JP2006016176A - 給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙の繰出しミスをなくすと共に分離給紙時における用紙の両端側の浮上がりを防止し、その後の用紙の円滑な搬送を可能とする給紙装置を提供する。
【解決手段】摩擦分離パッド方式よる給紙装置であって、給紙ローラ7は、回転駆動軸7aに対して用紙幅方向の略中央部に取付けられ、上記給紙ローラ7の両側の回転駆動軸7aには、用紙浮上がり抑制用回転体16がその軸回りに回転可能に嵌装され、前記回転体16は、前記給紙ローラ7とは別の駆動手段17により、回転駆動されるように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ファクシミリ装置、複写機或いはプリンタ(これらの複合機も含む)等の画像形成装置において、記録紙カセットや原稿トレイ等の用紙載置部から記録紙或いは原稿を1枚ずつ繰出し、記録部或いは読取部に給送させる為の給紙装置に関する。
上記給紙装置としては、用紙載置部から用紙を繰出し給送する給紙ローラと、該給紙ローラの周面に摩擦接触して給送用紙の重送を阻止する摩擦パッド、或いはノンアクティブリタード等の摩擦分離部材とよりなる、いわゆる摩擦分離方式が多く採用されている。このような給紙装置では、給紙ローラ及び摩擦分離部材が用紙の幅方向略中央部に位置するので、中央部は規制されるものの、分離爪(スナバー)方式とは異なり、給紙ローラの両側部では何等の規制がされない為、用紙の幅方向両端側が給紙ローラの回転軸側に浮上がり(以下、このような現象を浮上がると表現する)、搬送不良の原因となることが多々ある。また、その後の搬送系のニップによって、上記規制のある部分と規制のない部分との境界部分が筋となって定着されることもある。特に、給紙装置の下流側が急激に立上がり、Uターン状に用紙を搬送する用紙搬送系の場合は、用紙両端が浮上がることによる搬送不良や筋がより発生し易くなる。
図5(a)(b)は、上記のような摩擦分離方式(分離パッド方式)における繰出し用紙の挙動を示す図であり、(a)は、中央部、即ち給紙ローラ付近の状態を、(b)は、給紙ローラから用紙の幅方向に離れた位置での状態を夫々示す。図において、給紙ローラ100が回転を開始すると、カセット等の用紙載置部に堆積された用紙Pが、最上層部より繰出され、分離パッド101との間の摩擦接触部に用紙Pの先端が導入される。用紙Pが複数枚重なって繰出された場合、給紙ローラ100と分離パッド101との摩擦分離作用によって下層用紙の重送が阻止され、1枚だけが分離されて、下流側のガイド部材102に沿って搬送ローラ対103へと給送される。
上記繰出し給送動作時において、図5(a)のように用紙Pの幅方向中央部では、給紙ローラ100の搬送負荷がかかるから、その推進力によりガイド部材102間の搬送路内にそのまま進入しようとする。しかし、用紙Pの幅方向両側部では、規制するものがないから、図5(b)のように、上記搬送負荷の反力も作用して給紙ローラ100の回転駆動軸104側に浮上がろうとする。浮上がった用紙Pの先端部は、内側のガイド部材102に突当たり、その結果ジャム等の搬送不良を生じることになる。特許文献1には、このような分離パッド方式における用紙の上反りに起因する搬送不良を解消する為、給紙ロールの両側の回転駆動軸に1対のサイドロールを固定し、用紙の浮上がりを抑えながらサイドロールにも搬送力を付与して給紙する装置が開示されている。
特開2002−96937号公報
上記特許文献1に開示された給紙装置の場合、給紙ローラの回転に伴う給紙時にはサイドロールにより用紙の浮上がりが抑えられるから、用紙が幅方向において略フラットな状態に維持されて給送されることになり、上記のような搬送不良の発生が抑制される。しかし、低湿度環境下に置かれた用紙は、用紙の幅方向端部が反り上がっていることが多く、このような用紙の束を給紙カセットにセットし、上向き付勢された押上板により用紙先端の中央部を給紙ローラの周体に弾接させんとすると、反り上がった部分が上記サイドコロに先に当り、これによって規制される為、中央部の給紙ローラの周体に対する弾接力が十分に確保されず、この弾接力不足から給紙ローラの回転による用紙の繰出しミスが生じる懸念が多分にあった。
