JPH11277169A - 溶接ワイヤ用矯正装置 - Google Patents
溶接ワイヤ用矯正装置Info
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- JPH11277169A JPH11277169A JP7789798A JP7789798A JPH11277169A JP H11277169 A JPH11277169 A JP H11277169A JP 7789798 A JP7789798 A JP 7789798A JP 7789798 A JP7789798 A JP 7789798A JP H11277169 A JPH11277169 A JP H11277169A
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Abstract
するため、巻癖を安定して矯正することができる溶接ワ
イヤ用矯正装置を提供する。 【解決手段】 ワイヤ径をt(mm)、第1、第2及び
第3ロールによる入り口側ワイヤ変形量をεin(%)、
入り口ロールの噛込量をδin(mm)、第1第3ロール
間の軸間距離を2Lin(mm)、ワイヤ断面積をamm
2(フラックス入りワイヤの場合は外皮部)、ワイヤの
ミクロビッカース硬度をhvとしたとき、数式εin =
{2t(δin+t)/Lin 2}×100によって算出され
る入口側ワイヤ変形量がεin=0.209(a×hv)
0.264±0.3(%)内となるように、n個のロールの
位置が設定されている。εinは、フラックス入りワイヤ
が継ぎ目を有する場合は0.6乃至1.1(%)、継ぎ
目が無い場合は0.7乃至1.2(%)、ソリッドワイ
ヤの場合は0.7乃至1.3(%)に調整することが望
ましい。
Description
から引き出された溶接ワイヤを直線状に矯正するための
溶接ワイヤ用矯正装置に関し、特に、装置内の矯正ロー
ルの位置調整作業を省略することができる溶接ワイヤ用
矯正装置に関する。
ックに収納された溶接ワイヤをスプール又はパックから
引き出した場合、引き出された溶接ワイヤには巻癖がつ
いている。このように巻癖がついた溶接ワイヤは、通
常、矯正装置に通過させることにより直線状に矯正され
た後、溶接トーチに供給されて使用されている。
す側面図である。支持部材25には、第1乃至第7ロー
ル22a、22b、22c、22d、22e、22f及
び22gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられ
ている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆
方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列
上に交互に配置されている。一方の列上に配置された第
2ロール22b、第4ロール22d及び第6ロール22
fの位置は固定されておらず、支持部材25において、
各ロール22b、22d及び22fのロール軸が取り付
けられている部分には、夫々、位置調整ねじ21b、2
1d及び21fが螺合されている。従って、これらの位
置調整ねじを締めたり緩めたりすることによって、各ロ
ール22b、22d及び22fの位置を上下に調整する
ことができるようになっている。
は、パックから引き出された溶接ワイヤは、第1ロール
22aと第2ロール22bとの間、第2ロール22bと
第3ロール22cとの間というように、順次、各ロール
間を通過する。このとき、溶接ワイヤは第1ロール22
aの円周に沿って曲げ変形を受けた後、第2ロール22
bの円周に沿って前記曲げ変形の方向と逆方向の曲げ変
形を受ける。同様に、第3ロール22cから第7ロール
22gまでの各ロールによっても、順次交互に逆方向の
曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直線状に矯正さ
れた後、矯正装置から送出される。このとき、作業者
は、矯正装置から送出された溶接ワイヤの直線性を目視
により確認し、溶接ワイヤの矯正が不十分である場合に
は、良好な直線性が得られるように、位置調整ねじ21
b、21d及び21fを調整する。その後、直線状に矯
正された溶接ワイヤは溶接トーチに送給されて、溶接材
料として使用される。
矯正装置を使用した場合、位置調整ねじ21b、21d
及び21fの調整量等は作業者の経験に依存することが
多いので、安定して良好な直線性を有する溶接ワイヤを
容易に得ることは困難であった。
1fによる調整では、第2ロール22b、第4ロール2
2d及び第6ロール22fの位置を厳密に調整すること
が困難である。例えば、ロールの位置に約0.1mmの
僅かなずれが発生すると、溶接ワイヤの矯正効果が大き
く影響を受け、その巻癖を完全に矯正することができな
くなることがある。そうすると、溶接トーチに送給され
た溶接ワイヤの先端部においてワイヤ振れが生じて、溶
接品質(ビード形状)が不安定になるという問題点が発
生する。
のであって、溶接ワイヤの巻癖を安定して良好に矯正す
ることができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生
及び溶接品質の低下を防止することができる溶接ワイヤ
用矯正装置を提供することを目的とする。
用矯正装置は、溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロー
ル、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、この
n個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤ
に対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正
する溶接ワイヤ用矯正装置において、ワイヤ径をt(m
m)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入
り口側ワイヤ変形量をεin(%)、入り口ロールの噛込
量をδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸
間距離を2Lin(mm)、ワイヤ径断面積をamm
2(但し、ワイヤがフラックス入りワイヤの場合は外皮
部の断面積)、ワイヤのミクロビッカース硬度をhvと
したとき、数式εin ={2t(δin+t)/Lin 2}×
100によって算出される入口側ワイヤ変形量εinがε
in=0.209(a×hv)0.264±0.3(%)とな
るように、前記n個のロールの位置が設定されているこ
とを特徴とする。
ワイヤが継ぎ目を有するフラックス入りワイヤである場
合はεinが0.6乃至1.1(%)、溶接ワイヤが継ぎ
目無しフラックス入りワイヤである場合はεinが0.7
乃至1.2(%)、溶接ワイヤがソリッドワイヤである
場合はεinが0.7乃至1.3(%)であることが好ま
しい。
ル及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をε
out(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第n
ロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout
(mm)としたとき、数式εout={2t(δout+t)/
Lout 2}×100によって算出される出口側ワイヤ変形
量εou tが0.0乃至0.3(%)となるように、前記
n個のロールの位置が設定されていることが好ましい。
更に、ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイヤ変形量
が小さくなるように前記n個のロールの位置が設定され
ていることが好ましい。更にまた、数式εinの値が0.
209(a×hv)0.264±0.2(%)の範囲となる
ように前記n個のロールの位置が設定されていることが
好ましい。
れる入口側ワイヤ変形量εinが下記数式2にて示す範囲
内になるように矯正ロールの位置が設定されている。
(%) 但し、ワイヤ径がt(mm)、第1ロール、第2ロール
及び第3ロールによる入り口側ワイヤ変形量がε
in(%)、入り口ロールの噛込量がδin(mm)、第1
ロールと第3ロールとの間の軸間距離が2Lin(m
m)、ワイヤ径断面積がamm2(但し、ワイヤがフラ
ックス入りワイヤの場合は外皮部の断面積)、ワイヤの
ミクロビッカース硬度がhvである。
外れると、巻癖がついたワイヤを矯正する効果が低下し
て、溶接時に溶接ワイヤの先端部でワイヤ振れが発生し
たり、溶接品質が不安定になることがある。従って、ワ
イヤ変形量が上記範囲内となるように、予め複数個の矯
正ロールの最適な位置関係を求めて、ロールの位置を固
定することにより、ワイヤ振れの発生及び溶接品質の低
下を防止することができる。また、位置調整ねじ等によ
って矯正ロールの位置を調整する必要がないので、常に
安定した良好な矯正効果を得ることができる。
素材の癖を「均一に揃え」、それを出口側で「平坦にす
る」ものである。溶接ワイヤはフラックスの有無及び製
造方法等により多くの種類が存在する。このため、矯正
装置の入口側で与える変形量εとして各ワイヤに適した
量を与えなければ、入口側で素材を均一に揃えることが
できない。一方、出口側の平坦にする作業については、
入口側の素材を均一に揃えるという作業とは異なり、大
きな変形量は必要としない。換言すれば、出口側では、
入口側で均一に付けられた癖を直し、平坦にしているだ
けである。従って、出口側においては、入口側ほど溶接
ワイヤの種類に影響をされず、入口側で如何にワイヤを
均一に揃えることができるかということが、ワイヤを矯
正する上で重要である。
1に示す3種類がある。図1は溶接ワイヤの断面形状の
一例を示す図であって、(a)はラップワイヤ(継ぎ目
を有するフラックス入りワイヤ)、(b)はシームレス
ワイヤ(継ぎ目を有しないフラックス入りワイヤ)、
(c)はソリッドワイヤである。ソリッドワイヤは中実
の線材1cであるが、ラップワイヤ及びシームレスワイ
ヤはいずれもフープ1a内にフラックス1bが充填され
ている。このフープはラップワイヤの場合には当初テー
プ状をなしており、フラックスをその上に配置した後、
継ぎ目1dが重なるように管状に湾曲されている。一
方、シームレスワイヤの場合は、フープは継ぎ目がない
管状をなし、この管の中に、フラックスが充填されてい
る。
するが、その変形量εinの適切な範囲はワイヤの材質に
依存する。即ち、同一のワイヤ径の溶接ワイヤであって
も、フラックスの有無及び製造方法等により、ラップ
(バット)ワイヤ、シームレスワイヤ、及びソリッドワ
イヤ等のようにワイヤの種類及び材質が異なると、断面
形状及びワイヤ硬さが異なるため、矯正で与えることが
