JPH11280419A - シムとカムの組合せ体 - Google Patents

シムとカムの組合せ体

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JPH11280419A
JPH11280419A JP10084800A JP8480098A JPH11280419A JP H11280419 A JPH11280419 A JP H11280419A JP 10084800 A JP10084800 A JP 10084800A JP 8480098 A JP8480098 A JP 8480098A JP H11280419 A JPH11280419 A JP H11280419A
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cam
shim
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sliding
sintered body
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Takao Nishioka
隆夫 西岡
Takatoshi Takigawa
貴稔 瀧川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相手部材との固体接触で塑性変形や潤滑油中
に混入する種々の不純物による腐食等で、面粗度が劣化
し難いシム部材を選択し、カム部材の表面に油膜保持機
能を設けて摺動面の流体潤滑を維持し、発生トルクと摺
動部の摩耗を最小化する。 【解決手段】 往復動機構部に用いるシム5とカム1の
組合せにおいて、前記シム5は、前記カム1摺動面より
高硬度な材料から成り、前記シム5摺動面は十点平均表
面粗さRZ0.07〜0.2μmの面粗度範囲に仕上げ
られ、前記カム1の摺動面には開口気孔1bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関の動弁機構や燃料圧送ポンプの燃料噴射弁の駆動機構
に用いられるシムとカムの組合せ体であって、摺動摩擦
抵抗や摩耗量の低減を図り機構部品の耐久性を向上する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車エンジンの機械損失を低減
して燃費の向上を図る有効な手段として、エンジン機構
部の摩擦損失を低減させる技術が提案されている。中で
も、摺動速度が高く、且つ、高負荷となる動弁機構にお
けるシムとカムの摩擦損失を低減させることは、燃費を
向上させる上で極めて有効である。
【0003】一方、燃焼室内に直接ガソリンや軽油を噴
射する筒内直接噴射エンジンでは、燃料の圧送圧力を得
るために往復動機構部に用いられるシムとカムも同様に
過酷な摺動部品であり、この摩擦損失を低減させること
は、燃料噴射弁の性能と耐久性を向上させる上で重要な
技術である。特に、筒内直接噴射エンジン用の燃料噴射
弁では、従来の鋼材から成るカムとカムローラを介した
ころがり摩擦方式から、シムとカムの材質を改良したす
べり摩擦方式へ変更することにより、部品点数の削減や
小型軽量化を達成して製造コストを低減することが求め
られている。
【0004】そして、ころがり摩擦方式からすべり摩擦
方式への変換は、摩擦界面における部材間の摩擦仕事の
最小化を図ることにより達成される。摩擦仕事は、往復
動機構部が潤滑材雰囲気中に存在するとすれば、一般的
に、部材間の最小隙間または最小油膜厚さと摺動面の性
状が、摺動特性と摩擦損失に影響を与えるとされてい
る。
【0005】前記摩擦仕事は、次の(1)式で定量化さ
れる。 F=A{αSm+(1−α)St}……(1) 但し、F:摩擦仕事、A:摺動面積、α:油膜の破断面
積率、Sm:相手摺動部材が固体接触する場合の部材の
剪断強さ、St:油膜の剪断強さを示し、αSmの項
は、油膜が全く存在しないしない場合の摩擦仕事(境界
潤滑下での摩擦仕事)を、(1−α)Stの項は、完全
に油膜が存在する場合の摩擦仕事(流体潤滑下での摩擦
仕事)を表す。ここで、摩擦仕事Fを小さくするのに
は、通常SmはStに比べ大きいから、流体潤滑下での
摩擦仕事の項を増やしてαを小さくする必要がある。
【0006】さらに、完全な流体潤滑状況を維持するた
めには、相手摺動部材の摺動面の性状を制御することが
重要である。潤滑の尺度を示す油膜パラメータΛは、
(2)式で定量化される。このΛの値を大きくすること
が、流体潤滑を維持するのには有効である。
【0007】 Λ=hmin/√(Rrms12+Rrms22)……(2) 但し、hmin:相手摺動部材間の最小隙間または最小
