》まず、複写機本体の概略的
な構成とその動作とを説明する。
【0031】図1に示す複写装置は、原稿面の画像を読
み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編
集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上
に画像を形成する、いわゆるデジタル複写機と称される
ものである。
【0032】図2に示すように、原稿台ガラス(プラテ
ンガラス)111上にセットされた原稿は、複写機本体
10に内蔵されているイメージリーダであるCCDセン
サ117によってその画像を読み取られ、デジタルデー
タに変換されて制御部のメモリに格納される。コピー動
作は、画像データを読み出すことにより、必要な編集、
例えば、ぺージ順の変更、画像反転処理あるいは表裏両
面へのコピー処理などを加えて実行される。
【0033】複写機本体10において、光学系11は、
原稿を載置するプラテンガラス111の真下に配置され
ており、プラテンガラス111上に載置された原稿を照
明する照明ランプ(露光ランプ)112、原稿の反射光
の光路を偏光させるための反射ミラー113,114,
115、分焦および変倍機能を有するレンズ116、C
CDセンサ117、光学系を駆動する光学系モータ11
8、およびCCDセンサ117の感度バラツキを補正す
るためにプラテンガラス111上に設置されたシェーデ
ィング補正板119により構成されている。
【0034】プラテンガラス111の左端部には、原稿
の搬送方向の位置決めを行うための原稿基準板101が
配置されており、オペレータは、原稿を画像面を下向き
にして、プラテンガラス111上にその一端を原稿スケ
ール101に合わせてセットする。光学系11はセット
された原稿の画像をスキャンしながら照明し、その反射
光をレンズ116を通しCCDセンサ117にて読み取
る。
【0035】この画像のスキャン時、CCDセンサ11
7は、まずシェーディング補正板119を読み取り、C
CDセンサ117の各画素のバラツキを補正する。その
後、光学系モータ118の駆動により、露光ランプ11
2および反射ミラー113,114,115をスライド
移動させ原稿基準位置SPにセットする。そして、露光
ランプ112および反射ミラー113が感光ドラム12
1の周速度V(等倍、変倍に拘らず一定)に対してV/
m(m;コピー倍率)の速度で矢印b方向に移動する。
同時に反射ミラー114,115がV/2mの速度で矢
印b方向に移動することにより、光路長を一定にして画
像の読み取りを行う。
【0036】LD131は、CCDセンサ117により
読み取られ、画像処理部12にて処理された画像データ
をレーザ光に変換し、感光ドラム121に露光するため
の半導体レーザ(LD)である。LD131から発光さ
れたレーザ光は、高速回転しているポリゴンスキャナ1
34のポリゴンミラー135により反射されて、トロイ
ダルレンズ136およびfθレンズ137によって偏光
され、折り返しミラー138a,138b,138cに
反射して感光ドラム121上に露光される。
【0037】感光ドラム121の外周表面には、現像器
122、分離爪123、クリーニング装置124等が配
置されている。また、感光ドラム121の図中左方向の
下流側には、定着ローラ上176および定着ローラ下1
77、排出ローラ対178が設けられている。
【0038】複写機本体10の中央下方には、上段、中
段および下段カセット151,152,153がそれぞ
れ装填されており、各カセットにそれぞれピックアップ
ローラ154、給送ローラ155および分離ローラ15
6が配置されている。なお、符号「171,172,1
73」はそれぞれ搬送ローラ対であり、「174」はタ
イミングローラ対である。また、手差し用トレイ161
が開閉自在に設けられており、ピックアップローラ16
2、給送ローラ163および分離ローラ164が配置さ
れている。
【0039】また、光学系11には、複数の反射型セン
サ102が配置されており、プラテンガラス111上に
セットされた原稿のサイズを検出するものである。セン
サの配置やサイズ検出の仕組みについては、公知の技術
であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0040】オペレータにより、図示しないコピースタ
ートキーが押されると、反射型センサ102により読み
取られた原稿のサイズを基に、前記上段、中段および下
段カセット151,152,153の中にセットされた
転写紙の中から必要な転写紙を選択する。その後、図示
しない給送モータにより、選択されたカセットのピック
アップローラ154、給送ローラ155および分離ロー
ラ156のみを駆動回転させ、セットされた転写紙群の
最上紙のみを下流へ搬送する。なお、ここでは、複数の
転写紙を1枚に分離する機構として、搬送ローラ155
と分離ローラ156とによる摩擦パッド方式に類似する
分離機構を採用しているが、これについても公知の技術
であるため、その詳細な説明は省略する。
【0041】分離機構により1枚に分離された転写紙
は、搬送ローラ対171,172,173により搬送さ
れ、回転停止しているタイミングローラ対174のニッ
プに突入する。搬送ローラ対171,172,173お
よびタイミングローラ対174は、分離機構を駆動回転
させる図示しない給送モータから駆動伝達されており、
タイミングローラ対174は該転写紙の先端を斜行補正
し、かつ像転写部へ突入するタイミングを計るため、駆
動伝達経路上に図示しないクラッチを有し、回転ないし
停止の切り換えが行えるように構成されている。
【0042】また、搬送ローラ対171,172,17
3もそれぞれのローラ軸に図示しないクラッチを有し、
それぞれが独立で、かつ図示しない給送モータの駆動に
関係なく、該搬送ローラ対171,172,173を回
転ないし停止させることが可能である。
【0043】搬送ローラ対173とタイミングローラ対
174との間には、センサ175が配置されており、こ
のセンサ175により搬送ローラ対173から搬送され
てきた転写紙の先端を検出して一定時間後に該搬送ロー
ラ対171〜173のうち転写紙を圧着しているローラ
のみ、図示しないクラッチをオフして回転を停止させ
る。このとき、タイミングローラ対174は図示しない
クラッチの作用により停止しており、該転写紙は、セン
サ175とタイミングローラ対174のニップまでの距
離より若干長く送られることによりループを形成し、タ
イミングローラ対174に対する斜行を補正することが
できる。タイミングローラ対174の上流側搬送路17
9は、転写紙のループ形成のため、部分的に通紙路を広
く形成していることはいうまでもない。
【0044】一方、原稿の画像データは、光学系11に
より読み取られ、記憶媒体を有し画像反転処理が可能な
画像処理部12を通り、P/H部13によりa方向に回
転する感光ドラム121にレーザ露光される。感光ドラ
ム121は帯電チャージャ125により帯電され、レー
