図1は、本発明の一実施形態に係る焼付現像処理装置(写真焼付装置)の全体構成を示す図であり、ここには各構成要素間の方向関係を明確にするためのXYZ直角座標系が示されている。この図において、焼付現像処理装置は、前側(+X方向)に配置された第1の焼付処理部10と、第1の焼付処理部10の上方(+Z方向)に配設された第2の焼付処理部20と、第1の焼付処理部10の後側(−X方向)に配設された現像処理部30と、現像処理部30の上方(+Z方向)に配設された印画紙排出部40とから構成されている。
なお、第1の焼付処理部10の前側(+X方向)には操作盤50が配設され、その操作盤面にはスタートスイッチ、第1の焼付処理部10及び第2の焼付処理部20の一方を選択する焼付処理部選択キー、焼付時の拡大倍率を指定する倍率設定キー等の各種キーが配列され、さらに設定条件確認用等のモニタが設けられている。従って、操作者はこの操作盤50の手前側(+X方向)で焼付現像処理装置を操作することになる。
図2は、第1の焼付処理部10の概略構成を示す図である。この図において、第1の焼付処理部10は、フィルム画像を印画紙上に投影して焼付処理するものであり、前側(+X方向)の上部(+Z方向)に配設されたフィルム画像投影部11と、中央部に配設された焼付部12と、互いに異なるサイズの印画紙が巻装された2個のマガジンを載置するマガジン載置部13と、マガジン載置部13に搭載された第1のマガジンMG1と第2のマガジンMG2から選択的に引き出された印画紙を焼付部12に搬送する第1の搬送部14と、焼付部12と第1の搬送部14との間に配設されたカッタ部15と、焼付部12で焼付処理された印画紙を現像処理部30へ搬送する第2の搬送部16とを備えている。
フィルム画像投影部11は、現像済みのネガフィルムFの各コマを焼付位置に移送するフィルム移送部111と、フィルム移送部111にセットされるネガフィルムFの上方に配設されたハロゲンランプ等の光源112と、フィルム移送部111にセットされるネガフィルムFと光源112との間に配設されたシャッタ113と、フィルム画像を焼付部12上に搬送される印画紙面に結像させる光学レンズ114とを備えており、光源112からの光が中央部に配設された焼付部12上に照射されるように斜めに配設されている。
フィルム移送部111は、ネガフィルムFを巻き取る巻取ローラ115、巻取ローラ115を駆動するDCモータ等から構成されたローラ駆動部116を備え、ネガフィルムFをコマ寸法分づつ間欠的に焼付位置に移送する。また、シャッタ113は、DCモータ等から構成されたシャッタ駆動部117により開閉されるようになっている。光学レンズ114は、DCモータ等から構成されたレンズ駆動部118により印画紙面との距離が調節され、フィルム画像が印画紙面に正確に結像されるようになっている。
焼付部12は、DCモータ等から構成されたローラ駆動部120により回転駆動される駆動ローラ121と、従動ローラ122と、これらのローラ121,122に架け渡された搬送ベルト123と、搬送ベルト123に所定の張力を与えるテンションローラ124と、搬送ベルト123上の印画紙を搬送ベルト123側に押圧する一方、印画紙の所定領域を遮蔽する遮蔽マスク125とを備えており、搬送ベルト123の印画紙搬送面が光源112の光軸と直交するように斜めに配設されている。
マガジン載置部13は、フィルム画像投影部11の後側(−X方向)に配設されると共に、第1のマガジンMG1を載置する箇所の下方に第1の給紙ローラ131を備え、第2のマガジンMG2を載置する箇所の下方に第2の給紙ローラ132を備えており、第1の給紙ローラ131と第2の給紙ローラ132をDCモータ等から構成されたローラ駆動部133により選択的に回転駆動させて第1のマガジンMG1と第2のマガジンMG2からサイズの異なる印画紙を選択的に引き出すようになっている。
第1の搬送部14は、DCモータ等から構成されたローラ駆動部140により回転駆動される搬送ローラ141を備え、第1のマガジンMG1と第2のマガジンMG2から引き出された印画紙を焼付部12側に搬送する。
カッタ部15は、印画紙の焼付面側に位置する第1の刃151と、印画紙の焼付面とは反対側に位置する第2の刃152とを備え、第1の刃151はDCモータなどから構成されたカッタ駆動部153により上下動されるようになっており、第1の搬送路14により搬送されてきた長尺状の印画紙を予め設定された所定長さに切断する。切断された印画紙は、焼付部12の搬送ベルト123上に載置されて焼付部12の中央位置に搬送される。
第2の搬送部16は、焼付部12で焼付処理され、焼付部12から排出された印画紙を後側(−X方向)に向けて横方向に搬送する横搬送ユニット161と、横搬送ユニット161から排出された印画紙を斜め上側(−X方向,+Z方向)に搬送する斜め搬送ユニット162と、斜め搬送ユニット162から排出された印画紙を上側(+Z方向)に向けて縦方向に搬送する縦搬送ユニット163と、縦搬送ユニット163から排出された印画紙を現像処理部30に給送する排出ユニット164とを備えている。
横搬送ユニット161は、DCモータ等から構成されたローラ駆動部170により回転駆動する駆動ローラ171と従動ローラ172とに架け渡された上搬送ベルト173と、ローラ駆動部170により回転駆動する駆動ローラ174と従動ローラ175とに架け渡され、上搬送ベルト173に密着して配設された下搬送ベルト176とから構成され、印画紙を上搬送ベルト173と下搬送ベルト176とで挟み込んで後側に搬送する。
斜め搬送ユニット162は、DCモータ等から構成されたローラ駆動部178により回転駆動する駆動ローラ179と従動ローラ180とに架け渡された左搬送ベルト181と、ローラ駆動部178により回転駆動する駆動ローラ182と従動ローラ183とに架け渡され、左搬送ベルト181に密着して配設された右搬送ベルト184とから構成され、印画紙を左搬送ベルト181と右搬送ベルト184とで挟み込んで斜め上側に搬送する。