また、上記サイドコロは、回転駆動軸に固定されているので、その回転或いは停止は常に給紙ローラと同時になされる。従って、給紙ローラにより繰出された用紙が、下流側の搬送ローラにニップされた後は、回転駆動軸を停止させて給紙ローラをワンウエイクラッチのアンロックでフリー回転させながら搬送ローラの搬送力により用紙を搬送させるようにした給紙システムにおいては、停止しているサイドコロが搬送負荷となって、斜行や搬送皺を発生したり、更には搬送不良を起こしたりする懸念があった。特に、上記のように用紙の両側部に反り上がりがあると、多数枚を束ねてカセットにセットした状態では、この反り上がり部分がサイドコロに強く当接し、これが大きな搬送負荷となることが予想されるところである。
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたものであり、用紙の繰出しミスをなくすと共に分離給紙時における用紙の両端側の浮上がりを防止し、その後の用紙の円滑な搬送を可能とする給紙装置を提供するものである。
本発明の給紙装置は、用紙載置部に載置収容された用紙に上から弾接して上層用紙を繰出し、摩擦分離パッドとの摩擦接触により用紙を分離・給送する給紙ローラを備えた給紙装置であって、前記給紙ローラは、回転駆動軸に対して用紙幅方向の略中央部に取付けられ、上記給紙ローラの両側の回転駆動軸には、用紙浮上がり抑制用回転体がその軸回りに回転可能に嵌装され、該回転体は前記給紙ローラとは別の駆動手段により回転駆動されるようにしたことを特徴とする。
本発明において、前記回転体の周速度は、請求項2の発明のように、前記給紙ローラの周速度よりやや小とされていることが望ましい。また、請求項3の発明のように、前記回転体は、給紙ローラにより分離・給送された用紙が、下流側の搬送ローラに到達した後に給紙ローラが駆動停止しても、回転駆動を継続し得るようになされているものとすることができる。
本発明の給紙装置によれば、上記給紙ローラの両側の回転駆動軸には、用紙浮上がり抑制用回転体がその軸回りに回転可能に嵌装され、該回転体は前記給紙ローラとは別の駆動手段により回転駆動されるようになされているから、用紙載置部に用紙の束を載置収容する際、用紙の幅方向両側部が反り上がっている為に、この部分と回転体とが当接して、用紙と給紙ローラとの弾接力が阻害されたとしても、回転体の回転による搬送力がこの弾接力不足を補い、給紙ローラの回転開始に伴う最上層用紙の繰出しミスがなく円滑になされる。
そして、繰出された用紙は、その両側部が回転体によって浮上がりの抑制がなされながら給送されるから、用紙が幅方向で略フラットな状態で分離給送され、その下流側が急激に立上がり、Uターン状に形成された用紙搬送路であっても、ガイド壁等に用紙が突っ掛ることなく円滑に搬送され、また搬送ローラのニップによっても用紙に筋や皺等が付くこともない。しかも、回転体は給紙ローラとは別駆動で回転するようになされているから、給紙ローラとの相対的回転周速度や駆動タイミングの適宜設定により、給紙ローラの搬送力を補い、あるいは回転体が搬送負荷とならないようにして、円滑な給送を図ることができる。
以下に本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の給紙装置を採用した画像形成装置の一例を示す概略的縦断面図、図2は給紙装置の要部の斜視図であり、図3は同要部の縦断面図、図4は図3におけるY方向矢視図である。
図例の画像形成装置1は、ファクシミリ機能、複写機能及びプリンタ機能を備えた所謂複合機に適用されたものであることを示し、上部より自動原稿送り装置(ADF)2、画像読取部3、記録部4及び記録紙の給紙部5が積層状態で構成されている。ADF2は、原稿トレイ2a上に堆積載置された原稿を、ピックアップローラ2b及び分離手段(分離ローラとリタードローラの対)2cにより1枚ずつ繰出し分離し、各搬送ローラ対2d、2e、2fにより湾曲搬送路2gを搬送させながら、途中ADF原稿の読取ポイントpにおいて、静止した読取走査装置(後記する)3aによってその画像を読取り、排出ローラ対2hによって原稿排出トレイ2i上に順次排出させるべく機能するものである。尚、分離手段2cとしては、分離ローラと分離パッドからなるものも多く採用されている。
