JPH11240850A - 高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルの製造方法 - Google Patents

高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルの製造方法

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JPH11240850A
JPH11240850A JP35441098A JP35441098A JPH11240850A JP H11240850 A JPH11240850 A JP H11240850A JP 35441098 A JP35441098 A JP 35441098A JP 35441098 A JP35441098 A JP 35441098A JP H11240850 A JPH11240850 A JP H11240850A
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distillation column
fraction
distillation
eicosapentaenoic acid
ester
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JP35441098A
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Kazuhiko Hata
和彦 秦
Hideo Noda
秀夫 野田
Masahiro Makuta
昌弘 幕田
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Kansai Chemical Engineering Co Ltd
Nissui Corp
Original Assignee
Kansai Chemical Engineering Co Ltd
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度80%以上の高濃度エイコサペンタエン
酸またはそのエステルを、簡便に、かつ、高効率で取得
すること。 【解決手段】 エイコサペンタエン酸またはその誘導体
を含む天然油脂から得られる脂肪酸またはそのエステル
の混合物を、低炭素数脂肪酸類初留分の精留塔を独立さ
せた3塔以上の蒸留塔において、前段蒸留塔から留出分
が供給される蒸留塔の塔底液を前段蒸留塔に還流し、1
0mmHg以下の減圧および210℃以下の塔底温度に
おいて連続蒸留することを特徴とする濃度80%以上の
高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルの製造
方法。前段蒸留塔の塔頂留分の凝縮液を、該蒸留塔から
留出分が供給される蒸留塔に送ることや、前段蒸留塔か
ら留出分が供給される蒸留塔の塔底液を、前段蒸留塔塔
頂近傍に還流することや、エイコサペンタエン酸または
そのエステルを主成分として含有する主留分の精留塔
と、後留(残留)分の精留塔とを各々独立して設けて連
続蒸留すること、各々の蒸留塔が独立した真空系および
凝縮系を有すること等を好ましい様態としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高濃度(高純度)エ
イコサペンタエン酸またはそのエステルの製造方法に関
するものである。さらに詳しくはこの発明は、血栓性疾
患の治療および予防のための処方剤として有用なエイコ
サペンタエン酸(EPA)またはそのエステルの高濃度
品の高効率生産を可能とする新規な製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エイコサペンタエン酸(EP
A)、及びそのエステル、アミド等は血栓生成の予防や
血栓性疾患の治療のための処方剤として有用なことがす
でに知られている。これらのエイコサペンタエン酸類
は、天然油脂、特にサバ、イワシ、タラ等の水産物油脂
中にそれ自体として、あるいはそのグリセライド等の誘
導体として含有されていることが知られており、これら
の魚油等からエイコサペンタエン酸類を取り出すための
方法についての検討が進められてきてもいる。
【0003】しかしながら、これらの魚油等からなる天
然油脂中には、炭素数20の不飽和脂肪酸であるエイコ
サペンタエン酸以外の、炭素数19以下および21以上
等の他の夾雑する脂肪酸が圧倒的に多く含まれており、
エイコサペンタエン酸類のみを選択的に高濃度(高純