ザ光が照射された部分の電荷が除去される特性を有して
おり、この電荷が除去された部分に静電潜像と同極性の
トナーを付着させることが可能となっている。転写紙先
端が感光ドラム121に到達するタイミングを計り、P
/H部13はあらかじめ帯電チャージャ125により帯
電された感光ドラム121に画像データを照射する。ト
ナーを有する現像器122は感光ドラム121上のレー
ザ光が照射された部分にトナーを付着させ、感光ドラム
121に乗せて、転写用チャージャ126により転写紙
表面に転写される。
【0045】所望の転写を終了した転写紙は分離爪12
3によりその先端を感光ドラム121表面から分離させ
られ、同時に分離用チャージャ127によりAC放電を
行うことにより、転写紙は感光ドラム121に巻き付く
ことなく分離される。
【0046】トナーを転写された転写紙は、定着ローラ
上および定着ローラ下176,177により加熱、圧着
されて、排出ローラ対178により複写機本体10の機
外へ排出される。
【0047】排出ローラ対178上流には、スイッチバ
ック部19に搬送するための搬送部18が設けられてい
る。搬送部18は、図示しないソレノイドにより駆動さ
れる切換爪181と、搬送ローラ182,183と、搬
送ガイド184,185とにより構成される。
【0048】スイッチバック部19は、図示しない駆動
源により正逆回転可能に構成された搬送ローラ191、
それに対向して配置され、駆動を受けない従動ローラ1
92、転写紙を下流へ搬送する方向にのみ回転可能に構
成された搬送ローラ対193、搬送ガイド194,19
5および検知手段196により構成される。
【0049】オペレータにより両面コピーが選択され、
コピースタートキーが押されたときは、前述した転写処
理を行った後、転写紙は前記切換爪181を切り換える
ことによりスイッチバック部19へ搬送される。検知手
段196により転写紙の先端が検出されてから一定時間
後、搬送ローラ191が矢印c方向に回転され、搬送ロ
ーラ191により搬送されてきた転写紙の後端が検知手
段196により検出されてから一定時間後、転写紙後端
が逆送防止のためのマイラ197を越えてから、搬送ロ
ーラ191をc方向とは逆に回転させ、転写紙を搬送部
14へ搬送する。スイッチバック部19により表裏反転
された転写紙は、搬送ローラ対141,142によりタ
イミングローラ対174の上流へ搬送され、前記転写処
理を再度行うことにより転写紙の表裏両面に転写処理が
行われる仕組みになっている。
【0050】《自動原稿搬送装置》次に、自動原稿搬送
装置の概略的な構成とその動作とを説明する。図3は、
自動原稿搬送装置の内部構造を示す概略構成図である。
【0051】図3に示すように、自動原稿搬送装置(A
DF)20は、給紙装置30を有しており、さらに、レ
ジストローラ対205、搬送ベルトユニット206、反
転ローラ207、排出ローラ対208および排出トレイ
209を有している。
【0052】ADF20は、搬送ベルトユニット206
がプラテンガラス111と対向するように、複写機本体
10上に配置され、図中奥側に設けたヒンジ金具210
によりプラテンガラス111表面を開放可能に構成して
いる。なお、説明の都合上、複写機本体10側のプラテ
ンガラス111および原稿基準板101を、図3にも示
してある。
【0053】給紙される用紙としての原稿Dは、1ペー
ジ目を上方に向けた状態で給紙装置30のトレイ301
上に積載保持される。オペレータによりコピースタート
キーが押されると、トレイ301上に積層された原稿束
から原稿を1枚ずつ分離して送り出す。送り出された原
稿は、レジストローラ対205で先端整合され、搬送ベ
ルトユニット206に送られる。
【0054】搬送ベルト211は、プラテンガラス11
1の全面を覆うように、駆動ローラ212と従動ローラ
213との間に無端状に張り渡されている。搬送ベルト
211の内側には、搬送ベルト211をプラテンガラス
111に圧接させるため、多数のバックアップローラ2
14が回転自在に設置されている。搬送ベルト211
は、矢印d方向に回転駆動され、原稿を原稿基準板10
1とプラテンガラス111との境目である露光を開始す
るための基準位置SPに原稿先端を合わせてセットす
る。
【0055】光学系11により所定の露光終了後、反転
ローラ207および排出ローラ208により排出トレイ
209に排出収容される。
【0056】反転ローラ207はピンチローラ215,
216を備え、原稿両面モード時に原稿を反転させるた
めに通紙路切り換えの目的で切換爪217を備えてい
る。
【0057】原稿両面モードが選択された場合、トレイ
301から供給された原稿は搬送ベルトユニット206
によって基準位置SPにセットされ、1面目を露光す
る。露光終了後、該反転ローラ207により原稿の表裏
反転を行い、再び基準位置SPにセットされ、2面目を
露光する。露光終了後、該反転ローラ207により再度
表裏反転され、反転ローラ207および排出ローラ20
8により排出トレイ209に排出収容される。
【0058】このように、ADF20は、原稿片面コピ
ー動作と原稿両面コピー動作とを備えており、図示しな
い操作パネルにてオペレータにより選択可能に構成され
ており、かつ複数の原稿がセットされた場合は、上述し
た原稿送り動作を順次繰り返し行い、また、オペレータ
により置数設定された場合は、1枚の原稿に対して光学
系11により1回画像データを読み取り、図示しない記
憶媒体により所定回数の転写を行う仕組みとなってい
る。
【0059】《給紙装置》次に、給紙装置の構成とその
動作とを説明する。図4は、給紙装置の概略構成図、図
5は、図4に示される給紙装置の平面図である。
【0060】図4および図5に示す給紙装置30は、原
稿束から原稿を1枚ずつ分離して送り出すものであっ
て、トレイ301、先端規制手段302、移動手段30
3、圧接手段304および爪手段305を備えている。
【0061】トレイ301は、図3に示すように、AD
F20のケーシングの中央上面に底部301bが略水平
となるように形成されており、その上に積載される原稿
Dの束を保持する。先端規制手段302は、トレイ30
1上に積載保持された原稿束の給紙方向下流側先端部を
規制するものであり、原稿束の下流側先端部が当接する
鉛直方向に沿う平面を有している。オペレータが原稿を
先端規制手段302につき当ててトレイ301上に載置
することで、原稿の下流側先端部を揃えることができ
る。また、トレイ301には、固定側部301cと、原
稿の幅寸法に合わせて原稿給紙方向に直交する方向に移
動可能とされた可動側部301dとが設けられている。
なお、一対の可動側部を設けて、原稿の幅寸法にかかわ
らず幅方向中央位置が一致するようにトレイ301に原
稿を載置する構成とすることも可能である。
【0062】また、爪手段305により、トレイ301
上の原稿束の下流側先端部の下面が支持されるようにな
っている。爪手段305は、先端規制手段302の下端
に、上流側に伸延するように連設されて一体構造となっ
ており、原稿束の下流側先端部と下面とを隙間なく同時