画像読取部3は、ADF読取部3bと平板式読取走査部(FBS)3cとにより構成され、図1は、上記読取走査装置3aがADF読取ポイントpの直下のADF読取部3bに静止し、ADF2によって順次自動給送される原稿の画像を読取る状態を示している。FBS3cにおいて画像読取を行う場合は、読取走査装置3aがFBS3cに移動し、プラテンガラス3dの下を左右に往復移動しながら、プラテンガラス3dの上に下向きに置かれた原稿の画像を読取る。上記ADF2を構成する一連の機構は、プラテンカバー(原稿押圧板)も兼ね、紙面奥側をヒンジ部として上下に開閉可能とされている。
図例の記録部4は、電子写真式記録装置からなることを示し、感光体ドラム4a、帯電器4b、光(LED或いはレーザ)書込みユニット4c、現像器4d、転写器4e及び定着器4fにより構成される。そして、定着器4fの下流側には、排出ローラ対4g及び排出トレイ4hが連設されている。この電子写真式記録装置においては、上記画像読取部3で読取られた画情報、或いはファクシミリやパソコン等の外部端末から送信された画情報が、帯電器4bによって一様に帯電された感光体ドラム4aの表面に、光書込みユニット4cによって光情報として書き込まれ、感光体ドラム4aの表面には光情報に基づく静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器4dによって現像され、転写器4eにおいて、後記する湾曲搬送路12を搬送されレジストローラ対14によってレジスト導入された記録紙にトナー画像として逐次転写される。記録紙に転写されたトナー画像は、定着器4fによって永久画像として定着され、永久画像が形成された記録紙は、排出ローラ対4gによって排出トレイ4h上に排出・堆積される。尚、記録部4を構成するものとしては、図例のような電子写真式記録装置に限定されず、インクリボン式記録装置、インクジェット式記録装置或いは各種カラー記録装置等、公知の記録装置が採用可能であることは言うまでもない。
給紙部5は、記録紙Pの搬送方向に垂直な方向(紙面垂直方向)に出し入れ可能な記録紙カセット(用紙載置部)6を備え、これら記録紙カセット6の前端部上には給紙ローラ7が配設されている。この給紙ローラ7には摩擦分離パッド8が弾接され、給紙ローラ7の回転に伴い、記録紙カセット6に収容された記録紙(用紙)Pが、最上層部より繰出され、摩擦分離パッド8の作用を受けて1枚ずつ分離され給送されて行く。記録紙カセット6内には、枢支ピン9aを支点として上下揺動可能とされた押上板9及び記録紙Pの後端を規制する位置調整可能な規制板6aが設けられている。押上板9は圧縮ばね9bにより上向き付勢状態とされる。その他、図示及び説明を割愛するが、記録紙カセット6として必要な付帯部材も装備されるものであることは言うまでもない。尚、記録紙カセット6の下に、更にオプションカセット(不図示)を配設し、2段以上のマルチカセットシステムを構成することも可能である。
上記摩擦分離パッド8は、パッド台8aに支持され、該パッド台8aは、記録紙カセット6の記録紙排出側端部に用紙幅全域に亘り形成された用紙ガイド部材10の略中央部に圧縮ばね8bにより上向き付勢状態で設置されている。この圧縮ばね8bによる上向き付勢作用により、摩擦分離パッド8は給紙ローラ7の周面に弾接状態とされる。摩擦分離パッド8の上流側(堆積用紙側)には、給紙ローラ7と摩擦分離パッド8との間への用紙の導入を円滑にする為のフィルム8cが貼り付けられている。パッド台8aに固設されたピン8dは、フィルム8cを所定位置に位置決め取付ける為のものである。用紙ガイド部材10の背後には下段カセットからの記録紙が通過し得る間隔を隔てて、ジャムアクセスカバー(メンテナンス用開閉カバー)11が取付けられており、このジャムアクセスカバー11は、画像形成装置1における箱型筐体1aの右側壁部に、ヒンジピン11aを支点として開閉可能に取付けられている。ジャムアクセスカバー11の内面上方部分は記録紙カセット6側に湾曲して、後記する湾曲搬送路12の一部を形成する。
