JP5976328B2 - ピストンリング - Google Patents

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Description

本発明は、摺動部材に関し、更に詳しくは、耐摩耗性に優れた表面皮膜の靭性を向上させることができる摺動部材に関する。
内燃機関に用いられるピストンリング等の高温且つ高圧の厳しい環境下で使用される摺動部材において、耐摩耗性や耐スカッフ性等の更なる向上が要求されている。例えば、ピストンリングの外周摺動面は、シリンダライナの内周面に摺動接触することから、特に優れた耐摩耗性が要求され、クロムめっき皮膜、窒化層、又はPVD法で形成された硬質皮膜等が用いられている。そして、上記の要求に対応するため、ピストンリングの外周摺動面や上下面には、クロムめっき皮膜、窒化処理皮膜、PVD法で作製された窒化クロム(CrN、CrN)や窒化チタン(TiN)等の硬質皮膜等が形成されている。
しかし、近年の内燃機関の軽量化や高出力化に伴い、ピストンリングをはじめとする摺動部材は、さらに厳しい条件下で使用されることとなり、靱性及び耐摩耗性に優れた摺動部材が望まれている。
このような課題に対し、例えば、特許文献1には、摺動部表面に耐摩耗性及び靱性の両方を兼ね備えた皮膜を形成し、摺動部材の耐摩耗性及び耐剥離性の向上した摺動部材が提案されている。具体的には、窒化クロムを主成分とする皮膜が摺動面に形成された摺動部材において、その皮膜が、空孔率0.05%〜3%未満の緻密皮膜と、空孔率3〜15%のポーラス皮膜とを交互に積層した3層以上の多層構造を備えるようにした技術が提案されている。
また、特許文献2には、相手材との初期なじみ性に優れるとともに高負荷での摺動が継続した場合であっても耐スカッフ性と耐摩耗性を継続的に維持できる摺動部材が提案されている。具体的には、少なくとも摺動面に、母材側より耐摩耗性皮膜と硬質炭素皮膜とが繰り返し形成された摺動部材であって、耐摩耗性皮膜と硬質炭素皮膜とからなる層を2以上有するようにした技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1,2の技術は、異なる層を交互に繰り返し積層した多層構造であり、成膜がやや煩雑であった。
なお、高耐久性と低摩擦係数の2つの特性を同時に満足させることのできる摺動部材として、特許文献3には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)系の摺動皮膜を設けた摺動部材が提案されている。この特許文献3に記載の摺動部材は、硬度が20GPa以上45GPa以下でヤング率が250GPa以上450GPa以下で膜厚が0.2μm以上4.0μm以下のDLCからなる下層膜と、硬度が5GPa以上20GPa未満でヤング率が60GPa以上240GPa以下で膜厚が1.0μm以上10μm以下のDLCからなる上層膜との少なくとも2層の膜から構成された摺動皮膜を有している。
特開2009−133445号公報 特開2008−286354号公報 特開2009−167512号公報
本発明者は、耐摩耗性に優れた摺動部材の研究開発を行っている過程で、耐摩耗性をより一層向上させるために、摺動部材の表面に機械的強度の高い耐摩耗性皮膜を設けた摺動部材の耐摩耗性試験を行った。その結果、機械的強度の高い耐摩耗性皮膜は、耐摩耗性に優れるものの、クラック(亀裂)が生じ易く、そのクラックを起点として皮膜が剥がれて耐摩耗性が低下するという現象を知見した。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであって、その目的は、耐摩耗性に優れた表面皮膜の靭性を向上させた摺動部材を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る摺動部材は、母材と、該母材上に設けられた下地層と、該下地層上に設けられた耐摩耗性皮膜とを有し、前記耐摩耗性皮膜の厚さT1と前記下地層の厚さT2とが下記式1の関係を満たし、且つ前記下地層のヤング率が下記式2の関係を満たすことを特徴とする。
