JP2000217919A - 吸入式投薬器 - Google Patents

吸入式投薬器

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JP2000217919A
JP2000217919A JP11019997A JP1999799A JP2000217919A JP 2000217919 A JP2000217919 A JP 2000217919A JP 11019997 A JP11019997 A JP 11019997A JP 1999799 A JP1999799 A JP 1999799A JP 2000217919 A JP2000217919 A JP 2000217919A
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passage
diffusion
medicine powder
powder
throttle
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JP11019997A
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English (en)
Inventor
Hisatomo Oki
久朝 大木
Shigemi Nakamura
茂巳 中村
Kazunori Ishizeki
一則 石関
Yoshiyuki Tanizawa
嘉行 谷澤
Akira Yanagawa
明 柳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dotto Kk
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Dotto Kk
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬粉を微粒化させることにより、規定量の薬
粉を患者に投与する。 【解決手段】 ボディ2のホルダ収容部4内には着脱可
能にカプセルホルダ5を設ける。ボディ2の前端側空間
と吸入口16のテーパ面部16Aとの間には、混合室1
7を形成する。この混合室17の下流側に位置した吸入
口16の通路形成体取付穴16Bには、通路形成体18
を設ける。この通路形成体18には、第1の絞り通路1
9A、第1の拡散室19B、第2の絞り通路19C、第
2の拡散室19D、第3の絞り通路19Eが直列に配列
された薬粉拡散通路19を設ける。吸入口16から息を
吸い込みカプセル収容穴8内の薬粉を吸入したとき、流
出側通気路12,13、混合室17を通して流出する薬
粉を含む空気は、拡散室19B,19D内で乱流とな
り、薬粉の微粒化を促進することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、患者の息
の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与す
るのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、喘息患者用の薬品投与方法のう
ち、カプセル内に充填された薬粉を吸入する方法に用い
る吸入式投薬器としては、特開平7−313599号公
報、特開平10−216204号公報等に示すものが知
られている。そして、これらの従来技術による吸入式投
薬器は、軸方向の一側が薬粉収容室となり、他側が薬粉
を吸入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体
の薬粉収容室内の空気を前記吸入口側に向けて供給する
ため、該薬粉収容室を経由して大気側と吸入口とを連通
する通気路とを備えており、前記薬粉収容室には、カプ
セル等を用いて薬粉を充填する構成となっている。
【0003】この吸入式投薬器では、薬粉収容室にカプ
セルを装着し、穴あけ具を用いて該カプセルに流入側通
気路に連通する穴を形成する。この状態で吸入口をくわ
えて息を吸込むことにより、大気側から吸込まれ流入側
通気路、流出側通気路を流通する空気流によって薬粉収
容室内の薬粉を吸入口内に放出し、該吸入口から患者の
肺内に吸入させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による吸入式投薬器では、流入側通気路を経由し
て薬粉収容室内に流入する空気流によって薬粉を拡散さ
せるようにしている。しかし、薬粉が凝集性の強い造粒
体、静電気を帯び易い粉体等である場合には、薬粉が拡
散されずに塊のまま吸入口側に流出してしまう。この結
果、塊状をした薬粉が吸入途中で口内等に落下すること
となり、規定量の薬粉を肺内に吸入することができず、
