JP3578586B2 - 溶接ワイヤ用矯正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスプール又はパックから引き出された溶接ワイヤを直線状に矯正するための溶接ワイヤ用矯正装置に関し、特に、装置内の矯正ロールの位置調整作業を省略することができる溶接ワイヤ用矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スプールに巻回された溶接ワイヤ又はパックに収納された溶接ワイヤをスプール又はパックから引き出した場合、引き出された溶接ワイヤには巻癖がついている。このように巻癖がついた溶接ワイヤは、通常、矯正装置に通過させることにより直線状に矯正された後、溶接トーチに供給されて使用されている。
【0003】
図7は従来の溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。支持部材25には、第1乃至第7ロール22a、22b、22c、22d、22e、22f及び22gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列上に交互に配置されている。一方の列上に配置された第2ロール22b、第4ロール22d及び第6ロール22fの位置は固定されておらず、支持部材25において、各ロール22b、22d及び22fのロール軸が取り付けられている部分には、夫々、位置調整ねじ21b、21d及び21fが螺合されている。従って、これらの位置調整ねじを締めたり緩めたりすることによって、各ロール22b、22d及び22fの位置を上下に調整することができるようになっている。
【0004】
このように構成された矯正装置においては、パックから引き出された溶接ワイヤは、第1ロール22aと第2ロール22bとの間、第2ロール22bと第3ロール22cとの間というように、順次、各ロール間を通過する。このとき、溶接ワイヤは第1ロール22aの円周に沿って曲げ変形を受けた後、第2ロール22bの円周に沿って前記曲げ変形の方向と逆方向の曲げ変形を受ける。同様に、第3ロール22cから第7ロール22gまでの各ロールによっても、順次交互に逆方向の曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直線状に矯正された後、矯正装置から送出される。このとき、作業者は、矯正装置から送出された溶接ワイヤの直線性を目視により確認し、溶接ワイヤの矯正が不十分である場合には、良好な直線性が得られるように、位置調整ねじ21b、21d及び21fを調整する。その後、直線状に矯正された溶接ワイヤは溶接トーチに送給されて、溶接材料として使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の矯正装置を使用した場合、位置調整ねじ21b、21d及び21fの調整量等は作業者の経験に依存することが多いので、安定して良好な直線性を有する溶接ワイヤを容易に得ることは困難であった。
【0006】
また、位置調整ねじ21b、21d及び21fによる調整では、第2ロール22b、第4ロール22d及び第6ロール22fの位置を厳密に調整することが困難である。例えば、ロールの位置に約0.1mmの僅かなずれが発生すると、溶接ワイヤの矯正効果が大きく影響を受け、その巻癖を完全に矯正することができなくなることがある。そうすると、溶接トーチに送給された溶接ワイヤの先端部においてワイヤ振れが生じて、溶接品質(ビード形状)が不安定になるという問題点が発生する。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接ワイヤの巻癖を安定して良好に矯正することができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる溶接ワイヤ用矯正装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る溶接ワイヤ用矯正装置は、溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロール、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、このn個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤに対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正する溶接ワイヤ用矯正装置において、
ワイヤ径をt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入口側ワイヤ変形量をεin(%)、入口側ロール噛込量をδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸間距離を2Lin(mm)とし、第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をεout(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout(mm)としたとき、数式εin={2t(δin+t)/Lin 2}×100によって算出される入口側ワイヤ変形量εinが0.6乃至1.1(%)となると共に、数式εout={2t(δout+t)/Lout 2}×100によって算出される出口側ワイヤ変形量εoutが0.0乃至0.3(%)となるように、前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする。