に保持することができるようになっている。爪手段30
5は、図示のように、原稿束の下流側先端部と接触する
略水平な第1面305aと、その反対側に位置し給紙方
向に沿って低くなるテーパ面を呈する第2面305bと
を有している。なお、爪手段と先端規制手段とは必ずし
も一体でなくてもよい。爪手段と先端規制手段とが別体
の場合、爪手段の数を自由に設定できるという効果があ
る。
【0063】移動手段303は、先端規制手段302の
給紙方向上流側に位置され、トレイ301上に積載保持
された原稿束の最下位の原稿に接触して当該原稿の下流
側先端部を上流側へ移動させることができる構成とされ
ている。したがって、原稿束の最下位の原稿は、移動手
段303により爪手段305の第1面305a側から引
き抜かれることとなる。また、トレイ301には、移動
手段303により原稿の下流側先端部が上流側へ移動さ
せられることにより、原稿がこの移動手段側に膨らんで
ループを形成するための開口部301aが形成されてい
る。ここで、開口部301aは、原稿がループを形成す
る空間309を提供するためのものであって、図5に示
すような切り欠いた端縁をも含むものとする。これによ
り、空間309内において、妨害されることなく良好に
ループの形成を行うことができる。
【0064】移動手段303は、軸303aと、この軸
303aに固着される支持部303bと、支持部303
bの外周面の一部にローラ径よりも若干大きい外径とな
るように被覆形成された原稿に接触可能な接触部303
cとを有している。この移動手段303は、図示しない
モータなどの回転駆動手段により図中矢印eないしf方
向に正逆回転される構成となっている。接触部303c
としては、後述するように原稿との間の摩擦係数が比較
的大きい所定値になるように、ゴムや発泡樹脂、スポン
ジ等の各種材料を用いることができる。なお、移動手段
303の接触部303cが形成される範囲は、形成する
ループの大きさ等に応じて適宜設定することができる。
【0065】また、移動手段303は、図示のように軸
方向から見て略円形である場合に限られるものではな
く、例えば、略扇形とすることも可能であり、さらに、
軸303aから一の軸直角方向に伸延するアーム形状と
することも可能である。なお、これらの場合には、軸3
03aからの最遠部周辺に、原稿に接触可能な接触部を
形成するとよい。
【0066】圧接手段304は、原稿束を移動手段30
3側へ圧接離反可能に、移動手段303の上方に配置さ
れている。この圧接手段304は、例えばばね部材(図
12参照)等による所定圧接力を原稿束の上面に付与な
いし解除することができるように構成される。圧接手段
304により原稿束に加えられる圧接力は、主として移
動手段303で受けるように構成されるが、圧接力の一
部が爪手段305の第1面305aにも同時に付加され
るように構成することが望ましい。このようにすれば、
移動手段303により、原稿束の最下位の原稿を爪手段
305の第1面305a側から引き抜きやすく、かつ引
き抜いた後に原稿が再度原稿束と爪手段305の第1面
305aとの間に入り込むことを防止することができ
る。
【0067】本実施形態に係る給紙装置30は、移動手
段303の上流側に位置され原稿の上流側への移動を防
止する規制手段として、押圧手段307を備えている。
したがって、押圧手段307は、移動手段303が原稿
束の最下位の原稿に接触して当該原稿の下流側先端部の
みを上流側へ移動させる際に、原稿自体が上流側へずれ
ることを防止する機能を果たす。この押圧手段307
は、原稿束を上方から給紙方向と略直交する方向に押圧
可能に設けられており、圧接手段304と同様に、例え
ばばね部材(図12参照)等による所定押圧力を原稿束
の上面に付与ないし解除することができるように構成さ
れている。なお、規制手段としては、上記した押圧手段
307に代えて、原稿束の上流側端面に当接させる構成
を採用することも可能である。
【0068】さらに、給紙装置30は、トレイ301の
開口部301aにより提供される空間309と原稿束を
挟んで対向する位置に、原稿束と接触するガイド手段3
06を備えている。すなわち、ガイド手段306は、空
間309内において移動手段303により原稿先端部に
ループを形成すべく、そのループ形成側と反対側に設け
られる。なお、ガイド手段306を、ループを形成する
方向とは逆方向に湾曲させ、図中下面側が凹形状となる
ように湾曲面を形成してもよい。このようにすれば、ル
ープ形成時に作用する力で原稿束がガイド手段306の
湾曲面に当接して安定するので、原稿束から最下位の1
枚の原稿のみを分離してループを形成しやすくなる。な
お、この場合には、圧接手段304や爪手段305等の
部材の位置を若干下げるように調整する必要がある。
【0069】また、ガイド手段306は、図示しない駆
動手段により上下動可能とされており、通常時には原稿
束から所定距離離間した上方位置にあり、一方、上記し
たループ形成時には原稿束の上面と接触する下方位置に
移動させられるようになっている。
【0070】図5の平面図に示すように、上記した圧接
手段304、爪手段305、押圧手段307およびガイ
ド手段306は、原稿給紙方向に直交する方向、つまり
幅方向の端部近傍に配置するのが好ましい。このように
すれば、図示しない駆動手段および駆動力伝達手段等の
配置が容易となり、給紙装置全体をコンパクト化するこ
とができる。
【0071】また、先端規制手段302の下流側に、図
示しない回転駆動手段により回転可能な一対のローラに
より構成される搬送手段308が配置される。この搬送
手段308により、トレイ301上の原稿束から1枚分
離されて送られる原稿が、下流側に配置されるADF2
0のレジストローラ対205に向けて搬送されるように
なっている。
【0072】本実施形態の給紙装置は上記のように構成
されており、以下その作用について説明する。図6〜図
8は、給紙装置の動作を説明するための図である。
【0073】まず、図6(A)に示すように、例えば複
写しようとする複数の原稿からなる原稿束を、原稿束の
下流側先端部が先端規制手段302および爪手段305
の第1面305aに当接するように、給紙装置30のト
レイ301上に載置する。このとき、圧接手段304、
押圧手段307およびガイド手段306は、原稿束から
離間して所定の上方位置に退避している。
【0074】図示しないコピースタートキーが押される
と、図6(B)に示すように、圧接手段304、押圧手
段307およびガイド手段306が、図示しない駆動手
段により下方に移動される。こうして、トレイ301上
の原稿束には、圧接手段304による所定の圧接力、押
圧手段307による所定の押圧力が付与される。一方、
ガイド手段306は、原稿束の上面に接触するように移
動されれば十分であるが、所定の接触圧が原稿束に付与
されるようにしてもよい。
【0075】次いで、図7(C)に示すように、移動手
段303を図中矢印e方向に所定角度だけ回転させる。
このとき、圧接手段304による圧接力によりトレイ3