縦搬送ユニット163は、DCモータ等から構成されたローラ駆動部186により回転駆動する駆動ローラ187と従動ローラ188とに架け渡された左搬送ベルト189と、ローラ駆動部186により回転駆動する駆動ローラ190と従動ローラ191とに架け渡され、左搬送ベルト189に密着して配設された右搬送ベルト192とから構成され、印画紙を左搬送ベルト189と右搬送ベルト192とで挟み込んで上側に搬送する。
排出ユニット164は、印画紙を現像処理部30に搬送する搬送路194と、DCモータ等から構成されたローラ駆動部195により回転駆動する駆動ローラ196と、駆動ローラ196に圧接された従動ローラ197とから構成され、印画紙を駆動ローラ196と従動ローラ197とで挟み込んで搬送路194上を搬送する。
図3は、第2の焼付処理部20の概略構成を示す図である。この図において、第2の焼付処理部20は、デジタル画像を印画紙上に焼付処理するもので、前側(+X方向)に配設された画像転写部21と、画像転写部21の後側(−X方向)に配設され、印画紙の巻装されたマガジンMG3を搭載するマガジン載置部22と、マガジン載置部22に搭載されたマガジンMG3から引き出した印画紙を画像転写部21を経由して下流側に搬送する第1の搬送部23と、画像転写部21で焼付処理され、第1の搬送部23から搬送されてきた印画紙を現像処理部30に搬送する第2の搬送部26とを備えている。
画像転写部21は、画像を表示するFOCRT(FiberOptic Cathode-Ray-Tube)からなる画像表示部211と、画像表示部211を駆動する駆動回路部212と、駆動回路部212に画像データを出力する画像データ出力部213とを備えており、画像表示部211はその表示面214が後側(−X方向)を向くように前後方向(X方向)に沿って配設されている。また、画像表示部211の表示面214に対向する位置には、DCモータやカム機構等からなるパッド/ローラ駆動部215により画像表示部211に対する接離方向に移動するプレッシャーパッド216が配設され、画像表示部211による印画紙への焼付時には表示面214側に移動して印画紙が表示面214から浮き上がらないようになっている。このパッド/ローラ駆動部215の構成については後述する。
画像データ出力部213は、フィルム画像等の絵柄をCCD等の撮像素子で読み取った画像データに所定の画像処理を施して1乃至数ライン毎に出力する一方、パソコン等の外部装置から入力された文字の画像データに所定の画像処理を施して1乃至数ライン毎に出力するものである。
マガジン載置部22は、マガジンMG3がその印画紙の引出口EXを上方(+Z方向)に位置させ、かつ、前側(+X方向)に向けて載置されるようになっており、マガジン駆動モータ221によりマガジンMG3の内部からその引出口EXに印画紙を引き出すようになっている。
また、マガジン載置部22は、図4に示すように、マガジン搭載機構222を備えている。なお、図4はマガジン載置部22を後側(−X方向)から見た図であり、ここで用いる右左の方向を示す語は前側(+X方向)からみた方向を指している。すなわち、マガジン搭載機構222は、マガジン載置部22の右側(+Y方向)端部に前後方向(X方向)に沿って設けられた一対の軸受223(図4中では後側の軸受のみ図示)のそれぞれに一端T1側を回動支点として他端T2側が上下方向に回動するように支持された一対のガイドレール224(図4中では後側のガイドレールのみ図示)と、この一対のガイドレール224に当該ガイドレール224上に沿ってマガジン載置部22の内部と外部との間をスライドするように取り付けられたマガジン載置台225と、マガジン載置部22の下部と各ガイドレール224の他端T2側との間に取り付けられたオイルダンパ等の制動部材226とを備えている。
なお、マガジン載置台225は、図4に示されているように、一対のガイドレール224をスライドしてマガジン載置部22の右側(+Y方向)外部に突出し得るようになっている。また、マガジン載置台225の左右両側(Y方向)にはそれぞれ直立した位置固定板227a,227bが形成され、右側の位置固定板227aには取っ手228が突設されている。なお、符号229は、マガジン載置部22におけるマガジンMG3の印画紙引出口EXに対向する位置に設けられている印画紙導出口である。
このように構成されたマガジン搭載機構222を用いてマガジン載置部22上にマガジンMG3を搭載するには、まず、図4(a)に示すように、マガジン載置台225がマガジン載置部22の右側(+Y方向)外部に突出して下方に降下した状態で、マガジンMG3を位置固定板227a,227b間に挿入するようにしてマガジン載置台225上に載置する。そして、取っ手228を把持してマガジン載置台225に上方向の力を加えて一対のガイドレール224を軸受223部分を回動支点として回動させ、マガジン載置台225を図4(b)に示す位置にまで持ち上げる。その後、マガジン載置台225に図4(b)に示す矢印方向(−Y方向)の力を加えて一対のガイドレール224上をスライドさせ、マガジン載置台225をマガジン載置部22の所定の位置に移動させる。このような操作によって、マガジンMG3が重い場合でも、そのマガジンMG3を高い位置にあるマガジン載置部22に容易に搭載することが可能となる。
なお、制動部材226は、ガイドレール224が急激に回動してマガジン載置台225に載置したマガジンMG3が落下したりすることがないようにガイドレール224に制動力を付与するものである。また、マガジン載置部22には、マガジン載置台225が図4(b)に示す位置からマガジン載置部22上の所定の位置に移動させた後に不用意に移動することがないようにする図略の係止部が設けられている。また、マガジンMG3をマガジン載置部22から取り外すには、マガジン載置台225を上記と逆の順序で移動させて行えばよい。
