JP3663900B2 - 自動二輪車のエンジン懸架装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、V型エンジンを搭載する自動二輪車のエンジン懸架装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車において、車体の中心面に沿ってシリンダーが配置されたV型エンジン(クランク軸が車幅方向に延びるV型エンジン)を搭載する車種では、V型エンジンの各シリンダーおよびクランクケースに設けられた複数のエンジン締結部が、車体フレームに設けられた複数のエンジンマウントにそれぞれ固定されるようになっている。上記エンジンマウントは、V型エンジンの各エンジン締結部の位置に合わせて筒状のボスを車体フレームに溶接したものであり、各エンジン締結部は固定ボルトで各エンジンマウントに締結固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにV型エンジンの各エンジン締結部の位置に合わせて複数のエンジンマウントを車体フレームに正確に設けるのは非常に困難であり、これが車体フレームの製造性を損なう原因になっていた。これは、車体フレームが大形かつ重量物であって取り回し性が悪いことに起因する。エンジンマウントとエンジン締結部の位置が少しでもずれると、V型エンジンの組付性が非常に悪くなる。
【0004】
本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、このような問題を解決するために発明されたもので、その第1の目的は、V型エンジンを車体フレームに取り付けるためのエンジンマウントの数量を減少させて車体フレームの製造性を向上させるとともに、V型エンジンの組付性を良好に保つことにある。
【0005】
また、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置の第2の目的は、専用のエンジン懸架ブラケットを介してV型エンジンを車体フレームに取り付けるに当たり、V型エンジンの搭載位置を車体フレームに近付けてV型エンジンの保持剛性を高めるとともに、V型エンジン周囲の外観を向上させることにある。
【0006】
さらに、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置の第3の目的は、専用のエンジン懸架ブラケットを介してV型エンジンを車体フレームに取り付けるに当たり、V型エンジンの搭載作業性を向上させることにある。
【0007】
そして、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置の第4の目的は、V型エンジンをエンジン懸架ブラケットと共に車体フレームに着脱したり、エンジン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジンのみを車体フレームに着脱できるようにし、V型エンジンの着脱作業性を一層向上させることにある。
【0008】
また、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置の第5の目的は、V型エンジンの周囲の補機類を固定するための固定部の数を削減して車体フレームの製造性を一段と向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記第1および第2の目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項1に記載したように、車体の中心面に沿ってシリンダーが配置されたV型エンジンの各シリンダーおよびクランクケースに形成されたエンジン締結部のうちの少なくとも2か所に跨がるように固定される左右一対のエンジン懸架ブラケットと、車体フレームの前半部を構成する左右一対のフレーム構成部材に設けられて上記エンジン懸架ブラケットを支持する左右一対のエンジンマウントとを備えた自動二輪車のエンジン懸架装置において、前記エンジン懸架ブラケットを、そのエンジン固定部から下方に延びる形状に造形し、その下端にマウント固定部を形成する一方、前記エンジンマウントをフレーム構成部材から下方に延びてエンジン懸架ブラケットの車幅方向外側に重なるマウントアームの下端に形成し、上記マウント固定部とエンジンマウントを固定ボルトで締結する構造とした
【0011】
さらに、前記第3の目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項2に記載したように、前記マウント固定部とエンジンマウントとの間に離間スペースを形成し、マウント固定部には車幅方向にスライド可能な複数のスペーサーナットを並設する一方、上記スペーサーナットの動きを規制するナット固定手段と、スペーサーナットの回転を規制するナット回転規制手段とを設け、並設されたスペーサーナット自体にも互いの回転を規制する回り止め形状を設けた。
