JPH11271832A - ブレ検出装置及びブレ補正カメラ - Google Patents

ブレ検出装置及びブレ補正カメラ

Info

Publication number
JPH11271832A
JPH11271832A JP10078691A JP7869198A JPH11271832A JP H11271832 A JPH11271832 A JP H11271832A JP 10078691 A JP10078691 A JP 10078691A JP 7869198 A JP7869198 A JP 7869198A JP H11271832 A JPH11271832 A JP H11271832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed state
unit
reference value
shake
blur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10078691A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tomita
博之 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP10078691A priority Critical patent/JPH11271832A/ja
Publication of JPH11271832A publication Critical patent/JPH11271832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影状況にかかわらず高精度にブレを検出し
てブレを補正することができるブレ検出装置及びブレ補
正カメラを提供する。 【解決手段】 微分演算部420は、ノイズ除去部41
0が出力するブレ検出信号の微分値を演算し、極値検出
部430は、この微分値に基づいて、ブレ検出信号の極
値を検出する。判定部440は、半押しタイマ90がカ
ウントするカウント値と極値とに基づいて、三脚などに
カメラを固定した状態(固定状態)か、カメラが手持ち
の状態(非固定状態)かを判定する。第1の基準値演算
部310は、固定状態時の基準値を演算し、第2の基準
値演算部320は、非固定時の基準値を演算する。基準
値出力切替部33は、判定部440の判定結果に応じ
て、第1の基準値演算部310又は第2の基準値演算部
320が演算した基準値を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラなどの撮影
装置における手ブレなどによる振動を検出するブレ検出
装置及びブレ補正カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平4−76525号公報は、光軸と
直角方向の平面内で平行移動するブレ補正レンズと、こ
のブレ補正レンズを保持する枠部材と、この枠部材を保
持する板部材と、この板部材に取り付た4本のワイヤ
と、このワイヤを支持する本体と、巻線コイル,ヨーク
及び永久磁石からなり、ブレ補正レンズを上下及び左右
方向に駆動するアクチュエータと、発光素子及び受光素
子からなり、ブレ補正レンズの位置を検出する位置検出
装置などを備えるブレ補正装置を第3図に開示してい
る。
【0003】図8は、従来のブレ補正装置のブロック線
図である。角速度センサ100は、カメラに加わる振動
を検出するセンサである。角速度センサ100は、例え
ば、コリオリ力を検出するための圧電振動式角速度セン
サである。角速度センサ100は、検出した振動に応じ
たブレ検出信号を、基準値演算部300に出力する。基
準値演算部300は、角速度センサ100が出力するブ
レ検出信号に基づいて、カメラが静止した状態における
角速度センサ100の出力信号(以下、基準値という)
を演算する。ブレ検出信号から基準値を差し引いた後の
信号は、積分部450に入力する。
【0004】特開平4−211230号公報は、コリオ
リ力を検出する角速度センサと、中央演算処理装置(C
PU)とメモリとからなり、現時点から所定の時間前ま
での間にサンプリングした角速度センサの出力信号の平
均値を、移動平均法により算出するドリフト成分検出部
と、角速度センサの出力信号から平均値を減算すること
によりドリフト成分を除去し、その減算値を出力する減
算器とを備えるブレ補正装置を第18図に開示してい
る。特開平4−211230号公報は、角速度信号を積
分するときに、その積分定数となる基準値の演算方法を
開示しており、従来のブレ補正装置は、一般的に、角速
度センサの出力信号(ブレ信号)の移動平均によって、
基準値を演算していた。
【0005】積分部450は、角速度の単位で表されて
いるブレ検出信号を時間積分して、カメラのブレ角度に
変換する。目標駆動位置演算部451は、積分部450
の出力信号を、ブレ補正レンズ600の目標駆動位置情
報に変換する。駆動信号演算部452は、この目標駆動
位置情報に応じてブレ補正レンズ600を駆動するため
に、ブレ補正レンズ600の現在位置情報(位置検出信
号)と目標駆動位置情報との差を演算し、アクチュエー
タ500のコイル500bに駆動電流を流す。
【0006】アクチュエータ500は、ブレ補正レンズ
600を駆動するものである。アクチュエータ500
は、ヨーク500a,500dと、ヨーク500a,5
00dとの間で磁気回路を形成し、ヨーク500dに取
り付けたマグネット500cと、ヨーク500aとマグ
ネット500cとの間に配置し、レンズ枠610に取り
付けたコイル500bとからなる。アクチュエータ50
0は、コイル150bに駆動電流が流れると、フレミン
グの左手の法則により電磁力を発生する。
【0007】ブレ補正レンズ600は、光軸Iと直交す
る面内(図中xy平面内)で駆動して、ブレを補正する
レンズである。ブレ補正レンズ600は、レンズ枠61
0の内周部に嵌め込まれて固定されている。ブレ補正レ
ンズ600は、アクチュエータ500が発生する電磁力
によって、レンズ枠610と一体となって、光軸Iと直
交する方向に駆動する。
【0008】位置検出装置510は、ブレ補正レンズ6
00の動きをモニタする装置である。位置検出装置51
0は、光を発光する赤外発光ダイオード(以下、IRE
Dという)510aと、スリット510cを有するスリ
ット板510bと、スリット510cを通過した光の位
置を検出する位置検出素子(Position Sen
sitive Device)(以下、PSDという)
510dとを備えている。スリット510cは、IRE
D510aが発光した光線の幅を絞る。スリット510
cを通過した光は、PSD510dに入射し、PSD5
10dは、その受光面上の光の位置に応じた位置検出信
号を出力する。レンズ枠610は、スリット板510b
を取り付けているために、ブレ補正レンズ600の動き
がスリット510cの動きとなり、PSD510dの受
光面上の光の動きとなる。このために、PSD510d
の受光面上の光の位置は、ブレ補正レンズ600の位置
と等価になる。PSD510dによって出力された位置
検出信号は、駆動信号演算部452にフィードバックさ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のブレ補正装置
は、一般的に、カメラの静止状態における角速度センサ
100の出力信号(基準値)を、ブレ検出信号を積分す
るときの積分定数とし、カメラの角変位(ブレ角度)を
演算してブレを補正している。しかし、角速度センサ1
00の静止時における出力は、角速度センサ100の周
辺の環境や、電源を投入してからの経過時間により変化
(以下、ドリフトという)する。その結果、角速度セン
サ100の静止時における出力を予め測定しておいて、
この出力値を基準値にすることができなかった。このた
めに、角速度センサ100が検出を開始してから、角速
度センサ100の静止時における出力を何らかの手法で
演算する必要があった。
【0010】従来のブレ補正装置は、一般的に、撮影を
行う直前に、角速度センサ100がブレの検出を開始し
ていた。撮影者が手持ちにより撮影する場合において、
角速度センサ100がブレの検出を開始する時(撮影直
前)には、撮影者がカメラを既に手で保持している状態
にあり、撮影者の手ブレによってカメラが振動している
状態にある。このような状況下では、角速度センサ10
0の静止時における出力を直接測ることができないため
に、手ブレによる振動がのった角速度センサ100の出
力信号から、何らかの手法によって基準値を求める必要
がある。従来のブレ補正装置は、一般的に、移動平均法
又はその他の低周波透過フィルタによって、角速度セン
サ100の出力信号を処理し、基準値を演算していた。
しかし、このような基準値の演算方法は、三脚などの固
定装置によってカメラを固定したときに問題点があっ
た。
【0011】図9は、従来のブレ補正装置において固定
状態にあるときの角速度センサの出力及び基準値の演算
結果並びにブレ補正レンズの位置を示す図である。図9
(A)は、カメラが固定状態にあるときの角速度センサ
の出力信号と、従来の移動平均法による基準値の演算結
果とを一例として示す図である。図9(B)は、図9
(A)に示す角速度センサの出力信号及び基準値に基づ
いて演算したブレ補正レンズの位置を示す図である。
【0012】図9(A)に示すように、角速度センサが
静止しているにもかかわらず、角速度センサの出力信号