01上の原稿束の最下位の原稿と移動手段303との間
に接触圧が生じているので、原稿Dの下流側先端部は、
移動手段303との摩擦力により爪手段305の第1面
305a側から引き抜かれて上流側へ移動する。そし
て、さらに上流側に移動されることにより、原稿の下流
側先端部には、開口部301aから突出するように、下
側に凸形状となるようなループが空間309内に形成さ
れる。また、押圧手段307により所定の押圧力を原稿
束の上面に付与するようにしたので、原稿自体が押圧力
がかかる点から上流側へ移動することが防止され、所望
の大きさのループの形成を安定して確保することができ
る。ここで、原稿束の上面に接触するようにガイド手段
306が設けられているので、ループ形成時にトレイ3
01上の原稿束がループ形成方向と逆側に撓むのを防止
することができる。したがって、原稿先端部のループを
空間309内で安定して形成することができる。
【0076】また、爪手段305の原稿との接触面、す
なわち第1面305aの給紙方向長さをL1 、先端規制
手段302から移動手段303が原稿と接触する点まで
の長さをL2 、とした場合に、移動手段303が原稿の
先端部を上流側へ移動させる長さL3 が、L1 <L3 <
L2 となるように、移動手段303を図中矢印e方向に
所定角度だけ回転させるようにする。これにより、原稿
の下流側先端部は、爪手段305から確実に上流側へ引
き出され、かつ移動手段303の上流側へ回り込まない
位置で保持することができる。したがって、爪手段30
5と移動手段303との間から原稿が下流側に送られる
経路が容易かつ確実に形成される。このようにすれば、
原稿にストレスをかけることなく給紙を滑らかに最短距
離で行うことができ、しかもコンパクトな構成とするこ
とができる。
【0077】また、押圧手段307により原稿束に押圧
力を付与する位置は、圧接手段304から押圧手段30
7までの長さをL4 、移動手段303が原稿と接触する
点からトレイ301の開口部301aの上流側端縁まで
の長さをL5 とした場合に、L4 >L5 にとなるように
設定する。これにより、開口部301aよりも上流側を
確実に保持して原稿自体の上流側への移動を規制しつ
つ、原稿の下流側先端部にループを形成することができ
る。
【0078】次に、図7(D)に示すように、移動手段
303を図中矢印f方向に回転させる。このとき、トレ
イ301上の原稿束には、圧接手段304による所定の
圧接力、押圧手段307による所定の押圧力が付与され
た状態が維持される。したがって、圧接手段304によ
る圧接力によりトレイ301上の原稿束の最下位の原稿
と移動手段303との間に接触圧が生じているので、原
稿の下流側先端部は下流側へ移動され、形成されていた
上記ループが次第に小さくなる。そして、移動手段30
3の接触部303cが原稿から丁度離れるときには、原
稿は平らに伸展される。このとき、圧接手段304によ
る原稿束への圧接力が維持されているため、爪手段30
5の上方、すなわち第1面305aと原稿束との間には
隙間がなく、したがって、原稿の下流側先端部は、爪手
段305の下方、すなわち第2面305b側に送られ
る。
【0079】こうして原稿の下流側先端部のループが消
滅するが、移動手段303は、さらに図中矢印f方向に
回転させられる。このとき、図8(E)に示すように、
押圧手段307およびガイド手段306が上方に移動さ
れ、押圧手段307による原稿束への所定の押圧力が解
除される。したがって、移動手段303が1回転させら
れてその接触部303cが再度原稿の下面に当接される
ことにより、原稿が押圧手段307による規制から解放
されて下流側の搬送手段308へと送られる。なお、原
稿の下流側先端部のループの消滅後にさらに移動手段3
03を回転させて原稿を搬送手段308へ送る構成につ
いて説明したが、トレイ301上の原稿束の下流側先端
部に接触して用紙を下流側に送る給送手段を、別途新た
に設置することも可能である。このようにすれば、原稿
の分離と給紙とを独立して行うことによって、より迅速
な給紙を行うことができる。
【0080】図8(F)に示すように、原稿の下流側先
端部が搬送手段308に到達すると、移動手段303の
回転が停止されて、次の原稿の分離給紙のための準備態
勢をとった状態で保持される。また、圧接手段304が
上方に移動して原稿束への所定の圧接力の付与が解除さ
れる。そして、搬送手段308が図中矢印g方向に回転
駆動される。原稿は、圧接手段304による抵抗からも
解放されてスムーズに、下流側に配置されるADF20
のレジストローラ対205に向けて、搬送手段308に
より挟持搬送される。
【0081】このように本実施形態によれば、押圧手段
307により所定の押圧力を原稿束の上面に付与するよ
うにしたので、原稿自体が押圧力がかかる点から上流側
へ移動することが防止され、所望の大きさのループの形
成を安定して確保することができる。また、原稿束の上
面に接触するようにガイド手段306を設けたので、一
旦給紙方向とは逆側に原稿の一部を一定量移動させてル
ープを形成するときに、トレイ301上の原稿束がルー
プ形成方向と逆側に撓むのを防止することができ、原稿
先端部のループを空間309内で安定して形成すること
ができる。これにより、原稿1枚のみのループを安定し
て形成しながら原稿束から原稿の1枚を確実に分離する
ことができ、したがって、原稿の給紙ミスや重送を防止
することができる。また、小さな搬送力で原稿を搬送す
ることができると共に、原稿間の摺擦長さが短いので原
稿上の印刷剤や電子写真像等が原稿の裏面を汚すことも
防止することができる。しかも、コンパクトで安価な給
紙装置を実現することができる。
【0082】《他の実施形態に係る給紙装置》図9
(A)(B)は、他の実施形態に係る給紙装置の概略構
成図である。
【0083】図9に示す給紙装置40,50は、ガイド
手段406,506が可撓性を有する板状体、例えば樹
脂板、板紙、板ばね等により形成され、それぞれ圧接手
段304、押圧手段307の下面を覆うように連結され
ている点で、上記した実施形態と相違している。但し、
他の点については同様であるため共通する部材には同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】この実施形態によれば、ガイド手段40
6,506を圧接手段304ないし押圧手段307と共
に移動させることができるばかりか、原稿束への確実な
接触を確保することができる。また、ガイド手段40
6,506が可撓性を有しているので、ループ形成時に
作用する力によって、原稿束をガイド手段406,50
6に沿ってより確実に当接させることができる。したが
って、より安定して原稿束から原稿1枚のみを分離して
ループを形成することが可能となる。
【0085】図10は、さらに他の実施形態に係る給紙
装置の概略構成図である。
【0086】図10に示す給紙装置60は、可撓性を有
するガイド手段606が、圧接手段304および押圧手
段307の下面を覆うように、両者と連結されている点