【0009】
この矯正装置は、ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイヤ変形量が小さくなるように前記n個のロールの位置が設定されていることが好ましい。
【0010】
本発明においては、矯正装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量εinが0.6乃至1.1%、出口側におけるワイヤ変形量εoutが0.0乃至0.3%となるように、矯正ロールの位置を設定している。入口側及び出口側のワイヤ変形量εin、εoutがこれらの範囲から外れると、巻癖がついたワイヤを矯正する効果が低下して、溶接時に溶接ワイヤの先端部でワイヤ振れが発生したり、溶接品質が不安定になることがある。従って、ワイヤ変形量が上記範囲内となるように、予め複数個の矯正ロールの最適な位置関係を求めて、ロールの位置を固定することにより、ワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。また、位置調整ねじ等によって矯正ロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。支持部材5には、7個のロール2a、2b、2c、2d、2e、2f及び2gが、これらの軸方向を平行にして取り付けられている。これらのロールは溶接ワイヤに対して交互に逆方向の曲げ変形を与えることができるように、2本の列上に交互に配置されている。なお、これらのロールは、予めワイヤ変形量(εin、εout)が所定の範囲内となるように配置されて、その位置が固定されている。従って、本実施例において、ロールの位置調整ねじ等は設けられていない。
【0012】
このように構成された矯正装置においては、パック等に収納された溶接ワイヤ3はパックから引き出された後、第1ロール2aと第2ロール2bとの間、第2ロール2bと第3ロール2cとの間というように、順次、各ロール間を通過する。このとき、溶接ワイヤは第1ロール2aの円周に沿って曲げ変形を受けた後、第2ロール2bの円周に沿って前記曲げ変形の方向と逆方向の曲げ変形を受ける。同様に、第3ロール2cから第7ロール2gまでの各ロールによっても、順次交互に逆方向の曲げ変形を受けて、溶接ワイヤの巻癖が直線状に矯正される。
【0013】
次に、本発明におけるワイヤ変形量の算出方法について、図面を参照して説明する。図2は図1に示す矯正装置の一部を拡大して、ワイヤ変形量の算出方法を示す側面図である。ワイヤ変形量εは、例えば、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2c等のように、ワイヤの通過方向に連続する3個のロールを基準にして、以下のようにして算出することができる。図2に示すように、溶接ワイヤ3の直径をt(mm)とし、同一列上で隣接するロールの軸間距離(第1ロール2aと第3ロール2cとの軸間距離)を2L(mm)とする。
【0014】
また、ロール噛込量をδ(mm)とする。このロール噛込量とは、図2に示す形状でロールが配置されているとき、第1ロール2aの上端と第3ロール2cの上端とを結ぶ線6から、第2ロール2bの下端までの距離をいう。但し、第2ロール2bの下端が線6よりも下方に位置する場合にδを正とするので、図2においては、δの値は負となる。このとき、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cによるワイヤ変形量ε(%)は、下記数式1によって算出することができる。
【0015】
【数1】
ε={2t(δ+t)/L2}×100
【0016】
なお、上記数式1中において、(δ+t)はロール押込量を示す。即ち、第1ロール2aによって曲げ変形を受けたワイヤ3の上端と、第3ロール2cによって曲げ変形を受けたワイヤ3の上端とを結ぶ線7から、第2ロール2bの下端までの距離である。
【0017】
このように、本発明において規定する矯正装置の溶接ワイヤ入口側におけるワイヤ変形量εinは、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの位置関係から図2に示す方法によって算出される。また、溶接ワイヤ出口側におけるワイヤ変形量εoutは第5ロール2e、第6ロール2f及び第7ロール2gの位置関係から、入口側ワイヤ変形量εinの算出方法と同様にして算出することができる。
【0018】
本実施例においては、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが本発明に規定する範囲内となるように、ロール押込量、隣接するロールの軸間距離及びロールの溝径等が選択されており、予めロールの位置は固定されている。従って、このような矯正装置を使用して溶接ワイヤの巻癖を矯正することにより、矯正後のワイヤを使用した溶接時において、ワイヤ振れの発生を抑制することができると共に、良好な溶接品質を得ることができる。また、従来の矯正装置と異なり、位置調整ねじ等によってロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【0019】
