JPH11279315A - ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法Info
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- JPH11279315A JPH11279315A JP10100352A JP10035298A JPH11279315A JP H11279315 A JPH11279315 A JP H11279315A JP 10100352 A JP10100352 A JP 10100352A JP 10035298 A JP10035298 A JP 10035298A JP H11279315 A JPH11279315 A JP H11279315A
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- Japan
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- irradiation
- resin foam
- polyolefin
- producing
- electron beam
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子線架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製
造においてシート厚み方向に架橋度を制御できるように
する。 【解決手段】 発泡性樹脂シートに電子線を照射して架
橋させた後加熱発泡させるポリオレフィン系樹脂発泡体
の製造方法において、電子線の照射を、より加速電圧の
低い第1の照射と、より加速電圧の高い第2の照射との
少なくとも二度行うことを特徴とするポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法、およびその方法で製造されたポ
リオレフィン系樹脂発泡体。
造においてシート厚み方向に架橋度を制御できるように
する。 【解決手段】 発泡性樹脂シートに電子線を照射して架
橋させた後加熱発泡させるポリオレフィン系樹脂発泡体
の製造方法において、電子線の照射を、より加速電圧の
低い第1の照射と、より加速電圧の高い第2の照射との
少なくとも二度行うことを特徴とするポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法、およびその方法で製造されたポ
リオレフィン系樹脂発泡体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体およびその製造方法に関し、とく
に電子線架橋の度合を厚み方向に所望の範囲に制御可能
としたポリオレフィン系樹脂発泡体およびの製造方法に
関する。
レフィン系樹脂発泡体およびその製造方法に関し、とく
に電子線架橋の度合を厚み方向に所望の範囲に制御可能
としたポリオレフィン系樹脂発泡体およびの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子線架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
は、通常、樹脂シートに電子線を照射してシート内部に
おける樹脂組成物を架橋させた後、それを加熱して発泡
させることによって製造される。この架橋の度合を制御
することにより、発泡の状態、つまり発泡体としての特
性(たとえば、気泡の状態、大きさ等)を制御できるた
め、通常、架橋のための電子線照射は、所定の適切な範
囲内の加速電圧にて行われる。また、架橋の度合は、た
とえば架橋後のシート各部のゲル分率にて判定でき、適
切なゲル分率となるように、照射線の加速電圧が設定さ
れる。
は、通常、樹脂シートに電子線を照射してシート内部に
おける樹脂組成物を架橋させた後、それを加熱して発泡
させることによって製造される。この架橋の度合を制御
することにより、発泡の状態、つまり発泡体としての特
性(たとえば、気泡の状態、大きさ等)を制御できるた
め、通常、架橋のための電子線照射は、所定の適切な範
囲内の加速電圧にて行われる。また、架橋の度合は、た
とえば架橋後のシート各部のゲル分率にて判定でき、適
切なゲル分率となるように、照射線の加速電圧が設定さ
れる。
【0003】樹脂シートには図2に示すような特性でエ
ネルギーが付与され、照射後に得られる架橋度(ゲル分
率)の特性も、このエネルギー特性に略比例したものと
なる。したがって、架橋度は、照射側の表面からシート
厚み方向に漸増し、その後に徐々に低下する特性を呈す
る。シート内部における架橋度をあまり高くすることは
できないので、照射線の加速電圧はあるレベル以下に抑
えられる。また、シート表面での架橋度も所定値以上に
する必要があるため、照射線の加速電圧としてはあるレ
ベル以上が要求される。したがって、これら下限値と上
限値との間の適当な加速電圧を設定して電子線の照射を
行うことになる。
ネルギーが付与され、照射後に得られる架橋度(ゲル分
率)の特性も、このエネルギー特性に略比例したものと
なる。したがって、架橋度は、照射側の表面からシート
厚み方向に漸増し、その後に徐々に低下する特性を呈す
る。シート内部における架橋度をあまり高くすることは
できないので、照射線の加速電圧はあるレベル以下に抑
えられる。また、シート表面での架橋度も所定値以上に
する必要があるため、照射線の加速電圧としてはあるレ
ベル以上が要求される。したがって、これら下限値と上