この発明によれば、耐摩耗性皮膜と下地層が上記式1,2の関係を満たすことにより、その下地層上に設けられた耐摩耗性皮膜は、クラック(亀裂)が生じ難くなり、クラックを起点として耐摩耗性皮膜が剥がれて耐摩耗性が低下するという現象を抑制することができ、優れた耐摩耗性を実現できた。また、耐摩耗性皮膜のクラックを低減できるので、より硬い皮膜(硬度、ヤング率)を耐摩耗性皮膜として設けることができた。
本発明に係る摺動部材において、前記耐摩耗性皮膜が、200GPa以上のヤング率と800HV(0.05)以上のビッカース硬度とを有することが好ましい。
本発明に係る摺動部材において、前記耐摩耗性皮膜が、クロムめっき皮膜、窒化クロム系合金皮膜、窒化チタン系合金皮膜、及び硬質炭素皮膜から選ばれるいずれかである。
本発明に係る摺動部材において、前記耐摩耗性皮膜の厚さT1が、0.5μm以上40μm以下であることが好ましい。
本発明に係る摺動部材によれば、耐摩耗性皮膜と下地層が上記式1,2の関係を満たすことにより、その下地層上に設けられた耐摩耗性皮膜は、クラック(亀裂)が生じ難くなり、クラックを起点として耐摩耗性皮膜が剥がれて耐摩耗性が低下するという現象を抑制することができ、優れた耐摩耗性を実現できた。また、耐摩耗性皮膜のクラックを低減できるので、より硬い皮膜(硬度、ヤング率)を耐摩耗性皮膜として設けることができた。
本発明に係る摺動部材の摺動面の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る摺動部材を構成する母材と下地層と耐摩耗性皮膜とのヤング率の関係を示す説明図である。 本発明に係る摺動部材の摺動面の他の例を示す模式的な断面図である。 ピストンリングに適用した場合の例を示す模式的な断面図である。 (A)は実施例1の摺動面の断面写真であり、(B)は比較例1の摺動面の断面写真であり、(C)は実施例1の摺動面のクラック非発生形態であり、(D)は比較例1の摺動面のクラック発生形態である。 剥離試験測定に用いるスクラッチ試験機の構成原理図である。 摩耗試験及びスカッフ荷重測定に用いた回転式平面滑り摩擦試験機の構成原理図である。
本発明に係る摺動部材について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、その技術的特徴を有する限り、以下の実施形態に限定されない。
本発明に係る摺動部材10は、図1及び図3に示すように、母材1と、母材1上に設けられた下地層2と、下地層2上に設けられた耐摩耗性皮膜3とを少なくとも有している。そして、耐摩耗性皮膜3の厚さT1と下地層2の厚さT2とが後述する式1の関係を満たし、且つ下地層2のヤング率が後述する式2の関係を満たすことに特徴がある。
以下、本発明に係る摺動部材の構成要素について詳しく説明する。
(母材)
母材1としては、摺動部材10の母材として用いられている各種のものを挙げることができ、特に限定されない。例えば、ステンレススチール鋼としては、質量%にて、C:0.8〜0.95、Si:0.5以下、Mn:0.25〜0.40、Cr:17.00〜18.50、Mo:1.00〜1.25、V:0.08〜0.15、P:0.04以下、S:0.04以下、残部Fe及び不可避不純物、又は、C:0.6〜0.7、Si:0.25〜0.50、Mn:0.20〜0.50、Cr:13.00〜14.00、Mo:0.20〜0.40、P:0.03以下、S:0.03以下、残部Fe及び不可避不純物を用いることが好ましい。また、鋼材としては、C:0.5〜0.6、Si:1.2〜1.6、Mn:0.5〜0.8、Cr:0.5〜0.8、P:0.03以下、S:0.03以下、残部Fe及び不可避不純物を用いることが好ましい。また、母材1に予め窒化処理を施して窒化層(図示しない)が形成されているものや、母材1に予め皮膜(下記同様のCr−N系、Cr−B−N系等)が形成されているものも、母材1として適用できる。
