JP4599820B2 - 像ブレ補正装置 - Google Patents

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本発明は、カメラ、レンズ、ビデオ、双眼鏡等の光学装置でレンズの一部又は全部を動かすことにより像ブレを補正するブレ補正装置に関するものである。
近年、カメラのブレを防止するために、カメラの振れを検知し、カメラの振れに沿って、レンズの一部を動かすことにより、フィルム面上の像ブレを補正するブレ補正装置の技術が確立されつつある。
図7は、従来のブレ補正装置の概略を示すブロック図である。ここで、ブレ補正装置300は、例えば、カメラ、双眼鏡等の光学装置に内蔵されており、これらの光学装置が手持ちで用いられているときに、撮影者等の手振れによる像ブレを補正するのに有効である。
ブレ補正装置300は、例えば、角速度センサ10と、基準値演算部52と、積分部54と、目標駆動位置演算部56と、駆動信号演算部58と、位置信号出力部78と、ブレ補正レンズ80と、ブレ補正ユニット310等とを備えている。
ブレ補正ユニット310は、ブレ補正レンズ80を保持して駆動すると共に、ブレ補正レンズ80の現在位置情報を位置信号出力部80に出力するユニットであって、例えば、ブレ補正レンズ80を保持するレンズ室82と、ヨーク71、マグネット72及びコイル73からなるブレ補正レンズ80を駆動するためのアクチュエータと、赤外線発光ダイオード(以下、IRED)74、スリット板75、スリット76及びPSD(Position Sensitive Device)77からなるブレ補正レンズ80の位置を検出する光学的位置検出装置とを備えている。
つぎに、ブレ補正装置300の動作原理について説明する。
まず、カメラ等の光学装置の振れを角速度センサ10により検出する。角速度センサ10は、通常、コリオリ力を検出する圧電振動式角速度センサを用いる。角速度センサ10の出力は、基準値演算部52に送信される。基準値演算部52は、角速度センサ10の出力より振れの基準値を演算すると共に、角速度センサ10の出力である振れ信号から基準値を減算した値を、積分部54に送信する。
積分部54は、角速度の単位で表されている振れ信号を時間積分して、振れ角度に変換する。目標駆動位置演算部56は、積分部54から送信された振れ角度を、不図示のズームエンコーダ、フォーカシングエンコーダ等から得られる焦点距離等の各種情報に基づいて、ブレ補正レンズ80を駆動するための目標駆動位置情報を演算する。
駆動信号演算部58は、この目標駆動位置情報に応じてブレ補正レンズ80を駆動するために、目標駆動位置情報とブレ補正レンズ80の現在位置情報との差をとり、コイル73に駆動電流を出力する。
コイル73は、ブレ補正レンズ80を保持するレンズ室82に設けられ、さらに、ヨーク71とマグネット72により形成される磁気回路内に配置されている。このため、コイル73に駆動電流が流れると、フレミングの左手の法則により、アクチュエータに駆動力が発生する。ブレ補正レンズ80及びレンズ室82は、例えば、光軸Iに略垂直な方向に駆動することができ、アクチュエータの駆動力によって、ブレ補正レンズ80は、光軸Iに略直交する方向に駆動される。
また、ブレ補正レンズ80の位置は、上述した光学的位置検出装置によりモニタされる。具体的には、IRED74が発光した光は、スリット76を通過することにより、光線の幅を絞られて、PSD77へ到達する。PSD77は、その受光面上の光の位置に応じた信号を出力することができる位置検出素子である。
スリット板75は、レンズ室82に設けられているので、ブレ補正レンズ80の動きは、スリット76の動きに対応し、さらに、PSD77の受光面上の光の動きとなる。したがって、PSD77の受光面上の光の位置は、ブレ補正レンズ80の位置と等価となり、PSD77により検出された信号は、ブレ補正レンズ80の現在位置情報として、位置信号出力部78にフィードバックされる。
ここで、ブレ補正装置300を備えた光学装置(例えば、カメラ)の振れによる像のブレ量について原理的に説明する。
一般に、カメラの振れによる像のブレ量Diは、次式で表される。
Di=Dθ+Dp=βθ(R−n)+βd (1)
この数式(1)では、Dθは、角度振れによる像ブレ(以下、角度ブレという)、Dpは、シフト振れによる像ブレ(以下、シフトブレとする)をそれぞれ表しており、βは撮影倍率、θは角度振れ量、Rは被写体から撮像面までの距離、nは角度振れ回転中心から撮像面までの距離、dはシフト振れ量である。
ブレ補正装置300は、上述したように、像ブレを補正するために角速度センサ10を用いており、この角速度センサ10の出力を積分部54で積分することにより、角度振れ量θを検出することができる。
撮影倍率β及び被写体から撮像面までの距離Rは、例えば、レンズの焦点距離等から測定することができる。また、角度振れ回転中心から撮像面までの距離nは、通常、値を0としてもほぼ問題ないことがわかっており、数式(1)では、n=0としている。したがって、従来のブレ補正装置300により、角度ブレを高精度で補正することは十分可能である。
ここで、シフトブレの影響について説明する。
シフトブレは、例えば、被写体から撮像面までの距離Rが大きく、撮影倍率βが小さい場合であれば、シフトブレの影響を殆ど無視することはできる。しかし、被写体から撮像面までの距離Rが小さく、撮影倍率βが大きい場合には、シフトブレの影響は無視できなくなり、ブレ補正の効果を低下させる原因となる。
