JPH11278356A - 自動二輪車のエンジン懸架装置 - Google Patents
自動二輪車のエンジン懸架装置Info
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- JPH11278356A JPH11278356A JP8473198A JP8473198A JPH11278356A JP H11278356 A JPH11278356 A JP H11278356A JP 8473198 A JP8473198 A JP 8473198A JP 8473198 A JP8473198 A JP 8473198A JP H11278356 A JPH11278356 A JP H11278356A
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Abstract
のエンジンマウントの数量を減少させて車体フレームの
製造性を向上させるとともに、V型エンジンの組付性を
良好に保つ。 【解決手段】本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装
置5は、車体の中心面に沿ってシリンダーが配置された
V型エンジンの各シリンダーおよびクランクケースに形
成されたエンジン締結部13〜16のうちの少なくとも2か
所に跨がるように固定される左右一対のエンジン懸架ブ
ラケット24と、車体フレーム1の前半部を構成する左右
一対のフレーム構成部材(3)に設けられて上記エンジ
ン懸架ブラケット24を支持する左右一対のエンジンマウ
ント19とを備えて構成したことを特徴とする。
Description
載する自動二輪車のエンジン懸架装置に関するものであ
る。
ってシリンダーが配置されたV型エンジン(クランク軸
が車幅方向に延びるV型エンジン)を搭載する車種で
は、V型エンジンの各シリンダーおよびクランクケース
に設けられた複数のエンジン締結部が、車体フレームに
設けられた複数のエンジンマウントにそれぞれ固定され
るようになっている。上記エンジンマウントは、V型エ
ンジンの各エンジン締結部の位置に合わせて筒状のボス
を車体フレームに溶接したものであり、各エンジン締結
部は固定ボルトで各エンジンマウントに締結固定され
る。
うにV型エンジンの各エンジン締結部の位置に合わせて
複数のエンジンマウントを車体フレームに正確に設ける
のは非常に困難であり、これが車体フレームの製造性を
損なう原因になっていた。これは、車体フレームが大形
かつ重量物であって取り回し性が悪いことに起因する。
エンジンマウントとエンジン締結部の位置が少しでもず
れると、V型エンジンの組付性が非常に悪くなる。
置は、このような問題を解決するために発明されたもの
で、その第1の目的は、V型エンジンを車体フレームに
取り付けるためのエンジンマウントの数量を減少させて
車体フレームの製造性を向上させるとともに、V型エン
ジンの組付性を良好に保つことにある。
懸架装置の第2の目的は、専用のエンジン懸架ブラケッ
トを介してV型エンジンを車体フレームに取り付けるに
当たり、V型エンジンの搭載位置を車体フレームに近付
けてV型エンジンの保持剛性を高めるとともに、V型エ
ンジン周囲の外観を向上させることにある。
ン懸架装置の第3の目的は、専用のエンジン懸架ブラケ
ットを介してV型エンジンを車体フレームに取り付ける
に当たり、V型エンジンの搭載作業性を向上させること
にある。
ン懸架装置の第4の目的は、V型エンジンをエンジン懸
架ブラケットと共に車体フレームに着脱したり、エンジ
ン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジ
ンのみを車体フレームに着脱できるようにし、V型エン
ジンの着脱作業性を一層向上させることにある。
懸架装置の第5の目的は、V型エンジンの周囲の補機類
を固定するための固定部の数を削減して車体フレームの
製造性を一段と向上させることにある。
るため、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置
は、請求項1に記載したように、車体の中心面に沿って
シリンダーが配置されたV型エンジンの各シリンダーお
よびクランクケースに形成された少なくとも2か所のエ
ンジン締結部に跨がるように固定される左右一対のエン
ジン懸架ブラケットと、車体フレームの前半部を構成す
る左右一対のフレーム構成部材に設けられて上記エンジ
ン懸架ブラケットを支持する左右一対のエンジンマウン
