JPH1124279A - 印刷版の露光方法 - Google Patents

印刷版の露光方法

Info

Publication number
JPH1124279A
JPH1124279A JP9181376A JP18137697A JPH1124279A JP H1124279 A JPH1124279 A JP H1124279A JP 9181376 A JP9181376 A JP 9181376A JP 18137697 A JP18137697 A JP 18137697A JP H1124279 A JPH1124279 A JP H1124279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
printing
negative film
platen
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9181376A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Nishiyama
幹雄 西山
Tetsuya Okamoto
哲也 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9181376A priority Critical patent/JPH1124279A/ja
Publication of JPH1124279A publication Critical patent/JPH1124279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿フィルムの伸縮による印刷版へ露光した
画像の大きさや位置ずれを防止する。 【解決手段】 焼付定盤へ供給したPS版の天側(1
面)を位置決めすると、ネガフィルムを装填し(ステッ
プ200〜202)、このネガフィルムがカラー印刷用
であるか否か、PS版が複版の1版目であるか否かを確
認し、カラー印刷用であり1版目の複版であるときには
プレ吸着処理を行う(ステップ203〜205)。この
後は、通常の露光処理を行う(ステップ206以降)。
また、複版の2版目以降では、ネガフィルムの吸着保持
を解除してしてから所定時間経過したか否かを確認し
(ステップ213)、所定時間以上経過しているときに
は、プレ吸着処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼付定盤上に位置
決めして載置した印刷版と原稿フィルムを真空引きによ
って吸着保持し、原稿フィルムへ照射する光源の光の透
過光によって印刷版を露光する印刷版の露光方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】新聞印刷用の輪転機等に使用される刷版
は、版材焼付装置によってネガフィルム等の原稿フィル
ムに記録された画像に応じて印刷版を露光して作成され
る。このような版材焼付装置には、印刷版とネガフィル
ムを位置決めして載置する焼付定盤が設けられている。
この焼付定盤には、多数の吸着溝が形成されており、ス
クイズしながらこれらの吸着溝に供給される負圧によっ
て印刷版及びネガフィルムを吸着して、印刷版をネガフ
ィルムへ密着させる。この後、焼付定盤の上方に配置し
ている光源及びフードを下降させてフードによってネガ
フィルムと印刷版を覆った後、光源から光を照射する。
印刷版は、ネガフィルムに記録された画像に応じて透過
した光源からの光によって露光され、ネガフィルムに記
録された画像が焼付けられる。
【0003】このような印刷版の露光には、メタルハラ
イドランプ等の高輝度の露光ランプが用いられる。この
ような印刷版の露光に用いられる高輝度の露光ランプは
発熱量が大きいため、露光時に露光ランプから受ける熱
によって焼付定盤は勿論、印刷版やネガフィルムも加熱
される。版材焼付装置には、露光ランプの発する熱によ
って加熱された焼付定盤を冷却するために、焼付定盤の
下方に冷却用のファンを設け、このファンからの冷却風
によって焼付定盤の温度上昇を抑えている。
【0004】一方、焼付定盤は勿論、印刷版やネガフィ
ルムも温度の変化によって少なからず伸縮が生じる。こ
のとき、印刷版は冷却ファンによって冷却されている焼
付定盤上に載置され、露光が終了すると焼付定盤上から
排出されるために、露光ランプから受ける熱にる温度上
昇は少ない。
【0005】ネガフィルムは、PET(ポリエチレンテ
レフタレート)等の樹脂によって薄肉に形成された支持
体の一方の面に感光層が形成され、他方の面にバッキン
グ層が設けられているため、焼付定盤や印刷版と比較し
て温度変化による伸縮の変化が大きいが、印刷版や焼付
定盤の温度が変化しなければ、温度変化による伸縮が抑
えられる。すなわち、焼付定盤の温度を一定に保てば、
印刷版は勿論ネガフィルムが露光ランプの熱の影響を受
けることによる伸縮(主に伸び)を抑えることができ
る。
【0006】しかしながら、ネガフィルムに用いられる
支持体は、温度のみならず湿度(含水量)の変化によっ
て収縮することが知られている。印刷版を露光するとき
に、負圧によってネガフィルムを吸着して保持してお
り、ネガフィルムは焼付定盤に吸着されるときの負圧に
よって内部の水分が著しく低下して収縮する。
【0007】例えば、肉厚100μmのPETベースの
ネガフィルムでは、温度変化による伸縮率が1×10-3
%/°C、湿度1%の変化に対する収縮率が1.4×1
-3%となっている。また、露光時のネガフィルムの温
度変化に対して、湿度(含水量)の変化が大きいことも
重なって、湿度の低下による収縮が大きくなっている。
【0008】同じネガフィルムの画像を露光したとき
に、ネガフィルムの収縮状態に差が生じると印刷版へ焼
付けたときの画像の大きさや位置に僅かながらずれが生
じる。このような画像のずれは、白黒印刷では実質的に
問題にならないが、カラー印刷を行うときに、Y、M、
C、BKに色分解した画像の間で、僅かでも画像の大き
さや位置にずれが生じると、このずれが印刷物に色ズレ
となって現われてしまい、カラー印刷を行った印刷物の
仕上がりを損ねてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原稿フィル
ムの伸縮によって印刷物に色ズレを生じさせることがな
いよう、原稿フィルムに記録された画像に応じて印刷版
を露光するための印刷版の露光方法を提案することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
焼付定盤上に載置した印刷版と原稿フィルムを負圧によ
って密着させながら焼付け定盤へ吸着保持させ、焼付定
盤の上方の露光光源から照射する光によって原稿フィル
ムに記録された画像に応じて印刷版を露光する印刷版の
露光方法であって、前記焼付定盤上に新たな原稿フィル
ムによって印刷版を露光するときに、該原稿フィルムを
負圧によって前記焼付定盤上で一定時間吸着した後、一
旦、原稿フィルムの吸着を解除する前工程を付加したこ
とを特徴とする。
【0011】この発明によれば、新たな原稿フィルムに
よる印刷版の露光に先立って、原稿フィルムを負圧によ