(耐摩耗性皮膜)
耐摩耗性皮膜3は、摺動部材1の摺動面である最表面に設けられた皮膜であり、後述する下地層2上に設けられている。この耐摩耗性皮膜3は、図1及び図3(A)に示すように、後述する下地層2上に設けられていてもよいし、図3(B)に示すように、下地層2上に他の層4を介して設けられていてもよい。なお、摺動部材1がピストンリング15である場合には、図4に示すように、耐摩耗性皮膜3は、ピストンリング15の少なくとも外周摺動面11に形成されるが、その他の面、例えば上面12、下面13、内周面14にも任意に形成できる。例えば、図4(A)に示すように外周摺動面11のみに形成する場合、図4(B)に示すように外周摺動面11、上面12及び下面13に形成する場合、図示しないが外周摺動面11、上面12、下面13及び内周面14の全周に形成する場合等を挙げることができる。
耐摩耗性皮膜3は、相手材との間で優れた耐摩耗性や耐スカッフ性等の摺動特性を発揮できる皮膜であり、後述する式2の関係を満たす耐摩耗性の皮膜であれば特に限定されないが、例えば、硬質クロムめっき皮膜、Cr−N系、Cr−B−N系、Cr−B−V−N系等の窒化クロム系合金皮膜、TiN等の窒化チタン系合金皮膜、及び硬質炭素皮膜(以下、ダイヤモンドライクカーボン系皮膜又はDLC系皮膜ともいう。)から選ばれる皮膜を好ましく適用できる。
耐摩耗性皮膜3は種々の形成手段で形成することができる。例えば、硬質クロムめっき皮膜の場合には、電気めっき法等で形成できる。また、窒化クロム系合金皮膜、窒化チタン系合金皮膜及びDLC系皮膜の場合には、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で形成できる。
これらのうち、Cr−N系の耐摩耗性皮膜3は、窒化クロムを主成分とした皮膜であり、例えばアークイオンプレーティング法により、クロムターゲットと、導入ガスである窒素、又は窒素及びアルゴンとを用いて成膜できる。また、Cr−B−N系の耐摩耗性皮膜3は、窒素とホウ素のクロム化合物を主成分とした皮膜であり、例えばアークイオンプレーティング法により、クロム−ボロン合金ターゲットと、導入ガスである窒素、又は窒素及びアルゴンとを用いて成膜できる。また、Cr−B−V−N系の耐摩耗性皮膜3は、窒素とホウ素とバナジウムのクロム化合物を主成分とした皮膜であり、例えばアークイオンプレーティング法により、クロム−ボロン−バナジウム合金ターゲットと、導入ガスである窒素、又は窒素及びアルゴンとを用いて成膜できる。
また、Ti−N系の耐摩耗性皮膜3は、窒化チタンを主成分とした皮膜であり、例えばアークイオンプレーティング法により、チタンターゲットと、導入ガスである窒素、又は窒素及びアルゴンとを用いて成膜できる。
また、DLC系の耐摩耗性皮膜3は、アモルファス状の炭素膜のことをいい、相手材に対する摩擦係数が低く、相手材に対する初期なじみ性が良好な皮膜である。具体的には、炭素の他に、ケイ素、酸素、水素、窒素、アルゴンのうち少なくとも1種以上からなるDLC系皮膜を好ましく適用できる。
DLC系皮膜のうち、炭素を主成分としたDLC系皮膜は、例えばアークイオンプレーティング法により、炭素ターゲットと、導入ガスとしてのアルゴンとを用いて成膜できる。また、必要に応じてメタン等の炭素源を導入ガスとして用いてもよい。ここで、DLC系皮膜の主成分である炭素以外の成分としては、水素と不可避不純物等を挙げることができる。また、アルゴンガスを積極的に導入することにより、アルゴンを含有するDLC系皮膜を成膜することができる。同様に、酸素ガスや窒素ガスを導入することにより、酸素や窒素を含有するDLC系皮膜を成膜することができる。