がドリフトしているために、角速度センサの出力信号
は、時間の経過とともに変化している。一方、図9
(A)に示すように、基準値の時間変化は、角速度セン
サの出力信号に似ているが、角速度センサの出力信号が
ドリフトするために、誤差(遅れ)が発生している。図
9(A)では、角速度センサが静止していることを前提
としているために、角速度センサの出力信号と基準値と
は、本来等しくなる必要がある。しかし、従来の基準値
の演算方法は、角速度センサの出力信号と基準値との間
に誤差を生じてしまうという問題点があった。
【0013】その結果、カメラが固定状態にあるときに
は、ブレ補正レンズは、ある一定位置に本来固定した状
態でなければならないが、図9(B)に示すように、ブ
レ補正レンズは、時間の経過とともに移動している。こ
のために、従来の基準値の演算方法では、三脚などにカ
メラを固定したときに、角速度センサのドリフトによっ
て基準値の演算誤差が発生し、ブレ補正レンズが不必要
な動きをして、撮影像が悪化してしまうという問題点が
あった。
【0014】このような問題点を解決するために、以下
に記載するようなブレ補正装置が提案されている。特開
昭63−298228号公報は、カメラ本体の下面に、
三脚への取り付けを検出する検出スイッチを備えるカメ
ラを開示している。このカメラは、手持ち撮影している
状態か、三脚に固定して撮影している状態かを、検出ス
イッチによって検出して、それぞれの状態に応じて、最
長シャッタ秒時を自動的に変えている。
【0015】特開平4−20947号公報は、ブレ検出
センサの出力をモニタして、三脚や台などによって固定
した状態にあるか否かを判断する固定検知回路を備える
カメラを開示している。このカメラは、固定状態である
ときには、ブレ補正光学系を駆動する駆動部の動作を停
止している。
【0016】特開平4−328534号公報は、ブレ信
号の周波数又は振幅に基づいて、固定状態にあるか否か
を判断する支持部材検知手段を備えるカメラを開示して
いる。このカメラは、固定状態であるときには、ブレ補
正手段によるブレ補正特性を可変している。
【0017】しかし、特開昭63−298228号公報
のカメラは、検出スイッチを本体下面に取り付ける必要
があり、部品点数が増加してしまうという問題点があっ
た。特開平4−20947号公報及び特開平4−328
534号公報のカメラは、周波数成分などの演算量が増
加するために、このような検出方法は、カメラへの実装
が困難であるという問題点があった。また、正確な周波
数情報などを得るためには、ある程度のデータ数が必要
となり、データを蓄積している間は、周波数成分の演算
を行うことができず、検出が遅れてしまうという問題点
があった。
【0018】本発明の課題は、撮影状態にかかわらず高
精度にブレを検出してブレを補正することができるブレ
検出装置及びブレ補正カメラを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易なものとするために、本発明の実施形態に対応する符
号を付して説明するが、これに限定するものではない。
すなわち、請求項1の発明は、ブレを検出し、ブレ検出
信号(ω)を出力(S400)するブレ検出部(10)
と、前記ブレ検出信号に基づいて、前記ブレ検出部が固
定状態にあるか否かを判定(S2600〜S3100)
する固定状態判定部(40)と、前記ブレ検出信号に基
づいて、このブレ検出信号の基準値(ω0 ,ω’0 )を
演算する基準値演算部(30)とを含み、前記基準値演
算部は、前記固定状態判定部の判定結果に応じて、前記
基準値を演算(S2200,S2300,S2500)
することを特徴とするブレ検出装置である。
【0020】請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ
検出装置において、前記固定状態判定部は、手持ち撮影
状態であるか固定撮影状態であるかを判定(S2600
〜S3100)することを特徴とするブレ検出装置であ
る。
【0021】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、
前記固定状態判定部の判定結果に基づいて、固定状態で
あるときの基準値(ω’0 )を演算(S2500)する
第1の基準値演算部(310)と、固定状態ではないと
きの基準値(ω0 )を演算する第2の基準値演算部(3
20)とを含むことを特徴とするブレ検出装置である。
【0022】請求項4の発明は、請求項3に記載のブレ
検出装置において、前記第1の基準値演算部は、前記固
定状態判定部が固定状態であると判定したときには、前
記ブレ検出信号を基準値(ω’0 )とする(S320
0,S3700)ことを特徴とするブレ検出装置であ
る。
【0023】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
に記載のブレ検出装置において、前記第2の基準値演算
部は、前記固定状態判定部が固定状態ではないと判定し
たときには、前記ブレ検出信号から低域周波数成分を抽
出して、前記基準値(ω0 )を演算(S2200,S2
300)することを特徴としているブレ検出装置であ
る。
【0024】請求項6の発明は、請求項3から請求項5
までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前
記第1の基準値演算部は、前記固定状態判定部が固定状
態ではないと判定したときには、前記基準値(ω’0
の演算を停止(S4000)し、前記第2の基準値演算
部は、前記固定状態判定部が固定状態であると判定した
ときには、前記基準値(ω0 )の演算を停止(S360
0)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0025】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前
記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の微分値
(Δω’)を演算(S3100)する微分値演算部(4
20)と、前記微分値演算部の出力信号に基づいて、前
記ブレ検出信号の極値を検出(S3100)する極値検
出部(430)と、前記ブレ検出部がブレ検出を開始し
てからの経過時間(n)を計測(S2000)する経過
時間計測部(90)とを含み、前記固定状態判定部は、
前記極値及び前記経過時間に基づいて、前記ブレ検出部
が固定状態にあるか否かを判定(S2600〜S310
0)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0026】請求項8の発明は、請求項7に記載のブレ
検出装置において、前記固定状態判定部は、前記経過時
間が所定時間(TH)に達する前に、前記極値が検出さ
れなかったときには、固定状態である判定し、前記経過
時間が所定時間に達する前に、前記極値が検出されたと
きには、固定状態ではないと判定(S3300)するこ
とを特徴とするブレ検出装置である。
【0027】請求項9の発明は、請求項1から請求項6
までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前
記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の微分値
(Δω’)を演算して、この微分値の絶対値を出力する
傾き演算部(450)と、前記ブレ検出部がブレ検出を
開始してからの経過時間を計測する経過時間計測部とを
含み、前記固定状態判定部は、前記絶対値及び前記経過
時間に基づいて、前記ブレ検出部が固定状態にあるか否
かを判定することを特徴とするブレ検出装置である。
【0028】請求項10の発明は、請求項9に記載のブ
レ検出装置において、前記固定状態判定部は、前記経過
時間が所定時間に達する前に、前記絶対値が所定値(D
L)以下であるときには、固定状態である判定し、前記
経過時間が所定時間に達する前に、前記絶対値が所定値
よりも大きいときには、固定状態ではないと判定するこ
とを特徴とするブレ検出装置である。
【0029】請求項11の発明は、請求項7から請求項
10までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記ブレ検出信号からノイズ成分を除去(S280
0,S2900)するノイズ除去部(410)を備え、
前記微分値演算部又は前記傾き演算部は、前記ノイズ除
去部の出力信号に基づいて、前記ブレ検出信号の微分値
を演算することを特徴とするブレ検出装置である。
【0030】請求項12の発明は、請求項7から請求項
11までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記所定時間をt〔秒〕とし、固定状態であるとき
の前記ブレ検出信号の典型的な周波数をF〔Hz〕と
し、固定状態ではないときの前記ブレ検出信号の典型的
な周波数をf〔Hz〕としたときに、前記所定時間t
は、1/(2F)<t<1/(2f)であることを特徴
としているブレ検出装置である。
【0031】請求項13の発明は、請求項7から請求項
12までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記微分値演算部、前記極値検出部、前記傾き演算
部及び前記ノイズ除去部は、前記ブレ検出部が検出可能
な状態になったときに動作を開始し、前記固定状態判定
部の判定終了後に動作を終了することを特徴とするブレ
検出装置である。
