JPH11238923A - 磁気素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置 - Google Patents

磁気素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置

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JPH11238923A
JPH11238923A JP10039342A JP3934298A JPH11238923A JP H11238923 A JPH11238923 A JP H11238923A JP 10039342 A JP10039342 A JP 10039342A JP 3934298 A JP3934298 A JP 3934298A JP H11238923 A JPH11238923 A JP H11238923A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の出力電圧値を得るために、強磁性トン
ネル接合素子に流す電流値を増やしても磁気抵抗変化率
の減少が少なく、大きな出力電圧が得られる磁気素子が
求められている。 【解決手段】 トンネル電流を流し得る厚さを有する絶
縁層3と、この絶縁層3を挟持するように配置された第
1および第2の強磁性膜2、4とを具備する磁気素子1
であって、第1および第2の強磁性膜2、4の少なくと
も一方は非磁性体6で分断されている。あるいは、誘電
体マトリックス中に分散させた強磁性微粒子を有し、か
つ保磁力を持つグラニュラー磁性膜と、このグラニュラ
ー磁性膜と近接配置された強磁性膜とを具備し、グラニ
ュラー磁性膜と強磁性膜との間にトンネル電流を流す磁
気素子であって、強磁性膜は非磁性体で分断されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル電流を利
用した磁気素子とそれを用いた磁気ヘッドおよび磁気記
憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果は、ある種の磁性体に磁界
を加えることにより電気抵抗が変化する現象である。こ
のような磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子(以
下、MR素子と記す)は、磁気ヘッド、磁気センサなど
に使用されており、さらには磁気抵抗効果メモリなどが
提案されている。このようなMR素子には、外部磁界に
対する感度が大きいこと、応答速度が早いことなどが要
求されている。
【0003】強磁性体を用いたMR素子は、温度安定性
に優れ、使用温度範囲が広いというような特徴を有して
おり、従来からNiFe合金などの強磁性合金の薄膜が
使用されてきた。しかし、その磁気抵抗変化率は 2〜3%
程度と小さいため、これを用いた磁気ヘッドでは十分な
感度が得られないという問題があった。
【0004】一方、近年、強磁性層と非磁性金属層とを
数nmの周期で積層した積層膜が、スピンの方向に依存し
て巨大磁気抵抗効果を示す材料として注目されている。
例えば、Fe/Cr人工格子膜(Phys. Rev. Lett.61, 2
472(1988))、Co/Cu人工格子膜(J.Mag. Mag. Mate
r.94, L1(1991))などの強磁性層間の相互作用を反強磁
性結合させたものが見出されている。しかし、強磁性層
間の反強磁性結合を利用した金属人工格子膜は反強磁性
交換結合定数が大きいため、飽和磁界が大きく、またヒ
ステリシスも非常に大きいという問題を有している。
【0005】飽和磁界を小さくする目的で、強磁性層/
非磁性層/強磁性層のサンドイッチ積層膜の一方の強磁
性層に交換バイアスを及ぼして磁化を固定し、他方の強
磁性層を外部磁界により磁化反転させることによって、
2つの強磁性層の磁化方向の相対角度を変化させる、い
わゆるスピンバルブ膜が開発されている。しかし、スピ
ンバルブ膜は積層膜の抵抗が小さく出力電圧が小さいた
め、大きな出力電圧を得るためにはセンス電流を大きく
する必要がある。このため、スピンバルブ膜を使用した
磁気ヘッドでも、エレクトロマイグレーションなどの問
題が存在する。MR素子を用いたメモリなどを考慮して
も、非磁性金属を中間層とした場合には大きな出力電圧
が得られないという同様の問題が存在する。
【0006】また、上述したような多層膜(金属人工格
子膜)に対して電流を膜面に垂直方向に流す、いわゆる
垂直磁気抵抗効果を利用すると、非常に大きな磁気抵抗
変化率が得られることが知られている(Phys. Rev. Let
t.66, 3060(1991))。しかし、この場合には電流パスが
小さく、また各層が金属であるために抵抗が小さいこと
から、サブミクロン以下に微細加工しないと室温での磁
気抵抗効果を測定できないという問題がある。
【0007】さらに、上述した多層膜構造とは異なり、
非磁性金属マトリックス中に磁性超微粒子を分散させ
た、いわゆるグラニュラー磁性膜もスピンに依存した伝
導に基ずく巨大磁気抵抗効果を示すことが見出されてい
る(Phys. Rev. Lett.68, 3745(1992))。このようなグ
ラニュラー磁性膜では、磁界を加えない状態では磁性超
微粒子の性質により、各磁性超微粒子のスピンが互いに
不規則な方向を向いているために電気抵抗が大きく、磁
界を加えて各スピンを磁界の方向に揃えると抵抗が低下
し、その結果スピンに依存した磁気抵抗効果が発現す
る。しかし、この場合の磁性超微粒子は超常磁性を示す
ため、飽和磁界が本質的に非常に大きいという問題を有
している。
【0008】一方、スピン依存散乱とはメカニズムを異
にする、強磁性トンネル効果に基く巨大磁気抵抗効果が
見出されている。これは 2つの強磁性金属層の間に絶縁
層を挿入したサンドイッチ膜において、膜面に垂直に電
流を流して絶縁層のトンネル電流を利用するものであ
り、例えば保磁力の小さい強磁性金属層のスピンのみを
反転させると、 2つの強磁性金属層のスピンが互いに平
行なときと反平行なときでトンネル電流が大きく異なる
ために巨大磁気抵抗効果が得られる。このような強磁性
トンネル接合素子は構造が簡単であり、また比較的大き
な磁気抵抗変化率が得られるものの、所望の出力電圧値