また、ケイ素を含有したDLC系皮膜は、炭素とケイ素を主成分としたDLC皮膜であり、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えばメタン等の炭化水素ガスとケイ素化合物ガス(例えば、テトラメチルシラン等)を用いて成膜できる。ここで、主成分である炭素とケイ素以外の成分としては、水素と不可避不純物等を挙げることができる。
上記した各材料からなる耐摩耗性皮膜3は、200GPa以上のヤング率であることが好ましい。耐摩耗性皮膜3のヤング率の上限は特に限定されないが、例えば450GPa以下である。こうした範囲内の耐摩耗性皮膜3は、優れた耐摩耗性を実現できる。耐摩耗性皮膜3のうち、例えばCr−N系、Cr−B−N系、Cr−B−V−N系及びTi−N系から選ばれる窒化物系皮膜は、ヤング率で220GPa以上300GPa以下の範囲で容易に制御可能であり、炭素からなるDLC系皮膜、又は、炭素と、ケイ素、水素、酸素、窒素、アルゴンのうちの少なくとも1種以上とからなるDLC系皮膜は、ヤング率で200GPa以上300GPa以下の範囲で容易に制御可能である。
なお、ヤング率は、ナノインデンテーション法により測定でき、測定荷重1から100mNの範囲で負荷−除荷曲線を測定して算出できる。
また、上記した各材料からなる耐摩耗性皮膜3は、800HV(0.05)以上のビッカース硬度であることが特に好ましい。耐摩耗性皮膜3のビッカース硬度の上限も特に限定されないが、例えば4000HV(0.05)以下である。こうした範囲内の耐摩耗性皮膜3は、優れた耐摩耗性を実現できる。耐摩耗性皮膜3のうち、例えばCr−N系、Cr−B−N系、Cr−B−V−N系及びTi−N系から選ばれる窒化物系皮膜は、ビッカース硬さで1000HV(0.05)以上2000HV(0.05)以下の範囲で容易に制御可能であり、炭素からなるDLC系皮膜、又は、炭素と、ケイ素、水素、酸素、窒素、アルゴンのうちの少なくとも1種以上とからなるDLC系皮膜は、ビッカース硬さで1000HV(0.05)以上4000HV(0.05)以下の範囲で容易に制御可能である。
なお、ビッカース硬度は、微小ビッカース硬さ試験機(株式会社アカシ製)等を用いて測定することができる。「HV(0.05)」は、50gf荷重時のビッカース硬度を示すことを意味している。
耐摩耗性皮膜3の厚さT1は特に限定されないが、摺動部材1としての通常の厚さである0.5μm以上40μm以下であることが好ましい。この範囲内の厚さで耐摩耗性皮膜3を成膜することにより、摺動部材1に良好な耐摩耗性を付与することができる。
(下地層)
下地層2は、図1に示すように、母材1と耐摩耗性皮膜3との間に形成されている。この下地層2を設けることにより、耐摩耗性皮膜3のクラックの発生を抑制することができる。下地層2は、下記式2を満たすことを条件にして、各種の層の中から選ばれる。
式2は、下地層2のヤング率を特定している。下地層のヤング率(GPa)は、要するに、耐摩耗性皮膜3のヤング率(GPa)と母材1のヤング率(GPa)とを平均した値の0.92%以上108%以下の範囲内の値である。この範囲内のヤング率を持つ下地層2を耐摩耗性皮膜3の下に設けることにより、耐摩耗性皮膜3のクラックの発生を抑制できる。その理由は明確ではないが、耐摩耗性皮膜3のみに加わる応力集中が、下地層2にも分担されるためではないかと考えられる。なお、ヤング率の測定箇所は、各層の厚さ方向の中央位置で測定した値を用いる。
図2の例では、母材1のヤング率が200GPaで、耐摩耗性皮膜3のヤング率が300GPaである場合、下地層2のヤング率を、その平均の250GPaの92%値である230GPa以上、108%値である270GPa以下の範囲を示している。
こうしたヤング率を示す下地層2は、式2の関係を満たすように、各種の材料で形成できる。例えば、耐摩耗性皮膜3の同様の、硬質クロムめっき皮膜、窒化クロム系合金皮膜、窒化チタン系合金皮膜、DLC系皮膜等を用いてもよい。