薬粉の効能が低下するという問題がある。
【0005】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、分散性の悪い薬粉を
微粒化でき、規定量の薬粉を患者に投与できるようにし
た吸入式投薬器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による吸入式投薬
器は、軸方向の一側が薬粉収容室となり、他側が薬粉を
吸入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の
薬粉収容室内の空気を前記吸入口側に向けて供給するた
め、該薬粉収容室を経由して大気側と吸入口とを連通す
る通気路とを備えている。
【0007】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する構成の特徴は、投薬器本体に
吸入口側に位置して通気路と連通する混合室を設け、該
混合室の下流側には流入した空気流に乱流を与えること
により薬粉を拡散させる薬粉拡散通路を設けたことにあ
る。
【0008】このように構成したことにより、吸入口か
ら息を吸い込んだときには、薬粉収容室を経由して流出
する通気路中の空気によって薬粉が混合室内に搬送さ
れ、該混合室内の乱流によって薬粉を混合させる。さら
に、この薬粉を含んだ空気は、薬粉拡散通路に流入して
乱流を発生させる。そして、この乱流により、分散性の
悪い塊状の薬粉であっても細かく崩して微粒化させるこ
とができ、この微粒化した薬粉を拡散した状態で吸引す
ることができる。
【0009】請求項2の発明では、薬粉拡散通路を、小
径な絞り通路と、該絞り通路に直列に配列された大径な
拡散室とにより構成したことにある。
【0010】このような構成としたことにより、通気路
を通して薬粉拡散通路に流入される空気は、該薬粉拡散
通路の小径な絞り通路から大径な拡散室に流れるとき、
圧縮から膨張に切換わり、拡散室内で乱流が発生する。
そして、空気中の薬粉は、この乱流によって微粒化する
ことができる。
【0011】請求項3の発明では、薬粉拡散通路の絞り
通路と拡散室とを交互に直列に配列したことにある。
【0012】このように、絞り通路と拡散室とを交互に
直列に配列しているから、絞り通路から拡散室に流れ込
む空気は、その都度拡散室内で乱流を発生する。これに
より、上流側に位置した拡散室で分散性の悪い塊状の薬
粉が細かく崩すことができなかった場合でも、下流側に
位置した拡散室内で微粒化することができる。
【0013】請求項4の発明では、薬粉拡散通路の絞り
通路のうち拡散室を挟んで隣り合う絞り通路を、異なっ
た軸線上に配列したことにある。
【0014】このように構成したことにより、絞り通路
から拡散室、拡散室から絞り通路に流れる空気は直線的
に流れることなく拡散室内の壁面に衝突し、乱流を発生
する。これにより、拡散室内に空気と共に分散性の悪い
塊状の薬粉が流入したときでも、この乱流により薬粉の
微粒化を促進することができる。
【0015】請求項5の発明では、投薬器本体に吸入口
内に位置して通路形成体を設け、薬粉拡散通路を該通路
形成体に設ける構成としたことにある。
【0016】このように、薬粉収容室内の薬粉は、通気
路を流通する空気と共に通路形成体に形成した薬粉拡散
通路を通ることにより、該薬粉拡散通路内では乱流が発
生し、この乱流によって薬粉の微粒化を図ることができ
る。
【0017】請求項6の発明では、薬粉拡散通路を投薬
器本体の軸線に対して平行に複数個設ける構成としたこ
とにある。
【0018】このような構成としたことにより、投薬器
本体の軸線に平行に形成された複数個の薬粉拡散通路毎
に乱流を発生させ、この乱流により分散性の悪い塊状の
薬粉であっても細かく崩して微粒化を促進することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
吸入式投薬器を、図1ないし図11を参照しつつ、詳細
に説明する。
【0020】1は吸入式投薬器の基部をなす投薬器本体
で、該投薬器本体1は、後述のボディ2、カプセルホル
ダ5、吸入口16、通路形成体18等によって大略構成
されている。
【0021】2は投薬器本体1の一側に位置して設けら
れたボディで、該ボディ2は、略円筒状に形成され、そ
の外周側には後述する穴あけ具20の支持部21を可動
に支持する穴あけ具ガイド3が設けられている。また、
ボディ2内には、後述するホルダ収容部4、流入側通気
路10、流出側通気路12が形成されている。
【0022】4はボディ2の内周側に形成され、後述す
るカプセルホルダ5のカプセル保持部6を出入れ可能に
収容するホルダ収容部で、該ホルダ収容部4は、図2に
示す如く、ボディ2の下側寄りに位置し、該ボディ2の