で図9に示す給紙装置と相違しているが、他の点につい
ては同様であるため共通する部材には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0087】この実施形態によれば、ガイド手段606
を、圧接手段304および押圧手段307と共に移動さ
せることができるばかりか、原稿束への確実な接触を確
保することが可能となる。また、ガイド手段606が可
撓性を有しているので、ループ形成時に作用する力によ
って、圧接手段304および押圧手段307の動きに応
じて、原稿束をガイド手段606に沿ってより一層確実
に当接させることができる。
【0088】ここで、ガイド手段606および原稿間の
摩擦係数μ1 は、各原稿間の摩擦係数μ2 より大きく設
定されている。これにより、トレイ301上の原稿が2
枚となったときに、移動手段303により原稿の下流側
先端部が2枚同時に移動されてループ形成がされること
を防止することができる。また、ガイド手段606およ
び原稿間の摩擦係数μ1 は、原稿および移動手段303
間の摩擦係数μ3 より小さく設定されている。これによ
り、トレイ301上の原稿が最後の1枚となったとき
に、移動手段303により原稿の下流側先端部を容易に
移動させてループを形成することが可能となる。この結
果、 μ2 <μ1 <μ3 となって、原稿および移動手段
303間の摩擦係数μ3 は、各原稿間の摩擦係数μ2 よ
り大きく設定されることとなり、トレイ301上に多数
の原稿が積載されている場合に、原稿を1枚ずつ安定し
て分離してループを形成することができる。
【0089】また、圧接手段304による原稿束への圧
接力をN1 、押圧手段307による原稿束への押圧力を
N2 とすると、 N1 (μ3 −μ1 )<N2 (μ1 +μ4 ) に設定されている。なお、μ1 ,μ3 は、前述した通り
であり、μ4 はトレイ301および原稿間の摩擦係数を
表している。これにより、トレイ301上の原稿が最後
の1枚となったときでも、移動手段303により原稿の
下流側先端部が上流側に移動される際に原稿自体が上流
側にずれることが防止される。
【0090】また、1枚の平らな状態の原稿に対してル
ープを形成するために必要な移動手段303から原稿に
伝達される搬送力Pは、 N1 (μ3 −μ1 )>P>N1 ・μ2 に設定されている。なお、N1 、μ1 ,μ2 ,μ3 は、
前述した通りである。これにより、ループの形成を可能
ならしめると共に、最下位の原稿より上位の原稿にルー
プが形成されないようにすることができる。
【0091】図11は、さらに他の実施形態に係る給紙
装置の平面図、図12は、図11に示される給紙装置の
要部を示す一部を切り欠いた概略斜視図である。
【0092】図示する給紙装置70では、移動手段30
3を原稿の下流側先端の角部に接触するように配置して
おり、また、この移動手段303により原稿の給紙方向
下流側先端部を上流側に移動させる方向として、給紙方
向(搬送手段308による原稿搬送方向と同じであ
る。)と反対の方向に対して、90度より小さい所定角
度だけ原稿の中央寄りに偏向するように設定した点で、
図10に示す給紙装置と相違している。但し、図10に
示す給紙装置と機能が共通する部材については同一の符
号を付し、その説明を省略する。
【0093】この実施形態では、先端規制手段302、
移動手段303、圧接手段304、爪手段305、押圧
手段307およびガイド手段606等は、ADF20の
本体ケースに取り付けられる支持枠体701に収容され
てユニット化され、きわめてコンパクトな構成となって
いる。なお、トレイ301上の原稿束の下流側先端部に
接触して用紙を下流側に送る給送手段720が設置さ
れ、分離後の原稿の搬送手段308に向けての給送を独
立して行うように構成されている。
【0094】押圧手段307は、ばね部材702,70
2を介して支持枠体701に取り付けられている。支持
枠体701には、ピン704,704および支持枠体7
01の反対側の図示しないピンを中心として図中矢印h
ないしi方向に揺動可能に、揺動枠体703が取り付け
られている。一方、圧接手段304は、ばね部材70
5,705を介して揺動枠体703に取り付けられてい
る。なお、これらのばね部材702,705は、常時図
中下方に弾発力を付勢する構成とされている。
【0095】圧接手段304および押圧手段307の原
稿束に向けての圧接離反移動は、回転伝達機構706、
カム部材707、ギア708〜710を介して、一つの
図示しないモータ等の回転駆動手段により行われる。す
なわち、モータ等の主軸に固着されるギアに噛合するギ
ア710が回転されると、ギア709からギア708に
回転が伝えられ、ギア708の外周部近傍に立設された
ピン708aに係合するカム部材707が上下動され
る。これにより、カム部材707に係合される回転伝達
機構706のカム部材707側のアーム部材706a,
706dが回動され、軸706c,706fを介して反
対側のアーム部材706b,706eが回動されること
によって、圧接手段304、押圧手段307が上下動さ
れる構成となっている。
【0096】なお、これらのギア708〜710は、揺
動枠体703に軸支されている。また、移動手段303
は、ギア710の軸711に固着されており、上記した
同じ回転駆動手段により回転させられる構成となってい
る。圧接手段304、押圧手段307および移動手段3
03それぞれの駆動のタイミングや移動距離等は、各駆
動伝達部材の諸寸法の設定等により適宜設計することが
可能である。なお、符号「713」は、図示しない光セ
ンサにより、軸711の回転方向位置を検出するための
検出板を示している。
【0097】また、ギア710の軸711には断面扇形
のカム部材712が固着されており、軸711が図中矢
印e方向に回転されてこのカム部材712が支持枠体7
01に取り付けられた図示しない固定部材に当接するこ
とによって、図示しないばね部材により常時図中矢印h
方向に付勢される揺動枠体703全体を、図中矢印i方
向に所定角度揺動させるようになっている。これによ
り、原稿の給紙方向下流側先端部にループ形成するとき
には、可撓性を有するガイド手段606に、下面側が凹
形状となるような湾曲面が形成される。したがって、ル
ープ形成時に作用する力によって、圧接手段304およ
び押圧手段307の動きに応じて、原稿束がガイド手段
606の湾曲面に確実に当接して安定するので、原稿束
から最下位の1枚の原稿のみを分離してループを形成す
ることが容易となる。
【0098】この実施形態によれば、原稿の搬送方向先
端の角部を、原稿給紙方向と反対の方向に対して90度
より小さい所定角度だけ原稿の中央寄りに偏向させた方
向に移動させてループを形成するようにしたので、原稿
のサイズによらず安定したループの形成を行うことがで
きる利点が大きい。また、通常原稿などの用紙には筋目
が存在し、この筋目の方向によりループの形成のし易さ
が異なるものであるが、筋目は通常用紙の幅方向かある