シフト振れ量dは、角速度センサ10では検出することができないので、従来の動作原理でブレ補正を行うブレ補正装置300では、シフトブレを補正することはできなかった。
このシフトブレの影響を考慮したブレ補正装置としては、例えば、
(1)3軸分の加速度センサと3軸分の角速度センサを利用し、カメラの動きを完全に検出するものがある(例えば、特許文献1)。
(2)3次元加速度センサを互いに離して設置し、この3次元加速度センサを利用して、角度振れ量とシフト振れ量を求めるものがある(例えば、特許文献2)。
しかし、上述したシフトブレの影響を考慮したブレ補正装置には、以下のような課題があった。
(1)3軸分の加速度センサと3軸分の角速度センサとを用いるブレ補正装置には、カメラの動きを完全に検出するため、ブレ補正の他にオートフォーカス等にも利用できるなどのメリットがあるが、センサの数が多くなることによるスペース上の問題や、演算が複雑になること等からあまり現実的な装置ではない。
(2)3次元加速度センサを用いるブレ補正装置には、加速度成分に誤差が含まれる場合に、例えば、2回積分すると僅かな誤差も累積してしまうため、シフトブレを正確に算出できることは少なく、ブレ補正の効果を期待することはできなかった。また、検出したい軸に対してそれぞれ2つの加速度センサが必要になるため、スペース上の問題が生じたり、コストアップの原因となる場合があった。
特開平07−225405号公報 特開平09−301157号公報
本発明の課題は、撮影倍率が高い場合にもブレ補正の効果を向上させることができると共に、省スペースかつ安価なブレ補正装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、振れの角速度を検出する角速度検出部(10)と、振れの加速度を検出する加速度検出部(20)と、前記加速度に基づいて加速度基準値を算出すると共に、前記加速度から前記加速度基準値を減算した値を積分することにより振れの速度を算出する速度演算部(82,84)と、前記角速度と前記速度とに基づいて、振れの回転中心位置を算出する回転中心演算部(85)と、を備えた像ブレ補正装置において、前記回転中心演算部は、前記加速度検出部から前記開点中心位置までの距離r(t)を、前記速度V(t)、前記角速度ω(t)、前記r(t)が発散しないための定数Cに基づいて、次式、
r(t)=V(t)/(|ω(t)|+C)
ただし、ω(t)≧0
r(t)=−V(t)/(|ω(t)|+C)
ただし、ω(t)<0
を用いて算出すること、を特徴とする像ブレ補正装置である。
請求項2の発明は、振れの角速度を検出する角速度検出部(10)と、振れの加速度を検出する加速度検出部(20)と、前記加速度に基づいて加速度基準値を算出すると共に、前記加速度から前記加速度基準値を減算した値を積分することにより振れの速度を算出する速度演算部(82,84)と、前記角速度と前記速度とに基づいて、振れの回転中心位置を算出する回転中心演算部(85)と、を備えた像ブレ補正装置において、前記回転中心演算部は、前記加速度検出部から前記回転中心位置までの距離r(t)を、前記速度V(t)、前記角速度ω(t)、前記r(t)が発散しないための前記角速度(t)を変数とする関数C{ω(t)}に基づいて、次式、
r(t)=V(t)/[ω(t)+C{ω(t)}]
を用いて算出すること、を特徴とする像ブレ補正装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置において、ピッチング方向の振れの加速度とヨーイング方向の振れの加速度とを検出する加速度検出部(20)を備え、前記速度演算部(82,84)は、前記加速度に基づいて前記速度を算出することを特徴とする像ブレ補正装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の像ブレ補正装置において、像ブレを光学的に補正するブレ補正光学部材(110)と、前記ブレ補正光学部材を駆動する駆動部(100)と、前記ブレ補正光学部材のレンズ固有値、撮影倍率、被写体と光軸上に配置された撮像面との第1距離、前記加速度検出部(20)と前記撮像面との第2距離、を測定及び/又は記憶する情報入力部と、前記角速度に基づいて角速度基準値を算出すると共に、前記角速度から前記角速度基準値を減算した値を積分することにより、角度振れを算出する角度演算部(81,83)と、前記ブレ補正光学部材の現在位置を検出する位置検出部(100)と、前記ブレ補正光学部材の目標駆動位置を算出する目標駆動位置演算部(86)と、前記ブレ補正光学部材の前記現在位置と前記目標駆動位置とに基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部(86)とを備え、前記目標駆動位置演算部は、目標駆動位置L(t)を、前記加速度検出部から前記回転中心位置までの距離r(t)と、前記角度振れθ(t)と、前記情報入力部により測定及び/又は記憶された前記レンズ固有値K、前記撮影倍率β、前記第1距離R、前記第2距離D、に基づいて、次式、
L(t)=Kβθ(t)(R−D+r(t))を用いて算出すること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のブレ補正装置において、前記像ブレの補正に必要な電源の供給を開始させる半押しスイッチと、前記半押しスイッチが押されている間はONのままであり、前記半押しスイッチがOFFとなってからも一定時間はONのままとなっている半押しタイマとを備え、前記駆動制御部は、前記半押しタイマがONとなっているときに前記駆動部を制御することを特徴とするブレ補正装置である。
