JP3547612B2 - 吸入式投薬器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、患者の息の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与するのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、喘息患者等の肺に薬品を投与する方法には、液体エアゾール噴霧器で吸引する方法、薬粉収容穴やカプセル内に充填された粉体状の薬品(以下、薬粉という)を吸入する方法等が用いられている。
【0003】
これら喘息患者用の薬品投与方法のうち、薬粉収容穴等に充填された薬粉を吸入する方法に用いられる吸入式投薬器としては、特開平7−313599号公報等に示すものが知られている。そして、この従来技術による吸入式投薬器は、軸方向の一側が薬粉を収容する薬粉収容穴となり、他側が吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の薬粉収容穴内に空気を流入させるため、前記薬粉収容穴と大気側とを連通して設けられた流入側通気路と、前記薬粉収容穴内の薬粉を前記吸入口側に流出させるため、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通して設けられた流出側通気路とを備えている。
【0004】
この吸入式投薬器では、薬粉収容穴に薬粉を充填し、この状態で吸入口をくわえて息を吸込むことにより、大気側から流入側通気路を通して薬粉収容穴内に空気を流入させ、この空気流によって該薬粉収容穴内の薬粉を拡散する。そして、空気流によって拡散された薬粉を流出側通気路を通して吸入口側に放出し、該吸入口から患者の肺内に吸入させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による吸入式投薬器では、流入側通気路を通して薬粉収容穴内に流入する空気流によって薬粉を拡散させるようにしている。しかし、薬粉が凝集性の強い造粒体、静電気を帯び易い粉体等である場合には、薬粉が分散されずに塊のまま吸入口側に流出してしまう。この結果、塊状をなした薬粉が吸入途中で口内等に落下することとなり、規定量の薬粉を肺内に吸入することができず、薬粉の効能が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、薬粉収容穴内で塊となった薬粉を微粒化し、規定量の薬粉を患者に投与できるようにした吸入式投薬器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による吸入式投薬器は、軸方向の一側が薬粉を収容する薬粉収容穴となり、他側が吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の薬粉収容穴内に空気を流入させるため、前記薬粉収容穴と大気側とを連通して設けられた流入側通気路と、前記薬粉収容穴の薬粉を前記吸入口側に流出させるため、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通して設けられた流出側通気路とを備え、前記流入側通気路は、前記投薬器本体の軸方向に伸長して大気に開口した軸方向通路と、投薬器本体の径方向に伸長して前記薬粉収容穴に開口した径方向通路とによって形成している。
【0008】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する手段の特徴は、軸方向通路は、大気に連通する流入通路と、径方向通路に開口する絞り通路とによって形成し、前記軸方向通路を形成する絞り通路前記径方向通路の接線方向に偏心した位置に開口して設け、前記軸方向通路を形成する流入通路と絞り通路との間には、空気貯め室を設ける構成としたことにある。
【0009】
このように構成することにより、吸入口をくわえて息を吸込むと、流入側通気路を形成する軸方向通路の流入通路に大気が流入し、空気流として絞り通路から径方向通路を通って薬粉収容穴内に流入する。このとき、軸方向通路の絞り通路を径方向通路の接線方向に偏心した位置に開口しているから、絞り通路から径方向通路に流れる空気に旋回流を形成し、この旋回流を薬粉収容穴内に流入させる。これにより、この旋回流は、薬粉収容穴内で凝集等によって固着した薬粉を分散して微粒化し、微粒化された薬粉が空気に混入した状態で流出側通気路を通って吸入口側に放出され、該吸入口から肺内に吸入される。
また、吸込み時には、空気流を流入通路から空気貯め室を介して絞り通路に流入させ、この絞り通路から径方向通路に流れる空気流により旋回流を形成することができるから、薬粉収容穴内の薬粉を分散して微粒化を促進することができる。
【0014】
請求項の発明では、絞り通路を径方向通路に対して複数個形成したことにある。
