JPH11251856A - 積層フィルタ - Google Patents

積層フィルタ

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JPH11251856A
JPH11251856A JP4677798A JP4677798A JPH11251856A JP H11251856 A JPH11251856 A JP H11251856A JP 4677798 A JP4677798 A JP 4677798A JP 4677798 A JP4677798 A JP 4677798A JP H11251856 A JPH11251856 A JP H11251856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積層ずれや切断すれによるインダクタンス値と
結合値の変動を極力おさえ、歩留りの高い積層フィルタ
を提供する。 【解決手段】基体1の両側面に入力端子4、出力端子5
を設け、両端面に接地端子2、3を設ける。基体1の内
部に2層以上のグランド電極7、8、9を設ける。基体
1の内部に、相互誘導的に結合される対をなすインダク
タ電極10a、10bを設ける。基体1の内部にそれぞ
れLC共振器を構成するキャパシタ電極13a〜13d
を設ける。各インダクタ電極10a、10bのホット端
子側とキャパシタ電極13a、13cまたは13b、1
3dとは、ビアホール14a、14c、14eまたは1
4b、14d、14fにより接続する。各インダクタ電
極10a、10bの接地側端部は、ビアホール15a、
15bを介して少なくとも1つのグランド電極7に接続
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話やコード
レスホン等の移動体通信機器等の高周波回路に使用され
る帯域通過フィルタ特性を有する積層誘電体フィルタに
関する。
【0002】
【従来の技術】図4(A)は従来の積層フィルタの外観
図、図4(B)は外観を示す斜視図、図5(A)は図4
(B)のE−E断面図、図5(B)はその等価回路図で
ある。この積層フィルタは、図4(B)に示すように、
セラミック誘電体からなるほぼ直方体状をなす基体1の
両端面に接地端子2、3を有し、両側面に入力端子4と
出力端子5とを有する。
【0003】この積層フィルタは、シート積層法やスク
リーン印刷法により作製されるものである。図4(A)
において、1a〜1iは誘電体層である。7、8、9は
それぞれ誘電体層1a、1f、1h上に形成した内部グ
ランド電極であり、これらは両端が図4(B)に示す前
記接地端子2、3に接続される。10a、10bは誘電
体層1b上に形成され、ストリップラインとして作用す
るインダクタ電極である。
【0004】11a、11bは誘電体層1dに形成され
た整合容量電極であり、それぞれ前記入力端子4、出力
端子5に接続される。12は誘電体層1c上に形成さ
れ、両端が前記整合容量電極10a、10bに誘電体層
1dを介して対向して整合容量電極11a、11bどう
しを容量的に結合する減衰容量電極である。
【0005】13a、13bはそれぞれ整合容量電極1
1a、11bと、グランド電極8との間に誘電体層1
e、1fを介して挟まれて対向する第1のキャパシタ電
極、13c、13dはそれぞれ誘電体層1g、1hを介
してグランド電極8、9間に挟まれて対向する第2のキ
ャパシタ電極である。
【0006】前記インダクタ電極10aのホット端子側
は、ビアホール14e、14c、14aを介して第2の
キャパシタ電極13cおよび第1のキャパシタ電極13
aに接続される。また、前記インダクタ電極10bのホ
ット端子側は、ビアホール14f、14d、14bを介
して第2のキャパシタ電極13dおよび第1のキャパシ
タ電極13bに接続される。インダクタ電極10a、1
0bのグランド側は、図4(B)に示した基体1の一端
の接地端子2に接続される。このような接続関係は、図
5(A)の断面図に示されている。ただし、図5(A)
において、14は一連のビアホール14e、14c、1
4aまたは14f、14d、14bを示す。
【0007】図5(B)の等価回路図において、前記イ
ンダクタ電極10a、10bはそれぞれインダクタンス
La2、Lb2を形成すると共に、互いに相互誘導
(M)的に結合する。また、ビアホール14cと14a
(14eはインダクタンスが小さいため無視する。)は
インダクタンスLa1を構成し、ビアホール14dと1