【0032】請求項14の発明は、請求項1から請求項
13までのいずれか1項に記載のブレ検出装置と、ブレ
を補正するブレ補正光学系(60)と、前記ブレ補正光
学系を駆動する駆動部(50)と、前記ブレ検出装置か
らの前記ブレ検出信号の基準値に基づいて、前記駆動部
を駆動制御する制御部(45)とを含むことを特徴とす
るブレ補正カメラ(70,80)である。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図面を参
照して、本発明の第1実施形態について、さらに詳しく
説明する。まず、本発明の第1実施形態に係るブレ検出
装置を内蔵する一眼レフカメラについて説明し、このブ
レ検出装置の概要を説明する。図1は、本発明の第1実
施形態に係るブレ検出装置を内蔵する一眼レフカメラの
ブロック図である。以下では、図8に示す部材又はブロ
ックと同一の部材又はブロックは、対応する番号を付し
て説明し、その詳細な説明は省略する。
【0034】角速度センサ10は、カメラに印加する振
動を検出するセンサである。角速度センサ10は、カメ
ラに作用するコリオリ力を利用することで角速度値を検
出して、検出結果を電圧値(角速度信号)として出力す
る。角速度センサ10は、X軸回りの角速度を検出する
ピッチ検出用の角速度センサと、Y軸回りの角速度を検
出するヨー検出用の角速度センサとからなる2つのセン
サを通常搭載している。図1では、一方の角速度センサ
については、図示を省略している。角速度センサ10
は、半押しタイマ90がON動作を維持し、電源供給部
130が電源を供給している間は、カメラに印加する振
動を検出することができる。角速度センサ10は、検出
した角速度信号を増幅部20に出力する。ここで、角速
度センサ10の出力信号は、以下の数1に示すように、
時間的に等間隔でサンプリングされている。
【0035】
【数1】
【0036】ここで、かっこ内の数字は、半押しタイマ
90がカウントするカウント値であり、n=0(ゼロ)
は、角速度センサ10が検出を開始した時のカウント値
である。以下では、この表記方法を用いて説明する。
【0037】増幅部20は、角速度センサ10の出力電
圧値を増幅するものである。増幅部20は、角速度セン
サ10が出力する角速度信号を増幅処理して、増幅した
角速度信号(ブレ検出信号)を、基準値演算部30と、
固定状態判定部40と、駆動信号演算部45とに出力す
る。
【0038】固定状態判定部40は、増幅部20が出力
するブレ検出信号及び半押しタイマ90が出力するカウ
ント値に基づいて、角速度センサ10が固定状態である
か否かを判定するものである。固定状態判定部40は、
カメラボディ70及び交換レンズ80が、振動を受け難
く移動しない三脚や台などに固定した状態(以下、固定
状態という)であるか、手持ちや不安定な場所に置いた
状態(以下、非固定状態という)であるかを判定する。
固定状態判定部40は、判定結果に応じた判定信号を、
基準値演算部30に出力する。
【0039】図2は、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における固定状態判定部及び基準値演算部のブ
ロック図である。固定状態判定部40は、図2に示すよ
うに、ノイズ除去部410と、微分演算部420と、極
値検出部430と、判定部440とからなる。なお、ノ
イズ除去部410、微分演算部420、極値検出部43
0及び判定部440の少なくとも一つは、角速度センサ
10が検出可能な状態になったときにこれらの動作を開
始し、判定部440が判定動作を終了した後に、これら
の動作を終了する。
【0040】ノイズ除去部410は、増幅部20が出力
するブレ検出信号からノイズ成分を取り除くものであ
る。微分演算部420がブレ検出信号をそのまま微分演
算しても、ノイズを単に増幅するだけで必要な演算結果
を得ることができない。このために、ノイズ除去部41
0は、微分演算部420によって微分演算を行う前に、
角速度センサ10自体のノイズや増幅部20のノイズを
ブレ検出信号から除去する。ノイズ除去部410は、例
えば、移動平均や高周波カットのディジタルフィルタな
どの手法によってノイズを除去する。本発明の実施形態
では、ノイズ除去部410は、演算上最も容易に実現可
能な、以下の数2に示す角速度信号ωの移動平均を演算
して、ノイズを除去する。
【0041】
【数2】
【0042】数2は、m個の角速度データの平均を演算
する意味であり、サンプリング毎にm個の加算演算を行
う。ノイズ除去部410は、演算効率を上げて、より高
速な演算を行うときには、以下に示す数3によって演算
する。
【0043】
【数3】
【0044】ここで、ブレ検出信号からノイズ成分を落
とし、撮影者などの手ブレによる振動成分のみを効率よ
く取り出すためには、移動平均を演算する際のデータ数
の設定に注意する必要がある。通常、人間の手ブレによ
る振動は、約1Hz〜20Hz程度の周波数成分を含
み、角速度センサ10や増幅部20によるノイズは、数
100Hzの周波数成分が支配的である。このために、
例えば、角速度データを1.0ms毎にサンプリングす
るときには、演算に使用するデータ数mを、m=4〜8
(時間換算で4ms〜8ms)に設定するのが好まし
い。その結果、角速度センサ10や増幅部20によるノ
イズを効率的に落として、手ブレによる振動成分を抽出
することができる。
【0045】また、ノイズ除去部410は、演算に使用
するデータ数mにカウント値nが満たないときには、数
2又は数3の演算をすることができないために、以下に
示す数4によって演算する。
【0046】
【数4】
【0047】また、ノイズ除去部410は、演算速度を
上げるときには、数4を変形して、以下に示す数5によ
って演算する。
【0048】
【数5】
【0049】ノイズ除去部410は、ノイズ成分を除去
した後のブレ検出信号ω’を、微分演算部420に出力
する。
【0050】微分演算部420は、ノイズ除去部410
が出力するブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号
の微分値を演算するものである。微分演算部420は、
例えば、以下に示す数6によって微分値Δω’(n)を
演算する。
【0051】
【数6】
【0052】数6は、1サンプリング前の角速度データ
ω’(n−1)を用いて微分演算を実行する意味であ
る。微分演算部420は、ノイズ除去部410によるノ
イズ除去が不十分であり、手ブレによる振動成分の微分
値を正しく演算できないようなときには、kサンプリン
グ前の角速度データω’(n−k)を用いて、以下に示
す数7によって微分値Δω’(n)を演算する。
【0053】
【数7】
【0054】微分演算部420は、数6又は数7による
微分値Δω’(n)を微分値信号として、極値検出部4
30に出力する。
【0055】極値検出部430は、微分演算部420が
出力する微分値信号に基づいて、ブレ検出信号の極値を
検出するものである。極値検出部430は、ブレ検出信
号に極値が発生すると、微分値Δω’(n)の符号が極
値の前後で変わるために、以下に示す数8によって符号
の変化を検出する。
【0056】
【数8】
【0057】なお、極値検出部430は、以下に示す数
9によって、符号の変化を検出して極値を検出してもよ
い。
【0058】
【数9】
【0059】極値検出部430は、ブレ検出信号の極値
を検出したきには、極値検出信号を判定部430に出力
する。
【0060】判定部440は、極値検出部430が出力
する極値検出信号と、半押しタイマ90が出力するカウ
ント値とに基づいて、角速度センサ10が固定状態にあ
るか否かを判断するものである。判定部440は、角速
度センサ10が角速度の検出を開始してから所定時間内
に、極値検出部430がブレ検出信号の極値を検出しな
かったときには、カメラボディ70及び交換レンズ80
が固定状態であると判定する。一方、判定部440は、
角速度センサ10が角速度の検出を開始してから所定時
間内に、極値検出部430がブレ検出信号の極値を検出
したときには、カメラボディ70及び交換レンズ80が
非固定状態であると判定する。判定部440は、判定結
果に応じた判定信号を、基準値出力切替部330に出力
する。
【0061】図3は、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における判定部の判定方法を説明するための図
である。図3(A)は、固定状態における角速度センサ
の出力信号(ドリフト)と、手持ち撮影時における角速
度センサの出力信号(手ブレ信号)とを一つのグラフに
示した図である。図3(B)は、非固定状態における角
速度センサの出力信号(ドリフト)と、手持ち撮影時に
おける角速度センサの出力信号(手ブレ信号)とを一つ
のグラフに示した図である。ここで、角速度センサ10
は、時刻t0 においてブレの検出を開始したものとす
る。
【0062】人間の手ブレによる周波数は、1Hz〜2
0Hz程度の周波数成分を含み、角速度センサ10のド
リフトの周波数成分は、1Hzよりも低い低周波成分が
支配的であり、それぞれ周波数成分が異なる。このため
に、角速度センサ10が検出を開始してから最初の極値
が現れるまでの時間は、固定状態と非固定状態とでは異
なる。図3(A)に示すように、手ブレ信号には、時刻
1 において最初の極値が現れているが、ドリフトには
極値が現れていない。一方、図3(B)に示すように、
手ブレ信号には、図3(A)に示す固定状態のときと同
様に、時刻t1 において最初の極値が現れており、ドリ
