JP2002070507A - 低摩擦・耐摩耗材料及び内燃機関の動弁装置 - Google Patents

低摩擦・耐摩耗材料及び内燃機関の動弁装置

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JP2002070507A
JP2002070507A JP2000254093A JP2000254093A JP2002070507A JP 2002070507 A JP2002070507 A JP 2002070507A JP 2000254093 A JP2000254093 A JP 2000254093A JP 2000254093 A JP2000254093 A JP 2000254093A JP 2002070507 A JP2002070507 A JP 2002070507A
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cam
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internal combustion
combustion engine
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Kurato Maeda
蔵人 前田
Yoshio Fuwa
良雄 不破
Masataka Kaido
昌孝 海道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相手材によらず摩擦が低減される低摩擦・耐
摩耗材料、及びダイヤモンドからなるリフタシムを有す
るバルブリフタを備え、摩擦損失が十分に低減される内
燃機関の動弁装置を提供する。 【解決手段】 表面粗さ(Ra)が0.30μm以下の
試験体を作製し、この試験体と、ステンレス鋼、アルミ
ニウム、銅、黄銅等からなり、各々その表面粗さ(R
a)が0.30μmである2種以上の相手材と、の摩擦
試験を特定の装置、条件で行った場合に、相手材の種類
によらず動摩擦係数が0.09以下、特に0.02〜
0.07となる低摩擦・耐摩耗材料を得る。また、バル
ブリフタの表面に設けられたリフタシムの、少なくとも
カムと摺動する表面層がダイヤモンドからなり、特定の
式により表されるカムと表面層との合成粗さ(Ra)が
0.28μm以下である内燃機関の動弁装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相手材となる金属
の種類によらず、低摩擦が維持される低摩擦・耐摩耗材
料に関する。また、本発明は、リフタシムの少なくとも
カムと摺動される表面層がダイヤモンドからなり、この
リフタシムとカムとの合成粗さ(Ra)が特定値以下で
あり、摩擦損失の少ない内燃機関の動弁装置に関する。
更に、本発明は、リフタシムの表面粗さ(Ra)が所定
の範囲内にあり、装置の作動により、リフタシムとカム
との合成粗さ(Ra)が特定値以下となる、摩擦損失の
少ない内燃機関の動弁装置に関する。本発明の低摩擦・
耐摩耗材料は、リフタシム、ピストンリング、軸受等、
内燃機関の各種の部品における摩擦低減のために用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、機械部品等の摺動面における
摩擦損失を低減するため、摺動面に窒化チタン、窒化ク
ロム等の硬度の高いセラミック、又はダイヤモンド等か
らなる皮膜が形成されている。また、このような皮膜を
有し、低摩擦、低摩耗を目的として摺動面に配設される
シムが多用されている。これらの皮膜は、物理蒸着法、
化学蒸着法等、種々の方法により形成されており、摺動
面における摩擦係数が小さくなり、機械部品等の耐摩耗
性が向上する。
【0003】このような機械部品の1種である内燃機関
の動弁装置における摩擦損失は大きく、特に、燃費の向
上が課題となっている自動車では、この摩擦損失の低減
が必要とされている。内燃機関の動弁装置では、カムと
バルブリフタの表面に形成されたリフタシムとの摺動に
より、カムシャフトの回転がバルブの往復動に変換され
るが、動弁装置全体における摩擦損失の大部分はカムと
リフタシムとの摺動によるものであり、特に、アイドリ
ング時等、エンジンの低回転時には、カムとリフタシム
