JP2666234B2 - 経編立毛生地の製造方法 - Google Patents
経編立毛生地の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に毛布等に使用する
経編立毛生地、特にパイル糸に紡績糸を用いたカットパ
イル生地からなる経編立毛生地の製造方法に関するもの
である。
経編立毛生地、特にパイル糸に紡績糸を用いたカットパ
イル生地からなる経編立毛生地の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、毛布等に好適に用いられる経
編カットパイル生地による立毛生地は、例えば図1に示
す構造のカットパイル専用のダブルラッセル機を使用し
て編成するもので、フロント側の筬(L1),(L2)
とバック側の筬(L4),(L5)とで挿入糸および鎖
糸を前後の針床(11),(12)にそれぞれ導いて、
前後即ち表裏2面の地組織を形成するとともに、中央部
にある筬(L3)によりパイル糸(P)を前後針床(1
1),(12)に導いてパイル糸(P)を編針(1
3),(14)に順次ラッピングさせて前記両地組織と
ともに編成するものであり、こうして前後の両地組織に
掛け渡されたパイル糸(P)を両地組織の中央でカット
してカットパイル生地を得、その後、染色,熱処理,乾
燥後パイルを解繊処理して立毛状となし、毛布等の立毛
製品に仕上げるものである。
編カットパイル生地による立毛生地は、例えば図1に示
す構造のカットパイル専用のダブルラッセル機を使用し
て編成するもので、フロント側の筬(L1),(L2)
とバック側の筬(L4),(L5)とで挿入糸および鎖
糸を前後の針床(11),(12)にそれぞれ導いて、
前後即ち表裏2面の地組織を形成するとともに、中央部
にある筬(L3)によりパイル糸(P)を前後針床(1
1),(12)に導いてパイル糸(P)を編針(1
3),(14)に順次ラッピングさせて前記両地組織と
ともに編成するものであり、こうして前後の両地組織に
掛け渡されたパイル糸(P)を両地組織の中央でカット
してカットパイル生地を得、その後、染色,熱処理,乾
燥後パイルを解繊処理して立毛状となし、毛布等の立毛
製品に仕上げるものである。
【0003】そして、前記カットパイル生地のパイル糸
としては、編成上の糸切れ防止および解繊の容易さ等を
考慮して、通常一般には32番手〜36番手程度の紡績
糸を2本撚合わせた所謂双糸が用いられている。
としては、編成上の糸切れ防止および解繊の容易さ等を
考慮して、通常一般には32番手〜36番手程度の紡績
糸を2本撚合わせた所謂双糸が用いられている。
【0004】しかしながら、パイル糸に用いられる上記
の双糸は単糸よりも糸自体の製造コストが高価であるた
め、サイロスパン紡績糸を用いること(特開平3−10
4969号公報参照)や太番手の単糸紡績糸を用いる試
みがなされてきた。そして、サイロスパン紡績糸又は単
糸紡績糸を用いる場合両地組織を編成後、パイル糸をそ
の中央部で切断して2枚に開いた状態のパイル生地を作
成し、しかる後に染色,熱処理,乾燥し、さらに解繊処
理をなすことが行われてきた。
の双糸は単糸よりも糸自体の製造コストが高価であるた
め、サイロスパン紡績糸を用いること(特開平3−10
4969号公報参照)や太番手の単糸紡績糸を用いる試
みがなされてきた。そして、サイロスパン紡績糸又は単
糸紡績糸を用いる場合両地組織を編成後、パイル糸をそ
の中央部で切断して2枚に開いた状態のパイル生地を作
成し、しかる後に染色,熱処理,乾燥し、さらに解繊処
理をなすことが行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、安価な
サイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸をパイル糸に用いた
場合でも、染色前に両地組織編地のパイル糸をその中央
部で切断する方法では、それに続く染色工程でフロント
及びバックの2枚の生地を各々加工しなければならず、
経済性に乏しいという問題があった。
サイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸をパイル糸に用いた
場合でも、染色前に両地組織編地のパイル糸をその中央