を得るために強磁性トンネル接合素子に流す電流値を増
やすと磁気抵抗変化率が大幅に減少するという問題を有
している(Phys. Rev. Lett.74, 3273(1995))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、スピ
ン依存散乱を利用した磁気抵抗効果素子において、反強
磁性結合を利用した金属人工格子膜は、飽和磁場やヒス
テリシスが非常に大きいという問題を有している。ま
た、スピンバルプ膜では大きな出力電圧が大きなセンス
電流を流さないと得られず、エレクトロマイグレーショ
ンが発生しやすいというような問題がある。さらに、グ
ラニュラー磁性膜は磁性超微粒子が超常磁性を示すた
め、飽和磁界が本質的に大きいという問題を有してい
る。
【0010】一方、強磁性トンネル接合素子は、室温で
比較的大きな磁気抵抗変化率が得られ、また飽和磁界が
小さいというような特徴を有する反面、所望の出力電圧
値を得るために、強磁性トンネル接合素子に流す電流値
を増やすと磁気抵抗変化率が大幅に減少するという問題
を有している。
【0011】本発明はこのような課題に対処するために
なされたものであり、磁気抵抗変化率が大きいと共に飽
和磁界が小さく、また所望の出力電圧(または電流)値
を得るために、素子に流す電流(または電圧)値を増や
しても磁気抵抗変化率の減少が少ない磁気素子を提供す
ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の磁
気素子は、請求項1に記載したように、トンネル電流を
流し得る厚さを有する絶縁層と、前記絶縁層を挟持する
ように配置された第1の強磁性膜および第2の強磁性膜
とを具備する磁気素子において、前記第1の強磁性膜お
よび第2の強磁性膜の少なくとも一方は非磁性体で分断
されていることを特徴としている。
【0013】第2の磁気素子は、請求項3に記載したよ
うに、誘電体マトリックス中に分散させた強磁性微粒子
を有し、かつ保磁力を持つグラニュラー磁性膜と、前記
グラニュラー磁性膜と近接配置された強磁性膜とを具備
し、前記グラニュラー磁性膜と前記強磁性膜との間にト
ンネル電流を流す磁気素子であって、前記強磁性膜は非
磁性体で分断されていることを特徴としている。
【0014】本発明の第1の磁気素子は、例えば請求項
2に記載したように、前記第1の強磁性膜および第2の
強磁性膜の一方のスピンの方向を変化させることによ
り、磁気抵抗効果を発現させるものである。また、第2
の磁気素子も同様に、請求項4に記載したように、前記
グラニュラー磁性膜および前記強磁性膜の一方のスピン
の方向を変化させることにより、磁気抵抗効果を発現さ
せるものである。
【0015】本発明の磁気ヘッドは、請求項5に記載し
たように、上述した本発明の磁気素子と、前記磁気素子
にトンネル電流を流すようにセンス電流を供給する電極
とを具備することを特徴としている。また、本発明の磁
気記憶装置は、請求項6に記載したように、上述した本
発明の磁気素子と、前記磁気素子に電流磁界を印加する
電極とを具備することを特徴としている。
【0016】強磁性トンネル接合素子では、所望の出力
電圧(または電流)値を得るために、素子に流す電流
(または電圧)値を増やした場合、長波長のスピン波
(各格子点におけるスピンの傾いた状態が波のようにし
て伝わるもの:マグノン)が強磁性膜内および強磁性膜
間を伝わることによって、磁気抵抗変化率が減少すると
考えられる。そこで、本発明の磁気素子においては、ト
ンネル絶縁層を挟持する強磁性膜、もしくはグラニュラ
ー磁性膜と近接配置された強磁性膜を非磁性体で分断し
ている。
【0017】このように、強磁性トンネル接合素子の強
磁性膜を非磁性体で分断することによって、マグノンの
伝播を阻止することができるため、センス電流値を増や
した場合においても磁気抵抗変化率の減少を抑制するこ
とができ、大きな出力電圧を得ることが可能となる。
【0018】なお、本発明の第2の磁気素子において、
グラニュラー磁性膜は誘電体マトリックス中に分散させ
た強磁性微粒子を有するものであり、超常磁性を示さず
有限の保磁力を持つ強磁性体である。このような構造に
おいて、強磁性膜とグラニュラー磁性膜との間に電圧を
印加すると、強磁性膜の伝導電子はグラニュラー層中の
強磁性微粒子間をトンネル効果によって伝導し、トンネ
ル電流が流れる。このとき、スピンの向きは一般に保存
される。
【0019】このような強磁性トンネル接合において、
強磁性膜とグラニュラー磁性膜のスピンが同じ方向を向
いている場合には、これら各磁性膜のスピンは保存され
たままトンネル伝導するので、電子はトンネルしやす
い。すなわち抵抗は小さい。これに対して、一方の磁性
膜のスピンのみを反転させると、各磁性膜のいずれのス
ピンバンドも状態密度が小さいスピンバンドを経るの
で、電子はトンネルし難くなり、従って抵抗は大きくな
る。このように、強磁性膜とグラニュラー磁性膜の一方
のスピンのみを反転させることによって、巨大磁気抵抗
が得られる。
【0020】そして、第2の磁気素子におけるグラニュ
ラー磁性膜は、超常磁性を示さず、有限の保磁力を有す
る強磁性体であるため、従来のグラニュラーGMR材料
のような飽和磁界が大きいという問題はない。また、本
発明の第2の磁気素子は、グラニュラー磁性膜の電流パ
ス方向(膜厚方向あるいは膜面内方向)の長さ、あるい
は強磁性微粒子の体積充填率、大きさ、分散状態などを
制御することによって、電気抵抗を適当な値に制御する
ことができるというような特徴も有している。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施するための
形態について説明する。
【0022】図1は本発明の第1の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。同図におい
て、基板1上には第1の強磁性膜2が形成されており、
この第1の強磁性膜2上にはトンネル絶縁層3を介して
形成された第2の強磁性膜4が形成されている。トンネ
ル絶縁層3は、第1の強磁性膜2と第2の強磁性膜4と
の間にトンネル電流を流し得る厚さ、具体的には30nm以
下程度の厚さを有する絶縁層であり、これらにより本発
明の磁気素子としての強磁性トンネル接合素子5が構成
されている。