本発明の振れ検出装置は、(1)振れの角速度を検出する角速度検出部から出力される角速度と、振れの速度を算出する速度演算部から出力される速度とに基づいて、振れの回転中心位置を算出する回転中心演算部を備えるので、振れの回転中心位置をリアルタイムで検出すると共に、回転中心位置を演算するときの演算負荷を小さくすることができる。
(2)速度演算部は、振れの加速度に基づいて加速度基準値を算出すると共に、加速度から加速度基準値を減算した値を積分することにより、速度を算出するようにしたので、加速度から加速度基準値を減算した値を積分するのは1回だけでよく、誤差の累積を小さくでき、回転中心位置を精度よく検出できると共に、演算負荷を大幅に減少させることができる。
(3)回転中心演算部は、加速度検出部から回転中心位置までの距離r(t)を、速度V(t)、角速度ω(t)に基づいて、次式、
r(t)=V(t)/ω(t)
を用いて算出するようにしたので、速度v(t)と角速度ω(t)からr(t)を算出するときに、理論式を適用できる。
(4)回転中心演算部は、加速度検出部から回転中心位置までの距離r(t)を、速度V(t)、角速度ω(t)、r(t)が発散しないための定数Cに基づいて、次式、
r(t)=V(t)/(|ω(t)|+C)
ただし、ω(t)≧0
r(t)=−V(t)/(|ω(t)|+C)
ただし、ω(t)<0
を用いて算出するようにしたので、ω=0でのr(t)の発散を防止できる。
(5)回転中心演算部は、加速度検出部から回転中心位置までの距離r(t)を、速度V(t)、角速度ω(t)、r(t)が発散しないための角速度ω(t)を変数とする関数C{ω(t)}に基づいて、次式、
r(t)=V(t)/[ω(t)+C{ω(t)}]
を用いて算出するようにしたので、ω(t)の絶対値が所定値以上であれば、r(t)を求めるときに、理論式である次式、
r(t)=V(t)/ω(t)
を用いることができる。
本発明のブレ補正装置は、(6)目標駆動位置演算部は、目標駆動位置L(t)を、加速度検出部から回転中心位置までの距離r(t)と、角度振れθ(t)と、情報入力部により測定及び/又は記憶されたレンズ固有値K、撮影倍率β、第1距離R、第2距離D、に基づいて、次式、
L(t)=Kβθ(t)(R−D+r(t))
を用いて算出するようにしたので、加速度検出部から回転中心位置までの距離r(t)の変動をリアルタイムで算出して、目標駆動位置L(t)を精度よく演算できると共に、撮影倍率βが高倍率であってもブレ補正の効果を向上させることができる。
(7)光軸上に配置された面は、撮像面であるので、被写体から撮像面(フィルム面)までの距離を第1距離、加速度検出部から撮像面までの距離を第2距離、とすることができる。
以下に図面等を参照して、発明を実施するための最良の形態を、実施例をあげて説明する。
図1は、本発明によるブレ補正装置200の実施例を示すブロック図である。ここでは、ブレ補正装置200を中心に、カメラシステムの概要を説明する。なお、本明細書中、ブレ補正とは、ピッチング方向(X軸方向)とヨーイング方向(Y軸方向)の補正を行うことをいう。
また、図1では、ブレ補正装置200について、X軸方向の各部材等(図中、符号に「a」を付す)と、Y軸方向の各部材等(同様に、符号に「b」を付す)とを共に示しているが、X軸方向、Y軸方向共に共通の機能等を備えており、説明の便宜上、特に、方向に関しては詳述しない。
また、カメラシステムについては、ここでは、一眼レフカメラを想定しているが、例えば、一眼レフカメラのような交換式ではなく、コンパクトカメラのような非交換式でもよい。また、画像記録は、銀塩フィルムでもよいし、CCD等のディジタル撮像素子でもよい。なお、カメラシステムは、ブレ補正装置200を備えた光学装置の一例として示したものであって、例えば、望遠鏡、双眼鏡等の適宜の光学機器にブレ補正装置200を搭載してもよい。
本実施例によるブレ補正装置200は、レンズ鏡筒150と、レンズ鏡筒150が装着されるカメラボディ160等とを備えている。
レンズ鏡筒150は、角速度センサ10と、加速度センサ20と、角速度増幅部30と、加速度増幅部40と、レンズCPU120と、駆動部100と、ブレ補正レンズ110等とを備えている。また、レンズCPU120は、A/D変換器50,60,70と、駆動信号演算部80と、D/A変換器90等とを備えている。カメラボディ160は、半押しスイッチSW1と、全押しスイッチSW2と、半押しタイマ130と、電源供給部140等とを備えている。
カメラボディ160について説明する。半押しタイマ130は、例えば、半押しスイッチSW1がONとなったと同時にONとなるタイマであって、半押しスイッチSW1が押されている間はONのままであり、また、半押しスイッチSW1がOFFとなってからも、一定時間はONのままとなっている。
電源供給部140は、例えば、半押タイマ130がONの間は、後述する角速度センサ10等、カメラシステム内で電源が必要とされるところに電源を供給し続ける。また、電源供給部140は、半押しタイマ130がOFFとなっているときは、電源の供給を停止する。したがって、半押しタイマ130がONのときのみ、角速度センサ10によるカメラの振動検出を行うことができる。