トとを備えて構成した。
発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項2
に記載したように、前記エンジン懸架ブラケットを、そ
のエンジン固定部から下方に延びる形状に造形し、その
下端にマウント固定部を形成する一方、前記エンジンマ
ウントを前記フレーム構成部材から下方に延びてエンジ
ン懸架ブラケットの車幅方向外側に重なるマウントアー
ムの下端に形成し、上記マウント固定部とエンジンマウ
ントを固定ボルトで締結する構造とした。
本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項
3に記載したように、前記マウント固定部と前記エンジ
ンマウントとの間に離間スペースを形成し、マウント固
定部には車幅方向にスライド可能な複数のスペーサーナ
ットを並設するとともに、上記スペーサーナットの動き
を規制するナット固定手段と、スペーサーナットの回転
を規制するナット回転規制手段とを設ける一方、並設さ
れたスペーサーナット自体にも互いの回転を規制する回
り止め形状を設けた。
本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項
4に記載したように、側面視で前記マウントアームが前
記エンジン懸架ブラケットのエンジン固定部に重なる部
分に、エンジン固定部を前記エンジン締結部に締結する
固定ボルトの着脱用工具を車幅方向外側から挿通可能な
工具挿通穴を形成した。
発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項5
に記載したように、前記エンジン懸架ブラケットにV型
エンジンの周囲の補機類を取り付ける補機類取付部を設
けた。
型エンジンに設けられた少なくとも2か所のエンジン締
結部がエンジン懸架ブラケットにまとめられて車体フレ
ームの1か所のエンジンマウントに固定されるので、エ
ンジンマウントの必要数量が減少して車体フレームの製
造性が向上し、V型エンジンの組付性も良好に保たれ
る。
型エンジンと車体フレームとの間にエンジン懸架ブラケ
ットが介在するにも拘らず、エンジン懸架ブラケットの
長さとマウントアームの長さが互いに相殺し合い、エン
ジン懸架ブラケットのエンジン固定部の位置、即ちV型
エンジンのエンジン締結部の位置が車体フレームに近付
く。したがって、V型エンジンの搭載位置が車体フレー
ムに近付いて保持剛性が高まる。しかも、エンジン懸架
ブラケットがマウントアームに覆われて外部から見えに
くくなるのでV型エンジン周囲の外観が向上する。
マウント固定部とエンジンマウントとの間に形成された
離間スペースによってV型エンジンおよびエンジン懸架
ブラケットを左右のエンジンマウントの間に無理なく配
置することができる。そして、マウント固定部とエンジ
ンマウントを締結する固定ボルトを締め込むと、スペー
サーナットがマウント固定部から延びるようにスライド
してエンジンマウントに当接し、離間スペースがキャン
セルされる。
ト回転規制手段と、スペーサーナット自体に設けられた
回り止め形状とによってスペーサーナットの空回りが阻
止される。固定ボルトの締め込みが完了した時点でマウ
ント固定部に設けられたナット固定手段によりスペーサ
ーナットの動きを固定すれば、マウント固定部とスペー
サーナットとエンジンマウントとが堅固に一体化され
る。したがって、V型エンジンの搭載作業性が向上す
る。
工具挿通穴に工具を挿通してエンジン懸架ブラケットの
エンジン固定部をエンジン締結部に締結する固定ボルト
を緩めれば、エンジン懸架ブラケットを車体フレーム側
に残してV型エンジンのみを車体フレームに着脱するこ
とができる。また、エンジン懸架ブラケットのマウント
固定部をエンジンマウントに締結する固定ボルトを緩め
れば、V型エンジンをエンジン懸架ブラケットと共に車
体フレームに着脱することができる。
ブラケットと共に車体フレームに着脱したり、エンジン
懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジン
のみを車体フレームに着脱することができるので、V型
エンジンの着脱作業性が一層向上する。
り、補機類を固定するための専用の固定部車体フレーム
に設ける必要がなくなるため、車体フレームの製造性が
一段と向上する。
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るエンジン懸
架装置の一実施形態が適用された自動二輪車の車体フレ