との間の油膜が薄いため状況は更に厳しく、動弁装置に
おける摩擦損失の低減は内燃機関全体の損失を抑制する
うえで有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より使用
されている金属製のシムでは、摩擦係数が大きく、耐摩
耗性も十分ではなかった。更に、シムの表面に形成され
る皮膜の種類と、この皮膜と摺動される相手材との相
関、即ち、相手材によって摩擦損失の低下がどの程度に
なるか等については詳しい検討はこれまでなされていな
かった。特に、自動車等の内燃機関における動弁装置で
は、相手材であるカムが鋳鉄製であるため、皮膜材質は
もっぱら鋳鉄を相手材として検討されており、また、こ
れまでは皮膜或いはカムの各々の表面粗さを特定するこ
とにより、摩擦損失の低減が図られてきたが、それだけ
では摩擦損失を十分に低減することは容易ではなかっ
た。
【0005】本発明は、上記の従来の問題を解決するも
のであり、相手材となる金属の種類によらず、これと摺
動させた場合に、十分に小さい摩擦係数となる低摩擦・
耐摩耗材料を提供することを目的とする。また、本発明
は、このような低摩擦・耐摩耗材料からなるリフタシム
を有するバルブリフタを備え、カムの材質によらず、カ
ムとバルブリフタとの摺動による摩擦損失が十分に低減
される内燃機関の動弁装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】内燃機関の動弁装置にお
いて、リフタシムの、カムと摺動される面にダイヤモン
ド等からなる硬度の高い皮膜を形成し、摩擦損失を低減
することは以前より知られている。しかし、カムの材質
が鋳鉄であるため、ダイヤモンドからなる皮膜の他の金
属との間の摩擦損失等については、これまで十分に検討
されていない。そこで、他の金属について摩擦損失を評
価したところ、鋳鉄の場合より摩擦係数が小さくなる、
即ち、摩擦損失が十分に低減されることが分かった。更
に、これまではシム及びカム、各々の表面粗さを調整す
ることにより摩擦損失の低減が図られてきたが十分では
なく、特定の式で表される合成粗さをより小さくするこ
とによって、摩擦損失が効果的に低減されることが分か
った。本発明は、このような知見に基づいてなされたも
のである。
【0007】第1発明の低摩擦・耐摩耗材料は、低摩擦
・耐摩耗材料を用いて表面粗さ(Ra)が0.3μm以
下の試験体を作製し、該試験体と、異なる種類の金属か
らなり、各々その表面粗さ(Ra)が0.30μmであ
る2種以上の相手材と、の摩擦試験を下記の条件で行っ
た場合に、上記相手材の種類によらずいずれの場合も動
摩擦係数が0.09以下となることを特徴とする。尚、
表面粗さ(Ra)はJIS B 0601−1994に
より測定することができる。以下、表面粗さ(Ra)は
すべてこの方法により測定されるものである。
【0008】図1は、第1発明において動摩擦係数の測
定に用いた装置[ファレックス コーポレーション(F
ALEX社)製、エルエフダブリュ(LFW)試験機]
の概略図である。試験体1は、ステンレス鋼からなる基
体11と、この基体の表面に低摩擦・耐摩耗材料を用い
て形成された皮膜12とからなる。この皮膜は、基体側
から加えられた1176Nの荷重により相手材からなる
直径35mmの円盤2の周面に押圧されて接している。
円盤は、径方向の1/3程度が常温(23〜28℃)の
油浴(潤滑油、東燃株式会社製、グレード名「5W−3
0」)に浸漬された状態で160回/分の回転数で回転
している。試験体は、歪みゲージ4に接続されており、
円盤の回転にともなって摩擦の程度に応じて回転方向に
引っ張られ、この変位が歪みゲージにより感知され、動
摩擦係数として算出される。
【0009】第1発明の低摩擦・耐摩耗材料は、上記の
特定の方法により評価した場合に、相手材の金属の種類
によらず、動摩擦係数が0.09以下と小さい。従っ
て、この低摩擦・耐摩耗材料からなる皮膜を機械部品等
の摺動面に形成すれば、機械部品等の材質によらず、摩
擦損失が十分に抑制されることが推察される。特に、試
験体の表面粗さ(Ra)を0.10〜0.25μmとす
れば、動摩擦係数を0.02〜0.07と特定の好まし
い範囲に調整することもでき、機械部品等の摺動面にお
ける摩擦損失をより効率的に抑制することができる。こ
のような低摩擦・耐摩耗材料として好ましいものとして
