JPS649977B2 - - Google Patents

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JPS649977B2
JPS649977B2 JP3557581A JP3557581A JPS649977B2 JP S649977 B2 JPS649977 B2 JP S649977B2 JP 3557581 A JP3557581 A JP 3557581A JP 3557581 A JP3557581 A JP 3557581A JP S649977 B2 JPS649977 B2 JP S649977B2
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fatty acid
urea
unsaturated fatty
long
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JP3557581A
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Masakatsu Wagu
Shoichiro Hayashi
Koichi Kodama
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Kureha Corp
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Kureha Corp
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Publication date
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Publication of JPS649977B2 publication Critical patent/JPS649977B2/ja
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【発明の詳細な説明】
本発明は海産動物の油脂あるいは肝油から高純
度長鎖高度不飽和脂肪酸アルキル(C1−C4)エ
ステルを工業的規模で安価に製造する方法に関す
るものである。更に詳細に述べると、いわし、あ
じ、さば、にしん、たら、沖あみ、いか等の海産
動物の油脂又は肝油から、高純度のエイコサペン
タエン酸アルキル(C1−C4)エステル及びドコ
サヘキサエン酸アルキル(C1−C4)エステルを
工業的な規模で安価に製造する方法に関するもの
である。 近年、日本人の平均寿命は栄養の改善と公衆衛
生の普及並びに医療の進歩により70歳を超え世界
でも有数の長寿国となつたが、その結果自殺や事
故死等の特別な場合を除き、日本人の死因はいわ
ゆる成人病である悩卒中、がん、心臓病が一位か
ら三位をしめるに至つた。このような悩卒中及び
心臓病の循環器系疾患に共通の原因である高血圧
や動脈硬化の予防と治療法を見い出していくこと
は大きな課題であり、コレステロールを多く含む
卵、肉、バターの過食や食塩のとり過ぎを慎むこ
とが叫ばれるようになつた。 一方、魚油の摂取により血清中のコレステロー
ル値が著しく低下することが知られており、特に
たら・にしん・いか等の海産動物の油脂又は肝油
に含まれている長鎖高度不飽和脂肪酸が血清コレ
ステロールを低下する作用を持つていることが知
られ、油脂化学第12巻第5号,249−260頁,
1963)、更に英国のウエルカム研究所Vane博士等
の研究(Lancet,第2巻117頁,1978)やデンマ
ークのDyerberg博士等の研究(Amer.J.Clin.
Nut,第28巻,958頁,1975)から、エイコサペ
ンタエン酸が血小板の凝固を抑制する作用があ
り、悩血栓や心筋梗塞の予防薬としての可能性が
示唆されて以来、海産動物の油脂又は肝油からエ
イコサペンタエン酸及びそのエステル、或いはド
コサヘキサエン酸及びそのエステルを分離し、高
純度に精製する工業的な方法を確立することが極
めて重要になつた。 従来、海産動物の油脂又は肝油から長鎖高度不
飽和脂肪酸を分離精製する一般的な方法として、 尿素付加体法、真空蒸留法、銀イオン・
クロマトグラフイー法、薄層クロマトグラフイ
ー法及びガスクロマトグラフイー法が知られて
いる。これら従来技術のうち、 尿素付加体法は不飽和結合が少ない脂肪酸エ
ステルほど尿素との付加体結晶を作り易く、不
飽和結合の多い高度不飽和脂肪酸エステル類は
尿素との付加体を作りにくい性質を利用するも