【0012】
そして、前記第4の目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項3に記載したように、側面視で前記マウントアームがエンジン懸架ブラケットのエンジン固定部に重なる部分に、エンジン固定部をエンジン締結部に締結する固定ボルトの着脱用工具を車幅方向外側から挿通可能な工具挿通穴を形成した。
【0013】
また、前記第5の目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、請求項4に記載したように、前記エンジン懸架ブラケットは、側面視でV型エンジンの前側シリンダーの上部に位置するエンジン締結部と前後シリンダーの間に位置するエンジン締結部の2か所に跨って固定されるとともに、前記エンジン締結部に対応するエンジン固定部間に補機類取付用ブラケットを突設し、このブラケットにエンジン補機類を取り付けることによってエンジン補機類を前後のシリンダーの間の空間に配置するようにした
【0014】
請求項1のように構成することにより、V型エンジンに設けられた少なくとも2か所のエンジン締結部がエンジン懸架ブラケットにまとめられて車体フレームの1か所のエンジンマウントに固定されるので、エンジンマウントの必要数量が減少して車体フレームの製造性が向上し、V型エンジンの組付性も良好に保たれる。
【0015】
また、請求項1のように構成した場合、V型エンジンと車体フレームとの間にエンジン懸架ブラケットが介在するにも拘らず、エンジン懸架ブラケットの長さとマウントアームの長さが互いに相殺し合い、エンジン懸架ブラケットのエンジン固定部の位置、即ちV型エンジンのエンジン締結部の位置が車体フレームに近付く。したがって、V型エンジンの搭載位置が車体フレームに近付いて保持剛性が高まる。しかも、エンジン懸架ブラケットがマウントアームに覆われて外部から見えにくくなるのでV型エンジン周囲の外観が向上する。
【0016】
さらに、請求項2のように構成した場合、マウント固定部とエンジンマウントとの間に形成された離間スペースによってV型エンジンおよびエンジン懸架ブラケットを左右のエンジンマウントの間に無理なく配置することができる。そして、マウント固定部とエンジンマウントを締結する固定ボルトを締め込むと、スペーサーナットがマウント固定部から延びるようにスライドしてエンジンマウントに当接し、離間スペースがキャンセルされる。
【0017】
この時、マウント固定部に設けられたナット回転規制手段と、スペーサーナット自体に設けられた回り止め形状とによってスペーサーナットの空回りが阻止される。固定ボルトの締め込みが完了した時点でマウント固定部に設けられたナット固定手段によりスペーサーナットの動きを固定すれば、マウント固定部とスペーサーナットとエンジンマウントとが堅固に一体化される。したがって、V型エンジンの搭載作業性が向上する。
【0018】
そして、請求項3のように構成した場合、工具挿通穴に工具を挿通してエンジン懸架ブラケットのエンジン固定部をエンジン締結部に締結する固定ボルトを緩めれば、エンジン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジンのみを車体フレームに着脱することができる。また、エンジン懸架ブラケットのマウント固定部をエンジンマウントに締結する固定ボルトを緩めれば、V型エンジンをエンジン懸架ブラケットと共に車体フレームに着脱することができる。
【0019】
このように、V型エンジンをエンジン懸架ブラケットと共に車体フレームに着脱したり、エンジン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジンのみを車体フレームに着脱することができるので、V型エンジンの着脱作業性が一層向上する。
【0020】
また、請求項4のように構成することにより、補機類を固定するための専用の固定部車体フレームに設ける必要がなくなるため、車体フレームの製造性が一段と向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るエンジン懸架装置の一実施形態が適用された自動二輪車の車体フレーム前頭部およびエンジン部分を示す左側面図であり、図2はV型エンジンが車体フレームから分離された状態を示す左側面図である。
【0022】
この自動二輪車の車体フレーム1の前半部は、その前頭部に位置するヘッドパイプ2から左右一対の太いメインパイプ3が後斜め下方に延び、これらのメインパイプ3がそれぞれ左右一対の板状のフレームボディー4に繋がるように構成されている。左右のフレームボディー4の間は車幅方向に延びる図示しないブリッジ部材で連結される。
【0023】