油膜厚さ、Rrms1:一方の摺動部材の表面の自乗平
均粗さ、Rrms2:他方の摺動部材の表面の自乗平均
粗さを示す。従って、相手摺動部材の表面粗さを微細に
すれば流体潤滑を維持するのに有効であることが判る。
【0008】前述の技術的背景を基に特開平7−980
52号公報では、窒化ケイ素またはサイアロンを含むセ
ラミックスから成るシムの摺動面粗さを、十点平均粗さ
Z0.1μm以下とし、鋳鉄から成るカムの表面をチ
ル硬化した上、リン酸塩被膜を形成したシムとカムの組
合せ体の技術が提案されている。
【0009】この従来技術によれば、慣らし運転中又は
運転初期にカムの表面粗さを向上させて境界潤滑となる
部分の摩擦抵抗を下げて、シムとカム間の摺動特性を改
善しカムシャフト駆動トルクを大幅に低減できる。ま
た、慣らし運転中にカムの表面粗さを向上させることが
できるので、複雑形状のカムの表面に特別な超精密仕上
げ加工を行わなくても摩擦損失を低減させることが可能
であり、経済的にも極めて有効であると説明している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すべり摩擦方式を採用
するに当たっては、例え潤滑油雰囲気中でも部材間の面
圧が高くなると、発生し易い境界潤滑を極力抑制できる
シムとカムの材質を選択する必要がある。つまり、相手
部材との固体接触で塑性変形や潤滑油中に混入する種々
の不純物による腐食等で、表面粗さが劣化し難いSm特
性の材質を選択すべきである。分けても平坦な摺動面を
有するシムは、高硬度な材質を選択しても超精密加工に
よる微細な表面粗さを得易いので、このhmin特性を
安定して維持する手段を附加すべきである。さらに、カ
ム部材の表面にはhmin特性を助勢する手段を附加す
れば、流体潤滑を維持するのに有効である。本発明は、
これ等の課題を解決する技術を提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段】往復動機構部に用いるシ
ムとカムの組合せにおいて、前記シムは、前記カム摺動
面より高硬度な材料から成り、前記シム摺動面を十点平
均表面粗さRZ0.07〜0.2μmの範囲に仕上げ、
前記カムの摺動面については、前記カム部材の表面に存
在する開口気孔を利用して、流体潤滑条件を維持する。
【0012】シム部材に窒化ケイ素又はサイアロンから
成るセラミックスを選択し、カム部材に鉄基合金焼結体
を用いて焼結体内部に分散している空孔を利用すること
で、カムの摺動面において、面積率で2〜6%、最大径
50μm以下の開口気孔を酸によるエッチング処理にて
制御し油膜保持機能を向上する。
【0013】シム部材は金属合金材料の表面にCr、T
iの窒化物又は炭化物であるセラミックスの被覆膜、或
いは、ダイヤモンド又はDLCの被覆膜を施し、カム部
材は鉄基合金焼結体を用いることで熱処理によるカム部
材硬度の硬質化を図って、双方の耐摩耗性を向上させ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に好適の実施態様
を詳細に説明する。図1に、本発明のシムとカムの組合
せ体を内燃機関の動弁機構に用いた適用例を、図2に、
燃料噴射弁への適用例を示す。
【0015】図1において、直接駆動式の吸・排気弁
は、カム1の回転に伴いエンジンの燃焼室に対し、カム
1のプロフィールに沿ってバルブ2を往復動させる。シ
リンダブロック3に支持されるバルブリフター4の端面
には、シム5の着座する凹部4aが設けられている。シ
ム5は、厚さを調整することでカム1やバルブリフター
4等の部品の集積誤差を相殺して、バルブ2の開閉弁動
作の精度を維持する部材である。従って、凹部4aの側
壁4bに拘束されて着座するか、カシメて嵌合するか、
鑞付け等にて接合されてもよい。スプリングリティーナ
6にコッター7にて固定されているバルブ2の端面は、
スプリング8にて常時付勢され、バルブリフター4の内
部に当接している。
【0016】従って、カム1の回転に伴いバルブ2が往
復動してエンジンの吸・排気をする際には、カム1とシ
ム5の接触部は、極部的に高い面圧で互いに摺動するか
ら耐摩耗性と耐熱性を要求されると共に、摩擦による機
械損失の少ない材質を選択する必要がある。
【0017】一方、図2に示す原理的な燃料噴射弁にお
いて、カム21の回転に伴い往復動するプランジャー2
2は、シリンダーボディ23に摺動自在に収納され、シ
ム24は、プランジャー22のフランジ22aに設けら
れる凹部22bに着座する。スプリングリティーナ25
とフランジ22aの間にスプリング26が縮装されてい
て、カム21のプロフィールにシム24を、常時当接さ
せるべく付勢されている。別途の経路より圧送されてく
