JPH11279935A - カットパイル面ナッピング加工織編毛布とその製造方法 - Google Patents

カットパイル面ナッピング加工織編毛布とその製造方法

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JPH11279935A
JPH11279935A JP7117898A JP7117898A JPH11279935A JP H11279935 A JPH11279935 A JP H11279935A JP 7117898 A JP7117898 A JP 7117898A JP 7117898 A JP7117898 A JP 7117898A JP H11279935 A JPH11279935 A JP H11279935A
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Yoshitetsu Tanaka
義哲 田中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】綿及びレギュラーアクリル製の、片面又は両面
パイル織、経編、丸編、不織布のカットパイル面を 良
質なナッピング毛玉、つまりパイル先端を丸い粒状の大
小様々な束状、毛玉状に絡み合う風合いに仕上げるこ
と。 【解決手段】カットパイル面ナッピング加工の最終仕上
げ工程に、起毛機を採用し、起毛〜毛起こし〜毛刈工程
の順で、先ず起毛加工で毛玉になり易い、各繊維が相互
に絡み合う起毛状毛羽風合いをつくり、その後、毛起こ
し、毛刈加工により、パイル長を揃え、次に乾湿熱型タ
ンブラー熱風回転乾燥機で、片面又は両面カットパイル
布のナッピング毛玉毛布を製造する。更に片面カットパ
イル面を本発明法によりナッピング毛玉加工し、他の片
面(ループパイル側)を起毛〜解毛〜毛刈加工により、
毛羽立ち風合いに仕上げる両面異種加工風合いのカット
パイル毛布を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来、タンブラー
熱風回転乾燥機でナッピング加工(毛玉加工、シープ加
工ともいう)が不可能とされてきた、綿などの天然繊維
や、レギュラーアクリルなどの化合成繊維をパイル面と
して用いる、シール織りなどの片面又は両面カットのパ
イル織物や、経編みラッセルマイヤー毛布などの片面又
は両面カットのパイル編布、それに丸編パイルフライス
などのカットパイル編布や、丸編みハイ・パイル機によ
って編まれるカットパイル編布など、そのカットパイル
面を起毛〜毛起こし〜毛刈加工や、解毛〜毛刈、起毛〜
毛起こし〜毛刈加工の後、乾湿熱型タンブラー熱風回転
乾燥機に投缶し、加熱、昇温、タンブリングすれば、極
めて良質の粒状、束状、毛玉状風合いの片面または両面
カットパイルのナッピング毛玉加工の織り、編み毛布が
出来上るという製造方法の発明である。更に本発明は両
面異種風合い、つまり、片面は本発明法によりナッピン
グ加工するが、他の片面は起毛したり、又は解毛〜毛刈
加工する毛羽立ち風合いに仕上げ加工する、片面毛羽立
ち片面ナッピング加工のカットパイル織り、編み毛布
と、その製造方法である。本発明は 染色後のカットパ
イル織り、編み毛布のカットパイル面を各種起毛機(独
乙式、英式、仏式、米式、イタリア式、日本式など)の
針布ローラー(パイルローラー、カウンターパイルロー
ラー)の起毛作用で、各パイル面を毛玉状に絡み易い起
毛状毛羽繊維に変質させると共に、毛刈機でその表面を
毛起こし、毛刈加工し、乾湿熱型タンブラー熱風回転乾
燥機で熱処理加工し、ナッピング(=毛玉)する製造方