そして、本発明に係るエンジン懸架装置5により、メインパイプ3とフレームボディー4にかけてV型エンジン6が懸架される。このV型エンジン6自体も車体フレーム1の強度部材を務める。なお、メインパイプ3は請求項1に記載した左右一対のフレーム構成部材となるものである。
【0024】
V型エンジン6は、2つのシリンダー7F,7Rが車体の中心面に沿って前後に配置されており、前側のシリンダー7Fが前傾姿勢でクランクケース8の前部に設けられ、後側のシリンダー7Rが後傾姿勢でクランクケース8の上部に設けられている。各シリンダー7F,7Rの上部には燃料混合気供給装置としてスロットルボディー9とインジェクター10が設けられ、各スロットルボディー9の上部にエアクリーナー11が設置される。
【0025】
本発明に係るエンジン懸架装置5は以下のように構成されている。
【0026】
V型エンジン6のクランクケース8には、前後のシリンダー7F,7R間に位置するエンジン締結部13と、後側上部に位置するエンジン締結部14と、後側下部に位置するエンジン締結部15が形成されている。また、例えば前側のシリンダー7Fの上部にはエンジン締結部16(図3も参照)が形成されている。
【0027】
一方、車体フレーム1のメインパイプ3下縁には下方に延びる左右一対のマウントアーム18が設けられており、その下端にエンジンマウント19が形成されている。このエンジンマウント19には前後2か所のボルト穴20が形成される(図2,3参照)。また、フレームボディー4には上下2か所のエンジンマウント21,22が形成されている。
【0028】
そして、図3(A),(B) および図4〜図8にも示すように造形された左右一対のエンジン懸架ブラケット24が、V型エンジン6の少なくとも2か所のエンジン締結部に跨がるように、例えばエンジン締結部13と16とに跨がって固定される。エンジン懸架ブラケット24は板状に形成されており、その上辺付近に形成された前後2か所のエンジン固定部25,26が、それぞれV型エンジン6のエンジン締結部13,16に固定ボルト27,28で締結固定される。
【0029】
エンジン懸架ブラケット24は、その前後のエンジン固定部25,26から下方に延びる形状に造形されており、その下端付近にマウント固定部30が形成されている。このマウント固定部30には、図10にも示すように前後2つの貫通穴31が並設されており、これらの貫通穴31の間を連通させるスリット32が形成され、このスリット32に直交するように下方から雌ねじ33が形成されてクランプボルト34が捩じ込まれている。また、2つの貫通穴31の上側には回り止め突起35が形成されている。この回り止め突起35は車幅方向外側の面に庇状に設けられる。
【0030】
さらに、エンジン固定部25,26の間には補機類取付ブラケット37,38が上方に向けて突設されており、それぞれに2つの締結ボス39,40が設けられている。これらの補機類取付ブラケット37,38は、請求項4に記載した補機類取付部としてV型エンジン6周囲の補機類を取り付けるためのものである。
【0031】
例えば、図8に示すように上側の締結ボス39にイグニッションコイル41がビス42で締結され、下側の締結ボス40に図示しない排気用二次空気供給装置のブラケット43がビス44で締結される。なお、イグニッションコイル41やブラケット43に限らず、他の補機類や装置等を補機類取付ブラケット37,38に設けるようにしてもよい。
【0032】
エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30における2つの貫通穴31には、車幅方向外側から2個のスペーサーナット46が挿通される。図9に示すように、これらのスペーサーナット46は円筒形の挿入部47と鍔状のフランジ部48を有しており、その中心軸部に雌ねじ49が形成されている。また、フランジ部48の輪郭形状は長い直線部50と短い直線部51,52が直角に配備されたカマボコ形とされている。
【0033】
これら2個のスペーサーナット46は、そのフランジ部48の長い直線部50同士がが互いに対面するように配列され、挿入部47がマウント固定部30の貫通穴31に挿通される。この時、フランジ部48の短い直線部51,52の一方が回り止め突起35に隣接することになる。各スペーサーナット46は車幅方向にスライドできるが、クランプボルト34が締め込まれるとスリット32の幅が狭まる方向に締結力が作用して挿入部47が貫通穴31にクランプされるため、スペーサーナット46はスライドや回転等の動きを規制される。
【0034】
クランプボルト34が締め込まれていない時においては、回り止め突起35と、スペーサーナット46(フランジ部48)の直線部50同士が対向することによってスペーサーナット46の回転が規制される。なお、スリット32と雌ねじ33とクランプボルト34は、請求項3に記載したナット固定手段として機能し、回り止め突起35は同じくナット回転規制手段として機能する。また、スペーサーナット46に設けられた直線部50は回り止め形状となるものである。
【0035】
