JPH11267212A - 吸入式投薬器 - Google Patents

吸入式投薬器

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JPH11267212A
JPH11267212A JP9237798A JP9237798A JPH11267212A JP H11267212 A JPH11267212 A JP H11267212A JP 9237798 A JP9237798 A JP 9237798A JP 9237798 A JP9237798 A JP 9237798A JP H11267212 A JPH11267212 A JP H11267212A
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久朝 大木
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一則 石関
Shigemi Nakamura
茂巳 中村
Yoshiyuki Tanizawa
嘉行 谷澤
Akira Yanagawa
明 柳川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬粉収容穴内で塊となった薬粉を微粒化し、
規定量の薬粉を患者に投与する。 【解決手段】 流入側通気路13の軸方向通路14の流
入通路15とピン挿通孔18と間に、ピン挿通孔18の
接線方向に偏心した位置に開口した絞り通路17を形成
する構成としている。薬粉を吸入するとき、吸入口をく
わえて息を吸込むと、軸方向通路14の流入通路15か
ら供給される空気流は、絞り通路17を通してピン挿通
孔18に流れ、ピン挿通孔18内で空気流に旋回流を形
成する。このため、カプセルK内の薬粉が凝集性の強い
造粒体等で固着した場合でも、この旋回流により塊状薬
粉を突き崩して微粒化することができ、規定量の薬粉を
肺内に吸入させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、患者の息
の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与す
るのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、喘息患者等の肺に薬品を投与す
る方法には、液体エアゾール噴霧器で吸引する方法、薬
粉収容穴やカプセル内に充填された粉体状の薬品(以
下、薬粉という)を吸入する方法等が用いられている。
【0003】これら喘息患者用の薬品投与方法のうち、
薬粉収容穴等に充填された薬粉を吸入する方法に用いら
れる吸入式投薬器としては、特開平7−313599号
公報等に示すものが知られている。そして、この従来技
術による吸入式投薬器は、軸方向の一側が薬粉を収容す
る薬粉収容穴となり、他側が吸入口となった投薬器本体
と、該投薬器本体の薬粉収容穴内に空気を流入させるた
め、前記薬粉収容穴と大気側とを連通して設けられた流
入側通気路と、前記薬粉収容穴内の薬粉を前記吸入口側
に流出させるため、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通
して設けられた流出側通気路とを備えている。
【0004】この吸入式投薬器では、薬粉収容穴に薬粉
を充填し、この状態で吸入口をくわえて息を吸込むこと
により、大気側から流入側通気路を通して薬粉収容穴内
に空気を流入させ、この空気流によって該薬粉収容穴内
の薬粉を拡散する。そして、空気流によって拡散された
薬粉を流出側通気路を通して吸入口側に放出し、該吸入
口から患者の肺内に吸入させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による吸入式投薬器では、流入側通気路を通して
薬粉収容穴内に流入する空気流によって薬粉を拡散させ
るようにしている。しかし、薬粉が凝集性の強い造粒
体、静電気を帯び易い粉体等である場合には、薬粉が分
散されずに塊のまま吸入口側に流出してしまう。この結
果、塊状をなした薬粉が吸入途中で口内等に落下するこ
ととなり、規定量の薬粉を肺内に吸入することができ
ず、薬粉の効能が低下するという問題がある。
【0006】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、薬粉収容穴内で塊と
なった薬粉を微粒化し、規定量の薬粉を患者に投与でき
るようにした吸入式投薬器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による吸入式投薬