る燃料は、燃料ポート27から環状室28に至る。プラ
ンジャー22の先端に配置する吐出孔29と環状室28
が連絡すると、燃料は噴射ノズル30から燃焼室内に噴
射される。
【0018】カム21の下死点では、吐出孔29と環状
室28は遮断されるから燃料の噴射は停止する。現実的
な燃料噴射弁としては、噴射量を制御するガバナ機構や
噴射時期を制御するタイマ機構等の補機が必要である
が、カム21とシム24の関係位置の説明には不必要で
あるから省く。いずれにしても、該燃料噴射弁に用いる
シムとカムの組合せ体は、図1のシム5とカム1と同様
の要求特性を満足させる必要がある。以下は、主として
図1の動弁機構に用いられる場合を例にとって説明す
る。
【0019】シム5とカム1は、相手部材との固体接触
で塑性変形や摩耗を進行させないよう可能なかぎり硬い
ことが望ましい。特にシム5は、単純な形状であるから
カム1より高硬度の材質を選択しても、流体潤滑を維持
するための超精密加工による微細な摺動面を得ることは
容易である。さらに、潤滑油中に混入する種々の不純物
による腐食を抑止するのにセラミックスは好適の材料で
ある。
【0020】特に、80重量%以上の窒化ケイ素又はサ
イアロンを含むセラミックスは、JIS R 1601
「ファインセラミックスの曲げ強度試験方法」に準拠し
た曲げ強度の平均値が700MPa以上あり、耐衝撃性
も一般のセラミックスより高い。そして、摺動面を十点
平均表面粗さでRZ0.07〜0.2μmに仕上げれば
(1)式の摩擦仕事Fを小さくするのに有効である。
【0021】しかし、セラミックスは、一般的に硬いが
脆いという弱点もある。そこで、これを補うため構造用
炭素鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼等の金属合金材料を母
材としてシム5を形成し、表面の更なる硬質化と耐蝕性
を得るため硬質の被覆膜にてカバーすることも有効であ
る。例えば、JIS G 4105「クロムモリブデン
鋼鋼材」に規定されるSCM420を熱処理の上、摺動
面を十点平均表面粗さでRZ0.07〜0.2μmに仕
上げ、膜厚0.5〜5μm程度のCr、Tiの窒化物又
は炭化物、或いはダイヤモンド又はDLCをイオンプレ
ーティング等の物理蒸着(PVD)または化学蒸着(C
VD)により被覆すると、母材の表面粗さを損なうこと
なく滑らかで硬質の被覆膜が得られる。尚、これらのセ
ラミックスやダイヤモンド、DCLの被覆膜は、相手部
材との摺動にて剥離しないように基材との適切な密着強
度を保つべく、被覆膜生成条件を考慮すべきである。
【0022】一方、カム1に硬質の材料を用い表面粗さ
を微細にして、(2)式の油膜パラメータΛの値を大き
くして流体潤滑を維持するのには大変な工数が掛かる。
カム1の素材として従来技術では、加工工数を低減する
ため鋳鉄をチル化したものを用いているが、本発明では
鉄基合金焼結体を用いる。
【0023】周知の粉末冶金法にて成形されるカム1
は、内部に分散している適度な空孔を活用して良好な潤
滑特性が、また、添加金属元素を配合することで機械的
強度が、さらに、熱処理を施すことで適切な硬度が得ら
れる。添加金属元素は、例えば、重量比で1.5%のM
o、0.3%のCu、0.8%のC及び不可避な元素で
あり、残部がFeであるような総添加成分が10%以下
であるような低合金であることが、粉末圧縮性、経済性
の観点から好ましい。所定の位置にカム軸と嵌合する貫
通孔を有するカム1の焼結体は、鑞付け或いは拡散焼結
接合等によりカム軸と一体化する。
【0024】熱処理は、焼結体を成形する工程中で焼結
体を金型内で圧縮しながら、高温相であるオーステナイ
ト相から急冷して均質な硬度を有するマルテンサイト相
を得た後、焼戻し処理を施せばカム5の表面硬度は、ビ
ッカース硬度550〜700程度に調質され、表面粗さ
はRZ5μm以下に維持される。又、焼結体を金型内で
圧縮しながら熱処理を行うことで、カム1のプロフィー
ルの熱歪みや寸法変化を抑制する効果がある。
【0025】図3に、シム5とカム1の摺動界面を極部
的に拡大して示す。カム1の焼結体内部に分散している
空孔1aの内、表面近傍に存在するものは、酸によるエ
ッチング処理で油溜りとしての開口気孔1bを形成し、
油膜9の保持機能を向上さすことができる。エッチング
処理により顕在化される開口気孔1bは、面積率で2〜
6%、最大開口径50μmに制御するのが好ましい。こ
の様な手段にてカム1の表面に開口気孔1bを設けれ
ば、(2)式に示す油膜パラメータΛを大きくすること
ができる。
【0026】次に、上述の技術思想に基づいて構成した
シムとカムの組合せ体の評価試験の結果につき説明す
る。図4に、その試験装置の概要図を示す。市販の4気