図2に示すように、エンジン懸架ブラケット24が取り付けられたV型エンジン6を車体フレーム1に搭載する時には、クランクケース8のエンジン締結部14,15をそれぞれフレームボディー4のエンジンマウント21,22に固定ボルト53,54(図1に表示)で締結する一方、エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30をマウントアーム18下端のエンジンマウント19に2本の固定ボルト55(図1および図3に表示)で締結する。
【0036】
図1および図3(A),(B) に示すように、車体フレーム1のマウントアーム18はエンジン懸架ブラケット24の車幅方向外側に重なり、エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30とマウントアーム18のエンジンマウント19との間には離間スペースS(図3(A) 参照)が形成されるようになっている。この離間スペースSにより、V型エンジン6およびエンジン懸架ブラケット24を左右のエンジンマウント19の間に無理なく配置(挿入)することができる。
【0037】
エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30をエンジンマウント19に固定する時は、予め図3(A) に示すようにスペーサーナット46をそのフランジ部48が当接するまでマウント固定部30の貫通穴31に挿入しておく。この時、クランプボルト34はごく軽く締めておく。そして、左右のマウント固定部30を左右のエンジンマウント19の間に配置し、左右2本ずつの固定ボルト55を車幅方向外側からエンジンマウント19のボルト穴20に通してマウント固定部30に設けられたスペーサーナット46の雌ねじ49に締め込んでいく。この時、2本の固定ボルト55を交互かつ均等に締め込むようにする。
【0038】
固定ボルト55が締め込まれるにつれ、スペーサーナット46は固定ボルト55に引かれてマウント固定部30から延びるようにスライドし、図3(B) に示すようにエンジンマウント19に当接する。このため、図3(A) に示した離間スペースSがキャンセルされてV型エンジン6の車幅方向への動きが規制される。
【0039】
スペーサーナット46は、固定ボルト55を締め始める時点では回り止め突起35により回転(固定ボルト55との共回り)を規制されるが、前記スライドが進むにつれ、スペーサーナット46のフランジ部48と回り止め突起35との係合が外れ、回り止め突起35による回転規制がきかなくなる。しかしながら、2個のスペーサーナット46自体に設けられた直線部50が互いに接して回転を規制し合うため、スペーサーナット46を共回りさせることなく固定ボルト55を最後まで締め込むことができる。
【0040】
このように固定ボルト55の締め込みが完了したら、クランプボルト34を強く締め付ける。これにより、スペーサーナット46のスライドおよび回転が固定され、マウント固定部30とスペーサーナット46とエンジンマウント19が堅固に一体化される。したがって、V型エンジン6がエンジン懸架ブラケット24を介して車体フレーム1に固定される。
【0041】
ところで、マウントアーム18がエンジン懸架ブラケット24のエンジン固定部25に重なる部分には工具挿通穴56が形成されている。この工具挿通穴56にボックスレンチ等の着脱用工具を車幅方向外側から挿入することにより、エンジン固定部25をエンジン締結部16に締結する固定ボルト27を着脱し、エンジン懸架ブラケット24がマウントアーム18に固定されたままの状態でV型エンジン6のみを着脱することができる。
【0042】
以上のように構成されたエンジン懸架装置5によれば、V型エンジン6に設けられた少なくとも2か所のエンジン締結部13,16がエンジン懸架ブラケット24にまとめられて車体フレーム1の1か所のエンジンマウント19に固定されるので、車体フレーム1側に設けるエンジンマウント(19,21,22)の必要数量を減少させて車体フレーム1の製造性を向上させるとともに、V型エンジン6の組付性を良好に保つことができる。
【0043】
また、エンジン懸架ブラケット24がエンジン固定部25,26から下方に延びる形状である一方、マウントアーム18も車体フレーム1のメインパイプ3から下方に延びてエンジン懸架ブラケット24の車幅方向外側に重なる形状であるため、エンジン懸架ブラケット24の長さとマウントアーム18の長さが互いに相殺し合う。
【0044】
このため、V型エンジン6と車体フレーム1との間にエンジン懸架ブラケット24が介在するにも拘らず、エンジン懸架ブラケット24のエンジン固定部25,26の位置、即ちV型エンジン6のエンジン締結部13,16の位置を車体フレーム1に近付けてV型エンジン6の搭載位置を車体フレーム1に近付け、V型エンジン6の保持剛性を高めるとともに、マウントアーム18によってエンジン懸架ブラケット24を隠蔽し、V型エンジン6周囲の外観を向上させることができる。