器は、軸方向の一側が薬粉を収容する薬粉収容穴とな
り、他側が吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体
の薬粉収容穴内に空気を流入させるため、前記薬粉収容
穴と大気側とを連通して設けられた流入側通気路と、前
記薬粉収容穴内の薬粉を前記吸入口側に流出させるた
め、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通して設けられた
流出側通気路とを備えている。
【0008】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する手段の特徴は、流入側通気路
を、投薬器本体の軸方向に伸長して大気に開口した軸方
向通路と、投薬器本体の径方向に伸長して薬粉収容室に
開口した径方向通路とによって形成し、前記軸方向通路
は前記径方向通路の接線方向に偏心した位置に開口して
設ける構成としたことにある。
【0009】このように構成することにより、吸入口を
くわえて息を吸込むと、流入側通気路の軸方向通路に大
気が流入し、空気流として径方向通路を通って薬粉収容
穴内に流入する。このとき、軸方向通路を径方向通路の
接線方向に偏心した位置に開口しているから、軸方向通
路から径方向通路に流れる空気に旋回流を形成し、この
旋回流を薬粉収容穴内に流入させる。これにより、この
旋回流は、薬粉収容穴内で凝集等によって固着した薬粉
を分散して微粒化し、微粒化された薬粉が空気に混入し
た状態で流出側通気路を通って吸入口側に放出され、該
吸入口から肺内に吸入される。
【0010】請求項2の発明では、軸方向通路を、大気
に連通する流入通路と、径方向通路に開口する絞り通路
によって形成したことにある。
【0011】このように構成することにより、吸込み時
に流入通路から絞り通路を通して径方向通路に流れる空
気に旋回流を形成することができ、薬粉収容穴内の薬粉
を分散して微粒化を促進することができる。
【0012】請求項3の発明では、流入通路と絞り通路
との間に、空気貯め室を設けたことにある。
【0013】このように構成することにより、吸込み時
に流入通路から空気貯め室、絞り通路を通して径方向通
路に流れる空気に旋回流を形成することができ、薬粉収
容穴内の薬粉を分散して微粒化を促進することができ
る。
【0014】請求項4の発明では、絞り通路を径方向通
路に対して複数個形成したことにある。
【0015】このように構成することにより、複数個の
絞り通路を通して径方向通路に流れ込む空気に複数個の
旋回流を形成し、カプセル収容穴内に流れ込む空気に乱
流を発生させることができる。
【0016】請求項5の発明では、投薬器本体に、該投
薬器本体の径方向に伸長して薬粉収容穴に開口したピン
挿通孔と、前記薬粉収容穴内に収容されるカプセルに貫
通穴をあけるために前記ピン挿通孔からカプセルに向け
挿入されるピンを有する穴あけ具とを設け、流入側通気
路の径方向通路を前記ピン挿通孔によって構成したこと
にある。
【0017】このように構成することにより、薬粉収容
穴内にカプセルを挿入し、この状態で穴あけ具のピンを
ピン挿通孔からカプセルに向け挿入することにより、該
ピンによってカプセルに貫通穴を形成する。このとき、
流入側通気路の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構
成しているから、流入側通気路は薬粉収容穴に開口し、
該流入側通気路を流通する空気流をカプセルの貫通穴を
通してカプセル内に流入させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
吸入式投薬器を図1ないし図8に従って詳細に説明す
る。
【0019】1は吸入式投薬器の基部をなす投薬器本体
で、該投薬器本体1は、後述するボディ2と吸入口7と
から大略構成されている。
【0020】2は投薬器本体1の一側に位置して該投薬
器本体1の外形をなすボディで、該ボディ2は、略円筒
状に形成された筒状体3と、該筒状体3の外周から図1
中の上向きに突設され、後述する穴あけ具23の支持部
24を可動に支持する長円筒状のガイド筒部4とから構
成されている。
【0021】また、筒状体3の前端側には後述の吸入口
7が螺着され、また該筒状体3の後端側にはキャップ1
1が固着されている。そして、筒状体3の外側には、後
述する流入側通気路13、流出側通気路19が形成さ
れ、内周にはホルダ収容部5が形成されている。
【0022】5は筒状体3の内周に形成され、後述する