度)品として効率的に取り出すことは困難を極めてい
る。たとえば、天然油脂からのエイコサペンタエン酸類
の製造方法として、天然油脂からの脂肪酸混合物をエス
テル化し、これを減圧下に精密分留し、次いで、得られ
た留分を尿素付加体法によって精製する方法がこれまで
に提案されている(特開昭57−149400)。10
mmHg、さらに好ましくは0.1〜0.01mmHg
の減圧下にリング充填の1塔の精留塔において精密分留
し、さらに尿素付加体法によって精製するこの方法によ
って、80%純度程度のエイコサペンタエン酸エステル
が得られている。しかしながら、この方法によっても、
精留によって得られるC20留分中エイコサペンタエン酸
エステルはわずか30%程度にしかすぎず、しかも尿素
付加体処理や、さらにその後の減圧蒸留という複雑で、
めんどうな処理工程の採用が必要とされている。このた
め、その生産効率の向上はもとより、生産コスト低減に
は大きな制約があり、プロセスの実用化には問題があっ
た。
【0004】この方法とほぼ同時に、2塔の蒸留塔を用
いて、減圧条件下に連続蒸留し、C 20留分として50%
前後のエイコサペンタエン酸類を取得し、次いで尿素付
加処理とカラムクロマト精製する方法がこの発明の出願
人によって提案されてもいる(特開昭58−803
7)。この方法によって蒸留精製の効率は大きく向上し
たものの、依然としてその後の尿素付加処理することな
しには80%以上の高濃度(高純度)のエイコサペンタ
エン酸またはそのエステルを得ることはできない。しか
も、この方法の場合にも尿素付加処理プロセスが欠かせ
ないため、生産工程の合理化、生産効率の向上には限界
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】医用処方剤として有用
なエイコサペンタエン酸またはそのエステル等を臨床的
に、あるいはさらに広範囲な疾患領域への適用を目的と
する研究のために使用していくためには、たとえばその
濃度(純度)が80%以上、さらには85%以上のもの
を大量に高効率で生産することが強く望まれている。し
かしながら、以上の通りのこれまでの状況においては、
このような要請に対応することはできなかった。この発
明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、
従来の製造・精製方法の欠点を克服し、濃度80%以上
の高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルを、
簡便に、かつ、高効率で取得することを可能とする新し
い方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、エイコサペンタエン酸またはそ
の誘導体を含む天然油脂から得られる脂肪酸またはその
エステルの混合物を、低炭素数脂肪酸類初留分の精留塔
を独立させた3塔以上の蒸留塔において、前段蒸留塔か
ら留出分が供給される蒸留塔の塔底液を前段蒸留塔に還
流し、10mmHg以下の減圧および210℃以下の塔
底温度において連続蒸留することを特徴とする濃度80
%以上の高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステ
ルの製造方法を要旨としている。
【0007】また、この発明の方法は、前段蒸留塔の塔
頂留分の凝縮液を、該蒸留塔から留出分が供給される蒸
留塔に送ることや、前段蒸留塔から留出分が供給される
蒸留塔の塔底液を、前段蒸留塔塔頂近傍に還流すること
や、エイコサペンタエン酸またはそのエステルを主成分
として含有する主留分の精留塔と、後留(残留)分の精
留塔とを各々独立して設けて連続蒸留することを好まし
い態様としてもいる。またはさらに、この発明の方法
は、各々の蒸留塔が独立した真空系および凝縮系を有す
ること等を好ましい様態の一つとしてもいる。
【0008】
【発明の実施の形態】エイコサペンタエン酸等の長鎖高
度不飽和脂肪酸類は分子内に二重結合が多いため、蒸留
時の加熱によって劣化や重合等の熱変性をおこしやす
く、蒸留濃縮は著しく困難である。また一方、エイコサ
ペンタエン酸類を含有する天然油脂は、エイコサペンタ
エン酸類以外に各種脂肪酸類を含み、これらは沸点が近
いため、蒸留塔の高さをかなり高くし、還流量を多くし
なければ分離することができない。しかしながら、この
ことは、塔低圧力の上昇とそれにともなう温度上昇によ
る熱変性という問題を引きおこし、結局のところ、エイ
コサペンタエン酸類の蒸留精製を著しく困難なものとす
る。しかしながら、この発明の方法によって、このよう