図3に戻り、第1の搬送部23は、マガジンMG3の引出口EXから引き出された印画紙を水平方向に搬送する横搬送部231と、横搬送部231の印画紙を90゜方向を変更して下方に搬送する縦搬送部232とから構成されている。この横搬送部231と縦搬送部232との間には、DCモータ等からなるローラ駆動部233により回転駆動される第1の搬送ローラ234が配設され、この第1の搬送ローラ234によりマガジンMG3内の印画紙を外部に引き出す一方、この引き出した印画紙を横搬送部231から縦搬送部232に送り込むようになっている。
また、縦搬送部232には、第1の搬送ローラ234に近い位置にループ形成部235が形成される一方、このループ形成部235の下流側に第2の搬送ローラ236が配設されている。また、この第2の搬送ローラ236の下流側に焼付部237が形成される一方、この焼付部237の下流側にストック部238とカッタ部239とがこの順序で形成されている。
ループ形成部235は、第1の搬送ローラ234により搬送されてきた印画紙を安定したピッチで下流側に搬送することができるようにループ状に貯め込む機能を有し、下端側を回動支点として実線で示す第1の位置と鎖線で示す第2の位置との間を回動可能に配設されたループガイド240と、このループガイド240を第1の位置と第2の位置とに切り換えるDCモータ等からなるループガイド駆動部241とを備えている。なお、ループガイド240は、第1の位置に存在しているときには縦搬送部232の一部を構成する。また、ループ形成部235には、ループ状に貯め込まれた印画紙が所定長さになったか否かを検出するループセンサS1が配設されている。
第2の搬送ローラ236は、DCモータ等からなるローラ駆動部242により回転駆動される駆動ローラ236aと、上記パッド/ローラ駆動部215により駆動ローラ236aに対する接離方向に移動するように配設された従動ローラ236bとから構成されている。なお、第2の搬送ローラ236と焼付部237との間には、印画紙の先端を検出する印画紙センサS2が配設されている。また、パッド/ローラ駆動部215は、1つのDCモータでプレッシャーパッド216を画像表示部211に対する接離方向に移動させる一方、従動ローラ236bを駆動ローラ236aに対する接離方向に移動させるように構成されている。
すなわち、パッド/ローラ駆動部215は、図5(a)に示すように、周縁部にカムフォロア215aを備え、従動ローラ236bの下方(−Z方向)に配設された回転板215bと、カムフォロア215aが摺動する孔部215cの形成されたカム板215dと、回転板215bを中心軸215e回りに回転させるDCモータ等からなる回転板駆動部215fとを備えている。カム板215dは、上部位置に突出片215hが形成されると共に、回転板215bの回転に応じてカムフォロア215aが孔部215cの周縁に沿って摺動することにより下部位置の軸体215g回りに回動(揺動)するようになっている。
なお、カム板215dと所定間隔をおいて対向する位置にカム板215dと一緒に軸体215g回りに回動する図略の回動板が配設される一方、このカム板215dと回動板との間に鎖線で示すプレッシャーパッド216が着脱自在に取り付けられており、カム板215d及び回動板の回動に応じてプレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214に当接する位置と、表示面214から離反する位置との間を移動するようになっている。
一方、従動ローラ236bは、前後方向(X方向)に移動可能に配設された移動板215iの前側(+X方向)に取り付けられ、この移動板215iがコイルばね215jにより前方向(+X方向)に付勢されて駆動ローラ236aに圧接されるようになっている。また、移動板215iは、その後側(−X方向)にローラ215kが形成されており、カム板215dが回動して突出片215hがローラ215kを押圧することによりコイルばね215jの付勢力に抗して後側(−X方向)に移動されるようになっている。移動板215iが後側に移動されると、従動ローラ236bは駆動ローラ236aから離反することになる。
上記のように構成されたパッド/ローラ駆動部215において、回転板215bが矢印方向に回転し、カムフォロア215aが図5(b)の実線で示す第1の位置P1に達したときにはカム板215dが図5(a)に示す位置に移動し、従動ローラ236bが駆動ローラ236aに圧接される一方、プレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214に弾性的に接触する。
また、カムフォロア215aが点線で示す図5(b)の第2の位置P2に達したときにはカム板215dが図5(a)に示す位置から少し後側(−X方向)に移動する。このとき、プレッシャーパッド216は画像表示部211の表示面214から離反するが、カム板215dの突出片215hは移動板215iのローラ215kを押圧しないので、従動ローラ236bは駆動ローラ236aに圧接されたままとなる。
また、カムフォロア215aが点線で示す図5(b)の第3の位置P3に達したときにはカム板215dが図5(a)に示す位置からさらに少し後側(−X方向)に移動する。このとき、プレッシャーパッド216は画像表示部211の表示面214からさらに離反する。また、カム板215dの突出片215hが移動板215iのローラ215kを押圧するようになる結果、従動ローラ236bは駆動ローラ236aから離反することになる。
また、カムフォロア215aが点線で示す図5(b)の第4の位置P4に達したときにはカム板215dが第3の位置P3のときよりも少し前側(+X方向)に移動する。このとき、プレッシャーパッド216は第3の位置P3のときよりも画像表示部211の表示面214に少し近づくが表示面214に接触することはない。また、カム板215dの突出片215hが移動板215iのローラ215kから離反する結果、従動ローラ236bはコイルばね215jの付勢力で駆動ローラ236aに圧接されることになる。