は、ダイヤモンドが挙げられる。
【0010】2種以上の相手材の金属種は特に限定され
ないが、第2発明のように、ステンレス鋼、アルミニウ
ム、銅及び黄銅である場合に、より確実に動摩擦係数を
小さくすることができる。これらの金属は、各種の機械
部品等において汎用の鋳鉄等に代えて使用され得るもの
であり、本発明の低摩擦・耐摩耗材料であれば、金属の
種類にかかわらず、摺動面における摩擦損失を十分に低
減することができる。尚、相手材の金属種としては、こ
の他にもマグネシウム、チタン及び鋳鉄等が挙げられ、
同様に動摩擦係数を低下させることができる。
【0011】本発明の低摩擦・耐摩耗材料は、車両等の
内燃機関の動弁装置における摩擦損失の低減に特に有用
である。このような動弁装置の一例の概略を図2に示
す。この動弁装置は、バルブリフタ5、その上面に形成
されるリフタシム51、このリフタシムと摺動されるカ
ム61、このカムを備えるカムシャフト6、バルブスプ
リング7、シリンダーヘッド8に設けられるバルブガイ
ド9、及びバルブ10等を有する。この動弁装置では、
カムとリフターシムとの摺動により、バルブが往復動
し、燃焼室に通じるポートの開口端に設けられたバルブ
が開閉され、燃焼室の吸気及び排気が制御される。
【0012】第3発明の内燃機関の動弁装置は、カムシ
ャフトの回転がバルブの往復動に変換される内燃機関の
動弁装置において、バルブリフタの表面に設けられたリ
フタシムの、少なくともカムと摺動される表面層がダイ
ヤモンドからなり、下記の式により表される上記カムと
上記表面層との合成粗さ(Ra)が0.28μm以下で
あることを特徴とする。
【0013】カムとリフタシムの表面層との合成粗さ
(Ra)を0.28μm以下とすることにより、カムと
表面層との間の動摩擦係数を小さくすることができ、動
弁装置における摩擦損失を十分に抑制することができ
る。この合成粗さ(Ra)が0.28μmを越える場合
は、動摩擦係数が大きくなり、摩擦損失が十分に抑制さ
れない。摩擦損失を更に効率よく抑制するためには、こ
の合成粗さ(Ra)はより小さいことが好ましい。ま
た、第4発明のように、表面層の表面粗さ(R)を0.
3μm以下とすることによって、合成粗さ(Ra)を容
易に小さくすることができ、特に好ましい。
【0014】第5発明の内燃機関の動弁装置は、カムシ
ャフトの回転がバルブの往復動に変換される内燃機関の
動弁装置において、バルブリフタの表面に設けられたリ
フタシムの、少なくともカムと摺動される表面層がダイ
ヤモンドからなり、上記リフタシムが設けられた後、上
記動弁装置が作動する前の上記表面層の表面粗さ(R
a)が0.28〜0.34μmであることを特徴とす
る。
【0015】ダイヤモンドからなる表面層は、その表面
が粗い場合は相手攻撃性が大きく、カムの周面を過剰に
研磨することがあり、好ましくない。そのため、第3発
明では、表面層を十分に研磨して表面粗さを小さくし、
更にカムの表面との合成粗さ(Ra)を特定値以下とす
ることによって、カムとの摺動面における摩擦を低減し
て摩擦損失を抑制している。しかし、ダイヤモンドの研
磨は多くの費用と時間とを必要とし、また、非常に硬い
ため、研磨時に表面の周縁等が欠損することもある。
【0016】そこで、第5発明では、表面層の研磨を、
その表面粗さ(Ra)が0.28〜0.34μm、特に
0.30〜0.32μmとなるように抑制している。こ
のようにすれば、動弁装置の作動によって、表面層及び
この表面層と摺動されるカムの表面がともに適度に研磨
され、第6発明のように、これら両表面間の合成粗さ
(Ra)が経時とともに第3発明と同様に0.28μm
以下にまで低下し、摩擦損失が十分に抑制される。ま
た、ダイヤモンドをそれほど研磨する必要がないため、
表面層の周縁が欠損することもなく、リフタシムの作製
における歩留まりも向上する。
【0017】更に、第3乃至第6発明では、ダイヤモン
ドからなる表面層の粗さ、或いはカムとリフタシムとの
合成粗さを特定することにより、第1乃至第2発明と同
様に、カムの材質によらず、低摩擦、耐摩耗が実現され
る。従って、従来の鋳鉄ばかりでなく、第7発明のよう
に、ステンレス鋼、アルミニウム、銅又は黄銅により形
成されたカムであっても、摩擦損失が十分に低減され
る。
【0018】また、第3発明、及び第5発明において