カプセルホルダ8のカプセル保持部9を出入れ可能に収
容するホルダ収容部で、該ホルダ収容部5は、図2に示
すように、筒状体3の下側寄りに位置し、該筒状体3の
軸方向に伸長したほぼ四角形状の貫通穴として形成され
ている。
【0023】6はホルダ収容部5の上側に位置して設け
られたカプセル嵌合溝で、該カプセル嵌合溝6は、後述
するカプセル嵌合凹部9Aと共にカプセル収容空間10
を形成するもので、カプセル嵌合凹部9Aに嵌合された
カプセルKを上側から保持するために、カプセルKの外
径寸法に応じた断面半円弧状の溝として形成されてい
る。
【0024】7は筒状体3の他側に着脱可能に取付けら
れた吸入口で、該吸入口7は略円筒状に形成され、一端
側には筒状体3に螺着され、他端側外周は患者がくわえ
易いように他側に向けて漸次縮径している。
【0025】8は投薬器本体1に対して着脱可能に設け
られたカプセルホルダで、該カプセルホルダ8は、図
3、図4に示すように、カプセル保持部9とキャップ1
1とから大略構成されている。
【0026】9はカプセルホルダ8の本体をなすカプセ
ル保持部で、該カプセル保持部9は、ホルダ収容部5に
嵌合する角棒状に形成され、その上面側にはカプセルK
が嵌合されるカプセル嵌合凹部9Aが形成されている。
そして、ホルダ収容部5内にカプセル保持部9を取付け
た際、カプセル嵌合凹部9Aとカプセル嵌合溝6との間
には薬粉収容穴となるカプセル収容空間10が形成され
ている。また、カプセル保持部9にはピン挿通孔9B,
9Cが穿設され、該ピン挿通孔9B,9Cは、カプセル
保持部9をホルダ収容部5内に取付けたとき、後述する
ピン挿通孔18,20に連通するものである。
【0027】11はカプセル保持部9に一体的に設けら
れ有底筒状に形成されたキャップで、該キャップ11
は、その蓋部11Aの中心部に通気孔11Bが形成さ
れ、前記蓋部11Aとカプセル保持部9との間には十字
状に配設された4本の脚部11Cが形成され、該各脚部
11C間は流入側通気路13に連通する開口通路11D
となっている。また、蓋部11Aと各脚部11Cとの間
には後述するチェック弁12が収容されている。
【0028】12はキャップ11の蓋部11Aと各脚部
11Cとの間に配設された逆流防止弁としてのチェック
弁で、該チェック弁12は、通気孔11Bを開閉する円
板状に形成されている。そして、チェック弁12は、薬
粉の吸入時に開弁して通気孔11Bから吸入口7に空気
が流れるのを許し、咳込み等により吸入口7内を逆流す
る空気流が発生したときに閉弁するものである。
【0029】このように形成されるカプセルホルダ8
は、キャップ11の外周を把持してホルダ収容部5から
カプセル保持部9を引出すことにより、該カプセル保持
部9を引出し位置に配置することができる。そして、こ
の引出し位置では、カプセル保持部9のカプセル嵌合凹
部9Aに薬粉が充填されたカプセルKを嵌合させたり、
カプセル嵌合凹部9Aから使用済みのカプセルKを取出
したりすることができる。また、カプセル保持部9のカ
プセル嵌合凹部9AにカプセルKを嵌合させた状態で、
キャップ11の外周を把持してカプセル保持部9をホル
ダ収容部5内に押込むことにより、カプセル保持部9を
押込み位置に配置し、カプセルKをカプセル収容空間1
0で保持することができる。
【0030】13,13は筒状体3の一側に位置して上
下の両側に形成された流入側通気路で、該各流入側通気
路13は、筒状体3の軸方向に延びる後述の軸方向通路
14と、筒状体3の径方向に延びる径方向通路となるピ
ン挿通孔18とにより構成され、軸方向通路14とピン
挿通孔18との間には、空気貯め室16、絞り通路17
が配設されている。
【0031】14,14は筒状体3の上下に位置して軸
方向に形成された流入側の軸方向通路で、該各軸方向通
路14は、一側がキャップ11の各開口通路11D、通
気孔11Bを通して大気に開口する流入通路15と、後
述する空気貯め室16と、ピン挿通孔18に開口する絞
り通路17とから構成されている。
【0032】16は図7に示すように、流入側の各軸方
向通路14の他端側に形成され、ピン挿通孔18を取り
囲むように形成された矩形状の空気貯め室で、該空気貯
め室16内には円柱部16Aが形成されている。
【0033】17,17は円柱部16Aに形成された絞
り通路で、該各絞り通路17は、一方が空気貯め室16
に開口し他方がピン挿通孔18の接線方向に偏心した位
置に開口して穿設されている。
【0034】18,18は筒状体3の一側寄りに形成さ
れ、流入側通気路13の径方向通路をなす流入側のピン
