JPH11269040A - 水性ネイルエナメル - Google Patents

水性ネイルエナメル

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JPH11269040A
JPH11269040A JP7569798A JP7569798A JPH11269040A JP H11269040 A JPH11269040 A JP H11269040A JP 7569798 A JP7569798 A JP 7569798A JP 7569798 A JP7569798 A JP 7569798A JP H11269040 A JPH11269040 A JP H11269040A
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JP
Japan
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weight
nail enamel
aqueous nail
parts
emulsion
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JP7569798A
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Yasuhiro Omori
泰宏 大森
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間浸水時の密着性、耐水白化性、及び化
粧持ちに優れた水性ネイルエナメルを提供すること。 【解決手段】 水性ネイルエナメルにおいて、燐酸エス
テル系乳化剤を使用した乳化重合で得られるアクリル系
樹脂を主成分とするエマルジョンを用いる。燐酸エステ
ル系乳化剤は、全樹脂成分100重量部に対して、0.
5重量部以上10重量部以下の範囲で用いられる。この
アクリル系樹脂は、疎水性モノマーと親水性モノマーと
を共重合させることにより得られる。エマルジョンの分
散質の平均粒子直径は、30ナノメーター以上200ナ
ノメーター以下とされる。この水性ネイルエナメルに
は、全樹脂成分100重量部に対して0.5重量部以上
50重量部以下の造膜助剤が添加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、爪を着色したり装
飾したりするのに用いられる水性ネイルエナメルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】爪に塗られるネイルエナメル(「美爪
料」とも称される)は、これを爪に塗布した者が日常生
活において入浴、水泳、食器洗い等を行うことがあるの
で、長時間浸水時の密着性、耐水白化性及び化粧持ちが
良好であることが必要である。
【0003】このような要求をほぼ満足するネイルエナ
メルとして、例えばニトロセルロースやアルキッド樹脂
類等の樹脂、フタル酸エステルやアジピン酸エステル等
の可塑剤、酢酸エステルや低級アルコールやトルエン等
の有機溶剤及び有機顔料等の色剤より構成された、いわ
ゆる溶剤系のものが従来用いられている。しかし、これ
らのネイルエナメルに含まれる有機溶剤が原因で、繰り
返し使用することにより爪の光沢がなくなってしまった
り、爪が黄ばんだり、爪が割れてしまったりすることが
ある。また、溶剤系のネイルエナメルは引火性を有して
いて危険であり、しかも人体への悪影響という欠点もあ
る。
【0004】これらの欠点を解消する目的で、水溶性又
は水分散性の水性ネイルエナメルが提案されている。例
えば、特開昭48−35047号公報、特開昭56−1
31513号公報、特開昭57−56410号公報、特
開平2−221214号公報、特開平4−103512
号公報、特開平4−103513号公報、特開平4−1
03514号公報、特開平4−297408号公報、特
開平5−163118号公報、特開平6−298624
号公報、特開平7−69833号公報等に、水性ネイル
エナメルが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら水性ネイルエナ
メルは、通常常態での密着性等の点ではほぼ満足できる
レベルにあるが、長時間浸水時の密着性、耐水白化性及
び化粧持ちの点では溶剤系のネイルエナメルに比べて極
端に劣っており、実用上の総合的な性能として不十分な
ものであるという問題がある。
【0006】本発明はこれらの問題に鑑みてなされたも
のであり、長時間浸水時の密着性、耐水白化性及び化粧
持ちに優れた水性ネイルエナメルを提供することをその
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためになされた発明は、燐酸エステル系乳化剤を使用し
た乳化重合で得られるアクリル系樹脂を主成分とするエ
マルジョンを用いた水性ネイルエナメル、である(請求
項1)。
【0008】この発明によれば、燐酸エステル系乳化剤
を使用した乳化重合で得られるアクリル系樹脂を主成分
としているので、後に詳説するように、長時間浸水時の
密着性、耐水白化性及び化粧持ちを向上させることがで
きる。乳化重合時の良好な重合安定性を維持しつつ長時
間浸水時の密着性、耐水白化性及び化粧持ちを向上させ