って焼付定盤上に吸着する。原稿フィルムを負圧によっ
て吸着することにより、周囲の温度及び湿度に応じた原
稿フィルムの含水量を低下させることができ、印刷版へ
の露光を行うときに、含水量がさらに変化して原稿フィ
ルムが収縮してしまうことを防止する。
【0012】したがって、略一定に収縮した原稿フィル
ムによって印刷版を露光することができ、カラー印刷時
に収縮量の差によって生じる色ズレを防止することがで
き、仕上がり品質の良いカラー印刷物を得ることができ
る。
【0013】原稿フィルムを焼付定盤上へ吸着する前工
程では、焼付定盤上に印刷版を載置する前に、原稿フィ
ルムを直接焼付定盤上に載置して吸着しても良いが、通
常の露光処理と同様に、焼付定盤上に印刷版を配置し
て、この印刷版上に原稿フィルムをスクイズしながら展
開する方が、露光光源からの光の照射だけを省略する簡
単な制御で良いので、より好ましい。
【0014】請求項2に係る発明は、前記原稿フィルム
がカラー印刷用の原稿フィルムであるときに前記前工程
を付加することを特徴とする。
【0015】この発明によれば、カラー印刷のために色
分解している原稿フィルムの露光を行うときには、前工
程を付加するが、原稿フィルムの伸縮がさほど影響しな
い白黒印刷等の単色印刷用の原稿フィルムによって印刷
版を露光するときには、前工程を省略する。これによっ
て、露光処理にかかる時間が不必要に延びてしまうのを
防止することができる。
【0016】請求項3に係る発明は、前記原稿フィルム
によって繰り返し印刷版の露光を行うときに、前記原稿
フィルムの吸着を解除した状態での露光間隔が所定時間
以上あいたときに前記前工程を付加することを特徴とす
る。
【0017】この発明によれば、複版するときに所定時
間以上、負圧による原稿フィルムの吸着を解除すること
により、低下していた原稿フィルムの含水量が、周囲の
設置環境の温度、湿度に応じた含水量に戻ってしまうの
で、このときには、前工程によって、一旦、原稿フィル
ムの含水量を低下させた後に露光を開始する。
【0018】これによって、収縮率を所定の範囲に保っ
た原稿フィルムによって印刷版を露光することができ、
収縮量の変化による色ズレ等の発生を防止することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1には、本実施の形態に適用し
た版材焼付装置10が示されている。版材焼付装置10
は、枠組みされた箱型フレームに外板パネル12が貼付
けられて構成されている。この版材焼付装置10の前面
には、操作パネル14が設けられている。オペレータ
が、この操作パネル14上でカラー用の画像か白黒用の
画像かの設定や複版枚数等の設定を行うことにより、版
材焼付装置10では、画像が記録された原稿フィルムと
してのネガフィルム16及びネガフィルム16に記録さ
れた画像が焼付けられるPS版18を焼付部20の焼付
定盤36上へ位置決めし、ネガフィルム16に記録され
た画像に応じたPS版18の露光処理(PS版18への
画像焼付処理)を行う。
【0020】図1及び図2に示されるように、版材焼付
装置10の中央部(操作パネル14の下方)には、フィ
ルム装填部22が設けられている。このフィルム装填部
22は、引出し式のトレイ24を備え、ネガフィルム1
6は、このトレイ24に積層されて収容される。このト
レイ24を装置内部へ押し入れることにより、版材焼付
装置10へのネガフィルム16の装填が完了する。
【0021】フィルム装填部22に装填されたネガフィ
ルム16は、最上層から取り出され、装置前面から見て
左方向に配設された位置決め用パンチ孔穿設部38へ搬
送される。
【0022】図2に示されるように、位置決め用パンチ
孔穿設部38には、位置決め用定盤40が設けられ、こ
の位置決め用定盤40上にネガフィルム16が載置され
る。位置決め用定盤40は、X−Y−θ方向に移動可能
な移動定盤42と、移動定盤42を取り囲むように配置
された固定定盤44によって構成されており、それぞれ
がネガフィルム16を吸着して保持可能となっている。
【0023】位置決め用パンチ孔穿設部38では、ネガ
フィルム16に記録されている画像位置表示マーク(ト
ンボ)の位置をスキャナ等の読取手段によって読み取る
と、移動定盤42のみによってネガフィルム16を吸着
保持し、ネガフィルム16に穿設するパンチ孔とトンボ
の位置関係が正規の位置関係になるようにX−Y−θ方
向へ移動定盤42を移動させ、ネガフィルム16の位置
を補正する。この後、移動定盤42と固定定盤44によ
ってネガフィルム16を吸着保持すると、固定定盤44
の所定の位置に設けている図示しないパンチャーによっ
て、ネガフィルム16の焼付定盤36での位置決め用の
ピンバー挿入用のパンチ孔を穿設する。パンチ孔が穿設
されたネガフィルム16は、装置前面から見て奥側に配
設された待機部26へと搬送される。
【0024】図3に示される如く、ネガフィルム16に
は、中央部の画像領域に新聞紙1頁分に相当する画像が
記録されている。このネガフィルム16の天地方向の一
端(以下「天側」と言う)及び天地方向の他端(以下
「地側」と言う)には、複数のトンボ16Cが形成され
おり、トンボの16Cの位置から正確な画像領域の読取
りが可能となっている。なお、以下では、図中の矢印L
方向を天地方向として説明する。
【0025】また、ネガフィルム16には、例えば天側
に設けられた色玉領域に色玉が記録されている。この色
玉は、ネガフィルム16に記録された画像がカラー印刷
用の画像であった場合、このネガフィルム16に記録さ
れている画像が、どの色に対応する画像であるかを明示
する。
【0026】本実施の形態では、このネガフィルム16
の前面から見て右方向にパンチ孔16A、16Bを穿設
しており、このパンチ孔16A、16Bに焼付部でピン
バーのピンを挿入し、ピンバーを移動させることにより
ネガフィルム16の画像がPS版18の所定の位置にな
るように位置決めすることができるようにしている。な
お、パンチ孔16Aは、ネガフィルム16の天地方向の
中心部に丸孔として穿設され、パンチ孔16Bは天地方
向の両端部に長手方向が天地方向に沿った長孔として穿
設される。また、トンボ16Cの位置、パンチ孔16
A、16Bの位置及び形状は、本実施の形態に限定する
ものではない。
【0027】なお、本実施の形態に適用するネガフィル
ム16は、支持体として、肉厚100μmのPET(ポ
リエチレンテレフタレート)も用いており、現像処理さ
れた状態で相対湿度が1%変化したときの伸縮率は、
1.4×10-3%となっている。
【0028】待機部26は、焼付部20に隣接して設け
られており、待機部26に待機されているネガフィルム
16は、図示しないフィルム搬送ユニットによって装置
前面から見て右方向の焼付定盤36上へと搬送される。
このネガフィルム16の搬送に先立って、焼付定盤36
上には、PS版18が所定位置に位置決めされており、
このフィルム搬送ユニットによって搬送されたネガフィ
ルム16は、パンチ孔16A、16Bへ位置決め用ピン
バーのピンが挿入されて、PS版18上に重ね合わされ
て載置される。
【0029】焼付定盤36の上方には、昇降可能な光源