挿通孔で、該各ピン挿通孔18は、一方がカプセル嵌合
溝6にそれぞれ開口し、上側に位置したピン挿通孔18
の他方はガイド筒部4内に開口し、下側に位置したピン
挿通孔18の他方はカプセル保持部9のピン挿通孔9B
と連通している。
【0035】ここで、軸方向通路21からピン挿通孔1
8への空気の流れについて見ると、患者が吸入口7をく
わえて吸込むと、図7中の矢示のように、軸方向通路1
4の流入通路15を通して供給された空気は、空気貯め
室16内の円柱部16Aによって該空気貯め室16の回
りに広がり、円柱部16Aの各絞り通路17からピン挿
通孔18内に流れ込む、このとき、各絞り通路17はピ
ン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口している
から、ピン挿通孔18を流れる空気に旋回流を形成する
ことができる。
【0036】19,19は筒状体3の他側に位置して上
下の両側に形成された流出側通気路で、該各流出側通気
路19は、筒状体3の径方向に延びる径方向通路となる
ピン挿通孔20と、筒状体3の軸方向に延びる軸方向通
路21とにより構成されている。
【0037】20,20は筒状体3の他側寄りに形成さ
れ、流出側通気路19の径方向通路となる流出側のピン
挿通孔で、該各ピン挿通孔20は、一方がカプセル嵌合
溝6にそれぞれ開口し、上側に位置したピン挿通孔20
の他方はガイド筒部4内に開口し、下側に位置したピン
挿通孔20の他方はカプセル保持部9のピン挿通孔9C
と連通している。
【0038】21,21は筒状体3の上下に位置して軸
方向に形成された流出側の軸方向通路で、該各軸方向通
路21は、一側が流出側のピン挿通孔20に開口し、他
側が吸入口7に開口している。
【0039】22,22は通気路13,19と90度ず
らした位置で筒状体3を軸方向に貫通するように穿設さ
れた2本の補助通気路(図2中に図示)で、該各補助通
気路22は、息を吸込むときに流通する空気の流量を増
やすことにより、吸込み時の息苦しさを解消している。
【0040】さらに、23はカプセルKに穴あけを施す
ための穴あけ具で、該穴あけ具23は、ガイド筒部4に
可動に支持された支持部24と、基端側が該支持部24
に固着され、先端側が鋭利な針先となってピン挿通孔1
8,20(9B,9C)内に挿入されたピン25,25
と、前記支持部24とホルダ収容部5との間に設けられ
た戻しばね26とから大略構成されている。また、戻し
ばね26は、ピン25,25がカプセルKから離間する
方向に支持部24を付勢し、カプセルKの穴あけ後にピ
ン25,25を初期位置まで戻すものである。
【0041】そして、穴あけ具23は、支持部24を戻
しばね26に抗してガイド筒部4内に押込むことによ
り、ピン25の針先をカプセル収容空間10内のカプセ
ルKに貫通させ、該カプセルKに4個の貫通穴Hを形成
するものである。また、支持部24への押圧力を取除く
と、戻しばね26の付勢力によって支持部24、各ピン
25,25が初期位置まで後退する。
【0042】本実施の形態による吸入式投薬器は上述の
如き構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入する
までの準備動作について説明する。
【0043】まず、図6に示すように、キャップ11を
把持してカプセルホルダ8のカプセル保持部9をホルダ
収容部5から引出す。そして、カプセル保持部9のカプ
セル嵌合凹部9AにカプセルKを嵌合させた後、キャッ
プ11をカプセル保持部9をホルダ収容部5内に押込
む、これによりカプセルKはカプセル嵌合溝6によって
上側から押えられた状態で、カプセル収容空間10内に
保持される。
【0044】次に、カプセルKを押込み位置に配置した
ら、穴あけ具23の支持部24をガイド筒部4に沿って
押込むことにより、各ピン25をピン挿通孔18,20
(9B,9C)に沿って挿入し、該各ピン25をカプセ
ルKに貫通させ、カプセルKには4個の貫通穴Hが形成
される。そして、貫通穴Hを形成した後には、戻しばね
26の付勢力によって支持部24、各ピン25は初期位
置まで戻される。
【0045】次に、患者が薬粉を吸込むときの吸入式投
薬器内の空気と薬粉の流れについて説明する。
【0046】まず、患者は吸入口7の他端側を口にくわ
え、この状態で息を吸込む。これにより、図8中の矢示
の如く、空気がキャップ11の各開口通路11Dから各
流入側通気路13を通してカプセルK側に流通し、流入
側の貫通穴Hから該カプセルK内に流入する。
【0047】このとき、軸方向通路14の流入通路15
とピン挿通孔18との間には、該ピン挿通孔18の接線