【0023】第1および第2の強磁性膜2、4は、膜面
方向に非磁性体6で分断されている。この強磁性膜2、
4を分断する非磁性体6には、Ag、Cu、Au、T
a、B、C、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nb
などの非磁性元素単体、もしくは非磁性合金、非磁性化
合物、非磁性酸化物など、磁性体(磁性粒)同士の交換
相互作用を弱めることが可能な種々の非磁性体を使用す
ることができる。また、非磁性体6の厚さは同様に、磁
性粒間の交換相互作用を弱めることが可能であればよ
く、例えば 1nm程度の厚さを有していればよい。
【0024】このように、非磁性体6は強磁性膜2、4
内の磁性粒同士の交換相互作用を弱めるように配置され
るものである。より具体的には、長波長のスピン波(マ
グノン)が強磁性膜2、4内を伝わることを防ぐよう
に、非磁性体6は強磁性膜2、4内に配置される。な
お、図1では第1および第2の強磁性膜2、4の双方を
非磁性体6で分断した構造を示したが、本発明では一方
の強磁性膜のみを非磁性体で分断した構造を採用するこ
とも可能である。
【0025】ここで、低エネルギーのマグノンが励起す
るエネルギーは次式で与えられる。 E= 2J( 2π/N)2 …(1) Nは単位体積中の原子数であり、Jは磁性体の交換エネ
ルギーでキュリー点に比例する。従って、マグノンのエ
ネルギーEが与えられたとき、 (1)式から決まるNより
も小さい粒子ではマグノンは励起しないことになる。例
えば、E=0.01eVのとき、 (1)式から N-2=( 2J/0.01)( 2π)-2 …(2) J= 1500Kとすれば 1eV=104 K であるから、 (2)式か
ら N=16.8 となる。結晶の大きさは格子定数をa=0.25nmとして Na=16.8×0.25nm= 4.2nm すなわち、直径が 4.2nm以下の粒子では、E=0.01eV以
下のエネルギーを持つマグノンは励起されないことを意
味する。
【0026】上述したように、強磁性膜2、4を非磁性
体6でマグノンのエネルギーから導かれるある粒子以下
の大ききに分断することによって、強磁性膜2、4内を
マグノンが伝播することを防ぐことができる。ただし、
非磁性体6で分断した後の粒子の大きさがあまり小さす
ぎると、スピンを維持することができなくなる。このた
め、強磁性膜2、4はスピンを保ち得る範囲内で、マグ
ノンの伝播をより有効に防ぐことが可能なように、でき
るだけ小さく分断することが好ましい。
【0027】強磁性膜2、4を非磁性体6で分断する、
言い換えると強磁性膜2、4内に非磁性体6を配置する
方法としては、例えば強磁性膜2、4の下地として非磁
性体層(例えば非磁性金属層)を配置(図1では図示せ
ず)し、この積層膜に熱処理を施すことによって、強磁
性膜2、4の結晶粒界に沿って非磁性体6を配置するこ
とができる。すなわち、強磁性膜2、4はその結晶粒の
大きさに応じて非磁性体6で分断される。この場合、強
磁性膜2、4を構成する結晶粒の大きさを予め制御して
おくことによって、強磁性膜2、4を所望の大きさを有
する磁気粒に非磁性体6で分断することができる。
【0028】第1の強磁性膜2および第2の強磁性膜4
は、例えば外部磁界により一方の強磁性膜のスピンの方
向のみを変化させることが可能とされており、これによ
り巨大磁気抵抗効果が発現する。第1および第2の強磁
性膜2、4のスピンが同じ方向を向いている状態におい
て、強磁性トンネル接合素子5の抵抗(膜面垂直方向へ
のトンネル電流の抵抗)は最小となり、この状態から一
方の強磁性膜のスピン方向を外部磁界などにより反転さ
せることによって、強磁性トンネル接合素子5の抵抗は
最大となる。この際、他方の強磁性膜のスピンは外部磁
界に対して実質的に固定されているようにする。
【0029】第1および第2の強磁性膜2、4のうち、
一方の強磁性膜のスピンの方向のみを変化させるために
は、例えば強磁性体の保磁力の差を利用してもよいし、
また図2に示すように、一方の強磁性膜(図2では第2
の強磁性膜4)を反強磁性膜7と積層し、この反強磁性
膜7との交換結合により磁化を固定するようにしてもよ
い。強磁性膜2、4の具体的な材質は特に限定されるも
のではなく、パーマロイに代表されるFe−Ni合金、
強磁性を示すFe、Co、Niおよびそれらを含む合
金、NiMnSb、PtMnSbなどのホイスラー合
金、CrO2 、マグネタイト、LaSrMnO3 などの
酸化物系磁性材料、アモルファス合金などの種々の軟磁
性材料から、Co−Pt合金、Fe−Pt合金、遷移金
属−希士類合金などの硬磁性材料まで、種々の強磁性材
料を使用することができる。
【0030】このような各層からなる強磁性トンネル接
合素子5は典型的には薄膜状であり、分子線エピタキシ
ー(ΜBE)法、各種スパッタ法、蒸着法などの通常の
薄膜形成方法を適用して作製することができる。なお、
本発明の強磁性トンネル接合素子5は、磁性材料または
非磁性材料からなる下地層、または非磁性材料からなる
オーバーコー卜層などを設けてもよい。
【0031】上述した実施形態の強磁性トンネル接合素
子5は、強磁性膜2、4を非磁性体6で分断しているた
め、マグノンの伝播を防ぐことができる。従って、所望
の出力電圧値を得るために、強磁性トンネル接合素子5
に流す電流値を増やしても、磁気抵抗変化率の減少を抑
制することが可能となる。これによって、大きな出力電
圧を良好に得ることができる。また、強磁性膜2、4を
非磁性体6で分断することによって、強磁性膜2、4は
より軟磁性化する。従って、MR素子としての強磁性ト
ンネル接合素子5をより高感度化することができる。
【0032】強磁性膜2、4を非磁性体6で分断する構
造は、図1に示したような構造に限らず、例えば図3に
示すように、強磁性層4aと非磁性層8とを交互に積層
した構造を採用することもできる。例えば、比較的高い
ガス圧下で強磁性層4aと非磁性層8とを交互にスパッ
タ成膜することにより、強磁性層4aが非磁性層8、8
aで分断された構造が得られる。また、多層構造の強磁
性膜4に熱処理を施して、各強磁性層4aの結晶粒界に
沿って非磁性体8aを配置した構造としてもよい。この
ような多層構造の強磁性膜4は、各強磁性層4aの膜厚
方向に配置された非磁性層8と、各強磁性層4a内に配