【0045】
さらに、エンジン懸架ブラケット24のマウント固定部30に設けた回り止め突起35と、スペーサーナット46自体に設けられた回り止め形状(直線部50)とにより、固定ボルト55を締め込む時におけるスペーサーナット46の共回りを完全に防止できるため、V型エンジン6の搭載作業性を向上させることができる。
【0046】
そして、マウントアーム18に工具挿通穴56を設けてマウントアーム18の外側から固定ボルト27の着脱を可能にしたことにより、V型エンジン6をエンジン懸架ブラケット24と共に車体フレーム1に着脱するばかりでなく、エンジン懸架ブラケット24を車体フレーム1側に残してV型エンジン6のみを車体フレーム1に着脱することもできるため、V型エンジン6の着脱作業性が一層向上しており、固定ボルト27の増し締め作業等も非常に容易である。
【0047】
また、エンジン懸架ブラケット24に補機類取付ブラケット37,38を設け、ここにV型エンジン6周囲の補機類(例えばイグニッションコイル41やブラケット43)を取付可能にしたことにより、このような補機類を固定するための専用の固定部を車体フレーム1に設ける必要がなくなり、車体フレーム1の製造性が一段と向上している。従来では、上記補機類が車体フレーム1の内側等に固定されていたので、低い姿勢での困難な固定作業を強いられていたが、エンジン懸架ブラケット24に補機類を取り付けるようにすれば、楽な姿勢で固定作業を行うことができ、非常に作業性が良い。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、車体の中心面に沿ってシリンダーが配置されたV型エンジンの各シリンダーおよびクランクケースに形成された少なくとも2か所のエンジン締結部に跨がるように固定される左右一対のエンジン懸架ブラケットと、車体フレームの前半部を構成する左右一対のフレーム構成部材に設けられて上記エンジン懸架ブラケットを支持する左右一対のエンジンマウントとを備えて構成したため、V型エンジンを車体フレームに取り付けるためのエンジンマウントの数量を減少させて車体フレームの製造性を向上させるとともに、V型エンジンの組付性を良好に保つことができる。
【0049】
また、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、前記エンジン懸架ブラケットを、そのエンジン固定部から下方に延びる形状に造形し、その下端にマウント固定部を形成する一方、前記エンジンマウントを前記フレーム構成部材から下方に延びてエンジン懸架ブラケットの車幅方向外側に重なるマウントアームの下端に形成し、上記マウント固定部とエンジンマウントを固定ボルトで締結する構造としたため、V型エンジンの搭載位置を車体フレームに近付けてV型エンジンの保持剛性を高めるとともに、V型エンジン周囲の外観を向上させることができる。
【0050】
さらに、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、前記マウント固定部と前記エンジンマウントとの間に離間スペースを形成し、マウント固定部には車幅方向にスライド可能な複数のスペーサーナットを並設するとともに、上記スペーサーナットの動きを規制するナット固定手段と、スペーサーナットの回転を規制するナット回転規制手段とを設ける一方、並設されたスペーサーナット自体にも互いの回転を規制する回り止め形状を設けたので、V型エンジンおよびエンジン懸架ブラケットを左右のエンジンマウントの間に無理なく配置するとともに、スペーサーナットに締め込まれる固定ボルトの回転によってスペーサーナットが共回りを起こすことを防ぎ、V型エンジンの搭載作業性を向上させることができる。
【0051】
そして、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置は、側面視で前記マウントアームが前記エンジン懸架ブラケットのエンジン固定部に重なる部分に、エンジン固定部を前記エンジン締結部に締結する固定ボルトの着脱用工具を車幅方向外側から挿通可能な工具挿通穴を形成したため、V型エンジンをエンジン懸架ブラケットと共に車体フレームに着脱するばかりでなく、エンジン懸架ブラケットを車体フレーム側に残してV型エンジンのみを車体フレームに着脱することもでき、V型エンジンの着脱作業性を一層向上させることができる。
【0052】
また、本発明に係る自動二輪車のエンジン懸架装置では、前記エンジン懸架ブラケットは、側面視でV型エンジンの前側シリンダーの上部に位置するエンジン締結部と前後シリンダーの間に位置するエンジン締結部の2か所に跨って固定されるとともに、前記エンジン締結部に対応するエンジン固定部間に補機類取付用ブラケットを突設し、このブラケットにエンジン補機類を取り付けることによってエンジン補機類を前後のシリンダーの間の空間に配置するようにしたので、上記補機類を固定するための固定部の数を削減して車体フレームの製造性を一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン懸架装置の一実施形態が適用された自動二輪車の車体フレーム前頭部およびエンジン部分を示す左側面図。
