JP2010007466A - ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置 - Google Patents

ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010007466A
JP2010007466A JP2008164008A JP2008164008A JP2010007466A JP 2010007466 A JP2010007466 A JP 2010007466A JP 2008164008 A JP2008164008 A JP 2008164008A JP 2008164008 A JP2008164008 A JP 2008164008A JP 2010007466 A JP2010007466 A JP 2010007466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
valve
nozzle body
fuel injection
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008164008A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4686575B2 (ja
Inventor
Takayuki Shimogishi
隆幸 下岸
Takaaki Kuwabara
隆晃 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NICO PREC CO Inc
Niigata Power Systems Co Ltd
Nico Precision Co Inc
Original Assignee
NICO PREC CO Inc
Niigata Power Systems Co Ltd
Nico Precision Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NICO PREC CO Inc, Niigata Power Systems Co Ltd, Nico Precision Co Inc filed Critical NICO PREC CO Inc
Priority to JP2008164008A priority Critical patent/JP4686575B2/ja
Priority to KR1020090054911A priority patent/KR101122187B1/ko
Priority to EP09008133A priority patent/EP2146087B1/en
Publication of JP2010007466A publication Critical patent/JP2010007466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4686575B2 publication Critical patent/JP4686575B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M61/00Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
    • F02M61/16Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
    • F02M61/168Assembling; Disassembling; Manufacturing; Adjusting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M61/00Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
    • F02M61/16Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
    • F02M61/166Selection of particular materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M61/00Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
    • F02M61/16Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
    • F02M61/18Injection nozzles, e.g. having valve seats; Details of valve member seated ends, not otherwise provided for
    • F02M61/1886Details of valve seats not covered by groups F02M61/1866 - F02M61/188
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M61/00Fuel-injectors not provided for in groups F02M39/00 - F02M57/00 or F02M67/00
    • F02M61/16Details not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M61/02 - F02M61/14
    • F02M61/18Injection nozzles, e.g. having valve seats; Details of valve member seated ends, not otherwise provided for
    • F02M61/1893Details of valve member ends not covered by groups F02M61/1866 - F02M61/188
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M2200/00Details of fuel-injection apparatus, not otherwise provided for
    • F02M2200/02Fuel-injection apparatus having means for reducing wear
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M2200/00Details of fuel-injection apparatus, not otherwise provided for
    • F02M2200/90Selection of particular materials
    • F02M2200/9053Metals
    • F02M2200/9061Special treatments for modifying the properties of metals used for fuel injection apparatus, e.g. modifying mechanical or electromagnetic properties

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】ディーゼルエンジン用燃料噴射装置のシート部において磨耗やスポーリングを防止する。