ーム前頭部およびエンジン部分を示す左側面図であり、
図2はV型エンジンが車体フレームから分離された状態
を示す左側面図である。
は、その前頭部に位置するヘッドパイプ2から左右一対
の太いメインパイプ3が後斜め下方に延び、これらのメ
インパイプ3がそれぞれ左右一対の板状のフレームボデ
ィー4に繋がるように構成されている。左右のフレーム
ボディー4の間は車幅方向に延びる図示しないブリッジ
部材で連結される。
により、メインパイプ3とフレームボディー4にかけて
V型エンジン6が懸架される。このV型エンジン6自体
も車体フレーム1の強度部材を務める。なお、メインパ
イプ3は請求項1に記載した左右一対のフレーム構成部
材となるものである。
F,7Rが車体の中心面に沿って前後に配置されてお
り、前側のシリンダー7Fが前傾姿勢でクランクケース
8の前部に設けられ、後側のシリンダー7Rが後傾姿勢
でクランクケース8の上部に設けられている。各シリン
ダー7F,7Rの上部には燃料混合気供給装置としてス
ロットルボディー9とインジェクター10が設けられ、各
スロットルボディー9の上部にエアクリーナー11が設置
される。
ように構成されている。
前後のシリンダー7F,7R間に位置するエンジン締結
部13と、後側上部に位置するエンジン締結部14と、後側
下部に位置するエンジン締結部15が形成されている。ま
た、例えば前側のシリンダー7Fの上部にはエンジン締
結部16(図3も参照)が形成されている。
縁には下方に延びる左右一対のマウントアーム18が設け
られており、その下端にエンジンマウント19が形成され
ている。このエンジンマウント19には前後2か所のボル
ト穴20が形成される(図2,3参照)。また、フレーム
ボディー4には上下2か所のエンジンマウント21,22が
形成されている。
も示すように造形された左右一対のエンジン懸架ブラケ
ット24が、V型エンジン6の少なくとも2か所のエンジ
ン締結部に跨がるように、例えばエンジン締結部13と16
とに跨がって固定される。エンジン懸架ブラケット24は
板状に形成されており、その上辺付近に形成された前後
2か所のエンジン固定部25,26が、それぞれV型エンジ
ン6のエンジン締結部13,16に固定ボルト27,28で締結
固定される。
エンジン固定部25,26から下方に延びる形状に造形され
ており、その下端付近にマウント固定部30が形成されて
いる。このマウント固定部30には、図10にも示すように
前後2つの貫通穴31が並設されており、これらの貫通穴
31の間を連通させるスリット32が形成され、このスリッ
ト32に直交するように下方から雌ねじ33が形成されてク
ランプボルト34が捩じ込まれている。また、2つの貫通
穴31の上側には回り止め突起35が形成されている。この
回り止め突起35は車幅方向外側の面に庇状に設けられ
る。
機類取付ブラケット37,38が上方に向けて突設されてお
り、それぞれに2つの締結ボス39,40が設けられてい
る。これらの補機類取付ブラケット37,38は、請求項5
に記載した補機類取付部としてV型エンジン6周囲の補
機類を取り付けるためのものである。
39にイグニッションコイル41がビス42で締結され、下側
の締結ボス40に図示しない排気用二次空気供給装置のブ
ラケット43がビス44で締結される。なお、イグニッショ
ンコイル41やブラケット43に限らず、他の補機類や装置
等を補機類取付ブラケット37,38に設けるようにしても
よい。
部30における2つの貫通穴31には、車幅方向外側から2
個のスペーサーナット46が挿通される。図9に示すよう
に、これらのスペーサーナット46は円筒形の挿入部47と
鍔状のフランジ部48を有しており、その中心軸部に雌ね
じ49が形成されている。また、フランジ部48の輪郭形状
は長い直線部50と短い直線部51,52が直角に配備された
カマボコ形とされている。
フランジ部48の長い直線部50同士がが互いに対面するよ
うに配列され、挿入部47がマウント固定部30の貫通穴31
に挿通される。この時、フランジ部48の短い直線部51,
52の一方が回り止め突起35に隣接することになる。各ス
ペーサーナット46は車幅方向にスライドできるが、クラ
ンプボルト34が締め込まれるとスリット32の幅が狭まる
方向に締結力が作用して挿入部47が貫通穴31にクランプ
されるため、スペーサーナット46はスライドや回転等の
動きを規制される。
においては、回り止め突起35と、スペーサーナット46
(フランジ部48)の直線部50同士が対向することによっ
てスペーサーナット46の回転が規制される。なお、スリ