筒エンジン排気量1800ccの動弁機構に、カムシャ
フト10を駆動するモータ11とシムとカムの組合せ体
の発生トルクを計測するトルクメータ12を取付け、別
途潤滑油を供給するポンプ(図示せず)を用意して、発
生トルクとカム1の摩耗量を測定した。カム1の摩耗量
は、図5に示すLを計測した。
【0027】シムとカムの従来技術の試料として、以下
の仕様のものを準備した。厚さ3mmの60体積%以上
の窒化ケイ素を含むセラミックスから成るシムを、十点
平均粗さRZ0.2μmにダイヤモンド砥石にて研削し
た。鋳鉄から成るカムは、表面をチル硬化した上リン酸
塩被膜を形成し、表面を十点平均粗さRZ3.2μmに
機械加工にて仕上げた。
【0028】本発明のシム5は、厚さ3mmの80重量
%以上の窒化ケイ素(Si3N4)を含むセラミックス
(JIS R 1601の3点曲げ強度850MPa)
から成るシムを、ダイヤモンド砥石を用いて研削加工の
上、ダイヤモンド砥粒を用いたラッピング、ポリシング
加工を組合せて十点平均粗さRZ0.4、RZ0.2、R
Z0.1μmの3種類の表面粗度の試料を準備した。
【0029】さらに、厚さ3mmのSCM420を熱処
理した母材に硬質の被覆膜を蒸着したものを準備した。
熱処理されたSCM420から成るシム5を、同様の超
精密加工により、十点平均粗さRZ0.4、RZ0.2、
Z0.1、RZ0.07μmの4種類の表面粗度の試料
として準備した。この内、十点平均粗さRZ0.4、RZ
0.2、RZ0.1の試料に、Cr又はTiの窒化物を
周知の方法で膜厚3μm蒸着したものと、十点平均粗さ
Z0.2、RZ0.07μmの試料にダイヤモンド又は
DLCを周知の方法で膜厚1μm蒸着したものを準備し
た。
【0030】本発明のカム1は、鉄基合金焼結体から成
り焼入れ焼戻しの熱処理によって、均質なマルテンサイ
ト相を有するビッカース硬度650の表面硬度のもの
を、所定の機械加工によりカムプロフィールを十点平均
粗さRZ3.2μmに仕上げたものである。そして、酸
によるエッチング処理により油溜りとしての開口気孔1
bが、面積率で5%、最大開口気孔40μmに制御し、
油膜9の保持機能を向上したものを準備した。
【0031】通常の動弁機構の運転条件としては、摺動
速度はクランクシャフトの回転数換算で1000〜40
00rpm、潤滑油温度は−40〜150℃であるが、
ここでは、カムシャフト10を2000rpm、潤滑油
温度80℃に設定して、運転開始から1時間後と500
時間後の発生トルクの変動を、従来技術の試料を基準に
%換算して表し、また、500時間後のカム摩耗量Lを
μm単位にて表1に記載する。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果を考察すると、従来技術の試料
1は表面粗さをRZ0.2に仕上げていても、本発明の
同様の表面粗さに仕上げられた試料3、6、8、10、
12に比べ、500時間後のカム摩耗量は大きい。これ
は、本発明のカム1表面に形成されている油溜りとして
の開口気孔1bの油膜9の保持機能が発揮された結果と
判断する。
【0034】しかし、本発明のシム5であっても試料2
や5の表面粗さRZ0.4μmでは、例えカム1に油溜
り1bが存在していても、その効果は半減してしまうこ
とが判る。かといって、シム5を試料4、7、9、1
1、13の表面粗さRZ0.07〜RZ0.1μmにまで
微細な仕上面にしても、その効果は顕著に増加すること
はなく、表面粗さRZ0.07μm以下に仕上げても投
入加工工数が増加するだけで無駄である。従って、シム
5の表面粗さは、RZ0.07〜0.2μmに仕上げる
のが好ましい。
【0035】次に、カム1表面の開口気孔の数と大きさ
に対する、発生トルクやカム摩耗量の関係につき評価し
た結果を説明する。評価試験には、図4と同様の試験装
置を使用した。試験試料のシム5は、表1の試料4に相
当するものを、また、カム1は、表1の試料2〜13に
相当する鉄基合金焼結体の表面に、酸によるエッチング
処理で最大開口気孔40μmのものを、面積率で1%及
び2〜8%まで2%毎に5種類準備した。
【0036】試験条件は、カムシャフト10を2000
rpm、高温になると粘度が低下して油膜の切れ易い潤
滑油温度150℃に設定して、運転開始から500時間
後の発生トルクの変動を、従来技術である表1の試料1
の組合せを基準に%換算して表し、また、500時間後
のカム摩耗量Lをμm単位にて図6に記載する。
【0037】図6の結果を考察すると、発生トルクの変
動は、カム1の表面の開口気孔1bの面積率が2%以下
では、油溜りとしての開口気孔1bの分散が不充分であ
るため、油膜9の保持能力が低く、6%以上では潤滑に
