JP3552902B2 - 溶接ワイヤ矯正方法 - Google Patents

溶接ワイヤ矯正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3552902B2
JP3552902B2 JP07789798A JP7789798A JP3552902B2 JP 3552902 B2 JP3552902 B2 JP 3552902B2 JP 07789798 A JP07789798 A JP 07789798A JP 7789798 A JP7789798 A JP 7789798A JP 3552902 B2 JP3552902 B2 JP 3552902B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
roll
welding
deformation
rolls
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07789798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11277169A (ja
Inventor
功治 根岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP07789798A priority Critical patent/JP3552902B2/ja
Publication of JPH11277169A publication Critical patent/JPH11277169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3552902B2 publication Critical patent/JP3552902B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Wire Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスプール又はパックから引き出された溶接ワイヤを直線状に矯正するための溶接ワイヤ用矯正装置に関し、特に、装置内の矯正ロールの位置調整作業を省略することができる溶接ワイヤ用矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スプールに巻回された溶接ワイヤ又はパックに収納された溶接ワイヤをスプール又はパックから引き出した場合、引き出された溶接ワイヤには巻癖がついている。このように巻癖がついた溶接ワイヤは、通常、矯正装置に通過させることにより直線状に矯正された後、溶接トーチに供給されて使用されている。
【0003】
図11は従来の溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。支持部材25には、第1乃至第7ロール22a、22b、22c、22d、22e、22f及び22gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列上に交互に配置されている。一方の列上に配置された第2ロール22b、第4ロール22d及び第6ロール22fの位置は固定されておらず、支持部材25において、各ロール22b、22d及び22fのロール軸が取り付けられている部分には、夫々、位置調整ねじ21b、21d及び21fが螺合されている。従って、これらの位置調整ねじを締めたり緩めたりすることによって、各ロール22b、22d及び22fの位置を上下に調整することができるようになっている。
【0004】
このように構成された矯正装置においては、パックから引き出された溶接ワイヤは、第1ロール22aと第2ロール22bとの間、第2ロール22bと第3ロール22cとの間というように、順次、各ロール間を通過する。このとき、溶接ワイヤは第1ロール22aの円周に沿って曲げ変形を受けた後、第2ロール22bの円周に沿って前記曲げ変形の方向と逆方向の曲げ変形を受ける。同様に、第3ロール22cから第7ロール22gまでの各ロールによっても、順次交互に逆方向の曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直線状に矯正された後、矯正装置から送出される。このとき、作業者は、矯正装置から送出された溶接ワイヤの直線性を目視により確認し、溶接ワイヤの矯正が不十分である場合には、良好な直線性が得られるように、位置調整ねじ21b、21d及び21fを調整する。その後、直線状に矯正された溶接ワイヤは溶接トーチに送給されて、溶接材料として使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の矯正装置を使用した場合、位置調整ねじ21b、21d及び21fの調整量等は作業者の経験に依存することが多いので、安定して良好な直線性を有する溶接ワイヤを容易に得ることは困難であった。
【0006】
また、位置調整ねじ21b、21d及び21fによる調整では、第2ロール22b、第4ロール22d及び第6ロール22fの位置を厳密に調整することが困難である。例えば、ロールの位置に約0.1mmの僅かなずれが発生すると、溶接ワイヤの矯正効果が大きく影響を受け、その巻癖を完全に矯正することができなくなることがある。そうすると、溶接トーチに送給された溶接ワイヤの先端部においてワイヤ振れが生じて、溶接品質(ビード形状)が不安定になるという問題点が発生する。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接ワイヤの巻癖を安定して良好に矯正することができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる溶接ワイヤ用矯正装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る溶接ワイヤ矯正方法は、溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロール、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、このn個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤに対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正する溶接ワイヤ矯正方法において、