できる最適な変形量も変化する。本発明においては、こ
の溶接ワイヤに応じて変化する変形量の適切な範囲を前
記数式2にて表される範囲内とした。これにより、本発
明においては、ワイヤ材質に応じて巻癖を高効率で矯正
することができる。
正装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量ε
inを、継目ありフラックスワイヤの場合には0.6乃至
1.1(%)、継目無しフラックスワイヤの場合には
0.7乃至1.2(%)、ソリッドワイヤの場合には
0.7乃至1.3(%)になるように調整することが好
ましい。更に、出口側におけるワイヤ変形量εoutはい
ずれも0.0乃至0.3(%)となるように調整するこ
とが好ましい。
ワイヤ用矯正装置について、添付の図面を参照して具体
的に説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る溶接
ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。支持部材5に
は、7個のロール2a、2b、2c、2d、2e、2f
及び2gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられ
ている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆
方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列
上に交互に配置されている。なお、これらのロールは、
予めワイヤ変形量(εin、εout)が所定の範囲内とな
るように配置されて、その位置が固定されている。従っ
て、本実施例において、ロールの位置調整ねじ等は設け
られていない。
は、パック等に収納された溶接ワイヤ3はパックから引
き出された後、第1ロール2aと第2ロール2bとの
間、第2ロール2bと第3ロール2cとの間というよう
に、順次、各ロール間を通過する。このとき、溶接ワイ
ヤは第1ロール2aの円周に沿って曲げ変形を受けた
後、第2ロール2bの円周に沿って前記曲げ変形の方向
と逆方向の曲げ変形を受ける。同様に、第3ロール2c
から第7ロール2gまでの各ロールによっても、順次交
互に逆方向の曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直
線状に矯正される。
方法について、図面を参照して説明する。図3は図2に
示す矯正装置の一部を拡大して、ワイヤ変形量の算出方
法を示す側面図である。ワイヤ変形量εは、例えば、第
1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2c等の
ように、ワイヤの通過方向に連続する3個のロールを基
準にして、以下のようにして算出することができる。図
3に示すように、溶接ワイヤ3の直径をt(mm)と
し、同一列上で隣接するロールの軸間距離(第1ロール
2aと第3ロール2cとの軸間距離)を2L(mm)と
する。
このロール噛込量とは、図3に示す形状でロールが配置
されているとき、第1ロール2aの上端と第3ロール2
cの上端とを結ぶ線6から、第2ロール2bの下端まで
の距離をいう。但し、第2ロール2bの下端が線6より
も下方に位置する場合にδを正とするので、図3におい
ては、δの値は負となる。このとき、第1ロール2a、
第2ロール2b及び第3ロール2cによるワイヤ変形量
ε(%)は、前記数式1によって算出することができ
る。
はロール押込量を示す。即ち、第1ロール2aによって
曲げ変形を受けたワイヤ3の上端と、第3ロール2cに
よって曲げ変形を受けたワイヤ3の上端とを結ぶ線7か
ら、第2ロール2bの下端までの距離である。
装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量εinは、
第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの
位置関係から図3に示す方法によって算出される。
(ミクロビッカース硬度)をとり、縦軸に入口側ワイヤ
変形量εin(%)をとって両者の関係を示すグラフ図で
ある。この図4に示すように、入口側ワイヤ変形量εin
は、(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)と相
関関係が存在し、図中実線にて示す各ワイヤの変形量の
中心は、γ(=ε)=0.209(a×hv)0.264で
表される関係にある。このため、入口側の変形量εinを
γを中心として±0.3(%)の範囲内に調整する。好
ましくは、この入口側変形量εinをγを中心として±
0.2(%)の範囲内に調整する。
形量εoutは第5ロール2e、第6ロール2f及び第7
ロール2gの位置関係から、入口側ワイヤ変形量εinの
算出方法と同様にして算出することができる。
(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形
量εout(%)は、出口側ロール噛込量をδout(m
m)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離
を2Lout(mm)としたとき、下記数式3により表さ
れる。
ビッカース硬度)をとり、縦軸に出口側ワイヤ変形量ε
out(%)をとって両者の関係を示すグラフ図である。