ット32と雌ねじ33とクランプボルト34は、請求項3に記
載したナット固定手段として機能し、回り止め突起35は
同じくナット回転規制手段として機能する。また、スペ
ーサーナット46に設けられた直線部50は回り止め形状と
なるものである。
ト24が取り付けられたV型エンジン6を車体フレーム1
に搭載する時には、クランクケース8のエンジン締結部
14,15をそれぞれフレームボディー4のエンジンマウン
ト21,22に固定ボルト53,54(図1に表示)で締結する
一方、エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30を
マウントアーム18下端のエンジンマウント19に2本の固
定ボルト55(図1および図3に表示)で締結する。
体フレーム1のマウントアーム18はエンジン懸架ブラケ
ット24の車幅方向外側に重なり、エンジン懸架ブラケッ
ト24のマウント固定部30とマウントアーム18のエンジン
マウント19との間には離間スペースS(図3(A) 参照)
が形成されるようになっている。この離間スペースSに
より、V型エンジン6およびエンジン懸架ブラケット24
を左右のエンジンマウント19の間に無理なく配置(挿
入)することができる。
部30をエンジンマウント19に固定する時は、予め図3
(A) に示すようにスペーサーナット46をそのフランジ部
48が当接するまでマウント固定部30の貫通穴31に挿入し
ておく。この時、クランプボルト34はごく軽く締めてお
く。そして、左右のマウント固定部30を左右のエンジン
マウント19の間に配置し、左右2本ずつの固定ボルト55
を車幅方向外側からエンジンマウント19のボルト穴20に
通してマウント固定部30に設けられたスペーサーナット
46の雌ねじ49に締め込んでいく。この時、2本の固定ボ
ルト55を交互かつ均等に締め込むようにする。
ーサーナット46は固定ボルト55に引かれてマウント固定
部30から延びるようにスライドし、図3(B) に示すよう
にエンジンマウント19に当接する。このため、図3(A)
に示した離間スペースSがキャンセルされてV型エンジ
ン6の車幅方向への動きが規制される。
め始める時点では回り止め突起35により回転(固定ボル
ト55との共回り)を規制されるが、前記スライドが進む
につれ、スペーサーナット46のフランジ部48と回り止め
突起35との係合が外れ、回り止め突起35による回転規制
がきかなくなる。しかしながら、2個のスペーサーナッ
ト46自体に設けられた直線部50が互いに接して回転を規
制し合うため、スペーサーナット46を共回りさせること
なく固定ボルト55を最後まで締め込むことができる。
したら、クランプボルト34を強く締め付ける。これによ
り、スペーサーナット46のスライドおよび回転が固定さ
れ、マウント固定部30とスペーサーナット46とエンジン
マウント19が堅固に一体化される。したがって、V型エ
ンジン6がエンジン懸架ブラケット24を介して車体フレ
ーム1に固定される。
架ブラケット24のエンジン固定部25に重なる部分には工
具挿通穴56が形成されている。この工具挿通穴56にボッ
クスレンチ等の着脱用工具を車幅方向外側から挿入する
ことにより、エンジン固定部25をエンジン締結部16に締
結する固定ボルト27を着脱し、エンジン懸架ブラケット
24がマウントアーム18に固定されたままの状態でV型エ
ンジン6のみを着脱することができる。
5によれば、V型エンジン6に設けられた少なくとも2
か所のエンジン締結部13,16がエンジン懸架ブラケット
24にまとめられて車体フレーム1の1か所のエンジンマ
ウント19に固定されるので、車体フレーム1側に設ける
エンジンマウント(19,21,22)の必要数量を減少させ
て車体フレーム1の製造性を向上させるとともに、V型
エンジン6の組付性を良好に保つことができる。
ン固定部25,26から下方に延びる形状である一方、マウ
ントアーム18も車体フレーム1のメインパイプ3から下
方に延びてエンジン懸架ブラケット24の車幅方向外側に
重なる形状であるため、エンジン懸架ブラケット24の長
さとマウントアーム18の長さが互いに相殺し合う。
1との間にエンジン懸架ブラケット24が介在するにも拘
らず、エンジン懸架ブラケット24のエンジン固定部25,
26の位置、即ちV型エンジン6のエンジン締結部13,16
の位置を車体フレーム1に近付けてV型エンジン6の搭
載位置を車体フレーム1に近付け、V型エンジン6の保
持剛性を高めるとともに、マウントアーム18によってエ