半押しスイッチSW1は、例えば、不図示のレリーズボタンの半押し動作に連動してONとなるスイッチであって、このスイッチがONとなることにより、不図示の測光部による測光演算、オートフォーカス駆動等が開始される。また、半押しタイマ130がOFFであった場合には、この半押しスイッチSW1のONに同期して半押しタイマ130がONとなる。
全押しスイッチSW2は、例えば、不図示のレリーズボタンの全押し動作に連動してONとなるスイッチであって、このスイッチがONとなることにより、一連の撮影動作(不図示のシャッター機構によるシャッター開閉、イメージセンサによる画像取り込み等)が行われる。
レンズ鏡筒150について説明する。角速度センサ10は、例えば、カメラに印加された振動を角速度値で検出するセンサであって、角速度センサ10にかかるコリオリ力を利用して角速度を検出し、検出結果を電圧信号として出力する。角速度センサ10から出力された電圧信号は、角速度増幅部30に送信される。また、角速度センサ10は、電源供給部140より電源が供給されている間のみ、角速度の検出を行うことができる。
角速度増幅部30は、例えば、角速度センサ10の出力を増幅すると共に、増幅した角速度信号をA/D変換器50に送信する。角速度センサ10の出力を増幅する理由としては、一般的に角速度センサ10単体の出力は小さいため、そのままA/D変換器50でディジタル化してレンズCPU120内で処理しようとしても、角速度値の分解能が低すぎて(1ビットあたりの角速度値が大きすぎて)正確な振動検出を行うことができず、ブレ補正の精度を上げることができない点が挙げられる。そのため、A/D変換器50に入力する前に予め角速度信号を増幅すると、レンズCPU120内での角速度値の分解能を上げる(1ビットあたりの角速度値を小さくする)ことができ、ブレ補正の精度を上げることができる。
角速度増幅部30は、角速度センサ10にそれぞれ対応して設けられており(ここでは、2つ)、信号の増幅をするだけではなく、角速度センサ10の出力に含まれる高周波ノイズを低減させる、いわゆるローパスフィルタ機能を付加させてもよい。
A/D変換器50は、例えば、角速度増幅部30から送られてきたアナログの角速度信号をディジタル信号に変換すると共に、このディジタル信号に変換した角速度信号を駆動信号演算部80に出力する。A/D変換器50により、角速度信号がディジタル信号に変換されることにより、レンズCPU120内で演算処理を行うことができる。
加速度センサ20は、例えば、カメラに印加された振動を加速度値で検出するセンサであって、検出した加速度を検出し、検出結果を電圧信号として出力する。加速度センサ20から出力された電圧信号は、加速度増幅部40に送信される。また、加速度センサ20は、電源供給部140より電源が供給されている間のみ、加速度の検出を行うことができる。また、加速度センサ20は、静電容量型に限らず、適宜の型を適用してもよい。
加速度増幅部40は、例えば、加速度センサ20の出力を増幅すると共に、増幅した加速度信号をA/D変換器60に送信する。なお、加速度増幅部40の目的は、上述した角速度増幅部30と同様である。加速度増幅部40は、加速度センサ20にそれぞれ対応して設けられており(ここでは、2つ)、増幅だけではなく、ローパスフィルタ機能を付加させてもよい。
A/D変換器60は、例えば、加速度増幅部40から送られてきたアナログの加速度信号をディジタル信号に変換すると共に、このディジタル信号に変換した加速度信号を駆動信号演算部80に出力する。A/D変換器60により、加速度信号がディジタル信号に変換されることにより、レンズCPU120内で演算処理を行うことができる。
駆動信号演算部80は、例えば、A/D変換器50,60から送信された角速度信号、加速度信号と、A/D変換器70から送信されたブレ補正レンズ110の位置情報Ir(後述)とに基づいて、ブレ補正レンズ110を駆動するための駆動信号p(ディジタル信号)を演算すると共に、この駆動信号pを、D/A変換器90に出力する(詳細は後述:図3、図4参照)。
D/A変換器90は、例えば、駆動信号算部80で演算された駆動信号pをアナログ信号に変換する共に、変換されたアナログ信号を駆動部100に送信する。
駆動部100は、D/A変換器90から送信された駆動信号p(アナログ信号)に基づいて、ブレ補正レンズ110を駆動するユニットであって、例えば、ブレ補正レンズ110を駆動するためのアクチュエータ(VCM)と、ブレ補正レンズ110の位置を検出する位置検出センサ(PSD)等とを備えている。この位置検出センサの出力は、ブレ補正レンズ110の位置情報Irとして、A/D変換器70を経由して駆動信号演算部80に送信される。また、駆動部100は、ブレ補正レンズ110を2次元で駆動するために、例えば、2つ設けられている。
A/D変換器70は、上述したように、駆動部(ここでは、PSD)100から送信されたブレ補正レンズ110の位置情報Ir(アナログ信号)をディジタル信号に変換すると共に、変換されたブレ補正レンズ110の位置情報Irを駆動信号演算部80に送信する。
ブレ補正レンズ110は、例えば、カメラシステムの結像光学系に配置され、光軸Iと略直交する平面内を動くことができる単レンズ(又は複数枚のレンズより構成されるレンズ群)である。ブレ補正レンズ110は、駆動部100によって光軸と略直交する方向に駆動され、結像光学系の光軸Iを偏向させる。
レンズCPU120は、上述した各部材の制御等を行うだけでなく、例えば、不図示のオートフォーカス駆動等の制御も行うようにしてもよい。ここでは、レンズCPU120は、A/D変換器50,60,70、D/A変換器90を備えているが、これに限らず、外部のA/D変換器及びD/A変換器を適宜用いるようにしてもよい。