のであるが、海産動物の油脂又は肝油中のエイ
コサペンタエン酸エステル及びドコサヘキサン
エン酸エステルの含量は10%程度であるのでエ
イコサペンタエン酸エステル及びドコサヘキサ
エン酸エステルを精製するには大量に含まれて
いる飽和度の高い脂肪酸エステルを除去する必
要がある。従つて大量の尿素が必要となり、又
低級アルコール等の反応溶剤や過結晶の洗浄
用溶剤の使用量が莫大になる。例えばサンマ油
の場合、油脂1トンに対し尿素は3〜4トン、
反応溶剤は10000〜15000程度が必要になる。
このような尿素及び溶剤の使用量が莫大な方法
を工業的な規模で実施する場合には、使用した
尿素及び溶剤を回収し、再使用することが必要
である。この方法においては、回収すべき尿素
及び溶剤の量が大量であるので、回収のために
膨大な設備が必要なものとなる。更に、尿素
付加体法によつて得られるエイコサペンタエン
酸エステル及びドコサヘキサエン酸エステルの
純度はいずれも35%程度のものであり、本発明
のエイコサペンタエン酸エステル及びドコサヘ
キサエン酸エステルを高純度、例えば80%以上
の純度のものを高収量で得ることはできない。 真空蒸留法を用いて海産動物の油脂又は肝油
からエイコサペンタエン酸エステル及びドコサ
ヘキサエン酸エステルを分離する場合、これら
油脂又は肝油には、約20種類の脂肪酸が含まれ
ており、沸点の違いによつてのみエイコサペン
タエン酸エステル及びドコサヘキサエン酸エス
テルを単離することは困難である。この方法に
よつて得られるエイコサペンタエン酸エステル
及びドコサヘキサエン酸エステルの純度は40%
以下である。 銀イオンクロマトグラフイー法は、溶離液の
組成が適当であれば高純度のエイコサペンタエ
ン酸エステル及びドコサヘキサエン酸エステル
が得られるが、硝酸銀や酢酸銀等の高価な薬品
を多量に必要とする。更に銀イオン含浸シリカ
ゲルは光及び還元性物質に敏感で容易に遊離の
銀を生成し失活し易いから、海産動物の油脂の
如く脂肪酸エステル以外の不純物を多く含有し
ている試料に対してはカラムが汚染され、工業
的な規模による反復使用が大巾に制限される。
又目的生成物をカラムから溶出させる為に必要
とする有機溶剤の使用量が極めて多い為、その
回収と再使用の為に多大な経費を必要とするか
ら、この方法単独で工業化を企図することは困
難である。むしろ、この方法は実験室的な方法
である。 薄層クロマトグラフイー法及びガスクロマ
トグラフイー法の各方法は、元来分析法である
ので、工業的な規模で行なうことは困難であ
る。 本発明者等は、かかる状況のもとにあつて、医
薬品及び食品の栄養強化又は改質用配合物として
価値のある高純度エイコサペンタエン酸エステル
又はドコサヘキサエン酸エステルを大量且つ安価
に供給する工業的な方法を提供すべく鋭意研究を
した結果、海産動物の油脂又は肝油の脂肪酸エス
テル混合物を製造する第1工程と、それを10mmH
g以下の減圧下で精密分留し、脂肪酸部分の炭素
数が20であるエイコサペンタエン酸エステル留分
と、脂肪酸部分の炭素数が22であるドコサヘキサ
エン酸エステル留分を分離する第二工程と、それ
等の留分を尿素付加体法によつて精製する第三工
程の組み合わせにより、従来の方法では達成でき
ない高純度のエイコサペンタエン酸エステルとド
コサヘキサエン酸エステルが同時に高収量で得ら
れ、かつ第三工程で必要となる尿素量が油脂1ト
ン当り0.6〜0.8トン、反応溶剤量が2000〜2500
と驚くべきことに従来の約5分の1の量で分離精
製が出来ることを見出した。更に上述の第二工程
では、脂肪酸部分の炭素数が14,16,18個である
脂肪酸エステルも個々に分離でき、分離したC14
C16及びC18の脂肪酸エステルを付加価値の高い工
業原料として利用することも出来る。 本発明の長鎖高度不飽和脂肪酸アルキル(C1
−C4)エステルを高純度で得る為には、上述し
た第一工程、第二工程及び第三工程を順次おこな
うことによつてのみ成し得、例えば参考例に示し
た如く、第二工程と第三工程の順序を逆にした場
合、大量の尿素と反応溶剤が必要となると共に尿
素付加体精製における精製効率の低下及び尿素付
加体の過結晶に目的物質が付着するための収率
の低下、並びに使用した反応溶剤の回収及び尿素
の再利用に際して、大量に生成した付加体結晶を
分解するための抽出溶剤の大量使用、更に、それ
ら回収・再利用の為に膨大なかつ複雑な設備を備
え付けなければならないという問題がある。更
に、尿素付加体から回収される脂肪酸エステルは
炭素数が14〜22個までの脂肪酸エステルの混合物