ンジン懸架ブラケット24を隠蔽し、V型エンジン6周囲
の外観を向上させることができる。
ント固定部30に設けた回り止め突起35と、スペーサーナ
ット46自体に設けられた回り止め形状(直線部50)とに
より、固定ボルト55を締め込む時におけるスペーサーナ
ット46の共回りを完全に防止できるため、V型エンジン
6の搭載作業性を向上させることができる。
を設けてマウントアーム18の外側から固定ボルト27の着
脱を可能にしたことにより、V型エンジン6をエンジン
懸架ブラケット24と共に車体フレーム1に着脱するばか
りでなく、エンジン懸架ブラケット24を車体フレーム1
側に残してV型エンジン6のみを車体フレーム1に着脱
することもできるため、V型エンジン6の着脱作業性が
一層向上しており、固定ボルト27の増し締め作業等も非
常に容易である。
取付ブラケット37,38を設け、ここにV型エンジン6周
囲の補機類(例えばイグニッションコイル41やブラケッ
ト43)を取付可能にしたことにより、このような補機類
を固定するための専用の固定部を車体フレーム1に設け
る必要がなくなり、車体フレーム1の製造性が一段と向
上している。従来では、上記補機類が車体フレーム1の
内側等に固定されていたので、低い姿勢での困難な固定
作業を強いられていたが、エンジン懸架ブラケット24に
補機類を取り付けるようにすれば、楽な姿勢で固定作業
を行うことができ、非常に作業性が良い。
二輪車のエンジン懸架装置は、車体の中心面に沿ってシ
リンダーが配置されたV型エンジンの各シリンダーおよ
びクランクケースに形成された少なくとも2か所のエン
ジン締結部に跨がるように固定される左右一対のエンジ
ン懸架ブラケットと、車体フレームの前半部を構成する
左右一対のフレーム構成部材に設けられて上記エンジン
懸架ブラケットを支持する左右一対のエンジンマウント
とを備えて構成したため、V型エンジンを車体フレーム
に取り付けるためのエンジンマウントの数量を減少させ
て車体フレームの製造性を向上させるとともに、V型エ
ンジンの組付性を良好に保つことができる。
懸架装置は、前記エンジン懸架ブラケットを、そのエン
ジン固定部から下方に延びる形状に造形し、その下端に
マウント固定部を形成する一方、前記エンジンマウント
を前記フレーム構成部材から下方に延びてエンジン懸架
ブラケットの車幅方向外側に重なるマウントアームの下
端に形成し、上記マウント固定部とエンジンマウントを
固定ボルトで締結する構造としたため、V型エンジンの
搭載位置を車体フレームに近付けてV型エンジンの保持
剛性を高めるとともに、V型エンジン周囲の外観を向上
させることができる。
ン懸架装置は、前記マウント固定部と前記エンジンマウ
ントとの間に離間スペースを形成し、マウント固定部に
は車幅方向にスライド可能な複数のスペーサーナットを
並設するとともに、上記スペーサーナットの動きを規制
するナット固定手段と、スペーサーナットの回転を規制
するナット回転規制手段とを設ける一方、並設されたス
ペーサーナット自体にも互いの回転を規制する回り止め
形状を設けたので、V型エンジンおよびエンジン懸架ブ
ラケットを左右のエンジンマウントの間に無理なく配置
するとともに、スペーサーナットに締め込まれる固定ボ
ルトの回転によってスペーサーナットが共回りを起こす
ことを防ぎ、V型エンジンの搭載作業性を向上させるこ
とができる。
ン懸架装置は、側面視で前記マウントアームが前記エン
ジン懸架ブラケットのエンジン固定部に重なる部分に、
エンジン固定部を前記エンジン締結部に締結する固定ボ
ルトの着脱用工具を車幅方向外側から挿通可能な工具挿
通穴を形成したため、V型エンジンをエンジン懸架ブラ
ケットと共に車体フレームに着脱するばかりでなく、エ
ンジン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エ
ンジンのみを車体フレームに着脱することもでき、V型
エンジンの着脱作業性を一層向上させることができる。
懸架装置は、前記エンジン懸架ブラケットにV型エンジ
ン周囲の補機類を取り付ける補機類取付部を設けたの
で、上記補機類を固定するための固定部の数を削減して
車体フレームの製造性を一段と向上させることができ
る。
適用された自動二輪車の車体フレーム前頭部およびエン
ジン部分を示す左側面図。
態を示す左側面図。
の一実施形態を示したものであり、 (A)は固定ボルトが
締め込まれる前の状態を示す図、 (B)は固定ボルトが締
め込まれた状態を示す図。
正面図。
の縦断面図。
トの縦断面図。