るには、燐酸エステル系乳化剤の使用量を、全樹脂成分
100重量部に対して0.5重量部以上10重量部以下
とすればよい(請求項2)。
【0009】これらの発明において、長時間浸水時の密
着性、耐水白化性及び化粧持ちと除去容易性とを両立さ
せるにはアクリル系樹脂の重量平均分子量を40000
以上100000以下とすればよい(請求項3)。ま
た、アクリル系樹脂のガラス転移温度を30℃以上80
℃以下とすれば(請求項4)、耐水白化性、造膜性及び
光沢を良好とすることができる。
【0010】これらの発明において、水性ネイルエナメ
ル中の固形分を10重量%以上60重量%以下とするの
が好ましい(請求項5)。また、エマルジョンの分散質
の平均粒子直径を30ナノメーター以上200ナノメー
ター以下とするのが好ましい(請求項7)。こうするこ
とにより、水性ネイルエナメルの良好な塗布性、造膜性
等を維持しつつ適度な厚みの塗膜を得ることができる。
【0011】また、これらの発明において、アクリル系
樹脂を疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合させ
たものとすることが好ましい(請求項6)。こうするこ
とにより、水性ネイルエナメルの安定性を維持しつつ塗
膜の長時間浸水時の密着性、耐水白化性及び化粧持ちを
更に高めることができる。
【0012】さらに、これらの発明において、水性ネイ
ルエナメルの貯蔵安定性を維持しつつ造膜性を高めるに
は、全樹脂成分100重量部に対して0.5重量部以上
50重量部以下の造膜助剤を添加するのが好ましい(請
求項8)。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水性ネイルエナメルで
は、燐酸エステル系乳化剤を使用した乳化重合で得られ
るアクリル系樹脂を主成分とするエマルジョンを用いて
いる。燐酸エステル系乳化剤とは、親水性基として燐酸
基を用いたアニオン性乳化剤のことである。燐酸エステ
ル系乳化剤はアクリル系樹脂との相溶性に優れ、また少
量の使用でも安定なエマルジョンを重合させることがで
きる。従って、得られる塗膜の長時間浸水時の密着性、
耐水白化性及び化粧持ちを向上させることができる。
【0014】燐酸エステル系乳化剤の使用量は、全樹脂
成分100重量部に対して0.5重量部以上10重量部
以下が好ましく、1重量部以上8重量部以下が特に好ま
しい。燐酸エステル系乳化剤の使用量が上記範囲未満で
あると、乳化重合時の重合安定性が不良となってしまう
ことがある。逆に、使用量が上記範囲を超えると、得ら
れる塗膜の長時間浸水時の密着性、耐水白化性及び化粧
持ちが十分ではなくなってしまうことがある。
【0015】用いられる燐酸エステル系乳化剤として
は、例えばラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナ
トリウム、アルキル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸ナトリウム、
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル燐酸ナトリウム
等のナトリウム塩が挙げられ、またこれと同等のカリウ
ム塩、アンモニウム塩等を用いることもできる。また、
これら乳化剤に重合性官能基を導入した反応性乳化剤を
用いることもできる。これら燐酸エステル系乳化剤は、
単独で、又は2種以上組み合わされて用いられる。
【0016】乳化重合に際し、保存安定性等を向上させ
る目的で、前述の燐酸エステル系乳化剤以外のアニオン
性乳化剤、非イオン性乳化剤等の、通常の乳化重合に用
いられる種々の乳化剤を併用することができる。併用さ
れる乳化剤は1種類であってもいいし、2種以上であっ
てもよい。また、併用される乳化剤は、重合性官能基が
導入された反応性乳化剤であってもよい。併用される乳
化剤の使用量は、燐酸エステル系乳化剤の効能を阻害し
ない範囲で適宜選定されるが、一般的には全樹脂成分1
00重量部に対して0.01重量部以上2重量部以下が
好ましく、0.01重量部以上1重量部以下が特に好ま
しい。
【0017】併用されるアニオン性乳化剤としては、例
えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、アルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ
ウム等のナトリウム塩が挙げられ、また、これらと同等
のカリウム塩、アンモニウム塩等も用いることができ
る。
【0018】併用される非イオン系乳化剤としては、脂
肪族アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキル
フェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキ
レンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレン
オキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド
付加物、ソルビトール又はソルビタンの脂肪酸エステル
等が挙げられる。
【0019】この水性ネイルエナメルの主成分であるア
クリル系樹脂の重量平均分子量は、40000以上10