下地層2の厚さT2は、その上に設けられる耐摩耗性皮膜3の厚さT1との間で下記式1の関係を持たしている。すなわち、下地層2の厚さT2は、耐摩耗性皮膜3と下地層2との合計厚さ(T1+T2)の20%以上80%以下である。
上記したように、耐摩耗性皮膜3の厚さT1が例えば1μmである場合は、下地層2の厚さT2は0.2μm以上4μm以下であり、耐摩耗性皮膜3の厚さT1が例えば20μmである場合は、下地層2の厚さT2は5μm以上80μm以下である。この範囲内の厚さで下地層2を成膜することにより、耐摩耗性皮膜3のクラックの発生を抑制できる。
下地層2は、その成膜材料に応じて種々の形成手段で形成することができ、例えばスパッタリング法やイオンプレーティング法で形成できる。特にその下地層2上に形成する耐摩耗性皮膜3と同じ成膜手法で形成することがコストの観点からは好ましい。
(その他の層)
中間層4は、図3に示すように、本発明の趣旨を阻害しないことを条件に、摺動部材1の摺動面に任意に設けることができる。例えば、図3(A)に示すように、母材1と下地層2との間に設けてもよいし、図3(B)に示すように、下地層2と耐摩耗性皮膜3との間に設けてもよい。
中間層4が設けられた場合には、下地層2と中間層4とで下地層2’を構成する。したがって、下地層2と中間層4とのヤング率の平均値が上記式2の関係を満たし、その合計厚さが上記式1の関係を満たすことが望ましい。
こうした中間層4としては、例えば、耐摩耗性皮膜3と同じ組成系の傾斜膜、下地層2と同じ組成系の傾斜膜等を挙げることができる。
中間層4が傾斜膜である場合は、上記の耐摩耗性皮膜3や下地層2と同様の形成手段で形成することが好ましく、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等で形成できる。この傾斜膜は、耐摩耗性皮膜3や下地層2の中間組成からなるものであり、厚さ方向で一定の組成であってもよいし、厚さ方向で各傾斜膜の組成を変化させてもよいし、一つの傾斜膜における組成を耐摩耗性皮膜3や下地層2に接触する側からその反対側に向かって徐々に変化させてもよい。
中間層4の厚さは特に限定されないが、例えば0.01μm以上20μmの範囲内であることが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る摺動部材10が有する耐摩耗性皮膜3と下地層2とが上記式1,2の関係を満たすことにより、その下地層2上に設けられた耐摩耗性皮膜3は、クラック(亀裂)が生じ難くなり、クラックを起点として耐摩耗性皮膜3が剥がれて耐摩耗性が低下するという現象を抑制することができ、優れた耐摩耗性を実現できた。また、耐摩耗性皮膜3のクラックを低減できるので、より硬い皮膜(硬度、ヤング率)を耐摩耗性皮膜3として設けることができた。
こうした摺動部材1を構成する摺動面構造は、各種の摺動部材に適用できる。例えば、ドリル刃をはじめとする切削工具、研削工具等の加工治具、塑性加工用金型、バルブコックやキャプスタンローラのような無潤滑環境下で使用される摺動部材、等の応用することができる。また、例えば、図4に示すようなピストンリング15の外周摺動面、シリンダライナの内周摺動面、ロッカーアームの摺動面、カムシャフトの摺動面、コンプレッサー用ベーンの摺動面等のように、負荷の大きい過酷な摺動環境に用いられる摺動部材に好ましく適用できる。
以下に、本発明に係る摺動部材について、実施例と比較例と従来例を挙げてさらに詳しく説明する。
[実施例1]
C:0.85質量%、Si:0.4質量%、Mn:0.3質量%、Cr:17.5質量%、Mo:1.1質量%、V:0.1質量%、P:0.02質量%、S:0.02質量%、残部:鉄及び不可避不純物からなるSUS440B相当(17Crステンレス鋼)製で、予めガス窒化処理してなる母材1を使用した。この母材1上に、下地層2として、厚さ5μmのCr−B−N系合金のポーラスな柱状晶を形成した。このCr−B−N系合金皮膜は、アークイオンプレーティング装置を用い、クロム−ボロン合金ターゲットを使用し、窒素ガスをパージしたチャンバー内で、バイアス電圧を変化させる等して形成した。この下地層2の組成をEPMAで定量分析したところ、Bが1.1質量%、Nが34.3質量%、残部がCrであった。