いは長手方向に現れる。したがって、上記90度より小
さい所定角度を45度に設定することにより、この筋目
の影響をも除去することが可能となる。
【0099】なお、本発明は、上述した実施の形態のみ
に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内にお
いて当業者により種々の変形が可能である。
【0100】例えば、上述した実施の形態では、トレイ
上の用紙束から最下位の用紙を1枚ずつ給紙する「下出
し」の給紙装置について説明したが、本発明は、これに
限られるものではなく、トレイ上の用紙束から最上位の
用紙を1枚ずつ給紙する「上出し」の給紙装置にも適用
できることは言うまでもない。
【0101】図13は、他の実施形態に係る上出しの給
紙装置の概略構成図である。
【0102】このような上出しの給紙装置80の場合に
は、図13に示すように、爪手段305は用紙束の下流
側先端部の上面側に設けられることとなる。なお、図4
に示す給紙装置と機能が共通する部材については同一の
符号を付し、その説明を省略する。この上出しの給紙装
置80では、ガイド手段806を可撓性を有する板状体
により形成し、一端をトレイ301上に固着すると共に
他端を圧接手段804の下面を覆うようにして両者を連
結することが好ましい。また、押圧手段307を用紙束
の上方に位置させる。これにより、ガイド手段を確実に
用紙束に接触させて支持することができ、また、押圧手
段307によりループを形成する用紙を直接かつ容易に
押圧することができる。なお、ガイド手段を圧接手段に
一体的に形成して剛性のある板状のものとすることも可
能であり、このようにすれば、所望の機能を確保した簡
易な上出しの給紙装置の構成を実現することができる。
【0103】また、この場合には、図10に示した給紙
装置において説明したことと同様な理由により、ガイド
手段および用紙間の摩擦係数をμ1 、各用紙間の摩擦係
数をμ2 、用紙および移動手段303間の摩擦係数をμ
3 、トレイ301および用紙間の摩擦係数をμ4 、押圧
手段307および用紙間の摩擦係数をμ5 、圧接手段8
04による用紙への圧接力をN1 、押圧手段による用紙
への押圧力をN2 とした場合には、μ2 <μ1 <μ3 、
N1 (μ3 −μ1 )<N2 (μ4 +μ5 )に設定する
必要がある。
【0104】図14(A)は、原稿流し撮り装置に取り
付けられるさらに他の実施形態に係る上出しの給紙装置
を用いたADFの概略構成図、図14(B)は、(A)
に示される給紙装置をコンパクト化されたADFに用い
た場合の概略構成図、図14(C)は、原稿流し撮り装
置に取り付けられる従来の上出しの給紙装置を用いたA
DFの概略構成図である。
【0105】図14に示すADFは、イメージリーダで
あるCCDセンサ等が内蔵されている図示しない原稿流
し撮り装置本体の上に配置されるものである。
【0106】図14(A)(B)に示すADFは、給紙
装置90を有しており、さらに、レジストローラ対90
5、搬送ローラ対906、反転ローラ907、排出ロー
ラ対908および排出トレイ909を有している。な
お、図中符号910は、搬送経路を切り替えるための切
替爪を示す。
【0107】この給紙装置90では、図13に示す装置
と同様に、爪手段305は用紙束の下流側先端部の上面
側に設けられており、移動手段303は、トレイ301
上に積載保持された原稿束の最上位の原稿に接触するよ
うに配置され、また、圧接手段304は、原稿束の下方
に配置されている。なお、図4に示す給紙装置と機能が
共通する部材については同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0108】この図14(A)に示すADFが取り付け
られる原稿流し撮り装置では、給紙装置90から給紙さ
れる原稿は、搬送手段308を経て、レジストローラ対
905でタイミングが取られ、そして原稿を送りなが
ら、原稿読取り位置Pにてその原稿の画像が読み取られ
る。なお、図14(B)に示すADFは、反転機構等を
省略したものである。
【0109】一方、図14(C)に示す従来のADFが
取り付けられる原稿流し撮り装置では、摩擦パッド方式
や分離爪方式により、図14(C)に示す給紙装置95
のように、ピックアップローラ951により給紙が行わ
れる。この場合は、搬送抵抗により用紙が振動し易いの
で、高精度で読取りを行うためには、原稿が給紙装置9
5を抜けた後に原稿読取り位置Pに達するように、給紙
部から原稿読取り位置Pまでの搬送路の長さL0 =(L
a0+Lb0+Lc0)を、所定値以上に長くしなければなら
ない。
【0110】これに対し、本実施形態によれば、搬送抵
抗が小さく、小さな搬送力で原稿を搬送することができ
ることから、原稿が給紙装置90を抜ける前に原稿の先
端が原稿読取り位置Pに達しても差し支えなく、良好な
原稿読取りを確保することができる。したがって、給紙
部から原稿読取り位置Pまでの搬送路の長さL1 =(L
a1+Lb1+Lc1)、L2 =(La2+Lc2)を、従来の搬
送路の長さL0 に比較して短く設定することが可能とな
り、装置の小型化を図ることができる。
【0111】図15(A)は、本発明に係る上出しの給
紙装置を転写紙給紙装置として用いた複写装置の概略部
分構成図、図15(B)は、従来の上出しの給紙装置を
転写紙給紙装置として用いた複写装置の概略部分構成図
である。
【0112】図15(A)に示す複写装置は、本発明に
係る上出しの給紙装置91を、図2に示すようなカセッ
ト151,152から転写紙をその最上位から給紙する
機構に適用したものである。なお、図2および図4に示
す部材と機能が共通する部材については同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0113】この実施形態によれば、搬送抵抗が小さ
く、小さな搬送力で転写紙を搬送することができること
から、転写紙が給紙装置91を抜ける前に転写紙の先端
が画像転写位置Qに達しても差し支えなく、良好な画像
転写を確保することができる。したがって、給紙部から
画像転写位置Qまでの搬送路の長さL1 =(La1+Lb1
+Lc1)を、従来の給紙装置96を用いた場合の搬送路
の長さL0 =(La0+Lb0+Lc0)に比較して短く設定
することが可能となり、装置の小型化を図ることができ
る。
【0114】図16(A)は、本発明に係る上出しの給
紙装置を転写紙給紙装置として用いたプリンタの概略部
分構成図、図16(B)は、従来の上出しの給紙装置を
転写紙給紙装置として用いたプリンタの概略部分構成図
である。
【0115】図16(A)に示すプリンタは、本発明に
係る上出しの給紙装置91を、プリンタの給紙カセット
から転写紙をその最上位から給紙する機構に適用したも
のである。このプリンタでは、所定の画像情報に基づき
レーザ光照射部911により感光ドラム121上で露光
が行われる。なお、図15に示す部材と機能が共通する
部材については同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0116】この実施形態にあっても、転写紙が給紙装