0000以下が好ましく、50000以上80000以
下が特に好ましい。ここで、重量平均分子量は、溶媒と
してテトラヒドロフランを使用し、標準物質としてポリ
スチレンを使用した濾過クロマトグラフィーによって測
定される。アクリル系樹脂の重量平均分子量が上記範囲
未満であると、得られる塗膜の長時間浸水時の密着性、
耐水白化性及び化粧持ちが十分ではなくなってしまうこ
とがある。逆に、重量平均分子量が上記範囲を越える
と、水性ネイルエナメルの除去性が低下してしまうこと
がある。
【0020】このアクリル系樹脂のガラス転移点は、3
0℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上80以下が
特に好ましい。アクリル系樹脂のガラス転移温度が上記
範囲未満であると、耐水白化性が低下してしまうことが
ある。逆に、ガラス転移温度が上記範囲を越えると、造
膜性及び光沢が低下してしまうことがある。
【0021】なお、複数種類のモノマーよりアクリル系
樹脂を共重合する場合のガラス転移点Tgは、トボルス
キの計算式から導出される下記式によって算出される。 Tg=1/(W1/Tg1 + W2/Tg2+ ・・・) この式中、Tg1、Tg2、・・・は各モノマー単体で重
合体を形成した場合のその重合体のガラス転移温度
(K)を表し、W1、W2、・・・は、各モノマーの重量
分率を表す。
【0022】このエマルジョンの分散質の平均粒子直径
は、30ナノメーター以上200ナノメーター以下が好
ましく、80ナノメーター以上150ナノメーター以下
が特に好ましい。平均粒子直径が上記範囲未満である
と、水性ネイルエナメルの粘度が高すぎて爪に塗る際の
筆さばきが困難となり、また粘度を適切値まで下げるた
めに水を多量に添加すれば固形分が例えば10重量%以
下となって、膜厚を稼げなくなってしまうことがある。
逆に、平均粒子直径が上記範囲を超えると、水性ネイル
エナメルの造膜性及び光沢が低下してしまうことがあ
る。
【0023】このアクリル系樹脂を重合するに際し、疎
水性モノマーと親水性モノマーとを共重合させると、水
性ネイルエナメルの安定性を維持しつつ塗膜の耐水性を
高めることができる。共重合させる場合、全モノマーに
しめる疎水性モノマーの量は、87重量%以上99.5
重量%以下が好ましく、88重量%以上99重量%以下
が特に好ましい。また、全モノマーにしめる親水性モノ
マーの量は、0.01重量%以上3重量%以下が好まし
く、0.1重量%以上2重量%以下が特に好ましい。疎
水性モノマーの使用比率が低下して親水性モノマーの使
用比率が上昇すると、得られる塗膜の長時間浸水時の密
着性、耐水白化性、及び化粧持ちが低下してしまうこと
がある。逆に、疎水性モノマーの使用比率が上昇して親
水性モノマーの使用比率が低下すると、水性ネイルエナ
メルの安定性が低下してしまうことがある。
【0024】用いられる疎水性モノマーとしては、例え
ばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステア
リル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1以上24以下の
アルキル又はシクロアルキルエステル;ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素数2以上8
以下のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリド
ン、ビニルピリジン等の芳香族不飽和モノマー;グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポ
キシ基含有の(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸
1−メチル2−ピロリドン、アクリル酸1−エチル2−
ピロリドン、メタクリル酸1−メチル2−ピロリドン、
メタクリル酸1−エチル2−ピロリドン等の(メタ)ア
クリル酸のピロール環含有の炭素数1以上24以下のア
ルキルエステル;アクリル酸1−メチル2−オキサゾリ
ドン、アクリル酸1−エチル2−オキサゾリドン、メタ
クリル酸1−メチル2−オキサゾリドン、メタクリル酸
1−エチル2−オキサゾリドン等の(メタ)アクリル酸
のオキサゾール環含有の炭素数1以上24以下のアルキ
ルエステル;等が挙げられ、これらが単独で又は2種以
上組み合わされて用いられる。
【0025】用いられる親水性モノマーとしては、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン
酸、ポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレー
ト、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられ、これ
らが単独で又は2種以上組み合わされて用いられる。
【0026】アクリル系樹脂を乳化重合する場合、ラジ
カル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤は
熱、還元性物質等によってラジカル分解してモノマーへ
付加重合を起こすものであり、水溶性又は油溶性の過硫