上記のようにパッド/ローラ駆動部215が構成されることにより、プレッシャーパッド216と従動ローラ236bとが簡単な構成で正確にタイミングが取られて作動することになる。
図3に戻り、焼付部237は、印画紙に対する焼付処理が行われる領域であり、縦搬送部232の一部が切り欠かれて構成されたものである。なお、焼付部237の前側(+X方向)に画像表示部211がその表示面214を縦搬送部232側に臨ませて配設され、焼付部237の後側(−X方向)にプレッシャーパッド216が配設される。
ストック部238は、焼付部237を通過させて所定長さ分だけ下流側に搬送した焼付処理を行う前の印画紙を一時的に収納する機能を有し、画像表示部211の下方に配設された印画紙収納ボックス243と、上流側から搬送されてきた印画紙を印画紙収納ボックス243に案内するガイドプレート244とから構成されている。
ガイドプレート244は、実線で示す第1の位置と鎖線で示す第2の位置との間を移動可能に配設されており、ガイドプレート244の直上には、駆動ローラ250aと、駆動ローラ250aに対する接離方向に移動可能に配設された従動ローラ250bとからなる第3の搬送ローラ250が配設されている。駆動ローラ250aは従動ローラ250bよりも後側(−X方向)で従動ローラ250bより上方(+Z方向)に配置され、従動ローラ250bは駆動ローラ250aよりも前側(+X方向)で駆動ローラ250aよりも下方(−Z方向)に配置されている。また、駆動ローラ250aはDCモータ等からなるローラ駆動部251により回転駆動される一方、従動ローラ250bはガイドプレート244と共に、DCモータやカム機構等からなる後述するガイド/ローラ駆動部252により移動されるようになっている。
上記ガイド/ローラ駆動部252は、図6(a)に示すように、軸体252aを回動支点として回転するカム板252bと、一端側がカム板252bの前側(+X方向)に位置する軸体252dに一体に取り付けられ、他端側に取り付けられたカムフォロア252cがカム板252bの周面に沿って摺動することにより軸体252dを回動支点として回動するアーム252eと、カム板252bを回転駆動するDCモータ252fとを備えている。また、アーム252eの一端側の軸体252dには、図6(b)に示すように、軸体252dの下方(−Z方向)において軸体252dを支点として揺動する揺動軸体252gが一体に取り付けられており、この揺動軸体252gに従動ローラ250bが回転自在に取り付けられている。
一方、ガイドプレート244は、図6(b)に示すように、左右両側(Y方向)に側板244a(図6中では一方のみ図示)が形成されており、この側板244aを貫通する軸体244b回りに回動可能に取り付けられる一方、側板244aの略中央部に長手形状の貫通孔244cが形成され、この貫通孔244cに揺動軸体252gが遊嵌されている。
上記のように構成されたガイド/ローラ駆動部252において、カム板252bが矢印方向に回転し、アーム252eが図6(a)に示す位置に達したときには揺動軸体252gが図6(b)に示すように軸体252dの略直下の位置に移動する。このとき、従動ローラ250bは駆動ローラ250aから離反するようになっており、駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間には大きいギャップが形成される。一方、ガイドプレート244は、図6(b)に示すように直立状態に最も近い位置に移動し、鎖線矢印で示すように、駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間の大きいギャップを通って上流側から搬送されてくる印画紙を受け取って印画紙収納ボックス243に案内する。
また、アーム252eが図7(a)に示す位置に達したときには揺動軸体252gが図6(b)の場合よりも後側(−X方向)の図7(b)に示す位置に移動する。このとき、従動ローラ250bは駆動ローラ250aに近接するが、まだ駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間には印画紙が自由に通過可能な小さいギャップが形成されるようになっている。また、ガイドプレート244は、図7(b)に示すように、第3の搬送ローラ250の下流側の縦搬送部232よりも下方の位置に移動する。この結果、図7(b)の鎖線矢印で示すように、駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間の小さいギャップを通って上流側から搬送されてくる印画紙は縦搬送部232の下流側に搬送されることになる。
また、アーム252eが図8(a)に示す位置に達したときには揺動軸体252gが図7(b)の場合よりもさらに後側(−X方向)の図8(b)に示す位置に移動する。このとき、従動ローラ250bは駆動ローラ250aに圧接されるようになっている。一方、ガイドプレート244は、図7(b)の場合と略同様の位置に維持される。この結果、図8(b)の鎖線矢印で示すように、上流側から搬送されてくる印画紙は第3の搬送ローラ250でニップされて縦搬送部232の下流側に搬送されることになる。
また、アーム252eが図9(a)に示す位置に達したときには揺動軸体252gが図7(b)の場合よりも少し前側(+X方向)の図9(b)に示す位置に移動する。このとき、従動ローラ250bは駆動ローラ250aから離反して駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間に印画紙が自由に通過可能な小さいギャップが形成されるようになっている。一方、ガイドプレート244は、図7(b)の場合と略同様の位置に維持される。この状態では、図9(b)の鎖線矢印で示すように、印画紙が駆動ローラ250aと従動ローラ250bとの間のギャップを通過してカッタ部239側から上流側に戻されることになる。