置91を抜ける前に転写紙の先端が画像転写位置Qに達
しても差し支えなく、良好な画像転写を確保することが
できる。したがって、給紙部から画像転写位置Qまでの
搬送路の長さL1 =(La1+Lb1)を、従来の給紙装置
96を用いた場合の搬送路の長さL0 =(La0+Lb0)
に比較して短く設定することが可能となり、装置の小型
化を図ることができ、例えばプリンタの高さD1 を従来
のプリンタの高さD0 よりも低くすることができる。
【0117】このように、本発明の技術的思想に合致す
るように、下出しの給紙装置の各部材の配置等を適宜修
正変更等して上出しの給紙装置に適用することは、当業
者により容易である。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、下
記の効果を奏する。
【0119】請求項1に記載の発明によれば、移動手段
の上流側に位置され用紙が上流側へ移動することを規制
する規制手段を備えたので、用紙先端部にループを形成
する際に用紙自体が上流側へずれることが防止され、所
望のループの形成を安定して確保することができる。し
たがって、用紙の給紙ミスや重送を防止することができ
ると共に小さな搬送力で用紙を搬送することができるコ
ンパクトで安価な給紙装置を実現することができる。
【0120】請求項2に記載の発明によれば、空間内に
おいて妨害されることなく良好にループの形成を行うこ
とができる。
【0121】請求項3に記載の発明によれば、押圧手段
により用紙の表面を押圧して用紙自体が上流側へずれる
ことを防止することができ、所望の大きさのループの形
成を安定して確保することができる。
【0122】請求項4に記載の発明によれば、ループを
形成するための空間と用紙束を挟んで対向する位置に、
用紙束と接触するガイド手段を備えたので、用紙先端部
にループを形成するときに、トレイ上の用紙束がループ
形成方向と逆側に撓むのを防止することができ、用紙先
端部のループを前記空間内で安定して形成することがで
きる。これにより、用紙1枚のみのループを安定して形
成しながら用紙束から用紙の1枚を確実に分離すること
ができる。したがって、用紙の給紙ミスや重送を防止す
ることができると共に小さな搬送力で用紙を搬送するこ
とができるコンパクトで安価な給紙装置を実現すること
ができる。
【0123】請求項5ないし請求項7に記載の発明によ
れば、ガイド手段を圧接手段ないし押圧手段と共に移動
させることができるばかりか、用紙束への確実な接触を
確保することができる。
【0124】請求項8に記載の発明によれば、ループ形
成時に作用する力によって、圧接手段や押圧手段の動き
に応じて、用紙束をガイド手段に沿ってより一層確実に
当接させることができる。したがって、より安定して用
紙束から用紙1枚のみを分離してループを形成すること
が可能となる。
【0125】請求項9に記載の発明によれば、トレイ上
の用紙が2枚となったときに、移動手段により用紙の下
流側先端部が2枚同時に移動されてループ形成がされる
ことを防止することができる。
【0126】請求項10に記載の発明によれば、トレイ
上の用紙が最後の1枚となったときに、移動手段により
用紙の下流側先端部を容易に移動させてループを形成す
ることが可能となる。
【0127】請求項11に記載の発明によれば、用紙に
ストレスをかけることなく当該用紙の給紙を滑らかに最
短距離で行うことができ、コンパクトな構成とすること
ができる。
【0128】請求項12に記載の発明によれば、用紙の
下流側先端部は、爪手段から確実に上流側へ引き出さ
れ、かつ移動手段の上流側へ回り込まない位置で保持す
ることができる。したがって、爪手段と移動手段との間
から用紙が下流側に送られる経路を容易かつ確実に形成
することができる。
【0129】請求項13に記載の発明によれば、開口部
よりも上流側を確実に保持して用紙自体の上流側への移
動を規制しつつ、用紙の下流側先端部にループを形成す
ることができる。
【0130】請求項14に記載の発明によれば、用紙の
分離と給紙とを独立して行うことによって、より迅速な
給紙を行うことができる。
【0131】請求項15に記載の発明によれば、トレイ
上の用紙束から1枚分離されて送られる用紙を、給紙方
向下流側に配置される各種装置に向けて確実に搬送する
ことができる。
【0132】請求項16に記載の発明によれば、トレイ
上に多数の用紙が積載されている場合に、用紙を最下位
の用紙から1枚ずつ最後まで安定して分離してループを
形成することができる。また、トレイ上の用紙が最後の
1枚となったときでも、移動手段により用紙の下流側先
端部が上流側に移動される際に用紙自体が上流側にずれ
ることを防止することができる。
【0133】請求項17に記載の発明によれば、ガイド
手段を確実に用紙束に接触させて支持することができ
る。したがって、所望の機能を確保した簡易な上出しの
給紙装置の構成を実現することができる。
【0134】請求項18に記載の発明によれば、トレイ
上に多数の用紙が積載されている場合に、用紙を最上位
の用紙から1枚ずつ最後まで安定して分離してループを
形成することができる。また、トレイ上の用紙が最後の
1枚となったときでも、移動手段により用紙の下流側先
端部が上流側に移動される際に用紙自体が上流側にずれ
ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る給紙装置を用いた
自動原稿搬送装置が取り付けられた複写装置の側面図で
ある。
【図2】 複写機本体の内部構造を示す概略構成図であ
る。
【図3】 自動原稿搬送装置の内部構造を示す概略構成
図である。
【図4】 給紙装置の概略構成図である。
【図5】 図4に示される給紙装置の平面図である。
【図6】 (A)(B)は、給紙装置の動作を説明する
ための図である。
【図7】 (C)(D)は、図6に続く給紙装置の動作
を説明するための図である。
【図8】 (E)(F)は、図7に続く給紙装置の動作
を説明するための図である。
【図9】 (A)(B)は、他の実施形態に係る給紙装
置の概略構成図である。
【図10】 さらに他の実施形態に係る給紙装置の概略
構成図である。
【図11】 さらに他の実施形態に係る給紙装置の平面
図である。
【図12】 図11に示される給紙装置の要部を示す一
部を切り欠いた概略斜視図である。
【図13】 他の実施形態に係る上出しの給紙装置の概
略構成図である。
【図14】 (A)は、原稿流し撮り装置に取り付けら
れるさらに他の実施形態に係る上出しの給紙装置を用い
たADFの概略構成図、(B)は、(A)に示される給
紙装置をコンパクト化されたADFに用いた場合の概略
構成図、(C)は、原稿流し撮り装置に取り付けられる
従来の上出しの給紙装置を用いたADFの概略構成図で
ある。
【図15】 (A)は、本発明に係る上出しの給紙装置
を転写紙給紙装置として用いた複写装置の概略部分構成
図、(B)は、従来の上出しの給紙装置を転写紙給紙装