軸方向に伸長したほぼ四角形状の貫通穴として形成され
ている。
【0023】5はボディ2に対して着脱可能に設けられ
たカプセルホルダで、該カプセルホルダ5は、図3に示
す如く、ボディ2のホルダ収容部4に出入れ可能に嵌合
されるカプセル保持部6と、該カプセル保持部6を出入
れするときに把持するキャップ7とによって大略構成さ
れ、カプセル保持部6をホルダ収容部4に挿入した状態
では、該カプセル保持部6とホルダ収容部4との間には
薬粉収容室としてのカプセル収容穴8が形成される。さ
らに、キャップ7には、投薬時の咳込み等による薬粉の
逆流を防止するチェック弁9が内蔵されている。
【0024】10はボディ2に設けられた流入側通気
路、11はカプセル保持部6に設けられた流入側通気路
をそれぞれ示し、該流入側通気路10,11は外部の空
気をカプセル収容穴8に向け流通させるものである。
【0025】また、流入側通気路10は、カプセル収容
穴8の外周側に位置して軸方向に伸長した流入通路10
Aと、該流入通路10Aに連通し、カプセル収容穴8を
径方向に貫通したピン挿通穴10Bとにより構成されて
いる。さらに、流入側通気路11は、カプセル収容穴8
の外周側に位置して形成された切欠部11Aと、該切欠
部11Aに連通し、カプセル収容穴8を径方向に貫通し
たピン挿通穴11Bとにより構成されている。そして、
前記ピン挿通穴10B,11Bには、穴あけ具20のピ
ン22が挿通される。
【0026】12はボディ2に設けられた流出側通気
路、13はカプセル保持部6に設けられた流出側通気路
をそれぞれ示し、該流出側通気路12,13はカプセル
内の薬粉を後述の吸入口16側に流出させるものであ
る。
【0027】また、流出側通気路12は、カプセル収容
穴8を径方向に貫通したピン挿通穴12Aと、前記カプ
セル収容穴8の外周側に位置して軸方向に伸長し、一方
が該ピン挿通穴12Aに連通し他方が吸入口16側に開
口した流出通路12Bとにより構成されている。さら
に、流出側通気路13は、カプセル収容穴8を径方向に
穿設したピン挿通穴13Aと、前記カプセル収容穴8の
外周側に位置して軸方向に伸長し、一方が該ピン挿通穴
13Aに連通し他方が吸入口16側に開口した流出通路
13Bとにより構成されている。そして、前記ピン挿通
穴12A,13Aには、穴あけ具20のピン22が挿通
される。
【0028】14,15はボディ2の外周側寄りに設け
られた補助通気路で、該補助通気路14,15は、図2
に示す如く、流入側通気路10から周方向に90°ずら
した位置で該流入側通気路10よりも内周側寄りに配置
され、ボディ2を軸方向に貫通して形成されている。そ
して、該補助通気路14,15は、一側がカプセルホル
ダ5側に開口し、他側が後述する混合室17に開口して
いる。
【0029】16はボディ2の他側に着脱可能に取付け
られた吸入口で、該吸入口16は略円筒状に形成され、
一端側がボディ2に螺着され、他端側に向けて外周が患
者にくわえ易いように漸次縮径している。また、吸入口
16の内周側には、一側から軸方向中央に向けて形成さ
れたテーパ面部16Aと、軸方向中央に位置して形成さ
れた通路形成体取付穴16Bと、該通路形成体取付穴1
6Bから他側に向けて形成された拡径部16Cと、該拡
径部16Cの先端に位置して薬粉を空気と共に流出する
流出口16Dとから大略構成されている。
【0030】17は混合室で、該混合室17は、吸入口
16をボディ2の他側に螺着することにより、該ボディ
2の前端側空間と吸入口16のテーパ面部16Aとによ
って形成されている。そして、該混合室17は、流出側
通気路12,13から流入される空気流と、補助通気路
14,15から流入される空気流とによって乱流を発生
させる。そして、混合室17内では、この乱流により空
気に薬粉を混合させるものである。
【0031】18は通路形成体取付穴16B内に設けら
れた通路形成体で、該通路形成体18は、吸入口16の
軸線上に位置した通路形成体取付穴16B内に挿入され
る円柱状に形成されている。また、該通路形成体18に
は、その軸方向に後述する薬粉拡散通路19が形成され
ている。
【0032】19は通路形成体18の軸方向に形成され
た薬粉拡散通路で、該薬粉拡散通路19は、通路形成体
18の軸中心で流入側に位置した小径な第1の絞り通路
19Aと、該第1の絞り通路19Aに連通された大径な
第1の拡散室19Bと、該第1の拡散室19Bに連通さ
れた小径な第2の絞り通路19Cと、該第2の絞り通路
19Cに連通された大径な第2の拡散室19Dと、該第
2の拡散室19Dに連通された小径な第3の絞り通路1
9Eとを直列に配列することにより、前記第1の絞り通
路19A、第2の絞り通路19C、第3の絞り通路19
Eは、通路形成体18の中心軸の線上に配列されてい
る。