なお、図1においてはロールの数を7個としたが、本発明においては、ロールの数を4個以上の任意の数で設定することができる。図3はn個のロールを有する矯正装置を示す模式図である。一般的な例として、矯正装置がn個のロールを有しているとき、第1ロール2a、第2ロール2b及び第3ロール2cの位置関係並びにワイヤ3の径によって、入口側ワイヤ変形量εinを算出することができる。また、第(n−2)ロール2x、第(n−1)ロール2y及び第nロール2zの位置関係等によって、出口側ワイヤ変形量εoutを算出することができる。
【0020】
また、図3に示すように、矯正装置がn個のロールを有している場合、入口側ワイヤ変形量及び出口側ワイヤ変形量を調整すると共に、中間の連続した3個のロールによるワイヤ変形量は、入口側ワイヤ変形量よりも小さくすると共に、出口側ワイヤ変形量よりも大きくすることが効果的である。これは、入口側において大きな曲げ変形をワイヤに与えて、ワイヤ組織を均一化し、出口側でこれを平坦化する作業において、中間のロールは出口側における平坦化作業を円滑にする作用を有しているからである。
【0021】
図4は本発明の第2の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。図4に示すように、矯正装置10は溶接ワイヤ13の通過方向に隣接する第1支持板15a及び第2支持板15bを有している。第1支持板15aと第2支持板15bとは、その法線同士が直交する方向で配置されている。第1支持板15aには、溶接ワイヤ13の通過方向に5個のロール(ロール12a、12b、12c、12d及び12e)が取り付けられており、第2支持板15bにも溶接ワイヤ13の通過方向に5個のロール(ロール14a、14b、14c、14d及び14e)が取り付けられている。
【0022】
また、矯正装置10は、ワイヤ13の通過方向上流側に、コンジットケーブルに接続することができるケーブル接続口11を有すると共に、この矯正装置10をワイヤ送給装置(図示せず)に装着するための装着ホルダ16が設けられている。
【0023】
なお、本実施例においては、ワイヤの通過方向に合計10個のロールを有しているが、上流側の5個のロールと、下流側の5個のロールとでは、ワイヤ13の矯正方向が異なる。従って、ワイヤ13の通過方向上流側の5個のロールは、第1ロール12a、第2ロール12b及び第3ロール12cにより入口側ワイヤ変形量εinを算出すると共に、第3ロール12c、第4ロール12d及び第5ロール12eにより出口側ワイヤ変形量εoutを算出することによって、配置位置が設定されている。同様に、ワイヤ13の通過方向下流側の5個のロールは、第6ロール14a、第7ロール14b及び第8ロール14cにより入口側ワイヤ変形量εinを算出すると共に、第8ロール14c、第9ロール14d及び第10ロール14eにより出口側ワイヤ変形量εoutを算出することによって、配置位置が設定されている。
【0024】
このように構成された溶接ワイヤ用矯正装置10においては、溶接ワイヤ13は、先ず、第1支持板15aに取り付けられた5個のロールによって、これらのロールの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正される。その後、溶接ワイヤ13は、第2支持板15bに取り付けられた5個のロールによって、これらのロールの軸方向に直交する方向に対する巻癖が矯正される。本実施例においても、10個のロールが予め適切な位置に設定されているので、第1の実施例と同様に、安定した良好なワイヤの矯正効果を得ることができる。また、各5個のロールを異なる方向に配置しており、2方向からワイヤの巻癖を矯正することができるので、その矯正効果を高めることができる。
【0025】
なお、本発明は図4に示す形状の矯正装置に限定されず、本発明の範囲内であれば、他の種々の形状をとることができる。
【0026】
図5は本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系を示す側面図である。ワイヤ33が収納されたパック34上には、ワイヤ33を円滑に引き出すための蓋部34aが配設されており、この蓋部34a上には矯正装置30が取り付けられている。また、コンジットケーブル35はその片端部が矯正装置30の出口側に接続されており、その後、支持台37によって支持された後、他端部が送給装置36に接続されている。従って、ワイヤ33は矯正装置30を介してコンジットケーブル35内を通過し、送給装置36内に挿通されている。
【0027】
このように構成されたワイヤ送給系においては、送給装置36を駆動させると、パック34から引き出されたワイヤ33は矯正装置30内を通過してその巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33はコンジットケーブル35内を進行し、送給装置36を介して溶接トーチ(図示せず)に送出される。
【0028】
図6は本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系の他の例を示す側面図である。図6に示すワイヤ送給系が図5に示すワイヤ送給系と異なる点は矯正装置30の取付位置のみであるので、図6において、図5と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図6に示すように、本実施例に係る矯正装置30は、送給装置36のワイヤ通過方向上流側、即ち、コンジットケーブル35と送給装置36との間に取り付けられていてもよい。
【0029】