次に、その下地層2上に、耐摩耗性皮膜3として、厚さ5μmのCr−B−N系合金の緻密な柱状晶を形成した。このCr−B−N系合金皮膜も、アークイオンプレーティング装置を用い、クロム−ボロン合金ターゲットを使用し、窒素ガスをパージしたチャンバー内で、母材1へのバイアス電圧を変化させる等して形成した。この耐摩耗性皮膜3の組成をエネルギー分散型EPMAで定量分析したところ、Bが1.2質量%、Nが34.5質量%、残部がCrであった。
なお、この緻密な柱状晶と、前記したポーラスな柱状晶とは、バイアス電圧と窒素ガス圧力とを変化させて制御した。具体的には、チャンバー内の窒素ガス圧力を50mTorrに維持して、ポーラス皮膜を形成する場合にはバイアス電圧を−7Vとし、緻密皮膜を形成する場合には窒素ガス圧力を25mTorr、バイアス電圧を−7Vにしてそれぞれ形成した。また、ポーラス皮膜は、チャンバー内の窒素ガス圧力を25mTorrとし且つバイアス電圧を0Vとして形成することもできる。また、緻密皮膜を形成する場合は、チャンバー内の窒素ガス圧力を9mTorrとし且つバイアス電圧を−10Vとして形成することもできる。
こうして得られた摺動部材1を断面研磨し、各部のヤング率とビッカース硬度を測定数n=5にて測定し、その平均値を求めた。母材1は、ヤング率が207GPa、ビッカース硬度が1100HV(0.05)であり、下地層2は、ヤング率が235GPa、ビッカース硬度が1450HV(0.05)であり、耐摩耗性皮膜3は、ヤング率が268GPa、ビッカース硬度が1800HV(0.05)であった。
[実施例2]
実施例1と同じ母材1の外周摺動面11に、下地層2として、厚さ5μmのCr−N系皮膜を形成した。このCr−N系皮膜は、アークイオンプレーティング装置で形成した。この下地層2の組成をEPMAで定量分析したところ、Nが33.0質量%、残部がCrであった。
次に、その下地層2上に、耐摩耗性皮膜3として、厚さ5μmのCr−N系合金皮膜を形成した。このCr−N系合金皮膜は、アークイオンプレーティング装置で形成した。この耐摩耗性皮膜3の組成をEPMAで定量分析したところ、Nが32.3質量%、残部がCrであった。
こうして得られた摺動部材1を断面研磨し、各部のヤング率とビッカース硬度を測定数n=5にて測定し、その平均値を求めた。母材1は、ヤング率が207GPa、ビッカース硬度が1100HV(0.05)であり、下地層2は、ヤング率が233GPa、ビッカース硬度が1100HV(0.05)であり、耐摩耗性皮膜3は、ヤング率が241GPa、ビッカース硬度が1600HV(0.05)であった。
[実施例3]
実施例1において、下地層2の厚さを5μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを10μmに変更した他は、実施例1と同様にして実施例3の摺動部材1を作製した。
[実施例4]
実施例2において、下地層2の厚さを5μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを10μmに変更した他は、実施例2と同様にして実施例4の摺動部材1を作製した。
[比較例1]
実施例1において、下地層2を設けないで、母材1上に厚さ10μmの耐摩耗性皮膜3を形成した他は、実施例1と同様にして、比較例1の摺動部材を作製した。こうして得られた摺動部材を断面研磨し、各部のヤング率とビッカース硬度を測定数n=5にて測定し、その平均値を求めた。母材1は、ヤング率が207GPa、ビッカース硬度が1100HV(0.05)であり、耐摩耗性皮膜3は、ヤング率が268GPa、ビッカース硬度が1800HV(0.05)であった。