【解決手段】燃料が供給されるノズル本体1の内部でニードル弁2を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート面6,11を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔8からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、ノズル本体とニードル弁の各シート部6,11となる部分を窒化処理した合金鋼で構成し、その表面から化合物層及び拡散層の第1層を除去する。靭性の高い第2層がシート面となるので、耐摩耗性と耐疲労性が向上し、特にノズル本体のシート部のスポーリング発生を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることにより、ノズル本体とニードル弁が接触するシート面を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置又は弁装置に係り、特にシート部の耐久性を向上させる技術に関するものである。
一般にディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、内部に燃料が供給されるノズル本体(ノズルボデー)と、該本体の内部で摺動自在とされたニードル弁とを有している。燃料噴射時には、ノズル本体に供給される燃料の圧力によってニードル弁が移動し、ノズル本体の内部でノズル本体とニードル弁が接触しているシート面が開き、ノズル本体に開口したノズル孔から燃料を噴射する。燃料を噴射しない時は、ばね等の荷重で付勢されているニードル弁がノズル本体に当接して前記シート面を閉じ、ノズルからの燃料噴射を停止する。
このように、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルのシート部は、閉弁時に高い衝撃力を繰返し受けるので、磨耗やスポーリングが発生する。スポーリングとは、表面硬化層と母材との境界に亀裂が発生し、表面硬化層が剥離する現象である。特に近年の噴霧圧力の高圧化に伴い、シート部の早期磨耗やスポーリング発生等による寿命低下が問題となってきている。摩耗はニードル弁とノズル本体の両方に発生するが、ノズル本体の方が大きく摩耗する傾向にある。また、スポーリングはノズル本体に発生する。ディーゼルエンジンの安定的な長時間運転を可能にするためには、このシート部の耐摩耗性、耐スポーリング性の向上が重要である。
従来のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルではニードルバルブにSKH51等の調質材、ノズルボデーにSNCM420等の浸炭材、又はSKD61等の窒化材が使用されていた。ニードル材のSKH51調質材はMoハイスと呼ばれる高速度鋼で靭性、耐摩耗性が良好である。ミクロ組織は高温焼戻しマルテンサイト素地に、比較的大きな角張った共晶炭化物(MC、M6 C)と、焼戻しで生じる微細な析出炭化物(Cr236 、Mo2 C)が析出したものである。ノズルボデー材のSNCM420浸炭材は低温焼戻しマルテンサイト素地に微細炭化物が析出したもので、焼戻し温度の影響を受けるため、焼戻し温度以上にて使用すると軟化する。SKD61窒化材は高温焼戻しマルテンサイト素地に微細な複炭化物(M6 C)が分散したもので拡散層には硬質の窒化物が分散している。
本願発明者等は、従来のディーゼルエンジン用燃料噴射装置のシート部で発生する磨耗やスポーリングについて鋭意研究を重ね、以下のような知見を得るに至った。
すなわち、シート部の耐磨耗性に影響する因子として、SKH51に析出している比較的大きな共結晶物(MC、M6 C)が考えられる。ニードル弁のシート部に析出したこの炭化物は角張っており、素地より硬いため磨耗せずに表面に浮き出て、ノズルボデー側のシート部を削ることが考えられる。特に焼入れ温度が高すぎたり、保持時間が長すぎると角型化し、粗大化するので注意が必要である。
次にシート部のスポーリングについては、接触によるせん断応力が問題となる。前述の炭化物はシート着座時の掘起し力により、表面付近のせん断応力を増加させ、スポーリングを発生しやすくしていると考えられる。
SKD61窒化材などの窒化層は、一般に最表面の化合物層とその内部の拡散層の二つに分かれると考えられている。最表面の化合物層は脆く衝撃力に弱い為、一般に研磨により除去し使用されている。
しかしながら、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置のシート部においては、化合物層を除去した場合でも着座面が繰返し衝撃力により疲労破壊(スポーリング)することがあった。
本発明は以上の課題を解決するものであり、閉弁時に高い衝撃力を繰返し受けるディーゼルエンジン用燃料噴射装置のシート部において、磨耗やスポーリングを発生しにくくすることを目的としている。
本願発明者等は、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置のシート部において、化合物層を除去した場合でも着座面が繰返し衝撃力により疲労破壊してしまう原因を究明するため、損傷品を解析した。その結果、この現象が拡散層の中のある特定の部位で発生しているという新事実を発見するに至った。
合金鋼の硬さを高くするために表面を窒化処理した場合、最表面の化合物層およびその直下の比較的窒素含有量の多い拡散層領域(第1層)は、硬い窒化物が粒界および粒内に析出し脆いため、高い衝撃力の繰返しにより損傷しやすい。しかしながら、本願発明者等の知見によれば、化合物層直下の拡散層領域は、比較的窒素含有量の多い拡散層領域(第1層)と、靭性のある窒素含有量の少ない拡散層領域(第2層)とから構成されており、第1層を除去することにより、靭性のある窒素含有量の少ない拡散層領域(第2層)をシート面とすることができ、ノズル閉弁時の衝撃を伴う疲労に対して耐久性を上げることができると考えられる。
本発明は、本願発明者らによる上記発見乃至知見に基づいてなされたものであり、ノズル本体とニードル弁のシート部となる部分を、窒化処理した合金鋼で構成し、さらにその表面から化合物層及び拡散層の第1層を除去することにより、靭性のある窒素含有量の少ない第2層をシート面としたディーゼルエンジン用燃料噴射装置を提供するものである。
また、本発明は、窒化合金鋼の拡散層の第2層を表面に表すための手法を提供するものである。すなわち、鋼の組織観察の手法として従来は行なわれておらず、本願発明者等の試行錯誤の実験により初めて見出されたエッチングの手法を提供するものであり、この手法によって、拡散層の第1層と第2層を観察可能に分離し、第2層を表面に露出させるために必要な研磨量を決定し、この研磨量だけ研磨を行なうことにより、窒化された合金鋼からなるシート面の表面から化合物層及び拡散層の第1層のみを除去して第2層を表面に露出させる手法を提供するものである。
すなわち、本発明の請求項1に記載されたディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、
燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、
前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴としている。
請求項2に記載されたディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、
燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、
前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、前記ノズル本体の前記シート部となる部分の表面からは化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴としている。
請求項3に記載されたディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、請求項1又は2に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、
前記ノズル本体の前記シート部となる部分が、研磨によって表面粗さが少なくともRa0.4未満の滑らかさとされている拡散層の第2層であることを特徴としている。
請求項4に記載されたディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法は、
燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法において、
前記ノズル本体と前記ニードル弁を合金鋼で形成し、
次に前記ノズル本体と前記ニードル弁の全面を窒化処理し、
次に前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分の表面を研磨して化合物層及び拡散層の第1層を除去し、
次に前記ノズル本体と前記ニードル弁を組み立てることを特徴としている。
請求項5に記載されたディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法は、請求項4記載のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法において、
前記ノズル本体及び前記ニードル弁と同材質で同様に窒化処理された合金鋼の断面を鏡面研磨し、該断面を10%以上の硝酸アルコールでエッチングした後に顕微鏡で観察して拡散層の第1層と第2層の境界を確認し、前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分の表面を研磨して化合物層及び拡散層の第1層を除去するために必要な研磨量を決定する工程を含むことを特徴としている。
請求項6に記載された弁装置は、
ディーゼルエンジン用燃料噴射装置に設けられ、入口から燃料が供給される本体の内部で弁体を移動させることにより本体と弁体が接触するシート部を開閉して本体の出口から燃料を流出させる弁装置において、
前記本体と前記弁体の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴としている。
請求項7に記載された弁装置は、
燃料が流入する入口と燃料が流出する出口とを有し、前記入口にはテーパ状の本体シート部が形成された本体と、
前記本体の内部に移動可能に収納され、前記本体シート部に当接して前記入口を閉止する弁体シート部を備えた弁体と、
前記本体の内部に設けられて前記弁体を所定の付勢力により前記弁体シート部を前記本体シート部に当接させて前記入口を閉止させる付勢手段と、
を有し、
前記入口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力が、前記出口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力に対して前記付勢力以上大きくなると、前記弁体シート部と前記本体シート部が離れて燃料が入口から出口に移動し、
前記入口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力が、前記出口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力と前記付勢力の和よりも小さくなると、前記弁体シート部と前記本体シート部が接触して燃料の流路が遮断されるように構成され、
ディーゼルエンジン用燃料噴射装置に設けられる弁装置において、
前記本体シート部と前記弁体シート部は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴としている。
本発明のディーゼルエンジン用燃料噴射装置又は弁装置において、ノズル本体(又は本体)とニードルバルブ(又は弁体)に適用される窒化された合金鋼は、最も外側の化合物層と、その下層にある拡散層の第1層と、さらにその下層にある靭性を備えた第2層を有している。しかし、この拡散層の第1層と第2層の境界は、従来鋼の組織観察に用いられていた約3%(3〜5%程度)の硝酸アルコールによるエッチングでは確認できない。JIS G 0562に規定される鉄鋼の窒化層深さ測定法では、約3%の硝酸アルコール用いたエッチングによる窒化層深さの金属組織試験による測定方法が明記されているが、これには化合物層深さと拡散層深さの2種類しか定義がなく、第2層の存在についての認識がまったくない。もちろんこの測定方法では拡散層の第1層と第2層の境界を分離することはできない。
ところが、本発明の方法によれば、10%以上、例えば15%程度の硝酸アルコールを用い、窒化された合金鋼の断面を数十秒超音波洗浄器内でエッチングした後、当該断面を走査型電子顕微鏡にて観察することにより、拡散層の第1層と第2層の境界を分離することが可能となった。
そこで、従来の損傷品を解析すると、シート部の疲労破壊は拡散層の特定の部位で発生しており、それが、拡散層の表面側の第1層と内部の第2層の境界に当ることが確認できた。そこで、本発明のディーゼルエンジン用燃料噴射装置又は弁装置のシート部は、前述の方法により第1層の深さを測定し、その測定結果に基づいて研磨量を決定し、窒化された合金鋼のシート部にあたる部分を決定された研磨量だけ研磨により除去し、より靭性のある第2層のみを表面に露出させて使用することができる。
このように、本発明のディーゼルエンジン用燃料噴射装置又は弁装置によれば、ノズル本体(又は本体)とニードル弁(又は弁体)の材質を窒化処理した合金鋼とし、さらにその表面から化合物層及び拡散層の第1層を除去しているので、靭性の高い第2層がシート部となり、ノズル閉弁時(弁体移動時)の衝撃を伴う疲労に対して耐久性を上げることができる。すなわち、耐摩耗性と耐疲労性が向上し、摩擦力を低減することにより、着座時の表面付近のせん断応力を低減させることができ、ノズル本体(又は本体)のシート部のスポーリング発生を防止できる。
ディーゼルエンジン用燃料噴射装置又は弁装置のシート部の磨耗、損傷が減少することにより、噴射特性の経年変化やシート不良による燃料漏れなどが防止できる。噴射特性の経年変化、シート不良による燃料漏れは、エンジンの性能(特に排気ガス成分)を悪化させるが、本発明によれば、燃料噴射ノズル又は弁装置のシート部の耐久性を向上させることにより、エンジンの性能を長期間維持させることができる。従って、燃料噴射装置又は同装置アッセンブリの交換周期を伸ばすことができ、交換に掛かる費用が削減できる。
本発明の実施形態を図1〜図13を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の断面図である。
図2は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置のノズル本体の加工工程を示す断面図、図3は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置のニードル弁の加工工程を示す断面図、図4は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の材料である窒化された合金鋼(SKD61)の窒化層形態を示す電子顕微鏡写真の図である。
図5は同実施形態と比較例の各素材に適用した往復動摩耗試験の概要を示す模式図、図6は同往復動摩耗試験における焼付き試験の要領を示す図、図7は同往復動摩耗試験における摺動速度変動試験の要領を示す図である。