この図5に示すように、出口側ワイヤ変形量εoutは
(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)の値によ
らず、0.0乃至0.3%の範囲で一定である。従っ
て、本発明においては、出口側ワイヤ変形量εoutが
0.0乃至0.3(%)となるように、各ロールの位置
を設定する。
εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが本発明に規定する
範囲内となるように、ロール押込量、隣接するロールの
軸間距離及びロールの溝径等が選択されており、予めロ
ールの位置は固定されている。従って、このような矯正
装置を使用して溶接ワイヤの巻癖を矯正することによ
り、矯正後のワイヤを使用した溶接時において、ワイヤ
振れの発生を抑制することができると共に、良好な溶接
品質を得ることができる。また、従来の矯正装置と異な
り、位置調整ねじ等によってロールの位置を調整する必
要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ること
ができる。
したが、本発明においては、ロールの数を4個以上の任
意の数で設定することができる。図6はn個のロールを
有する矯正装置を示す模式図である。一般的な例とし
て、矯正装置がn個のロールを有しているとき、第1ロ
ール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの位置関
係並びにワイヤ3の径によって、入口側ワイヤ変形量ε
inを算出することができる。また、第(n−2)ロール
2x、第(n−1)ロール2y及び第nロール2zの位
置関係等によって、出口側ワイヤ変形量εoutを算出す
ることができる。
のロールを有している場合、入口側ワイヤ変形量及び出
口側ワイヤ変形量を調整すると共に、中間の連続した3
個のロールによるワイヤ変形量は、入口側ワイヤ変形量
よりも小さくすると共に、出口側ワイヤ変形量よりも大
きくすることが効果的である。これは、入口側において
大きな曲げ変形をワイヤに与えて、ワイヤ組織を均一化
し、出口側でこれを平坦化する作業において、中間のロ
ールは出口側における平坦化作業を円滑にする作用を有
しているからである。
イヤ用矯正装置を示す側面図である。図8に示すよう
に、矯正装置10は溶接ワイヤ13の通過方向に隣接す
る第1支持板15a及び第2支持板15bを有してい
る。第1支持板15aと第2支持板15bとは、その法
線同士が直交する方向で配置されている。第1支持板1
5aには、溶接ワイヤ13の通過方向に5個のロール
(ロール12a、12b、12c、12d及び12e)
が取り付けられており、第2支持板15bにも溶接ワイ
ヤ13の通過方向に5個のロール(ロール14a、14
b、14c、14d及び14e)が取り付けられてい
る。
方向上流側に、コンジットケーブルに接続することがで
きるケーブル接続口11を有すると共に、この矯正装置
10をワイヤ送給装置(図示せず)に装着するための装
着ホルダ16が設けられている。
方向に合計10個のロールを有しているが、上流側の5
個のロールと、下流側の5個のロールとでは、ワイヤ1
3の矯正方向が異なる。従って、ワイヤ13の通過方向
上流側の5個のロールは、第1ロール12a、第2ロー
ル12b及び第3ロール12cにより入口側ワイヤ変形
量εinを算出すると共に、第3ロール12c、第4ロー
ル12d及び第5ロール12eにより出口側ワイヤ変形
量εoutを算出することによって、配置位置が設定され
ている。同様に、ワイヤ13の通過方向下流側の5個の
ロールは、第6ロール14a、第7ロール14b及び第
8ロール14cにより入口側ワイヤ変形量εinを算出す
ると共に、第8ロール14c、第9ロール14d及び第
10ロール14eにより出口側ワイヤ変形量εoutを算
出することによって、配置位置が設定されている。
置10においては、溶接ワイヤ13は、先ず、第1支持
板15aに取り付けられた5個のロールによって、これ
らのロールの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正
される。その後、溶接ワイヤ13は、第2支持板15b
に取り付けられた5個のロールによって、これらのロー
ルの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正される。
本実施例においても、10個のロールが予め適切な位置
に設定されているので、第1の実施例と同様に、安定し
た良好なワイヤの矯正効果を得ることができる。また、
各5個のロールを異なる方向に配置しており、2方向か
らワイヤの巻癖を矯正することができるので、その矯正
効果を高めることができる。
に限定されず、本発明の範囲内であれば、他の種々の形
状をとることができる。
用されるワイヤ送給系を示す側面図である。ワイヤ33
が収納されたパック34上には、ワイヤ33を円滑に引
き出すための蓋部34aが配設されており、この蓋部3
4a上には矯正装置30が取り付けられている。また、
コンジットケーブル35はその片端部が矯正装置30の
出口側に接続されており、その後、支持台37によって
支持された後、他端部が送給装置36に接続されてい
る。従って、ワイヤ33は矯正装置30を介してコンジ
ットケーブル35内を通過し、送給装置36内に挿通さ
れている。
ては、送給装置36を駆動させると、パック34から引