ここで、ブレ補正装置200を備えたカメラシステムでは、角速度センサ10や加速度センサ20等の振動検出センサを備えており、これらの振動検出センサによって、カメラに加えられた振動を検出する。カメラシステムでは、カメラに加えられた振動が検出されれば、撮像面の像の動きを検知することができるので、結像面上の像の動きが止まるようにブレ補正レンズ110を駆動部100によって動かすことにより、結像面上の像の動き(すなわち、写真等の像ブレ)を補正することができる。なお、像ブレは、例えば、手振れ等のカメラに加えられる振動によって、露光中に撮像面上の像が動くことにより発生する。
図2は、本発明によるブレ補正装置200を備えたカメラシステムでのシーケンスを説明するフローチャートである。なお、以下の各ステップは、レンズCPU120等の各処理を示している。
まず、半押しスイッチSW1がONとなっているか否かを判定する(S10)。半押しスイッチSW1がOFFであれば、ステップS120(後述)へ進む。半押しスイッチSW1がONであれば、カウンタTsw1をリセットし、カウント値を0とする(S20)。カウンタTsw1は、半押しスイッチSW1がOFFになってからの経過時間を計測するためのカウンタであって、カウント値は整数である。このカウンタは、半押しスイッチSW1がONの間は0のままで、半押しスイッチSW1がOFFで、かつ半押しタイマ130がONの間のみ動作する。
つぎに、半押しタイマ130がOFFであるか否かを判定する(S30)。半押しタイマ130がONであればステップS150(後述)へ進む。半押しタイマ130がOFFであれば、カウンタtをリセットし、カウント値を0とする(S40)。カウンタtは、半押しタイマ130がONとなっている時間を計測するためのカウンタである。このカウンタは、整数値カウンタであり、半押しタイマ130がONとなったと同時にカウント動作を開始し、半押しタイマ130がONの間はカウント動作を続ける。
ステップS40の後、半押しタイマ130をONにして、(S50)、角速度センサ10をONとし、角速度の検出を開始する(S60)。さらに、加速度センサ20をONとし、加速度の検出を開始する(S70)。
つぎに、ブレ補正レンズ110を駆動するための駆動信号pの演算を開始する(S80)。ここで、駆動信号pの演算には、上述したように、角速度センサ10の出力と加速度20のセンサ出力を用いる。
ステップS80の後、ブレ補正レンズ110の駆動を開始し(S90)、露光に関する一連の動作(不図示のミラーのアップ/ダウン動作、シャッター機構の駆動等)を行う(S100)。
つぎに、半押しタイマ130のカウンタtを1つ進め(S110)、半押しタイマ130がONであるか否かを判定する(S120)。半押しタイマ130がOFFならば、ステップS10へ戻り、半押しスイッチSW1の検出を続行する。半押しタイマ130がONならば、ステップS130へ進む。
このステップS130に進んだ時点では、カメラは半押しスイッチSW1がOFFで半押しタイマ130がONの状態になっており、この状態が継続している時間を計測するため、カウンタTsw1を1つ進める(S130)。
カウンタTsw1の値がしきい値T_SW1よりも小さいか否かを判定する(S140)。ここで、しきい値T_SW1はカウンタTsw1の上限を決めるための定数で、半押しスイッチSW1がOFFとなってから半押しタイマ130がOFFとなるまでの時間を決めるものである。
カウンタTsw1がしきい値に満たない場合(すなわち肯定判定の場合)には、半押しタイマ130はOFFとせず、角速度センサ10のONの状態を継続し、角速度の検出を行う(S150)
一方、カウンタTsw1がこのしきい値と等しくなった場合(すなわちこのステップS140で否定判定となった場合)には、ブレ補正レンズ110の駆動を停止し(S190)、加速度センサ20への電源の供給をストップして、加速度センサ20をOFFとする処理(S200)、角速度センサ10への電源の供給をストップし、角速度センサ10をOFFとする処理(S210)を経て、半押しタイマ130をOFFにして(S220)、ステップS10に戻り、半押しスイッチSW1の状態検出を行う。
また、ステップS150の後、加速度センサ20のONの状態を継続し、加速度の検出を行い(S160)、角速度センサ10の出力と、加速度センサ20の出力からブレ補正レンズ110を駆動するための駆動信号pの演算を継続した後(S170:詳細は後述、図3、図4参照)、ブレ補正レンズ110の駆動を継続して(S180)、上述したステップS100に進む。
図3は、駆動信号演算部80の詳細を示すブロック図である。
駆動信号演算部80は、角速度基準値演算部81と、加速度基準値演算部82と、角速度積分演算部83と、加速度積分演算部84と、回転中心位置演算部85と、駆動信号算出部86等とを備えている。
角速度基準値演算部81は、例えば、A/D変換器50より送信された角速度信号から、角速度信号の積分時に使用する角速度基準値を演算する。角速度基準値は、角速度センサ10が完全に静止している状態での出力(角速度ゼロ出力)値とするのが理想である。しかし、この角速度ゼロ出力値は、ドリフトや温度等の環境条件で変動してしまうため、事前に測定などを行って固定値とすることができない。したがって、実際に使用されている状態、つまり、撮影者等の手振れの角速度信号から基準値を演算し、角速度ゼロ出力を求める必要がある。
ここで、角速度基準値演算部81の基準値演算についての一例を以下に示す。