【0015】
このように構成することにより、複数個の絞り通路を通して径方向通路に流れ込む空気に複数個の旋回流を形成し、カプセル収容穴内に流れ込む空気に乱流を発生させることができる。
【0016】
請求項の発明では、投薬器本体に、該投薬器本体の径方向に伸長して薬粉収容穴に開口したピン挿通孔と、前記薬粉収容穴内に収容されるカプセルに貫通穴をあけるために前記ピン挿通孔からカプセルに向け挿入されるピンを有する穴あけ具とを設け、流入側通気路の径方向通路を前記ピン挿通孔によって構成したことにある。
【0017】
このように構成することにより、薬粉収容穴内にカプセルを挿入し、この状態で穴あけ具のピンをピン挿通孔からカプセルに向け挿入することにより、該ピンによってカプセルに貫通穴を形成する。このとき、流入側通気路の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構成しているから、流入側通気路は薬粉収容穴に開口し、該流入側通気路を流通する空気流をカプセルの貫通穴を通してカプセル内に流入させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による吸入式投薬器を図1ないし図8に従って詳細に説明する。
【0019】
1は吸入式投薬器の基部をなす投薬器本体で、該投薬器本体1は、後述するボディ2と吸入口7とから大略構成されている。
【0020】
2は投薬器本体1の一側に位置して該投薬器本体1の外形をなすボディで、該ボディ2は、略円筒状に形成された筒状体3と、該筒状体3の外周から図1中の上向きに突設され、後述する穴あけ具23の支持部24を可動に支持する長円筒状のガイド筒部4とから構成されている。
【0021】
また、筒状体3の前端側には後述の吸入口7が螺着され、また該筒状体3の後端側にはキャップ11が固着されている。そして、筒状体3の外側には、後述する流入側通気路13、流出側通気路19が形成され、内周にはホルダ収容部5が形成されている。
【0022】
5は筒状体3の内周に形成され、後述するカプセルホルダ8のカプセル保持部9を出入れ可能に収容するホルダ収容部で、該ホルダ収容部5は、図2に示すように、筒状体3の下側寄りに位置し、該筒状体3の軸方向に伸長したほぼ四角形状の貫通穴として形成されている。
【0023】
6はホルダ収容部5の上側に位置して設けられたカプセル嵌合溝で、該カプセル嵌合溝6は、後述するカプセル嵌合凹部9Aと共にカプセル収容空間10を形成するもので、カプセル嵌合凹部9Aに嵌合されたカプセルKを上側から保持するために、カプセルKの外径寸法に応じた断面半円弧状の溝として形成されている。
【0024】
7は筒状体3の他側に着脱可能に取付けられた吸入口で、該吸入口7は略円筒状に形成され、一端側には筒状体3に螺着され、他端側外周は患者がくわえ易いように他側に向けて漸次縮径している。
【0025】
8は投薬器本体1に対して着脱可能に設けられたカプセルホルダで、該カプセルホルダ8は、図3、図4に示すように、カプセル保持部9とキャップ11とから大略構成されている。
【0026】
9はカプセルホルダ8の本体をなすカプセル保持部で、該カプセル保持部9は、ホルダ収容部5に嵌合する角棒状に形成され、その上面側にはカプセルKが嵌合されるカプセル嵌合凹部9Aが形成されている。そして、ホルダ収容部5内にカプセル保持部9を取付けた際、カプセル嵌合凹部9Aとカプセル嵌合溝6との間には薬粉収容穴となるカプセル収容空間10が形成されている。また、カプセル保持部9にはピン挿通孔9B,9Cが穿設され、該ピン挿通孔9B,9Cは、カプセル保持部9をホルダ収容部5内に取付けたとき、後述するピン挿通孔18,20に連通するものである。
【0027】
11はカプセル保持部9に一体的に設けられ有底筒状に形成されたキャップで、該キャップ11は、その蓋部11Aの中心部に通気孔11Bが形成され、前記蓋部11Aとカプセル保持部9との間には十字状に配設された4本の脚部11Cが形成され、該各脚部11C間は流入側通気路13に連通する開口通路11Dとなっている。また、蓋部11Aと各脚部11Cとの間には後述するチェック弁12が収容されている。
【0028】
12はキャップ11の蓋部11Aと各脚部11Cとの間に配設された逆流防止弁としてのチェック弁で、該チェック弁12は、通気孔11Bを開閉する円板状に形成されている。そして、チェック弁12は、薬粉の吸入時に開弁して通気孔11Bから吸入口7に空気が流れるのを許し、咳込み等により吸入口7内を逆流する空気流が発生したときに閉弁するものである。
【0029】