【図2】V型エンジンが車体フレームから分離された状態を示す左側面図。
【図3】図2の III-III線に沿う縦断面によって本発明の一実施形態を示したものであり、 (A)は固定ボルトが締め込まれる前の状態を示す図、 (B)は固定ボルトが締め込まれた状態を示す図。
【図4】エンジン懸架ブラケット単体の左側面図。
【図5】図4の V矢視によるエンジン懸架ブラケットの正面図。
【図6】図4の VI-VI線に沿うエンジン懸架ブラケットの縦断面図。
【図7】図4の VII-VII線に沿うエンジン懸架ブラケットの縦断面図。
【図8】スペーサーナット、クランプボルト、イグニッションコイル、ブラケットが取り付けられたエンジン懸架ブラケットの左側面図。
【図9】 (A)はスペーサーナットの縦断面図、 (B)は (A)の IXB矢視図。
【図10】図6の X-X線に沿うエンジン懸架ブラケットの縦断面図。
【符号の説明】
1 車体フレーム
3 フレーム構成部材としてのメインパイプ
5 エンジン懸架装置
6 V型エンジン
7F,7R シリンダー
8 クランクケース
13〜16 エンジン締結部
18 マウントアーム
19 エンジンマウント
24 エンジン懸架ブラケット
25,26 エンジン固定部
27 固定ボルト
30 マウント固定部
32 ナット固定手段として機能するスリット
33 ナット固定手段として機能する雌ねじ
34 ナット固定手段として機能するクランプボルト
35 ナット回転規制手段として機能する回り止め突起
37,38 補機類取付部として機能する補機類取付ブラケット
41 V型エンジン周囲の補機類の一例であるイグニッションコイル
43 V型エンジン周囲の補機類の一例である排気用二次空気供給装置のブラケット
46 スペーサーナット
50 回り止め形状となる直線部
55 固定ボルト
56 工具挿通穴
S 離間スペース

Claims (4)

  1. 車体の中心面に沿ってシリンダーが配置されたV型エンジンの各シリンダーおよびクランクケースに形成されたエンジン締結部のうちの少なくとも2か所に跨がるように固定される左右一対のエンジン懸架ブラケットと、車体フレームの前半部を構成する左右一対のフレーム構成部材に設けられて上記エンジン懸架ブラケットを支持する左右一対のエンジンマウントとを備えた自動二輪車のエンジン懸架装置において、前記エンジン懸架ブラケットを、そのエンジン固定部から下方に延びる形状に造形し、その下端にマウント固定部を形成する一方、前記エンジンマウントをフレーム構成部材から下方に延びてエンジン懸架ブラケットの車幅方向外側に重なるマウントアームの下端に形成し、上記マウント固定部とエンジンマウントを固定ボルトで締結する構造としたことを特徴とする自動二輪車のエンジン懸架装置。
  2. 前記マウント固定部とエンジンマウントとの間に離間スペースを形成し、マウント固定部には車幅方向にスライド可能な複数のスペーサーナットを並設する一方、上記スペーサーナットの動きを規制するナット固定手段と、スペーサーナットの回転を規制するナット回転規制手段とを設け、並設されたスペーサーナット自体にも互いの回転を規制する回り止め形状を設けた請求項1に記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
  3. 側面視で前記マウントアームがエンジン懸架ブラケットのエンジン固定部に重なる部分に、エンジン固定部をエンジン締結部に締結する固定ボルトの着脱用工具を車幅方向外側から挿通可能な工具挿通穴を形成した請求項1または2に記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
  4. 前記エンジン懸架ブラケットは、側面視でV型エンジンの前側シリンダーの上部に位置するエンジン締結部と前後シリンダーの間に位置するエンジン締結部の2か所に跨って固定されるとともに、前記エンジン締結部に対応するエンジン固定部間に補機類取付用ブラケットを突設し、このブラケットにエンジン補機類を取り付けることによってエンジン補機類を前後のシリンダーの間の空間に配置するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動二輪車のエンジン懸架装置。
JP08473198A 1998-03-30 1998-03-30 自動二輪車のエンジン懸架装置 Expired - Fee Related JP3663900B2 (ja)

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