な問題の発生もなく、蒸留精製のみによって、簡便な操
作で、しかも高効率に85%以上の濃度の高純度エイコ
サペンタエン酸またはそのエステルの取得を可能とす
る。
【0009】この発明の方法が対象とする脂肪酸または
そのエステルの混合物は、エイコサペンタエン酸または
そのグリセリド等の誘導体を多く含有する天然油脂から
得られる任意のものを用いることができ、たとえば、イ
ワシ、サバ、ニシン、サンマ等の魚、ナンキョクオキア
ミ、ツノナシオキアミ、コペポーダ等の動物性海洋プラ
ンクトン等の適宜なものから得られる脂肪酸またはその
エステルの混合物を使用することができる。
【0010】これらの脂肪酸混合物は、所望により、エ
ステル化して連続蒸留する。この発明の連続蒸留法にお
いては、充填式、スプリング式、棚段式等の各種の方式
の蒸留塔が採用でき、より好ましくは、網目板状体を用
い、蒸留塔全体で理論段数が5以上、個々の蒸留塔では
3以上とすることができる。
【0011】3塔以上の蒸留塔からなるこの発明の方法
での連続蒸留は、いずれも、10mmHg以下、より好
ましくは、0.1mmHg前後の減圧条件、および21
0℃以下、より好ましくは、195℃以下の塔底温度に
おいて実施する。この3塔以上の蒸留塔の構成は、いず
れの場合も、そのうちの1塔は初留分回収のための精留
塔として独立させる。たとえば3塔によって構成する場
合には、 (I) 第1蒸留塔 (II) 第2蒸留塔(初留分精留塔) (III) 第3蒸留塔(主留分および後留分精留塔)に区
分し、また4塔によって構成する場合には、 (I) 第1蒸留塔 (II) 第2蒸留塔(初留分精留塔) (III) 第3蒸留塔(後留分精留塔) (IV) 第4蒸留塔(主留分精留塔)に区分する。さら
に、3塔の場合には、 (I) 第1蒸留塔(初留分精留塔) (II) 第2蒸留塔(後留分精留塔) (III) 第3蒸留塔(主留分精留塔)に区分することも
できる。もちろん、精留塔の構成をさらに細分化するこ
ともできる。
【0012】前2者のいずれの場合にも、本発明の方法
においては、初留分精留塔の塔底液は前段の、すなわち
上記の構成例では第1蒸留塔への還流液として戻すこと
を必須としている。また、第1蒸留塔の塔頂留分をいっ
たん凝縮させた後に、凝縮液の状態で初留分精留塔に送
ることも好ましい態様としている。後1者の初留分精留
塔の前に前段蒸留塔がない場合でも、第2、第3の蒸留
塔の間にこの関係がある。また、4塔を用いた後述の実
施例でも第1、第2の間と、第3、第4の間にこれらの
関係があり、4塔以上の蒸留塔を用いる場合でも、上記
の還流をすべての蒸留塔に適用することが好ましい。い
ずれの構成例の場合にも、この発明の方法においては、
前段蒸留塔から留出分が供給される蒸留塔の塔底液は前
段の蒸留塔への還流液として戻すことを必須としてい
る。ただし、蒸留塔の数が多くなった場合には、上記の
還流を省略した塔を存在させることができる。
【0013】以下、添付した図面に沿ってこの発明の方
法についてさらに詳しく説明する。図1は、4塔の蒸留
塔を用いる例を示したものである。たとえば図1に示し
たように、脂肪酸混合物(A)を対象として、4塔の蒸
留塔(1)(2)(3)(4)を用いて連続蒸留する。
各々の蒸留塔(1)(2)(3)(4)には、独立し
て、真空系(5)(6)(7)(8)及び凝縮系(9)
(10)(11)(12)、さらに、リボイラー(1
3)(14)(15)(16)を配設してもいる。この
蒸留塔(1)(2)(3)(4)は、各々、1mmHg
以下の減圧、および200℃以下の塔底温度に厳密に制
御する。真空度と温度とは密接に関係しているため、各
の蒸留塔に独立の真空系を配置するのが好ましいが、こ
の制御のために真空系(5)(6)(7)(8)を各々
完全に独立にすることは必ずしも必須ではない。真空ポ
ンプの能力や制御システム等に応じてこの真空系を適宜
に構成してもよい。
【0014】以上の構成においては、まず原料(A)を
第1蒸留塔(1)に、たとえばその塔頂近傍に導入し、
塔頂留分は凝縮系(9)において凝縮し、第2蒸留塔
(2)としての初留分精留塔に、たとえばその塔底部に
液状で導入する。この液状での導入は、この発明の方法
において重要なファクターである。
【0015】第2蒸留塔(2)においては、その塔頂留
分としてより低炭素数(<C19)の脂肪酸類からなる初
留分(B)を回収する。また、その塔底液の一部は、第
1蒸留塔(1)の塔頂近傍に還流する。これもこの発明
の方法にとって極めて重要な一つの特徴である。第1蒸
留塔(1)の塔底凝縮液もリボイラー(13)で加熱し