部で切断する方法では、それに続く染色工程でフロント
及びバックの2枚の生地を各々加工しなければならず、
経済性に乏しいという問題があった。
【0006】そこでサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸
をパイル糸に用いた両地組織編地のパイル糸を切断せず
に、所謂丸反で染色加工し、その後パイル糸をその中央
部で切断し、解繊処理を行う方法も試みられてきたが、
解繊不良や立毛製品の品位不良になり、実用性に乏しい
ものしか得られないという問題があった。
をパイル糸に用いた両地組織編地のパイル糸を切断せず
に、所謂丸反で染色加工し、その後パイル糸をその中央
部で切断し、解繊処理を行う方法も試みられてきたが、
解繊不良や立毛製品の品位不良になり、実用性に乏しい
ものしか得られないという問題があった。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するものであ
って、その目的はパイルの膨らみ感、張腰感、表面品位
に優れた毛布等に用いる経編立毛生地をコスト安価に提
供しようとすることにある。
って、その目的はパイルの膨らみ感、張腰感、表面品位
に優れた毛布等に用いる経編立毛生地をコスト安価に提
供しようとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、合成繊維
からなる紡績糸をパイル糸に用いて、ダブルラッセル機
で両地組織を編成し、次いで染色,熱処理,乾燥後、該
両地組織中央部のパイル糸を切断し、次いで、切断され
たパイル生地を解繊処理することにより経編立毛生地を
得る方法において、上記紡績糸がサイロスパン紡績糸又
は単糸紡績糸よりなり、撚係数50〜90であり、更に
沸水収縮率10〜30%であることを特徴とする経編立
毛生地の製造方法により達成される。
からなる紡績糸をパイル糸に用いて、ダブルラッセル機
で両地組織を編成し、次いで染色,熱処理,乾燥後、該
両地組織中央部のパイル糸を切断し、次いで、切断され
たパイル生地を解繊処理することにより経編立毛生地を
得る方法において、上記紡績糸がサイロスパン紡績糸又
は単糸紡績糸よりなり、撚係数50〜90であり、更に
沸水収縮率10〜30%であることを特徴とする経編立
毛生地の製造方法により達成される。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において合成繊維とは、たとえばポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリオキシエトキシベンゾエート,ポリエチレンナ
フタレート,シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト,及びこれ等のポリエステルに付加的成分として更に
イソフタル酸,アジピン酸,スルホイソフタル酸のよう
なジカルボン酸成分、プロピレングリコール,ブチレン
グリコール,シクロヘキサンジメタノール,ジエチレン
グリコールの様なジオール成分を共重合したポリエステ
ル;6−ナイロン、6,6−ナイロン、芳香族ナイロン
等のポリアミド;ポリプロピレン;アクリロニトリルを
40重量%以上と、他のビニル系モノマー、例えば、ア
クリル酸,メタクリル酸,あるいはこれらのアルキルエ
ステル類,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,
アリルスルホン酸ソーダ,メタリルスルホン酸ソーダ,
ビニルスルホン酸ソーダ,スチレンスルホン酸ソーダ,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソ
ーダ等を適宜組み合わせたものを60重量%以下の割合
で共重合させたアクリル等が挙げられる。
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリオキシエトキシベンゾエート,ポリエチレンナ
フタレート,シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト,及びこれ等のポリエステルに付加的成分として更に
イソフタル酸,アジピン酸,スルホイソフタル酸のよう
なジカルボン酸成分、プロピレングリコール,ブチレン