Figure 0004599820
この数式(2)は、角速度信号の移動平均を表すものであって、ωは角速度信号、ω0は角速度の基準値である。また、これらの変数に付いている添え字(サフィックス)tは、経過時間(サンプリング;整数値)を表す変数である。
角速度ゼロ出力信号の周波数は、撮影者等の手振れのそれに比べるとずっと低い。したがって、基準値は、角速度信号の低周波成分を抽出すればよいので、角速度信号の移動平均を演算して基準値を演算している。また、なるべく低い周波数成分のみを抽出するために、移動平均に使用するデータの数を多くしている。なお、角速度信号の基準値の演算は数式(2)のような移動平均に限らず、ローパスフィルタなどを用いてもよい。
つぎに、角速度信号の基準値演算が終了したら、角速度信号から基準値を減算することにより、角速度検出信号ω’を、次式により算出する。
ω’=ω(t)−ω0(t) (3)
ここで、ω’は角速度検出信号であって、この角速度検出信号は、角速度積分演算部83及び回転中心位置演算部85に送信される。
加速度基準値演算部82は、例えば、A/D変換器60より送信された加速度信号から、加速度信号を積分するための加速度基準値を演算する。加速度基準値は、加速度センサ20が完全に静止している状態での出力(加速度ゼロ出力)値とするのが理想である。しかし、加速度ゼロ出力値は、上述した角速度ゼロ出力)値と同様に、環境条件で変動してしまうため固定値とすることができない。したがって、実際に使用されている状態、つまり撮影者等の手振れの加速度信号から基準値を演算し、加速度ゼロ出力を求める必要がある。
ここで、加速度基準値演算部82の基準値演算についての一例を以下に示す。
Figure 0004599820
この数式(4)は、加速度信号の移動平均を表すものであって、aは加速度信号、a0は加速度の基準値である。また、これらの変数に付いているサフィックスtは、経過時間(サンプリング;整数値)を表す変数である。なお、加速度信号の基準値の演算は数式(4)のような移動平均に限らず、ローパスフィルタなどを用いてもよい。
つぎに、加速度信号の基準値演算が終了したら、加速度信号から基準値を減算することにより、加速度検出信号a’(t)を、次式により算出する。
a’(t)=a(t)−aO(t) (5)
ここで、a’は加速度検出信号であって、この加速度検出信号は、加速度積分演算部84に送信される。
角速度積分演算部83は、例えば、角速度検出信号ω’を積分して角度検出信号θ(t)に変換する。ここでの演算内容は、次式で表される。
θ(t)=θ(t−1)+ω’(t) (6)
ここで、θは角度検出信号であって、この角度検出信号は、駆動信号算出部86に送信される。
加速度積分演算部84は、例えば、加速度検出信号a’を積分して速度検出信号v(t)に変換する。ここでの演算内容は、次式で表される。
v(t)=v(t−1)+a’(t) (7)
ここで、vは速度検出信号であって、この速度検出信号は、回転中心位置演算部85に送信される。
回転中心位置演算部85は、角速度基準値演算部81から送信された角速度検出信号ω’と、加速度積分演算部84から送信された速度検出信号vとに基づいて、角度振れの中心位置(回転位置)を算出する。
具体的には、加速度センサ20が速度v、角速度ωで運動していると仮定すると、加速度センサ20から角度振れの回転中心位置までの距離rを、次式により算出する。
r(t)=v(t)/ω’(t) (8)
この数式(8)は、速度vと角速度ωから回転中心位置を算出するための理論式である。しかし、数式(8)では、ω=0のときにrが発散してしまうため実用的ではない。そこで、本実施例では、数式(8)の分母に定数項Cを加えた次式を用いる(例えば、カメラシステムが平行移動しているような状態:ω=0を考慮している)。
r(t)=Sign{ω’(t)}V(t)/(|ω’(t)|+C) (9)
ただし、ω’(t)≧0のとき、Sign{ω’(t)}=1
ω’(t)<0のとき、Sign{ω’(t)}=−1
である。
この数式(9)では、Cを固定値としているが、これに限らず、例えば、ωが大きければCを小さく、ωが小さければCを大きくする等、ωの大きさによって値を変えるようにしてもよい。
つぎに、フィルム面から角度振れの回転中心位置n’(t)を、次式により算出する(以下、n’(t)を角度振れの回転位置信号という)。
n’(t)=D−r(t) (10)
ここで、Dは、加速度センサ20からフィルム面までの距離である。数式(10)により演算された角度振れの回転位置信号は、駆動信号算出部86に送信される。
駆動信号算出部86は、例えば、角速度積分演算部83から送信された角速度検出信号θ(t)と、回転中心位置演算部85から送信された回転中心位置信号n’(t)とに基づいて、ブレ補正レンズ110を駆動するための駆動信号pを演算する。
まず、レンズの目標駆動位置L(t)を、次式により算出する。
L(t)=Kβθ(t){R−n’(t)} (11)
ここで、Kはブレ補正レンズ110の光学条件などによって決まる定数(レンズ固有値)、Rは被写体からフィルム面までの距離である。なお、数式(10)(11)に用いられるK、β、R、Dの値を、駆動信号演算部80内の適宜のメモリに記憶し、駆動信号算出部86及び回転中心位置演算部85は、このメモリからこれらの値を読み出して、上述した演算を行うようにしてもよい。