[比較例2]
実施例2において、下地層2を設けないで、母材1上に厚さ10μmの耐摩耗性皮膜3を形成した他は、実施例2と同様にして、比較例2の摺動部材を作製した。こうして得られた摺動部材を断面研磨し、各部のヤング率とビッカース硬度を測定数n=5にて測定し、その平均値を求めた。母材1は、ヤング率が207GPa、ビッカース硬度が1100HV(0.05)であり、耐摩耗性皮膜3は、ヤング率が241GPa、ビッカース硬度が1600HV(0.05)であった。
[比較例3]
実施例1において、下地層2の厚さを13μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを2μmに変更した他は、実施例1と同様にして比較例3の摺動部材を作製した。
[比較例4]
実施例2において、下地層2の厚さを13μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを2μmに変更した他は、実施例2と同様にして比較例4の摺動部材を作製した。
[比較例5]
実施例1において、下地層2の厚さを1μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを15μmに変更した他は、実施例1と同様にして比較例5の摺動部材を作製した。
[比較例6]
実施例2において、下地層2の厚さを1μmに変更し、耐摩耗性皮膜3の厚さを15μmに変更した他は、実施例2と同様にして比較例6の摺動部材を作製した。
[スクラッチ試験]
スクラッチ試験では、皮膜剥離が発生する限界荷重を求めて、剥離耐性を表すスクラッチ指数(耐剥離指数)を評価した。スクラッチ試験は、皮膜が形成された摺動面に対して平行(水平)に加わる力に対する試験方法であり、図6に示すスクラッチ試験装置20を使用して実施した。図6に示すスクラッチ試験装置20は、テーブル22上に載せた試料23(20mm×10mm×厚さ5mm)上から圧子21を押し当て、その状態で試料23を移動させ、そのときにAE(アコースティックエミッション)検出器24で検知するための装置である。ここでは、荷重負荷速度(100N/分)、テーブル速度(10mm/分)、AE感度(1.2)、圧子先端(R0.2mm)、の条件で測定した。評価は、スクラッチ試験によるAE発生を検知した時の荷重を剥離荷重(スクラッチ荷重)とした。
スクラッチ指数(耐剥離指数)は、実施例1,3及び比較例3,5のスクラッチ荷重を比較例1のスクラッチ荷重に対する相対比として表し、実施例2,4及び比較例4,6のスクラッチ荷重を比較例2のスクラッチ荷重に対する相対比として表した。結果を表1及び表2に示した。スクラッチ指数が1より大きいほどスクラッチ荷重が大きく、耐剥離性が高い。表1に示すように、比較例1,3,5の耐剥離性よりも実施例1,3の耐剥離性が優れており、表2に示すように、比較例2,4,6の耐剥離性よりも実施例2,4の耐剥離性が優れていた。
[摩耗試験]
摩耗試験は、図7に示すアムスラー型摩耗試験機30を使用し、上記実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた摺動部材1と同じ条件で得た供試材31(7mm×8mm×5mm)を固定片とし、相手材32(回転片)にはドーナツ状(外径40mm、内径16mm、厚さ10mm)のものを用い、供試材31と相手材32を接触させ、荷重Pを負荷して行った。各供試材31を用いた摩耗試験条件は、潤滑油23:クリセフH8(1号スピンドル油相当品)、油温:80℃、周速:1m/秒(478rpm)、荷重:1471.5N、試験時間:7時間の条件下で、ボロン鋳鉄を相手材32として行った。このボロン鋳鉄からなる相手材32は、所定形状に研削加工した後、研削砥石の細かさを変えて順次表面研削を行い、最終的に2μmRz(十点平均粗さ。JIS B 0601(1994)に準拠。)となるように調整した。評価は、試験前後の摩耗量で行った。