ユニット46が配設されており、ネガフィルム16が位
置決めされて載置されたPS版18は、光源ユニット4
6の光源ランプ48から照射される光によって露光さ
れ、ネガフィルム16に記録されている画像が焼付けら
れる。
【0030】図1及び図2に示される如く、焼付処理が
終了したネガフィルム16は、図示しないフィルム搬送
ユニットによって、装置前面からみて右方向、すなわ
ち、待機部26とは反対側に隣接された排出部28へと
搬送される。フィルム搬送ユニットは、焼付部20を挟
んで、待機部26側と排出部28側に設けられており、
一方のフィルム搬送ユニットは、待機部26と焼付定盤
36上の間を移動し、他方のフィルム搬送ユニットは、
排出部28と焼付定盤36との間を移動する。
【0031】これにより、1枚のPS版18に異なる画
像を焼付ける、所謂スプリットランが可能となってい
る。なお、フィルム搬送ユニットは、互いに干渉しない
ように交互に焼付定盤36上に配置されるように制御さ
れる。
【0032】排出部28には、排出トレイ30が設けら
れており、焼付けの終了したネガフィルム16は、排出
トレイ30上に順に積層され、排出トレイ30を引き出
すことにより取り出される。
【0033】PS版18は、図示しないスキッドに複数
枚(例えば、50枚〜500枚程度)が積層された状態
で、装置下部(ネガフィルム16の装填用及び排出用ト
レイ24、30よりも下方)に設けられたPS版装填部
34へ装填される。このPS版18は、装置前面から見
て左右方向が長手方向(天地方向)とされて装填され
る。なお、本実施の形態に適用しているPS版18は、
肉厚0.3mmのアルミニウムの支持体を用いている。
【0034】PS版装填部34に積層された状態で装填
さたPS版18は、最上層から取り出されると、焼付部
20の焼付定盤36上へ送られる。
【0035】図1に示されるように、版材焼付装置10
には、焼付部20を挟んで第1のパンチ部50及び第2
のパンチ部52が設けられている。図4に示されるよう
に、第1のパンチ部50及び第2のパンチ部52のそれ
ぞれは、焼付部20の焼付定盤36に隣接してパンチ定
盤54とパンチ定盤56が設けられている。PS版18
は、先ず、第1のパンチ部50のパンチ定盤54と焼付
定盤36に掛け渡されて載置される。なお、第1のパン
チ部50及び第2のパンチ部52はそれぞれ、排出部2
8、待機部26の略下方に位置している(図1参照)。
【0036】この後、焼付定盤36上に配置されたPS
版18の天側(図3の紙面左側)にネガフィルム16に
記録された画像が焼付られる。次に、PS版18は、第
2のパンチ部52側へ送られ、地側が焼付定盤36上と
なるように、焼付定盤36と第2のパンチ部52のパン
チ定盤56に跨って載置され、地側にネガフィルム12
に記録された画像が焼付けられる。この後、PS版18
は、装置奥側のPS版排出部58へ送り出される。
【0037】第1のパンチ部50のパンチ定盤54に
は、PS版の地側の端部に対向してパンチャー60及び
位置決めピン62が配設されている。また、パンチ定盤
54には、PS版の幅方向の一方の端部に対向する位置
決めピン64が出没可能に設けられている。
【0038】焼付定盤36には、PS版18の幅方向の
端部に対向する位置決めピン66、68及びPS版18
の地側の端部に対向する位置決めピン70がそれぞれ所
定の位置に出没可能に設けられている。また、焼付定盤
36には、パンチ定盤54との間に載置したPS版18
の天側の端部に対向するプッシャー72が出没可能に設
けられ、さらに、焼付定盤36とパンチ定盤54の間に
は、PS版18の幅方向の他方の端部に対向するプッシ
ャー74が設けられている。
【0039】焼付定盤32とパンチ定盤54に跨って載
置されたPS版18は、プッシャー74の押圧ピン74
Aによって位置決めピン64、68へ向けて押圧される
と共に、プッシャー72の押圧爪72Aによって位置決
めピン64へ向けて押圧され、天地方向及び幅方向の位
置決めがなされる。
【0040】また、パンチ定盤54の下方には、プッシ
ャー76が配置されており、このプッシャー76の押圧
ピン78が、パンチ定盤54に天地方向に沿って穿設さ
れた一対の長孔80内を移動するようになっている。P
S版18は、このプッシャー76によってパンチ定盤5
6(天側)へ向けて押圧される。
【0041】一方、第2のパンチ部52のパンチ定盤5
6には、PS版18の天側の端部に対応して、パンチャ
ー82及びプッシャー84が設けられ、PS版18の幅
方向の一方の端部に対向した位置決めピン86が出没可
能に設けられている。また、パンチ定盤56と焼付定盤
36には、印刷版Pの幅方向の他方の端部に対向するプ
ッシャー88が設けられている。
【0042】パンチ定盤54のプッシャー76によって
押圧されて移動するPS版18は、パンチ定盤56と焼
付定盤36との間に設けられている図示しない搬送手段
によって天地方向の天側へ向けて搬送され、パンチ定盤
56と焼付定盤36に跨って載置される。この後、PS
版18は、プッシャー88の押圧ピン88Aによって位
置決めピン66、86へ向けて押圧されると共に、プッ
シャー84の押圧ピン84Aによって位置決めピン70
へ向けて押圧される。これによって、PS版18の地側
の焼付定盤36上への天地方向及び幅方向の位置決めが
なされる。
【0043】なお、第2のパンチ部52には、パンチ定
盤56と焼付定盤36の間に移動定盤90が配置されて
おり、焼付処理の終了したPS版18は、この移動定盤
90のPS版排出部58側へ向けた移動に合わせて搬送
されて排出される。PS版排出部58は、例えば画像が
焼付処理されたPS版18を図示しない現像装置へ連続
して送り込む搬送路と、一旦ストックしておき、まとめ
て複数のPS版18を取り出す取出トレイ58A(図1
参照)上に送り込む搬送路と、が選択できるようになっ
ている。
【0044】版材焼付装置10では、PS版18への画
像焼付けと並行して第1及び第2のパンチ部50、52
に設けられているパンチャー60、82によってPS版
18の地側及び天側の先端の所定の位置にパンチ孔ない
し切欠きを穿設する。PS版18の天側及び地側に形成
されるパンチ孔及び切欠きは、PS版18を印刷用の輪
転機の版胴へ巻き掛けて装着するときの位置決め用とな
る。
【0045】図5に示される如く、焼付定盤36の中央
部には、焼付定盤36上で位置決めされたPS版18を
吸着保持するための吸着溝92が設けられている。吸着
溝92は、焼付定盤36の表面を断面矩形状に穿設した
溝によって、外周が略矩形形状に形成され、この外周部
の互いに対向する辺を連結して略「田」字状に形成され
ている。
【0046】また、焼付定盤36の上面には、吸着溝9
2の外方に吸着溝92を囲むように吸着溝94が形成さ
れている。この吸着溝94は、複数本の溝を矩形形状に
連結して形成されており、PS版18上に載置されたと
きにPS版18からはみだしたネガフィルム16の周縁
部に対向するようになっている。また、焼付定盤36の
周縁部には、後述するオーバーレイシート118に対応
して、吸着溝96が形成されている。
【0047】焼付定盤36上に形成されている吸着溝9