ジャムアクセスカバー11の内側には、上記箱型筐体1a内に設置された搬送ローラ13と対合するプレスローラ13aが取付けられており、ジャムアクセスカバー11を、ヒンジピン11aを支点として開ければ、搬送ローラ13とプレスローラ13aとの対合が解除され、この付近にジャムした記録紙の取出しが可能とされる。湾曲搬送路12は、記録紙カセット6から繰出された記録紙を、略180度方向転換して、Uターン状に搬送し記録部4に向かわせるものである。この湾曲搬送路12における記録部4の上流側近傍には、レジストローラ対14が配設され、記録紙がレジストされ、上記感光体ドラム4aと転写器(転写ローラ)4eとの間に導入される。搬送ローラ13、湾曲搬送路12及びレジストローラ対14により、記録紙カセット6から繰出された記録紙を記録部に給送させる為の記録紙搬送手段が構成される。
本発明の給紙装置を、更に詳細に説明する。図において、給紙ローラ7は、ワンウエイクラッチ7bを介して駆動軸(回転駆動軸)7aに軸装されており、駆動軸7aが図2の矢示方向に回転するとワンウエイクラッチ7bがロックされ、給紙ローラ7が同方向に回転するようになされている。駆動軸7aの一端には、カップリング部7cが固着され、給紙ローラ7は、駆動軸7a及びこのカップリング部7cと共に記録紙カセット6に軸回転可能に取付けられている。記録紙カセット6を画像形成装置1の給紙部5に装着した時には、画像形成装置1内に設置されたモータや伝達機構を含む回転制御アクチュエータ(駆動源)15のカップリング部15aに上記カップリング部7cが噛合連接され、この回転制御アクチュエータ15の駆動力を得て駆動軸7aが軸回転するようになされている。
記録紙カセット6内の一側部には、記録紙の幅方向に移動可能な幅寄ガイド6bが設置され、記録紙サイズに応じてその位置規制が可能とされている。図例の記録紙カセット6は、A4サイズ及びレターサイズの記録紙を収容可能とするもので、幅寄ガイド6bはこの両サイズに適合する範囲内で移動可能とされている。さらに、多種の記録紙サイズ(A3、B4、A5、B5等)に対応し得るように構成された、従来公知の任意のカセットでも良いことは言うまでもない。
上記駆動軸7aには、記録紙Pの幅方向両端部近傍位置に記録紙Pの浮上がりを抑制する為の円盤状コロからなる回転体16が駆動軸7aの軸回りに回転可能に嵌装され、該回転体16は前記給紙ローラ7とは別の駆動手段17により回転駆動されるようになされている。即ち、上記各回転体16が、駆動軸7aに回転可能に嵌装された回転リング16aに固設され、この回転リング16aの他端には、ギヤ17aが固設されている。また、記録紙カセット6には、駆動軸7aに平行なギヤ軸(駆動軸)17bが横架するよう回転可能に支持され、その長手方向両端部には、上記ギヤ17aに噛合するアイドラギヤ17cが固設されている。更に、ギヤ軸17bの一端側(回転制御アクチュエータ15側)には不図示のカップリング部が固設され、記録紙カセット6を画像形成装置1の給紙部5に装着した時には、画像形成装置1内に設置された回転体用の回転制御アクチュエータ(不図示)に噛合連接され、この回転制御アクチュエータの駆動力を得てギヤ軸17bが軸回転するようになされている。これら1連のギヤ機構及び回転体用の回転制御アクチュエータにより、回転体16の駆動手段17が構成される。
図3は記録紙カセット6に用紙Pを載置収容し、給紙前の待機状態を示している。回転体16の径は給紙ローラ7の径と同じかやや小とされ、また、その周速度は給紙ローラ7の周速度よりやや小とされている。前記用紙ガイド部材10は、記録紙カセット6の前壁部に形成され、そのガイド面10aは給紙ローラ7より大きな曲率で湾曲し、給紙ローラ7に斜めに(給送方向側が立ち上がるように)対面する凹曲面とされている。そして、このガイド面10aは摩擦分離パッド8と給紙ローラ7との弾接面より反給紙ローラ7側に段差状に、且つその下流側端部aは、摩擦分離パッド8と給紙ローラ7との弾接位置(ニップ位置)bより上方に位置するように形成されている(図2、図3参照)。