フトには、時刻t2 において極値が現れている。但し、
図3(B)において、時刻t1 <時刻t2 である。
【0063】図3に示すように、ドリフト成分に最初の
極値が現れる時刻よりも、手ブレ信号に最初の極値が現
れる時刻t1 のほうが早く、角速度センサ10が検出を
開始してからブレ検出信号(ドリフト)に極値が現れる
までの時間は、非固定状態時のほうが固定状態時よりも
早い。半押しタイマ90は、角速度センサ10がブレの
検出を開始するのと同時に、経過時間の計測を開始し、
極値検出部430は、ブレ検出信号の極値を観測する。
その結果、判定部440は、半押しタイマ90が計測し
た経過時間(カウント値)と、極値検出部430が検出
した極値とに基づいて、所定時間内に極値が現れたとき
には、角速度センサ10が非固定状態にあると判定す
る。一方、判定部440は、所定時間内に極値が現れな
かったときには、角速度センサ10が固定状態にあると
判定する。
【0064】図1に示す基準値演算部30は、増幅部2
0が出力するブレ検出信号に基づいて、駆動信号演算部
45が駆動信号を演算するために必要な基準値(ブレ補
正制御の基準値)を演算するものである。基準値演算部
30は、固定状態判定部40が出力する判定信号に基づ
いて、基準値の演算方法を変える。基準値演算部30
は、図2に示すように、第1の基準値演算部310と、
第2の基準値演算部320と、基準値出力切替部330
とからなる。
【0065】第1の基準値演算部310は、増幅部20
が出力するブレ検出信号に基づいて、角速度センサ1が
固定状態にあるときの基準値を演算するものである。第
1の基準値演算部310は、カメラボディ70及び交換
レンズ80が固定状態であるときには、ブレ補正レンズ
60を一ヶ所に固定して置くために、以下の数10に示
すように、角速度信号ωを基準値ω’0 とする。
【0066】
【数10】
【0067】このために、駆動信号演算部45は、駆動
信号を常にゼロにして出力し、ブレ補正レンズ60を一
ヶ所に固定する定位置制御を行う。その結果、角速度セ
ンサ10のドリフトによって、ブレ補正レンズ60が不
必要に駆動することがなくなり、三脚などに固定した状
態であっても、像の劣化がない写真を撮影することがで
きる。
【0068】第2の基準値演算部320は、増幅部20
が出力するブレ検出信号に基づいて、角速度センサ1が
非固定状態にあるときの基準値を演算するものである。
第2の基準値演算部320は、カメラボディ70及び交
換レンズ80が非固定状態であるときには、以下の数1
1に示す移動平均によって基準値ω0 を演算する。
【0069】
【数11】
【0070】数11は、平均の演算に使用する角速度信
号ωのデータ数K0が数2と相違する。数2は、角速度
センサ10などの高周波ノイズのみを落とすために、デ
ータ数mは、数データ程度であるが、数11は、角速度
信号から低周波成分を抽出して基準値ω0 を演算する必
要があるために、演算用のデータ数K0を多くする必要
がある。データ数K0は、例えば、0.7s〜1.0s
分程度であり、角速度データを1.0ms毎にサンプリ
ングするときには、700〜1000個程度である。第
2の基準値演算部320は、演算負荷を軽減するときに
は、数3に類似する以下に示す数12によって、基準値
ω0 を演算する。
【0071】
【数12】
【0072】人間の手ブレによる角速度信号は、概ね1
Hz〜20Hz程度の周波数成分を含み、3Hz〜8H
z程度の周波数成分が支配的である。このために、カメ
ラボディ70及び交換レンズ80が非固定状態であると
きには、角速度センサ10が角速度を検出してから約5
0ms〜100ms程度の後に、ブレ検出信号に極値が
現れる。このときに、半押しタイマ90によるカウント
値nは、n<K0であるために、第2の基準値演算部3
20は、数12によって基準値ω0 を演算することがで
きない。第2の基準値演算部320は、カウント値nが
n<K0であって、半押しタイマ90によるカウントが
あまり進んでいないときには、以下に示す数13によっ
て基準値ω0 を演算する。
【0073】
【数13】
【0074】第2の基準値演算部320は、演算速度を
上げたいときには、数13を変形して、以下に示す数1
4によって基準値ω0 を演算する。
【0075】
【数14】
【0076】基準値出力切替部330は、判定部440
が出力する判定信号に基づいて、基準値ω’0 ,ω0
出力を切り替えるものである。基準値出力切替部330
は、判定部440が固定状態であると判断したときに
は、第1の基準値演算部310が演算した基準値ω’0
に切り替える。また、基準値出力切替部330は、判定
部440が非固定状態であると判断したときには、第2
の基準値演算部320が演算した基準値ω0 に切り替え
る。基準値出力切替部330は、第1の基準値演算部3
10又は第2の基準値演算部320の演算結果を、駆動
信号演算部45に出力する。
【0077】図1に示す駆動信号演算部45は、増幅部
20が出力したブレ検出信号と、基準値演算部30が演
算した基準値とに基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動
制御するための駆動信号を演算するものである。駆動信
号演算部45は、ブレ検出信号(角速度信号)ωから基
準値ω0 を減算して積分演算する。駆動信号演算部45
は、この積分演算により角速度信号ωを角変位信号θに
変換し、さらに、この角変位信号θに応じた駆動信号に
変換する。駆動信号演算部45は、以下に示す数15に
よって駆動信号を演算し、この駆動信号を駆動部50に
出力する。
【0078】
【数15】
【0079】ここで、Cは、レンズの焦点距離やその他
の条件で決まる定数である。駆動部50は、駆動信号演
算部45が出力する駆動信号に基づいて、ブレ補正レン
ズ60を駆動するものである。駆動部50は、図8に示
すように、ブレ補正レンズ60を駆動するアクチュエー
タと、ブレ補正レンズ60の駆動位置を検出するための
位置検出装置などを備えている。
【0080】ブレ補正レンズ60は、撮影光路を変更し
てブレを補正するレンズである。ブレ補正レンズ60
は、例えば、光軸I方向に対して略直交する平面内(図
中XY平面内)で駆動する単レンズ又は複数枚のレンズ
により構成したレンズ群である。ブレ補正レンズ60
は、撮影装置の結像光学系に内蔵されている。ブレ補正
レンズ60は、駆動部50が出力する駆動信号に基づい
て、光軸Iと略直交する方向に駆動して、結像光学系の
光軸Iを偏向する。写真などにおける像のブレは、カメ
ラに加わる手ブレなどの振動によって、結像面(フィル
ム面)の像が露光中に動くことで発生する。図1に示す
一眼レフカメラは、角速度センサ10などの振動検出セ
ンサが、カメラに加わる振動を検出するために、その振
動による結像面の像の動きを知ることができる。このた
めに、結像面上の像の動きを止めるように、ブレ補正レ
ンズ60を駆動することによって、像ブレを補正するこ
とができる。
【0081】交換レンズ80は、ブレ補正レンズ60を
含む撮影光学系などを備えている。交換レンズ80は、
カメラボディ70に着脱自在に取り付けられており、交
換可能である。
【0082】電源供給部130は、角速度センサ10な
どに電源を供給するためのものである。電源供給部13
0は、半押しスイッチSW1のON動作と同時に角速度
センサ10に電源を供給する。電源供給部130は、半
押しタイマ90がON状態にある間は、角速度センサ1
0への電源の供給を続けるが、半押しタイマ90がOF
F動作すると、角速度センサ10への電源の供給を停止
する。
【0083】半押しタイマ90は、半押しスイッチSW
1のON動作と同時にON動作するタイマである。半押
しタイマ90は、半押しスイッチSW1を押している間
はON状態を維持し、半押しスイッチSW1がOFF動
作となってからも一定時間はON状態を維持する。半押
しタイマ90は、ON動作と同時にカウントを開始し、
ON動作の間はカウントを継続する。半押しタイマ90
は、カウント結果(カウント値)を固定状態判定部40
に出力する。
【0084】半押しスイッチSW1は、一連の撮影準備
動作を開始するためのスイッチである。半押しスイッチ
SW1は、図示しないレリーズボタンの半押し動作に連
動してON動作する。
【0085】全押しスイッチSW2は、カメラの露光動
作などの撮影動作を開始するためのスイッチである。全
押しスイッチSW2は、レリーズボタンの全押し動作に
連動してON動作する。
【0086】つぎに、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置の動作を説明する。図4は、本発明の第1実施
形態に係るブレ検出装置を内蔵する一眼レフカメラの動
作を説明するためのフローチャートである。このフロー
は、図示しないカメラボディの電源スイッチ(メインス
イッチ)がON動作したときにスタートし、メインスイ
ッチがON動作を維持している間は継続し、メインスイ
ッチがOFF動作したときに終了する。
【0087】ステップ(以下、Sとする)100におい
て、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが
判断される。半押しスイッチSW1がON動作している
ときには、S200に進み、半押しスイッチSW1がO
N動作していないときには、S900に進む。
【0088】S200において、半押しタイマ90がO
FF動作しているか否かが判断される。半押しタイマ9