方向に偏心した位置に開口する各絞り通路17が形成さ
れているから、図7に示すように、軸方向通路14から
ピン挿通孔18に流入する空気に矢示方向の旋回流を形
成し、この旋回流をカプセルK内に流入させる。従っ
て、この旋回流となった空気は、カプセルK内に充填さ
れた顆粒状の薬粉を拡散し、薬粉を空気中に混入するこ
とができる。
【0048】このように、カプセルK内の薬粉を含んだ
空気は、流出側の貫通穴Hから流出側通気路19を通し
て吸入口7側に放出され、該吸入口7から患者の口内、
気管を通して肺内に吸込まれるから、薬粉を患者の肺内
に投与することができる。
【0049】しかも、薬粉の吸入途中で患者が咳込ん
で、吸入口7内に空気を逆流させたときには、この逆流
する空気によってチェック弁12をキャップ11の蓋部
11Aに当接させて通気孔11Bを閉塞することができ
るから、逆流する空気によってカプセルK内の薬粉が外
部に放出されるのを防止することができる。
【0050】一方、カプセルK内の薬粉吸入作業が終了
したら、キャップ11を把持してカプセルホルダ8のカ
プセル保持部9をホルダ収容部5から引出すことによ
り、使用済みのカプセルKをカプセルホルダ8から取出
すことができる。
【0051】以上のように、本実施の形態によれば、カ
プセルKに向け空気を供給する流入側通気路13を構成
する軸方向通路14とピン挿通孔18との間に、該ピン
挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口する絞り通
路17,17を設ける構成としたから、ピン挿通孔18
内を流れる空気に旋回流を形成することができ、この旋
回流をカプセルK内に供給する。これにより、薬粉が凝
集性の強い造粒体等でカプセルK内で互いに固着して塊
状となった場合でも、この塊状薬粉を突き崩して微粒化
を促進することができる。この結果、規定量の薬粉を患
者の肺内に吸入させることができ、薬粉の効能を高めて
吸入式投薬器に対する信頼性を高めることができる。
【0052】なお、実施の形態では、軸方向通路14の
流入通路15とピン挿通孔18との間に、空気貯め室1
6、円柱部16A、絞り通路17を設けるものとして述
べたが、本発明はこれに限らず、図9の第1の変形例に
示すように、軸方向通路14を、流入通路15と、該流
入通路15を分岐させる案内通路31,31と、一側が
該案内通路31に連通され、他側がピン挿通孔18の接
線方向に偏心した位置に開口する絞り通路32,32と
により構成してもよい。
【0053】また、図10の第2の変形例に示すよう
に、ピン挿通孔18に対して位置をずらした軸方向通路
41を形成し、該軸方向通路41を前記ピン挿通孔18
の接線方向に偏心した位置に開口する絞り通路42によ
って接続する構成としてもよい。
【0054】また、実施の形態では、カプセル収容空間
10内に薬粉が充填されたカプセルKを収容する構成と
した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば、薬粉収容穴内に薬粉を直接的に充填し、こ
の薬粉を吸入する構成としてもよい。
【0055】さらに、実施の形態では、絞り通路17を
2個形成した場合について述べたが、これに限らず、3
個、4個,…と増やすことにより、旋回流を多く発生さ
せることができ、分散性を高めることができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、軸方向通路を径方向通路の接線方向に偏心した位
置に開口させているから、吸入口をくわえて息を吸込
み、流入側通気路を通して薬粉収容穴内に空気流を流入
させたとき、該流入側通気路の軸方向通路から径方向通
路内に流入する空気に旋回流を形成し、この旋回流を薬
粉収容穴内に流入させることができる。これにより、薬
粉が凝集性の強い造粒体等である場合でも、薬粉収容穴
内で凝集等によって固着した薬粉を旋回流により微粒化
することができるから、規定量の薬粉を肺内に吸入させ
ることができ、薬粉の効能を高めて吸入式投薬器に対す
る信頼性を向上することができる。
【0057】請求項2の発明では、軸方向通路を、大気
に連通する流入通路と、径方向通路に開口する絞り通路
によって形成したから、吸込み時に軸方向通路の流入通
路から絞り通路を通して径方向通路に流れる空気に旋回
流を形成することができ、薬粉収容穴内の薬粉を分散し
て微粒化を促進することができる。
【0058】請求項3の発明では、流入通路と絞り通路
との間に空気貯め室を設けたから、吸込み時に軸方向通