て塔底部に戻すとともに、第3蒸留塔(3)の塔頂近傍
に、液状で導入する。この第3蒸留塔(3)の塔頂留分
は凝縮系(11)を介して凝縮液として第4蒸留塔
(4)の塔底部に供給する。また、塔底凝縮液は、リボ
イラー(15)によって加熱して塔底部に戻すととも
に、エイコサペンタエン酸またはそのエステルより長鎖
のC21以上の脂肪酸から主としてなる後留(残留)分
(C)を回収する。
【0016】第3蒸留塔(3)の塔頂からの凝縮液を導
入した第4蒸留塔(4)においては、塔頂からの蒸留成
分を凝縮系(12)において凝縮し、一部を塔頂近傍に
還流するとともに、エイコサペンタエン酸またはそのエ
ステルを主なものとする主留分(D)を回収する。一
方、塔底凝縮液はリボイラー(16)で加熱して塔底に
戻すとともに、一部を、第3蒸留塔(3)の塔頂近傍に
還流する。なお、原料(A)は、第1蒸留塔(1)への
導入前に、減圧に保ったフラッシュタンク(17)にお
いて処理し、空気や水分等の不純物を除去するようにし
てもよい。また、リボイラー(13)(14)(15)
(16)には、加熱時間を短くすることができる流下薄
膜蒸発型のものを採用することが有利でもある。これに
より、熱劣化をより効果的に防ぐことができる。次に図
1に例示した装置を用いての、この発明の高濃度品製造
のための方法の具体的な製造例を説明する。
【0017】<製造例1>魚油から得られた脂肪酸(C
19以下60%、C2023%、C21以上17%)混合物の
エチルエステルを、1mmHgの真空に保ったフラッシ
ュタンク(17)にて処理し、次いで、塔径300m
m、高さ約7mで、0.1mmHgの真空に保った第1
蒸留塔(1)に15〜20l/hrの割合で供給した。
この第1蒸留塔(1)においては、塔底温度195℃以
下、より具体的には193〜195℃となるようにし
た。また、その理論段数は4段とした。この第1蒸留塔
(1)には、その塔底にC20以上の脂肪酸エステル混合
物が集まることから、この第1蒸留塔の塔底部の真空度
および温度の制御が難しくなる。そこで、第1蒸留塔内
への充填物の量は第2蒸留塔(2)よりも少なくした。
【0018】第1蒸留塔(1)の塔頂凝縮液は第2蒸留
塔(2)の塔底部に導入した。この第2塔の塔底温度は
184〜185℃となるようにし、0.1mmHgの減
圧において操作した。理論段数は6段とした。また、塔
頂留分は、還流比1:2で還流し、一部は、初留分
(B)として回収した。この初留分の組成は、表1にも
示したように、C19以下の脂肪酸類99%、C 20エイコ
サペンタエン酸エステル他1%、C21以上の脂肪酸類0
%であった。第2蒸留塔(2)においては、その塔底液
が液面として一定になるように制御し、塔底液を第1蒸
留塔(1)の塔頂近傍に戻した。つまり、この塔底凝縮
液は還流液として第1蒸留塔(1)に戻した。第1蒸留
塔(1)の塔底液は、第3蒸留塔(3)の塔頂近傍に供
給した。この時の圧力は0.1mmHgの減圧条件と
し、また塔底温度は同様に195℃以下となるようにし
た。理論段数は4段とした。
【0019】第3蒸留塔(3)の塔底液として、後留
(残留)分(C)を回収した。この後留の組成は、表1
に示した通り、C19以下の脂肪酸類0.1%、C20エイ
コサペンタエン酸エステル他20%、C21以上の脂肪酸
類79.9%であった。この第3蒸留塔(3)の塔頂留
分は、凝縮液として第4蒸留塔(4)の塔底部に供給し
た。理論段数6段のこの第4蒸留塔(4)は、0.1m
mHgの減圧で、塔底温度195℃以下となるように操
作した。塔底液は、還流液として第3蒸留塔(3)の塔
頂部に戻した。この時も、第4蒸留塔の塔底液面が一定
となるようにした。塔頂凝縮液は、還流比1:2で還流
させ、同時に主留分(D)を回収した。この主留分の組
成は、表1に示したように、C19以下の脂肪酸類0.1
%、C 21以上の脂肪酸類0%、C20エイコサペンタエン
酸エステル他99.9%であった。C20留分のうちのエ
イコサペンタエン酸エチルエステルの濃度は88%であ
った。
【0020】<比較例>比較のために、図2に示した2
塔の構成からなる蒸留塔(21)(22)(論理段数1
0段)による連続減圧蒸留を試みた。この時も、各々の
蒸留塔(21)(22)には、独立の真空系(23)
(24)および凝縮系(25)(26)を設け、リボイ
ラー(27)(28)も配置した。 第1蒸留塔(2
1)塔頂より初留分(B′)を、第2蒸留塔(22)塔
頂より主留分(D′)、またその塔底より後留(残留)
分(C′)を回収するようにした。各々の蒸留塔(2