図8は同往復動摩耗試験で得られた同実施形態と比較例の各素材の摩擦力を比較する図、図9は同往復動摩耗試験後における比較例の試験片の外観写真を示す図、図10は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図、図11は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図、図12は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図である。
図13は、本発明の他の実施形態であって、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置にチェックバルブやリリーフバルブ等として適用される弁装置の断面図である。
1.実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の構造(図1)
図1に示すように、本例のディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、燃料が供給されるノズル本体1(ノズルボデー)と、その内部で移動自在とされたニードル弁2を有している。
ノズル本体1は先細略円筒形のブロック体であり、その基端部の中心にはニードル弁2の案内孔3が形成されている。この案内孔3の先方は拡径された燃料溜まり4となっており、外部から燃料供給孔5を介して該燃料溜まり4内に燃料が供給されるようになっている。さらに燃料溜まり4の先端にはテーパー状のシート部6が形成されている。このシート部6のさらに先方には、燃料溜まり4に連通した小径の孔7が形成されており、この孔7の壁部には外部に連通して形成されたノズル孔8が設けられている。
ニードル弁2は、ノズル本体1の案内孔3に摺動自在に保持された丸棒状の基部10(ニードル径φD)と、燃料溜まり4の内径よりも小径で基部10と一体に形成され、その先端にはノズル本体1のシート部6と接触するテーパー状のシート部11が形成された丸棒状の先端部12(シート径φd<D)とを有している。
ニードル弁2は、そのシート部11が、ノズル本体1のシート部6と当接する方向にばね等の付勢手段によって荷重Wで付勢されており、外力を与えられない状態では、ニードル弁2のシート部11はノズル本体1のシート部6に接触してシート部6,11間を閉止しており、燃料溜まり4とノズル孔8の間は遮断されている。燃料噴射時には、燃料供給孔5から所定圧力の燃料が燃料溜まり4内に供給され、内圧の上昇によってニードル弁2が力を受けて案内孔3に案内されて上方に移動し、シート部6,11間が開放されてノズル孔8から燃料が外に噴射される。
2.製造工程(図2〜図4)
本例のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルでは、ノズル本体1とニードル弁2に、SKD61又はそれに類する鋼の表面を所定の条件下で窒化処理した材料を使用する。ノズル本体1は高強度、耐衝撃性、耐摩耗性が同時に要求されるので、鋼以外の金属材料では代替できず、また安定な窒化物を作るAl、Cr、Mo、V 、Ti等を合金成分に持っている鋼が好ましい。SKD61でノズル本体1とニードル弁2を形成した後、これを窒化処理し、さらにノズル本体1とニードル弁2の各シート部6,11において化合物層と拡散層の第1層を研磨加工で除去し、靭性のある第2層をシート部6,11とする。
すなわち、窒化研磨工程を示す図2及び図3において、C、D部がシート部6,11であり、窒化後第1層を除去する。このシート部の研磨においては、第2層からなる仕上がり面の表面粗さを小さくし、より滑らかにするように仕あげる。一例を挙げれば、#800程度のサンドペーパーを用いて研磨することにより、表面粗さがRa0.4未満の滑らかさとなるようにすることが好ましい。このような表面仕あげとすることにより、材料から析出している炭化物等の摩擦への影響を低減し摩擦係数を下げることができる。
また窒化研磨工程を示す図2及び図3において、B、E、F部は機能上必要なため研磨するが、第1層が残っていても問題はない。A部は噴射弁開弁時にストッパの役割を果たすので、大きな衝撃が発生する。その衝撃により窒化層が剥がれてしまうので、A部の窒化層は第1層、第2層ともに完全に除去する。G部は加工上の理由により図3(a)に示すように円錐形状にて窒化処理するが、最終的に図3(b)に示すように円錐部を切断除去する。なおA、G部については加工設備、加工方法により処理が異なる。
各シート部6,11において化合物層と拡散層の第1層を研磨加工で除去し、靭性のある第2層をシート部として残す上記研磨工程では、拡散層の第1層と第2層の境界を明確に認識し、研磨量(研磨する厚さ)を定めておく必要がある。すなわち、採用した鋼の種類及び窒化条件によって、表面の窒化の状況は異なり、拡散層の第1層と第2層の境界が表面からどの位の寸法であるのかを予め実験・観察によって確かめておき、製造工程ではその分だけ研磨して第2層をシート部6,11の表面に確実に露出させる必要があるからである。
この拡散層における第1層と第2層の境界は、前述したJIS等に規定された通常の5%硝酸アルコールによるエッチングでは確認できない。本発明者等の試行錯誤の実験により得た知見によれば、所定の条件で表面を窒化処理した所定の種類の鋼を表面に垂直に切断して断面を表し、これを10%程度以上、好ましくは15%程度の硝酸アルコールを用い、数十秒間超音波洗浄器内でエッチングすれば、前記断面を走査型電子顕微鏡にて観察することにより第1層と第2層の境界は確認可能となる。
図4は、本例のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の材料として採用された合金鋼(SKD61)において、表面の窒化層の形態を示す電子顕微鏡写真の図である。この図において、写真下部の白いバー(ミクロンバー)が各々200μmを示す。化合物層は表面の10μmほどであり、図では表面の黒い層がこれに当たる。このような断面における表面窒化層の観察により、化合物層と第1層を除去して第2層を表すために必要な研磨量(寸法)を定める。
なお、本例において鋼の表面を窒化した目的は硬さを上げることであり、他の特殊鋼では本例の目的に照らして必要な程度の硬度は得られない。さらに、耐摩耗性を考えると、鋼と鋼の接触では凝着が起こり易く、摩耗が速いが、窒化物と鋼あるいは窒化された鋼同士の接触の方が凝着が起こり難く、摩擦係数が低く、摩耗が遅い利点がある。また、第2層といえども窒化層なので、窒化されていない他の鋼と比べれば十分な硬度がある。さらに、摩擦係数が下がれば、表面の摩擦によるせん断力が小さくなり、耐スポーリング性が向上する利点がある。
なお、本例で採用したSKD61でも析出炭化物は表面に出るが、従来採用されていた材質であるSKH51と比較すると、SKD61は小さくて丸みがある炭化物で相手材に対し摩耗等のダメージが少ないのに対し、SKH51の炭化物は大きくて角張っており、相手材に対し摩耗等のダメージが大きい。本例では、ノズル本体1だけでなく、ニードル弁2側も窒化し摩擦係数を下げているので、スポーリングと耐摩耗性が向上しており、さらに、前述した通り、表面粗さを小さくより滑らかにすることにより析出している炭化物等の摩擦への影響を低減している。
3.往復動摩耗試験(図5〜図12)
(1)試験方法(図5〜図7)
以上のようにして製造される本例のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の効果を確認するために、本例においてノズル本体1とニードル弁2に供されるものと同材質の試験片を用意し、比較用の試験片とともに往復動摩耗試験に供し、その結果を比較する。
図5に示すように、往復動摩耗試験は、所定サイズ(14×10×115mm)の板状試験片の上面に、先端形状が半径50mmの球面であるピン試験片を所定の荷重を以て当接させ、板状試験片の上面の摺動領域にに9ml/hで潤滑油を滴下しつつ、板状試験片の長手方向に沿って100mmのストロークでピン試験片を往復動させるものである。