上記構成の給紙装置による給紙の要領について述べる。先ず、記録紙カセット6内の押圧板9上に圧縮ばね9bの弾力に抗するように記録紙Pの束を収容載置すると、ばね9bの復元弾力により記録紙束の最上層紙Pの中央部が給紙ローラ7の周体に弾接される。これにより、実質的に給紙ローラ7が上方より記録紙束の最上層紙Pに弾接されることになる。この場合、低湿度環境下にある記録紙Pは、その幅方向両側部が反り上がっていることが多く、そのまま多数枚を束ねてセットすると、回転体16にこの反り上がり部分が先に当接し、これが抗力となって給紙ローラ7と最上層紙Pとの弾接力が十分に確保されないことがある。特に、堆積用紙の枚数が多くなると、上記抗力が大きくなり弾接力が更に弱くなる。而して、回転体16には上記駆動手段17により回転力が付与されるから、給紙ローラ7による給紙開始時には、回転体16の回転により記録紙Pに搬送力が付加されて、上記給紙ローラ7の弾接力の不足を補って記録紙Pの繰出しが円滑になされる。
即ち、給紙ローラ7を図2及び図3の矢示方向に回転させ、同時に回転体16も同方向に回転させると、上記弾接と給紙ローラ7表面の摩擦作用とにより上記最上層紙Pが繰出され、給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とのニップ位置bに導入される。この時、上記のように給紙ローラ7と最上層紙Pとの弾接力が不足気味となる場合でも、回転体16の回転による搬送力が付加されるから、繰出力が補われ、上記ニップ位置bへの導入が円滑になされる。回転体16の径は給紙ローラ7の径よりやや小とされ、また、その周速度も給紙ローラ7のそれよりやや小とされているから、その搬送力が給紙ローラ7の繰出し力不足を的確に補うことになる。そして、前記フィルム8cの滑り作用により、この円滑な導入がより効果的になされる。また、記録紙Pが複数枚重なって繰出されると、上記ニップ位置bでの分離作用により最上層の記録紙Pのみが分離され、ガイド面10aで案内されながら給送される。その後、搬送ローラ対13、13a及びレジストローラ対14によりレジスト搬送されて湾曲搬送路12を経て記録部4に送致され、印字排出される。
このような給紙装置においては、給紙ローラ7から繰出された記録紙Pの先端部が搬送ローラ対13、13aにニップされると、回転駆動軸7aが停止するよう制御シークエンスが設定される。従って、その後は記録紙Pは搬送ローラ対13、13aによって搬送されることになるので、記録紙Pの引張り力により上記ワンウエイクラッチ7bがアンロック状態となり、給紙ローラ7を空回り状態で記録紙Pの給送を続行することができる。先行の記録紙Pの後端が上記給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とのニップ位置から抜け出ると、再び駆動軸7aが駆動し給紙ローラ7が回転して後続の記録紙Pが上記同様にニップ位置bに導入され、分離・給送され、これが給紙停止信号が発信されるまで順次繰返えされる。この連続給紙に伴い、記録紙カセット6内の記録紙Pは漸次減っていくが、押上板9は圧縮ばね9bにより常時上方付勢されているから、最上層の記録紙Pは給紙ローラ7の周体に弾接し、上記繰出しが滞ることなくなされる。
上記記録紙Pが繰出され、搬送ローラ対13、13aにニップされるまでの動作状態について、図4も参照して説明する。図3の状態から、駆動軸7aが矢示方向に回転を開始すると、前記のように給紙ローラ7と記録紙束の最上層紙Pとの弾接と給紙ローラ7表面の摩擦作用とにより上記最上層紙Pが繰出され、給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とのニップ位置bに導入される。この時、回転体16も回転するから、その搬送力がこれに付加される。図4は、最上層紙Pの先端部が給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とのニップ位置bにニップされた直後の状態を示し、この状態では、最上層紙Pの両側部は浮上がろうとするが、回転体16がこの記録紙Pの浮上がり部分に当接し、押し下げるようにして摺接回転を継続する。このような摺接回転は、記録紙Pの先端部が搬送ローラ対13、13aにニップされるまで継続されるから、この間では記録紙Pはその幅方向では略フラットな状態に維持され、搬送路で突っ掛ることなく円滑に給送がなされる。記録紙Pの先端部が搬送ローラ対13、13aにニップされた後は、駆動軸7aは停止し、給紙ローラ7は、前記のようにワンウエイクラッチ7bのアンロックにより空回り状態となる。この間も、回転体16の回転を継続させるようにしておけば、搬送ローラ対13、13aによる給送に対して回転体16が給送抵抗になることがない。回転体16の記録紙との摺接面が滑性を有するものであれば、回転体16による給送抵抗が付加されないので、給紙ローラ7の停止と同時に回転体16を停止させるようにしてもよく、これらは回転体16が駆動手段17によって別駆動可能とされているから、用紙の給送状態に応じて適宜選択設定することができる。