酸塩、過酸化物、アゾ化合物等を使用することができ
る。
【0027】用いられるラジカル重合開始剤としては、
例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジ
アミノプロパン)ハイドロクロライド等が挙げられる。
【0028】重合を促進させたい場合や低温で重合させ
る場合は、これらラジカル重合開始剤と組み合わせて、
例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン
酸塩、ロンガリット等の還元剤を使用すればよい。
【0029】本発明の水性ネイルエナメルのアクリル系
樹脂の重量平均分子量は、前述のように40000以上
100000以下が好ましいが、重量平均分子量をこの
範囲内に調節するために連鎖移動剤が用いられてもよ
い。用いられる連鎖移動剤としては、例えばオクチルメ
ルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸
オクチル、メルカプトプロピオン酸オクチル等のメルカ
プタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチ
ルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフ
ィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化
水素類等が挙げられる。
【0030】本発明の水性ネイルエナメルに用いられる
樹脂分散液は、特に中和剤を使用しなくとも安定な分散
性を示すが、必要に応じ、例えばアンモニア、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アミン類等のpH調整剤を
適量使用してもよい。
【0031】本発明の水性ネイルエナメルには、通常の
ネイルエナメルに添加される造膜助剤、可塑剤、顔料、
増粘剤、消泡剤、防腐剤等が適宜配合される。また、用
途によっては、キレート剤、分散剤、染料、香料、油
分、保湿剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
【0032】特に、これら添加剤の中でも、爪に塗られ
た場合の常温での造膜性を向上させるため、造膜助剤を
添加するのが好ましい。造膜助剤の使用量は、全樹脂成
分100重量部に対して0.5重量部以上50重量部以
下が好ましく、1重量部以上30重量部以下が特に好ま
しい。造膜助剤の使用量が上記範囲未満であると、造膜
性が十分ではなくなってしまうことがある。逆に、使用
量が上記範囲を超えると、水性ネイルエナメルの貯蔵安
定性が低下してしまうことがある。
【0033】用いられる造膜助剤としては、例えばエチ
ルセルソルブアセテート等のセルソルブアセテート類、
ジメチルカルビトール等のカルビトール類、エチルセル
ソルブアセテート等のセルソルブアセテート類、ヘキサ
ノール等のアルコール類等が挙げられ、これらが単独で
又は2種以上組み合わされて用いられる。
【0034】本発明の水性ネイルエナメルに用いられる
樹脂分散液の乳化重合法としては、既知の種々の方法を
採用することができ、例えば、水、乳化剤等の存在下で
重合性組成物を滴下するモノマー滴下法、重合性組成物
を水、乳化剤の存在下で乳化し、それを滴下しながら重
合を行うプレエマルジョン法、水、乳化剤及び重合性組
成物の存在下で重合を行う一浴重合法等を採用すること
ができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、これら実施例の開示に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0036】[実施例及び比較例の水性ネイルエナメル
の調製] [実施例1]まず、第1段階として脱イオン水16重量
部、燐酸エステル系乳化剤としてのラウリル燐酸ナトリ
ウム0.75重量部、メタクリル酸メチル42重量部、
アクリル酸ブチル7重量部、アクリル酸1重量部及び連
鎖移動剤としてのチオグリコール酸オクチル0.3重量
部を攪拌機を用いて混合し、均一なプレエマルジョンを
得た。
【0037】次に、第2段階として、攪拌機、環流冷却
器、滴下ろ斗及び温度計を備えた容量2リットルの4つ
口フラスコに、脱イオン水33重量部及び前述のラウリ
ル燐酸ナトリウム0.008重量部を仕込んで、窒素ガ
ス気流下に80℃まで加熱した。ここへラジカル重合開
始剤としての過硫酸カリウム0.1重量部を添加し、第
1段階で得たプレエマルジョンを3時間かけて滴下し
た。この時の重合温度は、68℃以上72℃以下の範囲
に維持された。滴下終了後も上記温度範囲を2時間維持
し、重合を完了させた。その後室温まで冷却して、20
0メッシュの濾布にて濾過した。得られた樹脂エマルジ
ョンの固形分は50重量%であり、分散質の平均粒子直
径は100ナノメーターであり、樹脂の重量平均分子量
は70000であった。
【0038】次に、第3段階として、第2段階で得られ
た樹脂エマルジョン100重量部に、水33重量部、造
膜助剤としてのブチルセルソルブ7.5重量部、赤色顔
料(R−226)1重量部、増粘剤としてのベントナイ
ト0.3重量部、pH6から7に調整するための25%
アンモニア水少量、防腐剤としてのメチルパラベン0.