ションコイル、ブラケットが取り付けられたエンジン懸
架ブラケットの左側面図。
(A)の IXB矢視図。
の縦断面図。
ット 41 V型エンジン周囲の補機類の一例であるイグニッシ
ョンコイル 43 V型エンジン周囲の補機類の一例である排気用二次
空気供給装置のブラケット 46 スペーサーナット 50 回り止め形状となる直線部 55 固定ボルト 56 工具挿通穴 S 離間スペース
Claims (5)
- 【請求項1】 車体の中心面に沿ってシリンダーが配置
されたV型エンジンの各シリンダーおよびクランクケー
スに形成されたエンジン締結部13〜16のうちの少なくと
も2か所に跨がるように固定される左右一対のエンジン
懸架ブラケット24と、車体フレーム1の前半部を構成す
る左右一対のフレーム構成部材(3)に設けられて上記
エンジン懸架ブラケット24を支持する左右一対のエンジ
ンマウント19とを備えて構成したことを特徴とする自動
二輪車のエンジン懸架装置。 - 【請求項2】 前記エンジン懸架ブラケット24を、その
エンジン固定部25,26から下方に延びる形状に造形し、
その下端にマウント固定部30を形成する一方、前記エン
ジンマウント19を前記フレーム構成部材(3)から下方
に延びてエンジン懸架ブラケット24の車幅方向外側に重
なるマウントアーム18の下端に形成し、上記マウント固
定部30とエンジンマウント19を固定ボルト55で締結する
構造とした請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架
装置。 - 【請求項3】 前記マウント固定部30と前記エンジンマ
ウント19との間に離間スペースSを形成し、マウント固
定部30には車幅方向にスライド可能な複数のスペーサー
ナット46を並設するとともに、上記スペーサーナット46
の動きを規制するナット固定手段(32,33,34)と、ス
ペーサーナット46の回転を規制するナット回転規制手段
(35)とを設ける一方、並設されたスペーサーナット46
自体にも互いの回転を規制する回り止め形状(50)を設
けた請求項2に記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。 - 【請求項4】 側面視で前記マウントアーム18が前記エ
ンジン懸架ブラケット24のエンジン固定部25に重なる部
分に、エンジン固定部25を前記エンジン締結部16に締結
する固定ボルト27の着脱用工具を車幅方向外側から挿通
可能な工具挿通穴56を形成した請求項1〜3のいずれか
に記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。 - 【請求項5】 前記エンジン懸架ブラケット24にV型エ
ンジン6の周囲の補機類(41,43)を取り付ける補機類
取付部(37,38)を設けた請求項1〜4のいずれかに記
載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08473198A JP3663900B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 自動二輪車のエンジン懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08473198A JP3663900B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 自動二輪車のエンジン懸架装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11278356A true JPH11278356A (ja) | 1999-10-12 |
JP3663900B2 JP3663900B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=13838849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08473198A Expired - Fee Related JP3663900B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 自動二輪車のエンジン懸架装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3663900B2 (ja) |
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