法であり、従来、ナッピング(=毛玉化)できなかかっ
たカットパイル面を最終工程で 起毛〜毛起こし〜毛刈
状繊維にすれば、極めて容易に良質の丸い粒状、大小様
々な束状の、羊の毛(通称シープ)の表面に似た毛玉状
風合い(ナッピング)に仕上がるというパイル織り編み
毛布と、その製造方法を発見、発明した。本発明は 片
面または両面カットパイル面を主として起毛機、毛捌
機、毛刈機、タンブラー熱風回転乾燥機などの加工機を
使って、ナッピング加工する製法であるが、他に、一方
の片面を起毛機、解毛機、毛捌機、毛刈機で毛羽立ち加
工する両面異種風合いのパイル織り編み毛布を製造する
方法がある。
【0002】
【従来の技術】従来、織り、編み、不織パイル布のLO
OPED PILE(輪奈状パイル)のループ面を起
毛、毛刈、ナッピンッグ毛玉加工する技術は確立してい
るが、織り、編み、不織パイル面の輪奈を切断したり、
センターをカットして、毛羽状にしたCUT PILE
(カットパイル)面を起毛、毛刈、ナッピング毛玉加工
する加工方法、加工技術は確立されておらず、その製法
によるナッピング仕上げ風合いの製品毛布はかつて、ど
の市場にも見あたらない。これは 過去においてカット
パイル面の織り、編み、不織布の加工方法、技術、諸設
備が、解毛機(毛割機ともいう)を中心に確立されてい
た為で、いまだに、綿やレギュラーアクリル使いの、シ
ール織りパイル織物や、フライスパイルやハイ・パイル
(スライバー使いの)丸編みのパイル編物、経編みダブ
ルラッセルマイヤー毛布などのカットパイル面(長、短
様々なカット長を含む)を 完全に良質な粒状、束状、
毛玉状ナッピング風合いに仕上げることができない。こ
れは従来、染色加工後のカットパイル面を いわゆる解
毛機と呼ばれる加工機を中心に、各種の加工工程が確立
されていることが主因であるが、特に、この解毛加工は
カットパイル面の根元から直線状に解毛し、繊維の撚
り、よじれ、絡みを完全に解きほぐし、引き延ばすた
め、かさ高でポリュームのある、形状変化の極端に少な
い密毛、垂直立毛状の繊維形状に変形、変質、解毛加工
するので、ある意味で、この解毛状繊維はタンブラー熱
風回転乾燥機によるナッピング毛玉加工を阻害する要因
であることは否定できない。過去数十年間にわたり、国
内外におけるカットパイル織り、編み、不織布のカット
パイル面の加工仕上げ製法は、常に解毛機と呼ばれる加
工機を大前提に開発され、加工技術、方法が確立された
為、カットパイル糸の絡みを解きほぐす解毛工程が最終
仕上げ工程の基本加工となる組み立てが常態となる。つ
まりカットパイル布の諸加工は、解毛機を主要工程とす
る工場レイアウトが確立しているため、解毛加工抜き
に、ナッピング加工を考え付くことができなかった事情
があり、その固定観念が逆に、最終工程で、起毛〜毛起
こし〜毛刈〜タンブラーというナッピング仕上げ方法を
気付かせなかった理由でもある。つまり既存のカットパ
イル毛布の諸加工は全て解毛加工を基本とし、カットパ
イル面をすべて完全解毛加工し、垂直立毛、かさ高、密
毛繊維からなる為、この製法によるタンブラー熱風回転
乾燥機の良質のナッピング加工が困難であったことが判
明した。
【0003】タンブラー熱風回転乾燥機は昔から周知
の、全てのLOOPED PILE(輪奈状パイル)
の、ナッピンッグ(毛玉)仕上げの主要な加工機である
が、ナッピング加工(シープ加工、毛玉加工ともいう)
とは 起毛、毛捌、毛刈加工後、適量のパイル毛布をタ
ンブラー乾燥機の缶内に投入、密閉し、1時間余、正逆
回転を繰り返すが、その間、缶内に生蒸気を数分間噴き