必要な油膜保持能力は維持されるものゝ、カム1として
の強度低下、及びこれに伴って誘発される摩耗による表
面粗さの低下から発生トルクの若干の増大が問題とな
る。カム摩耗量については、開口気孔1bの面積率が6
%を越えると、カム1自身のアバタ状摺動面にシム5と
の固体接触が増えることで摩耗の進行することが判る。
従って、安定した流体潤滑を維持するために、開口気孔
1bは、面積率で2〜6%、最大径50μm以下に制御
されることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明のシムとカムの組合せ体のシム
は、カムより高硬度の材質を選択して摺動面の面粗さを
Z0.07〜0.2μmに超精密加工したので流体潤
滑を維持することができる。さらに、80重量%以上の
窒化ケイ素又はサイアロンから成るセラミックスのシム
は、潤滑油中に混入する種々の不純物による腐食を抑止
するのに好適であり、且つ、耐衝撃性にも優れている。
そして金属合金材料から成るシム母材の表面に、Cr、
Tiの窒化物や炭化物及びダイヤモンド又はDLCの被
覆膜を蒸着して表面硬度と一層の耐衝撃性並びに、耐蝕
性の改善を図ることができる。
【0039】他方カムは、鉄基合金焼結体にて成形し熱
処理を施した上、摺動面に酸によるエッチング処理にて
面積率で2〜6%、最大径50μmの開口気孔を設けて
油膜の保持機能を向上したので、安定した流体潤滑条件
を維持できるので、従来技術のシムとカムの組合せに比
べカム摩耗量は20〜30%改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を内燃機関の動弁機構に用いた実施例で
ある。
【図2】本発明を内燃機関の燃料噴射弁に用いた実施例
である。
【図3】本発明のシムとカムの摺動界面の極部的な拡大
図である。
【図4】本発明の評価試験装置の概要図である。
【図5】本発明のカム摩耗量の測定部位の説明図であ
る。
【図6】本発明のカム表面の開口気孔と発生トルク及び
カム摩耗量の関係を示した測定結果である。
【符号の説明】
1、21:カム 2:バルブ 3:シリンダブロック 4:バルブリフター 5、24:シム 6、25:スプリングリティーナ 7:コッター 8、26:スプリング 9:油膜 10:カムシャフト 11:モータ 12;トルクメータ 22:プランジャー 23:シリンダボディ 27:燃料ポート 28:環状室 29:吐出孔 30:噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01L 1/16 F01L 1/16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動機構部に用いるシムとカムの組合
    せにおいて、前記シムは、前記カム摺動面より高硬度な
    材料から成り、前記シム摺動面は十点平均表面粗さRZ
    0.07〜0.2μmの範囲に仕上げられ、前記カムの
    摺動面には開口気孔を有することを特徴とするシムとカ
    ムの組合せ体。
  2. 【請求項2】 シム部材がセラミックスから成り、カム
    部材が鉄基合金焼結体から成ることを特徴とする請求項
    1に記載のシムとカムの組合せ体。
  3. 【請求項3】 シム部材のセラミックスが窒化ケイ素又
    はサイアロンであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のシムとカムの組合せ体。
  4. 【請求項4】 シム部材は金属合金材料の表面にCr、
    Tiの窒化物又は炭化物であるセラミックスの被覆膜が
    施されて成り、カム部材は鉄基合金焼結体から成ること
    を特徴とする請求項1に記載のシムとカムの組合せ体。
  5. 【請求項5】 シム部材は金属合金材料の表面にダイヤ
    モンド又はDLC被覆膜が施されて成り、カム部材は鉄
    基合金焼結体から成るであることを特徴とする請求項1
    に記載のシムとカムの組合せ体。
  6. 【請求項6】 鉄基合金焼結体から成るカムの摺動面
    が、面積率で2〜6%、最大径50μm以下の開口気孔
    を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のシム
    とカムの組合せ体。
  7. 【請求項7】 カムの摺動面に存在するカム部材の開口
    気孔は、酸処理によるエッチングにて、表面開口気孔の
    数、大きさが制御されていることを特徴とする請求項6
    に記載のシムとカムの組合せ体。
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