上記のようにガイド/ローラ駆動部252が構成されることにより、ガイドプレート244と従動ローラ250bとが簡単な構成で正確にタイミングが取られて作動することになる。
図3に戻り、カッタ部239は、印画紙の各面に位置する第1のカッタ239a及び第2のカッタ239bと、第2のカッタ239bを第1のカッタ239aに対する接離方向に移動させるDCモータ等からなるカッタ駆動部245とを備えている。また、カッタ部239で印画紙をカットするときにカット片(切屑)が発生する場合のその切屑を収納する切屑収納ボックス246が第1のカッタ239a及び第2のカッタ239bの下方に配設される一方、その切屑を切屑収納ボックス246に案内するガイドプレート247が配設されている。このガイドプレート247は、DCモータ等からなるガイド駆動部248により下流側端部を回動支点として実線で示す第1の位置と鎖線で示す第2の位置との間を回動するようになっている。また、このガイドプレート247は、第1の位置に存在しているときには縦搬送部232の一部を構成する。
なお、カッタ部239の直前には印画紙の先端を検出する印画紙センサS3が配設されている。また、カッタ部239の下流側には、第4の搬送ローラ249が配設されており、カッタ部239でカットされた印画紙を第2の搬送部26に送り込む。この第4の搬送ローラ249は、駆動ローラ249aと従動ローラ249bからなり、駆動ローラ249aがDCモータ等からなるローラ駆動部253により回転駆動されるようになっている。
第2の搬送部26は、カッタ部239でカットされた印画紙を受け取って横方向に搬送する横搬送ユニット261と、横搬送ユニット261から排出された印画紙を受け取り縦方向に沿って現像処理部30側に搬送する縦搬送ユニット262とを備えている。
横搬送ユニット261は、DCモータ等からなるローラ駆動部263により回転駆動される駆動ローラ264と従動ローラ265とに架け渡された上搬送ベルト266と、上記ローラ駆動部263により回転駆動される駆動ローラ267と従動ローラ268とに架け渡され、上搬送ベルト266に密着して配設された下搬送ベルト269とから構成されており、印画紙を上搬送ベルト266と下搬送ベルト269とで挟み込んで後側(−X方向)に搬送するようになっている。
縦搬送ユニット262は、DCモータ等からなるローラ駆動部270により回転駆動される駆動ローラ271と従動ローラ272とに架け渡された左搬送ベルト273と、上記ローラ駆動部270により回転駆動される駆動ローラ274と従動ローラ275とに架け渡され、左搬送ベルト273に密着して配設された右搬送ベルト276とから構成されており、印画紙を左搬送ベルト273と右搬送ベルト276とで挟み込んで下側(−Z方向)に搬送するようになっている。
図10は、現像処理部30の概略構成を示す図である。この図において、現像処理部30は、第1の焼付処理部10又は第2の焼付処理部20で焼付処理された印画紙を下流側の現像処理開始位置SPに給送する給送ユニット31と、現像処理開始位置SPに給送された印画紙を現像処理する処理タンク33と、現像処理された印画紙を乾燥処理する乾燥処理室35とを備えている。
給送ユニット31は、第1の焼付処理部10の排出ユニット164から搬送されてきた印画紙を受け入れる第1の搬入口311と、第1の搬入口311に搬入されてきた印画紙を処理タンク32の入口近傍の現像処理開始位置SPに給送する第1の給送部312と、第2の焼付処理部20の縦搬送ユニット262から搬送されてきた印画紙を受け入れる第2の搬入口313と、第2の搬入口313に搬入されてきた印画紙を現像処理開始位置SPに給送する第2の給送部314とを備えている。
第1の給送部312は、DCモータ等からなるローラ駆動部315により回転駆動される駆動ローラ316と、この駆動ローラ316に圧接された従動ローラ317と、これらの駆動ローラ316と従動ローラ317の下流側に配設されたガイドプレート318とから構成されており、第1の搬入口311に搬入されてきた印画紙を駆動ローラ316と従動ローラ317とで挟み込み、ガイドプレート318に沿わせて現像処理開始位置SPに給送する。
第2の給送部314は、上記ローラ駆動部315により回転駆動される駆動ローラ319と、この駆動ローラ319に圧接された従動ローラ320と、これらの駆動ローラ319と従動ローラ320の下流側に配設されたガイドプレート321とから構成されており、第2の搬入口313に搬入されてきた印画紙を駆動ローラ319と従動ローラ320とで挟み込み、ガイドプレート321に沿わせて現像処理開始位置SPに給送する。なお、第1の給送部312のガイドプレート318と第2の給送部314のガイドプレート321とは一体に構成されている。
処理タンク33は、現像処理開始位置SP直下の現像液が充填される現像処理タンク331と、漂白定着液が充填される漂白定着処理タンク332と、安定液が充填される第1の安定処理タンク333と、安定液が充填される第2の安定処理タンク334と、安定液が充填される第3の安定処理タンク335と、安定液が充填される第4の安定処理タンク336とを前側(+X方向)から後側(−X方向)にかけて順に備えており、各処理タンク331乃至336内には、DCモータ等からなるローラ駆動部337により回転駆動される搬送ローラユニット338が配設され、印画紙を各処理タンク331乃至336内に順に搬入出するようになっている。
乾燥処理室35は、図略のヒータやファン等から構成された昇温部351を備え、処理タンク33で現像処理された印画紙を受け入れて乾燥した後、その乾燥した印画紙を外部に排出するようになっている。
印画紙排出部40は、乾燥処理室35で乾燥処理された印画紙を上下方向に配列された各トレイ41に順に排出する。
図11は、本発明に係る焼付現像処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。制御部60は、所定の演算処理を行うCPU61、所定のプログラムが記憶されているROM62、処理データを一時的に記憶するRAM63から構成されており、上記所定のプログラムに従って焼付現像処理装置の全体の動作を制御する。