0がOFF動作しているときには、S300に進み、半
押しタイマ90がOFF動作していない(ON動作して
いる)ときには、S1000に進む。
【0089】S300において、半押しタイマ90がO
N動作する。S300に進むときには、半押しタイマ9
0がOFF動作の状態で、半押しスイッチSW1が初め
てON動作したときである。半押しスイッチSW1のO
N動作に同期して、半押しタイマ90もON動作する。
【0090】S400において、角速度センサ10がO
N動作する。電源供給部130は、半押しタイマ90の
ON動作に同期して、角速度センサ10に電源を供給
し、角速度センサ10がON動作する。角速度センサ1
0は、カメラボディ70及び交換レンズ80に生じる振
動を検出し、角速度信号を出力する。
【0091】S500において、基準値演算部30は、
基準値の演算を開始する。第1の基準値演算部310
は、数10に示すように、増幅部20が出力するブレ検
出信号ωを基準値ω’0 として出力する。また、第2の
基準値演算部320は、増幅部20が出力するブレ検出
信号ωに基づいて、数11〜数14のいずれか一つによ
って基準値ω0 の演算を開始する。
【0092】S600において、ブレ補正レンズ60が
駆動を開始する。駆動部50は、駆動信号演算部45が
数15によって演算した駆動信号に基づいて、ブレ補正
レンズ60を駆動する。
【0093】S700において、全押しスイッチSW2
がON動作しているか否かが判断される。全押しスイッ
チSW2がON動作しているときには、S800に進
み、全押しスイッチSW2がON動作していないときに
は、S100に戻り、半押しスイッチSW1がON動作
しているか否かが判断される。
【0094】S800において、撮影動作が行われる。
図示しないシャッタ機構によりシャッタの開閉、フィル
ム巻き上げ機構によるフィルムの巻き上げなどの一連の
撮影動作が行われる。撮影終了後は、S100に戻る。
【0095】S900において、半押しタイマ90がO
N動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90
がON動作しているときには、S1000に進み、半押
しタイマ90がON動作していないときには、S130
0に進む。
【0096】S1000において、角速度センサ10が
ON動作を継続する。半押しタイマ90がON動作して
いる間は、電源供給部130は、角速度センサ10に電
源を供給している。角速度センサ10は、振動の検出が
可能な状態にあり、振動の検出を継続する。
【0097】S1100において、基準値演算部30
は、基準値の演算を継続する。第1の基準値演算部31
0は、角速度センサ10がON動作している間は、ブレ
検出信号ωを基準値ω’0 として継続して出力し、第2
の基準値演算部320は、角速度センサ10がON動作
している間は、基準値ω0 の演算を継続する。
【0098】S1200において、ブレ補正レンズ60
が駆動を継続する。
【0099】S1300において、ブレ補正レンズ60
の駆動が停止される。S1300に進む時点において、
ブレ補正レンズ60が駆動しているときには、駆動部5
0は、ブレ補正レンズ60の駆動を停止する。S130
0に進む時点において、ブレ補正レンズ60の駆動を停
止しているときには、S1300を飛ばしてS1400
に進む。
【0100】S1400において、基準値演算部30
は、基準値の演算を停止する。S1400に進む時点に
おいて、第1の基準値演算部310がブレ検出信号ωを
基準値ω’0 として出力しているときには、出力を停止
し、第2の基準値演算部320が基準値ω0 を演算して
いるときには、演算を停止する。S1400に進む時点
において、基準値演算部30が基準値ω’0 ,ω0 の出
力又は演算を既に停止しているときには、S1400を
飛ばしてS1500に進む。
【0101】S1500において、角速度センサ10が
OFF動作する。S1500に進む時点において、電源
供給部130が角速度センサ10に電源を供給している
ときには、電源の供給を停止し、角速度センサ10がO
FF動作して、S100に戻る。S1500に進む時点
において、角速度センサ10が既にOFF動作している
ときには、S1500を飛ばしてS100に戻る。
【0102】つぎに、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における固定状態判定部及び基準値演算部の動
作を中心として説明する。図5は、本発明の第1実施形
態に係るブレ検出装置における固定状態判定部及び基準
値演算部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【0103】S2000において、半押しタイマ90
は、カウント値nをゼロにセットし、判定部440は、
フラグ(以下、flagという)をゼロにセットする。
半押しタイマ90は、カウント値nをゼロにセットし
て、カウントを開始する。なお、判定部440は、カメ
ラボディ70及び交換レンズ80が固定状態であると判
定したときには、flag=0にセットし、非固定状態
であると判定したときには、flag=1にセットす
る。
【0104】S2100において、基準値演算部30
は、カウント値nがデータ数K0よりも大きいか否かを
判断する。カウント値nがデータ数K0よりも大きいと
きには、S2200に進み、カウント値nがデータ数K
0以下であるときには、S2300に進む。
【0105】S2200において、第2の基準値演算部
320は、数11又は数12によって基準値を演算す
る。第2の基準値演算部320は、角速度センサ10が
非固定状態にあるときの基準値ω0 を、数11又は数1
2によって演算する。
【0106】S2300において、第2の基準値演算部
320は、数13又は数14によって基準値を演算す
る。第2の基準値演算部320は、角速度センサ10が
非固定状態にあるときの基準値ω’0 を、数13又は数
14によって演算する。
【0107】S2400において、基準値演算部30
は、flag=0(ゼロ)であるか否かを判断する。f
lag=0(ゼロ)であるときには、S2500に進
み、flag=1であるときには、S3900に進む。
【0108】S2500において、第1の基準値演算部
310は、数10によって基準値を演算する。第1の基
準値演算部310は、増幅部20が出力するブレ検出信
号(角速度信号)ωを基準値ω’0 とする。
【0109】S2600において、判定部440は、カ
ウント値nが判定値THよりも小さいか否かを判定す
る。カウント値nが判定値THよりも小さいときには、
S2700に進み、カウント値nが判定値TH以上であ
るときには、S3500に進む。判定部440は、カウ
ント値nが判定値THに達するまでに、極値検出部43
0が極値を検出したときには、角速度センサ10が非固
定状態であると判定する。一方、判定部440は、カウ
ント値nが判定値THに達するまでに、極値検出部43
0が極値を検出しなかったときには、角速度センサ10
が固定状態であると判定する。このために、判定値TH
は、人間の手ブレの周波数から決定するのが最適であ
る。人間の手ブレを周波数f〔Hz〕の正弦波と仮定し
たときに、角速度センサ10が手ブレの検出を開始して
から長くても1/(2f)〔s〕の間に必ず極値が現れ
る。その結果、判定値THは、以下に示す数16によっ
てほぼ定まる。
【0110】
【数16】
【0111】ここで、SMPLは、サンプリング時間
〔s〕である。人間の手ブレは、1Hz〜20Hz程度
の周波数を含むが、一般的に、3Hz〜8Hz程度が支
配的である。このために、判定値THは、実際の人間の
手ブレに適用するときには、数16において周波数fを
3〜8〔Hz〕に設定して、サンプリング時間SMPL
を1.0〔ms〕に設定すると、TH=60〜170と
なる。一方、角速度センサ10のドリフトは、1Hzよ
りも低い周波数成分が支配的である。このために、判定
値THは、数16において周波数fを1〔Hz〕に設定
して、サンプリング時間SMPLを1.0〔ms〕に設
定すると、TH=500となる。判定部440は、判定
値THの値を60〜500であって、好ましくは、60
〜170に設定して、角速度センサ10が固定状態にあ
るか非固定状態にあるかを、効率的に判定することがで
きる。なお、判定部440は、カウント値nが判定値T
Hを越えたと判定したときには、固定状態か非固定状態
かを既に判定しているために、固定状態判定部40及び
基準値演算部30は、S2700〜S3400の処理を
しなくてもよい。
【0112】S2700において、判定部440は、カ
ウント値nがデータ数mよりも大きいか否かを判定す
る。カウント値nが、データ数mよりも大きいときに
は、S2800に進み、カウント値nが、データ数m以
下であるときには、S2900に進む。
【0113】S2800において、ノイズ除去部410
は、数2又は数3によって、増幅部20が出力するブレ
検出信号からノイズ成分を除去する。
【0114】S2900において、ノイズ除去部410
は、数4又は数5によって、増幅部20が出力するブレ
検出信号からノイズ成分を除去する。ノイズ除去部41
0は、移動平均の演算に使用するデータ数mにカウント
値nが満たないために、数4又は数5によって、ブレ検
出信号からノイズ成分を除去する。
【0115】S3000において、判定部440は、カ
ウント値nが所定値kよりも大きいか否かを判定する。
カウント値nが所定値kよりも大きいときには、S31