置された非磁性体8aとにより分断される。なお、図3
では一方の強磁性膜4のみを多層構造とした場合につい
て示したが、両強磁性膜2、4に多層構造を採用するこ
とも可能である。
【0033】また、非磁性体で分断された強磁性膜とし
ては、数nm程度の磁性微粒子が非磁性体で分断されたナ
ノ結晶材料を用いることも可能である。さらに、後述す
る第2の発明におけるグラニュラー磁性膜は、磁性微粒
子が誘電体マトリックスで分断された構造を有している
ため、これを第1の発明における非磁性体で分断された
強磁性膜として使用することも可能である。
【0034】上述した巨大磁気抵抗効果を示す強磁性ト
ンネル接合素子5においては、その積層方向にセンス電
流を流して、第1および第2の強磁性膜2、4間にトン
ネル電流を流す。このようなトンネル電流を含むセンス
電流の電圧を測定することによって、信号磁界などの外
部磁界を検出することができる。この外部磁界の検出機
能は、従来のMR素子と同様に、磁気抵抗効果型の磁気
ヘッドや磁界センサなどに利用することができる。また
第1および第2の強磁性膜2、4のうち、保磁力が小さ
い一方の強磁性膜を記録層とし、他方をスピン固定層と
し、同様なセンス電流で記録層の磁化方向を判定するこ
とにより、記録層に書き込まれたデータを読み取ること
ができる。これは磁気記憶装置として利用することがで
きる。
【0035】次に、本発明の第2の磁気素子の実施形態
について述べる。
【0036】図4は本発明の第2の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。図4に示す
磁気素子11は、基板12上に形成したグラニュラー磁
性膜13と、このグラニュラー磁性膜13上に積層形成
された強磁性膜14とを有している。グラニュラー磁性
膜13は、誘電体マトリックス15中に磁性微粒子16
を分散させた構造を有している。これらグラニュラー磁
性膜13と強磁性膜14との積層膜17において、積層
順は特に限定されるものではない。
【0037】また、積層膜17の構成は例えば図5に示
すように、 2層の強磁性膜14a、14bでグラニュラ
ー磁性膜13を挟持した構造、すなわち第1および第2
の強磁性膜14a、14bがグラニュラー磁性膜13を
挟んで対向配置された構造であってもよい。これら積層
膜17は強磁性トンネル接合を構成するものである。こ
のような積層膜17において、グラニュラー磁性膜13
と強磁性膜14との間に電圧を印加すると、強磁性膜1
4の伝導電子はグラニュラー磁性膜13中の磁性微粒子
16へトンネル効果によって伝導する。この際、グラニ
ュラー磁性膜13と強磁性膜14のうち、保磁力が小さ
い磁性膜のスピンの方向を外部磁界などで変化させるこ
とによって、巨大磁気抵抗効果が発現する。
【0038】積層型の磁気素子11は、少なくとも 1層
のグラニュラー磁性膜13と少なくとも 1層の強磁性膜
14とを積層した積層膜17を有していればよく、例え
ばグラニュラー磁性膜13と強磁性膜14とをさらに多
層積層した積層膜を適用することも可能である。また、
グラニュラー磁性膜13の下地としてCrなどの非磁性
金属膜を配置してもよい。なお、グラニュラー磁性膜1
3と強磁性膜14との間には、トンネル電流が流れる程
度の厚さの絶縁膜を介在させてもよく、この絶縁膜によ
り電気抵抗を制御することもできる。
【0039】上記した磁気素子11において、強磁性膜
14(14a、14b)は前述した第1の実施形態と同
様に、非磁性体6で分断されている。強磁性膜14を非
磁性体6で分断する大きさ、非磁性体6の材質や厚さ、
非磁性体6の強磁性膜14内への配置方法などは、前述
した第1の実施形態と同様とする。この実施形態の磁気
素子11においても、非磁性体6で分断された強磁性膜
14はマグノンの伝播が抑制される。
【0040】非磁性体6で分断されている強磁性膜14
の構成材料としては、例えばパーマロイに代表されるF
e−Ni合金、強磁性を示すFe、Co、Niおよびそ
れらを含む合金、NiMnSb、PtMnSbなどのホ
イスラー合金、CrO2 、マグネタイト、LaSrMn
3 などの酸化物系磁性材料などの軟磁性材料を使用す
ることができる。これら強磁性材料は、Ag、Cu、A
u、Ta、B、C、Pd、Pt、Zr、Ir、W、M
o、Nbなどの非磁性元素を多少含んでいても、強磁性
を失わない限り特に問題はない。
【0041】また、図5に示したように、 2層以上の強
磁性膜14a、14bを使用する場合には、これらは必
ずしも同じ材料で構成する必要はない。 2層の強磁性膜
14a、14bの保磁力が異なる場合には、例えば多値
メモリとして使用することができる。強磁性膜14は単
層構造に限らず、非磁性層を介して配置した 2つの強磁
性層を有し、これら強磁性層の磁化を互いに反平行とな
るように結合させた積層膜で、強磁性膜14を構成する
こともできる。このような反平行に結合させた積層膜に
よれば、強磁性膜14から磁束が外部に漏れることを防
ぐことができる。 さらに、強磁性層と半導体層とを交
互に積層した積層膜を、強磁性膜14として用いること
もできる。この場合には、熱や光照射によりスピンを反
転させることができるため、磁界が不要になるという特
徴がある。このような積層膜に用いる半導体としては、
B20構造のFeSi合金などが挙げられる。なお、上
記した強磁性層と非磁性層とを交互に積層した積層膜や
強磁性層と半導体層とを交互に積層した積層膜は、グラ
ニュラー磁性膜13を介して配置した 2つの強磁性膜1
4a、14bのうちの一方に適用してもよい。
【0042】一方、誘電体マトリックス15中に磁性微
粒子16を分散させたグラニュラー磁性膜13のスピン
は超常磁性を示さず、有限の保磁力を持つ強磁性体であ
り、理想的にはそのスピンは一方向に揃っていることが
望ましい。グラニュラー磁性膜13のスピンを一方向に
固着する方法としては、例えばグラニュラー磁性膜13
に接してFeMn、PtMn、IrMn、CrPtM
n、NiMn、NiO、Fe2 3 などの反強磁性膜を
配置し、バイアス磁界を印加するなどの方法を採用する
ことができる。
【0043】磁性微粒子16には種々の強磁性材料を使
用することができる。例えば、グラニュラー磁性膜13
を磁化固定層とする場合には、磁気異方性の大きいC
o、Co−Pt合金、Fe−Pt合金、遷移金属−希土