このように形成されるカプセルホルダ8は、キャップ11の外周を把持してホルダ収容部5からカプセル保持部9を引出すことにより、該カプセル保持部9を引出し位置に配置することができる。そして、この引出し位置では、カプセル保持部9のカプセル嵌合凹部9Aに薬粉が充填されたカプセルKを嵌合させたり、カプセル嵌合凹部9Aから使用済みのカプセルKを取出したりすることができる。また、カプセル保持部9のカプセル嵌合凹部9AにカプセルKを嵌合させた状態で、キャップ11の外周を把持してカプセル保持部9をホルダ収容部5内に押込むことにより、カプセル保持部9を押込み位置に配置し、カプセルKをカプセル収容空間10で保持することができる。
【0030】
13,13は筒状体3の一側に位置して上下の両側に形成された流入側通気路で、該各流入側通気路13は、筒状体3の軸方向に延びる後述の軸方向通路14と、筒状体3の径方向に延びる径方向通路となるピン挿通孔18とにより構成され、軸方向通路14とピン挿通孔18との間には、空気貯め室16、絞り通路17が配設されている。
【0031】
14,14は筒状体3の上下に位置して軸方向に形成された流入側の軸方向通路で、該各軸方向通路14は、一側がキャップ11の各開口通路11D、通気孔11Bを通して大気に開口する流入通路15と、後述する空気貯め室16と、ピン挿通孔18に開口する絞り通路17とから構成されている。
【0032】
16は図7に示すように、流入側の各軸方向通路14の他端側に形成され、ピン挿通孔18を取り囲むように形成された矩形状の空気貯め室で、該空気貯め室16内には円柱部16Aが形成されている。
【0033】
17,17は円柱部16Aに形成された絞り通路で、該各絞り通路17は、一方が空気貯め室16に開口し他方がピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口して穿設されている。
【0034】
18,18は筒状体3の一側寄りに形成され、流入側通気路13の径方向通路をなす流入側のピン挿通孔で、該各ピン挿通孔18は、一方がカプセル嵌合溝6にそれぞれ開口し、上側に位置したピン挿通孔18の他方はガイド筒部4内に開口し、下側に位置したピン挿通孔18の他方はカプセル保持部9のピン挿通孔9Bと連通している。
【0035】
ここで、軸方向通路21からピン挿通孔18への空気の流れについて見ると、患者が吸入口7をくわえて吸込むと、図7中の矢示のように、軸方向通路14の流入通路15を通して供給された空気は、空気貯め室16内の円柱部16Aによって該空気貯め室16の回りに広がり、円柱部16Aの各絞り通路17からピン挿通孔18内に流れ込む、このとき、各絞り通路17はピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口しているから、ピン挿通孔18を流れる空気に旋回流を形成することができる。
【0036】
19,19は筒状体3の他側に位置して上下の両側に形成された流出側通気路で、該各流出側通気路19は、筒状体3の径方向に延びる径方向通路となるピン挿通孔20と、筒状体3の軸方向に延びる軸方向通路21とにより構成されている。
【0037】
20,20は筒状体3の他側寄りに形成され、流出側通気路19の径方向通路となる流出側のピン挿通孔で、該各ピン挿通孔20は、一方がカプセル嵌合溝6にそれぞれ開口し、上側に位置したピン挿通孔20の他方はガイド筒部4内に開口し、下側に位置したピン挿通孔20の他方はカプセル保持部9のピン挿通孔9Cと連通している。
【0038】
21,21は筒状体3の上下に位置して軸方向に形成された流出側の軸方向通路で、該各軸方向通路21は、一側が流出側のピン挿通孔20に開口し、他側が吸入口7に開口している。
【0039】
22,22は通気路13,19と90度ずらした位置で筒状体3を軸方向に貫通するように穿設された2本の補助通気路(図2中に図示)で、該各補助通気路22は、息を吸込むときに流通する空気の流量を増やすことにより、吸込み時の息苦しさを解消している。
【0040】
さらに、23はカプセルKに穴あけを施すための穴あけ具で、該穴あけ具23は、ガイド筒部4に可動に支持された支持部24と、基端側が該支持部24に固着され、先端側が鋭利な針先となってピン挿通孔18,20(9B,9C)内に挿入されたピン25,25と、前記支持部24とホルダ収容部5との間に設けられた戻しばね26とから大略構成されている。また、戻しばね26は、ピン25,25がカプセルKから離間する方向に支持部24を付勢し、カプセルKの穴あけ後にピン25,25を初期位置まで戻すものである。
【0041】
そして、穴あけ具23は、支持部24を戻しばね26に抗してガイド筒部4内に押込むことにより、ピン25の針先をカプセル収容空間10内のカプセルKに貫通させ、該カプセルKに4個の貫通穴Hを形成するものである。また、支持部24への押圧力を取除くと、戻しばね26の付勢力によって支持部24、各ピン25,25が初期位置まで後退する。
【0042】
本実施の形態による吸入式投薬器は上述の如き構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入するまでの準備動作について説明する。