グリコール,シクロヘキサンジメタノール,ジエチレン
グリコールの様なジオール成分を共重合したポリエステ
ル;6−ナイロン、6,6−ナイロン、芳香族ナイロン
等のポリアミド;ポリプロピレン;アクリロニトリルを
40重量%以上と、他のビニル系モノマー、例えば、ア
クリル酸,メタクリル酸,あるいはこれらのアルキルエ
ステル類,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,
アリルスルホン酸ソーダ,メタリルスルホン酸ソーダ,
ビニルスルホン酸ソーダ,スチレンスルホン酸ソーダ,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソ
ーダ等を適宜組み合わせたものを60重量%以下の割合
で共重合させたアクリル等が挙げられる。
【0011】本発明においてサイロスパン紡績糸とは、
特開昭57−51824号公報に記載の方法で紡績され
た糸であって、その方法の概要を図2及び図3を用いて
簡単に説明する。両図はこのサイロスパン紡績法を実施
する装置であって、(1a)は通常の精紡機のドラフト
域(2)に位置するフロントボトムローラー、(1b)
は同じくフロントトップローラーである。然して、異な
る走行路を経てローラードラフト域(2)に導入した2
本の繊維束(粗糸)(3a),(3b)は、このドラフ
ト域(2)でドラフト作用を受けて平行走行する2本の
フリースとなり、前記フロントボトムローラー(1a)
のニップ点を出た直後にリングトラベラー機構(4)の
撚転作用を受けて合撚糸(5)の形でボビン(6)に巻
き取られるのである。
特開昭57−51824号公報に記載の方法で紡績され
た糸であって、その方法の概要を図2及び図3を用いて
簡単に説明する。両図はこのサイロスパン紡績法を実施
する装置であって、(1a)は通常の精紡機のドラフト
域(2)に位置するフロントボトムローラー、(1b)
は同じくフロントトップローラーである。然して、異な
る走行路を経てローラードラフト域(2)に導入した2
本の繊維束(粗糸)(3a),(3b)は、このドラフ
ト域(2)でドラフト作用を受けて平行走行する2本の
フリースとなり、前記フロントボトムローラー(1a)
のニップ点を出た直後にリングトラベラー機構(4)の
撚転作用を受けて合撚糸(5)の形でボビン(6)に巻
き取られるのである。
【0012】パイル糸に用いる紡績糸が所謂双糸紡績糸
の場合、紡績工程において多大の手間とコストが掛かる
ため、紡績糸はサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸であ
ることを必須とする。
の場合、紡績工程において多大の手間とコストが掛かる
ため、紡績糸はサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸であ
ることを必須とする。
【0013】また、上記パイル糸用いる紡績糸は、1m
当たりの撚数/(メートル式番手)1/2 で示される撚係
数が50〜90、好ましくは60〜75であることが必
要である。即ちパイル糸に用いるサイロスパン紡績糸又
は単糸紡績糸の撚係数が50未満の場合は糸強力が不足
し、ダブルラッセル機で編成時に糸切れが起こり易く編
効率が低下し、品位面でもパイル切れ等の欠点が発生し
易く不適当である。逆に撚係数が90を超えるようにな
ると所謂丸反にて染色、蒸熱処理、乾燥されるため、パ
イル糸の撚の逃げ場がなく、セットされるために、その
後パイル糸を両地組織の中央部分で切断後、解繊させる
時に、解繊性が不良となり、解繊処理に著しく手間がか
かるだけでなく立毛生地の品位が不良となる。
当たりの撚数/(メートル式番手)1/2 で示される撚係
数が50〜90、好ましくは60〜75であることが必
要である。即ちパイル糸に用いるサイロスパン紡績糸又
は単糸紡績糸の撚係数が50未満の場合は糸強力が不足
し、ダブルラッセル機で編成時に糸切れが起こり易く編
効率が低下し、品位面でもパイル切れ等の欠点が発生し
易く不適当である。逆に撚係数が90を超えるようにな
ると所謂丸反にて染色、蒸熱処理、乾燥されるため、パ
イル糸の撚の逃げ場がなく、セットされるために、その
後パイル糸を両地組織の中央部分で切断後、解繊させる
時に、解繊性が不良となり、解繊処理に著しく手間がか