00に進み、カウント値nが所定値k以下であるときに
は、S3200に進む。
【0116】S3100において、判定部440は、微
分値Δω’(n)と1サンプリング前の微分値Δω’
(n−1)とを乗算した値が、ゼロよりも大きいか否か
を判定する。微分演算部420は、ノイズ除去部410
が出力する角速度信号ωの微分値Δω’を、数6又は数
7によって演算する。極値検出部430は、角速度信号
ωに極値が発生したか否かを、数8又は数9によって判
定する。微分値Δω’(n)と1サンプリング前の微分
値Δω’(n−1)とを乗算した値が、正であるときに
は、S3200に進む。微分値Δω’(n)と1サンプ
リング前の微分値Δω’(n−1)とを乗算した値が、
ゼロ又は負であるときには、S3300に進む。
【0117】S3200において、基準値出力切替部4
5は、固定時の基準値を出力する。基準値出力切替部4
5は、第1の基準値演算部310が演算した基準値ω’
0 を出力する。その結果、駆動信号演算部45は、駆動
信号を常にゼロにして出力して、ブレ補正レンズ60を
一ヶ所に固定する定位置制御を行う。なお、基準値出力
切替部45は、第2の基準値演算部320が演算した非
固定時の基準値ω0 を出力してもよい。
【0118】S3300において、判定部440は、f
lag=1にセットする。S3300に進むときには、
角速度センサ10が非固定状態であると判定部440が
判定したときである。判定部440は、角速度センサ1
0が非固定状態であるために、flag=1にセットす
る。
【0119】S3400において、半押しタイマ90
は、カウント値nを1つインクリメント(n+1)し
て、S2100に戻る。
【0120】S3500において、ノイズ除去部410
は、数2又は数3による演算を停止する。S3500に
進むときには、判定部440は、カウント値nが判定値
TH以上であると判定しており、角速度センサ10が固
定状態である。このために、基準値演算部30及び固定
状態判定部45は、S2700〜S3400の処理を行
う必要がなく、ノイズ除去部410は、数2又は数3に
よる演算を停止する。なお、S3500に進む時点にお
いて、ノイズ除去部410が数2又は数3の演算に移行
していないときには、数4又は数5の演算を停止する。
【0121】S3600において、第2の基準値演算部
320は、数11又は数12による演算を停止する。S
3600に進むときには、角速度センサ10が固定状態
であるために、非固定時の基準値ω0 を演算する必要が
ない。このために、第2の基準値演算部320は、数1
1又は数12による基準値ω0 の演算を停止する。S3
600に進む時点において、第2の基準値演算部320
が、数11又は数12の演算に移行していないときに
は、数13又は数14の演算を停止する。なお、S36
00とS3500とは、順序を入れ替えてもよい。
【0122】S3700において、基準値出力切替部4
5は、固定時の基準値を出力する。第1の基準値演算部
310は、増幅部20が出力するブレ検出信号(角速度
信号)ωを基準値ω’0 として出力し、駆動信号演算部
45は、駆動信号を常にゼロにして出力して、ブレ補正
レンズ60を一ヶ所に固定する定位置制御を行う。
【0123】S3800において、半押しタイマ90
は、カウント値nを1つインクリメント(n+1)し
て、S2400に戻る。なお、S2500に戻ってもよ
い。
【0124】S3900において、ノイズ除去部410
は、数2又は数3による演算を停止する。S3900に
進むときには、基準値演算部30は、flag=1であ
ると判断しており、角速度センサ10が非固定状態であ
る。このために、基準値演算部30及び固定状態判定部
45は、S2700〜S3400の処理を行う必要がな
く、ノイズ除去部410は、数2又は数3による演算を
停止する。なお、S3900に進む時点において、ノイ
ズ除去部410が数2又は数3の演算に移行していない
ときには、数4又は数5の演算を停止する。
【0125】S4000において、第1の基準値演算部
310は、数10による演算を停止する。S4000に
進むときには、角速度センサ10が非固定状態であるた
めに、固定時の基準値ω’0 を演算する必要がない。こ
のために、第1の基準値演算部310は、数10による
基準値ω’0 の演算を停止する。なお、S4000とS
3900とは、順序を入れ替えてもよい。
【0126】S4100において、基準値出力切替部4
5は、非固定時の基準値を出力して、S3400に進
む。基準値出力切替部45は、第2の基準値演算部32
0が演算した基準値ω0 を駆動信号演算部45に出力
し、駆動信号演算部45は、この基準値に基づいて駆動
信号を演算して、ブレ補正レンズ60を駆動制御する。
【0127】図6は、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における固定状態にあるときの角速度センサの
出力及び基準値の演算結果並びにブレ補正レンズの位置
を示す図である。図6(A)は、カメラが固定状態にあ
るときの角速度センサの出力信号と、基準値の演算結果
とを示す図である。図6(B)は、図6(A)に示す角
速度信号の出力信号及び基準値に基づいて、駆動信号演
算部が演算したブレ補正レンズの位置を示す図である。
【0128】図6(A)に示すように、角速度センサ1
0は固定状態にあるが、角速度センサ10の出力値は、
角速度センサ10自体のドリフトや増幅部20のドリフ
トによって、時間の経過とともに変化している。本発明
の第1実施形態は、角速度センサ10が固定状態である
ときには、数10に示すように、角速度センサ10が出
力する角速度信号ωを基準値ω’0 として出力してい
る。駆動信号演算部45は、基準値ω’0 に基づいて、
角速度信号ωを数15により積分し、駆動信号をゼロに
して出力する。このために、図6(B)に示すように、
ブレ補正レンズ60は、一ヶ所に固定した状態となる。
その結果、角速度センサ10のドリフトによって、基準
値に演算誤差が生じ、カメラを固定しているのにもかか
わらずブレ補正レンズ60が動いて、撮影像が悪化して
しまうような、従来のブレ補正装置の問題点を解決する
ことができる。
【0129】本発明の第1実施形態は、角速度センサ1
0が固定状態であるか非固定状態であるかを、ブレ検出
信号ωに基づいて判定している。このために、三脚など
への取り付けを検出する検出スイッチを、カメラの下面
に設ける必要がなく、部品点数が増加するのを防止する
ことができる。また、台などにカメラを固定した場合で
あっても、固定状態を確実に判定することができる。
【0130】本発明の第1実施形態は、ブレ検出信号ω
に基づいて極値検出部430が極値を検出している。こ
のために、ブレ検出信号ωの周波数成分に基づいて固定
状態を判定する場合に比べて、角速度信号ωのデータ数
が半分以下で足り、固定状態を素早く検出することがで
きる。その結果、データを数多く蓄積する必要がなくな
るために、データを蓄積している間は、周波数成分の演
算ができずに、三脚へのカメラの取り付けを検出するの
が遅れてしまうという問題点を解決することができる。
また、周波数分布を演算するよりも演算量が少なくなる
ために、CPUなどの演算負荷を軽減することができる
とともに、容易に実装することができる。
【0131】本発明の第1実施形態は、角速度センサ1
0が非固定状態であるときには、第1の基準値演算部3
10が基準値ω’0 の演算を停止している。また、角速
度センサ10が固定状態であるときには、第2の基準値
演算部320が基準値ω0 の演算を停止している。この
ために、第1の基準値演算部310又は第2の基準値演
算部320は、判定部440の判定結果に応じて、演算
処理を停止するために、電力消費を低減することができ
る。
【0132】本発明の第1実施形態は、角速度センサ1
0が固定状態であるときには、第2の基準値演算部32
0が基準値ω0 を演算している。このために、駆動信号
演算部45は、この基準値ω0 に基づいてブレ補正レン
ズ60を駆動制御して、ブレ補正レンズ60によってブ
レを正確に補正することができる。
【0133】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態に係るブレ検出装置における固定状態判定部及び
基準値演算部のブロック図である。以下では、図2に示
すブロックと同一のブロックは、同一の番号を付して説
明し、そのブロックの詳細な説明は省略する。
【0134】本発明の第2実施形態は、第1実施形態に
おける微分演算部420及び極値検出部430に代え
て、傾き演算部450を設けた他の実施形態である。傾
き演算部450は、ノイズ除去部410が出力するブレ
検出信号に基づいて、このブレ検出信号の微分値を演算
して、この微分値の絶対値を演算するものである。傾き
演算部450は、以下に示す数17によって、ブレ検出
信号の傾きの絶対値|Δω’|を演算する。
【0135】
【数17】
【0136】ここで、kは、正数であり、|Δω’|
は、微分値Δω’の絶対値を示す。傾き演算部450
は、数17により演算した傾きの絶対値を傾き信号とし
て、判定部440に出力する。
【0137】判定部440は、半押しタイマ90がカウ
ントするカウント値nが、判定値THよりも小さく、か
つ、ブレ検出信号ωの傾きの絶対値|Δω’|が、判定
レベルDLよりも小さいときには、角速度センサ10が
固定状態であると判定する。一方、判定部440は、カ
ウント値nが判定値THよりも小さく、かつ、傾きの絶
対値|Δω’|が判定レベルDLよりも大きいときに