であるので工業原料としての利用価値も本発明の
方法によつて得られたものと比較して小さいもの
である。 上述した記載から明らかなとおり、本発明の目
的は、エイコサペンタエン酸アルキル(C1−C4
エステル及びドコサヘキサエン酸アルキル(C1
−C4)エステルを高純度・高収量及び工業的な
規模にて大量に製造する方法を提供することであ
る。 本発明のエイコサンペンタエン酸アルキル
(C1−C4)エステル(以下EPAと称する。)及び
ドコサヘキサエン酸アルキル(C1−C4)エステ
ル(以下DHAと称する。)は、それぞれ次の化学
式にて示される。 EPA;CH3(CH2CH=
CH)5CH2CH2CH2COOR DHA:CH3(CH2CH=CH)6CH2CHCOOR 但し、Rは炭素数1−4のアルキル基を表わ
す。 次に本発明の各工程について詳細に説明をす
る。 (第一工程) 海産動物の油脂又は肝油は、グリセリンの3個
の水酸基に異なる脂肪酸が結合した混合グリセリ
ドであり、直接EPAやDHAをとり出すことが出
来ない。それ故、本発明では油脂の脂肪酸のグリ
セリンエステルを炭素数が4以下である低級アル
キルとのエステルに変換して分離精製を行う。 その方法の一つは、かかる油脂又は肝油を少量
のアルカリ又は酸触媒の存在下で、2〜4倍量の
炭素数が4以下の低級アルコールと加熱撹拌しエ
ステル交換反応を行う方法である。アルカリ触媒
はナトリウム、カリウムのアルカリ金属の水酸化
物又はそれ等のアルコラートであるが、アルコラ
ートの代りにアルカリ金属をアルコールに溶解し
て用いることも出来る。アルカリ触媒の添加量は
脱酸魚油の場合、1トンに対して5〜20Kg程度で
十分であるが、酸性成分の多い油脂の場合はその
中和に必要とするアルカリを追加するか、或いは
あらかじめ脱酸処理をしてから使用する。酸触媒
は硫酸、スルホン酸を使用することが出来る。酸
触媒の添加量は使用する低級アルコールに対し1
〜5%程度であることが好ましい。 エステル交換反応は室温でも進行するが、反応
を早める為に通常50℃〜120℃、好ましくは60℃
〜100℃で行い、1〜8時間で終了させる。用い
た低級アルコールが水に易溶性の場合は反応終了
液に水を0〜50%量加え抽出溶剤で抽出する。水
に難溶性の場合は、1〜2倍容積量の水を加え、
反応に用いたアルコールを抽出溶剤として利用す
る。抽出溶剤はヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン等の炭化水素溶剤の他に、エーテル等が
使用出来る。抽出液を中和し水洗した後濃縮する
と油脂の脂肪酸エステル混合物が得られる。 他の方法は、油脂を1〜6倍量のメタノールと
混合し、これに油脂1トンに対し200〜400Kgのア
ルカリ金属水酸化物を加え、2〜5時間加熱還流
した後、メタノールを留去し水を加え希釈し、生
ずる不ケン化物を除去する。水層は硫酸で酸性と
してから前記溶剤で抽出し、水洗・乾燥をしてか
ら濃縮する。残留部に1〜5%の濃硫酸を添加し
た炭素数4以下の低級アルコールを1〜5倍量加
え60〜120℃で2〜8時間加熱するとエステル化
反応が終了するので、水を加え希釈してから前記
溶剤で抽出し、中和し水洗後に濃縮すれば油脂の
脂肪酸エステル混合物が得られる。 酸触媒によるエステル化に代りにベンゼン又は
トルエンの共沸脱水法によるエステル化を行うこ
とも出来る。 (第二工程) 第一工程で得られる脂肪酸エステルの混合物は
主として14,16,18,20,22個の偶数の炭素数を
持つ飽和及び不飽和脂肪酸エステルの混合物であ
り、沸点が非常に高く、通常の蒸留精製をおこな
うと酸化分解、重合及び不飽和結合の転位や異性
化反応を起し易いので、10mmHdl以下の減圧下、
好ましくは0.1〜0.01mmHgの減圧下で精密分留を
行う。 精留塔はタナ段塔又は充填塔のいずれも使用で
きるが、気一液の接触が良好で圧損が特に小さい
もの選ぶ必要がある。還流比を十分にとり分留を
すると脂肪酸部分の炭素数により5個の留分に分
離することが出来るから、炭素数20及び22個の留
分はEPAとDHAを分離する為に第三工程に送
り、14,16,18個の留分は、例えばミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸エステル等の製
造原料として使用することが出来る。 (第三工程) 炭素数が20及び22個である脂肪酸留分を3〜8
倍量の炭素数4以下の低級アルコールに溶解し、
室温で撹拌し尿素を加えると尿素付加体結晶が生
成するので、結晶を過し洗浄後再び尿素分別を