かるだけでなく立毛生地の品位が不良となる。
【0014】更に、上記パイル糸に用いる紡績糸は、沸
水収縮率が10〜30%,好ましくは15〜25%であ
ることが必要である。即ち、染色後の熱処理時にその収
縮率によって発現するバルキー性で立毛品の表面品位及
びパイル部分の膨らみ感,腰感が得られるのである。パ
イル糸に用いるサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸の沸
水収縮率が10%未満の場合は、立毛製品のパイルは直
毛状となり、開き状態も不良となり、パイル間のすき間
が多く所謂田植状となり、立毛製品の品位が低下し不適
当である。逆に沸水収縮率が30%を超えるようになる
と、逆に解繊不良となり不都合である。尚、沸水収縮率
は、沸水収縮率の異なる繊維を2種以上配合することに
より適宜変化さしめることができる。
水収縮率が10〜30%,好ましくは15〜25%であ
ることが必要である。即ち、染色後の熱処理時にその収
縮率によって発現するバルキー性で立毛品の表面品位及
びパイル部分の膨らみ感,腰感が得られるのである。パ
イル糸に用いるサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸の沸
水収縮率が10%未満の場合は、立毛製品のパイルは直
毛状となり、開き状態も不良となり、パイル間のすき間
が多く所謂田植状となり、立毛製品の品位が低下し不適
当である。逆に沸水収縮率が30%を超えるようになる
と、逆に解繊不良となり不都合である。尚、沸水収縮率
は、沸水収縮率の異なる繊維を2種以上配合することに
より適宜変化さしめることができる。
【0015】このようにして得られたサイロスパン紡績
糸をパイル糸に用いて経編立毛生地を製造するにあたっ
ては、例えば特開昭61−215749号公報等に記載
されているダブルラッセル機を用い、このダブルラッセ
ル機により上記のパイル糸を前後の針床に設けられた編
針にラッピングさせながら前後の両地組織を編成する。
糸をパイル糸に用いて経編立毛生地を製造するにあたっ
ては、例えば特開昭61−215749号公報等に記載
されているダブルラッセル機を用い、このダブルラッセ
ル機により上記のパイル糸を前後の針床に設けられた編
針にラッピングさせながら前後の両地組織を編成する。
【0016】そして前記のようにして編成された編地を
染色し、さらにスチーム等による熱処理,洗浄,乾燥を
行い、その後公知の開反機を用いて両地組織の中央部で
パイル糸を切断し、2枚のパイル生地に開反する。尚、
乾燥前に柔軟剤や腰付剤を付与すると、更に解繊性は良
好となり、製品の風合、腰感が良好となる。
染色し、さらにスチーム等による熱処理,洗浄,乾燥を
行い、その後公知の開反機を用いて両地組織の中央部で
パイル糸を切断し、2枚のパイル生地に開反する。尚、
乾燥前に柔軟剤や腰付剤を付与すると、更に解繊性は良
好となり、製品の風合、腰感が良好となる。
【0017】そして開反後、公知の解繊機又は起毛装置
を用いて解繊処理を行う。又、解繊処理後、ポリッシャ
ーを用いて熱処理を伴う物理的な立毛部分の伸長処理を
行うと、立毛品の表面状態が滑らかとなり、品位が向上
する。
を用いて解繊処理を行う。又、解繊処理後、ポリッシャ
ーを用いて熱処理を伴う物理的な立毛部分の伸長処理を
行うと、立毛品の表面状態が滑らかとなり、品位が向上
する。
【0018】その後、シャーリング(剪毛)して一定の
長さの立毛に揃えることにより、本発明の経済的に優れ
品位良好なる立毛生地が得られる。
長さの立毛に揃えることにより、本発明の経済的に優れ
品位良好なる立毛生地が得られる。
【0019】
【作用】本発明方法においては、パイル糸として撚係数
50〜90の撚が施されているサイロスパン紡績糸又は
単糸紡績糸を用いているため、染色後の熱処理によって
撚が固定されたとしても、強撚でないため解繊時に解繊
不良が発生することはない。また、沸水収縮率が10〜
30%であるので、染色後の熱処理によって極端に緻密
化されることがなく、解繊時に解繊不良が発生すること
はない。
50〜90の撚が施されているサイロスパン紡績糸又は
単糸紡績糸を用いているため、染色後の熱処理によって
撚が固定されたとしても、強撚でないため解繊時に解繊
不良が発生することはない。また、沸水収縮率が10〜