すなわち、CPU61は、スタートスイッチSW、焼付処理部選択キーSK、拡大倍率設定キーBK、焼付枚数設定キーZK、印画紙の先端カット処理指定キーPK、焼付種類指定キーYK、各種センサSから信号が入力されることにより、第1の焼付処理部10のローラ駆動部116,120,133,140,170,178,186,195、シャッタ駆動部117、レンズ駆動部118及びカッタ駆動部153、第2の焼付処理部20の画像データ出力部213、パッド/ローラ駆動部215、ローラ駆動部233,242,251,253,263,270、ループガイド駆動部241、カッタ駆動部245、ガイド駆動部248及びガイド/ローラ駆動部252、並びに、現像処理部30のローラ駆動部315,337及び昇温部351をそれぞれ駆動制御する。
上記のように構成された焼付現像処理装置は次のように動作する。すなわち、フィルム画像を焼付処理する場合で絵柄画像と文字画像との合成画像を必要としない場合は、焼付処理部選択キーSKにより第1の焼付処理部10が選択される。そして、各種条件が設定されてスタートスイッチSWがONされると、フィルム画像投影部11によりネガフィルムFが1コマ毎に巻き取られ、焼付部12上にフィルム画像が順に投影される。一方、マガジン載置部13上のマガジンMG1(又はMG2)から印画紙が順に引き出され、カッタ部15で所定長さに切断されて順に焼付部12上に搬送される。このマガジンMG1(又はMG2)からの印画紙の引き出しはフィルム画像投影部11のネガフィルムFの巻き取りと同期して行われる。
焼付部12で焼付処理された印画紙は搬送ベルト123により下流側に搬送され、横搬送ユニット161、斜め搬送ユニット162、縦搬送ユニット163及び排出ユニット164により現像処理部30側に搬送される。
現像処理部30側に搬送された印画紙は、給送ユニット31により現像処理開始位置SPに給送され、処理タンク33内に搬入されて現像処理が行われる。現像処理の終了した印画紙は乾燥処理室35内に搬送されて乾燥され、乾燥処理の終了した印画紙は印画紙排出部40に排出される。
次に、焼付処理部選択キーSKにより第2の焼付処理部20が選択された場合の動作につき、図12のフローチャートと図13乃至図22の動作図とを参照して説明する。この第2の焼付処理部20が選択される場合とは、絵柄画像と文字画像との合成画像を必要とする場合である。この場合、前段階として、予めパソコン等の外部装置によりフィルム等の絵柄画像が撮像素子で読み取られる一方、文字データがキーボード等から入力されて絵柄画像と合成され、その画像データに所定の画像処理が施される。
上記前段階の作業が終了し、各種条件が設定されてスタートスイッチSWがONされると、最初に印画紙の先端カット処理が指定されたか否かが判断される(ステップS1)。この先端カット処理とは、マガジン内の印画紙先端が長手方向に対して直角にカットされていない場合等に先端部を一定長さ(例えば、100mm程度)だけ長手方向に対して直角にカットする処理をいう。
そして、先端カット処理が指定されていないとき(ステップS1でNO)、マガジンMG3から引き出された印画紙の第1の搬送部23へのローディングが行われる(ステップS2)。このとき、図13に示すように、第2の搬送ローラ236の従動ローラ236bが駆動ローラ236aから離反し、ループ形成部235のループガイド240は第1の位置に切り換えられた状態となっている。この状態で、第1の搬送ローラ234が回転して印画紙Pの先端が印画紙センサS2に達するまでマガジンMG3から印画紙Pが引き出される。
また、プレッシャーパッド216は、画像表示部211の表示面214から離反した位置に移動しており、ストック部238のガイドプレート244と第3の搬送ローラ250の従動ローラ250bとが上流側から搬送されてきた印画紙Pを印画紙収納ボックス243内に案内する位置に移動している。
そして、印画紙Pの先端が印画紙センサS2に達すると、ループ形成部235で印画紙Pのループの形成が開始され、ループ形成部235内で印画紙Pが貯溜される(ステップS3)。すなわち、印画紙Pの先端が印画紙センサS2に達すると、図14に示すように、第2の搬送ローラ236の従動ローラ236bが駆動ローラ236a側に移動して印画紙Pが駆動ローラ236aと従動ローラ236bとにより挟持されてその位置で固定される一方、ループガイド240が第2の位置に移動される。そして、この状態で、第1の搬送ローラ234によりマガジンMG3から印画紙Pが引き続いて引き出される。この結果、ループ形成部235で印画紙Pのループが形成される。この動作はループセンサS1が印画紙ループの頂部を検出するまで継続される。
なお、ループセンサS1は、この実施形態では、ループ形成部235内でのループを形成している印画紙Pの長さが、印画紙センサS2位置と画像表示部211のセンター位置との距離Ammと焼付サイズに対応した焼付処理に必要な長さ分Bmmとを加えた値をNmmとしたとき、このNmmから50mmを差し引いた値になる位置に取り付けられている。ここで、50mmを差し引くのは、印画紙Pを使用し終わってマガジンMG3を交換するときに廃棄処分となる残りの印画紙Pの長さをできる限り短くするためである。
次いで、ループ形成部235から焼付処理に必要な長さ分の印画紙Pが送り出される(ステップS4)。すなわち、図15に示すように、第2の搬送ローラ236の駆動ローラ236aが回転駆動されることにより、画像表示部211のセンター位置から印画紙Pの先端までの長さが焼付処理に必要な長さ分となるようにループ形成部235から印画紙Pが画像表示部211を素通りして送り出される。この送り出された印画紙Pは、ガイドプレート244と第3の搬送ローラ250の従動ローラ250bとが図6(b)に示す位置にあるので、ガイドプレート244に沿って印画紙収納ボックス243内に導かれ、印画紙収納ボックス243内にループ形状となって収納される。