ワイヤ径をt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入り口側ワイヤ変形量をεin(%)、入り口ロールの噛込量をδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸間距離を2Lin(mm)、ワイヤ径断面積をamm2(但し、ワイヤがフラックス入りワイヤの場合は外皮部の断面積)、ワイヤのミクロビッカース硬度をhvとしたとき、数式εin ={2t(δin+t)/Lin 2}×100によって算出される入口側ワイヤ変形量εinがεin=0.209(a×hv)0.264±0.3(%)内となるように、前記n個のロールの位置が設定されているワイヤ矯正装置を使用することを特徴とする。
【0009】
この溶接ワイヤ矯正方法において、溶接ワイヤが継ぎ目を有するフラックス入りワイヤである場合はεinが0.6乃至1.1(%)、溶接ワイヤが継ぎ目無しフラックス入りワイヤである場合はεinが0.7乃至1.2(%)、溶接ワイヤがソリッドワイヤである場合はεinが0.7乃至1.3(%)であることが好ましい。
【0010】
また、第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をεout(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout(mm)としたとき、数式εout={2t(δout+t)/Lout }×100によって算出される出口側ワイヤ変形量εouが0.0乃至0.3(%)となるように、前記n個のロールの位置が設定されていることが好ましい。更に、ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイヤ変形量が小さくなるように前記n個のロールの位置が設定されていることが好ましい。更にまた、数式εinの値が0.209(a×hv)0.264±0.2(%)の範囲となるように前記n個のロールの位置が設定されていることが好ましい。
【0011】
本発明においては、下記数式1により表される入口側ワイヤ変形量εinが下記数式2にて示す範囲内になるように矯正ロールの位置が設定されている。
【0012】
【数1】
εin ={2t(δin+t)/Lin }×100
【0013】
【数2】
εin=0.209(a×hv)0.264±0.3(%)
但し、ワイヤ径がt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入り口側ワイヤ変形量がεin(%)、入り口ロールの噛込量がδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸間距離が2Lin(mm)、ワイヤ径断面積がamm(但し、ワイヤがフラックス入りワイヤの場合は外皮部の断面積)、ワイヤのミクロビッカース硬度がhvである。
【0014】
入口側のワイヤ変形量εinが上記範囲から外れると、巻癖がついたワイヤを矯正する効果が低下して、溶接時に溶接ワイヤの先端部でワイヤ振れが発生したり、溶接品質が不安定になることがある。従って、ワイヤ変形量が上記範囲内となるように、予め複数個の矯正ロールの最適な位置関係を求めて、ロールの位置を固定することにより、ワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。また、位置調整ねじ等によって矯正ロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【0015】
矯正装置の作用を単純化すれば、入口側で素材の癖を「均一に揃え」、それを出口側で「平坦にする」ものである。溶接ワイヤはフラックスの有無及び製造方法等により多くの種類が存在する。このため、矯正装置の入口側で与える変形量εとして各ワイヤに適した量を与えなければ、入口側で素材を均一に揃えることができない。一方、出口側の平坦にする作業については、入口側の素材を均一に揃えるという作業とは異なり、大きな変形量は必要としない。換言すれば、出口側では、入口側で均一に付けられた癖を直し、平坦にしているだけである。従って、出口側においては、入口側ほど溶接ワイヤの種類に影響をされず、入口側で如何にワイヤを均一に揃えることができるかということが、ワイヤを矯正する上で重要である。
【0016】
溶接ワイヤにはその断面形状の相違から図1に示す3種類がある。図1は溶接ワイヤの断面形状の一例を示す図であって、(a)はラップワイヤ(継ぎ目を有するフラックス入りワイヤ)、(b)はシームレスワイヤ(継ぎ目を有しないフラックス入りワイヤ)、(c)はソリッドワイヤである。ソリッドワイヤは中実の線材1cであるが、ラップワイヤ及びシームレスワイヤはいずれもフープ1a内にフラックス1bが充填されている。このフープはラップワイヤの場合には当初テープ状をなしており、フラックスをその上に配置した後、継ぎ目1dが重なるように管状に湾曲されている。一方、シームレスワイヤの場合は、フープは継ぎ目がない管状をなし、この管の中に、フラックスが充填されている。
【0017】
而して、変形量εinは、ワイヤ径tに依存するが、その変形量εinの適切な範囲はワイヤの材質に依存する。即ち、同一のワイヤ径の溶接ワイヤであっても、フラックスの有無及び製造方法等により、ラップ(バット)ワイヤ、シームレスワイヤ、及びソリッドワイヤ等のようにワイヤの種類及び材質が異なると、断面形状及びワイヤ硬さが異なるため、矯正で与えることができる最適な変形量も変化する。本発明においては、この溶接ワイヤに応じて変化する変形量の適切な範囲を前記数式2にて表される範囲内とした。これにより、本発明においては、ワイヤ材質に応じて巻癖を高効率で矯正することができる。
【0018】