4b(14fはインダクタンスが小さいため無視す
る。)はインダクタンスLb1を形成する。
【0008】従って、入力端子4側に電気的に結合され
る回路のインダクタンスLaは、La=La1+La2
であり、また、出力端子5側に電気的に結合される回路
のインダクタンスLbは、Lb=Lb1+Lb2であ
る。
【0009】また、整合容量電極11a、11bと第1
のキャパシタ電極13a、13bとによりそれぞれ整合
容量Ci、Ciを形成する。また、整合容量電極11
a、11bと減衰容量電極12とにより入力端子4と出
力端子5との間の減衰容量Cpを形成する。
【0010】また、第1のキャパシタ電極13a、13
bとグランド電極8との間でそれぞれ容量Ca1、Cb
1を形成する。また、第2のキャパシタ電極13c、1
3dとグランド電極8、9との間でそれぞれ容量Ca
2、Ca3とCb2とCb3を形成する。これらの容量
Ca1+Ca2+Ca3=Ca、Cb1+Cb2+Cb
3=Cbの各成分がそれぞれ前記インダクタンスLa、
Lbの成分に並列に接続されて図5(B)の等価回路を
構成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】積層フィルタは、例え
ばシート積層法により製造する場合、誘電体層1a〜1
hとなるグリーンシートに所定の電極を形成し、電極が
形成されたグリーンシートおよび最上層となる誘電体グ
リーンシート1iとの積層を行うことにより積層素材を
得た後、個片に分割する。この積層時における積層ずれ
と、分割時における切断ずれにより、前記グランド端子
2に接続される前記インダクタ電極10a、10bは、
電極10a、10bの長さが変化するため、インダクタ
ンスLa1、Lb1と、相互誘導によるインダクタンス
(結合値)が変化し、特性がばらつき、歩留りが低いと
いう問題点があった。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑み、積層ずれや
切断すれによるインダクタンス値と結合値の変動を極力
おさえ、歩留りの高い積層フィルタを提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1の積層フィルタは、セラミック誘
電体でなる基体の両側面に設けられる入力端子、出力端
子と、基体の両端面に設けられた接地端子と、前記基体
の内部に設けられ、基体の両端面の接地端子に両端が接
続される少なくとも2層以上のグランド電極と、前記基
体の内部に設けられ、一端が前記入力端子、出力端子に
それぞれ電気的に結合され、かつ互いに相互誘導的に結
合される対をなすインダクタ電極と、前記基体の内部の
前記各インダクタ電極に対応してそれぞれ設けられてそ
れぞれLC共振器を構成するキャパシタ電極とを有する
積層フィルタにおいて、各インダクタ電極のホット端子
側と前記キャパシタ電極とは、ビアホールにより接続さ
れ、前記各インダクタ電極の接地側端部が、ビアホール
を介して1つのグランド電極に接続されてなることを特
徴とする。
【0014】請求項1においては、インダクタ電極の両
端がそれぞれキャパシタ電極、グランド電極にそれぞれ
基体内部で接続されるので、積層ずれや切断ずれによる
インダクタ電極の長さやインダクタ電極間の結合値の変
化が小さい。
【0015】請求項2の積層フィルタは、請求項1にお
いて、前記各インダクタ電極の接地側端部が、ビアホー
ルを介して、少なくとも1つのグランド電極に対し、前
記基体両端の接地端子間のほぼ中央部において接続され
てなることを特徴とする。
【0016】請求項2においては、インダクタ電極の接
地側が、グランド電極の中央部にビアホールにより接続
されているので、ビアホールとグランド電極との接続部
と基体端部の接地端子との間のインダクタンスの積層ず
れや切断ずれによる変化が、ビアホールとグランド電極
との接続部を中央部以外に設けた場合よりも小さくな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明による積層フィルタ
の一実施の形態を示す積層構造図、図2(A)はその図
5(A)相当断面図、図5(B)はその等価回路図であ
る。
【0018】図1の積層構造図と図2(A)の断面図に
おいて、図4(A)に示した従来の積層構造図と異なる
点は、インダクタ電極10a、10bの接地側端部を、
ビアホール15a、15bを介してグランド電極7に接
続したことにある。また、本実施の形態においては、ビ