図6は、この往復動摩耗試験の手法により、スカッフが発生するまで試験時間の経過に伴って荷重を増大させながら試験を継続していく焼付き試験の要領を示すものである。試験条件は、以下の通りである。
試験荷重:5kgf/5min保持にてステップアップし、100kgfまで荷重。
試験温度:板試験片加熱温度150℃一定、潤滑油容器は室温
平均摺動速度:1.5m/s
ストローク:100mm
潤滑油滴下量:9ml/h
潤滑油:新日本石油社製 MARINE T204
試験に供する試験片の材質と表面処理は以下の通りである。
板試験片:SKD61窒化後研磨、SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げの2種類。
ピン試験片:SKD61、SKD61窒化後研磨の2種類。
図7は、図6に要領を示した焼付き試験において、ピン試験片の板試験片に対する摺動動作の摺動速度変動態様と荷重のステップアップ態様をさらに具体的に示したものである。
すなわち、始動開始後、摺動速度0.02m/sにセットし、荷重を5kgfとして数サイクル保持する(a)。次に、1.5m/sにスピードアップし、5分間保持する(b)。次に、0.02m/sに落として数サイクル保持する(c)。次に、荷重を10kgfにステップアップした後、数サイクル保持する(d)。以降、同様に荷重を100kgfまでステップアップする(e)。
(2)試験結果(図8〜図12)
図8は、ピン試験片としてSKD61と、SKD61窒化後研磨の2種類を用い、板試験片としてSKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げを追加したものを用いて行なった焼付き試験の結果を示す。この結果は、窒化して研磨したピンを用いると、窒化しない場合に比べて摩擦力が荷重100kgfに至るまで一貫して低いことを示している。
摺動速度変動試験後のピン試験片と板試験片の外観写真を図9〜図11に示す。
ピン試験片SKD61窒化処理無しと、板試験片SKD61窒化後研磨の組み合わせのものは、図9に示すように、ピン試験片の球面が完全に消滅するほど摩耗している。
これに対し、ピン試験片SKD61窒化処理後研磨と、板試験片SKD61窒化後研磨の組み合わせのものは、図10に示すように、ピン試験片の球面の中央部に小さな摩耗痕が観察される程度である。これは、ピン試験片を窒化処理した後研磨したことにより、焼付きがなくなったことを示している。
また、ピン試験片SKD61窒化処理無しと、板試験片SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げにより表面粗さを試作したものの組み合わせでは、図11に示すように、ピン試験片が窒化なしでも図9に比べれば焼付きが減少し、状態が改善されることがわかる。
さらに、ピン試験片SKD61窒化処理後研磨と、板試験片SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げにより表面粗さを試作したものの組み合わせでは、図12に示すように、摩耗痕が明瞭でなくなり、最も良好な結果が得られた。
また、図示しないが、試験後のピン試験片の形状測定結果によれば、ピン試験片SKD61窒化処理後研磨と、板試験片SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げにより表面粗さを試作したものの組み合わせが、摩耗量が最も少なかった。
摺動速度変動試験後のピン試験片の摩耗痕のサイズ(直径)を測定した結果について説明する。
ピン試験片SKD61窒化処理無しと、板試験片SKD61窒化後研磨の組み合わせのものは、荷重30kgfにてかじり発生のため、摩耗痕は7.81mmとほぼピン試験片のの外径に近い大きさとなった(図9に相当)。
次に、ピン試験片SKD61窒化処理無しと、板試験片SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げの組み合わせでは、摺動痕方向の摩耗痕幅は1.51mm、1.58mmと2回の試験でほぼ同じ結果となっている(図11に相当)。
次に、ピン試験片SKD61窒化処理後研磨と、板試験片SKD61窒化後研磨の組み合わせのものは、摺動痕方向の摩耗痕幅は1.54mmとなっており、ピン試験片SKD61窒化無しと比較して良好な結果となっている(図10に相当)。
さらに、ピン試験片SKD61窒化処理後研磨と、板試験片SKD61窒化後研磨さらに#800研磨仕上げにより表面粗さを試作したものの組み合わせでは、摺動痕方向の摩耗痕幅は1.44mm、1.43mmと2回の試験でほぼ同じ結果であり、ピン試験片SKD61窒化無しと比較して良好な結果となっている(図12に相当)。
以上の結果から、ピン試験片及び板試験片の両方を窒化し、研磨することにより、摩擦力が低減でき、耐摩耗性を向上させることができることが判明した。また、試験片の表面粗さを小さくすることにより、さらに耐摩耗性が向上することも判明した。
これらの結果から、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、ノズル本体とニードル弁の少なくとも各シート部を窒化し、ノズル本体とニードル弁の窒化した各シート部を共に研磨して拡散層の第2層を表すか、又は少なくともノズル本体のシート部を研磨して拡散層の第2層を表すものとすれば、良好な結果が得られる。
また、窒化した表面からスポーリング防止のために化合物層や拡散層の第1層を研磨で除去することとは別に、研磨して第2層を表したシート部をさらに研磨すれば、表面に析出している炭化物等の摩擦への影響が低減されて表面粗さが小さくなり、摩擦係数が下がることにより一層良好な結果が得られる。
4.実施形態の効果
本例のディーゼルエンジン用燃料噴射装置と、従来品とを、ディーゼルエンジンに実装して使用した後のシート部の摩耗状態を比較した。
本例のディーゼルエンジン用燃料噴射装置は、ノズル本体及びニードル弁のシート部が、SKD61窒化後研磨して化合物層及び拡散層の第1層を除去したものである。
従来品は、ノズル本体がSKD61であり、ニードル弁はSKH51である(ノズル本体は窒化する)。
同一条件で使用したところ、従来品の磨耗が3〜4μmであったのに対し、本例では磨耗が2μmに減少した。
以上説明した実施形態では、合金鋼からなるノズル本体1及びニードル弁2の全面を窒化処理した後、ノズル本体1及びニードル弁2の両シート部6,11の表面から化合物層及び拡散層の第1層を除去することにより、前述したような効果を得た。しかしながら、ノズル本体1及びニードル弁2の各シート部6,11のみを窒化処理した合金鋼で構成し、ノズル本体1及びニードル弁2のその他の部分はその他の金属材料で安価に構成してもよい。さらに、ノズル本体1とニードル弁2の各シート部6,11を窒化処理した合金鋼で構成し、ノズル本体1のシート部6の表面からは化合物層及び拡散層の第1層を除去し、ニードル弁2のシート部11の表面から化合物層のみを除去しても、特に耐久性に問題が発生しがちなノズル本体1のシート部6において磨耗やスポーリングを発生しにくくする効果が得られる。
5.他の実施形態(図13)
以上説明した実施形態は、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置中の燃料噴射が行なわれるノズル部分に関するものであったが、本例の弁装置は、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置の燃料系統中に設けられ、燃料を圧送するポンプのチェックバルブ(吸入弁、吐出弁、等圧弁)、圧力が一定値以上にならないように作動するリリーフバルブ(安全弁)などに使用できる。