より、具体的には、本発明においては、矯正装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量εinを、継目ありフラックスワイヤの場合には0.6乃至1.1(%)、継目無しフラックスワイヤの場合には0.7乃至1.2(%)、ソリッドワイヤの場合には0.7乃至1.3(%)になるように調整することが好ましい。更に、出口側におけるワイヤ変形量εoutはいずれも0.0乃至0.3(%)となるように調整することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。支持部材5には、7個のロール2a、2b、2c、2d、2e、2f及び2gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列上に交互に配置されている。なお、これらのロールは、予めワイヤ変形量(εin、εout)が所定の範囲内となるように配置されて、その位置が固定されている。従って、本実施例において、ロールの位置調整ねじ等は設けられていない。
【0020】
このように構成された矯正装置においては、パック等に収納された溶接ワイヤ3はパックから引き出された後、第1ロール2aと第2ロール2bとの間、第2ロール2bと第3ロール2cとの間というように、順次、各ロール間を通過する。このとき、溶接ワイヤは第1ロール2aの円周に沿って曲げ変形を受けた後、第2ロール2bの円周に沿って前記曲げ変形の方向と逆方向の曲げ変形を受ける。同様に、第3ロール2cから第7ロール2gまでの各ロールによっても、順次交互に逆方向の曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直線状に矯正される。
【0021】
次に、本発明におけるワイヤ変形量の算出方法について、図面を参照して説明する。図3は図2に示す矯正装置の一部を拡大して、ワイヤ変形量の算出方法を示す側面図である。ワイヤ変形量εは、例えば、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2c等のように、ワイヤの通過方向に連続する3個のロールを基準にして、以下のようにして算出することができる。図3に示すように、溶接ワイヤ3の直径をt(mm)とし、同一列上で隣接するロールの軸間距離(第1ロール2aと第3ロール2cとの軸間距離)を2L(mm)とする。
【0022】
また、ロール噛込量をδ(mm)とする。このロール噛込量とは、図3に示す形状でロールが配置されているとき、第1ロール2aの上端と第3ロール2cの上端とを結ぶ線6から、第2ロール2bの下端までの距離をいう。但し、第2ロール2bの下端が線6よりも下方に位置する場合にδを正とするので、図3においては、δの値は負となる。このとき、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cによるワイヤ変形量ε(%)は、前記数式1によって算出することができる。
【0023】
なお、上記数式1中において、(δ+t)はロール押込量を示す。即ち、第1ロール2aによって曲げ変形を受けたワイヤ3の上端と、第3ロール2cによって曲げ変形を受けたワイヤ3の上端とを結ぶ線7から、第2ロール2bの下端までの距離である。
【0024】
このように、本発明において規定する矯正装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量εinは、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの位置関係から図3に示す方法によって算出される。
【0025】
また、図4は横軸に(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)をとり、縦軸に入口側ワイヤ変形量εin(%)をとって両者の関係を示すグラフ図である。この図4に示すように、入口側ワイヤ変形量εinは、(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)と相関関係が存在し、図中実線にて示す各ワイヤの変形量の中心は、γ(=ε)=0.209(a×hv)0.264で表される関係にある。このため、入口側の変形量εinをγを中心として±0.3(%)の範囲内に調整する。好ましくは、この入口側変形量εinをγを中心として±0.2(%)の範囲内に調整する。
【0026】
また、溶接ワイヤ出口側におけるワイヤ変形量εoutは第5ロール2e、第6ロール2f及び第7ロール2gの位置関係から、入口側ワイヤ変形量εinの算出方法と同様にして算出することができる。
【0027】
本発明において、第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量εout(%)は、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout(mm)としたとき、下記数式3により表される。
【0028】
【数3】
εout={2t(δout+t)/Lout }×100
【0029】
図5は横軸に(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)をとり、縦軸に出口側ワイヤ変形量εout(%)をとって両者の関係を示すグラフ図である。この図5に示すように、出口側ワイヤ変形量εoutは(フープ断面積)×(ミクロビッカース硬度)の値によらず、0.0乃至0.3%の範囲で一定である。従って、本発明においては、出口側ワイヤ変形量εoutが0.0乃至0.3(%)となるように、各ロールの位置を設定する。
【0030】
本実施例においては、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが本発明に規定する範囲内となるように、ロール押込量、隣接するロールの軸間距離及びロールの溝径等が選択されており、予めロールの位置は固定されている。従って、このような矯正装置を使用して溶接ワイヤの巻癖を矯正することにより、矯正後のワイヤを使用した溶接時において、ワイヤ振れの発生を抑制することができると共に、良好な溶接品質を得ることができる。また、従来の矯正装置と異なり、位置調整ねじ等によってロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【0031】