2及び吸着溝94、96のそれぞれには、図示しないエ
ジェクタ(負圧供給手段)から負圧が供給されるように
なっており、これによって、焼付定盤36上のPS版1
8と共に、PS版18を覆うように展開されたネガフィ
ルム16及びオーバーレイシート118が吸着保持さ
れ、PS版18、ネガフィルム16及びオーバーレイシ
ート118が密接される。
【0048】また、吸着溝94の間には、複数のエアブ
ローノズル98が穿設されている。これらのエアブロー
ノズル98には、図示しないエアー供給手段によってエ
アーが供給されるようになっている。焼付定盤36上に
吸着保持されたネガフィルム16は、吸着溝94への負
圧の供給が解除されたときに、エアブローノズル98か
ら吹き出されるエアーによって焼付定盤36及びPS版
18への密着状態が解除され、焼付定盤36上からの取
り出しが可能となる。
【0049】図6に示されるように、焼付部20には、
焼付定盤36の装置手前側に隣接してピンバー100が
配置されている。ピンバー100は、長手方向がPS版
18の天地方向に沿った長尺矩形形状の本体ブロック1
02及び、本体ブロック102の上面を覆う押圧板10
4によって構成されている。
【0050】本体ブロック102には、上面に固定ピン
106及び流しピン108が突設されている。固定ピン
106及び流しピン108は、本体ブロック102の上
方に上下移動可能に配置されている押上板110を貫通
して、先端部が押上板110から上方に突設されてい
る。
【0051】固定ピン106及び流しピン108の軸心
(中心軸)の間隔寸法は、ネガフィルム16に穿設され
たパンチ孔16A、16Bの間隔寸法と同一とされてい
る。焼付定盤36上に搬送されたネガフィルム16は、
天地方向に沿った中央部のパンチ孔16Aへ固定ピン1
06が挿入され、パンチ孔16Aを挟んで穿設されてい
るパンチ孔16Bのそれぞれに流しピン108が挿入さ
れて、焼付定盤36上のPS版18上に載置される。
【0052】また、固定ピン106及び流しピン108
の挿入されたPS版18は、押上板100を上方移動さ
せて押上板110内に固定ピン106及び流しピン10
8を入り込ませることにより、ネガフィルム16のパン
チ孔16A、16Bから固定ピン106及び流しピン1
08が引き抜かれる。
【0053】押圧板104は、通常、本体ブロック10
2の上方で且つ焼付定盤36と反対側(装置前面側)に
位置している。これによって押上板110の上方が開放
され、ネガフィルム16のパンチ孔16A、16Bへの
固定ピン106及び流しピン108の挿入が可能となっ
ている。
【0054】また、この押圧板104は、図示しないエ
アーシリンダの駆動によって押上板110の上方まで移
動した後、さらに、押上板110へ向けて下方移動し、
図示しない付勢手段の付勢力等による所定の押圧力で押
上板110を押圧するようになっている。これによっ
て、パンチ孔16A、16Bに固定ピン106及び流し
ピン108が挿入されたネガフィルム16の端部が、押
圧板104と押上板110に挟持される。これによっ
て、ネガフィルム16は、焼付定盤36に対して位置決
めされた状態でピンバー100に保持される。
【0055】一方、ピンバー100の下方には、ピンバ
ー100を一体でX−Y−θ方向へ移動させる図示しな
い移動機構(例えばX−Y−θテーブル)が配置されて
おり、焼付定盤36に対するピンバー100の位置調整
が可能となっている。このピンバー100の位置調整に
より、ピンバー100によって位置決めして保持される
ネガフィルム16のPS版18に対する位置調整が可能
となっている。
【0056】焼付部20には、ピンバー100を挟んで
焼付定盤36の反対側に小定盤112が配置されてい
る。この小定盤112上には、スクイズユニット114
が配設されている。スクイズユニット114は、軸方向
がピンバー100の長手方向(図6の紙面表裏方向)に
沿って配置されたスクイズローラ116を備えている。
このスクイズローラ116には、露光の際、PS版18
及びネガフィルム16を覆う透明のオーバーレイシート
118の長手方向の中間部が巻き掛けられている。
【0057】オーバーレイシート118の長手方向の一
端は、小定盤112のピンバー100と反対側の端部に
固定されており、他端側は、スクイズローラ116に巻
き掛けられた後に、スクイズユニット114から上方に
引き出され、先端には連結バー120が取り付けられて
いる。この連結バー120には、ピンバー100の長手
方向に沿った両端にワイヤ122の一端が接続されてい
る。
【0058】ワイヤ122の他端は、上方の滑車124
に巻き掛けられて、略水平にPS版排出部58側(装置
奥側、図6の紙面右側)に引き出されている。また、焼
付定盤36のPS版排出部58側の上方には、滑車12
6が配設され、この滑車126の下方には、重り128
が取り付けられた滑車130が配設されている。ワイヤ
122の先端部は、滑車126と滑車130との間に複
数回(例えば3回)巻き掛けられて滑車130に連結さ
れており、これによって、滑車130が吊り下げられワ
イヤ122を介して、オーバーレイシート118に所定
の張力を付与している。
【0059】スクイズローラ116は、軸方向の中間部
でオーバーレイシート118が接触する部分がゴム等の
弾性体で形成され、軸方向の両端部が金属製のローラと
されている。この金属部分は、ピンバー110の長手方
向の両端側に設けられたカム132に対向されている。
カム132は、上面がピンバー110を跨ぐように略山
形形状に形成されている。
【0060】スクイズユニット114は、焼付定盤36
上にPS版18とネガフィルム16が位置決めされて載
置されると、駆動モータ134の駆動によって移動する
無端のベルト134Aによって、小定盤112上の原位
置からカム132を乗り越えて、焼付定盤36上をPS
版18の幅方向(矢印C方向)に沿って移動する。この
とき、スクイズローラ116が図示しない付勢手段の付
勢力によってネガフィルム16を押圧しており、これに
よって、スクイズローラ116がネガフィルム16及び
PS版18上を転動して、ネガフィルム16の下方に入
り込んでいる空気を絞り出して、ネガフィルム16をP
S版18の表面へ密着させる。
【0061】オーバーレイシート118は、このスクイ
ズローラ116のスクイズ移動によってネガフィルム1
6を覆うように展開される。このとき、オーバーレイシ
ート118には、ワイヤ122の先端に取り付けられた
重り128によって一定の張力が付与される。なお、ピ
ンバー100の上方には、ローラ135が設けられてお
り、スクイズユニット114が焼付定盤36上を小定盤
112と反対側の中間位置へ移動したときに、オーバー
レイシート118がこのローラ135に巻き掛けられる
ことにより、後述する光源ユニット46との干渉が防止
されている。
【0062】なお、ネガフィルム16をスクイズしてP
S版18の表面に密着させる際、ネガフィルム16を吸
着保持している吸着溝94に供給される負圧は、一時的
に低下されて、スクイズ終了後に再度所定の吸着力でネ
ガフィルム16を吸着するようになっている。
【0063】一方、焼付定盤36の上方に配置されてい