限値との間の適当な加速電圧を設定して電子線の照射を
行うことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来方法で
は、電子線架橋は一回しか行われていないので、上記の
ような方法で照射線の加速電圧を設定してしまうと、得
られる樹脂シートの架橋度は、その加速電圧に応じて実
質的に一定の特性しか得られず、シート厚み方向に架橋
度を制御することはできなかった。そのため、たとえば
シート内部の架橋度、発泡状態は所望のものが得られて
はいるが、シート表面の架橋度、発泡状態を改良したい
(特に架橋度を高めたい)場合等にあっては、前述の如
く照射する電子線の加速電圧がある範囲に限定されるた
め、実質的に対応できないこととなっていた。
は、電子線架橋は一回しか行われていないので、上記の
ような方法で照射線の加速電圧を設定してしまうと、得
られる樹脂シートの架橋度は、その加速電圧に応じて実
質的に一定の特性しか得られず、シート厚み方向に架橋
度を制御することはできなかった。そのため、たとえば
シート内部の架橋度、発泡状態は所望のものが得られて
はいるが、シート表面の架橋度、発泡状態を改良したい
(特に架橋度を高めたい)場合等にあっては、前述の如
く照射する電子線の加速電圧がある範囲に限定されるた
め、実質的に対応できないこととなっていた。
【0005】そこで本発明の課題は、上記のような問題
点に着目し、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するに
際し、電子線照射による架橋の度合を樹脂シートの厚み
方向に制御できるようにし、シート内部を所望の範囲の
架橋度に保ちつつ、シート表面部においても架橋度を高
めることが可能なポリオレフィン系樹脂発泡体およびそ
の製造方法を提供することにある。
点に着目し、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するに
際し、電子線照射による架橋の度合を樹脂シートの厚み
方向に制御できるようにし、シート内部を所望の範囲の
架橋度に保ちつつ、シート表面部においても架橋度を高
めることが可能なポリオレフィン系樹脂発泡体およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
は、発泡性樹脂シートに電子線を照射して架橋させた後
加熱発泡させるポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
において、電子線の照射を、より加速電圧の低い第1の
照射と、より加速電圧の高い第2の照射との少なくとも
二度行うことを特徴とする方法からなる。
に、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
は、発泡性樹脂シートに電子線を照射して架橋させた後
加熱発泡させるポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
において、電子線の照射を、より加速電圧の低い第1の
照射と、より加速電圧の高い第2の照射との少なくとも
二度行うことを特徴とする方法からなる。
【0007】上記第1の照射は、発泡性樹脂シートの片
面に対してのみ行ってもよく、両面に対して行ってもよ
い。第1の照射と第2の照射を行う順序は、架橋助剤を
配合(混合、添加)した発泡性樹脂シートは第1の照射
(低エネルギー)を行った後第2の照射(高エネルギ
ー)を行うことが最も望ましいが、これに限定されるも
のではない。
面に対してのみ行ってもよく、両面に対して行ってもよ
い。第1の照射と第2の照射を行う順序は、架橋助剤を
配合(混合、添加)した発泡性樹脂シートは第1の照射
(低エネルギー)を行った後第2の照射(高エネルギ
ー)を行うことが最も望ましいが、これに限定されるも
のではない。
【0008】上記第1の照射は、発泡性樹脂シートの表
面近傍に対して行うもので、シート厚み方向において、
表面近傍の架橋度を部分的に高める。第2の照射は、発
泡性樹脂シートの全厚みに対して行うもので、とくにシ
ート内部を所望の架橋度にする。これら両照射を行うこ
とによって、発泡性樹脂シートの内部が所望範囲の架橋
度に保たれつつ、表面部近傍の架橋度が高められ、厚み
方向全体にわたって所望の架橋度に制御することができ
る。
面近傍に対して行うもので、シート厚み方向において、
表面近傍の架橋度を部分的に高める。第2の照射は、発
泡性樹脂シートの全厚みに対して行うもので、とくにシ
ート内部を所望の架橋度にする。これら両照射を行うこ
とによって、発泡性樹脂シートの内部が所望範囲の架橋
度に保たれつつ、表面部近傍の架橋度が高められ、厚み
方向全体にわたって所望の架橋度に制御することができ
る。
【0009】上記第1の照射は、電子線の透過深さが発
泡性樹脂シートの厚みの1/6〜1/3、とくに1/4
程度となる加速電圧で行うことが好ましい。第2の照射
は、電子線の透過深さが発泡性樹脂シートの全厚みに達
する加速電圧で行う。たとえば、第1の照射の加速電圧
を300kV以下に設定し、第2の照射の加速電圧を6
00kV以上に設定する。
泡性樹脂シートの厚みの1/6〜1/3、とくに1/4
程度となる加速電圧で行うことが好ましい。第2の照射
は、電子線の透過深さが発泡性樹脂シートの全厚みに達
する加速電圧で行う。たとえば、第1の照射の加速電圧
を300kV以下に設定し、第2の照射の加速電圧を6
00kV以上に設定する。
【0010】上記第1の電子線照射は、架橋反応効率面