込み、電気、ガス、蒸気熱を使い適宜、摂氏約80〜9
0度から140〜150度の温度に加熱、昇温、維持し
て、起毛〜毛刈面をタンブリング(=もみ合い)し、繊
維の捲縮、絡み合いを促し、丸い粒状、束状、毛玉状
の、いわゆる羊の毛(通称シープ)の表面に似た毛玉状
風合いやかさ高風合いに仕上げるナッピング加工法であ
る。これは反物を完全にリラックス状態にするので、反
物自体が非常に柔らかく、バルキー化して、ポリューム
のあるナッピング仕上げ毛布ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、不可能とされて
きた毛足の短いパイル、毛足の長いパイルの、一般的な
綿、アクリル(レギュラー)製の、片面又は両面カット
のパイル織り、編み、不織布のカットパイル面は本発明
製法により、そのパイル面を丸い粒状、大小様々な束
状、良質のシープ調毛玉風合いにナッピング加工するこ
とが課題である。従来の製法技術つまり、そのカットパ
イル面を従来の解毛機(毛割機ともいう)による解毛加
工と毛刈加工、タンブラー熱風回転乾燥機(熱風回転仕
上機ともいう)の組み合せでは、長時間、加熱、加湿、
タンブリングしても、その解毛〜毛刈繊維は決して毛玉
状風合いにナッピング加工出来ない。ところで、現在使
われるパイル織り、編み、不織布のパイル素材は 綿糸
20〜30番双糸や、レギュラーアクリル(毛番)32
〜36番単、双糸や、52番単、双糸など、そ毛紡績で
ひき揃えられた細くて長い直線状繊維であるが、現在の
解毛加工法では、そのカットパイル面を完全なシープ調
毛玉にナッピング加工できない。つまり解毛機という加
工機を主として使用する限り、カットパイル面のナッピ
ング加工は不可能であると断言できる。本発明製法は
如何なる繊維素材をパイル面に使用しても、カットパイ
ルのカット長に長、短色々あっても、そのナッピング毛
玉加工が支障なく、完全に良質のナッピング加工できる
製法の確立が課題である。また、タンブラー熱風回転乾
燥機だけではナッピング加工できないという理由で、他
の熱処理加工機、例えば乾湿熱型、高温熱風ノズル噴き
付け式ナッピング毛玉型押し機を指すが、この加工機を
併用して、カットパイル面のナッピング加工を完成させ
るものではない。飽くまで、タンプラー乾燥機のみに依
るナッピング毛玉仕上げ製法の確立である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の解毛機
を主としたカットパイル面の加工方法を採らないで、元
来、種々の輪奈状パイル毛布(シャットル/エアー/ウ
ォーター式織毛布、不織タフト毛布、丸編シンカーサン
ドイッチパイル毛布、経編トリコット毛布、経編ラッセ
ルマイヤー毛布裏グランド面など)のループパイル面の
起毛加工に使われてきた各種起毛機を、本発明製法カッ
トパイル面加工工程の中核(最終工程)に位置付け、そ
の種々の針布の起毛作用で、カットパイル面を複雑に絡
み合う起毛状、毛羽状繊維に変質させるという発想の転
換を図った。かつて、片面または両面パイル織り編み不
織布のカットパイル面を起毛機で起毛し、タンブラーで
ナッピング加工するという加工種目、及び製品は何処に
も見あたらず、それに、カットパイル面を仕上げ加工す
るのに、起毛機を用いること自体は全く無意味で、ナン
センスな試みとされてきた為、昔から、多くの技術者が
気の付かなったエアーポケット的着眼点であった。通常
の加工では、決して妥当な方法ではないが、本発明カッ
トパイル毛布のタンブラー方式による毛玉ナッピング加
工に関し、本発明の起毛〜毛起こし〜毛刈加工法が そ