なお、図2においてはロールの数を7個としたが、本発明においては、ロールの数を4個以上の任意の数で設定することができる。図6はn個のロールを有する矯正装置を示す模式図である。一般的な例として、矯正装置がn個のロールを有しているとき、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの位置関係並びにワイヤ3の径によって、入口側ワイヤ変形量εinを算出することができる。また、第(n−2)ロール2x、第(n−1)ロール2y及び第nロール2zの位置関係等によって、出口側ワイヤ変形量εoutを算出することができる。
【0032】
また、図7に示すように、矯正装置がn個のロールを有している場合、入口側ワイヤ変形量及び出口側ワイヤ変形量を調整すると共に、中間の連続した3個のロールによるワイヤ変形量は、入口側ワイヤ変形量よりも小さくすると共に、出口側ワイヤ変形量よりも大きくすることが効果的である。これは、入口側において大きな曲げ変形をワイヤに与えて、ワイヤ組織を均一化し、出口側でこれを平坦化する作業において、中間のロールは出口側における平坦化作業を円滑にする作用を有しているからである。
【0033】
図8は本発明の第2の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。図8に示すように、矯正装置10は溶接ワイヤ13の通過方向に隣接する第1支持板15a及び第2支持板15bを有している。第1支持板15aと第2支持板15bとは、その法線同士が直交する方向で配置されている。第1支持板15aには、溶接ワイヤ13の通過方向に5個のロール(ロール12a、12b、12c、12d及び12e)が取り付けられており、第2支持板15bにも溶接ワイヤ13の通過方向に5個のロール(ロール14a、14b、14c、14d及び14e)が取り付けられている。
【0034】
また、矯正装置10は、ワイヤ13の通過方向上流側に、コンジットケーブルに接続することができるケーブル接続口11を有すると共に、この矯正装置10をワイヤ送給装置(図示せず)に装着するための装着ホルダ16が設けられている。
【0035】
なお、本実施例においては、ワイヤの通過方向に合計10個のロールを有しているが、上流側の5個のロールと、下流側の5個のロールとでは、ワイヤ13の矯正方向が異なる。従って、ワイヤ13の通過方向上流側の5個のロールは、第1ロール12a、第2ロール12b及び第3ロール12cにより入口側ワイヤ変形量εinを算出すると共に、第3ロール12c、第4ロール12d及び第5ロール12eにより出口側ワイヤ変形量εoutを算出することによって、配置位置が設定されている。同様に、ワイヤ13の通過方向下流側の5個のロールは、第6ロール14a、第7ロール14b及び第8ロール14cにより入口側ワイヤ変形量εinを算出すると共に、第8ロール14c、第9ロール14d及び第10ロール14eにより出口側ワイヤ変形量εoutを算出することによって、配置位置が設定されている。
【0036】
このように構成された溶接ワイヤ用矯正装置10においては、溶接ワイヤ13は、先ず、第1支持板15aに取り付けられた5個のロールによって、これらのロールの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正される。その後、溶接ワイヤ13は、第2支持板15bに取り付けられた5個のロールによって、これらのロールの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正される。本実施例においても、10個のロールが予め適切な位置に設定されているので、第1の実施例と同様に、安定した良好なワイヤの矯正効果を得ることができる。また、各5個のロールを異なる方向に配置しており、2方向からワイヤの巻癖を矯正することができるので、その矯正効果を高めることができる。
【0037】
なお、本発明は図8に示す形状の矯正装置に限定されず、本発明の範囲内であれば、他の種々の形状をとることができる。
【0038】
図9は本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系を示す側面図である。ワイヤ33が収納されたパック34上には、ワイヤ33を円滑に引き出すための蓋部34aが配設されており、この蓋部34a上には矯正装置30が取り付けられている。また、コンジットケーブル35はその片端部が矯正装置30の出口側に接続されており、その後、支持台37によって支持された後、他端部が送給装置36に接続されている。従って、ワイヤ33は矯正装置30を介してコンジットケーブル35内を通過し、送給装置36内に挿通されている。
【0039】
このように構成されたワイヤ送給系においては、送給装置36を駆動させると、パック34から引き出されたワイヤ33は矯正装置30内を通過してその巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33はコンジットケーブル35内を進行し、送給装置36を介して溶接トーチ(図示せず)に送出される。
【0040】
図10は本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系の他の例を示す側面図である。図10に示すワイヤ送給系が図9に示すワイヤ送給系と異なる点は矯正装置30の取付位置のみであるので、図10において、図9と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図10に示すように、本実施例に係る矯正装置30は、送給装置36のワイヤ通過方向上流側、即ち、コンジットケーブル35と送給装置36との間に取り付けられていてもよい。
【0041】
このように構成されたワイヤ送給系においては、パック34から引き出されたワイヤ33はコンジットケーブル35内を通過した後に、矯正装置30によって巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33は送給装置36を介して溶接トーチ(図示せず)に送出される。図10に示す送給系を形成した場合、図8に示すように、矯正装置30が送給装置36に装着されるための装着ホルダ30aを有していると、装着が容易になる。
【0042】