から、環境条件を窒素ガス気流中または760Torr
以下の減圧下で実施、望ましくは、500Torr以下
の環境条件で実施するのがよい。
から、環境条件を窒素ガス気流中または760Torr
以下の減圧下で実施、望ましくは、500Torr以下
の環境条件で実施するのがよい。
【0011】本発明に係るポリオレフィン系樹脂発泡体
は、上記のような方法により製造されたものである。発
泡性樹脂シートの材質はとくに限定しないが、本発明は
とくにポリプロピレンに対して適用すると大きな効果が
得られる。
は、上記のような方法により製造されたものである。発
泡性樹脂シートの材質はとくに限定しないが、本発明は
とくにポリプロピレンに対して適用すると大きな効果が
得られる。
【0012】この場合、架橋助剤として、たとえばジビ
ニルベンゼンを用いることができる。また、電子線の照
射を少なくとも二度実施して発泡させた発泡体の表層か
ら1mmまでの平均気泡径が300μm以下であること
が好ましい。得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の用
途はとくに限定しないが、たとえば車両用内装材に用い
ると、ボード等に接着して用いる場合に、ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体として、表面の気泡破れ等を抑制し表面
粗さが粗くなりすぎない、最適な表面形態が得られる。
ニルベンゼンを用いることができる。また、電子線の照
射を少なくとも二度実施して発泡させた発泡体の表層か
ら1mmまでの平均気泡径が300μm以下であること
が好ましい。得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の用
途はとくに限定しないが、たとえば車両用内装材に用い
ると、ボード等に接着して用いる場合に、ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体として、表面の気泡破れ等を抑制し表面
粗さが粗くなりすぎない、最適な表面形態が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について説明する。本発明におけるポリオレフィン
系樹脂としては、低密度、中〜高密度、直鎖状低密度な
どのポリエチレン樹脂、エチレンと酢酸ビニルあるい
は、アクリル酸アルキルエステル、プロピレン等との共
重合体、ホモまたは共重合ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレン等の単独あるいは混合物を用いることができ
る。
形態について説明する。本発明におけるポリオレフィン
系樹脂としては、低密度、中〜高密度、直鎖状低密度な
どのポリエチレン樹脂、エチレンと酢酸ビニルあるい
は、アクリル酸アルキルエステル、プロピレン等との共
重合体、ホモまたは共重合ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレン等の単独あるいは混合物を用いることができ
る。
【0014】本発明で使用する発泡剤としては、たとえ
ばアゾジカルボンアミドを使用でき、その添加量は、所
望の発泡倍率により適宜調整できるが、一般的には樹脂
100重量部に対し2〜25重量部である。
ばアゾジカルボンアミドを使用でき、その添加量は、所
望の発泡倍率により適宜調整できるが、一般的には樹脂
100重量部に対し2〜25重量部である。
【0015】発泡性樹脂組成物シートには、難燃剤、着
色剤、抗酸化剤、充填剤、発泡助剤、滑剤、架橋助剤等
を必要により適量添加することができる。架橋助剤とし
ては、たとえばジビニルベンゼンを使用できる。
色剤、抗酸化剤、充填剤、発泡助剤、滑剤、架橋助剤等
を必要により適量添加することができる。架橋助剤とし
ては、たとえばジビニルベンゼンを使用できる。
【0016】本発明は、電子線架橋を2度以上行うこと
を特徴とし、1度目の電子線(第1の照射)の透過深さ
が、任意のシート厚みの1/6〜1/3、なかでも1/
4程度である加速電圧で照射し、2度目以降の照射(第
2の照射)が任意のシート厚みを完全に透過する加速電
圧で照射する。たとえばシート厚みが1.5mmの場
合、一度目の加速電圧は200kV程度、2度目の照射
は800kV程度が好ましい。また、本発明では架橋助
剤を添加することが好ましい。
を特徴とし、1度目の電子線(第1の照射)の透過深さ
が、任意のシート厚みの1/6〜1/3、なかでも1/
4程度である加速電圧で照射し、2度目以降の照射(第
2の照射)が任意のシート厚みを完全に透過する加速電
圧で照射する。たとえばシート厚みが1.5mmの場
合、一度目の加速電圧は200kV程度、2度目の照射
は800kV程度が好ましい。また、本発明では架橋助
剤を添加することが好ましい。
【0017】第1の照射、第2の照射後の発泡性樹脂シ
ート全体の架橋度は、ゲル分率にて30〜70%の範囲
が好ましく、より好ましくは50〜60%である。
ート全体の架橋度は、ゲル分率にて30〜70%の範囲
が好ましく、より好ましくは50〜60%である。
【0018】このように第1、第2の照射を行うことに
より、架橋のために付与されるエネルギーは、たとえば
図1に示すようになる。すなわち、発泡性樹脂シートの
厚み方向において、より低レベルの第1の照射により、
照射側の表面近傍(たとえば上述の如く厚みの1/4程
度の深さまで)に架橋エネルギーが付与され、第2の照
射により、厚み方向全体に架橋のためのエネルギーが付
