JP2622542B2 - 用紙搬送方向変換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に
おいて、用紙の両面へ記録を行う際等に用いられる用紙
搬送方向変換装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、複写機，プリンター等の画像形成装置におい
て、用紙の両面に画像を記録する両面記録を行う場合、
給紙トレーから一枚ずつ給紙された用紙の片面に画像形
成装置本体で記録を行った後、その裏面へも記録を行う
ため、片面記録ずみの用紙の搬送方向を変換させて、該
片面記録用紙を再度転写部へ搬送するようにしている。

かかる用紙搬送方向変換装置としては、従来、例えば
特開昭52−149128号公報には、第５図（Ａ）〜（Ｃ）に
示すような構成のものが開示されている。すなわち、互
いに圧接した３個の方向付けローラ51,52,53と、用紙通
路変更装置54、一度に一枚の用紙を受け入れる中間ホッ
パ55とを供えており、両面記録時には、用紙通路変更装
置54は第５図（Ａ）に示すように位置決めされていて、
搬送ローラ56を介して搬送されてきた片面記録済みの用
紙は、ローラ51,52間で搬送されて中間ホッパ55に一旦
収容される。

次いで、用紙通路変更装置54は第５図（Ｂ）に示すよ
うに切り換えられ、前記中間ホッパ55から出てくる用紙
はローラ52,53で搬送され、次いで搬送ローラ57により
再び裏面記録のために転写部へ向けて搬送される。裏面
記録済みの用紙が搬送ローラ56により搬送されてくる
と、用紙通路変更装置54は第５図（Ｃ）に示すように切
り換えられ、用紙はローラ51,52により排紙トレー58に
向けて排出されるようになっている。

このように上記公報開示のものは、用紙の搬送方向を
変換するには、用紙一枚毎にその変換の都度、用紙通路
変更装置の切換装置を行わねばならないという欠点があ
った。

このような欠点を解消するものとして、第６図に示す
ような構成のものが知られている。図において、101a,
b、102a,bは図示しない画像形成装置本体で記録された
用紙103を搬送する、それぞれ一対の搬送ローラであ
り、104は前記搬送ローラ101a,b、102a,b間に配置され
た切換ゲート板で、片面及び両面記録モードに応じて切
換操作されるようになっている。105は両面記録モード
時に用紙103の搬送方向を反転させるための反転案内部
で、該反転案内部105の先端突当壁部105aと前記搬送ロ
ーラ101a,bのニップ部106との間の距離が用紙103の長さ
より短くなるように構成されている。107は用紙103の後
端部を押圧するための押圧シートで、反転案内部105に
その一端が取り付けられている。108は前記ゲート板104
の直前に配置されている搬送ローラ101a,bの下側の搬送
ローラ101bと圧接するように設けられた用紙搬送方向変
換ローラで、109は両面記録用中間トレーである。なお1
10,111,112は用紙ガイドである。

このような構成の用紙搬送方向変換装置において、両
面記録モード時においては切換ゲート板104は下向きに
切り換えられ、片面に記録された用紙103は搬送ローラ1
01a,b及びゲート板104を通って反転案内部105に向けて
搬送される。反転案内部105の先端突当壁部105aに片面
記録の用紙103の先端が突き当たると、該用紙103の後端
部103aは図示のようにカールし、下部搬送ローラ101bに
よって搬送方向変換ローラ108との圧接部に向けて移送
される。次いで下部搬送ローラ101bと搬送方向変換ロー
ラ108により用紙103は搬送方向が変換されて、中間トレ
ー109に向けて搬送されるようになっている。すなわち
切換ゲート板104を切り換えたまま、片面記録の用紙を
順次反転させて中間トレー109に搬送できるように構成
されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記第６図に示した構成の用紙搬送方向変
換装置においては、用紙の先端が反転案内部105の先端
突当壁部105aに突き当たった際、用紙103の後端部103a
は第６図において点線で示すように、Ｓ字型に湾曲する
ことがあり、このように湾曲すると、用紙後端縁から下
側搬送ローラ101bの表面に突き当たらず、該後端縁が搬
送ローラ101b面上に載置された状態となり、該搬送ロー
ラ101bの表面上を滑動し、該搬送ローラ101bに連れ添っ
て移送されない状態となる。したがってこの場合は用紙
後端部103aは用紙搬送方向変換ローラ108に移送され
ず、用紙103の中間トレー109への搬送が不可能になると
いう問題点があった。