【0043】
まず、図6に示すように、キャップ11を把持してカプセルホルダ8のカプセル保持部9をホルダ収容部5から引出す。そして、カプセル保持部9のカプセル嵌合凹部9AにカプセルKを嵌合させた後、キャップ11をカプセル保持部9をホルダ収容部5内に押込む、これによりカプセルKはカプセル嵌合溝6によって上側から押えられた状態で、カプセル収容空間10内に保持される。
【0044】
次に、カプセルKを押込み位置に配置したら、穴あけ具23の支持部24をガイド筒部4に沿って押込むことにより、各ピン25をピン挿通孔18,20(9B,9C)に沿って挿入し、該各ピン25をカプセルKに貫通させ、カプセルKには4個の貫通穴Hが形成される。そして、貫通穴Hを形成した後には、戻しばね26の付勢力によって支持部24、各ピン25は初期位置まで戻される。
【0045】
次に、患者が薬粉を吸込むときの吸入式投薬器内の空気と薬粉の流れについて説明する。
【0046】
まず、患者は吸入口7の他端側を口にくわえ、この状態で息を吸込む。これにより、図8中の矢示の如く、空気がキャップ11の各開口通路11Dから各流入側通気路13を通してカプセルK側に流通し、流入側の貫通穴Hから該カプセルK内に流入する。
【0047】
このとき、軸方向通路14の流入通路15とピン挿通孔18との間には、該ピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口する各絞り通路17が形成されているから、図7に示すように、軸方向通路14からピン挿通孔18に流入する空気に矢示方向の旋回流を形成し、この旋回流をカプセルK内に流入させる。従って、この旋回流となった空気は、カプセルK内に充填された顆粒状の薬粉を拡散し、薬粉を空気中に混入することができる。
【0048】
このように、カプセルK内の薬粉を含んだ空気は、流出側の貫通穴Hから流出側通気路19を通して吸入口7側に放出され、該吸入口7から患者の口内、気管を通して肺内に吸込まれるから、薬粉を患者の肺内に投与することができる。
【0049】
しかも、薬粉の吸入途中で患者が咳込んで、吸入口7内に空気を逆流させたときには、この逆流する空気によってチェック弁12をキャップ11の蓋部11Aに当接させて通気孔11Bを閉塞することができるから、逆流する空気によってカプセルK内の薬粉が外部に放出されるのを防止することができる。
【0050】
一方、カプセルK内の薬粉吸入作業が終了したら、キャップ11を把持してカプセルホルダ8のカプセル保持部9をホルダ収容部5から引出すことにより、使用済みのカプセルKをカプセルホルダ8から取出すことができる。
【0051】
以上のように、本実施の形態によれば、カプセルKに向け空気を供給する流入側通気路13を構成する軸方向通路14とピン挿通孔18との間に、該ピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口する絞り通路17,17を設ける構成としたから、ピン挿通孔18内を流れる空気に旋回流を形成することができ、この旋回流をカプセルK内に供給する。これにより、薬粉が凝集性の強い造粒体等でカプセルK内で互いに固着して塊状となった場合でも、この塊状薬粉を突き崩して微粒化を促進することができる。この結果、規定量の薬粉を患者の肺内に吸入させることができ、薬粉の効能を高めて吸入式投薬器に対する信頼性を高めることができる。
【0052】
なお、実施の形態では、軸方向通路14の流入通路15とピン挿通孔18との間に、空気貯め室16、円柱部16A、絞り通路17を設けるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、図9の第1の変形例に示すように、軸方向通路14を、流入通路15と、該流入通路15を分岐させる案内通路31,31と、一側が該案内通路31に連通され、他側がピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口する絞り通路32,32とにより構成してもよい。
【0053】
また、図10の第2の変形例に示すように、ピン挿通孔18に対して位置をずらした軸方向通路41を形成し、該軸方向通路41を前記ピン挿通孔18の接線方向に偏心した位置に開口する絞り通路42によって接続する構成としてもよい。
【0054】
また、実施の形態では、カプセル収容空間10内に薬粉が充填されたカプセルKを収容する構成とした場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、薬粉収容穴内に薬粉を直接的に充填し、この薬粉を吸入する構成としてもよい。
【0055】