与される。上記架橋エネルギーは、架橋度合(ゲル分
率)に略比例するから、得られる架橋後の発泡性樹脂シ
ートにおいては、前述の図2に示した特性に比べ、シー
ト厚み方向に、内部の架橋度は所望の範囲に保たれつ
つ、とくに表面部近傍における架橋度が高められること
になる。
より、架橋のために付与されるエネルギーは、たとえば
図1に示すようになる。すなわち、発泡性樹脂シートの
厚み方向において、より低レベルの第1の照射により、
照射側の表面近傍(たとえば上述の如く厚みの1/4程
度の深さまで)に架橋エネルギーが付与され、第2の照
射により、厚み方向全体に架橋のためのエネルギーが付
与される。上記架橋エネルギーは、架橋度合(ゲル分
率)に略比例するから、得られる架橋後の発泡性樹脂シ
ートにおいては、前述の図2に示した特性に比べ、シー
ト厚み方向に、内部の架橋度は所望の範囲に保たれつ
つ、とくに表面部近傍における架橋度が高められること
になる。
【0019】上記第1の照射は、両面に対して行っても
よく、その場合には、両表面部近傍の架橋度が高められ
ることになる。
よく、その場合には、両表面部近傍の架橋度が高められ
ることになる。
【0020】なお、第2の照射は、1回行うだけでもよ
いが、2回以上に分けて行うことも可能である。
いが、2回以上に分けて行うことも可能である。
【0021】
【実施例】実施例1 プロピレンにエチレンを4重量%ランダム共重合したプ
ロピレン系樹脂(メルトインデックス2.0)80重量
部、低密度ポリエチレン(密度0.915、メルトイン
デックス8.0)20重量部に発泡剤としてアゾジカル
ボンアミド10重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼ
ン4重量部、熱安定剤として“Irgnox”1010
を0.2重量部加え、ヘンシェルミキサーで予備混合
し、その混合物を90mmφ一軸押出機(L/D=2
5)に投入し、発泡剤が分解しないよう平均樹脂温度を
180℃以下に調整して混練押出し、Tダイより押出し
て、それぞれ、厚み1.75mm、幅410mmの発泡
性樹脂組成物シートを成形した。
ロピレン系樹脂(メルトインデックス2.0)80重量
部、低密度ポリエチレン(密度0.915、メルトイン
デックス8.0)20重量部に発泡剤としてアゾジカル
ボンアミド10重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼ
ン4重量部、熱安定剤として“Irgnox”1010
を0.2重量部加え、ヘンシェルミキサーで予備混合
し、その混合物を90mmφ一軸押出機(L/D=2
5)に投入し、発泡剤が分解しないよう平均樹脂温度を
180℃以下に調整して混練押出し、Tダイより押出し
て、それぞれ、厚み1.75mm、幅410mmの発泡
性樹脂組成物シートを成形した。
【0022】次に、発泡性樹脂組成物シートに電子線照
射機を用いて、まず、第1の照射として200kV、1
Mradの電子線量を照射して、つぎに第2の照射とし
て第1の照射と同じ面が800kV、5Mradの電子
線量を照射して、発泡性樹脂組成物架橋シートとした。
射機を用いて、まず、第1の照射として200kV、1
Mradの電子線量を照射して、つぎに第2の照射とし
て第1の照射と同じ面が800kV、5Mradの電子
線量を照射して、発泡性樹脂組成物架橋シートとした。
【0023】次に、それぞれの発泡性樹脂組成物シート
を発泡装置内で、発泡剤の分解温度以上の約230〜2
40℃に加熱し、架橋発泡体を製造した。
を発泡装置内で、発泡剤の分解温度以上の約230〜2
40℃に加熱し、架橋発泡体を製造した。
【0024】実施例2 実施例1において、第1の照射をシート両面に対して行
い、次いで第2の照射を行った以外は、実施例1と同様
の条件で架橋発泡体を製造した。
い、次いで第2の照射を行った以外は、実施例1と同様
の条件で架橋発泡体を製造した。
【0025】比較例1 架橋工程において、800kV、5Mradの電子線量
を一度のみ照射した以外は実施例1と全く同様にして発
泡体を製造した。
を一度のみ照射した以外は実施例1と全く同様にして発
泡体を製造した。
【0026】上記3種類の発泡体について、発泡体を厚
み方向にスライスし、照射面の表面部分、内部、照射裏
面部に3分割し、厚み方向のゲル分率を測定した。ゲル
分率の測定においては、発泡体のゲル分を140℃のテ
トラリンで3時間抽出し、残留分率をゲル分率とした。
このゲル分率は架橋度に対応している。結果を表1に示
す。
み方向にスライスし、照射面の表面部分、内部、照射裏
面部に3分割し、厚み方向のゲル分率を測定した。ゲル
分率の測定においては、発泡体のゲル分を140℃のテ
トラリンで3時間抽出し、残留分率をゲル分率とした。
このゲル分率は架橋度に対応している。結果を表1に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、実施例1では、
内部ゲル分率を所定の範囲に保ちつつ、第1の照射を行
った表面側のゲル分率を高めることができ、実施例2で
は、両面のゲル分率を高めることができた。
内部ゲル分率を所定の範囲に保ちつつ、第1の照射を行
った表面側のゲル分率を高めることができ、実施例2で
は、両面のゲル分率を高めることができた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発泡前の発泡性樹脂シートの架橋度を厚み方向に制御で
きるようになり、それを発泡させることにより、内部、