類合金などを用いることが好ましい。グラニュラー磁性
膜13を軟磁性層として用いる場合、特に磁性微粒子1
6の構成材料は限定されるものではなく、Fe、Co、
Niおよびそれらを含む合金、スピン分極率の大きいマ
グネタイト、CrO2 、RXMnO3-y (Rは希土類金
属、XはCa、BaおよびSrから選ばれる少なくとも
1種の元素、 yは 0に近い値)などの酸化物系磁性材
料、NiMnSb、PtMnSbなどのホイスラー合金
などを使用することができる。
【0044】また、グラニュラー磁性膜13を磁化固定
層とする場合においても、グラニュラー磁性膜13に接
してFeMn、PtMn、IrMn、CrPtMn、N
iMn、NiO、Fe2 3 などの反強磁性膜を配置す
れば、種々の強磁性材料を磁性微粒子16に適用するこ
とができる。さらに、グラニュラー磁性膜13の両端部
に一対の硬磁性膜を隣接配置し、この硬磁性膜からグラ
ニュラー磁性膜13にバイアス磁界を印加することによ
りスピンを固定するようにしてもよい。
【0045】グラニュラー磁性膜13における磁性微粒
子16の粒径は、超常磁性が発現せず、強磁性が維持さ
れる大きさ、例えば数nm以上とする必要がある。ただ
し、あまり磁性微粒子16が大きいと粒子間隔が増大す
るため、磁性微粒子16の粒径は 5〜10nm程度とするこ
とが好ましい。また、グラニュラー磁性膜13中の磁性
微粒子16は、それら微粒子間でトンネル電流が流れる
ように分散されている必要があり、粒子間隔は 3nm以下
程度とすることが好ましい。
【0046】誘電体マトリックス15としては、Al2
3 、SiO2 、MgO、AlN、B2 3 、Μg
2 、CaF2 、SrTiO3 などの種々の誘電体材料
を使用することができ、このような誘電体膜中に上記し
たような磁性微粒子16を分散させることでグラニュラ
ー磁性膜13が得られる。なお、上記した酸化膜、窒化
膜、フッ化膜などでは、それぞれの元素の欠損が一般的
に存在するが、そのような誘電体膜であっても何等問題
はない。
【0047】上述したグラニュラー磁性膜13および強
磁性膜14は、それぞれ膜面内に一軸磁気異方性を有す
ることが望ましい。これによって、急峻な磁化反転を起
こすことができると共に、磁化状態を安定して保持する
ことができる。これらは特に磁気記憶装置に適用する場
合に有効である。また、グラニュラー磁性膜13および
強磁性膜14の膜厚は、 0.1〜 100nmの範囲とすること
が好ましい。このうち、グラニュラー磁性膜13の膜厚
はできるだけ薄い方が好ましいが、作製上均一な膜厚を
維持することができ、またトンネル電流に対して悪影響
を及ぼさない膜厚であればよく、例えば50nm以下であれ
ばよい。
【0048】このような各層からなる磁気素子11は典
型的には薄膜状であり、分子線エピタキシー(ΜBE)
法、各種スパッタ法、蒸着法などの通常の薄膜形成方法
を適用して作製することができる。なお、本発明の磁気
素子では、積層膜15に磁性材料または非磁性材料から
なる下地層、または非磁性材料からなるオーバーコー卜
層などを設けてもよい。
【0049】上述した磁気素子11においては、グラニ
ュラー磁性膜13と強磁性膜14のうち保磁力が小さい
磁性膜のスピンの方向を外部磁界などで変化させること
によって、巨大磁気抵抗効果を発現させることができ
る。すなわち、グラニュラー磁性膜13と強磁性膜14
のスピンが同じ方向を向いている状態において、積層膜
17の抵抗は最小となり、この状態から保磁力が小さい
一方の磁性膜のスピン方向のみを外部磁界などにより反
転させることによって、積層膜17の抵抗は最大とな
る。この際、他方の磁性膜のスピンは外部磁界などに対
して実質的に固定されているようにする。このように、
一方の磁性膜のスピン反転によって、磁気抵抗変化率が
例えば 20%以上というような巨大磁気抵抗効果が得られ
る。
【0050】また、積層型の磁気素子においては、グラ
ニュラー磁性膜13と強磁性膜14との積層領域は 1つ
に限られるものではなく、例えば図6に示すように、グ
ラニュラー磁性膜13上に互いに分離された 2つの以上
の強磁性膜14-1、14-2を並列配置するようにしても
よい。図6に示す構造では、グラニュラー磁性膜13と
強磁性膜14との積層部分が 2つ形成されている。この
ような構造の磁気素子においては、グラニュラー磁性膜
13と強磁性膜14との積層部分を複数利用することが
できるため、抵抗変化率の増大を図ることが可能とな
る。また、このような構造においては、グラニュラー磁
性膜13の下側に、それより低抵抗の下地層(図示せ
ず)を設けることが好ましい。この下地層は強磁性金属
膜であっても、また非磁性金属膜であってもよく、これ
らによりグラニュラー磁性膜13の膜面内に沿って流れ
るトンネル電流を抑制することができる。
【0051】この実施形態の磁気素子11においても、
強磁性膜14を非磁性体6で分断しているため、マグノ
ンの伝播を防ぐことができる。従って、所望の出力電圧
値を得るために、強磁性トンネル接合素子としての磁気
素子11に流す電流値を増やしても、磁気抵抗変化率の
減少を抑制することが可能となる。これによって、大き
な出力電圧を良好に得ることができる。また、強磁性膜
14を非磁性体6で分断することによって、強磁性膜1
4はより軟磁性化する。従って、MR素子としての磁気
素子11をより高感度化することが可能となる。
【0052】また、磁気素子11において、グラニュラ
ー磁性膜13は超常磁性ではなく強磁性体であるため、
従来のグラニュラーGMR材料のような飽和磁界が大き
いという問題を解消することができる。さらに、グラニ
ュラー磁性膜13は誘電体マトリックス15中に磁性微
粒子16を分散させているため、絶縁層を有する強磁性
トンネル接合に比べて電気抵抗が小さい。さらに、グラ
ニュラー磁性膜13の電流パス方向(膜厚方向)の長
さ、あるいは磁性微粒子16の体積充填率、大きさ、分
散状態などを制御することによって、電気抵抗を適当な
値に制御することができる。これらによって、例えば記
憶素子などに用いた場合、素子の高速動作やS/N比の
増大などを図ることができる。
【0053】加えて、磁気抵抗効果を発現させる強磁性
トンネル接合(積層膜17)は、グラニュラー磁性膜1
3をトンネル障壁とし、この積層膜17のトンネル電流