アホール15a、15bを、グランド電極7における接
地端子2、3間の中央部に接続している。各インダクタ
電極10a、10bのホット端子側は、従来と同様に、
それぞれビアホール14a、14c、14eを介して、
あるいはビアホール14b、14d、14fを介して、
それぞれキャパシタ電極13a、13cと、13b、1
3dに接続している。
【0019】このような構成とすれば、ビアホール14
cと14aのインダクタンスをLa1、ビアホール14
dと14bのインダクタンスをLb1、インダクタ電極
10a、10bの各インダクタンスをLa2、Lb2、
ビアホール15a、15bの各インダクタンスをLa
3、Lb3とすると、入力端子4側の共振回路のインダ
クタンスLa、出力端子5側の共振回路のインダクタン
スLbはそれぞれ下記のようになる。 La=La1+La2+La3 Lb=Lb1+Lb2+Lb3 ここで、積層工程における積層ずれや積層素材から個片
への切断のずれがあっても、インダクタ電極10a、1
0bは長さの変化を生じないため、インダクタンスLa
2、Lb2の値は前記ずれによる影響を受けず、また、
ビアホールのインダクタンスLa1、La2、Lb1、
Lb2もその影響を受けない。また、インダクタ電極1
0a、10bの長さが前記ずれの影響を受けないから、
相互誘導(M)の結合度のばらつきも小さくなる。これ
らのことから、前記ずれによるフィルタ特性のばらつき
が小さくなる。
【0020】この積層フィルタを接地端子2、3の対向
方向に縦幅を3.2mm、入力端子4、出力端子5の対
向方向の横幅を2.5mm、高さを1.5mmに設定
し、従来のように、インダクタ電極10a、10bを接
地端子2に接続した場合と、本実施の形態のようにグラ
ンド電極7の接地側端部をビアホール15a、15bを
介して接地端子2、3間の中央部に接続した場合につい
て、積層ずれまたは切断ずれによる特性の変化を調べ
た。
【0021】図3(A)は、1.9GHz帯バンドパス
フィルタにおける積層ずれ、切断ずれの量が±0.2m
m変化した場合のフィルタの伝送特性を示す。図2
(A)、図5(A)において、インダクタ電極10a、
10bのずれは、図2(A)に示すように、接地端子2
側(左側)へ偏よる方向をプラス、接地端子3側(右
側)へ偏よる方向をマイナスとした。図9から分かるよ
うに、本発明による場合、従来例に比較して、ずれ量に
対する通過帯域の変化が大幅に小さくなる。
【0022】また、図3(B)、(C)は、バンドパス
フィルタの中心周波数fo、比帯域幅wのずれによる変
化を示す。中心周波数foとは、フィルタの伝送特性S
21と反射特性S11との交差する周波数fa、fb
(但し、fb>fa)の中心の周波数であり、比帯域幅
wとは、フィルタの通過帯域fw(faとfbとの差)
と中心周波数foとの比である。下にこれらの関連式を
記す。fo=(fa+fb)/2 fw=fb−fa w=fw/fo 図3(B)に示すように、本発明による場合、ずれ量が
±0.2mmの範囲においては、中心周波数foは殆ど
変化しないが、従来例による場合、中心周波数foが約
±0.08GHz程度変化する。
【0023】また、図3(C)に示すように、ずれ量が
±0.2mmの範囲においては、従来例の場合、比帯域
幅wの変化は約±0.02程度となるが、本発明による
場合、比帯域幅wの変化は約±0.008程度と従来例
よりはるかに小さくなった。
【0024】このように、本発明による場合、積層ずれ
や切断ずれによる中心周波数や通過帯域幅の変化が従来
より大幅に小さくなる。
【0025】本発明を実施する場合、ビアホール15
a、15bとグランド電極7との接続点は、本実施の形
態において示したように、接地端子2、3間のほぼ中央
とすることがより好ましい。なぜならば、ビアホール1
5a、15bとグランド電極7との接続点と接地端子
2、3との間に存在するわずかなインダクタンス成分の
前記ずれによる変化が、接続点が中央であればより小さ
くなるからである。
【0026】また、減衰容量電極12を設けない場合に
も積層フィルタを構成することは可能であるが、減衰容
量電極12を設けることにより、通過帯域の両側の帯域
における減衰量を増大させて特性のよい積層フィルタを
得ることが可能となる。
【0027】また、整合容量電極11a、11bを設け
てキャパシタ電極13a、13bに誘電体層を介して対
向させることは、適正な面積並びにキャパシタ電極13
a、13bとの間隔をもって整合容量電極を設けること