本弁装置の構造について説明する。
この弁装置の本体21は、燃料が流入する入口23と燃料が流出する出口24とを有し、入口23と出口24は内部の空間25で連通しており、前記入口23にはテーパ状の本体シート部26が形成されている。本体21の内部の空間25には、弁体22が移動可能に収納されている。弁体22の入口23側の一端部には、本体シート部26に当接して入口23を閉止するテーパ状の弁体シート部27が設けられている。そして、本体21の空間25内において、出口24と、弁体22の他端部に設けられた受け部28との間には、弁体22を所定の付勢力で入口23に向けて押圧する付勢手段としてのばね29が設けられており、後述するように入口23側の燃料圧力が小さい場合には、ばね29によって、弁体シート部27を本体シート部26に当接させて前記入口23が閉止されるように構成されている。なお、本例では、弁体シート部27はテーパ状とされているが、これ以外の形状、例えば平面状であってもよい。
ばね29の付勢力と燃料の圧力との関係は次のように設定されている。
すなわち、入口23における燃料圧力が弁体22に与える力が、出口24における燃料圧力が弁体22に与える力に対して、ばね29の付勢力以上の差で大きくなると、弁体22はばね29の付勢力にも係わらず出口24側(図中下方)に押し戻され、弁体シート部27と本体シート部26が離れて隙間ができ、その隙間を通って燃料が入口23から出口24に移動する。
入口23における燃料圧力が弁体22に与える力が、出口24における燃料圧力が弁体22に与える力とばね29の付勢力の和よりも小さくなると、弁体22は入口23側(図中上方)に移動し、弁体シート部27と本体シート部26が接触して燃料の流路が遮断される。この時に弁体22が本体21に衝突するため、従来の構造では各シート部が磨耗していたのであるが、本例では磨耗に対する次のような解決手段が講じてある。
即ち、前記本体シート部26と前記弁体シート部27は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されている。これら両シート部の材質、製造方法、微視的構造、性質、変形例等は、前述したディーゼルエンジン用燃料噴射装置の実施形態と同一であるので、その記載を援用する。
従来品においては弁装置の本体にSCM420の浸炭材、弁体にはSUJ2などを適用していたので、各シート部に磨耗が生じていたが、本例のように構成することにより、シート部の磨耗が低減でき、製品寿命を長くすることができる。
図1は本発明の実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の断面図である。 図2は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置のノズル本体21の加工工程を示す断面図である。 図3は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置のニードル弁の加工工程を示す断面図である。 図4は同実施形態のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の材料である窒化された合金鋼(SKD61)の窒化層形態を示す電子顕微鏡写真の図である。 図5は同実施形態と比較例の各素材に適用した往復動摩耗試験の概要を示す模式図である。 図6は同往復動摩耗試験における焼付き試験の要領を示す図である。 図7は同往復動摩耗試験における摺動速度変動試験の要領を示す図である。 図8は同往復動摩耗試験で得られた同実施形態と比較例の各素材の摩擦力を比較する図である。 図9は同往復動摩耗試験後における比較例の試験片の外観写真を示す図である。 図10は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図である。 図11は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図である。 図12は同往復動摩耗試験後における同実施形態の試験片の外観写真を示す図である。 図13は本発明の他の実施形態であって、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置にチェックバルブやリリーフバルブ等として適用される弁装置の断面図である。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置のノズル本体(ノズルボデー)
2 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置のニードル弁
3 案内孔
4 燃料溜まり
5 燃料供給孔
6 ノズル本体のシート部
8 ノズル孔
10 ニードル弁の基部
11 ニードル弁のシート部
12 ニードル弁の先端部
21 弁装置の本体
22 弁装置の弁体
23 入口
24 出口
26 本体シート部
27 弁体シート部
29 付勢手段としてのばね

Claims (7)

  1. 燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、
    前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料噴射装置。
  2. 燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置において、
    前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、前記ノズル本体の前記シート部となる部分の表面からは化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料噴射装置。
  3. 前記ノズル本体の前記シート部となる部分が、研磨によって表面粗さが少なくともRa0.4未満の滑らかさとされている拡散層の第2層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルエンジン用燃料噴射装置。
  4. 燃料が供給されるノズル本体の内部でニードル弁を移動させることによりノズル本体とニードル弁が接触するシート部を開閉し、ノズル本体に開口したノズル孔からの燃料噴射を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法において、
    前記ノズル本体と前記ニードル弁を合金鋼で形成し、
    次に前記ノズル本体と前記ニードル弁の全面を窒化処理し、
    次に前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分の表面を研磨して化合物層及び拡散層の第1層を除去し、
    次に前記ノズル本体と前記ニードル弁を組み立てることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法。
  5. 前記ノズル本体及び前記ニードル弁と同材質で同様に窒化処理された合金鋼の断面を鏡面研磨し、該断面を10%以上の硝酸アルコールでエッチングした後に顕微鏡で観察して拡散層の第1層と第2層の境界を確認し、前記ノズル本体と前記ニードル弁の前記シート部となる部分の表面を研磨して化合物層及び拡散層の第1層を除去するために必要な研磨量を決定する工程を含むことを特徴とする請求項4記載のディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造方法。
  6. ディーゼルエンジン用燃料噴射装置に設けられ、入口から燃料が供給される本体の内部で弁体を移動させることにより本体と弁体が接触するシート部を開閉して本体の出口から燃料を流出させる弁装置において、