目標駆動位置L(t)の演算が完了したら、A/D変換器70から送信されたブレ補正レンズ110の位置情報Irとの偏差を求め、この偏差をもとにしてブレ補正レンズ110の駆動信号pを演算する。駆動信号pの演算は、偏差に比例する項、偏差の積分に比例する項、偏差の微分に比例する項を加算することにより、駆動信号pを演算する、いわゆるPID制御が一般的であるが、これに限らず、適宜の方法を用いてもよい。
図4は、駆動信号演算部80の動作を示すフローチャートである。なお、以下の各ステップは、駆動信号演算部80の各部材の機能等に対応すると共に、上述したステップS170(図2参照)を詳細に示すものであり、重複部分についての説明を適宜省略する。
駆動信号演算部80は、上述したステップS160の後、以下に示すステップS500〜S610を実行した後、上述したステップS180に進む。
角速度センサ10の出力をA/D変換して、角速度信号ω(t)を読み込む(S500)。
加速度センサ20の出力をA/D変換して、加速度信号a(t)を読み込む(S510)。
駆動部100が出力したブレ補正レンズ110の位置情報IrをA/D変換して読み込む(S520)。
角速度信号ω(t)から角速度基準値ω0(t)を演算する(S530)。
角速度信号ω(t)から角速度基準値ω0(t)を減算し、角速度検出信号ω’(t)を生成する(S540)。
加速度信号a(t)から加速度基準値a0(t)を演算する(S550)。
加速度信号a(t)から加速度基準値a0(t)を減算し、加速度検出信号a’(t)を生成する(S560)。
加速度検出信号a’(t)を積分し、速度検出信号v(t)に変換する(S570)。
角速度検出信号ω’(t)、速度検出信号v(t)より回転中心位置信号n’(t)を演算する(S580)。
角速度検出信号ω’(t)を積分し、角度検出信号θ(t)に変換する(S590)。
角度検出信号θ(t)と、回転中心位置信号n’(t)と、ブレ補正レンズ110の位置情報Ir等とに基づいて、ブレ補正レンズ110を駆動するための駆動信号pを演算する(S600)。
この駆動信号pをD/A変換器90を介して駆動部100に出力する(S610)。
ここで、本実施例におけるブレ補正装置200を備えたカメラシステムでのブレ補正の効果について、上述した数式(1)を用いて説明する。
まず、角度ブレとシフトブレを含む像面のブレ量を表す数式(1)を変形すると、以下のように表すことができる。
Di=βθ{R−(n−d/θ)} (12)
この数式(12)は、シフトブレによって、角度ブレの回転中心位置がずれることを示しており、したがって、回転中心位置を検出できればシフトブレも補正することができ、結果的に、撮影倍率βが高倍率のときに、ブレ補正の効果を向上させることができることを示している。
本実施例におけるカメラシステムでは、上述したように、角速度センサ10の出力と、加速度センサ20の出力とを用いて、特に、数式(9)と数式(10)とに基づいて、角度振れの回転中心位置信号n’(t)の変動をリアルタイムで算出しているため(n’に付いているサフィックスtは、経過時間を表す変数である)、撮影倍率βが高倍率であってもブレ補正の効果を向上させることができる。
図5は、従来のブレ補正装置と本発明によるブレ補正装置200とのブレ補正の効果を示す図である。また、横軸は、撮影倍率であり、縦軸は、ブレ補正の効果を示している。なお、従来のブレ補正装置のブレ補正効果を破線、本発明によるブレ補正装置200のブレ補正効果を実線でそれぞれ示す。
ブレ補正装置200のブレ補正効果は、図示のように、従来のブレ補正装置と比較して、撮影倍率が大きくなってもブレ補正効果が低下しない。
本実施例によれば、(1)角度振れの回転中心位置をリアルタイムで検出することによって、シフトブレを検出しているので、撮影倍率が高い倍率であるときにもブレ補正の効果を向上させることができる。
(2)加速度検出信号a’(t)を積分するのは1回だけであり、従来のような積分を2回行うシステムよりも誤差の累積を大幅に小さくできるので、検出精度の向上が期待できると共に、レンズCPU120での演算負荷を大幅に減少させることができる。
(3)加速度センサ20は、X軸方向、Y軸方向でそれぞれ1つずつ(合計2つ)あればよいので、省スペース化やコストの削減を図ることができる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲である。
(1)上述した数式(9)で分母に定数項を設けたのは、ω=0となるときに、rが発散してしまうためであった。しかし、ωの絶対値が大きい場合には、発散は特に問題にならないので、加速度センサ20から角度振れの回転中心位置までの距離r(t)を次式により算出するようにしてもよい。
r(t)=V(t)/[ω’(t)+C{ω’(t)}] (13)
ここで、C(ω’)は角速度検出値の関数であって、その一例を以下に示す。
図6は、角速度検出値の関数C(ω’)を示す図である。
このC(ω’)は、例えば、ω’の絶対値が小さくなるほど、値が大きくなり、逆に、ω’の絶対値が大きくなるほど、値が小さくなる関数である。
この関数C(ω’)によれば、ω’=0でのrの発散を防止できると共に、ω’の絶対値が所定値以上であれば、回転中心位置を求めるための上述した理論式である数式(8)を用いることができ、その結果、より正確に回転中心位置を算出することができる。なお、この関数C(ω’)は、ω’=0でのrの発散を防止でき、さらに、ω’の絶対値が所定値以上であるときに、数式(13)を数式(8)に近似できる関数であれば、適宜の関数を用いてもよい。