る光源ユニット46は、図7に示される如く、上部が箱
型の光源部136とされ、光源ランプ48が収容されて
いる。光源ランプ48としては、例えば6KWのメタル
ハライドランプが用いられている。
【0064】光源部136の下端部には、補強板138
を介してベース板140が取付けられ、このベース板1
40に光源フード142の上端部が取付けられている。
【0065】光源フード142は、上部の反射フード1
44と下部の遮光フード146によって構成されてい
る。光源フード142の内面側は鏡面とされ、光源ラン
プ48からの光を乱反射させるようになっている。
【0066】光源フード142の互いに対向する側壁に
は、エアーシリンダ148がブラケット150を介して
取付けられている。それぞれのエアシリンダ148のロ
ッド148Aは、遮光フード146に連結されている。
また、遮光フード146は、その四隅(図7では一部の
み図示)にガイドシャフト152が取付けられており、
エアーシリンダ148の駆動によって遮光フード146
がガイドシャフト152に案内されて昇降(図7の紙面
上下方向)される。
【0067】この遮光フード146が下降され、フェル
ト状の遮光シール154がPS版18上のネガフィルム
16の周縁部に当接することにより、焼付定盤36上に
載置されたPS版18の1画像分の焼付領域が遮光され
る。
【0068】光源フード142の下端部開口には、透明
ガラス板156が配設されており、光源48が点灯する
ことによって発生する熱によってネガフィルム16が直
接加熱されるのを抑えている。また、光源部136を形
成する箱体の側面には、排気ダクト158の一端が取付
けられ、この排気ダクト158の他端には、ファン16
0が取付けられている。このため、光源ランプ48を点
灯させたときに発生する熱(熱気)を排気することがで
きると共に、光源フード142内の塵埃が吸い出され
る。
【0069】光源ユニット46は、スクイズ処理が終了
して焼付定盤36上にPS版18、ネガフィルム16及
びオーバーレイシート118が3層に重ねられた状態で
密着されると、遮光フード146を下降させて、光源ラ
ンプ48から照射する光によって、フィルム16に記録
された透過画像をPS版18の感光面に焼付ける。
【0070】図8に示されるように、焼付部20を制御
するコントローラ162には、光源ユニット46、スク
イズユニット114、パンチャー60、82、焼付定盤
36の吸着溝92、94、96のそれぞれへ負圧を供給
する複数のエジェクタ164A、164B、164C、
エアブローノズル98へ図示しないエアー供給手段によ
って発生されたエアを供給するバルブ166等と共に、
位置決めピン64〜70、86等のエアシリンダ及びプ
ッシャ72、74、84等を作動させる位置決め機構1
68、焼付部20内でプッシャ76や移動定盤90等に
よってPS版18を搬送する搬送機構170及びピンバ
ー100(ピンバー100のエアシリンダを作動させる
作動機構)が接続されている。コントローラ162は、
操作パネル14で設定され処理条件に応じて各機器を制
御して、ネガフィルム16に記録された画像に応じてP
S版18を露光する。
【0071】このとき、コントローラ162は、待機部
26に待機されていた新たなネガフィルム16の画像を
PS版16へ焼付けるときに、カラー印刷用の画像が記
録されているネガフィルム16であるか否かを確認し、
カラー印刷用の画像が記録されているネガフィルム16
であるときには、スクイズ処理を行って焼付定盤36上
に所定時間、ネガフィルム16を吸着保持させた後、一
旦、ネガフィルム16の吸着保持を解除するプレ吸着処
理を行う。このプレ吸着処理が終了した後に、新たにス
クイズ処理を行ってネガフィルム16を吸着保持して、
通常の露光処理を行う。
【0072】一方、同じネガフィルム16を用いて複数
枚のPS版18を露光する例えば複版処理時には、1回
の露光を行う毎に、PS版18の移動や入換を行うが、
このとき、ネガフィルム16の吸着保持を解除してか
ら、再度、このネガフィルム16を吸着保持するまでの
時間(露光間隔、インターバル)が、所定時間以上とな
ったときには、前記したプレ吸着処理を行った後に、露
光処理を再開するようにしている。
【0073】なお、コントローラ162には、焼付定盤
20を冷却する冷却ファン172及び焼付定盤36の温
度を検出する温度センサ174が接続されている。冷却
ファン172は、焼付定盤36の下方に設けられてお
り、焼付定盤36の下面側から冷却風を吹き付けるよう
になっている。コントローラ162は、温度センサ17
4の検出結果に応じて冷却ファン172を作動させて、
焼付定盤36を所定の温度以下に維持し、光源ランプ4
8の熱による焼付定盤36の温度上昇が抑えられてい
る。
【0074】以下に本実施の形態の作用を説明する。版
材焼付装置10では、多数枚のPS版18を搭載した図
示しないスキッドをPS版装填部34に装填すると共
に、トレイ24にネガフィルム16を装填した状態で、
操作パネル14のスイッチ操作によって露光処理を開始
する。
【0075】版材焼付装置10では、PS版18の露光
処理の開始が指示されると、PS版装填部34からPS
版18を取り出すと、このPS版18を焼付部20へ搬
送し、先ず焼付定盤36と第1のパンチ部50のパンチ
定盤54との間に掛け渡して載置する。この後、位置決
めピン64、68を突出させてプッシャー72、74に
よってPS版18を位置決めピン62、64、68へ向
けて押圧する。これによってPS版18は、天側の半面
が焼付定盤36上に載置されて位置決めされる。この状
態で第1のパンチ部50では、パンチャー60によって
PS版18の地側の端部に例えば切欠きを形成する。
【0076】一方、版材焼付装置10では、PS版18
の搬送に合わせて、トレイ24からネガフィルム16を
取り出して位置決め用パンチ孔穿設部38へ搬送し、ネ
ガフィルム16の所定の位置にパンチ孔16A、16B
を穿設する。この後、ネガフィルム16は、待機部26
を経て焼付部20へ搬送され、焼付定盤36上のPS版
18上へ載置される。PS版18は、ネガフィルム16
が載置されると、光源ユニット46の光源ランプ48か
ら照射される光によって天側が露光される。
【0077】次に、焼付部20では、PS版18を天地
方向の天側へ向けて移動させて、地側の半面を焼付定盤
36上に載置すると、位置決めピン66、86、70及
びプッシャー84、88によってPS版18の地側の半
面を焼付定盤36上に位置決めし、この地側の半面を露
光する。これと共に、第2のパンチ部52のパンチャー
82によって、PS版18の天側の端部に例えば切欠き
と丸孔を穿設する。
【0078】このようにして、PS版18の天側及び地
側をネガフィルム16に記録された画像に応じて露光す
ると、PS版排出部58へ向けて搬送して排出する。
【0079】図9、図10(A)及び図10(B)のフ
ローチャートには、ネガフィルム16の処理を基準とし
た版材焼付装置10でのPS版18の露光処理の概略を
示している。
【0080】図9のフローチャートに示されるように、
最初のステップでは、焼付定盤36へのPS版18供給