    前記本体と前記弁体の前記シート部となる部分は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴とする弁装置。
  7. 燃料が流入する入口と燃料が流出する出口とを有し、前記入口には本体シート部が形成された本体と、
    前記本体の内部に移動可能に収納され、前記本体シート部に当接して前記入口を閉止する弁体シート部を備えた弁体と、
    前記本体の内部に設けられて前記弁体を所定の付勢力により前記弁体シート部を前記本体シート部に当接させて前記入口を閉止させる付勢手段と、
    を有し、
    前記入口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力が、前記出口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力に対して前記付勢力以上大きくなると、前記弁体シート部と前記本体シート部が離れて燃料が入口から出口に移動し、
    前記入口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力が、前記出口の燃料圧力によって前記弁体に作用する力と前記付勢力の和よりも小さくなると、前記弁体シート部と前記本体シート部が接触して燃料の流路が遮断されるように構成され、
    ディーゼルエンジン用燃料噴射装置に設けられる弁装置において、
    前記本体シート部と前記弁体シート部は、窒化処理した合金鋼からなり、その表面から化合物層及び拡散層の第1層が除去されていることを特徴とする弁装置。
JP2008164008A 2008-06-24 2008-06-24 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置 Active JP4686575B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164008A JP4686575B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置
KR1020090054911A KR101122187B1 (ko) 2008-06-24 2009-06-19 디젤 엔진용 연료분사장치 및 그 제조방법과 밸브장치
EP09008133A EP2146087B1 (en) 2008-06-24 2009-06-22 Fuel injection device for diesel engine, method for manufacturing the same, and valve unit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164008A JP4686575B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010264189A Division JP5134066B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 窒化処理した合金鋼及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010007466A true JP2010007466A (ja) 2010-01-14
JP4686575B2 JP4686575B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=41393835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008164008A Active JP4686575B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP2146087B1 (ja)
JP (1) JP4686575B2 (ja)
KR (1) KR101122187B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017528635A (ja) * 2014-07-11 2017-09-28 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 燃料噴射装置の部品を窒化する方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014218488A1 (de) * 2014-09-15 2016-03-17 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Nitrieren eines Bauteils eines Kraftstoffeinspritzsystems
KR101638815B1 (ko) 2016-01-07 2016-07-25 한빛정공(주) 4 행정용 인젝션 밸브
KR101990986B1 (ko) * 2018-12-31 2019-06-20 안전공업주식회사 고출력 및 고온 엔진용 밸브의 스템부 표면질화 구조 및 표면질화 처리방법

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2545520B2 (ja) * 1985-08-10 1996-10-23 ロ−ベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関用の燃料噴射ノズル
JP2000240529A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Aisan Ind Co Ltd 燃料分配管用リリーフバルブ
JP2002097563A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Nissan Motor Co Ltd 摺動部品及びその製造方法
JP2002241922A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 燃料噴射弁体およびそのガス窒化処理方法
JP2004084781A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Nippon Piston Ring Co Ltd ピストンリング
JP2004217946A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Hitachi Metals Ltd 打抜き性の優れたリードフレーム用Fe−Ni系合金
JP3924999B2 (ja) * 1999-08-12 2007-06-06 株式会社日立製作所 燃料ポンプ及びそれを用いた筒内噴射エンジン
JP2007182903A (ja) * 2007-04-09 2007-07-19 Hitachi Ltd 燃料噴射弁
JP3954046B2 (ja) * 2004-06-14 2007-08-08 三菱電機株式会社 燃料噴射弁、弁座体、及び弁座体の工作方法
JP2008057036A (ja) * 2006-07-31 2008-03-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 軟窒化非焼準機械部品の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050133A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Hitachi Ltd 電子燃料噴射弁
JP2003148294A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Hitachi Ltd 燃料ポンプ及び筒内噴射エンジン