表面ともに所望の形態に形成されたポリオレフィン系樹
脂発泡体を得ることができる。
発泡前の発泡性樹脂シートの架橋度を厚み方向に制御で
きるようになり、それを発泡させることにより、内部、
表面ともに所望の形態に形成されたポリオレフィン系樹
脂発泡体を得ることができる。
【図1】本発明方法を説明するための電子線照射特性図
である。
である。
【図2】従来方法における電子線照射特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 105:04 105:24 B29L 31:58 C08L 23:04
Claims (12)
- 【請求項1】 発泡性樹脂シートに電子線を照射して架
橋させた後加熱発泡させるポリオレフィン系樹脂発泡体
の製造方法において、電子線の照射を、より加速電圧の
低い第1の照射と、より加速電圧の高い第2の照射との
少なくとも二度行うことを特徴とするポリオレフィン系
樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項2】 前記第1の照射を片面に対して行う、請
求項1のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1の照射を両面に対して行う、請
求項1のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項4】 前記第1の照射を、電子線の透過深さが
樹脂シートの厚みの1/6〜1/3となる加速電圧で行
う、請求項1ないし3のいずれかに記載のポリオレフィ
ン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項5】 前記第2の照射を、電子線の透過深さが
樹脂シートの全厚みに達する加速電圧で行う、請求項1
ないし4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡
体の製造方法。 - 【請求項6】 前記第1の照射を行った後前記第2の照
射を行う、請求項1ないし5のいずれかに記載のポリオ
レフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項7】 前記第1の照射の加速電圧が300kV
以下であり、第2の照射の加速電圧が600kV以上で
ある、請求項1ないし6のいずれかに記載のポリオレフ
ィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項8】 前記第1の照射を窒素ガス気流中または
760Torr以下の減圧下の環境条件で実施する、請
求項1ないし7のいずれかに記載のポリオレフィン系樹
脂発泡体の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のポ
リオレフィン系樹脂発泡体の製造方法により製造された
ポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項10】 主成分がポリプロピレンである、請求
項9のポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項11】 電子線の照射を少なくとも二度実施し
て発泡させた発泡体の表層から1mmまでの平均気泡径
が300μm以下である、請求項10のポリオレフィン
系樹脂発泡体。 - 【請求項12】 車両用内装材に用いられる、請求項9
ないし11のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発
泡体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10100352A JPH11279315A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10100352A JPH11279315A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11279315A true JPH11279315A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=14271721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10100352A Pending JPH11279315A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11279315A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012120944A1 (ja) * | 2011-03-09 | 2012-09-13 | 東レ株式会社 | ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体 |
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JP2018177864A (ja) * | 2017-04-05 | 2018-11-15 | 積水化学工業株式会社 | 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法、及び凹状成形体 |
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