き出されたワイヤ33は矯正装置30内を通過してその
巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33はコンジットケ
ーブル35内を進行し、送給装置36を介して溶接トー
チ(図示せず)に送出される。
適用されるワイヤ送給系の他の例を示す側面図である。
図10に示すワイヤ送給系が図9に示すワイヤ送給系と
異なる点は矯正装置30の取付位置のみであるので、図
10において、図9と同一物には同一符号を付して、そ
の詳細な説明は省略する。図10に示すように、本実施
例に係る矯正装置30は、送給装置36のワイヤ通過方
向上流側、即ち、コンジットケーブル35と送給装置3
6との間に取り付けられていてもよい。
ては、パック34から引き出されたワイヤ33はコンジ
ットケーブル35内を通過した後に、矯正装置30によ
って巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33は送給装置
36を介して溶接トーチ(図示せず)に送出される。図
10に示す送給系を形成した場合、図8に示すように、
矯正装置30が送給装置36に装着されるための装着ホ
ルダ30aを有していると、装着が容易になる。
置は、図9及び10に示すいずれの送給系に適用して
も、ワイヤの巻癖を矯正する効果を安定して向上させる
ことができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生及
び溶接品質の低下を防止することができる。
正装置により溶接ワイヤを矯正した試験結果について、
その比較例による試験結果と比較して具体的に説明す
る。先ず、直径が1.2及び1.4及び1.6mmであ
る軟鋼製のワイヤをパックから引き出して、種々の矯正
装置に通過させた後、このワイヤを使用して溶接を実施
することにより、その溶接性を評価した。但し、本実施
例においては、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイ
ヤ変形量εoutが種々の値となるように5個のロールを
配置した矯正装置を使用した。
カース硬度測定位置を図11に示す。なお、ラップワイ
ヤが本発明にいう継ぎ目有りワイヤである。また、この
ミクロビッカース硬度の測定結果、ワイヤ断面積(フラ
ックス入りワイヤの場合はフープ部断面積)、ミクロビ
ッカース硬度×ワイヤ断面積の値を下記表1に示す。ミ
クロビッカース硬度はフープ部を測定した。測定位置6
フープ断面積の中心近傍を測定し、測定のバラツキを考
慮して3回測定しその平均値とした。
変形量εout及び溶接性評価結果を下記表2乃至4に示
す。但し、溶接性はビードの直進性及び溶接品質により
評価し、下記表中の溶接性評価結果欄において、○はビ
ードが蛇行せず、溶接品質が良好であったもの、△は溶
接品質としては問題はないが、若干ビードが蛇行したも
のを示している。また、×はビードが蛇行して、溶接品
質も不良であったものを示し、××は×よりも激しくビ
ードが蛇行して、溶接狙い位置を外れてしまったものを
示す。
イヤ変形量εinが適切な範囲内である実施例の場合は、
安定して良好な溶接性を得ることができる。
範囲から外れているものは、溶接性が劣化している。
入口側及び出口側のワイヤ変形量が規定された範囲内と
なるように、予め複数個の矯正ロールの最適な位置関係
を求めて、ロールの位置を固定しているので、ワイヤ振
れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。
また、位置調整ねじ等によって矯正ロールの位置を調整
する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得
ることができる。
装置を示す側面図である。
変形量の算出方法を示す側面図である。
と、入口側ワイヤ変形量εinとの関係を示すグラフ図で
ある。
ミクロビッカース硬さとフープ断面積との積
と、出口側ワイヤ変形量εoutとの関係を示すグラフ図
である。
ある。
装置を示す側面図である。
イヤ送給系を示す側面図である。
イヤ送給系の他の例を示す側面図である。
測定位置を示す図である。
ある。
y、2z、12a、12b、12c、12d、12e、
14a、14b、14c、14d、14e、22a、2
2b、22c、22d、22e、22f、22g;ロー
ル 3、13、33;ワイヤ 5、25;支持部材 6;測定位置 10;矯正装置 15a、15b;支持板 16;装着ホルダ 21b、21d、21f;位置調整ねじ
Claims (7)
- 【請求項1】 溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロー
ル、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、この
n個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤ
に対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正
する溶接ワイヤ用矯正装置において、 ワイヤ径をt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第
3ロールによる入り口側ワイヤ変形量をεin(%)、入
り口ロールの噛込量をδin(mm)、第1ロールと第3
ロールとの間の軸間距離を2Lin(mm)、ワイヤ径断