も、カムとリフタシムとの合成粗さ(Ra)が特定値以
下であって、摩擦損失の小さい動弁装置とすることがで
きるが、このように合成粗さ(Ra)を小さくするため
には、リフタシムの表面層ばかりでなく、第8発明のよ
うに、カムのバルブリフタの表面層と摺動する面の表面
粗さ(Ra)が0.10μm以下、特に0.05μm以
下であることが好ましい。このようにカムの表面粗さ
(Ra)が十分に小さければ、カムとの摺動によりリフ
タシムの表面層が損傷を受けることもなく、合成粗さ
(Ra)を容易に特定値以下とすることができる。
【0019】リフタシムは、通常、バルブリフタの上面
と接する基体と、この基体の表面に形成される表面層と
からなる。この表面層は、基体の表面に化学蒸着法、物
理蒸着法等により形成されるが、特に、この表面層が数
μm程度と薄い場合など、基体の表面の表面粗さ(R
a)がダイヤモンドからなる表面層の表面粗さ(Ra)
に大きく影響する。そのため、基体の、表面層が形成さ
れる側の面の表面粗さ(Ra)は、第9発明のように、
0.30μm以下であることが好ましい。このようにす
れば、表面粗さ(Ra)の小さい表面層を有するリフタ
シムを容易に作製することができる。
【0020】尚、表面層を形成するダイヤモンドは、平
均粒径が1μm以下、特に0.5μm以下の粒子である
ことが好ましい。平均粒径が大きい場合は、カムの表面
が過度に研磨され、傷付くこともあり、摩擦損失が十分
に低減されないことがある。このダイヤモンドの平均粒
径は、光学顕微鏡等により測定することができる。
【0021】リフタシムの基体の材質等は特に限定され
ないが、カムとリフタシムとの摺動面における最大面圧
は700MPaにも達するため、基体が十分な硬度、強
度を有していない場合は、この面圧が加わった場合に基
体が大きく変形することがある。そして、この基体の変
形にともなって表面層も変形し、層内に大きな歪みを生
じることもあり、この歪みの程度にもよるが、表面層が
基体から剥離することもある。そのため、基体は、Hv
=400以上の、硬度、強度が十分に大きい材質からな
ることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照しながら実施例
により本発明を更に詳しく説明する。 (1)相手材となる金属の種類による動摩擦係数の評価 15×6×10mmの窒化ケイ素製の基体11の一表面
に、化学蒸着法により気相合成ダイヤモンドを析出さ
せ、厚さ5μm、表面粗さ(Ra)0.20μmの皮膜
を形成し、試験体とした。また、相手材として、ステン
レス鋼、アルミニウム、黄銅又は鋳鉄からなり、直径3
5mm、厚さ4mm、周面の表面粗さ(Ra)0.30
μmの円盤を作製した。これら試験体と円盤とを使用
し、図1にその概略を示す試験機(FALEX社)製、
LFW試験機)により、前記の試験条件で皮膜と円盤の
周面との間の動摩擦係数を測定した。尚、油浴には潤滑
油(東燃株式会社製、グレード名「5W−30」)を用
いた。
【0023】上記のようにして測定した結果によれば、
動摩擦係数は、ステンレス鋼ではμ=0.025、アル
ミニウムではμ=0.045、黄銅ではμ=0.05
9、鋳鉄ではμ=0.064であり、相手材の金属の種
類によらず、いずれの場合も動摩擦係数が小さいことが
分かった。尚、表面粗さ(Ra)が第1発明の上限を越
え、0.35μmと大きい皮膜を有する試験体を使用
し、同様にして動摩擦係数を測定したところ、μ=1.
8と大きく、表面粗さ(Ra)の動摩擦係数に与える影
響を確認することができた。また、試験体として基体の
み(表面はステンレス鋼からなる。)を使用し、相手材
としてステンレス鋼からなる円盤を用いて試験してみた
ところ、このステンレス鋼の間の動摩擦係数はμ=0.
10であり、ダイヤモンドの場合に比べて非常に大きか
った。
【0024】(2)合成粗さと動摩擦係数との相関 (1)において、ダイヤモンドからなる皮膜、及び鋳鉄
からなる円盤を使用し、皮膜の表面粗さ(Ra)を0.
3μm以下の範囲で、また、円盤の周面の表面粗さ(R
a)を0.2μm以下の範囲で、それぞれ変化させ、合
成粗さ(Ra)が0.20〜0.35μmとなるように
調整した。そのような試験体と円盤とを組み合わせ、
(1)と同様にして動摩擦係数を測定した。結果を図3
に示す。図3の結果によれば、合成粗さ(Ra)が0.