路の流入通路から空気貯め室、絞り通路を通して径方向
通路に流れる空気に旋回流を形成することができ、薬粉
収容穴内の薬粉を分散して微粒化を促進することができ
る。
【0059】請求項4の発明では、絞り通路を径方向通
路に対して複数個形成することにより、吸込み時に径方
向通路に発生する旋回流を複数個発生でき、カプセル収
容穴内に流れ込む空気による薬粉の拡散性を高めること
ができる。
【0060】請求項5の発明では、投薬器本体に形成し
たピン挿通孔に穴あけ具のピンを挿入することにより、
該ピンによってカプセルに貫通穴を形成でき、このとき
流入側通気路の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構
成しているから、流入側通気路は薬粉収容穴に開口し、
該流入側通気路を流通する空気流をカプセルの貫通穴を
通してカプセル内に流入させることができ、薬粉が充填
されたカプセルを用いた吸入式投薬器に適応することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による吸入式投薬器を示す
縦断面図である。
【図2】投薬器本体からカプセルホルダを取り外した状
態で示す図1の右側面図である。
【図3】図1中のカプセルホルダを示す正面図である。
【図4】図3に示すカプセルホルダの平面図である。
【図5】吸入式投薬器を図1中の矢示V−V方向からみ
た拡大横断面図である。
【図6】カプセルホルダを引出した状態を示す吸入式投
薬器の縦断面図である。
【図7】図1中の矢示VII −VII 方向からみた部分拡大
断面図である。
【図8】カプセル内の薬粉を吸入している状態を示す吸
入式投薬器の縦断面図である。
【図9】第1の変形例を示す図7と同様位置から見た断
面図である。
【図10】第2の変形例を示す図7と同様位置から見た
断面図である。
【符号の説明】
1 投薬器本体 5 ホルダ収容部 7 吸入口 8 カプセルホルダ 9B,9C,18,20 ピン挿通孔(径方向通路) 10 カプセル収容空間(薬粉収容穴) 13 流入側通気路 14,41 軸方向通路(流入側) 15 流入通路 16 空気貯め室 17,32,42 絞り通路 19 流出側通気路 21 軸方向通路(流出側) 23 穴あけ具 25 ピン 31 案内通路 K カプセル H 貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 茂巳 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の一側が薬粉を収容する薬粉収容
    穴となり、他側が吸入口となった投薬器本体と、該投薬
    器本体の薬粉収容穴内に空気を流入させるため、前記薬
    粉収容穴と大気側とを連通して設けられた流入側通気路
    と、前記薬粉収容穴の薬粉を前記吸入口側に流出させる
    ため、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通して設けられ
    た流出側通気路とを備えた吸入式投薬器において、 前記流入側通気路は、前記投薬器本体の軸方向に伸長し
    て大気に開口した軸方向通路と、投薬器本体の径方向に
    伸長して前記薬粉収容室に開口した径方向通路とによっ
    て形成し、前記軸方向通路は前記径方向通路の接線方向
    に偏心した位置に開口して設ける構成としたことを特徴
    とする吸入式投薬器。
  2. 【請求項2】 前記軸方向通路は、大気に連通する流入
    通路と、径方向通路に開口する絞り通路によって形成し
    てなる請求項1記載の吸入式投薬器。
  3. 【請求項3】 前記流入通路と絞り通路との間には、空
    気貯め室を設けてなる請求項2記載の吸入式投薬器。
  4. 【請求項4】 前記絞り通路は径方向通路に対して複数
    個形成してなる請求項2または3記載の吸入式投薬器。
  5. 【請求項5】 前記投薬器本体には、該投薬器本体の径
    方向に伸長して前記薬粉収容穴に開口したピン挿通孔
    と、前記薬粉収容穴内に収容されるカプセルに貫通穴を
    あけるために前記ピン挿通孔からカプセルに向け挿入さ
    れるピンを有する穴あけ具とを設け、前記流入側通気路
    の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構成してなる請
    求項1,2,3または4記載の吸入式投薬器。
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