により、信号の反射を防止するために有効であるが、入
力端子4や出力端子5をキャパシタ電極13a、13b
にそれぞれ接続する構成も採用可能である。
【0028】さらに、図1、図2の実施の形態におい
て、キャパシタ電極は第2のキャパシタ電極13c、1
3dのみとしてもよく、さらにまた、キャパシタ電極は
入力端子4、出力端子5にそれぞれ電気的に結合される
ものとして、3層以上のものを設けてもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1によれば、各インダクタ電極
が、それぞれ入力端子、出力端子に対してキャパシタ電
極を介して接続されると共に、各インダクタ電極のホッ
ト端子側と前記キャパシタ電極とは、ビアホールにより
接続され、前記各インダクタ電極の接地側端部が、ビア
ホールを介して1つのグランド電極に接続されてなるの
で、積層ずれや切断すれによるインダクタ電極の長さや
インダクタ電極間の結合度が小さくなり、中心周波数や
通過帯域幅等のフィルタ特性の変化を小さくすることが
できる。
【0030】請求項2によれば、前記各インダクタ電極
の接地側端部が、ビアホールを介して少なくとも1つの
グランド電極の前記両端の接地端子間のほぼ中央部に接
続されているので、積層ずれや切断すれによるフィルタ
特性の変化をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層フィルタの一実施の形態を示
す積層構造図である。
【図2】(A)は図1の積層フィルタの図5(A)相当
断面図、(B)はその等価回路図である。
【図3】(A)は従来例と本発明の積層ずれや切断ずれ
による周波数特性の変化を各ずれ量に対応して示す図、
(B)は従来例と本発明の積層ずれや切断ずれのずれ量
に対応した中心周波数特性の変化を示す図、(C)は従
来例と本発明の積層ずれや切断ずれのずれ量に対応した
比帯域幅の変化を示す図である。
【図4】(A)従来の積層フィルタの一例を示す積層構
造図、(B)はその外観を示す斜視図である。
【図5】(A)は図4(B)のE−E断面図、(B)は
その等価回路図である。
【符号の説明】
1:基体、1a〜1i:誘電体層、2、3:接地端子、
4:入力端子、5:出力端子、7、8、9:グランド電
極、10a、10b:インダクタ電極、11a、11
b:整合容量電極、12:減衰容量電極、13a、13
b:第1のキャパシタ電極、13c、13d:第2のキ
ャパシタ電極、14a〜14f、15a、15b:ビア
ホール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】11a、11bは誘電体層1dに形成され
た整合容量電極であり、それぞれ前記入力端子4、出力
端子5に接続される。12は誘電体層1c上に形成さ
れ、両端が前記整合容量電極11a、11bに誘電体層
1dを介して対向して整合容量電極11a、11bどう
しを容量的に結合する減衰容量電極である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック誘電体でなる基体の両側面に設
    けられる入力端子、出力端子と、 基体の両端面に設けられた接地端子と、 前記基体の内部に設けられ、基体の両端面の接地端子に
    両端が接続される少なくとも2層以上のグランド電極
    と、 前記基体の内部に設けられ、一端が前記入力端子、出力
    端子にそれぞれ電気的に結合され、かつ相互誘導的に結
    合される対をなすインダクタ電極と、 前記基体の内部の前記各インダクタ電極に対応してそれ
    ぞれ設けられてそれぞれLC共振器を構成するキャパシ
    タ電極とを有する積層フィルタにおいて、 各インダクタ電極のホット端子側と前記キャパシタ電極
    とは、ビアホールにより接続され、 前記各インダクタ電極の接地側端部は、ビアホールを介
    して少なくとも1つのグランド電極に接続されてなるこ
    とを特徴とする積層フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記各インダクタ電極の接地側端部が、ビアホールを介
    して、少なくとも1つのグランド電極に対し、前記基体
    両端の接地端子間のほぼ中央部において接続されてなる
    ことを特徴とする積層フィルタ。
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