なお、このステップS4では、第2の搬送ローラ236の回転駆動と同時に第1の搬送ローラ234も回転駆動されてマガジンMG3から印画紙Pが引き出され、ループ形成部235内の印画紙Pが略一定の長さに維持されるようになっている。
このように、印画紙Pがループ形成部235からストック部238に送り込まれるようになっているので、印画紙Pに略一定の安定した負荷がかかるようになり、印画紙Pの正確な長さ分の送り出しが可能となる。
次いで、印画紙Pに対する焼付処理が行われる(ステップS5)。すなわち、図16に示すように、プレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214に圧接される一方、第2の搬送ローラ236の駆動ローラ236aが逆方向に間欠的に回転して印画紙収納ボックス243内の印画紙Pが画像表示部211の表示面214に密着した状態で間欠的に逆送される。このとき、画像表示部211が駆動され、印画紙Pの送り動作と同期して画像が1乃至数ラインずつ表示面214に表示されることにより印画紙Pに対する焼付処理が行われる。
なお、印画紙Pが逆送されることによりループ形成部235近傍の印画紙Pはループ形成部235内に戻されることになる。なお、焼付処理が終了すると、プレッシャーパッド216は画像表示部211の表示面214から離反する。
このように印画紙Pがストック部238から逆送されて焼付処理が行われるので、印画紙Pに不安定な負荷がかかることがないことから精度の高いピッチで印画紙Pを逆送することが可能となる。なお、第2の搬送ローラ236と第2の搬送ローラ236を駆動するローラ駆動部242、及び、第3の搬送ローラ2250と第3の搬送ローラ250を駆動するローラ駆動部251は、ループ形成部235に貯溜されている印画紙Pを、画像表示部211を通過させて下流側に搬送すると共に、画像表示部211における画像の焼付処理時に下流側に搬送した印画紙Pを上流側に逆送させる搬送駆動手段255を構成する。
次いで、焼付処理の終了した印画紙Pのカッタ部239への送り出しが行われる(ステップS6)。このとき、図17に示すように、今まで図6(b)に示す位置にあったガイドプレート244と第3の搬送ローラ250の従動ローラ250bとが図7(b)に示す位置に移動する。すなわち、ガイドプレート244が第3の搬送ローラ250の下流側の縦搬送部232の下方に移動する結果、上流側から搬送されてくる印画紙Pが印画紙収納ボックス243へは送り込まれずに縦搬送部232によりカッタ部239側に搬送される状態となる。また、従動ローラ250bは駆動ローラ250aに近接するが、まだ両者間にはギャップが形成されていて印画紙Pはそのギャップ内を自由に通過し得る状態になっている。
この状態で、焼付処理の終了した印画紙Pは、その先端がカッタ部239直前の印画紙センサS3に達する位置にまで第2の搬送ローラ236により搬送される。このとき、同時に第1の搬送ローラ234によりマガジンMG3内から印画紙Pが引き出されてループ形成部235内の印画紙Pが略一定の長さに維持されるようになっている。
そして、印画紙Pの先端が印画紙センサS3に達すると、図18に示すように、第2の搬送ローラ236の従動ローラ236bが駆動ローラ236aから離反する。また、今まで図7(b)に示す位置にあったガイドプレート244と第3の搬送ローラ250の従動ローラ250bとが図8(b)に示す位置に移動し、従動ローラ250bが印画紙Pを介して駆動ローラ250aに圧接される一方、駆動ローラ250aが回転駆動して印画紙センサS3位置を基準に印画紙Pの焼付処理した長さ分がカッタ部239側に搬送される。その後、印画紙Pのカット処理が行われる(ステップS7)。なお、印画紙Pの焼付処理した長さ分がカッタ部239側に搬送されるときには、カッタ部239の下流側の第4の搬送ローラ249も回転駆動し、カットされた印画紙Pを第2の搬送部26に送り込む。
次いで、続けて焼付処理する必要があるか否か(すなわち、リピート焼か否か)が判断される(ステップS8)。続けて焼付処理する必要があるとき(ステップS8でYES)、印画紙の白縁部分のある焼付処理か否か(すなわち、焼き付けた画像の周辺に白い縁が存在する焼付処理か否か)の指定された焼付種類が判断される(ステップS9)。そして、白縁部分のない焼付処理のとき(画像の縁部分について微小寸法分だけ広い目に焼付処理された、いわゆるボーダレス焼付のとき)(ステップS9でNO)、印画紙Pの先端部分のカットが行われる(ステップS10)。すなわち、図19に示すように、ステップS7でカットした後の印画紙Pが第3の搬送ローラ250により所定寸法(例えば、3mm程度)だけカッタ部239側に搬送され、先端部分がカットされる。これにより、微小寸法分だけ広い目に焼付処理された画像の縁部分(次に焼付処理される印画紙Pの先端側の部分)が削除される。このとき、カッタ部239の下方に位置するガイドプレート247が第2の位置に移動して切屑を切屑収納ボックス246内に導く。その後、ガイドプレート247は元の第1の位置に移動する。
次に、続けて焼付処理する印画紙Pの長さが、画像表示部211のセンターとカッタ部239間の距離(例えば、152mm)以下か否かが判断される(ステップS11)。このとき、図20に示すように、今まで図8(b)の位置にあったガイドプレート244と従動ローラ250bとが図9(b)の位置に移動して従動ローラ250bが駆動ローラ250aから離反し、従動ローラ236bが駆動ローラ236a側に移動して印画紙Pが駆動ローラ236aと従動ローラ236bとにより挟持される。このとき、同時に第1の搬送ローラ234が回転してループ形成部235に印画紙Pのループが形成される。ループセンサS1がループを検出すると第1の搬送ローラ234は停止する。