の最終仕上げ工程における唯一、正当、妥当な製法であ
ることを発見し、確立した。それ故、カットパイル織
り、編み、不織毛布に使われるパイル素材は全て、つま
り天然繊維(綿、ウール、シルク他なんでも)や、化合
成繊維(レギュラーアクリル、ポリエステル他なんで
も)、そのパイル糸の紡績、撚糸法や、その組成、断面
形状、繊維デニール(太さ)、番手、またはパイル長、
パイルカット法などに規制されず、自由にオールマイテ
ィーに、起毛可能な全てのカットパイル面の完全なシー
ブ調毛玉風合いのナッピング仕上げが完成する製造方法
を発明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は 一般に起毛機と呼ばれ
る加工機を最終仕上げ加工の中心に据えたもので、染色
後のカットパイル面を 回転する針布ローラー(パイル
ローラー、カウンターパイルローラー)上で、種々の起
毛方法、つまり毛羽の掻き出し、引っ張り、カット、揉
み込み、絡み合わせなど、様々な起毛(毛羽掻き出し)
作用で、毛玉状になりやすい毛羽状態、起毛状繊維を現
出し、その起毛毛羽状繊維を適宜、立毛状に毛起こし加
工し、それを一定長に刈り揃える毛刈加工し、更にタン
ブラー熱風回転乾燥機に投缶し、加熱、加湿、昇温し、
一定時間、タンブリング(=揉み込み)して、良質なナ
ッピング状毛玉状に熱処理加工する製法である。本発明
は 染色後のカットパイル面を起毛〜毛起こし〜毛刈の
順か、解毛〜起毛〜毛起こし〜毛刈の順で、ひとまず、
起毛毛羽状繊維に変質、加工して、バッチ式と呼ばれる
缶内密閉式のタンブラー熱風回転乾燥機で、更に繊維同
士をこすり合わせ、揉み合わせ、絡み合わせて、毛玉状
にナッピング加工する方法である。また本発明に用いる
片面又は両面パイルのパイル糸は 従来、広く一般的に
使われる普通の綿、シルク、ウールなどの天然繊維や、
レギュラーアクリル、レーヨン、ポリエステルなどの化
合成繊維であり、起毛可能な全ての一般的繊維に適用で
きる製法である。例えば、綿(中国、インド、パキスタ
ン製)の綿番手20〜30番双糸や、アクリル(1デニ
ール以上のレギュラーアクリルや、1デニール以下の新
合繊など)の毛番手32〜38番単、双糸や、52番
単、双糸など、一般的なそ毛紡績糸を使用するが、もち
ろん紡毛紡績糸や空気精紡糸を使用するパイル糸使いの
パイル織り、編み、不織布も可能である。経編みラッセ
ルマイヤー毛布の場合、生なりのバルキー糸で編み立て
後、センターカットでパイル生地を中央から二本取り
し、(編み立て時のパイル釜間、約5ミリから50ミリ
メートルまで、カットパイル長は 長短色々あり)、そ
の後、無地染め、プリント染色加工して、本発明製法に
基ずく、カットパイル面を各種起毛機にかけ、起毛状毛
羽掻き出し加工を軸に適宜、毛起こし、毛刈加工して、
次にタンブラー熱風回転乾燥機で、ナッピング加工す
る。一般的に起毛機による起毛原理は どの起毛機も似
たものであるが、その力学的構造、方法により、独乙式
起毛機、英式起毛機があり、他に仏式、米式、伊式、日
本式、あざみ式など、多種多様な針布起毛機がある。特
に共通点は 偶数本(24〜30本)の針布ローラーが
あり、針布ローラーにパイルローラーとカウンターパイ
ルローラーがあり、その各針布ローラーは丸い大きな円
筒ドラム上に設置され、それらの回転は単一駆動モータ
ーから、それぞれコーンプーリー、段車プーリーで減変
速するか、他に無断変速モーターで電動式に減変速す
る、各針布ローラーの軸受けは砲金メタルやベアリング
構造で、各針布ローラーの回転は平ベルト(プーリー
式)やVベルト(油圧式)、歯車式がある。また、それ