【0033】ここで、薬粉拡散通路19では、第1の絞
り通路19Aから第1の拡散室19Bに向けて流入され
る空気は、圧縮から膨張に切換わり、該第1の拡散室1
9B内で乱流が発生する。また、第2の絞り通路19C
から第2の拡散室19Dに向けて流入される空気も、圧
縮から膨張に切換わり、該第2の拡散室19D内で乱流
が発生する。
【0034】一方、20はカプセルKに穴あけを施すた
めの穴あけ具で、該穴あけ具20は、穴あけ具ガイド3
内に可動に支持された支持部21と、基端側が該支持部
21に取付けられ、先端側がピン挿通穴10B,11
B,12A,13A内に進入されるピン22,22と、
前記支持部21とボディ2との間に設けられた戻しばね
23とによって大略構成されている。
【0035】ここで、穴あけ具20は、支持部21を戻
しばね23に抗して穴あけ具ガイド3内に押込み、ピン
22,22をピン挿通穴10B,11B,12A,13
A内に挿入することにより、該ピン22,22の先端を
カプセル収容穴8内のカプセルKに貫通させ、該カプセ
ルKに径方向に貫通する4個の穴H,H,…をあけるも
のである。また、支持部21への押圧力を取除くと、戻
しばね23の付勢力によって支持部21、各ピン22,
22が初期位置まで後退する。
【0036】本実施の形態による吸入式投薬器は上述の
如き構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入する
までの準備動作および吸入時の空気と薬粉の流れについ
て、図6、図7を参照しつつ説明する。
【0037】まず、カプセルホルダ5をボディ2のホル
ダ収容部4から引出し、カプセル保持部6内にカプセル
Kを挿入し、カプセルホルダ5をホルダ収容部4内に収
容する(図6参照)。
【0038】次に、穴あけ具20の支持部21を穴あけ
具ガイド3に沿って押込むことにより、各ピン22の先
端をピン挿通穴10B,12Aに挿入してカプセルKに
貫通させ、ピン挿通穴11B,13Aまで挿入し、図7
に示すように、カプセルKに4個の穴Hを形成する。
【0039】次に、患者が吸入口16を口にくわえ、こ
の状態で息を吸込むと、図7に示す如く、空気は流入側
通気路10,11、穴Hを通ってカプセルKに流入し、
該カプセルK内の薬粉を拡散する。そして、薬粉を含ん
だ空気流はカプセルKから穴Hを通って流出側通気路1
2,13側に流出する。そして、流出側通気路12,1
3から空気と共に混合室17内に流入される薬粉は、該
混合室17内で発生する乱流によりさらに混合される。
【0040】また、混合室17内の下流には薬粉拡散通
路19が設けられ、この薬粉拡散通路19は、第1の絞
り通路19A、第1の拡散室19B、第2の絞り通路1
9C、第2の拡散室19D、第3の絞り通路19Eを直
列に配列することによって構成されている。このため、
混合室17内薬粉が混合された空気は、これら第1の絞
り通路19A、第1の拡散室19B、第2の絞り通路1
9C、第2の拡散室19D、第3の絞り通路19Eと通
過する間に、第1の拡散室19B、第2の拡散室19D
で乱流を発生する。これにより、例えば薬粉が凝縮性の
強い造立体、静電気を帯び易い粉体等のように分散性が
悪い場合でも、この乱流によって塊状の薬粉を細かく崩
して微粒化して拡散させることができる。
【0041】しかも、上流側に位置した第1の拡散室1
9B内で塊状の薬粉が微粒化されなかった場合でも、下
流側に位置した第2の拡散室19D内で発生する乱流に
より、薬粉を確実に微粒化して拡散させることができ
る。
【0042】以上のように、本実施の形態による吸入式
投薬器では、カプセルKから流出した薬粉を、まず混合
室17で空気と混合させる。次に、この薬粉が混合され
た空気を、薬粉拡散通路19を通過させることによっ
て、該薬粉拡散通路19の第1の拡散室19B,第2の
拡散室19D内で発生する乱流により、塊状をした薬粉
であってもこの乱流によって薬粉を細かく崩すことがで
き、薬粉を微粒化し、拡散させることができる。
【0043】この結果、患者の口内、気管を経由して規
定量の薬粉を肺内に吸入させることができ、薬粉の効能
を高めて吸入式投薬器に対する信頼性を向上させること
ができる。
【0044】なお、実施の形態では、通路形成体18に
形成した薬粉拡散通路19の絞り通路19A,19C,
19Eを同一軸線上に形成するものとして述べたが、本
発明はこれに限らず、図8による第1の変形例に示す通
路形成体18′のように構成してもよい。
【0045】即ち、通路形成体18′に形成した薬粉拡
散通路19′は、上流側から第1の絞り通路19A′、
第1の拡散室19B′、第2の絞り通路19C′、第2
の拡散室19D′、第3の絞り通路19E′を直列に設
けたもので、第1の絞り通路19A′を上側に、第2の