1)(22)は0.1mmHgの減圧条件とした。第1
蒸留塔(21)の塔底温度を195℃以下となるように
試みたが、温度制御は困難で、210℃以上になる場合
があり、熱変性物の生成が認められた。初留分、主留分
および後留分の組成は表2に示した通りであった。C20
留分の分離精製効率はこの発明の高濃度品製造のための
方法に比べてはるかに劣り、また、蒸留操作の制御は著
しく困難となった。また、C20留分として回収された主
留分のうちのエイコサペンタエン酸エチルエステル濃度
は76%にとどまった。第1蒸留塔(21)の塔底温度
を195℃以下に制御しても、この表2から明らかなよ
うに、どうしても、より低炭素数の、特にC18脂肪酸類
の混入がさけられず、製品としては全く不充分なものと
なった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】<製造例2>5塔の蒸留塔を用い、製造例
1と同様にして、エイコサペンタエン酸エチルエステル
18%含有の原料(A)を、40℃の温度において16
l/hrの割合で第1蒸留塔に供給した。この時、第1
蒸留塔(1)および第3蒸留塔(3)の塔頂留分はその
まま第2蒸留塔(2)および第4蒸留塔(4)に供給し
た。第4蒸留塔(4)の塔頂凝縮液を第5蒸溜塔(図示
せず)の塔底に入れた。第5蒸溜塔の塔頂より製品を得
た。また、各蒸留塔には、4mmの網目の大きさからな
る網目板を装入した。これにより、93%濃度の、C21
<を全く含有しないエイコサペンタエン酸エステルを取
得した。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、実質的に熱劣
化物を含まない、不飽和度が5の脂肪酸またそのエステ
ルを85%以上含む、C20の脂肪酸またそのエステルの
純度が97%以上であるエイコサペンタエン酸またはそ
のエステルの工業的規模の生産品を提供することができ
る。それ自体として医用処方物となしえる高純度品を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の一実施例を示した装置構成模
式図である。
【図2】従来の2塔方式の例を示した模式図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 蒸留塔 5、6、7、8 真空系 9、10、11、12 凝縮系 13、14、15、16 リボイラー A 原料 B 初留分 C 後留(残留)分 D 主留分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11B 7/00 C11B 7/00 C11C 1/10 C11C 1/10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エイコサペンタエン酸またはその誘導体
    を含む天然油脂から得られる脂肪酸またはそのエステル
    の混合物を、低炭素数脂肪酸類初留分の精留塔を独立さ
    せた3塔以上の蒸留塔において、前段蒸留塔から留出分
    が供給される蒸留塔の塔底液を前段蒸留塔に還流し、1
    0mmHg以下の減圧および210℃以下の塔底温度に
    おいて連続蒸留することを特徴とする濃度80%以上の
    高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前段蒸留塔の塔頂留分の凝縮液を、該蒸
    留塔から留出分が供給される蒸留塔に送る請求項1の高
    濃度エイコサペンタエン酸またはそのエステルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前段蒸留塔から留出分が供給される蒸留
    塔の塔底液を、前段蒸留塔塔頂近傍に還流する請求項1
    または2の高濃度エイコサペンタエン酸またはそのエス
    テルの製造方法。
  4. 【請求項4】 エイコサペンタエン酸またはそのエステ
    ルを主成分として含有する主留分精留塔と、高炭素数脂
    肪酸類後留分の精留塔とを各々独立させて連続蒸留する
    請求項1、2または3の高濃度エイコサペンタエン酸ま
    たはそのエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 各々の蒸留塔が独立した真空系および凝
    縮系を有する請求項1、2、3または4の高濃度エイコ
    サペンタエン酸またはそのエステルの製造方法。
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