このように構成されたワイヤ送給系においては、パック34から引き出されたワイヤ33はコンジットケーブル35内を通過した後に、矯正装置30によって巻癖が矯正される。その後、ワイヤ33は送給装置36を介して溶接トーチ(図示せず)に送出される。図6に示す送給系を形成した場合、図4に示すように、矯正装置30が送給装置36に装着されるための装着ホルダ30aを有していると、装着が容易になる。
【0030】
このように、本発明の実施例に係る矯正装置は、図5及び6に示すいずれの送給系に適用しても、ワイヤの巻癖を矯正する効果を安定して向上させることができ、これにより、溶接時にワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置により溶接ワイヤを矯正した試験結果について、その比較例による試験結果と比較して具体的に説明する。先ず、直径が1.2乃至1.6mmである軟鋼製のワイヤをパックから引き出して、種々の矯正装置に通過させた後、このワイヤを使用して溶接を実施することにより、その溶接性を評価した。但し、本実施例においては、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが種々の値となるように5個のロールを配置した矯正装置を使用した。
【0032】
入口側のワイヤ変形量εin、出口側ワイヤ変形量εout及び溶接性評価結果を下記表1乃至3に示す。但し、溶接性はビードの直進性及び溶接品質により評価し、下記表中の溶接性評価結果欄において、○はビードが蛇行せず、溶接品質が良好であったもの、△は溶接品質としては問題はないが、若干ビードが蛇行したものを示している。また、×はビードが蛇行して、溶接品質も不良であったものを示し、××は×よりも激しくビードが蛇行して、溶接狙い位置を外れてしまったものを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
上記表1乃至3に示すように、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutが適切な範囲内である実施例No.1乃至18は、安定して良好な溶接性を得ることができた。
【0037】
一方、比較例No.19乃至42は、入口側ワイヤ変形量εin及び出口側ワイヤ変形量εoutのいずれか一方が本発明の範囲から外れているので、溶接性が劣化した。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、入口側及び出口側のワイヤ変形量が規定された範囲内となるように、予め複数個の矯正ロールの最適な位置関係を求めて、ロールの位置を固定しているので、ワイヤ振れの発生及び溶接品質の低下を防止することができる。また、位置調整ねじ等によって矯正ロールの位置を調整する必要がないので、常に安定した良好な矯正効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【図2】図1に示す矯正装置の一部を拡大して、ワイヤ変形量の算出方法を示す側面図である。
【図3】n個のロールを有する矯正装置を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【図5】本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系を示す側面図である。
【図6】本発明の実施例に係る矯正装置が適用されるワイヤ送給系の他の例を示す側面図である。
【図7】従来の溶接ワイヤ用矯正装置を示す側面図である。
【符号の説明】
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2x、2y、2z、12a、12b、12c、12d、12e、14a、14b、14c、14d、14e、22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g;ロール
3、13、33;ワイヤ
5、25;支持部材
10;矯正装置
15a、15b;支持板
16;装着ホルダ
21b、21d、21f;位置調整ねじ
Claims (2)
- 溶接ワイヤの通過方向に順次第1ロール、第2ロール、・・・、第nロールが配設され、このn個(nは4以上の整数)のロールにより、溶接ワイヤに対し交互に逆方向の曲げ変形を与えてその巻癖を矯正する溶接ワイヤ用矯正装置において、
ワイヤ径をt(mm)、第1ロール、第2ロール及び第3ロールによる入口側ワイヤ変形量をεin(%)、入口側ロール噛込量をδin(mm)、第1ロールと第3ロールとの間の軸間距離を2Lin(mm)とし、第(n−2)ロール、第(n−1)ロール及び第nロールによる出口側ワイヤ変形量をεout(%)、出口側ロール噛込量をδout(mm)、第nロールと第(n−2)ロールとの間の軸間距離を2Lout(mm)としたとき、数式εin={2t(δin+t)/Lin 2}×100によって算出される入口側ワイヤ変形量εinが0.6乃至1.1(%)となると共に、数式εout={2t(δout+t)/Lout 2}×100によって算出される出口側ワイヤ変形量εoutが0.0乃至0.3(%)となるように、前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする溶接ワイヤ用矯正装置。 - ワイヤの通過方向下流側に従って、ワイヤ変形量が小さくなるように前記n個のロールの位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ用矯正装置。
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