さらに、実施の形態では、絞り通路17を2個形成した場合について述べたが、これに限らず、3個、4個,…と増やすことにより、旋回流を多く発生させることができ、分散性を高めることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、軸方向通路の絞り通路を径方向通路の接線方向に偏心した位置に開口させているから、吸入口をくわえて息を吸込み、流入側通気路を通して薬粉収容穴内に空気流を流入させたとき、該流入側通気路を形成する軸方向通路の絞り通路から径方向通路内に流入する空気に旋回流を形成し、この旋回流を薬粉収容穴内に流入させることができる。これにより、薬粉が凝集性の強い造粒体等である場合でも、薬粉収容穴内で凝集等によって固着した薬粉を旋回流により微粒化することができるから、規定量の薬粉を肺内に吸入させることができ、薬粉の効能を高めて吸入式投薬器に対する信頼性を向上することができる。
また、吸込み時には、空気流を流入通路から空気貯め室を介して絞り通路に流入させることができ、この絞り通路から径方向通路に流れる空気流により旋回流を形成することができる。これにより、薬粉収容穴内の薬粉を分散して微粒化を促進することができる。
【0059】
請求項の発明では、絞り通路を径方向通路に対して複数個形成することにより、吸込み時に径方向通路に発生する旋回流を複数個発生でき、カプセル収容穴内に流れ込む空気による薬粉の拡散性を高めることができる。
【0060】
請求項の発明では、投薬器本体に形成したピン挿通孔に穴あけ具のピンを挿入することにより、該ピンによってカプセルに貫通穴を形成でき、このとき流入側通気路の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構成しているから、流入側通気路は薬粉収容穴に開口し、該流入側通気路を流通する空気流をカプセルの貫通穴を通してカプセル内に流入させることができ、薬粉が充填されたカプセルを用いた吸入式投薬器に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による吸入式投薬器を示す縦断面図である。
【図2】投薬器本体からカプセルホルダを取り外した状態で示す図1の右側面図である。
【図3】図1中のカプセルホルダを示す正面図である。
【図4】図3に示すカプセルホルダの平面図である。
【図5】吸入式投薬器を図1中の矢示V−V方向からみた拡大横断面図である。
【図6】カプセルホルダを引出した状態を示す吸入式投薬器の縦断面図である。
【図7】図1中の矢示VII −VII 方向からみた部分拡大断面図である。
【図8】カプセル内の薬粉を吸入している状態を示す吸入式投薬器の縦断面図である。
【図9】第1の変形例を示す図7と同様位置から見た断面図である。
【図10】第2の変形例を示す図7と同様位置から見た断面図である。
【符号の説明】
1 投薬器本体
5 ホルダ収容部
7 吸入口
8 カプセルホルダ
9B,9C,18,20 ピン挿通孔(径方向通路)
10 カプセル収容空間(薬粉収容穴)
13 流入側通気路
14,41 軸方向通路(流入側)
15 流入通路
16 空気貯め室
17,32,42 絞り通路
19 流出側通気路
21 軸方向通路(流出側)
23 穴あけ具
25 ピン
31 案内通路
K カプセル
H 貫通穴

Claims (3)

  1. 軸方向の一側が薬粉を収容する薬粉収容穴となり、他側が吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の薬粉収容穴内に空気を流入させるため、前記薬粉収容穴と大気側とを連通して設けられた流入側通気路と、前記薬粉収容穴の薬粉を前記吸入口側に流出させるため、前記薬粉収容穴と吸入口側とを連通して設けられた流出側通気路とを備え
    前記流入側通気路は、前記投薬器本体の軸方向に伸長して大気に開口した軸方向通路と、投薬器本体の径方向に伸長して前記薬粉収容穴に開口した径方向通路とによって形成してなる吸入式投薬器において、
    前記軸方向通路は、大気に連通する流入通路と、径方向通路に開口する絞り通路とによって形成し、
    前記軸方向通路を形成する絞り通路前記径方向通路の接線方向に偏心した位置に開口して設け
    前記軸方向通路を形成する流入通路と絞り通路との間には、空気貯め室を設ける構成としたことを特徴とする吸入式投薬器。
  2. 前記絞り通路は径方向通路に対して複数個形成してなる請求項記載の吸入式投薬器。
  3. 前記投薬器本体には、該投薬器本体の径方向に伸長して前記薬粉収容穴に開口したピン挿通孔と、前記薬粉収容穴内に収容されるカプセルに貫通穴をあけるために前記ピン挿通孔からカプセルに向け挿入されるピンを有する穴あけ具とを設け、前記流入側通気路の径方向通路は前記ピン挿通孔によって構成してなる請求項1または記載の吸入式投薬器。
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