30%であるので、染色後の熱処理によって極端に緻密
化されることがなく、解繊時に解繊不良が発生すること
はない。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施態様を実施例をもって実に
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0021】実施例1 89mmバイアスカットの2デニールのアクリル短繊維
40部と、102mmカットの3デニールのアクリル短
繊維20部と、更に3デニールのトウを低温乾熱延伸
し、潜在的熱収縮性を付与した平均繊維長102ミリに
牽引切断したアクリル短繊維40部を混合し、図2に示
す精紡機を用いて16番手の撚数270T/m(撚係数
67.5)の沸水収縮率26%のサイロスパン紡績糸を
得た。これをパイル糸に用い、200デニール48フィ
ラメントのポリエステルフィラメント糸を鎖糸に、15
0デニール48フィラメントのポリエステルフィラメン
ト糸を挿入糸に用いて図4に示す編組織の両地組織を編
成した(16ゲージカールマイヤ機使用)。次に、公知
の方法でカチオン染料を含む染液に浸漬後マングルを用
いて絞り、連続スチーマーにて100℃で20分間蒸熱
処理後、公知の方法でソーピングし、柔軟剤付与後乾燥
した。次に、この両地組織間の中央のパイル糸をベルト
走行式の刃をもつカッターで切断して経編カットパイル
生地を得た。更に、2本シリンダー式4連型毛捌機にパ
イルの毛並みの逆方向に4回、正方向に3回通過させて
解繊後、110℃のポリシャーで毛先端を伸ばし、シャ
ーリング機で毛先を剪断して実施例1の製品を得た。
40部と、102mmカットの3デニールのアクリル短
繊維20部と、更に3デニールのトウを低温乾熱延伸
し、潜在的熱収縮性を付与した平均繊維長102ミリに
牽引切断したアクリル短繊維40部を混合し、図2に示
す精紡機を用いて16番手の撚数270T/m(撚係数
67.5)の沸水収縮率26%のサイロスパン紡績糸を
得た。これをパイル糸に用い、200デニール48フィ
ラメントのポリエステルフィラメント糸を鎖糸に、15
0デニール48フィラメントのポリエステルフィラメン
ト糸を挿入糸に用いて図4に示す編組織の両地組織を編
成した(16ゲージカールマイヤ機使用)。次に、公知
の方法でカチオン染料を含む染液に浸漬後マングルを用
いて絞り、連続スチーマーにて100℃で20分間蒸熱
処理後、公知の方法でソーピングし、柔軟剤付与後乾燥
した。次に、この両地組織間の中央のパイル糸をベルト
走行式の刃をもつカッターで切断して経編カットパイル
生地を得た。更に、2本シリンダー式4連型毛捌機にパ
イルの毛並みの逆方向に4回、正方向に3回通過させて
解繊後、110℃のポリシャーで毛先端を伸ばし、シャ
ーリング機で毛先を剪断して実施例1の製品を得た。
【0022】実施例2 89mmバイアスカットの2デニールのアクリル短繊維
35部と、102mmカットの3デニールのアクリル短
繊維35部と、更に3デニールのトウを低温乾熱延伸
し、潜在的熱収縮性を付与した平均繊維長102ミリに
牽引切断したアクリル短繊維30部を混合し、図2に示
す精紡機を用いて13番手の撚数240T/m(撚係数
66.6)の沸水収縮率25%のサイロスパン紡績糸を
得た。かかる糸をパイル糸に用いた他は実施例1と同様
の処理を行い、実施例2の製品を得た。
35部と、102mmカットの3デニールのアクリル短
繊維35部と、更に3デニールのトウを低温乾熱延伸
し、潜在的熱収縮性を付与した平均繊維長102ミリに
牽引切断したアクリル短繊維30部を混合し、図2に示
す精紡機を用いて13番手の撚数240T/m(撚係数
66.6)の沸水収縮率25%のサイロスパン紡績糸を
得た。かかる糸をパイル糸に用いた他は実施例1と同様
の処理を行い、実施例2の製品を得た。
【0023】比較例1 102mmカットの3デニールアクリル短繊維100%
を用い、図2に示す精紡機を用いて12番手の撚数24
0T/m(撚係数69.3)の沸水収縮率1.3%のサ
イロスパン紡績糸を得た。かかる糸をパイル糸に用いた
他は実施例1と同様の処理を行い、比較例1の製品を得
た。
を用い、図2に示す精紡機を用いて12番手の撚数24
0T/m(撚係数69.3)の沸水収縮率1.3%のサ