本発明は、従来の用紙搬送方向変換装置における上記
問題点を解決するためになされたもので、用紙後端部を
確実に搬送ローラから用紙搬送方向変換ローラへ移送さ
せることができる用紙搬送方向変換装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上記問題点を解決するため、本発明の用紙搬送方向変
換装置は、用紙を搬送する搬送ローラと、上記搬送ロー
ラによる用紙搬送方向の下流側に設けられ、用紙の紙面
垂直方向の動きを規制する入口部と、上記搬送ローラの
ニップ部までの距離が上記用紙の長さより短くなるよう
配置された先端突当壁部とを有する反転案内部と、上記
反転案内部の入口部と上記搬送ローラのニップ部とを結
ぶ直線に対して突出し、上記反転案内部に搬送される用
紙の後端部が上記の突出に沿った形のカールを形成する
ようにしたカール形成部材と、上記反転案内部に搬送さ
れた用紙をその搬送方向を変換して搬送するため、上記
搬送ローラと略並列に設けられ、かつ、変換された搬送
方向において上記カール形成部材よりも下流側であっ
て、上記反転案内部の入口部と上記搬送ローラのニップ
部とを結ぶ直線に対してカール形成部材の突出する側と
は反対側に設けられた用紙搬送方向変換ローラと、を有
することを特徴とする。

このように構成することにより、反転案内部の先端突
当壁部に用紙が突き当たると、用紙の後端部は、カール
形成部材の突出に沿って用紙搬送方向変換ローラとは反
対側が凸になるようにカールし、搬送ローラの表面に連
れ添って用紙搬送方向変換ローラに向けて移送され、用
紙は用紙搬送方向変換ローラによって確実に搬送され
る。

〔実施例〕

以下実施例について説明する。第１図は本発明に係る
用紙搬送方向変換装置の一実施例を適用した画像形成装
置の全体構成を示す概略線図であり、この構成例はイオ
ンフロー方式の記録ヘッドを用いたプリンターとして構
成したものを示している。図において、１は誘電体ドラ
ム、２は該誘電体ドラム１上に記録すべき画像信号に対
応して変調されたイオン流をドット状に放射して静電荷
像を形成するための記録ヘッド、３は誘電体ドラム１上
の静電荷像をトナー現像するための現像装置、４は該ド
ラム１上のトナー像を用紙に転写するための転写ローラ
で、誘電体ドラム１に圧接して従動するようになってい
る。５は装置本体６の下方に配設されたエレベータ給紙
ユニット、7,8は該エレベータ給紙ユニット５に積載収
納されている用紙９を転写部に向けて、一枚ずつ分離し
て給紙するための給紙ローラとリタード、10は装置本体
６の側方に配置された通常の給紙トレー、11,12は該給
紙トレー10から用紙を分離給送するための給紙ローラと
リタード、13,14,15,16,17,18は用紙ガイド、19,20,21,
22はそれぞれ一対の搬送ローラである。

23は前記搬送ローラ21,22間に配置された切換ゲート
板で、片面及び両面記録モードに応じて切換操作される
ようになっていて、片面記録モード時には用紙を用紙ガ
イド18を介して搬送ローラ22に向けて搬送し、両面記録
時には用紙を次に述べる反転案内部24へ向けて搬送する
ようになっている。24は両面記録モード時に用紙を反転
させるための反転案内部、25は該反転案内部24に搬入さ
れた用紙の後端部を上向き山形状にカールさせるための
カール形成部材で、第２図の拡大部分図に示すように、
前記搬送ローラ21のニップ部21′と反転案内部24の入口
24aとを結ぶ直線ｌより突出するように、前記ゲート板2
3上に形成されている。26は用紙の該後端カール部を押
さえるためのマイラー等からなる押圧シートで、一端が
前記反転案内部24の入口24aに固着され、他端は前記搬
送ローラ21の近傍まで延び自重で垂れ下がるように配置
されている。27は前記ゲート板23の直前の搬送ローラ21
の下側搬送ローラ21aの支軸28と僅かな角度（約１度）
で交差するように配置した支軸29に取り付けられ、前記
下側搬送ローラ21aと圧接する用紙搬送方向変換ロー
ラ、31は装置本体６の下面とエレベータ給紙ユニット５
の上面との間に配置れた両面記録用中間トレーである。
なお、搬送ローラ21のニップ部21′と反転案内部24の先
端突当壁部24bとの間の距離は、用紙の長さより短くな
るように設定されている。また前記中間トレー31は、搬
入用紙の側縁及び先端を規制して収納するための側縁規
制板32と先端規制板33と、傾動可能なトレー底板34と、
搬入用紙を各規制板32,33に向けて搬送するための斜行
ローラ35と、用紙後端押圧板36とを備えている。