絞り通路19C′を下側に、第3の絞り通路19E′を
上側に位置させ、それぞれ隣り合った通路が異なった軸
線となるように構成されている。このように構成される
薬粉拡散通路19′では、該薬粉拡散通路19′を流れ
る空気を、絞り通路19A′,19C′,19E′によ
って屈曲させた流れにする。このため、拡散室19
B′,19D′内に流入する空気を、該拡散室19
B′,19D′内の壁面に衝突させ、細かい乱流を発生
させ、薬粉の微粒化を促進することができる。
【0046】また、第2の変形例は、図9,図10に示
す通路形成体18″のように、該通路形成体18″の軸
線と平行に5個の薬粉拡散通路19″を配列したもので
ある。ここで、各薬粉拡散通路19″は、上流側から下
流側に向けて、第1の絞り通路19A″、第1の拡散室
19B″、第2の絞り通路19C″、第2の拡散室19
D″、第3の絞り通路19E″を直列に配列したもので
ある。このように、5本の薬粉拡散通路19″を形成し
た場合でも、各拡散室19B″,19D″内で乱流を発
生させ、この乱流によって塊状の薬粉を微粒化すること
ができる。
【0047】一方、実施の形態による薬粉拡散通路19
では、通路形成体18の軸線に2個の拡散室19B,1
9Dを設けるものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、図11に示す第3の変形例のようにしてもよい。
【0048】即ち、通路形成体31に形成した薬粉拡散
通路32は、上流側から下流側に向けて、第1の絞り通
路32A、第1の拡散室32B、第2の絞り通路32
C、第2の拡散室32D、第3の絞り通路32E、第3
の拡散室32F、第4の絞り通路32Gを直列に配列し
たものである。このように構成される薬粉拡散通路32
では、4個の絞り通路32A,32C,32E,32G
と3個の拡散室32B,32D,32Fとを交互に直列
に配列しているから、拡散室32B,32D,32F内
に流入する空気は、該拡散室32B,32D,32F内
で乱流を発生する。このため、該拡散室32B,32
D,32F内で発生する乱流は、塊状の薬粉を細かく崩
して微粒化をすることができる。
【0049】また、実施の形態では、吸入口16の通路
形成体取付穴16Bに通路形成体18を別体で設けるも
のとして述べたが、本発明はこれに限らす、吸入口16
に通路形成体18を一体的に形成し、薬粉拡散通路19
を吸入口16に設けるようにしてもよい。
【0050】さらに、実施の形態では、ボディ2のホル
ダ収容部4に対してカプセルホルダ5を着脱可能とし、
該カプセルホルダ5に薬粉が充填されたカプセルKを収
容する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば、
投薬器本体に薬粉収容室を設け、該薬粉収容室に薬粉を
直接的に充填し、この薬粉を吸入する構成としてもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、投薬器本体の通気路と薬粉拡散通路との間に混合
室を設け、該混合室の下流側には流入した空気流に乱流
を与えることにより薬粉を拡散させる薬粉拡散通路を設
けたから、吸入口から息を吸い込んだとき、薬粉収容室
を経由して流出する通気路中の空気によって薬粉が混合
室内に搬送され、該混合室内の乱流によって薬粉を混合
させる。また、薬粉拡散通路は、混合室から流入される
空気に乱流を与えるから、この乱流により、分散性の悪
い塊状の薬粉であっても細かく崩して微粒化し、拡散さ
せることができる。これにより、規定量の薬粉を肺内に
吸入させることができ、薬粉の効能を高めて吸入式投薬
器に対する信頼性を向上することができる。
【0052】請求項2の発明では、薬粉拡散通路は、小
径な絞り通路と、該絞り通路と直列に配列された大径な
拡散室とにより構成したから、通気路を通して薬粉拡散
通路に流入される空気は、該薬粉拡散通路の絞り通路か
ら大径な拡散室に流れるとき、該拡散室内で乱流を発生
する。そして、空気中の薬粉は、この乱流によって微粒
化することができる。
【0053】請求項3の発明では、薬粉拡散通路の絞り
通路と拡散室とを交互に直列に配列しているから、絞り
通路から拡散室に流れ込む空気は、その都度拡散室内で
乱流を発生する。これにより、上流側に位置した拡散室
で微粒化できなかった塊状の薬粉があった場合でも、下
流側に位置した拡散室内で発生する乱流により微粒化す
ることができる。
【0054】請求項4の発明では、薬粉拡散通路の絞り
通路のうち拡散室を挟んで隣り合う絞り通路を、異なっ
た軸線上に配列したから、絞り通路から拡散室、拡散室
から絞り通路に流れる空気は直線的に流れることなく拡
散室内の壁面に衝突して乱流を発生する。これにより、
拡散室内に分散性の悪い塊状の薬粉が流入したときで