置として用いた複写装置の概略部分構成図である。
【図16】 (A)は、本発明に係る上出しの給紙装置
を転写紙給紙装置として用いたプリンタの概略部分構成
図、(B)は、従来の上出しの給紙装置を転写紙給紙装
置として用いたプリンタの概略部分構成図である。
【符号の説明】
10…複写機本体、 20…自動原稿搬送装置(ADF)、 30,40,50,60,70,80,90,91…給
紙装置、 301…トレイ、 302…先端規制手段、 303…移動手段、 304…圧接手段、 305…爪手段、 306,406,506,606…ガイド手段、 307…規制手段(押圧手段)、 308…搬送手段、 309…空間。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙束を積載保持するトレイと、 用紙束の給紙方向下流側先端部を規制する先端規制手段
    と、 前記先端規制手段の給紙方向上流側に位置され用紙に接
    触して当該用紙の下流側先端部を上流側へ移動させる移
    動手段と、 用紙束を前記移動手段側へ圧接する圧接手段と、 用紙束の下流側先端部の前記移動手段側の面を支持する
    爪手段と、を有する用紙束から用紙を1枚ずつ分離して
    送り出す給紙装置であって、 前記移動手段の上流側に位置され用紙が上流側へ移動す
    ることを規制する規制手段を備えたことを特徴とする給
    紙装置。
  2. 【請求項2】 前記移動手段により用紙の下流側先端部
    が上流側へ移動させられて用紙が当該移動手段側に膨ら
    みを形成するための空間を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は、用紙束を給紙方向と略
    直交する方向に押圧する押圧手段であることを特徴とす
    る請求項1記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 前記空間と用紙束を挟んで対向する位置
    に、用紙束と接触するガイド手段を備えたことを特徴と
    する請求項2記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド手段は、前記圧接手段の用紙
    束側を覆うように当該圧接手段と連結されていることを
    特徴とする請求項4記載の給紙装置。
  6. 【請求項6】 前記規制手段は、用紙束を給紙方向と略
    直交する方向に押圧する押圧手段であり、前記ガイド手
    段は、前記押圧手段の用紙束側を覆うように当該押圧手
    段に連結されていることを特徴とする請求項4記載の給
    紙装置。
  7. 【請求項7】 前記規制手段は、用紙束を給紙方向と略
    直交する方向に押圧する押圧手段であり、前記ガイド手
    段は、前記圧接手段および前記押圧手段の用紙束側を覆
    うように、両者と連結されていることを特徴とする請求
    項4記載の給紙装置。
  8. 【請求項8】 前記ガイド手段は可撓性を有することを
    特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の給紙装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ガイド手段および用紙間の摩擦係数
    は、各用紙間の摩擦係数より大きいことを特徴とする請
    求項7記載の給紙装置。
  10. 【請求項10】 前記ガイド手段および用紙間の摩擦係
    数は、用紙および前記移動手段間の摩擦係数より小さい
    ことを特徴とする請求項7記載の給紙装置。
  11. 【請求項11】 前記爪手段と前記移動手段との間から
    用紙が下流側に送られることを特徴とする請求項1記載
    の給紙装置。
  12. 【請求項12】 前記爪手段の用紙との接触面について
    の上流側への用紙先端部移動方向の長さをL1 、前記先
    端規制手段から前記移動手段が用紙と接触する点までの
    上流側への用紙先端部移動方向の長さをL2 、前記移動
    手段が用紙先端部を上流側へ移動させる長さをL3 とし
    た場合に、 L1 <L3 <L2 に設定したことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  13. 【請求項13】 前記空間は前記トレイに設けられた開
    口部により提供され、前記圧接手段から前記規制手段ま
    での上流側への用紙先端部移動方向の長さをL4 、前記
    移動手段が用紙と接触する点から前記開口部の上流側端
    縁までの上流側への用紙先端部移動方向の長さをL5 と
    した場合に、 L4 >L5 に設定したことを特徴とする請求項2記載の給紙装置。
  14. 【請求項14】 前記先端規制手段の上流側に位置さ
    れ、前記トレイ上に保持される用紙束の下流側先端部に
    接触して用紙を下流側に送る給送手段を備えたことを特
    徴とする請求項1記載の給紙装置。
  15. 【請求項15】 前記先端規制手段の下流側に位置さ
    れ、前記トレイから送られる用紙を下流側に搬送する搬
    送手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の給紙装
    置。
  16. 【請求項16】 前記爪手段は用紙束の下流側先端部の
    下面側に設けられ、前記ガイド手段および用紙間の摩擦
    係数をμ1 、各用紙間の摩擦係数をμ2 、用紙および前
    記移動手段間の摩擦係数をμ3 、前記トレイおよび用紙
    間の摩擦係数をμ4 、前記圧接手段による用紙への圧接
    力をN1 、前記押圧手段による用紙への押圧力をN2 と
    した場合に、 μ2 <μ1 <μ3 N1 (μ3 −μ1 )<N2 (μ1 +μ4 ) に設定したことを特徴とする請求項7記載の給紙装置。
  17. 【請求項17】 前記爪手段は用紙束の下流側先端部の
    上面側に設けられ、前記ガイド手段は、前記圧接手段と
    一体的に形成されていることを特徴とする請求項4記載
    の給紙装置。
  18. 【請求項18】 前記爪手段は用紙束の下流側先端部の
    上面側に設けられ、前記規制手段は用紙束を給紙方向と
    略直交する方向に押圧する押圧手段であり、前記ガイド
    手段および用紙間の摩擦係数をμ1 、各用紙間の摩擦係
    数をμ2 、用紙および前記移動手段間の摩擦係数をμ3
    、前記トレイおよび用紙間の摩擦係数をμ4 、前記押
    圧手段および用紙間の摩擦係数をμ5 、前記圧接手段に
    よる用紙への圧接力をN1 、前記押圧手段による用紙へ
    の押圧力をN2 とした場合に、 μ2 <μ1 <μ3 N1 (μ3 −μ1 )<N2 (μ4 +μ5 ) に設定したことを特徴とする請求項5記載の給紙装置。
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