イロスパン紡績糸を得た。かかる糸をパイル糸に用いた
他は実施例1と同様の処理を行い、比較例1の製品を得
た。
【0024】比較例2 89mmバイアスカット2デニールのアクリル短繊維3
5部と、102mmカット3デニールのアクリル短繊維
35部と、102mmカット3デニールのサイドバイサ
イドアクリル短繊維捲縮糸30部を混合し、図2に示す
精紡機を用いて13番手の240T/m(撚係数66.
6)沸水収縮率5.7%のサイロスパン紡績糸を得た。
かかる糸をパイル糸に用いた他は実施例1と同様の処理
を行い、比較例2の製品を得た。
5部と、102mmカット3デニールのアクリル短繊維
35部と、102mmカット3デニールのサイドバイサ
イドアクリル短繊維捲縮糸30部を混合し、図2に示す
精紡機を用いて13番手の240T/m(撚係数66.
6)沸水収縮率5.7%のサイロスパン紡績糸を得た。
かかる糸をパイル糸に用いた他は実施例1と同様の処理
を行い、比較例2の製品を得た。
【0025】比較例3 76mmカットの2デニールのアクリル短繊維40部
と,76mmカットの3デニールのアクリル短繊維20
部と,102mmカットの3デニールのアクリル短繊維
40部を混合し、通常の精紡機を用いて28番手の下撚
数390T/mの紡績糸となし、更に2本合撚して上撚
数230T/mの双糸を得た。かかる糸をパイル糸に用
いた他は実施例1と同様の処理を行い、比較例3の製品
を得た。
と,76mmカットの3デニールのアクリル短繊維20
部と,102mmカットの3デニールのアクリル短繊維
40部を混合し、通常の精紡機を用いて28番手の下撚
数390T/mの紡績糸となし、更に2本合撚して上撚
数230T/mの双糸を得た。かかる糸をパイル糸に用
いた他は実施例1と同様の処理を行い、比較例3の製品
を得た。
【0026】比較例4 実施例1と同様のカット配合にて370T/mm(撚係
数92.5)のサイロスパン紡績糸を得た。かかる糸を
パイル糸に用いた他は実施例1と同様の処理を行い、比
較例4の製品を得た。比較例で4で得られた製品は解繊
不良となり、表面品位も著しく不良のものとなった。
数92.5)のサイロスパン紡績糸を得た。かかる糸を
パイル糸に用いた他は実施例1と同様の処理を行い、比
較例4の製品を得た。比較例で4で得られた製品は解繊
不良となり、表面品位も著しく不良のものとなった。
【0027】実施例1,2及び比較例1,2,3で得ら
れた製品の製造条件,圧縮仕事量WC,表面摩擦係数M
IU,パイル所見,外観を表1及び表2に示す。
れた製品の製造条件,圧縮仕事量WC,表面摩擦係数M
IU,パイル所見,外観を表1及び表2に示す。
【0028】尚、圧縮仕事量WCはカトーテック(株)
のKES風合測定装置の内、圧縮特性測定機(FB−
3)で測定した。測定時のチャートを図5に示す。 WC:圧縮仕事量を表し、膨らみ,腰感を表す重要な指
標である。数値が大きい程、毛布の膨らみ,腰感に優れ
る。 WC=X+Yの面積(gf・cm/cm2 )
のKES風合測定装置の内、圧縮特性測定機(FB−
3)で測定した。測定時のチャートを図5に示す。 WC:圧縮仕事量を表し、膨らみ,腰感を表す重要な指
標である。数値が大きい程、毛布の膨らみ,腰感に優れ
る。 WC=X+Yの面積(gf・cm/cm2 )
【0029】又、摩擦係数MIUは上記風合測定装置の
内、表面特性測定機(FB−4)で測定した。 MIU:摩擦係数を表す、数値が小なる程滑らかで表面
の緻密に優れ、数値が大なる程滑らかで大なる程ざらつ
きが大きい。
内、表面特性測定機(FB−4)で測定した。 MIU:摩擦係数を表す、数値が小なる程滑らかで表面
の緻密に優れ、数値が大なる程滑らかで大なる程ざらつ
きが大きい。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1から明らかな様に実施例で得られた製
品はパイルの膨らみ感,腰感に優れ、表面が平滑で緻密
な高級感のある外観、手触り感を有することがわかる。
品はパイルの膨らみ感,腰感に優れ、表面が平滑で緻密
な高級感のある外観、手触り感を有することがわかる。
【0033】
【発明の効果】以上、評術したように本発明方法により
得られた立毛生地は、従来の双糸紡績糸を用いた場合と
同等のパイルの膨らみ感、腰感に優れ、表面が平滑で緻