摩耗指数は、実施例1,3及び比較例3,5に相当する各供試材の摩耗量を、比較例1に対応する供試材の摩耗量に対する相対比として表し、実施例2,4及び比較例4,6に相当する各供試材の摩耗量を、比較例2に対応する供試材の摩耗量に対する相対比として表した。結果を表1及び表2に示した。各供試材の摩耗指数が1より小さいほど摩耗量が小さく、耐摩耗性に優れる。表1に示すように、比較例1,3,5の耐摩耗性よりも実施例1,3の耐摩耗性が優れており、表2に示すように、比較例2,4,6の耐摩耗性よりも実施例2,4の耐摩耗性が優れていた。
[スカッフ試験]
スカッフ試験も、上記の摩耗試験で使用したアムスラー型摩耗試験機30と、上記同様の供試材31を用い、その供試材に潤滑油を付着させ、スカッフ発生まで荷重(スカッフ発生荷重)を負荷させて行った。供試材としては、上記の摩耗試験で用いた供試材を用いてスカッフ試験を行い、耐スカッフ性の評価を行った。試験条件は、潤滑油:クリセフH8(1号スピンドル油相当品)、周速:1m/秒(478rpm)の条件下で、ボロン鋳鉄を相手材として行った。このボロン鋳鉄も上述の方法により最終的に2μmRzとなるように調整した。
スカッフ指数は、実施例1,3及び比較例3,5に相当する各供試材のスカッフ発生荷重を、比較例1に対応する供試材のスカッフ発生荷重に対する相対比として表し、実施例2,4及び比較例4,6に相当する各供試材のスカッフ発生荷重を、比較例2に対応する供試材のスカッフ発生荷重に対する相対比として表した。結果を表1及び表2に示した。各供試材のスカッフ指数が1より大きいほどスカッフ発生荷重が大きく、耐スカッフ性が優れる。表1に示すように、比較例1,3,5の耐スカッフ性よりも実施例1,3の耐スカッフ性が優れており、表2に示すように、比較例2,4,6の耐スカッフ性よりも実施例2,4の耐スカッフ性が優れていた。
[ヤング率と硬度]
ヤング率は、ナノインデンテーション法により測定した。測定荷重1mN〜100mNの範囲で負荷−除荷曲線を測定してヤング率を算出した。硬さ測定は、微小ビッカース硬さ試験機(株式会社アカシ製)を用いて測定した。厚さは、断面観察から算出した。なお、図5(A)は実施例1の摺動面の断面写真であり、図5(B)は比較例1の摺動面の断面写真であり、図5(C)は実施例1の摺動面のクラック非発生形態であり、図5(D)は比較例1の摺動面のクラック発生形態である。
以上の結果より、本発明に係る実施例1〜4の測定試料は、比較例1〜6に比べて優れた耐剥離性、耐摩耗性及び耐スカッフ性を持つことができる、という結果が得られた。
1 母材
2 下地層
3 耐摩耗性皮膜
4 中間層
10,10A,10B 摺動部材
11 外周摺動面
12 上面
13 下面
14 内周面
15,15A,15B ピストンリング
20 スクラッチ試験器
21 圧子
22 テーブル
23 試験片
24 AE検出器
30 回転式平面滑り摩擦試験機
31 試験片
32 相手材
33 潤滑油
P 荷重


Claims (2)

  1. 母材と、該母材上に設けられた下地層と、該下地層上に設けられた耐摩耗性皮膜とを有するピストンリングであって
    前記母材がステンレススチール鋼又は鋼材であり、
    前記下地層及び前記耐摩耗性皮膜がCr−B−N系合金皮膜であり、
    前記耐摩耗性皮膜が、220GPa以上300GPa以下のヤング率と、1000HV(0.05)以上2000HV(0.05)以下のビッカース硬度とを有し、
    前記耐摩耗性皮膜の厚さT1と前記下地層の厚さT2とが下記式1の関係を満たし、且つ前記下地層のヤング率が下記式2の関係を満たすことを特徴とするピストンリング。

  2. 前記耐摩耗性皮膜の厚さT1が、0.5μm以上40μm以下である、請求項に記載のピストンリング。
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