処理、すなわち、PS版18の天側が焼付定盤36上に
載置されるようにPS版18を供給する。この後、焼付
定盤36上へのPS版18の1面(地側)の位置決めを
行う。
【0081】 次のステップ201では、焼付定盤36上
にPS版18が位置決めされて、吸着溝92に供給され
る負圧によって焼付定盤36上に吸着保持されたか否か
を確認する。ここで、PS版18が位置決めされて吸着
保持されると、ステップ200で肯定判定されてステッ
プ202へ移行する。
【0082】ステップ202では、ネガフィルム16の
装填処理を行う。ネガフィルム16の装填処理は、待機
部26から図示しないフィルム搬送ユニットによって焼
付定盤36の上方の所定の位置へネガフィルム16を搬
送し、フィルム搬送ユニットを下降させることにより、
ネガフィルム16を焼付定盤36上の所定の位置に載置
する。このとき、ピンバー100の押圧板104が退避
しているので、固定ピン106と流しピン108の上方
が開放されており、焼付定盤36上に載置されるネガフ
ィルム16のパンチ孔16Aへは固定ピン106が入り
込み、パンチ孔16Bへは流しピン108が入り込む。
【0083】この後、押圧板104を移動させて、ピン
バー100の本体ブロック102上の押上板110と押
圧板104との間でネガフィルム16を挟持することに
より、パンチ孔16A、16Bに固定ピン106、流し
ピン108が入り込む。これによって、ネガフィルム1
6は、画像記録領域が焼付定盤36上のPS版18に対
して位置決めされてピンバー100に保持される。
【0084】一方、次のステップ203では、このネガ
フィルム16がカラー印刷用の画像が記録されたもので
あるか否かの確認を行う。カラー印刷用のネガフィルム
16であるか否かは、露光開始に先立って複版枚数とと
もに操作パネル14上で設定されている。なお、カラー
印刷用のネガフィルム16であるか否かは、ネガフィル
ム16の所定の位置に色玉が記録されているか否かを検
出して判定するなどの種々の方法を用いることができ
る。
【0085】ここで、ネガフィルム16が、白黒印刷な
どの単色印刷用の画像が記録されたものであれば、ステ
ップ203で否定判定されて、ステップ206へ移行
し、通常の露光処理を行うために、先ず、焼付定盤36
上に載置されているPS版18の天側(1面)への露光
を行う。
【0086】図10(A)には、露光処理の概略を示し
ており、最初のステップ220では、吸着溝94、96
への負圧の供給を開始して焼付定盤36上にネガフィル
ム16を吸着する。これと共に、ステップ222では、
スクイズユニット114によってスクイズ処理を行う。
すなわち、駆動モータ134を駆動させて、スクイズロ
ーラ116を小定盤112上から焼付定盤36上へ移動
させた後、さらにスクイズローラ116を転動させて、
ネガフィルム16の下に入り込んでいる空気を絞り出す
とともに、オーバーレイシート118によってネガフィ
ルム16を覆い、PS版18、ネガフィルム16及びオ
ーバーレイシート118を互いに密着させる。
【0087】次のステップ224では、光源ユニット4
6のエアシリンダ148を駆動して遮光フード146を
下降させて、PS版18の露光領域を光源フード142
で覆う。これと共に光源ランプ48を点灯させ、次のス
テップ226では、光源フード142内に設けている図
示しないシャッタを所定時間開放する。
【0088】これによって、PS版18はネガフィルム
16の上方から照射される光源ランプ46の光によって
露光され、ネガフィルム16に記録されている画像がP
S版18へ焼付けられる。
【0089】PS版18の露光が終了するとシャッタが
閉じられ、遮光フード146を上方移動させると共に、
ステップ228では、吸着溝94、96への負圧の供給
を解除する。この後、ステップ230では、スクイズユ
ニット114を小定盤112上の原位置へ戻すと共に、
エアブローノズル98からエアーを吹出して、ネガフィ
ルム16の密着状態を解除する。これによって、焼付定
盤36上のPS版18の移動が可能となる。
【0090】 図9に示されるように、このようにして、
PS版18の1面(天側)の露光が終了すると、ステッ
プ207へ移行して、PS版18の2面(地側)を露光
するために、PS版18の移動処理を行う。このPS版
18の移動処理は、プッシャー76及び図示しない搬送
手段等によってPS版18を搬送して、PS版18の地
側の半面が焼付定盤36上となるように搬送する。この
後、地側が焼付定盤36上に載置されPS版18の位置
決めを行う。 次にステップ208では、PS版18の2
面の焼付定盤36上への位置決めが完了したかを確認
し、PS版18の位置決めが完了すると(ステップ20
8で肯定判定)、ステップ209へ移行し、前記したス
テップ206と同様の手順でPS版18の地側(2面)
の露光を行う。
【0091】 このようにして、天側及び地側への露光が
終了すると、ステップ210へ移行して、PS版18を
PS版排出部58へ向けて送り出す。この後、ステップ
211では、複版が終了したか否かを確認し、複版が終
了したときには(ステップ211で肯定判定)、ステッ
プ212へ移行して、焼付定盤36からネガフィルム1
6を取出して排出する(ネガフィルム排出処理)。ま
た、引き続いてネガフィルム16による印刷版18の露
光を行うとき(複版)には、ステップ200へ戻る。
【0092】なお、続けてネガフィルム16によるPS
版18の露光(複版)を行うときには、露光の終了した
PS版18の焼付定盤36上からの排出に合わせて新た
なPS版18が焼付定盤36上へ送り込まれる。このと
き、焼付定盤36上から排出されるPS版18を僅かに
持ち上げるようにして焼付定盤36との間に空間を形成
させ、この空間内に新たなPS版18を送り込むことに
より、ネガフィルム16をピンバー100によって保持
した状態でPS版18の入れ換えを行っている。
【0093】また、ネガフィルム16を排出するときに
は、ピンバー100の押圧板104を押上板110の上
方から退避させると共に、押上板110を上方へ持ち上
げる。これによって、ネガフィルム16のパンチ孔16
A、16Bの周縁が持ち上げられて、パンチ孔16A、
16Bから固定ピン106及び流しピン108が引き抜
かれる。この後、図示しないフィルム搬送ユニットによ
ってネガフィルム16を吸着して、排出部28の排出ト
レイ30へネガフィルム16を搬送する。
【0094】ところで、カラー印刷用に色分解された画
像が記録されているネガフィルム16を用いてPS版1
8を露光するときには、ステップ203で肯定判定され
てステップ204へ移行する。このステップ204で
は、1版目の複版であるか否かを確認し、新たなネガフ
ィルム16を用いて最初にPS版18を露光するとき
(1版目のとき)には、ステップ204で肯定判定され
て、ステップ205へ移行してネガフィルム16のプレ
吸着処理を行う。
【0095】図10(B)には、ネガフィルム16のプ
レ吸着処理の概略を示しており、プレ吸着処理が実行さ
れると、ステップ220、222で焼付定盤36の吸着
溝94、96に供給する負圧によってネガフィルム16
を吸着保持すると共に、スクイズユニット114によっ