密な高級感のある外観、手触り感を有し、毛布等に用い
て頗る有用である。
得られた立毛生地は、従来の双糸紡績糸を用いた場合と
同等のパイルの膨らみ感、腰感に優れ、表面が平滑で緻
密な高級感のある外観、手触り感を有し、毛布等に用い
て頗る有用である。
【0034】また、本発明方法によれば、パイル糸その
ものの製造コストの低廉化を図れると共に、染色後に両
地組編織地のパイル糸をその中央部で切断でき、染色時
の製造コストの低廉化を図ることができる。
ものの製造コストの低廉化を図れると共に、染色後に両
地組編織地のパイル糸をその中央部で切断でき、染色時
の製造コストの低廉化を図ることができる。
【図1】カットパイル専用のダブルラッセル機の主要部
の側面図である。
の側面図である。
【図2】サイロスパン紡績糸の紡績方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図3】サイロスパン紡績糸の紡績方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図4】本発明実施例のカット生地のラッピング状態を
分解して示す編組織図である。
分解して示す編組織図である。
【図5】圧縮特性測定機で測定した時のチャートであ
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 合成繊維からなる紡績糸をパイル糸に用
いて、ダブルラッセル機で両地組織を編成し、次いで染
色,熱処理,乾燥後、該両地組織中央部のパイル糸を切
断し、次いで切断されたパイル生地を解繊処理すること
により経編立毛生地をを得る方法において、上記紡績糸
が、サイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸よりなり、撚係
数50〜90であり、更に沸水収縮率10〜30%であ
ることを特徴とする経編立毛生地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28197793A JP2666234B2 (ja) | 1993-10-14 | 1993-10-14 | 経編立毛生地の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28197793A JP2666234B2 (ja) | 1993-10-14 | 1993-10-14 | 経編立毛生地の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119029A JPH07119029A (ja) | 1995-05-09 |
JP2666234B2 true JP2666234B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=17646539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28197793A Expired - Fee Related JP2666234B2 (ja) | 1993-10-14 | 1993-10-14 | 経編立毛生地の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666234B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113668228B (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-21 | 金瑜昌纺织科技南通有限公司 | 一种坯布剖幅机传动装置 |
-
1993
- 1993-10-14 JP JP28197793A patent/JP2666234B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07119029A (ja) | 1995-05-09 |
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Date | Code | Title | Description |
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