05重量部及びシリコーン系消泡剤(信越化学工業株式
会社製の「KM72F」)0.05重量部を配合し、実
施例1の水性ネイルエナメルを調整した。
【0039】[実施例2]第1段階及び第2段階で用い
る乳化剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
燐酸ナトリウム(エチレンオキサイド付加モル数:1
0)とし、第1段階で用いるモノマーをメタクリル酸メ
チル30重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル9重量
部、スチレン10重量部、アクリル酸1重量部とした他
は実施例1と同様にして、樹脂エマルジョンを得た。こ
の樹脂エマルジョンの固形分は50重量%であり、分散
質の平均粒子直径は100ナノメーターであり、樹脂の
重量平均分子量は65000であった。この樹脂エマル
ジョンに実施例1と同様の配合処方を施し、実施例2の
水性ネイルエナメルを得た。
【0040】[比較例1]第1段階及び第2段階で用い
る乳化剤をラウリル硫酸ナトリウムとした他は実施例1
と同様にして、樹脂エマルジョンを得た。この樹脂エマ
ルジョンの固形分は50重量%であり、分散質の平均粒
子直径は90ナノメーターであり、樹脂の重量平均分子
量は70000であった。この樹脂エマルジョンに実施
例1と同様の配合処方を施し、比較例1の水性ネイルエ
ナメルを得た。
【0041】[比較例2]第1段階及び第2段階で用い
る乳化剤をドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムと
した他は実施例1と同様にして、樹脂エマルジョンを得
た。この樹脂エマルジョンの固形分は50重量%であ
り、分散質の平均粒子直径は90ナノメーターであり、
樹脂の重量平均分子量は70000であった。この樹脂
エマルジョンに実施例1と同様の配合処方を施し、比較
例2の水性ネイルエナメルを得た。
【0042】[比較例3]第1段階及び第2段階で用い
る乳化剤をドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムと
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレン
オキサイド付加モル数:20)との1:1混合物とし、
第1段階で用いるモノマーをメタクリル酸メチル30重
量部、アクリル酸2−エチルヘキシル9重量部、スチレ
ン10重量部、アクリル酸1重量部とした他は実施例1
と同様にして、樹脂エマルジョンを得た。この樹脂エマ
ルジョンの固形分は50重量%であり、分散質の平均粒
子直径は150ナノメーターであり、樹脂の重量平均分
子量は70000であった。この樹脂エマルジョンに実
施例1と同様の配合処方を施し、比較例3の水性ネイル
エナメルを得た。
【0043】[各実施例及び各比較例の水性ネイルエナ
メルの評価]各実施例及び各比較例の水性ネイルエナメ
ルを、下記の評価に供した。
【0044】[光沢]温度20℃、湿度65%RHの条
件下で、各水性ネイルエナメルをガラス板上にアプリケ
ータで膜厚約20μmとなるように塗布した。これを1
5分間放置して乾燥させ、塗膜の光沢(艶、透明性)を
目視で判定した。光沢の良好なものを○、光沢がやや劣
るものを△、光沢が劣るものを×とした。これらの評価
結果が、下記の表1に示されている。
【0045】[密着性]温度20℃、湿度65%RHの
条件下で、各水性ネイルエナメルを爪(3人)に塗布し
た。そして、15分間乾燥させた後硬度Hの鉛筆で塗膜
を擦り、塗膜の剥離の程度を目視で判定した。
【0046】また、同様に爪に各水性ネイルエナメルを
塗布して2時間プールで水泳した後、硬度Hの鉛筆で塗
膜を擦って塗膜の剥離の程度を目視で判定した。
【0047】剥離が見られないものを○、剥離がやや見
られるものを△、激しい剥離が見られるものを×とし
た。これらの評価結果が、下記の表2及び表3に示され
ている。
【0048】[耐水白化性]温度20℃、湿度65%R
Hの条件下で、各水性ネイルエナメルをガラス板上にア
プリケータで膜厚約20μmとなるように塗布した。こ
れを15分間放置して乾燥させ、45℃の水につけて1
5分間放置した後、塗膜の白化の程度を目視で判定し
た。
【0049】また、同様に各水性ネイルエナメルを塗布
して乾燥させ、18℃の水につけて24時間放置した
後、塗膜の白化の程度を目視で判定した。