このように、本発明の実施例に係る矯正装置は、図9及び10に示すいずれの送給系に適用しても、ワイヤの巻癖を矯正する効果を安定して向上させることができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置により溶接ワイヤを矯正した試験結果について、その比較例による試験結果と比較して具体的に説明する。先ず、直径が1.2及び1.4及び1.6mmである軟鋼製のワイヤをパックから引き出して、種々の矯正装置に通過させた後、このワイヤを使用して溶接を実施することにより、その溶接性を評価した。但し、本実施例においては、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが種々の値となるように5個のロールを配置した矯正装置を使用した。
【0044】
使用したワイヤの断面形状及びミクロビッカース硬度測定位置を図11に示す。なお、ラップワイヤが本発明にいう継ぎ目有りワイヤである。また、このミクロビッカース硬度の測定結果、ワイヤ断面積(フラックス入りワイヤの場合はフープ部断面積)、ミクロビッカース硬度×ワイヤ断面積の値を下記表1に示す。ミクロビッカース硬度はフープ部を測定した。測定位置6フープ断面積の中心近傍を測定し、測定のバラツキを考慮して3回測定しその平均値とした。
【0045】
【表1】
Figure 0003552902
【0046】
入口側のワイヤ変形量εin、出口側ワイヤ変形量εout及び溶接性評価結果を下記表2乃至4に示す。但し、溶接性はビードの直進性及び溶接品質により評価し、下記表中の溶接性評価結果欄において、○はビードが蛇行せず、溶接品質が良好であったもの、△は溶接品質としては問題はないが、若干ビードが蛇行したものを示している。また、×はビードが蛇行して、溶接品質も不良であったものを示し、××は×よりも激しくビードが蛇行して、溶接狙い位置を外れてしまったものを示す。
【0047】
【表2】
Figure 0003552902
【0048】
【表3】
Figure 0003552902
【0049】
【表4】
Figure 0003552902
【0050】
【表5】
Figure 0003552902
【0051】
【表6】
Figure 0003552902
【0052】
【表7】
Figure 0003552902
【0053】
【表8】
Figure 0003552902
【0054】
【表9】
Figure 0003552902
【0055】
【表10】
Figure 0003552902
【0056】
上記表2乃至10に示すように、入口側ワイヤ変形量εinが適切な範囲内である実施例の場合は、安定して良好な溶接性を得ることができる。
【0057】
一方、入口側ワイヤ変形量εinが本発明の範囲から外れているものは、溶接性が劣化している。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、入口側及び出口側のワイヤ変形量が規定された範囲内となるように、予め複数個の矯正ロールの最適な位置関係を求めて、ロールの位置を固定しているので、ワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。また、位置調整ねじ等によって矯正ロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接ワイヤの断面形状を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【図3】図1に示す矯正装置の一部を拡大して、ワイヤ変形量の算出方法を示す側面図である。
【図4】ミクロビッカース硬さとフープ断面積との積と、入口側ワイヤ変形量εinとの関係を示すグラフ図である。
【図5】ミクロビッカース硬さとフープ断面積との積と、出口側ワイヤ変形量εoutとの関係を示すグラフ図である。
【図6】n個のロールを有する矯正装置を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【図8】本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系を示す側面図である。
【図9】本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系の他の例を示す側面図である。
【図10】実施例のミクロビッカース硬度試験における測定位置を示す図である。
【図11】従来の溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1a;フープ
1b;フラックス
1c:線材
1d:継ぎ目
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2x、2y、2z、12a、12b、12c、12d、12e、14a、14b、14c、14d、14e、22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g;ロール
3、13、33;ワイヤ
5、25;支持部材
6;測定位置
10;矯正装置
15a、15b;支持板
16;装着ホルダ
21b、21d、21f;位置調整ねじ

Claims (7)

  1. 溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロール、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、このn個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤに対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正する溶接ワイヤ矯正方法において、
    ワイヤ径をt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入り口側ワイヤ変形量をεin(%)、入り口ロールの噛込量をδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸間距離を2Lin(mm)、ワイヤ径断面積をamm2(但し、ワイヤがフラックス入りワイヤの場合は外皮部の断面積)、ワイヤのミクロビッカース硬度をhvとしたとき、数式εin ={2t(δin+t)/Lin 2}×100によって算出される入口側ワイヤ変形量εinがεin=0.209(a×hv)0.264±0.3(%)内となるように、前記n個のロールの位置が設定されているワイヤ矯正装置を使用することを特徴とする溶接ワイヤ矯正方法