も、この乱流により薬粉の微粒化を促進することができ
る。
【0055】請求項5の発明では、投薬器本体に吸入口
内に位置して通路形成体を設け、薬粉拡散通路を該通路
形成体に設ける構成としたから、薬粉収容室内の薬粉
は、通気路、通路形成体に形成した薬粉拡散通路を通る
空気と共に流入され、該薬粉拡散通路内では発生した乱
流によって塊状の薬粉を細かく崩して微粒化を図ること
ができる。
【0056】請求項6の発明では、薬粉拡散通路を投薬
器本体の軸線に対して平行に複数個設ける構成したか
ら、各薬粉拡散通路毎に乱流を発生させ、この乱流によ
り分散性の悪い塊状の薬粉であっても細かく崩して微粒
化を促進することができる。これにより、患者は薬粉を
効率よく吸入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による吸入式投薬器を示す
縦断面図である。
【図2】ボディからカプセルホルダを取り外した状態で
示す図1の右側面図である。
【図3】図1中のカプセルホルダを示す正面図である。
【図4】薬粉拡散通路が形成された通路形成体を示す縦
断面図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向からみた縦断面図であ
る。
【図6】カプセルホルダを引出してカプセルを着脱して
いる状態の吸入式投薬器を示す図1と同様位置からみた
縦断面図である。
【図7】カプセル内の薬粉を吸入している状態の吸入式
投薬器を示す縦断面図である。
【図8】第1の変形例による薬粉拡散通路が形成された
通路形成体を示す図4と同様の縦断面図である。
【図9】第2の変形例による複数個の薬粉拡散通路が形
成された通路形成体を示す図4と同様の縦断面図であ
る。
【図10】図9中の矢示X−X方向からみた縦断面図で
ある。
【図11】第3の変形例による薬粉拡散通路が形成され
た通路形成体を示す図4と同様の縦断面図である。
【符号の説明】
1 投薬器本体 2 ボディ 5 カプセルホルダ 8 カプセル収容穴(薬粉収容室) 10,11 流入側通気路 12,13 流出側通気路 16 吸入口 16B 通路形成体取付穴 17 混合室 18,18′,18″,31 通路形成体 19,19′,19″,32 薬粉拡散通路 19A,19A′,19A″,32A 第1の絞り通路 19B,19B′,19B″,32B 第1の拡散室 19C,19C′,19C″,32C 第2の絞り通路 19D,19D′,19D″,32D 第2の拡散室 19E,19E′,19E″,32E 第3の絞り通路 32F 第3の拡散室 32G 第4の絞り通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 茂巳 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 石関 一則 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の一側が薬粉収容室となり、他側
    が薬粉を吸入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬
    器本体の薬粉収容室内の空気を前記吸入口側に向けて供
    給するため、該薬粉収容室を経由して大気側と吸入口と
    を連通する通気路とを備えてなる吸入式投薬器におい
    て、 前記投薬器本体には前記吸入口側に位置して前記通気路
    と連通する混合室を設け、該混合室の下流側には流入し
    た空気流に乱流を与えることにより薬粉を拡散させる薬
    粉拡散通路を設けたことを特徴とする吸入式投薬器。
  2. 【請求項2】 前記薬粉拡散通路は、小径な絞り通路
    と、該絞り通路に直列に配列された大径な拡散室とによ
    り構成してなる請求項1記載の吸入式投薬器。
  3. 【請求項3】 前記薬粉拡散通路の絞り通路と拡散室と
    を交互に直列に配列してなる請求項2記載の吸入式投薬
    器。
  4. 【請求項4】 前記薬粉拡散通路の絞り通路のうち拡散
    室を挟んで隣り合う絞り通路は、異なった軸線上に配列
    してなる請求項2または3記載の吸入式投薬器。
  5. 【請求項5】 前記投薬器本体には前記吸入口内に位置
    して通路形成体を設け、前記薬粉拡散通路は該通路形成
    体に設ける構成としてなる請求項1,2,3または4記
    載の吸入式投薬器。
  6. 【請求項6】 前記薬粉拡散通路は前記投薬器本体の軸
    線に対して平行に複数個設ける構成としてなる請求項
    1,2,3,4または5記載の吸入式投薬器。
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