は、角速度センサ10が非固定状態であると判定する。
なお、判定部440は、数17に示す判定レベルDL
を、以下の数18に示すように設定する。
【0138】
【数18】
【0139】なお、ノイズ除去部410、傾き演算部4
50及び判定部440の少なくとも一つは、角速度セン
サ10が検出可能な状態になったときにこれらの動作を
開始し、判定部440が判定動作を終了した後に、これ
らの動作を終了する。
【0140】本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置
は、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するよう
な効果を有する。ノイズ除去部410によるノイズ除去
が不十分であるときには、ノイズ除去部410は、カメ
ラが固定状態であっても、多数の極値が存在する細かい
振動をもった波形を出力する。この極値は、手ブレによ
るものではなく、角速度センサ10や増幅部20などの
ノイズによるものであるために、この振動の振幅は、手
ブレによる振幅よりも小さい。しかし、数8又は数9に
示す演算式では、これらのノイズによる極値を検出し
て、判定部440が誤った判定をする可能性がある。
【0141】本発明の第2実施形態は、ブレ検出信号の
傾きの絶対値|Δω’|を演算し、この絶対値|Δω’
|が判定レベルDLよりも小さいか否かを判定してい
る。このために、ノイズ除去部410によるノイズ除去
が不十分であっても、判定部440が誤った判定をする
のを防止することができる。また、極値が現れる前に判
定可能となるために、角速度センサ10が角速度の検出
を開始してから、判定部440が判定するまでの時間を
短縮化することができる。
【0142】(他の実施形態)本発明は、以上説明した
実施形態に限定するものではなく、以下に記載するよう
に、種々の変形又は変更が可能であって、これらも本発
明の均等の範囲内である。 (1) 角速度センサ10は、角加速度センサ、加速度
センサ、変位センサ又はその他のセンサであってもよ
い。特に、加速度センサは、光軸を平行移動させ、角速
度を生じさせない平行ブレを検出する際に利用できる。
【0143】(2) 基準値演算部30、固定状態判定
部40及び駆動信号演算部45は、図1に示すように、
別個の演算部としてもよいが、例えば、ワンチップマイ
コンなどにこれらの演算部を全て組み込んで一体化して
もよい。
【0144】(3) 基準値演算部30及び駆動信号演
算部45は、それぞれ数11〜数14及び数15によっ
て、基準値ω0 及び駆動信号を演算しているが、これら
の演算式は一例であって、これらに限定するものではな
い。
【0145】(4) ノイズ除去部410は、数2〜数
5によって、ブレ検出信号からノイズを除去している
が、これらの演算式は一例であって、これらに限定する
ものではない。また、CPUなどの演算能力に余裕があ
るときには、数2又は数4によって、ブレ検出信号から
ノイズを除去してもよい。
【0146】(5) 第1の基準値演算部310は、ブ
レ補正レンズ60を固定するために、ブレ検出信号ωを
基準値ω’0 として出力しているが、これに限定するも
のではない。例えば、判定部440が固定状態であると
判定したときには、電源供給部130は、駆動部50の
アクチュエータへの給電を停止してもよいし、ブレ補正
レンズ60を固定部材によって機械的にロックしてもよ
い。
【0147】(6) 第2の基準値演算部320は、数
11〜数14によって基準値ω0 を演算しているが、こ
れらの演算式は、基準値の演算手法として最も簡単な式
を例示したものであって、これらに限定するものではな
い。例えば、低周波透過型のディジタルフィルタなどを
用いて基準値ω0 を演算してもよい。また、CPUなど
の演算能力に余裕があるときには、数11又は数12に
よって、基準値ω0 を演算してもよい。
【0148】(7) 本発明の実施形態は、一眼レフス
チルカメラにブレ検出装置を搭載した場合を例に挙げて
説明したが、レンズ交換が不可能なレンズ一体型のカメ
ラについても、本発明を適用することができる。また、
ディジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどの撮影装置
や、双眼鏡、望遠鏡などの光学装置などにも本発明を適
用することができる。
【0149】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、基準値演算部は、ブレ検出部が固定状態にあるか
否かを判定する固定状態判定部の判定結果に応じて、基
準値を演算するので、撮影状況にかかわらず高精度にブ
レを検出して、ブレを正確に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置を内
蔵する一眼レフカメラのブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける固定状態判定部及び基準値演算部のブロック図であ
る。
【図3】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける判定部の判定方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置を内
蔵する一眼レフカメラの動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける固定状態判定部及び基準値演算部の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける固定状態にあるときの角速度線センサの出力及び基
準値の演算結果並びにブレ補正レンズの位置を示す図で
ある。
【図7】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける固定状態判定部及び基準値演算部のブロック図であ
る。
【図8】従来のブレ補正装置のブロック図である。
【図9】従来のブレ補正装置において固定状態にあると
きの角速度センサの出力及び基準値の演算結果並びにブ
レ補正レンズの位置を示す図である。
【符号の説明】
10 角速度センサ 20 増幅部 30 基準値演算部 40 固定状態判定部 45 駆動信号演算部 50 駆動部 60 ブレ補正レンズ 70 カメラボディ 80 レンズ鏡筒 310 第1の基準値演算部 320 第2の基準値演算部 330 基準値出力切替部 410 ノイズ除去部 420 微分演算部 430 極値検出部 440 判定部 450 傾き演算部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 前記ブレ検出信号に基づいて、前記ブレ検出部が固定状
    態にあるか否かを判定する固定状態判定部と、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準
    値を演算する基準値演算部とを含み、 前記基準値演算部は、前記固定状態判定部の判定結果に
    応じて、前記基準値を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記固定状態判定部は、手持ち撮影状態であるか固定撮
    影状態であるかを判定すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のブレ検出
    装置において、 前記基準値演算部は、前記固定状態判定部の判定結果に
    基づいて、 固定状態であるときの基準値を演算する第1の基準値演
    算部と、 固定状態ではないときの基準値を演算する第2の基準値
    演算部とを含むこと、 を特徴とするブレ検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記第1の基準値演算部は、前記固定状態判定部が固定
    状態であると判定したときには、前記ブレ検出信号を基
    準値とすること、 を特徴とするブレ検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載のブレ検出
    装置において、 前記第2の基準値演算部は、前記固定状態判定部が固定
    状態ではないと判定したときには、前記ブレ検出信号か
    ら低域周波数成分を抽出して、前記基準値を演算するこ
    と、 を特徴とするブレ検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5までのいずれか1
    項に記載のブレ検出装置において、 前記第1の基準値演算部は、前記固定状態判定部が固定
    状態ではないと判定したときには、前記基準値の演算を
    停止し、 前記第2の基準値演算部は、前記固定状態判定部が固定
    状態であると判定したときには、前記基準値の演算を停
    止すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の微分
    値を演算する微分値演算部と、 前記微分値演算部の出力信号に基づいて、前記ブレ検出
    信号の極値を検出する極値検出部と、 前記ブレ検出部がブレ検出を開始してからの経過時間を
    計測する経過時間計測部とを含み、 前記固定状態判定部は、前記極値及び前記経過時間に基
    づいて、前記ブレ検出部が固定状態にあるか否かを判定
    すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記固定状態判定部は、 前記経過時間が所定時間に達する前に、前記極値が検出
    されなかったときには、固定状態である判定し、 前記経過時間が所定時間に達する前に、前記極値が検出
    されたときには、固定状態ではないと判定すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の微分
    値を演算して、この微分値の絶対値を出力する傾き演算
    部と、 前記ブレ検出部がブレ検出を開始してからの経過時間を
    計測する経過時間計測部とを含み、 前記固定状態判定部は、前記絶対値及び前記経過時間に
    基づいて、前記ブレ検出部が固定状態にあるか否かを判
    定すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記固定状態判定部は、 前記経過時間が所定時間に達する前に、前記絶対値が所
    定値以下であるときには、固定状態である判定し、 前記経過時間が所定時間に達する前に、前記絶対値が所
    定値よりも大きいときには、固定状態ではないと判定す
    ること、 を特徴とするブレ検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項7から請求項10までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出信号からノイズ成分を除去するノイズ除去
    部を備え、 前記微分値演算部又は前記傾き演算部は、前記ノイズ除
    去部の出力信号に基づいて、前記ブレ検出信号の微分値
    を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項7から請求項11までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記所定時間をt〔秒〕とし、固定状態であるときの前
    記ブレ検出信号の典型的な周波数をF〔Hz〕とし、固
    定状態ではないときの前記ブレ検出信号の典型的な周波
    数をf〔Hz〕としたときに、前記所定時間tは、1/
    (2f)<t<1/(2F)であること、 を特徴とするブレ検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項7から請求項12までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記微分値演算部、前記極値検出部、前記傾き演算部及
    び前記ノイズ除去部は、前記ブレ検出部が検出可能な状
    態になったときに動作を開始し、前記固定状態判定部の
    判定終了後に動作を終了すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項13までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置と、 ブレを補正するブレ補正光学系と、 前記ブレ補正光学系を駆動する駆動部と、 前記ブレ検出装置からの前記ブレ検出信号の基準値に基
    づいて、前記駆動部を駆動制御する制御部と、 を含むことを特徴とするブレ補正カメラ。
JP10078691A 1998-03-26 1998-03-26 ブレ検出装置及びブレ補正カメラ Pending JPH11271832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10078691A JPH11271832A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ブレ検出装置及びブレ補正カメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10078691A JPH11271832A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ブレ検出装置及びブレ補正カメラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11271832A true JPH11271832A (ja) 1999-10-08

Family

ID=13668900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10078691A Pending JPH11271832A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ブレ検出装置及びブレ補正カメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11271832A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005354218A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Nikon Corp ブレ補正装置、およびカメラシステム
JP2006065103A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Nikon Corp ブレ補正装置、およびカメラシステム
JP2006220870A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Olympus Imaging Corp 撮像装置
JP2007079598A (ja) * 2006-11-02 2007-03-29 Mitsubishi Electric Corp カメラ付き携帯端末機器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005354218A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Nikon Corp ブレ補正装置、およびカメラシステム
JP2006065103A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Nikon Corp ブレ補正装置、およびカメラシステム
JP4556560B2 (ja) * 2004-08-27 2010-10-06 株式会社ニコン ブレ補正装置、およびカメラシステム
JP2006220870A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Olympus Imaging Corp 撮像装置
JP4671705B2 (ja) * 2005-02-09 2011-04-20 オリンパスイメージング株式会社 撮像装置
JP2007079598A (ja) * 2006-11-02 2007-03-29 Mitsubishi Electric Corp カメラ付き携帯端末機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100712085B1 (ko) 광학기기
US9007468B2 (en) Image stabilization control apparatus and imaging apparatus with correction value based on outputs of first and second vibration detection units
JP5094606B2 (ja) 像振れ補正装置およびそれを備えた光学機器、撮像装置、像振れ補正装置の制御方法
US5978600A (en) Motion compensation device to compensate for motion of an optical system without using motion sensors
JP2010025963A (ja) 防振制御装置及び撮像装置
JP3800709B2 (ja) ブレ補正装置、光学装置、及び、ブレ補正方法
JP4599820B2 (ja) 像ブレ補正装置
US6757488B2 (en) Control apparatus for image blur correction
JPH11271832A (ja) ブレ検出装置及びブレ補正カメラ
JP4329151B2 (ja) 振れ検出装置及びブレ補正カメラ
JPH1090743A (ja) ブレ検出装置
JP4051738B2 (ja) ブレ検出装置及びブレ補正カメラ
JP4679235B2 (ja) 手ぶれ検出装置および撮影装置
JPH11231369A (ja) ブレ補正装置
JP4530910B2 (ja) 手ぶれ検出装置および撮影装置
JP4701006B2 (ja) 手ぶれ検出装置および撮影装置
JP2020118789A (ja) 撮像装置、撮像システム、撮像装置の制御方法、およびプログラム
JPH11231367A (ja) ブレ検出装置及びブレ補正カメラ
JPH11231368A (ja) ブレ補正装置
JP2004226692A (ja) 振動検出装置及びブレ補正カメラ
JP2004007220A (ja) 振れ補正カメラ
JP4817544B2 (ja) 防振制御装置、カメラ及び補正手段位置制御装置
JP4706094B2 (ja) ブレ補正光学機器
JP2005141207A (ja) ブレ補正装置、およびカメラシステム
JPH11153480A (ja) ブレ検出装置及びブレ補正カメラ