JP2004003435A (ja) * 2002-04-23 2004-01-08 Denso Corp 内燃機関用燃料噴射弁およびその製造方法
DE10256590A1 (de) * 2002-12-04 2004-06-03 Daimlerchrysler Ag Einspritzdüse für ein Einspritzsystem sowie ein Verfahren zur Herstellung einer Einspritzdüse eines Einspritzsystems eines Kraftfahrzeuges
JP2007092829A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Toyota Motor Corp
DE102005049534A1 (de) * 2005-10-17 2007-04-19 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Bearbeitung eines Düsenkörpers für ein Kraftstoffeinspritzventil

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2545520B2 (ja) * 1985-08-10 1996-10-23 ロ−ベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関用の燃料噴射ノズル
JP2000240529A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Aisan Ind Co Ltd 燃料分配管用リリーフバルブ
JP3924999B2 (ja) * 1999-08-12 2007-06-06 株式会社日立製作所 燃料ポンプ及びそれを用いた筒内噴射エンジン
JP2002097563A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Nissan Motor Co Ltd 摺動部品及びその製造方法
JP2002241922A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 燃料噴射弁体およびそのガス窒化処理方法
JP2004084781A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Nippon Piston Ring Co Ltd ピストンリング
JP2004217946A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Hitachi Metals Ltd 打抜き性の優れたリードフレーム用Fe−Ni系合金
JP3954046B2 (ja) * 2004-06-14 2007-08-08 三菱電機株式会社 燃料噴射弁、弁座体、及び弁座体の工作方法
JP2008057036A (ja) * 2006-07-31 2008-03-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 軟窒化非焼準機械部品の製造方法
JP2007182903A (ja) * 2007-04-09 2007-07-19 Hitachi Ltd 燃料噴射弁

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017528635A (ja) * 2014-07-11 2017-09-28 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 燃料噴射装置の部品を窒化する方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2146087B1 (en) 2012-12-12
EP2146087A8 (en) 2010-04-14
EP2146087A2 (en) 2010-01-20
KR101122187B1 (ko) 2012-03-19
JP4686575B2 (ja) 2011-05-25
EP2146087A3 (en) 2010-11-03
KR20100002127A (ko) 2010-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8006715B2 (en) Valve with thin-film coating
US6715693B1 (en) Thin film coating for fuel injector components
US7246586B2 (en) Wear-resistant coating and process for producing it
JP4269443B2 (ja) 摺動部材の表面処理方法及び該方法を用いた摺動部材の表面平滑化方法
US10036472B2 (en) Sliding member and piston ring
JP5559962B2 (ja) 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
JP4686575B2 (ja) ディーゼルエンジン用燃料噴射装置及びその製造方法並びに弁装置
US20080152491A1 (en) Coatings for use in fuel system components
WO2001061182A1 (en) Thin film coatings for fuel injector components
US6367439B1 (en) Combination body of shim and cam
JP3912206B2 (ja) 筒内直接燃料噴射装置用燃料ポンプ
JP5134066B2 (ja) 窒化処理した合金鋼及びその製造方法
JP2007262535A (ja) 耐摩耗性チタン部材
JP5207891B2 (ja) 軸受
US20090026292A1 (en) Coatings for use in fuel system components
US7419553B2 (en) Fuel injection valve for internal combustion engines and a method for hardening the said valve
JPS6113064A (ja) 内燃機関用ピストンリング
JP4721450B2 (ja) 動弁装置の摺動部品
JP3939431B2 (ja) 内燃機関の動弁機構
JP3639901B2 (ja) ラッシュアジャスタ
JP5932863B2 (ja) 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
JP2007032576A (ja) 筒内直接燃料噴射装置用燃料ポンプ
JP2009257568A (ja) 軸受
JP2009257566A (ja) 軸受
JP2009257569A (ja) 軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100621

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101126

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110214

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4686575

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250