そして、続けて焼付処理する印画紙Pの長さが上記長さ以下のとき(ステップS11でYES)、図21に示すように、第2の搬送ローラ236により画像表示部211のセンターと印画紙Pの先端との長さが焼付処理に必要な長さになるまで逆送される。なお、焼付処理に必要な長さが画像表示部211のセンターとカッタ部239間の距離と同じである場合は逆送させる必要はない。その後、プレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214に圧接され、第2の搬送ローラ236により印画紙Pが間欠的に逆送されて上記と同様に画像表示部211で焼付処理が行われる(ステップS12)。その後、ステップS6に戻り、上記動作が繰り返される。
なお、画像表示部211の表示面214のセンターとカッタ部239との距離を焼付頻度の高い焼付サイズ(印画紙サイズ)に対応させて設定しておくと、その焼付サイズ以下の2コマ目以降の焼付処理時には印画紙Pの焼付処理に必要な長さ分をストック部238にストックせずにカッタ部239から直接、逆送することができ、処理スピードが早くなって焼付効率を高めることが可能となる。
また、続けて焼付処理するのに必要な印画紙Pの長さが上記長さを超えるとき(ステップS11でNO)、印画紙Pの先端が第3の搬送ローラ250直近の上流側の位置に達するまで、プレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214から離反した状態で印画紙Pが第2の搬送ローラ236により逆送される。そして、図9(b)の位置にあったガイドプレート244と従動ローラ250bとが図6(b)に示す位置に移動した後、第2の搬送ローラ236により印画紙Pが焼付処理に必要な長さになるまでループ形成部235から送り出されて印画紙収納ボックス243内に収納される。
そして、図22に示すように、プレッシャーパッド216が画像表示部211の表示面214に圧接された状態で、印画紙収納ボックス243内の印画紙Pが第2の搬送ローラ236により間欠的に逆送されて上記と同様に画像表示部211で焼付処理が行われる(ステップS13)。その後、ステップS6に戻り、上記動作が繰り返される。なお、白縁部分のある焼付処理のとき(ステップS9でYES)、上記ステップS11以降の処理が実行される。
また、ステップS7のカット処理後、続けて焼付処理する必要がないとき(ステップS8でNO)、さらに白縁のある焼付処理か否かが判断される(ステップS14)。そして、白縁のない焼付処理のとき(ステップS14でNO)、ステップS10と同様の印画紙Pの先端部分のカットが行われる(ステップS15)。また、白縁のある焼付処理のとき(ステップS14でYES)、印画紙PがマガジンMG3内に巻き戻される(ステップS16)。なお、焼付処理の終了した印画紙Pは、第2の搬送部26により現像処理部30に搬送され、第1の焼付処理部10の場合と同様の現像処理が行われる。
なお、印画紙Pの先端カット処理が指定されたとき(ステップS1でYES)、ステップS2と同様にマガジンMG3から引き出された印画紙の第1の搬送部23へのローディングが行われ(ステップS17)、続いてステップS3と同様にループ形成部235で印画紙Pのループが形成される(ステップS18)。そして、ステップS6と同様に印画紙Pがカッタ部239へ搬送され(ステップS19)、先端部が一定長さだけ長手方向に対して直角にカットされる(ステップS20)。その後、ステップ11に進み、上記と同様の焼付処理が行われる。
本発明の焼付現像処理装置は、上記のように、印画紙の搬送部が、画像表示部よりも上流側に配設されると共に、マガジンから引き出した印画紙をループ状にして貯溜するループ形成部と、このループ形成部に貯溜されている印画紙を少なくとも画像の焼付けを行うのに必要な長さ分だけ当該ループ形成部から画像表示部を通過させて下流側に搬送すると共に、画像表示部における印画紙への画像の焼付処理時に下流側に搬送した印画紙を上流側に逆送させる搬送駆動手段とを備えている。
このため、ループ形成部における印画紙には略一定の安定した負荷がかかることから、ループ形成部から正確な長さ寸法の印画紙を画像表示部を通過させて下流側に搬送することができると共に、下流側に搬送された印画紙には不安定な負荷がかからないことから、画像表示部における焼付処理時に下流側に搬送された印画紙を精度の高いピッチで上流側に逆送することができ、絵柄画像と文字画像との合成画像を効率よく焼付処理することができる。
なお、上記実施形態では、第2の焼付処理部20を構成している画像転写部21の画像表示部211がFOCRTで構成されて密着焼付するようなっており、鮮明度の高い画像を得ることができるようになっているが、このFOCRTの代わりにPLZT素子を用いて画像表示部211を構成することもできる。このPLZT素子を用いる場合には、駆動回路部212や画像データ出力部213はPLZTに対応した周知の構成のものを採用すればよい。なお、PLZT素子とは、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透明強誘電性セラミックス材料から構成され、その材料の有する電気光学効果を利用したシャッタアレイをいう。さらには、FOCRTの代わりにCRT(Cathode-Ray-Tube)を用いて画像表示部211を構成することもできる。この場合は、画像がFOCRTのように1乃至数ライン毎に表示されるのではなく、全体が同時に表示されることになる。要するに、画像表示部211は、画像データを光信号に変換して印画紙上に出力するものであれば種々のものを採用することができる。
また、上記実施形態では、第2の焼付処理部20における印画紙の焼付処理時にループ形成部235からストック部238側に搬送する印画紙Pの長さは、焼付処理に必要な長さ分としているが、それよりも少し長めに搬送するようにすることも可能である。また、上記実施形態における焼付現像処理装置の細部の構成及び動作については種々の変形態様が可能である。