次にこのように構成されている用紙搬送方向変換装置
を用いた画像形成装置の動作について説明する。まずエ
レベータ給紙ユニット５から給紙を行って、両面記録を
行う場合について説明する。両面記録モード信号を入力
することにより、切換ゲート板23は第１図及び第２図の
拡大図において実線で示すように下向きに切り換えら
れ、転写された用紙は反転案内部24へ搬送されるように
セットされる。

この状態においてエレベータ給紙ユニット５から給紙
が行われるが、まずエレベータ機構が上昇して図示しな
い紙面高さセンサがONになると、エレベータ上昇動作が
停止する。しかるのちエレベータ給紙ローラ７が回転し
て用紙９を一枚ずつ分離して転写部に向けて搬送する。
給紙ローラ７により搬送された用紙９は転写部におい
て、誘電体ドラム１よりトナー像が転写され、搬送ロー
ラ20,21を通過し、更にゲート板23を通って反転案内部2
4に向けて搬送される。

第３図に示すように、反転案内部24の先端突当壁部24
bに転写された用紙9aの先端が突き当たると、用紙9aの
長さが反転案内部24の先端突当壁部24bと搬送ローラ21
のニップ部21′との距離より長いので、用紙9aの後端部
9bはゲート板23に突出して設けられているカール形成部
材25により確実に上向き、すなわちカール形成部材の突
出に沿って用紙搬送方向変換ローラ27とは反対側が凸と
なるようにカールされ、そのカール部は押圧シート26に
より下向きに押圧される。それにより用紙9aの後端縁9
b′は下部搬送ローラ21aの表面に突き当たり、その表面
に連れ添って用紙搬送方向変換ローラ27との接触部に向
けて移送される。次いで下部搬送ローラ21aと用紙搬送
方向変換ローラ27により、反転した用紙9aは中間トレー
31に向けて搬送が開始される。

その際、下部搬送ローラ21aと用紙搬送方向変換ロー
ラ27により、用紙9aは中間トレー31の側縁規制板32より
離れる方向に、若干外側に向けて斜めに搬送され、搬送
ローラ対21a,27に達するまでの搬送ずれ等があっても、
搬入される用紙9aが中間トレー31の入口角部等に接触し
たりしないようになっている。

反転した用紙9aが用紙搬送方向変換ローラ27により搬
送され始めると、用紙通過センサ27により検出され、そ
れにより中間トレー31において斜行ローラ35が一定時間
後に回転を開始し、一定時間継続回転する。そしてこの
用紙搬送方向変換ローラ27により搬送され中間トレー31
に搬入された用紙9aは、中間トレー31の底板34上におい
て、斜行ローラ35によって側縁規制板32に向けて、先の
用紙搬送方向変換ローラ27による搬送方向とは反対方向
に斜行するように搬送され、用紙9aの側縁部は側縁規制
板32に接触して規制され、一方用紙先端部は先端規制板
33に当接して規制されて収納される。

以下同様にして、表面にトナー像を転写した用紙9aが
順次中間トレー31に、その側縁と先端がそれぞれ側縁規
制板32と先端規制板33で規制されながら、整然と積載収
納される。なお、この中間トレー31への用紙9aの収納時
には、用紙9aの後端縁は後退位置にある用紙後端押圧板
26にほぼ接触するようになっている。

中間トレー31に設定された枚数だけ転写された用紙9a
が収納されると、エレベータ給紙ユニット５からの給紙
を停止して中間トレー31への排紙を停止し、切換ゲート
板23が第１図〜第３図において一点鎖線で示すように、
上方へ切り換えられる。次いでエレベータ機構を上昇さ
せ、その用紙９の上面で中間トレー31の底板34を押し上
げトレー底板34のロックを外した後、エレベータ機構を
下降させ、それに伴って第４図（Ａ）に示すようにトレ
ー底板34を回動させ、その先端部を下降させる。この下
降動作に連動して斜行ローラ35を中間トレー31への積載
収納用紙9aの上面より離間させると共に、第４図（Ｂ）
に示すように、積載収納用紙9aを用紙後端押圧板36で給
紙ローラ７に向けて押圧移動させる。