  2. 溶接ワイヤが継ぎ目を有するフラックス入りワイヤであり、εinが0.6乃至1.1(%)であることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ矯正方法
  3. 溶接ワイヤが継ぎ目無しフラックス入りワイヤであり、εinが0.7乃至1.2(%)であることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ矯正方法
  4. 溶接ワイヤがソリッドワイヤであり、εinが0.7乃至1.3(%)であることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ矯正方法
  5. 第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をεout(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout(mm)としたとき、数式εout={2t(δout+t)/Lout 2}×100によって算出される出口側ワイヤ変形量εoutが0.0乃至0.3(%)となるように、前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ矯正方法
  6. ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイヤ変形量が小さくなるように前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ矯正方法
  7. 数式εinの値が0.209(a×hv)0.264±0.2(%)の範囲となるように前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の溶接ワイヤ矯正方法
JP07789798A 1998-03-25 1998-03-25 溶接ワイヤ矯正方法 Expired - Lifetime JP3552902B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07789798A JP3552902B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 溶接ワイヤ矯正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07789798A JP3552902B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 溶接ワイヤ矯正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11277169A JPH11277169A (ja) 1999-10-12
JP3552902B2 true JP3552902B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=13646879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07789798A Expired - Lifetime JP3552902B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 溶接ワイヤ矯正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3552902B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6109064B2 (ja) * 2013-12-27 2017-04-05 株式会社神戸製鋼所 溶接ワイヤ用矯正装置
EP3511103A1 (de) * 2018-01-11 2019-07-17 FRONIUS INTERNATIONAL GmbH Drahtformungseinheit und schweissbrenner mit drahtformungseinheit

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11277169A (ja) 1999-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105848815B (zh) 焊丝用矫正装置
JP3578586B2 (ja) 溶接ワイヤ用矯正装置
CN110709186A (zh) 用于焊接设备或钎焊设备的线材矫直装置
KR20010024059A (ko) 롤러 레벨러
JP3552902B2 (ja) 溶接ワイヤ矯正方法
JPH06226412A (ja) ストランドを鋳造し引き続き圧延することにより鋼のストリップを製造する方法
JPH043699Y2 (ja)
JPH0117793B2 (ja)
JP3269022B2 (ja) レーイング式巻取機により巻き取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去方法
JP7744305B2 (ja) 溶接ワイヤ用矯正装置
JPH09277047A (ja) 溶接ワイヤ矯正装置
JPS60206571A (ja) ワイヤ送給方法
JP2000343134A (ja) 溶接鋼管製造装置
JPH02197329A (ja) 溶接管の製造装置
WO2024202629A1 (ja) 溶接ワイヤ用矯正装置
JPS5973125A (ja) 形材の圧延曲げ加工法
JP2642836B2 (ja) スパイラルルーパの制御方法
JPS6247087B2 (ja)
JPH03230817A (ja) 溶接管の製造装置
JPH04251611A (ja) 電縫管の製造方法
JPH08267127A (ja) 金属溶接管の製造方法
JP3251508B2 (ja) 帯状材の通板方向変換装置
JPH09262634A (ja) 線材の矯正方法及び矯正装置
JPH10216832A (ja) 溶接造管における管径の矯正方法
JP3370884B2 (ja) スリットコイル矯正装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term