面積をamm2(但し、ワイヤがフラックス入りワイヤ
の場合は外皮部の断面積)、ワイヤのミクロビッカース
硬度をhvとしたとき、数式εin ={2t(δin+
t)/Lin 2}×100によって算出される入口側ワイヤ
変形量εinがεin=0.209(a×hv)0.264±
0.3(%)内となるように、前記n個のロールの位置
が設定されていることを特徴とする溶接ワイヤ用矯正装
置。 - 【請求項2】 溶接ワイヤが継ぎ目を有するフラックス
入りワイヤであり、εinが0.6乃至1.1(%)であ
ることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ用矯正
装置。 - 【請求項3】 溶接ワイヤが継ぎ目無しフラックス入り
ワイヤであり、εi nが0.7乃至1.2(%)であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ用矯正装
置。 - 【請求項4】 溶接ワイヤがソリッドワイヤであり、ε
inが0.7乃至1.3(%)であることを特徴とする請
求項1に記載の溶接ワイヤ用矯正装置。 - 【請求項5】 第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及
び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をε
out(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第n
ロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout
(mm)としたとき、数式εout={2t(δout+t)/
Lout 2}×100によって算出される出口側ワイヤ変形
量εoutが0.0乃至0.3(%)となるように、前記
n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ用矯
正装置。 - 【請求項6】 ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイ
ヤ変形量が小さくなるように前記n個のロールの位置が
設定されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接
ワイヤ用矯正装置。 - 【請求項7】 数式εinの値が0.209(a×hv)
0.264±0.2(%)の範囲となるように前記n個のロ
ールの位置が設定されていることを特徴とする請求項1
乃至6のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ用矯正装置。
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JP07789798A JP3552902B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 溶接ワイヤ矯正方法 |
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JPH11277169A true JPH11277169A (ja) | 1999-10-12 |
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JP07789798A Expired - Lifetime JP3552902B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | 溶接ワイヤ矯正方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015098422A1 (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-02 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶接ワイヤ用矯正装置 |
JP2021510632A (ja) * | 2018-01-11 | 2021-04-30 | フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングFronius International Gmbh | ワイヤ成形ユニット及びワイヤ成形ユニットを有する溶接トーチ |
-
1998
- 1998-03-25 JP JP07789798A patent/JP3552902B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105848815A (zh) * | 2013-12-27 | 2016-08-10 | 株式会社神户制钢所 | 焊丝用矫正装置 |
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JP2021510632A (ja) * | 2018-01-11 | 2021-04-30 | フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングFronius International Gmbh | ワイヤ成形ユニット及びワイヤ成形ユニットを有する溶接トーチ |
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