行うと、高純度のEPA又はDHAが得られる。尿
素の添加は、反応の途中経過をガスクロマトグラ
フイーにより分析し、EPAの液中の組成比が最
高値を示した時点で尿素の添加を停止する。 液は濃縮してから水を加えて希釈し、ヘキサ
ン、ヘプタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエ
ン等の溶剤で抽出し、水洗と乾燥をしてから濃縮
し真空蒸留を行うと純度80〜95%のEPA又は
DHAが高収量で得られる。 次に実施例をもつて本発明を具体的に詳述する
が、本発明はこれのみに限定されるものではな
い。 実施例 1 容積80のステンレス製反応槽にサンマ油10Kg
と180gの水酸化カリウムを溶解した30のメタ
ノールを入れ、65〜70℃で撹拌しながら4時間加
熱還流した。30℃に冷却後、20及び10のヘキ
サンで2回抽出し、ヘキサン層を5の水で2回
洗浄してから無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
ヘキサンを減圧留去すると淡黄色のメチルエステ
ル混合物が9.2Kg得られた。 その組成をガスクロマトグラフイーにより分析
すると、炭素数が14,15,16,18,20,22個の各
脂肪酸のメチルエステルの重量%はそれぞれ8.4
%,16.9%,15.8%,26.1%,29.3%であり、エ
イコサペンタエン酸メチルエステルとドコサヘキ
サエン酸メチルエステルの重量%はそれぞれ7.8
%及び9.2%であつた。 この混合物を直径10cm、高さ130cmの精留塔に
直径8mm、高さ10mmのステンレス製リングを充填
した内容20のステンレス製精留装置に入れ、
0.05mmHgで分留し留出順に6留分に分離した。
各留分の重量と主な組成を表に記載した。 C20留分とC22留分はそれぞれ11及び13のメ
タノールに溶解し、室温で撹拌しながら尿素1.62
Kg及び1.78Kgを加え、生じた尿素付加体結晶を
過し、2.2のヘキサンで結晶洗浄を行つた。洗
液と液を混合し再び尿素1.62Kg及び1.78Kgを加
え、同様にして尿素分別を行つた。2回目の洗液
も液を混合し濃縮した。水5を加え撹拌した
後4のヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層を
水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ヘキサンを
減圧留去した。濃縮物を0.05mmHgで単蒸留する
とC20留分の尿素分別物からエイコサペンタエン
酸メチルエステルが269g得られ、C22留分の尿素
分別物からドコサヘキサエン酸メチルエステルが
309g得られた。それ等のガスクロマトグラフイ
ーによる分析値(重量%)と物性値及び収率は次
の通りであり、赤外吸収スペクトルを図1及び2
に示した。 〔エイコサペンタエン酸メチルエステル〕 分析値:エイコサペンタエン酸メチルエステル
(82.2%),C20F4(12.1%),ドコサヘキサ
エン酸メチルエステル(3.5%)、不純物
(2.2%) 物性値:淡黄色液体,bp;143〜147℃/0.05mm
Hg,n15 D1.4919,ケン化価180(177),ヨウ
素価387(401) 収率:30.8% 〔ドコサヘキサエン酸メチルエステル〕 分析値:ドコサヘキサエン酸メチルエステル
(87.5%),エイコサペンタエン酸メチルエ
ステル(1.5%),C22F5(5.5%),不純物
(5.5%) 物性値:淡黄色液体,bp:151〜156℃/0.05mm
Hg,n20 D1.4977,ケン化価158(164),ヨウ
素価431(445) 収率:31.9% (註1) ガスクロマトグラフイー分析条件 カラム:DEGS10%,60〜80Mesh,
UniportHP(ガスクロ工業〓),3mm×2
mガラスカラム。 温度:200℃ キヤリヤーガス:ヘリウム 検出器;FID検出器 (註2) 魚油の種類によりEPAのDHAの含有
量が異なるので、収率はエステル化工程で
得られたEPA及びDHAに対する純度換算
収率として表示した。 (註3) ケン化価及びヨウ素価(ウイイス法)
のカツコ内は計算値を表わす。 (註4) 分析値中Cは脂肪酸部分の炭素数を表
わし、Fは二重結合の数を表わす。 すなわち、F1は二重結合が1個あるこ
とを示す。
〔エイコサペンタエン酸エチルエステル〕
分析値:エイコサペンタエン酸エチルエステル
(85.9%),C18F4(3.4%),C20F4(3.9%),
ドコサヘキサエン酸エチルエステル(3.6