また、上記給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とによる記録紙Pの分離・給送時においては、図4に示すように、用紙ガイド面10aが給紙ローラ7と摩擦分離パッド8との弾接面より1段低くなっているから、記録紙Pは上記ニップ部の両側において上下がフリーとなって規制がなされない。従って、給紙ローラ7の両側部分、即ち、前記従来技術のように、規制のある部分と規制のない部分との境界部分が筋となって定着されるような懸念がない。
ガイド面10aは、給紙ローラ6に斜めに対面する凹曲面とされているから、記録紙Pは給紙ローラ7と摩擦分離パッド8とによる分離後は、急激に立ち上がるように給送されて、搬送ローラ対13、13aに向かう。従って、この間記録紙Pに対してストレスが付加されるが、記録紙Pは幅方向に見てフラットな状態に維持されて給送されるから、搬送路のガイドに沿って円滑に給送される。しかも、ガイド面10aの下流側端部aは、摩擦分離パッド8と給紙ローラ7との弾接位置(ニップ位置)bより上方に位置するように形成されているから、このニップ位置bより抜け出た記録紙Pの前端部は前垂れすることなくそのまま推進され、搬送ローラ対13、13aに給送される。尚、図3では上記下流側端部aと搬送ローラ対13、13aとは離れた位置関係で描かれているが、これらはもっと接近しても良く、或いは両者の間に画像形成装置1の箱型筐体1aに形成された別のガイド部材を介在させるようにしても良いことは言うまでもない。
このように、記録紙カセット6から繰出ミスがなく繰出された記録紙Pは、180度方向転換してUターン状に曲成された湾曲用紙搬送路12に沿って搬送するよう構成した画像形成装置1の場合でも、その円滑な搬送が保証され、また従来のような筋の発生を伴うことなく給送されるから、画像形成装置1のコンパクト化に寄与すると共に印字品質の低下を来たすこともない。
なお、図示した実施例では、記録紙の搬送系に適用した例を示したが、摩擦分離パッド方式による自動原稿送り装置や、その他の画像形成装置における用紙の分離搬送系にも、本発明の給紙装置が適用され得ることは言うまでもない。
本発明の給紙装置を採用した画像形成装置の一例を示す概略的縦断面図である。 給紙装置の要部の斜視図である。 同要部の縦断面図である。 図3におけるY方向矢視図である。 従来の給紙装置の1例を示す概略的正面断面図であり、(a)は中央部の給紙ローラ付近の状態を、(b)は給紙ローラから用紙の幅方向に離れた位置での状態を夫々示す。
符号の説明
6 記録紙カセット(用紙載置部)
7 給紙ローラ
7a 回転駆動軸
8 摩擦分離パッド
13 搬送ローラ
16 回転体
17 駆動手段
P 記録紙(用紙)

Claims (3)

  1. 用紙載置部に載置収容された用紙に上から弾接して上層用紙を繰出し、摩擦分離パッドとの摩擦接触により用紙を分離・給送する給紙ローラを備えた給紙装置であって、
    前記給紙ローラは、回転駆動軸に対して用紙幅方向の略中央部に取付けられ、上記給紙ローラの両側の回転駆動軸には、用紙浮上がり抑制用回転体がその軸回りに回転可能に嵌装され、該回転体は前記給紙ローラとは別の駆動手段により回転駆動されるようにしたことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記回転体の周速度は、前記給紙ローラの周速度よりやや小とされていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記回転体は、給紙ローラにより分離・給送された用紙が、下流側の搬送ローラに到達した後に給紙ローラが駆動停止しても、回転駆動を継続し得るようになされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
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