ら起毛機はかなり広い面積に渡り、カットパイル毛布の
カットパイル面を接触、作用し、各種針布の作用で起
毛、毛羽立て加工するので、上、下撚りのかかったパイ
ル撚糸、カットパイル面は従来にない起毛、毛羽状の繊
維を形成する。つまり、起毛状、毛羽状繊維の各繊維の
毛羽立ち形状、長短、方向性、捲縮、絡みなどは 従
来、解毛機のみに依存する解毛加工時の解毛状繊維の形
状と明らかに異なり、独特の起毛、毛羽状風合いが出来
上がる。従来、カットパイル毛布のカットパイル面は解
毛機(毛割機ともいう)と呼ばれる加工機で、染色後の
カットパイル面を解毛加工し、パイル繊維間の複雑な絡
みを解きほぐし、直線的で、ストレートで、かさ高で密
毛状、垂直立毛状繊維に変形する加工法である。本発明
の片面又は両面パイル織物は、ビロード織りの類で、プ
ラッシュ織りの一種、シール織りと呼ばれるパイル織物
で、特に和歌山県の高野口町近郊が産地であるが、従
来、綿製カットパイル面のナッピング毛玉加工は、全く
不可能であったが、本発明製法はそれを可能にした。つ
まり、従来は解毛機、毛刈機を軸に加工するため、タン
ブラー熱風回転乾燥機ではナッピング毛玉加工できなか
ったが、本発明は起毛機、毛刈機を軸に、起毛、毛起こ
し、毛刈加工するため、同じタンブラー乾燥機による加
工でも、容易にナッピング毛玉加工できることが判明し
た。これは 起毛機の起毛針布と起毛作用が 直線的で
バルキー性のない綿繊維でも、毛玉になりやすい起毛、
毛羽状繊維に変形、変質させるためである。さて、緯編
機の類で、パイルフライスや、ハイ・パイル丸編機で編
まれるレギュラーアクリル52番手や32番手使いの片
面カットパイル編布が、(従来製法、つまり解毛〜毛刈
〜タンブラー乾燥加工法ではナッピング毛玉加工できな
かったもの)、本発明製法によれば、良質のナッピング
毛玉仕上げができる。ところで、従来、綿やアクリル
(レギュラー)製の、カットパイル織り(例、シール
織)や、カットパイル編み(例、丸編フライス、ハイ・
パイル、経編ラッセルマイヤーなど)のパイル面のナッ
ピング加工は不可能であったため、解毛、毛刈加工の
後、高温熱風ノズル噴き付け式のナッピング型押し加工
機を使い、解毛、垂直立毛状パイル面をシープ調毛玉風
合いに型押し加工し、変形シープ、拳骨型シープと呼ば
れるナッピング加工毛布を製造するが、これは上部から
解毛密毛状パイル繊維を高温(生蒸気を含む)熱風で押
し付け、毛玉状に変形し、型押し、柄付け加工するた
め、風合いが硬くなり、かさが低くなり、かつ表面が蒸
気で濡れるので、その加工後、タンブラー熱風乾燥機で
再度乾かす必要があり、ヒートセット乾燥機の幅だし、
乾燥加工が必要となる製法であり、本発明製法とは、明
らかにナッピング仕上がり風合いが異なり、一見して判
別できるものである。
【0007】本発明は カットパイル面を最終的に起毛
〜毛起こし〜毛刈加工し、タンブラー乾燥加工でナッピ
ング毛玉加工する製法であり、かつて見られなかった起
毛状毛羽風合い、つまり直線的撚糸状カットパイル面を
それぞれランダムな形状の起毛状、毛羽状繊維に変形
し、繊維間を容易に交差する繊維形状に変質する。本発
明の起毛機使いのカットパイル面起毛法は、従来の解毛
機使いのカットパイル面解毛法と異なり、後工程のタン
ブラー乾燥機によるナッピング毛玉加工を容易に促進す
る加工法である。つまり、従来の解毛機は 数ミリメー
トルR(アール)の三角型スライドベッドとその真下に
設置する針布ローラーからなり、数ミリメートルのスラ
イドベッドと針布ローラー間、間隙をカットパイル面の
毛布地が通過する時、順逆高速回転する針布ローラーが