%),不純物(3.2%) 物性値:淡黄色液体,bp:143〜148℃/0.01mm
Hg,n20 D1.4848,ケン化価161(170),ヨウ
素価373(384) 収率:30.0% 〔ドコサヘキサエン酸エチルエステル〕 分析値:ドコサヘキサエン酸エチルエステル
(81.8%),エイコサペンタエン酸エチルエ
ステル(3.4%),C22F5(5.2%),不純物,
(9.6%) 物性値:淡黄色液体、bp:152〜158℃/0.01mm
Hg,n20 D1.4952,ケン化価160(157),ヨウ
素価415(427) 収率:27.3% (註1) 魚油の種類によりEPAとDHAの含有
量が異なるので、収率はエステル化工程で
得られたEPA及びDHAに対する純度換算
収率として表示した。 (註2) ケン化価及びヨウ素価(ウイイス法)
のカツコ内は計算値を表わす。 (註3) 分析値中Cは脂肪酸部分の炭素数を表
わし、Fは二重結合の数を表わす。 実施例 5 n−プロピルアルコール30に金属ナトリウム
70gを冷却しながら反応させた後、いか肝油10Kg
を加え撹拌しながら4時間加熱還流した。30℃に
冷却し、水30を加えてから20及び10のヘキ
サンで2回抽出した。抽出液は実施例1と同様に
処理し、9.0Kgのいか肝油脂肪酸n−プロピルエ
ステルを得た。 その組成をガスクロマトグラフイーにより分析
すると、炭素数が14,16,18,20,22個である脂
肪酸n−プロピルエステルの重量%は、それぞれ
4.5%,19.8%,24.3%,29.5%,16.8%であり、
その他の不純物は5.1%であつた。エイコサペン
タエン酸n−プロピルエステルとドコサヘキサエ
ン酸n−プロピルエステルの重量%はそれぞれ
9.3%及び12.4%であつた。 この混合物を実施例1と同じ精留装置で0.05mm
Hgで減圧分留しC14留分を0.41Kg、C16留分を1.80
Kg、C18留分を2.29Kg、C20留分を1.20Kg、C22留分
を1.21Kg得た。C20留分及びC22留分をそれぞれ12
のn−プロピルアルコールに溶解し、室温で撹
拌しながら、それぞれ3.4Kgの尿素を用いて実施
例1と同様に尿素分別と減圧単蒸留を行つた。エ
イコサペンタエン酸n−プロピルエステルとドコ
サヘキサエン酸n−プロピルエステルの収量はそ
れぞれ263g及び318gであり、それ等のガスクロ
マトグラフイーによる分析値(重量%)、物性値
及び収率は次の通りである。それぞれの赤外吸収
スペクトルに図5及び6に示した。 〔エイコサペンタエン酸n−プロピルエステル〕 分析値:エイコサペンタエン酸n−プロピルエ
ステル(88.6%),C18F4(1.6%),C20F4
(3.1%),ドコサヘキサエン酸n−プロピ
ルエステル(3.5%),その他の不純物
(3.2%) 物性値:淡黄色液体,bp:162〜167℃/0.05mm
Hg,n20 D1.4840,ケン化価169(163),ヨウ
素価361(368) 収率:27.8% 〔ドコサヘキサエン酸n−プロピルエステル〕 分析値:ドコサヘキサエン酸n−プロピルエス
テル(89.5%),エイコサペンタエン酸n
−プロピルエステル(2.3%),C22F5(6.0
%),その他の不純物(3.2%) 物性値:淡黄色液体、bp:170〜175℃/0.05mm
Hg,n20 D1.4945,ケン化価145(151),ヨウ
素価402(411) 収率:25.5% (註1) 魚油の種類によりEPAとDHAの含有
量が異なるので、収率はエステル化工程で
得られたEPA及びDHAに対する純度換算
収率として表示した。 (註2) ケン化価及びヨウ素価(ウイイス法)
のカツコ内は計算値を表わす。 (註3) 分析値中Cは脂肪酸部分の炭素数を表
わし、Fは二重結合の数を表わす。 参考例 容積80のステンレス製反応槽にサンマ油10Kg
と150gのナトリウムメチラートを溶解した30
のメタノールを入れ60〜70℃で撹拌しながら4時
間加熱還流した。30℃に冷却し20及び10のヘ
キサンで2回抽出し、ヘキサン層を5の水で2
回洗浄してから無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
ヘキサンを減圧除去すると淡黄色のメチルエステ
ル混合物9.3Kgが得られ、その組成をガスクロマ
トグラフイーにより分析したところ実施例1の表
1と同じ結果が得られた。この混合物を125の
メタノールに溶解し、室温で撹拌しながら尿素17
Kgを加え30分間反応させた。結晶を過し2.5
のヘキサンで洗浄し、洗液と液を混合し再び尿