は有限の保磁力を有するグラニュラー磁性膜13中の強
磁性微粒子16に基くものであるため、第1の実施形態
で示した強磁性トンネル接合における絶縁層3ほどグラ
ニュラー磁性膜13を薄くする必要はない。すなわち、
グラニュラー磁性膜13の膜厚は、作製上均質な状態が
得られる程度とすることができるため、バラツキが小さ
い安定した特性を再現性よく得ることができる。
【0054】この実施形態の磁気素子11においては、
巨大磁気抵抗効果を示す積層膜5に対して積層方向にセ
ンス電流し、グラニュラー磁性膜13と強磁性膜14と
の間にトンネル電流を流す。 2層の強磁性膜を用いた場
合には、第1の強磁性膜14a、グラニュラー磁性膜1
3および第2の強磁性膜14bの間にトンネル電流を流
す。このようなトンネル電流を含むセンス電流の電圧を
測定することによって、信号磁界などの外部磁界を検出
することができる。この外部磁界の検出機能は、従来の
MR素子と同様に、磁気抵抗効果型の磁気ヘッドや磁界
センサなどに利用することができる。また、グラニュラ
ー磁性膜13と強磁性膜14のうち保磁力が小さい磁性
膜を記録層とし、他方をスピン固定層とし、同様なセン
ス電流で記録層の磁化方向を判定することによって、記
録層に書き込まれたデータを読み取ることができる。こ
れは磁気記憶装置として利用することができる。
【0055】次に、本発明の第2の磁気素子の他の実施
形態について説明する。図7は基板面に沿って電流を流
すプレーナ型構造を適用した磁気素子の基本構造の一例
を模式的に示す図である。図7に示すプレーナ型磁気素
子18において、基板12上にはグラニュラー磁性膜1
3とそれを挟持する 2つの強磁性膜14、14とが基板
面に沿って配列されている。すなわち、グラニュラー磁
性膜13を挟んで対向配置された 2つの強磁性膜14、
14(第1および第2の強磁性膜)が基板面に沿って配
列されている。この基板面と平行な方向に接続されたグ
ラニュラー磁性膜13と強磁性膜14との接合部(平行
配列型接合部)が強磁性トンネル接合を構成している。
なお、一方の強磁性膜14に代えて、電極として利用し
得る非磁性金属膜を配置してもよい。
【0056】上記したプレーナ型の磁気素子18におけ
る各層の具体的な構成や付加的な構成などは、前述した
積層型の磁気素子11と同様である。そして、プレーナ
型の磁気素子18は、グラニュラー磁性膜13と強磁性
膜14との間のトンネル電流を含むセンス電流を、基板
面に沿って流す以外は前述した積層型の磁気素子11と
同様に、グラニュラー磁性膜13と強磁性膜14のうち
保磁力が小さい磁性膜のスピンの方向を外部磁界などで
変化させることによって、巨大磁気抵抗効果が発現す
る。
【0057】このようなプレーナ型の磁気素子18にお
いても、強磁性膜14を非磁性体6で分断しているた
め、マグノンの伝播を防ぐことができる。従って、所望
の出力電圧値を得るために、強磁性トンネル接合素子と
しての磁気素子11に流す電流値を増やしても、磁気抵
抗変化率の減少を抑制することが可能となる。これによ
って、大きな出力電圧を良好に得ることができる。さら
に、プレーナ型の磁気素子18は、微細加工技術を用い
て容易に作製できるため、安定した特性が得られやすい
と共に、素子の高密度化を容易に達成することが可能で
ある。
【0058】上述した各実施形態の磁気素子5、11、
18は、それぞれ磁気抵抗効果型磁気ヘッド、磁界セン
サ、磁気記憶装置、などに適用することができる。
【0059】各実施形態の磁気素子5、11、18を用
いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、従来の磁気抵抗効果
ヘッドと同様に構成することができる。すなわち、磁気
素子5、11、18にセンス電流を供給する電極を設置
すると共に、一方の磁性膜(磁気素子5では第1および
第2の強磁性膜2、4のいずれか、磁気素子11、18
ではグラニュラー磁性膜13と強磁性膜14のいずれ
か)を感磁層として利用し、この感磁層の磁化方向を例
えば信号磁界に応じて変化させる。その際の接合部の抵
抗を測定することによって、信号磁界などを検出するこ
とができる。これは磁気記録装置などの再生ヘッドとし
て有効である。また、磁界センサなどとしても使用可能
である。
【0060】次に、各実施形態の磁気素子5、11、1
8を磁気メモリなどの磁気記憶装置に適用する場合につ
いて説明する。
【0061】この場合、一方の磁性膜を記録層、他方を
スピン固定層とする。例えば、磁気素子11、18にお
いて、強磁性膜14を記録層とした場合、再生は記録層
である強磁性膜14とグラニュラー磁性膜13間の誘起
電圧を測定することにより実施される。すなわち、記録
層のスピンを反転させ、グラニュラー磁性膜13のスピ
ンと平行あるいは反平行に対応して“1”、“0”を指
定する。再生は記録層としての強磁性膜14とグラニュ
ラー磁性膜13間の電圧を測定すれば、磁気抵抗効果の
ために“1”または“0”によって再生電圧が異なるの
で、それを識別できることになる。強磁性膜14への
“1”または“0”の記録は、例えば強磁性膜4の上方
にワード線(電流磁界を印加するための電極)を設け、
それにパルス電流を流し、その向きをスイッチすること
によって実施される。この動作において、グラニュラー
磁性膜13のスピンは、そのより大きな保磁力のために
向きを変えない。なお、グラニュラー磁性膜13を記録
層に用い、強磁性膜14をスピン固定層としてもよい。
【0062】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0063】実施例1 スパッタ装置を用いて、熱酸化Si基板上に厚さ 100nm
のAg層を形成し、その上に厚さ 5nmのFe層を積層し
た後、このFe層上にグラニュラー磁性膜を形成した。
グラニュラー磁性膜は、Co80Pt20合金とSiO2
ターゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torr、基板バイア
ス300Wの条件下で同時スパッタを行って形成した。その
結果、SiO2 中にCoPt合金粒子が分散した膜厚10
nmのグラニュラー磁性膜が形成された。また、磁気測定
の結果、保磁力は1.8kOe と大きく、明瞭なヒステリシ
ス曲線が得られ、超常磁性的挙動は観測されなかった。