てスクイズ処理を行う。
【0096】次のステップ232では、吸着溝94、9
6に供給した負圧によるネガフィルム16の吸着保持を
開始してから所定時間経過したか否かを確認し、所定時
間(例えば数秒〜数十秒の範囲で予め設定した時間)を
経過したとき(ステップ232で肯定判定)には、ステ
ップ228、230へ移行して、吸着溝94、96への
負圧の供給を解除すると共に、スクイズユニット114
を原位置へ戻して露光開始前の状態として、プレ吸着処
理を終了する。
【0097】このように、ネガフィルム16を、一旦、
吸着溝94、96に供給する負圧によって焼付定盤36
上に吸着保持させることにより、ネガフィルム16の支
持体内部の水分量(含水量)を低下させることができ、
次に、露光を行うためにネガフィルム16を吸着保持し
たときの支持体内部の含水量の変化を抑えることができ
る。
【0098】このようにして、ネガフィルム16のプレ
吸着処理を終了すると、図9のフローチャートでは、ス
テップ206へ移行して、このネガフィルム16を用い
たPS版18の1面の露光を開始する。
【0099】一般に、PET等のネガフィルム16の樹
脂製支持体は、環境湿度(周囲の湿度)に応じた含水量
(内部湿度)となっており、湿度が変化することにより
含水量も変化する。また、このネガフィルム16の支持
体は、含水量が高くなって内部の水分量が多くなること
により膨潤状態となって伸びが生じるが、逆に含水量が
低くなって内部の水分量が減少すると収縮が生じる。
【0100】一方、ネガフィルム16の支持体は、負圧
によって内部の水分量が減少するので含水量が低下して
収縮が生じる。このために、PS版18に最初に露光し
た画像と、複数回、連続して露光を繰り返した後に露光
した画像では、大きさや位置が異なってしまう。
【0101】このような画像の大きさや位置のずれは、
僅かではあるために白黒印刷等の単色印刷による印刷物
では、仕上がりに実質的に影響することはないが、重ね
て印刷してカラー画像を形成するときに、何れか一色分
でも画像の大きさや位置がことなると、印刷物の色ズレ
を生じさせてしまう。
【0102】このために版材焼付装置10では、最初に
ネガフィルム12のプレ吸着処理を行って、ネガフィル
ム12の支持体内部の水分量を減少させ、実際に露光を
行うときに支持体内の水分量の変化が少なくなるように
している。ネガフィルム16の支持体内の水分量の変化
が無くなれば、ネガフィルム16に収縮が生じるのを防
止でき、PS版18へ露光した画像の大きさや位置が変
わることがない。
【0103】すなわち、図11に示されるように、1回
目の露光に先立ってネガフィルム16を吸着することに
より、1回目の露光を行うときには、ネガフィルム16
の支持体内の含水量が減少しており、ネガフィルム16
に収縮が生じている。このため、2回目、3回目と露光
を繰り返しても、ネガフィルム16の収縮率の変化が抑
えられる。
【0104】一方、ネガフィルム16を用いて複数枚の
PS版18を露光する複版を行うときには、PS版18
の2面(地側)の露光が終了して、ネガフィルム16の
吸着を解除すると、図示しないタイマーをリセット/ス
タートさせて、次に、このネガフィルム16を吸着する
までの時間の計測、すなわち、露光間隔(インターバ
ル)の計測を開始する。
【0105】図9のフローチャートでは、カラー印刷用
の画像が記録されたネガフィルム16によって、2版目
以降のPS版18の露光を行うときには、ステップ20
4で否定判定されて、ステップ213へ移行するように
している。
【0106】このステップ213では、計測している経
過時間が所定の露光間隔(インターバル)を越えたか否
かを確認しており、経過時間が所定時間以内であれば、
そのまま、ステップ206へ移行して、通常の露光処理
を開始する。
【0107】これに対して、タイマによって計測してい
る経過時間が予め設定している所定の時間を越え、ステ
ップ213で肯定判定されれうと、ステップ205へ移
行してPS版18のプレ吸着処理を行うようにしてい
る。
【0108】すなわち、ネガフィルム16は、負圧によ
る吸着保持が解除されることにより周囲の空気中の水分
を吸収し、低下していた支持体の含水量が徐々に増加す
る。この支持体の含水量の増加により、ネガフィルム1
6に相対的な伸びが生じる。このため、ネガフィルム1
6の吸着保持を解除してから、次にネガフィルム16を
吸着保持するまでの時間(インターバル)が長いと、ネ
ガフィルム16は、収縮していた支持体が露光開始前の
状態に戻る。
【0109】例えば、図11に示されるように、6回目
の露光が終了してから所定時間t(例えば15min )以
上経過すると、支持体が周囲の空気中の水分を吸収して
膨潤するので、相対的に伸びが生じる。したがって、こ
のままの状態で7回目の露光を行うと、6回目までに露
光された画像に対してPS版18に伸びが生じた画像が
露光されることになる。すなわち、次にPS版18へ露
光した画像と、前に露光した画像では大きさや位置が異
なってしまう。
【0110】このような複版時の画像の大きさや位置の
ずれを防止するために、版材焼付装置10では、ネガフ
ィルム16の吸着保持を解除してから一定時間以上経過
してからこのネガフィルム16を用いて露光を再開する
ときには、最初に露光を開始するときと同じように、ネ
ガフィルム16のプレ吸着処理を行う。
【0111】これによって、図11に示されるように、
7回目の露光時には、再度、ネガフィルム16に収縮が
生じるため、PS版18に露光された画像の大きさや位
置のズレを抑えることができる。すなわち、連続して同
一のネガフィルム16によってPS版18を露光すると
きに、露光間隔があいても、PS版18に露光された画
像の大きさや位置が異なるのを防止することができる。
【0112】このように、版材焼付装置10では、カラ
ー印刷用の画像が記録されているネガフィルム16を焼
付定盤36上に吸着保持してPS版18を露光するとき
には、必要に応じてネガフィルム16のプレ吸着処理を
行う。
【0113】したがって、版材焼付装置10によって画
像露光されたPS版18を用いることにより、カラー印
刷を行っても印刷物に色ずれ等の仕上がり不良を生じさ
せることがない。
【0114】また、版材焼付装置10では、カラー印刷
用の画像が記録されたネガフィルム16に対してのみ、
ネガフィルム16のプレ吸着処理を行うので、単色印刷
用のネガフィルム16を用いてPS版18を露光すると
きに、処理時間が長くなってしまうのを防止することが
できる。
【0115】なお、本実施の形態に適用した版材焼付装
置10は、本発明を適用した焼付装置の一例を示すもの
である。本発明は、ネガフィルム16等の原稿フィルム
を負圧によって吸着保持してPS版18等の印刷版を露
光する種々の構成の焼付装置に適用することができる。
【0116】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、印
刷版の露光に先立って原稿フィルムを吸着する前工程を
設けることにより、最初に印刷版に露光した画像とこれ
以降に露光した画像との間で大きさや位置が異なるのを
防止することができるので、カラー印刷を行ったとき