28μm以下であれば、動摩擦係数はμ=0.09以下
となり、動弁装置におけるバルブシムとカムそれぞれの
表面粗さ(Ra)を上記の範囲となるようにして組み合
わせて使用すれば、摩擦損失の少ない動弁装置が得られ
ることが推察される。
【0025】
【発明の効果】第1乃至第2発明によれば、ステンレス
鋼、アルミニウム、銅、黄銅等、相手材となる金属の種
類によらず、低摩擦・耐摩耗が維持される材料を得るこ
とができ、内燃機関における動弁装置など、摺動による
摩擦損失が問題となる機械装置、部品などの摩擦低減を
目的として使用することができる。また、第3乃至第9
発明によれば、カムの材質が、鋳鉄ばかりでなく、ステ
ンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅等であっても、カム
とリフタシムとの摺動における摩擦損失が十分に低減さ
れる内燃機関の動弁装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動摩擦係数を測定するための摩擦試験において
用いる試験機を模式的に示す概略図である。
【図2】動弁装置の一例の断面を示す概略図である。
【図3】合成粗さ(Ra)と動摩擦係数との相関を表す
グラフである。
【符号の説明】
1;試験体、11;基体、12;皮膜、2;相手材から
なる円盤、3;油浴、4;歪みゲージ、5;バルブリフ
タ、51;リフタシム、6;カムシャフト、61;カ
ム、7;バルブスプリング、8;シリンダーヘッド、
9;バルブガイド、10;バルブ。
フロントページの続き (72)発明者 海道 昌孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA02 AA06 AA19 BA34 BB05 BB06 DA12 DA27 EA02 EA04 EA05 EA07 EA11 EA24 FA21 GA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低摩擦・耐摩耗材料を用いて表面粗さ
    (Ra)が0.30μm以下の試験体を作製し、該試験
    体と、異なる種類の金属からなり、各々その表面粗さ
    (Ra)が0.30μmである2種以上の相手材と、の
    摩擦試験を下記の条件で行った場合に、上記相手材の種
    類によらずいずれの場合も動摩擦係数が0.09以下と
    なることを特徴とする低摩擦・耐摩耗材料。 試験機:ファレックス コーポレーション製、エルエフ
    ダブリュ試験機 測定条件:相手材の直径;35mm、相手材の回転数;
    160回/分、荷重;1176N、試験時間;30分、
    油浴温度;25℃
  2. 【請求項2】 上記2種以上の相手材が、ステンレス
    鋼、アルミニウム、銅、黄銅及び鋳鉄からなる請求項1
    記載の低摩擦・耐摩耗材料。
  3. 【請求項3】 カムシャフトの回転がバルブの往復動に
    変換される内燃機関の動弁装置において、バルブリフタ
    の表面に設けられたリフタシムの、少なくともカムと摺
    動される表面層がダイヤモンドからなり、下記の式によ
    り表される上記カムと上記表面層との合成粗さ(Ra)
    が0.28μm以下であることを特徴とする内燃機関の
    動弁装置。合成粗さ(μm)=[(カムの表面粗さ)2+(リ
    フタシムの表面粗さ)21/2
  4. 【請求項4】 上記表面層の表面粗さ(Ra)が0.3
    0μm以下である請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 【請求項5】 カムシャフトの回転がバルブの往復動に
    変換される内燃機関の動弁装置において、バルブリフタ
    の表面に設けられたリフタシムの、少なくともカムと摺
    動される表面層がダイヤモンドからなり、上記動弁装置
    が作動する前の上記表面層の表面粗さ(Ra)が0.2
    8〜0.34μmであることを特徴とする内燃機関の動
    弁装置。
  6. 【請求項6】 上記動弁装置の作動により、請求項3記
    載の式によって表される上記カムと上記表面層との合成
    粗さ(Ra)が0.28μm以下となる請求項5記載の
    内燃機関の動弁装置。
  7. 【請求項7】 上記カムが、ステンレス鋼、アルミニウ
    ム、銅又は黄銅からなる請求項3乃至6のうちのいずれ
    か1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  8. 【請求項8】 上記カムの上記バルブリフタと摺動され
    る面の表面粗さ(Ra)が0.10μm以下である請求
    項3乃至7のうちのいずれか1項に記載の内燃機関の動
    弁装置。
  9. 【請求項9】 上記リフタシムが基体と上記表面層とか
    らなり、該基体の該表面層が設けられる面の表面粗さ
    (Ra)が0.30μm以下である請求項3乃至8のう
    ちのいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063606A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Nachi Fujikoshi Corp 真空用摺動部材
JP2016120704A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 トヨタ自動車株式会社 摺動部材およびその製造方法
US11970339B2 (en) 2018-07-30 2024-04-30 Xr Reserve Llc Roller ball assembly with superhard elements

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