【0064】上記したグラニュラー磁性膜上に、Ag(3
nm)/Ni80Fe20(5nm)を積層した試料1と、(Ag
(1nm)/Ni80Fe20(2nm))を10層積層した試料2を作製
した後、Ag層を積層した。その後、試料1、2をそれ
ぞれ 300℃の温度で磁場中熱処理して、一軸異方性を付
与した。また、この磁場中熱処理によって、強磁性膜と
してのFe層およびNi80Fe20層の粒界にAgを拡散
させた。これら強磁性膜はAgで分断されていることが
断面TEMの結果から明らかになった。
【0065】これら試料1、2のトンネル磁気抵抗変化
率の印加電圧依存性を測定した。測定結果を図8に示
す。図8から明らかなように、素子に印加する電圧値を
増やしても磁気抵抗変化率の減少が少ないことが分か
る。これにより、大きな出力電圧が得られる磁気素子を
提供することができる。また、Ag分断Ni80Fe20
約4Oe という小さな磁場で急峻に磁気抵抗が変化し、
磁気抵抗効果型ヘッド、磁気センサ、磁気記憶装置とし
て良好な特性を示した。
【0066】実施例2 スパッタ装置を用いて、ガラス基板上にCo80Fe20
Cuをターゲットとして、Arガス圧 1×10-3Torrの条
件下で同時スパッタを行った。その後、 300℃で30分間
アニールを行った。その結果、Cu中にCo80Fe20
子が分散した膜厚 100nmのグラニュラー磁性膜が得られ
た。磁気測定の結果、保磁力は0.3kOeと大きく、明瞭
なヒステリシス曲線が得られ、超常磁性的挙動は観測さ
れなかった。
【0067】上記したグラニュラー磁性膜上に、厚さ 1
nmのAl膜を成膜した後、チャンバ内にAr+O2 ガス
を導入してプラズマ酸化を行い、Al2 3 膜を形成し
た。この上にAg(3nm)/Ni80Fe20(5nm) を積層した
試料1と、(Ag(1nm)/Ni80Fe20(2nm))を10層積層
した試料2を作製した後、CAP層としてAg層を100n
m成膜した。その後、試料1、2をそれぞれ 300℃の温
度で磁場中熱処理し、一軸異方性を付与した。また、こ
の磁場中熱処理によって、強磁性膜としてNi80Fe20
中にAgを拡散させた。Ni80Fe20強磁性膜はAgで
分断されていることが断面TEMの結果から明らかにな
った。
【0068】これら試料1、2のトンネル磁気抵抗変化
率の印加電圧衣存性を測定した。それらの結果を図9に
示す。なお、図9には強磁性膜を非磁性体で分断してい
ない、Co80Fe20/Al2 3 /NiFeトンネル接
合(比較例)の測定結果を併せて示す。比較例としての
Co80Fe20/Al2 3 /NiFeトンネル接合で
は、素子に印加した電圧値を増やすと磁気抵抗変化率が
急速に減少するのに対して、非磁性元素Cu、Agで分
断された強磁性膜を有する実施例2の各素子は、印加電
圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が少なく、大き
な出力電圧が得られることが分かった。また、Ag分断
Ni80Fe20は約 4Oe という小さな磁場で急峻に磁気
抵抗が変化し、磁気抵抗効果型ヘッド、磁気センサ、磁
気記憶装置として良好な特性を示した。
【0069】実施例3 スパッタ装置を用いて、熱酸化Si基板上にCr下地膜
を形成し、このCr下地膜上にグラニュラー磁性膜を形
成した。グラニュラー磁性膜は、Co80Pt20合金とA
2 3 をターゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torr、
基板バイアス300Wの条件下で同時スパッタを行って形成
した。その結果、Al2 3 中にCoPt合金粒子が分
散した膜厚10nmのグラニュラー磁性膜が得られた。ま
た、磁気測定の結果、保磁力は2kOe と大きく、明瞭な
ヒステリシス曲線が得られ、超常磁性的挙動は観測され
なかった。
【0070】このグラニュラー磁性膜上に、 5層の(M
o(1nm)/Co50Fe30Ni20(2nm))をArガス圧 1×10
-2Torrの条件下で成膜して試料とした。この際、Arガ
ス圧を高くすると積層が平坦でなくなり、例えば図3に
示したように、強磁性層が非磁性層で分断された構造が
得られる。このような強磁性膜にミリングにより微細加
工を行って、図6に構造を示したような素子を作製し
た。その後、磁場中熱処理を行って一軸異方性を付与し
た。
【0071】この試料のトンネル磁気抵抗変化率の印加
電圧依存性を測定した。その結果を図10に示す。非磁
性元素Moで分断された強磁性膜を有する素子は、印加
した電圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が少な
く、大きな出力電圧が得られることが分かった。また、
Mo分断Co50Fe30Ni20は約15Oe という小さな磁
場で急峻に磁気抵抗が変化し、磁気抵抗効果型ヘッド、
磁気センサ、磁気記憶装置として良好な特性を示した。
【0072】実施例4 スパッタ装置を用いて、ガラス基板上にCo−Fe−N
b−Si−Bをターゲットとし、Arガス圧 1×10-3To
rrの条件下でスパッタを行った。その後、 500℃で30分
間アニールを行って、膜厚 100nmのナノ結晶層を作製し
た。その上に、Alを 1nm成膜した後、チャンバ内にA
r+O2 ガスを導入してプラズマ酸化を行い、Al2
3 膜を作製した。
【0073】このAl2 3 膜上にAg(3nm)/Co(5n
m) を積層した試料を作製した。さらにその上に、Ag
(3nm)/Co(5nm) 層の磁化を固着するために、厚さ 7nm
のFeMn膜を成膜した後、CAP層としてAg層を 1
00nm成膜した。その後、試料を300℃にて磁場中熱処理
を行って一軸異方性を付与し、FeMnのブロッキング
温度直上で磁場の方向を90度回転し、室温まで温度を下
げた。また、この磁場中熱処理によって、強磁性膜とし
てのCo中にAgを拡散させた。これによって、一方の
強磁性膜がナノ結晶層で、他方の強磁性膜がAgで分断
された構造が得られていることが、断面TEMの結果か
ら明らかになった。
【0074】この試料のトンネル磁気抵抗変化率の印加
電圧依存性を測定した。その結果を図11に示す。図1
1から明らかなように、この実施例の素子は印加する電
圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が少なく、大き
な出力電圧が得られることが分かる。また、ナノ結晶層
は約 3Oe という小さな磁場で急峻に磁気抵抗が変化
し、磁気抵抗効果型ヘッド、磁気センサ、磁気記憶装置
として良好な特性を示した。
【0075】実施例5 スパッタ装置を用いて、SiO2 基板上に厚さ 100nmの
Crを形成し、その上にグラニュラー磁性膜を作製し
た。グラニュラー磁性膜は、Co90Fe10合金とAl2
3 をタ一ゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torr、基板
バイアス400Wの条件下で同時スパッタを行った。その結
果、Al2 3 中にCoFe合金粒子が分散した膜厚15
nmのグラニュラー磁性膜が得られた。また、磁気測定の
結果、保磁力は約30Oe と小さいが、明瞭な角形をもっ
た強磁性的なヒステリシス曲線が得られ、超常磁性的挙
動は観測されなかった。
【0076】このグラニュラー磁性膜上に、Ag(3nm)/
Co80Pt20(5nm) を積層し、さらにCAP層としてA
g層を 100nm成膜して試料とした。その後、この試料を
300℃にて磁場中熱処理を行って一軸異方性を付与し
た。また、この磁場中熱処理によって、強磁性膜として
のCo80Pt20の粒界にAgを拡散させた。この強磁性
膜がAgで分断されていることは断面TEMの結果から
明らかになった。
【0077】この試料のトンネル磁気抵抗変化率の印加
電圧依存性を測定した。その結果を図12に示す。図1
2から明らかなように、素子に印加した電圧値を増やし
ても磁気抵抗変化率の減少が少なく、大きな出力電圧が
得られることが分かる。また、グラニュラー磁性膜は約
30Oe という小さな磁場で急峻に磁気抵抗が変化し、磁
気抵抗効果型ヘッド、磁気センサ、磁気記憶装置として
良好な特性を示した。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気素子
によれば、強磁性トンネル接合に流すセンス電流値を増
やしても磁気抵抗変化率の減少が少ないため、大きな出
力電圧を安定して得ることができる。このような磁気素
子は磁気抵抗効果型ヘッド、磁界センサ、磁気記憶装置
などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の磁気素子の一実施形態の要部
構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 図1に示す磁気素子に反強磁性膜を付加した
状態を模式的に示す断面図である。
【図3】 図1に示す磁気素子の変形例の要部構造を模
式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の第2の磁気素子の一実施形態の要部
構造を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明の第2の磁気素子の他の実施形態の要
部構造を模式的に示す断面図である。
【図6】 図4に示す磁気素子の変形例の要部構造を模
式的に示す断面図である。
【図7】 本発明の第2の磁気素子のさらに他の実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図8】 本発明の実施例1による磁気素子のトンネル
磁気抵抗変化率の印加電圧依存性の測定結果を示す図で
ある。
【図9】 本発明の実施例2によるトンネル磁気抵抗変
化率の印加電圧依存性の測定結果を示す図である。
【図10】 本発明の実施例3によるトンネル磁気抵抗
変化率の印加電圧依存性の測定結果を示す図である。
【図11】 本発明の実施例4によるトンネル磁気抵抗
変化率の印加電圧依存性の測定結果を示す図である。
【図12】 本発明の実施例5によるトンネル磁気抵抗
変化率の印加電圧依存性の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
2、4、14……強磁性膜 3……トンネル絶縁層 5、11、18……磁気素子 6……非磁性体 13……グラニュラー磁性膜 15……誘電体マトリックス 16……強磁性微粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流を流し得る厚さを有する絶
    縁層と、前記絶縁層を挟持するように配置された第1の
    強磁性膜および第2の強磁性膜とを具備する磁気素子に
    おいて、前記第1の強磁性膜および第2の強磁性膜の少
    なくとも一方は非磁性体で分断されていることを特徴と
    する磁気素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気素子において、 前記第1の強磁性膜および第2の強磁性膜の一方のスピ
    ンの方向を変化させることにより、磁気抵抗効果を発現
    させることを特徴とする磁気素子。
  3. 【請求項3】 誘電体マトリックス中に分散させた強磁
    性微粒子を有し、かつ保磁力を持つグラニュラー磁性膜
    と、前記グラニュラー磁性膜と近接配置された強磁性膜
    とを具備し、前記グラニュラー磁性膜と前記強磁性膜と
    の間にトンネル電流を流す磁気素子であって、前記強磁
    性膜は非磁性体で分断されていることを特徴とする磁気
    素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の磁気素子において、 前記グラニュラー磁性膜および前記強磁性膜の一方のス
    ピンの方向を変化させることにより、磁気抵抗効果を発
    現させることを特徴とする磁気素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の磁気素子と、前記磁気素子にトンネル電流を流す
    ようにセンス電流を供給する電極とを具備することを特
    徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の磁気素子と、前記磁気素子に電流磁界を印加する
    電極とを具備することを特徴とする磁気記憶装置。
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