そのカットパイル面を強力に解毛し、直線的に引き延ば
し、垂直立毛状に繊維をまっすぐ解きほぐす仕組みで、
順逆針布ローラーは一対で、2本〜16本設置されてお
り、僅かな隙間から通過する時、強力にパイル面を垂直
解毛する加工機である。明らかに、起毛機と解毛機の作
用、構造に違いがあり、全く別種の加工機であるため、
そこに使われる針布もその形状、形態が異なるので、そ
れぞれの加工風合いは全く、異なるものとなる。元来、
解毛加工は パイル面を完全に解きほぐし、直線的に引
き延ばし、垂直密毛状に、かさ高、ボリュームアップす
るのが主目的で、各パイル面の繊維間の絡みを無くし、
繊維の形状変化が少ない表面構造に加工するため、一般
的に、その類の加工製品は粒状、束状、ナッピング毛玉
状風合いになりにくい形状を作る加工である。それに反
し、本発明の起毛製法は カットパイル面を起毛機で起
毛加工し、丸い大きな円筒ドラム上に設置された多数の
針布ローラーの様々な回転力と、針布作用で、その直線
的パイル撚糸構造を 複雑多岐な起毛状毛羽状構造に変
質させ、粒状、束状、毛玉状風合いになりやすい繊維構
造に変質する加工法である。これは、その後工程のタン
ブラー乾燥機によるナッピング毛玉加工を強力に促進
し、完成する加工方法である。ところで、タンブラー方
式は パイル織り、編み、不織布の片面(表)もしくは
両面(表、裏)を起毛、毛起こし、毛刈加工した反物を
適量、タンブラー熱風回転乾燥機の缶内に投入し、密
閉、作動し、加熱、昇温(摂氏90〜100度C)、加
湿し、数分間、生蒸気を噴かし、正逆タンブリング回転
を約一時間反復し、その後、数十分間冷却して、ナッピ
ング毛玉加工する製法である。
【0008】
【発明の効果】一般的に毛布を使用し、洗濯クリーニン
グし、また使用するという使用過程の中で、次第に元の
毛布の原型が損なわれ、毛羽抜け、毛羽切れ、毛羽絡み
などで、毛布の表面が粒状、束状、毛玉状化する傾向が
ある。本発明はその傾向を先取りし、最初から本加工に
応用し、今まで不可能とされてきたカットパイル面のナ
ッピング加工を 各種起毛機を使うことで、独自の起毛
状毛羽風合い(各繊維間の複雑な絡み形状)に起毛し、
毛起こし、毛刈加工を組み合わせ、タンブラー乾燥機
で、羊の毛(通称シープ)の表面に似た、パイル先端が
丸く、粒状、束状、毛玉状に繊維が絡み合う保温構造
の、凸凹構造を形成する。その仕上がり製品は、かつて
見られなかった風合いの毛布となり、製造者、販売者、
消費者に強烈なインパクトを与える毛布である。本発明
カットパイル毛布のナッピング仕上げ風合いは、その仕
上がり原型が粒状、束状、毛玉状と形状安定しているた
め、使用後の形状変化も少なく、使用者に多大な安心感
を与える毛布である。本発明毛布のナッピング毛玉構造
は毛布の全表面に、より温かい空気の滞留層を保有する
ので、その保温性効果は抜群である。また、その毛布全
表面の凸凹構造は滑らない、ズレない安定効果を併有す
る利点がある。通常の解毛、艶だし、毛刈加工によるカ
ットパイル毛布の仕上げ風合いは、そのカットパイル面
が平面的で、なめらかである為、かえって使用中、滑り
やすく、ズレやすい欠点があった。本発明はそれぞれ、
見た目の豪華さ、美しさと共に、使用時の手触り、肌触
りが柔らかで、保温力が高い。布団、毛布、シーツ、炬
燵、カーペットの掛、敷用側地として、その表面の毛玉
風合い、凸凹パイル風合いは保温効果、滑り止め効果、
装飾効果など、様々な使用効果があるが、特に使用中の
形状、形態を安定させる効果がある。本発明のナッピン
グ加工カットパイル織り編み毛布は防寒衣料の側地とし