に、印刷物に色ズレ等の仕上がり不良を生じさせること
がないと言う優れた効果が得られる。
【0117】また、本発明では、カラー印刷用の画像が
記録されている原稿フィルムを用いて露光を行うときに
のみ前工程を付加するので、単色印刷用の画像が記録さ
れている原稿フィルムを用いて印刷版を露光するときの
処理時間が不必要に延びてしまうのを防止することがで
きる。さらに、複版処理時に露光間隔があいたときに、
前工程によって原稿フィルムを一旦吸着した後、印刷版
の露光を再開するので、複版される印刷版の均一な位置
に均一な大きさの画像を露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した版材焼付装置の外観を
示す概略斜視図である。
【図2】本実施の形態に適用した版材焼付装置でのネガ
フィルムの処理の流れを示す概略図である。
【図3】ネガフィルムの一例を示す概略斜視図である。
【図4】焼付定盤とパンチ定盤の配置を示す概略平面図
である。
【図5】焼付定盤に形成した吸着溝の一例を示す焼付定
盤の概略平面図である。
【図6】スクイズユニットの配置を示す焼付定盤近傍の
概略構成図である。
【図7】光源ユニットを示す概略斜視図である。
【図8】制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】露光時のネガフィルムの処理の流れの概略を示
すフローチャートである。
【図10】(A)は通常の露光時の概略を示すフローチ
ャート、(B)はプレ吸着処理の概略を示すフローチャ
ートである。
【図11】縦軸をネガフィルムの伸縮率、横軸を経過時
間に合わせて複版回数とした複版時のネガフィルムの伸
縮状態の一例を示す線図である。
【符号の説明】
10 版材焼付装置 16 ネガフィルム(原稿フィルム) 18 PS版(印刷版) 20 焼付部 36 焼付定盤 46 光源ユニット 94、96 吸着溝 100 ピンバー 114 スクイズユニット 118 オーバーレイシート 162 コントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼付定盤上に載置した印刷版と原稿フィ
    ルムを負圧によって密着させながら焼付け定盤へ吸着保
    持させ、焼付定盤の上方の露光光源から照射する光によ
    って原稿フィルムに記録された画像に応じて印刷版を露
    光する印刷版の露光方法であって、前記焼付定盤上に新
    たな原稿フィルムによって印刷版を露光するときに、該
    原稿フィルムを負圧によって前記焼付定盤上で一定時間
    吸着した後、一旦、原稿フィルムの吸着を解除する前工
    程を付加したことを特徴とする印刷版の露光方法。
  2. 【請求項2】 前記原稿フィルムがカラー印刷用の原稿
    フィルムであるときに前記前工程を付加することを特徴
    とする請求項1に記載の印刷版の露光方法。
  3. 【請求項3】 前記原稿フィルムによって繰り返し印刷
    版の露光を行うときに、前記原稿フィルムの吸着を解除
    した状態での露光間隔が所定時間以上あいたときに前記
    前工程を付加することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の印刷版の露光方法。
JP9181376A 1997-07-07 1997-07-07 印刷版の露光方法 Pending JPH1124279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9181376A JPH1124279A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 印刷版の露光方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9181376A JPH1124279A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 印刷版の露光方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1124279A true JPH1124279A (ja) 1999-01-29

Family

ID=16099656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9181376A Pending JPH1124279A (ja) 1997-07-07 1997-07-07 印刷版の露光方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1124279A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2684498A1 (fr) * 1991-11-21 1993-06-04 Mitsubishi Electric Corp Laser a semiconducteurs a reaction repartie.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2684498A1 (fr) * 1991-11-21 1993-06-04 Mitsubishi Electric Corp Laser a semiconducteurs a reaction repartie.

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1124279A (ja) 印刷版の露光方法
JP2000141604A (ja) 製版システム及びパンチ装置
JPH1184676A (ja) 版材焼付装置
JP2820232B2 (ja) 焼付装置
JPH1067087A (ja) トンボマーク形成方法及び印刷版並びにトンボマーク描画装置
JP2024003988A (ja) 画像形成装置
JPH01161352A (ja) 密着露光装置
JPH10104850A (ja) 版材焼付装置
JPH01136136A (ja) 原稿と感光材料の分離装置を有する露光装置
JP2776010B2 (ja) 画像記録装置
JPH01187566A (ja) 密着露光装置
JPH01161353A (ja) カラープルーフ作成装置
JPH0980760A (ja) 自動製版システム
JPH1115166A (ja) 版材焼付装置の焼付定盤
JPH01196064A (ja) カラープルーフ作成装置
JPH03130747A (ja) 画像記録装置
JPH0420950A (ja) カラー画像記録装置
JPH01136139A (ja) 複数の光源を有する露光装置
JPH01164945A (ja) 密着露光装置
JPH01161351A (ja) 多重露光用密着露光装置
JPH03243935A (ja) 画像記録装置
JP2004246390A (ja) 焼付現像処理装置
JPH02120764A (ja) カラー画像記録装置
JPH01136140A (ja) 走査速度可変型露光装置
JPH03107946A (ja) 熱定着装置