したがって、数式(13)を用いることにより、ブレ補正装置200は、撮影倍率が高い倍率のときにブレ補正効果をさらに向上させることができる。
(2)数式(10)で用いられる値n’(t)、Dは、共にフィルム面を基準としたが、これに限られず、光軸I上に配置された面(カメラシステム内に配置され、固定された部材)であれば、適宜の部材を基準としてもよい。
本発明によるブレ補正装置200の実施例を示すブロック図である。 本発明によるブレ補正装置200を備えたカメラシステムでのシーケンスを説明するフローチャートである。 駆動信号演算部80の詳細を示すブロック図である。 駆動信号演算部80の動作を示すフローチャートである。 従来のブレ補正装置と本発明によるブレ補正装置200とのブレ補正の効果を示す図である。 角速度検出値の関数C(ω’)を示す図である。 従来のブレ補正装置の概略を示すブロック図である。
符号の説明
10 角速度センサ
20 加速度センサ
30 角速度増幅部
40加速度増幅部
50,60,70 A/D変換器
80 駆動信号演算部
81 角速度基準値演算部
82 加速度基準値演算部
83 角速度積分演算部
84 加速度積分演算部
85 回転中心位置演算部
86 駆動信号算出部
90 D/A変換器
100 駆動部
110 ブレ補正レンズ
120 レンズCPU
130 半押しタイマ
140 電源供給部
150 レンズ鏡筒
160 カメラボディ
200 ブレ補正装置

Claims (5)

  1. 振れの角速度を検出する角速度検出部と、
    振れの加速度を検出する加速度検出部と、
    前記加速度に基づいて加速度基準値を算出すると共に、前記加速度から前記加速度基準値を減算した値を積分することにより振れの速度を算出する速度演算部と、
    前記角速度と前記速度とに基づいて、振れの回転中心位置を算出する回転中心演算部と、
    を備えた像ブレ補正装置において、
    前記回転中心演算部は、前記加速度検出部から前記回転中心位置までの距離r(t)を、前記速度V(t)、前記角速度ω(t)、前記r(t)が発散しないための定数Cに基づいて、次式、
    r(t)=V(t)/(|ω(t)|+C)
    ただし、ω(t)≧0
    r(t)=−V(t)/(|ω(t)|+C)
    ただし、ω(t)<0
    を用いて算出すること、を特徴とする像ブレ補正装置
  2. 振れの角速度を検出する角速度検出部と、
    振れの加速度を検出する加速度検出部と、
    前記加速度に基づいて加速度基準値を算出すると共に、前記加速度から前記加速度基準値を減算した値を積分することにより振れの速度を算出する速度演算部と、
    前記角速度と前記速度とに基づいて、振れの回転中心位置を算出する回転中心演算部と、を備えた像ブレ補正装置において、
    前記回転中心演算部は、前記加速度検出部から前記回転中心位置までの距離r(t)を、前記速度V(t)、前記角速度ω(t)、前記r(t)が発散しないための前記角速度(t)を変数とする関数C{ω(t)}に基づいて、次式、
    r(t)=V(t)/[ω(t)+C{ω(t)}]
    を用いて算出すること、を特徴とする像ブレ補正装置
  3. 請求項1又は請求項2に記載の像ブレ補正装置において、
    ピッチング方向の振れの加速度とヨーイング方向の振れの加速度とを検出する加速度検出部を備え、
    前記速度演算部は、前記加速度に基づいて前記速度を算出することを特徴とする像ブレ補正装置
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の像ブレ補正装置において
    像ブレを光学的に補正するブレ補正光学部材と、
    前記ブレ補正光学部材を駆動する駆動部と、
    前記ブレ補正光学部材のレンズ固有値、撮影倍率、被写体と光軸上に配置された撮像面との第1距離、前記加速度検出部と前記撮像面との第2距離、を測定及び/又は記憶する情報入力部と、
    前記角速度に基づいて角速度基準値を算出すると共に、前記角速度から前記角速度基準値を減算した値を積分することにより、角度振れを算出する角度演算部と、
    前記ブレ補正光学部材の現在位置を検出する位置検出部と、
    前記ブレ補正光学部材の目標駆動位置を算出する目標駆動位置演算部と、
    前記ブレ補正光学部材の前記現在位置と前記目標駆動位置とに基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と
    を備え、
    前記目標駆動位置演算部は、目標駆動位置L(t)を、前記加速度検出部から前記回転中心位置までの距離r(t)と、前記角度振れθ(t)と、前記情報入力部により測定及び/又は記憶された前記レンズ固有値K、前記撮影倍率β、前記第1距離R、前記第2距離D、に基づいて、次式、
    L(t)=Kβθ(t)(R−D+r(t))
    を用いて算出すること、
    を特徴とするブレ補正装置。
  5. 請求項4に記載のブレ補正装置において、
    前記像ブレの補正に必要な電源の供給を開始させる半押しスイッチと、
    前記半押しスイッチが押されている間はONのままであり、前記半押しスイッチがOFFとなってからも一定時間はONのままとなっている半押しタイマとを備え、
    前記駆動制御部は、前記半押しタイマがONとなっているときに前記駆動部を制御することを特徴とするブレ補正装置。
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