次いで再びエレベータ給紙ユニット５のエレベータ機
構を上昇させ、第４図（Ｃ）に示すように用紙９の上面
でトレー底板34を持ち上げ、該トレー底板34上の片面転
写済みの用紙9aを給紙ローラ７に押圧接触させる。そし
て給紙ローラ７を回転させて中間トレー31内の用紙9aを
一枚ずつ再び転写部に搬送し、未転写の他面にトナー像
の転写を行い、搬送ローラ20,21,22と、紙ガイド16,17,
18を経て、排紙収納トレー38へ排出させる。

そして中間トレー31からの給紙が終了するとエレベー
タ給紙ユニット５のエレベータ機構が上昇し、中間トレ
ー31の底板34をエレベータ給紙ユニット５に積載収納さ
れている用紙９の上面で押し上げる。これにより中間ト
レー31の底板34は再び上昇してロックされ、搬入用紙の
受入状態に保持される。またこの動作に連動して用紙後
端押圧板36も後退した位置に保持され、斜行ローラ35も
トレー底板34へ接触する状態となって両面コピー動作が
完了する。

以上述べたように、上記実施例においては、反転案内
部24に搬入された用紙9aの後端部9bは、突出形成された
カール形成部材25により確実に上向きにカールされ、従
来のものの如くＳ字型に湾曲することはない。したがっ
て用紙9aの後端縁9b′は搬送ローラ21bの表面に突き当
たる状態で接触し、該搬送ローラ21bに連れ添って移送
され、用紙搬送方向変換ローラ27に引き込まれるように
なり、用紙9aの搬送方向が容易に変換される。

以上、エレベータ給紙ユニット５からの給紙による両
面記録動作について説明したが、装置本体の側方に配置
したエレベータ方式ではない単純な給紙トレー10から給
紙を行って両面記録動作を行わせる場合も、同様な動作
行程により行われる。すなわち給紙ローラ11の回転開始
により給紙トレー10から給紙が行われ、転写部でトナー
像の転写が行われた後、該用紙は反転案内部24で搬送方
向が反転され、用紙搬送方向変換ローラ27により逆方向
に搬送されて中間トレー31内へ一旦収納される。用紙が
中間トレー31内に収納された後の動作は、先に述べたエ
レベータ給紙ユニット５からの給紙の場合と全く同様
に、エレベータ給紙ユニット５のエレベータ機構の動作
により駆動制御され、裏面への転写動作が行われ、排紙
トレー38へ排出される。

また図示の構成例においては、ゲート板23を上方に切
り換えたままに保持しておくことにより、転写用紙9aを
中間トレー31に排出することなく直接排紙トレー38に排
出することにより、片面記録動作を行わせることは勿論
可能である。

上記実施例では、反転案内部は水平に配置されたもの
を示したが、若干上向きに傾斜して配置される場合でも
同様に用紙の搬送方向を確実に変換させることができ
る。

〔発明の効果〕

以上実施例に基づいて説明したように、本発明の用紙
搬送方向変換装置によれば、用紙の後端部を確実に搬送
ローラから用紙搬送方向変換ローラへ移送させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る用紙搬送方向変換装置の一実施
例を適用した画像形成装置の一構成例を示す概略線図、
第２図は、その要部拡大図、第３図は、用紙の搬送方向
の変換動作態様を示す図、第４図（Ａ），（Ｂ），
（Ｃ）は、中間トレーからの給紙態様を示す図、第５図
（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）及び第６図は、従来の用紙搬送
用方向変換装置を示す概略線図である。 図において、9aは用紙、9bは用紙後端部、21,22は搬送
ローラ、23はゲート板、24は用紙反転案内部、25はカー
ル形成部材、26は押圧板、27は用紙搬送方向変換ローラ
を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】用紙を搬送する搬送ローラと、 上記搬送ローラによる用紙搬送方向の下流側に設けら
   れ、用紙の紙面垂直方向の動きを規制する入口部と、上
   記搬送ローラのニップ部までの距離が上記用紙の長さよ
   り短くなるよう配置された先端突当壁部とを有する反転
   案内部と、 上記反転案内部の入口部と上記搬送ローラのニップ部と
   を結ぶ直線に対して突出し、上記反転案内部に搬送され
   る用紙の後端部が上記の突出に沿った形のカールを形成
   するようにしたカール形成部材と、 上記反転案内部に搬送された用紙をその搬送方向を変換
   して搬送するため、上記搬送ローラと略並列に設けら
   れ、かつ、変換された搬送方向において上記カール形成
   部材よりも下流側であって、上記反転案内部の入口部と
   上記搬送ローラのニップ部とを結ぶ直線に対してカール
   形成部材の突出する側とは反対側に設けられた用紙搬送
   方向変換ローラと、 を有することを特徴とする用紙搬送方向変換装置。