て、使用しても、前述のように、耐洗濯クリーニング性
がよく、原型が変わらず、何時までも保温、防寒性が高
く、見た目のおしゃれ感、豪華さがある。従来、一部の
特殊な繊維(ウール、コンジュゲート・アクリル)のパ
イル使いに限り、従来法(解毛〜毛刈〜タンブラー乾
燥)でカットパイル面のナッピング加工ができていた
が、本発明により、広く、一般の繊維にもナッピング毛
玉加工の製品化が可能となるので、国内繊維業界の活性
化に大いに役立つであろう。
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維または化合成繊維をパイルとし
    て用いる、片面または両面カットのパイル織物や、経編
    ラッセルマイヤー編み布や、丸編パイルフライス機や丸
    編ハイ・パイル機によって編まれる編布など、それぞれ
    のカットパイル面を仕上げ加工の最終段階で、起毛〜毛
    起こし〜毛刈加工し、その後、乾湿熱タンブラー熱風回
    転乾燥機でナッピング加工する全面粒状、束状、毛玉状
    風合いを特徴とする毛布で、更に適宜、柄付け毛刈加工
    や艶だし加工を組み入れた変形のナッピンッグ毛玉風合
    いを特徴とする毛布であり、また、片面がナッピングや
    変形ナッピング風合いで、他の片面が毛羽立ち風合いを
    特徴とする両面異種風合いの、ナッピング加工織り編み
    毛布。
  2. 【請求項2】 天然繊維または化合成繊維をパイルとし
    て用いる、片面または両面カットパイルのシール織り物
    や、片面または両面カットパイルの経編ラッセルマイヤ
    ー編み布や、片面カットパイルの丸編パイルフライス機
    や丸編ハイ・パイル機によって編まれる編布など、それ
    ぞれのカットパイル面を仕上げ加工の最終段階で、起毛
    機で起毛加工、毛捌、毛刈機で毛起こし、毛刈加工し
    て、そのカットパイル面を毛玉状になりやすい起毛状毛
    羽繊維に変形後、乾湿熱タンブラー熱風回転乾燥機でナ
    ッピング毛玉加工し、全面粒状、束状、毛玉状風合いを
    特徴とする片面又は両面毛布の製造方法で、更に適宜、
    柄付け毛刈加工や艶だし加工を組み入れた変形のナッピ
    ング毛玉風合いを特徴とする片面又は両面毛布の製造方
    法であり、また、片面を前述のナッピング加工や変形ナ
    ッピング加工し、他の片面を適宜、起毛加工、解毛加
    工、毛捌、毛刈加工を組み入れろ毛羽立ち風合いを特徴
    とする両面異種加工の、ナッピング加工織り編み毛布の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 綿やレギュラーアクリル繊維をパイル面
    として用いる、片面または両面のパイル織物や、編物の
    カットパイル面を、羊の毛の表面に似た粒状、束状、毛
    玉状に仕上げるナッピング毛玉風合いを特徴とする毛布
    で、更に、片面はナッピング毛玉風合いであるが、他の
    片面は毛羽立ち風合いを特徴とする織り編み毛布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107287803A (zh) * 2017-05-27 2017-10-24 浙江银河印染有限公司 改良棉针织品拉毛绒布缩水率及毛绒品质的整理方法
JP7092409B1 (ja) * 2021-03-30 2022-06-28 藤井株式会社 防風性伸縮生地

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