【0050】白化が見られないものを○、白化がやや見
られるものを△、前面に白化が見られて不透明化したも
のを×とした。これらの評価結果が、下記の表1に示さ
れている。
【0051】[化粧持ち]各水性ネイルエナメルを、5
名の女性の爪に塗布してもらった。そして、2日間通常
の生活をしてもらい、その後の爪の常態を目視で観察し
て化粧持ちを評価した。
【0052】また、同様に各水性ネイルエナメルを塗布
して2時間プールで水泳した後、爪の常態を目視で観察
して化粧持ちを評価した。
【0053】化粧持ちの良好なものを○、化粧持ちがや
や劣るものを△、化粧持ちが劣るものを×とした。これ
らの評価結果が、下記の表1に示されている。
【0054】
【表1】
【0055】表1において、燐酸エステル系乳化剤を用
いた実施例1及び2の水性ネイルエナメルは、光沢、密
着性、耐水白化性及び化粧持ちの全てにおいて優れてい
る。これに対して、燐酸エステル系乳化剤を用いていな
い比較例1及び2の水性ネイルエナメルは、水泳後の密
着性及び化粧持ちに劣っている。また、同様に、燐酸エ
ステル系乳化剤を用いていない比較例3の水性ネイルエ
ナメルは、水泳後の密着性及び化粧持ち並びに長時間浸
水後の耐水白化性に劣っている。この評価結果より、本
発明の水性ネイルエナメルが長時間浸水時の性能に優れ
ること、すなわち水に強いことが解る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性ネイ
ルエナメルは、長時間浸水時の密着性、耐水白化性及び
化粧持ちに優れている。従って、入浴、水泳、食器洗い
等を行うことがある日常生活において有用なネイルエナ
メルである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸エステル系乳化剤を使用した乳化重
    合で得られるアクリル系樹脂を主成分とするエマルジョ
    ンを用いた水性ネイルエナメル。
  2. 【請求項2】 上記燐酸エステル系乳化剤の使用量が、
    全樹脂成分100重量部に対して0.5重量部以上10
    重量部以下である請求項1に記載の水性ネイルエナメ
    ル。
  3. 【請求項3】 上記アクリル系樹脂の重量平均分子量
    が、40000以上100000以下である請求項1又
    は2に記載の水性ネイルエナメル。
  4. 【請求項4】 上記アクリル系樹脂のガラス転移温度
    が、30℃以上80℃以下である請求項1から3のいず
    れかに記載の水性ネイルエナメル。
  5. 【請求項5】 固形分が10重量%以上60重量%以下
    含有された請求項1から4のいずれかに記載の水性ネイ
    ルエナメル。
  6. 【請求項6】 上記アクリル系樹脂が、疎水性モノマー
    と親水性モノマーとを共重合させることにより得られる
    樹脂である請求項1から5のいずれかに記載の水性ネイ
    ルエナメル。
  7. 【請求項7】 上記エマルジョンの分散質の平均粒子直
    径が、30ナノメーター以上200ナノメーター以下で
    ある請求項1から6のいずれかに記載の水性ネイルエナ
    メル。
  8. 【請求項8】 全樹脂成分100重量部に対して0.5
    重量部以上50重量部以下の造膜助剤が添加された請求
    項1から7のいずれかに記載の水性ネイルエナメル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147444A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Mitsubishi Pencil Co Ltd 美爪料組成物
JP2014118395A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Mitsubishi Pencil Co Ltd 剥離型水系美爪料組成物

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JP2013147444A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Mitsubishi Pencil Co Ltd 美爪料組成物
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