素17Kgを加え同様に尿素分別を行つた。2回目の
結晶を20のヘキサンで洗浄し、洗液と液を一
緒にして濃縮した。温水40に溶解し15及び10
のヘキサンで2回抽出し、ヘキサン層を5の
水で2回洗浄后、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ヘキサンを減圧留去すると1.6Kgの淡黄色油
状物が得られた。 これを直径5cm、高さ130cmの精留塔に直径8
mm、高さ10cmのガラスリングを充填した5のガ
ラス製精留装置に入れ、0.05mmHgで減圧分留す
ると、165gのエイコサペンタエン酸メチルエス
テルと172gのドコサヘキサエン酸メチルエステ
ルが得られた。それぞれの分析値(重量%)と収
率は次の通りである。 〔エイコサペンタエン酸メチルエステル〕 分析値:エイコサペンタエン酸メチルエステル
(74.4%),C18F4(3.4%),C20F4(11.5%),
ドコサヘキサエン酸メチルエステル(5.3
%),不純物(5.1%) 収率:17.0% 〔ドコサヘキサエン酸メチルエステル〕 分析値:ドコサヘキサエン酸メチルエステル
(79.2%),エイコサペンタエン酸メチルエ
ステル(4.5%),C22F5(6.8%),不純物
(9.5%) 収率:15.9% (註1) 魚油の種類によりEPAとDHAの含有
量が異なるので、収率はエステル化工程で
得られたEPA及びDHAに対する純度換算
収率として表示した。 (註2) ケン化価及びヨウ素価(ウイイス法)
のカツコ内は計算値を表わす。 (註3) 分析値中Cは脂肪酸部分の炭素数を表
わし、Fは二重結合の数を表わす。 一方、尿素分別により得られた付加体結晶を温
水70に溶解し、30及び15のヘキサンで2回
抽出した。ヘキサン層を5の水で2回洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥しヘキサンを除去する
と7.6Kgの黄色油状物が得られた。その組成をガ
スクロマトグラフイーにより分析したところ、炭
素数が14,16,18,20,22個である各種脂肪酸エ
ステルの混合物であり、それぞれの重量%は10
%,20.5%,14.8%,24.4%,27.5%,その他の
不純物2.8%であつた。
【図面の簡単な説明】
図1は、エイコサペンタエン酸メチルエステル
の赤外吸収スペクトル、図2は、ドコサヘキサエ
ン酸メチルエステルの赤外吸収スペクトル、図3
は、エイコサペンタエン酸エチルエステルの赤外
吸収スペクトル、図4は、ドコサヘキサエン酸エ
チルエステルの赤外吸収スペクトル、図5はエイ
コサペンタエン酸n−プロピルエステルの赤外吸
収スペクトル、図6はドコサヘキサエン酸n−プ
ロピルエステルの赤外吸収スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 海産動物の油脂、あるいは肝油を少量のアル
    カリ又は酸触媒の存在下でアルコール(C1−C4
    と加熱して、エステル交換反応を行なうか、或い
    は、該油脂又は肝油をケン化し、不ケン化物を除
    去した後、アルコール(C1−C4)を加えて、エ
    ステル化反応を行ない、長鎖高度不飽和脂肪酸ア
    ルキル(C1−C4)エステルの混合物を生成し、 次いで、得られた長鎖高度不飽和脂肪酸アルキ
    ル(C1−C4)エステルの混合物を10mmHg以下
    の減圧下で精密分留し、 得られた各留分を尿素付加体法により精製する
    ことを特徴とする高純度長鎖高度不飽和脂肪酸ア
    ルキル(C1−C4)エステルの製造方法。 2 長鎖高度不飽和脂肪酸アルキル(C1−C4
    エステルがエイコサペンタエン酸アルキル(C1
    −C4)エステルであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の製造方法。 3 長鎖高度不飽和脂肪酸アルキル(C1−C4
    エステルがドコサヘキサエン酸アルキル(C1
    C4)エステルであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。
JP3557581A 1981-03-12 1981-03-12 Manufacture of high purity long chain highly unsaturated fatty acid ester Granted JPS57149400A (en)

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